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日本ラストマッチを勝利で飾った志田ほか/10.15志田光自主興行後楽園写真集

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豪栄道が大関から陥落も「明日はやります」出場明言

支度部屋に引き揚げる豪栄道(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇12日目◇23日◇東京・両国国技館

9度目のかど番の豪栄道(33=境川)が、ついに大関から陥落した。新関脇の朝乃山に得意の右四つを許し、胸を合わせられると、なすすべなく寄り切られた。大関在位33場所は歴代10位だったが、若手の大関候補を前に屈した。支度部屋では「力がなかったということ」と一言。残り3日間に向けての気持ちを問われると「ふー」と息を吐き無言だった。昨年秋場所から貴景勝、栃ノ心、高安と、昭和以降初となる3場所連続大関陥落の記録を更新する形となった。

幕内後半戦で審判長を務めた師匠の境川親方(元小結両国)は「来場所はご当所。勝負をかけるならそこ。そのためにも今場所は最後まで」と弟子の13日目以降の出場を望み、地元・大阪で行われる春場所での奮起に懸けた。一方で「このまま終わっていいかどうかは本人が」と弟子の意向を尊重する構えを見せつつ、「戦う力はまだある。しっかり下半身を作って稽古をすれば」と話した。

取り組み後に都内の部屋に戻った豪栄道は、境川親方と話し合いをしたといい「明日はやります」と13日目の出場を明言した。5年間以上守り続けた大関から陥落した今こそ、真価が問われる。

朝乃山(左)に寄り切りで敗れて大関からの陥落が決まった豪栄道(撮影・丹羽敏通)

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徳勝龍が首位守る「たまたま」自己最多に並ぶ11勝

輝を突き落としで破って1敗を守った徳勝龍(右)(撮影・丹羽敏通)

<大相撲初場所>◇12日目◇23日◇東京・両国国技館

徳勝龍が幕内では自己最多に並ぶ11勝目で、首位の座を守った。

左四つで寄られたが、右からの突き落とし。連日の土俵際での逆転劇を見せた。「たまたま。危なかった」。左四つは北の湖部屋預かりだった幕下時代に、故北の湖親方(元横綱)から薦められた型。「(同親方とは)全然強さが違うけど、それまで押し相撲だったので幅が広がった」と感謝していた。

優勝争いについては「1番下(幕尻)なのでプレッシャーを感じる必要はない」と淡々としていた。

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる徳勝龍(撮影・鈴木正人)

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正代「優勝したいはしたい」連日ヒヤリも1敗守った

阿炎を突き落としで破った正代(右)(撮影・丹羽敏通)

<大相撲初場所>◇12日目◇23日◇東京・両国国技館

西前頭4枚目の正代(28=時津風)が連日の「ヒヤリ」相撲で1敗を守った。立ち遅れて小結阿炎に押し込まれながら土俵際、逆転の突き落としで残った。幕尻の徳勝龍も11勝目で、12日目を終えて平幕2人がトップ並走は史上初。目覚めた大器が、勝負の残り3日に挑む。かど番の大関豪栄道が負け越し、14年秋場所の昇進から33場所守った地位から関脇への転落が決まった。

   ◇   ◇   ◇

阿炎の強烈な突きに正代の体はイナバウアー級にのけぞった。「悪いところが出た相撲」と言うが、最後まで勝負をあきらめない。土俵際、踏ん張って逆転の突き落とし。「押し込まれたが、あせってはいなかった。昨日も失敗で悪いイメージが残っていた」。前日11日目も押し込まれながらの逆転劇。勝負強い。

幕尻の徳勝龍と12日目を終えてもトップを譲らない史上初の事態。正代は優勝争いについて「初めてなんで何とも言えない。意識はあまり出てこない」と言いつつ、「硬くなりつつある感じはある」。朝の稽古後は「(優勝は)なんだかんだいって大関じゃないですか。収まるところに収まると思う」とひとごとのように話していたが、徐々に変化の兆しは表れてきた。

東農大2年時に学生横綱になった大器は、新入幕から所要6場所で関脇に駆け上がり、そこから伸び悩んだ。「勝ちたいというか関取として残りたい気持ちが強くて、勝ち越すまで緊張していた」という。それが今は「だいぶ気楽にとれている。思い切り場所を楽しんで結果がついてくれば」と話す。朝乃山、御嶽海ら「学士力士」の後輩が先に優勝したのも、自分を見つめ直す契機になった。

勝負の残り3日に夢がかかる。正代は「1日が過ぎるのが早くて、トータル(15日間)がすごく長い。こういう経験は初めて。優勝したいはしたいですけど、変に熱くなるのは自分らしくないなと」。場所を楽しんだ先に賜杯が見える。【実藤健一】

支度部屋に引き揚げる正代(撮影・鈴木正人)

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貴景勝「相撲では100%負け」2敗守るも終始ぶ然

引き揚げる2敗の貴景勝(撮影・柴田隆二)

<大相撲初場所>◇12日目◇23日◇東京・両国国技館

貴景勝は肝を冷やしながらも2敗を維持した。立ち合いは相手の様子を見るように、踏み込みは弱かった。

突っ張り合いの末に右を差されたが、土俵際で左から小手投げ。得意ではない四つ相撲に持ち込まれかけ「勝負に勝ったけど相撲では100%負けている」と反省。「2敗で優勝争い残っていることに感謝しないといけない」と、支度部屋では終始ぶぜんとしていた。

報道陣の質問に答える貴景勝(撮影・鈴木正人)
栃ノ心を小手投げで破った貴景勝(左)(撮影・丹羽敏通)

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炎鵬が勝ち越し王手「少し自信に」白鵬ら見て勉強

支度部屋を引き揚げる炎鵬(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇12日目◇23日◇東京・両国国技館

炎鵬は大関経験者の高安を破り、勝ち越しに王手をかけた。肩越しに上手を取られたが、耐えながら左下手を取って転がした。

99キロで関取最軽量の小兵が1大関、2関脇撃破と躍進。「横綱(白鵬)や石浦関の動きを見て、盗める所は盗んで自分のものにしてきた。少し自信になった」と手応えを口にした。

高安(右)を下手投げで破る炎鵬(撮影・丹羽敏通)
報道陣の質問に答える炎鵬(撮影・鈴木正人)

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168センチ令和初の「高校横綱」颯富士に注目

19日、新序出世披露に臨む一番出世の颯富士

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が「筋トレが好きで稽古も真面目。相撲が好きなんだろうね」と、期待を含んだ笑みを浮かべた。8日目の19日に新序出世披露に臨んだ、新弟子の颯富士(本名・大桑元揮、18=伊勢ケ浜)のことだ。突き押しを武器に静岡・飛龍高で昨年の高校総体を制し、令和最初の高校横綱に輝いた逸材は「なるべく早く関取になりたい」と目を輝かせる。

身長168センチ、体重134キロ。両親がともに身長160センチに満たず「遺伝的に小さいのかもしれない」。大きくはないが、伊勢ケ浜親方は意に介さない。「横幅ががっちりしているのがいいよね」。兄弟子には幕内に定着している照強ら小兵がいる。師匠は「小さくて頑張ってるのはたくさんいる」と強調した。

幕下の狼雅、北の若ら近年、角界に進んだ元高校横綱は順調に番付を上げている。「高校横綱」の肩書で注目を集める立場にあるが、師匠は「いいじゃん、いいじゃん。それを励みにすればいい。それを自信にしている感じがするよ」と頼もしそう。3人の関取を抱える部屋に、新たな息吹がもたらされるか。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

新王者ロペス ロマチェンコとの4団体統一戦匂わす

昨年12月14日、米国ニューヨークで行われたIBF世界ライト級タイトルマッチで22歳の新王者が誕生した。衝撃的な2回TKO勝ちで戴冠を果たした男の名はテオフィモ・ロペス(米国)。16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)に出場後にプロ転向を果たしたロペスは、15戦全勝(12KO)と破竹の快進撃を続けている。早くも同じライト級の3団体王者、ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)との頂上対決も噂されている。今回は2020年にさらなる飛躍が期待されるロペスを紹介しよう。

ロペスは1997年7月30日、米国ニューヨークで生まれた。両親はカリブ海に面したホンジュラスの出身で、ロペスは姉ふたりに続く第3子だった。アマチュアで約170戦をこなし「だいたい150回は勝ったと思う」とロペスは話している。15年の全米大会や五輪予選を勝ち抜いたが、すでにポイント制でリオデジャネイロ五輪出場を決めている米国選手がいたため、ロペスは両親の故国、ホンジュラス代表として本戦に出場した。五輪ではライト級初戦で敗退、19歳でプロに転向することを決意した。

村田諒太(帝拳)や井上尚弥(大橋)も所属しているトップランク社と契約を交わして16年11月にプロデビュー。持ち前のパワーを前面に押し出した攻撃的なボクシングでKO勝ちを重ね、18年7月以降は元世界ランカーや現役の世界ランカーら5人を下してランキング1位に躍進。そのなかには東洋太平洋王座を11度防衛した中谷正義(井岡)に12回判定勝ちを収めた試合も含まれている。

IBFの指名挑戦者として挑んだ12月の試合では、前評判の高かった王者、リチャード・コミー(ガーナ)から右のカウンター一発でダウンを奪い、再開後に連打を叩きつけてレフェリー・ストップに持ち込んだ。期待を上回る鮮やかな戴冠劇だった。試合後、ロペスは「俺が次に誰と戦うか、みんな知っているよね」と、リングサイドで観戦していたロマチェンコとの対決を匂わせた。

そのロマチェンコは同じライト級のWBAスーパー王座、WBCフランチャイズ(特権)王座、WBO王座を保持しており、両者の試合が実現すれば4団体統一戦となる。ロマチェンコとも契約を交わしているトップランク社は、この注目カードを5月にも実現させる方向で動いていると伝えられる。五輪連覇、プロ3戦目で世界王座獲得、7戦目で2階級制覇、12戦目で3階級制覇を成し遂げている技巧派サウスポーのロマチェンコ(15戦14勝10KO1敗)と、左右のパンチに破壊的なパワーを秘めた強打者のロペス-4対1のオッズが出ているように先輩王者に分があることは間違いないが、22歳の昇竜が番狂わせを起こすことも十分に考えられるカードだ。

IBF世界ライト級王者、テオフィモ・ロペス、22歳。この名前を覚えておいて損はないはずだ。

大鵬の命日…重圧闘う孫納谷は多く語らずも胸に遺志

納谷(2019年11月12日撮影)

初場所8日目、1月19日は横綱大鵬の命日だった。亡くなってから7年。優勝32回を誇る大横綱。その名前はあまりに偉大ゆえに、遺志を継ぐ者たちは必死の思いで天国に朗報を届けようともがいている。

大鵬の孫の1人、納谷(19=大嶽)は、東幕下5枚目。入門から2年で、十両昇進まであと1歩。十分すぎるスピード出世だが、師匠の大嶽親方(元十両大竜)は、その宿命を思いやる。「ものすごいプレッシャーが本人にはあるでしょう。勝って当たり前だと思われ、負けても騒がれる。私もつい、ネットでエゴサーチしてしまう。勝てば『大鵬の孫はすごい』と言われ、負ければ『あんな部屋に預けるからだ』と書き込みがある」。

納谷は同じ一門の大関貴景勝の付け人を務め、勉強の日々を送る。この日は、元十両の白鷹山に寄り切られて2勝2敗。命日について聞かれても「あんまり、そういうのは気にしてないです」とポツリ。負けてしまえば、多くを語れない。

正月は大嶽部屋全員で墓参りをし、納谷は書き初めで「三役」と書いた。大鵬死去の日、中1だった少年は大志を胸に祖父の背中を追っている。【佐々木一郎】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

御嶽海、北勝富士ら「花のヨン組」が盛り上げる

 若武者が名古屋の土俵を盛り上げている。初日に横綱を倒した24歳の御嶽海と大関初挑戦で初勝利を挙げた24歳の北勝富士、自己最高位の東前頭4枚目で2連勝の25歳宇良は、いずれも平成4年生まれで、しかも15年春場所に初土俵を踏んだ同期だ。

 「花の○○組」といえば「ロクサン組」を思い浮かべる方は少なくないだろう。昭和63年春場所で初土俵を踏んで活躍した力士たちの総称だ。元横綱の曙、3代目若乃花、貴乃花、元大関魁皇らを中心に一時代を築いた。他にも昭和28年生まれの元横綱の北の湖、2代目若乃花、関脇麒麟児らの「花のニッパチ組」なども知られている。

 今まさに「花のヨン組」が盛り上げている。2日目には、御嶽海と北勝富士の元学生横綱同士の対決が組まれた。勝った関脇御嶽海は「(北勝富士は)強いです。(対戦は)うれしい。いい方向に気合が入っている」とうなずいた。自己最高位の西前頭2枚目の北勝富士は「意識しないようにしたけど」と唇をかんだ。

 平成4年生まれには、新十両翔猿や十両大奄美ら他にも有望株がいる。20代半ばで脂が乗ってきた彼らが、近い将来の相撲界を引っ張っていくような気がしている。【佐々木隆史】

朝乃山は横綱になっている?5年後の三役以上を予想

貴景勝(左)を激しく攻める朝乃山(2019年11月11日)

今回で、このコラムに私が出稿するのは基本的に最後となる。社内の担当替えで相撲担当から離れることになった。そこで最後に、5年後の番付を予想してみることにした。答え合わせが楽しみになるように、あえて2024年11月の九州場所、三役以上の番付と限定してみる。

横綱:朝乃山、狼雅

大関:貴景勝、北の若、琴勝峰、豊昇龍

関脇:琴ノ若、納谷

小結:明生、霧馬山

関係各所から反論が出そうだが…。まず5年後ということで、すでに30代の白鵬、鶴竜、豪栄道、さらに29歳の高安と、現在の上位陣の多くが引退している想定。そして、そのころには30歳でベテランとなっている朝乃山は、20代中盤の狼雅、北の若、琴勝峰、納谷らに苦しめられながらも、右四つになれば強さは健在といったところか。

現在23歳の貴景勝は、来年以降も何度か優勝すると予想する。ただ、一般的に四つ相撲よりも安定感に欠く押し相撲だけに、2場所連続優勝、またはそれに準ずる成績をなかなかクリアできず、綱取り場所で途中休場というケースも。30歳で悲願の横綱昇進と、本当の円熟期は7年後ぐらいとみる。むしろ、早くに横綱に昇進した場合、持ち前の真面目な性格と責任感から、強行出場を繰り返し、現役生活を短くしかねない。現在までは出世が早いが、オーバーワークで太く短い力士生命とならないよう、あわてず横綱を目指してほしいと個人的に思っている。

このころの特徴としては、モンゴル第3世代の台頭が挙げられるだろう。旭天鵬、旭鷲山らの最初の世代、その活躍を見て、言葉も分からないが夢を抱いて来日した朝青龍、白鵬、日馬富士、鶴竜らの第2世代。さらには、逸ノ城や元貴ノ岩らも当てはまるかもしれないが、主に日本の高校を卒業し、相撲の経験を十分に積み、生活にもなじんでから初土俵を踏んだ狼雅、豊昇龍らが第3世代といえる。闘争心を前面に出して向かってくるスタイルは、第1、2世代と変わらず、日本人力士と良い意味でのライバル関係が築かれるはずだ。

幕下の狼雅の場合、来場所から出身地を母の故郷で幼少期から過ごしたロシアと変更したが、すでに関取として活躍する霧馬山、豊昇龍以上の潜在能力を秘めている。日本人では元琴桜の孫の琴ノ若、元大鵬の孫の納谷ら横綱の遺伝子を次ぐ力士が順調に成長すれば、相撲人気の起爆剤となる。若貴人気が絶大だったころの曙、武蔵丸らハワイ勢とのようなライバル関係が生まれれば、非常に盛り上がると予想する。

もちろん、すべて予想が的中するとは思っていない。名前を挙げた力士が、大ケガを負って大きく番付を下げる可能性もある。だが、その苦しい日々から、はい上がってくる姿に感情移入することも含めて、大相撲の魅力なのだろう。元横綱稀勢の里が、引退前に最後に稽古に指名した相手が貴景勝で、今度はその稀勢の里の弟子が、横綱貴景勝に挑んで負かすかもしれない。そんな壮大で、魅力的なストーリーが生まれることを期待したい。【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

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大相撲裏話

168センチ令和初の「高校横綱」颯富士に注目

19日、新序出世披露に臨む一番出世の颯富士

師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が「筋トレが好きで稽古も真面目。相撲が好きなんだろうね」と、期待を含んだ笑みを浮かべた。8日目の19日に新序出世披露に臨んだ、新弟子の颯富士(本名・大桑元揮、18=伊勢ケ浜)のことだ。突き押しを武器に静岡・飛龍高で昨年の高校総体を制し、令和最初の高校横綱に輝いた逸材は「なるべく早く関取になりたい」と目を輝かせる。

身長168センチ、体重134キロ。両親がともに身長160センチに満たず「遺伝的に小さいのかもしれない」。大きくはないが、伊勢ケ浜親方は意に介さない。「横幅ががっちりしているのがいいよね」。兄弟子には幕内に定着している照強ら小兵がいる。師匠は「小さくて頑張ってるのはたくさんいる」と強調した。

幕下の狼雅、北の若ら近年、角界に進んだ元高校横綱は順調に番付を上げている。「高校横綱」の肩書で注目を集める立場にあるが、師匠は「いいじゃん、いいじゃん。それを励みにすればいい。それを自信にしている感じがするよ」と頼もしそう。3人の関取を抱える部屋に、新たな息吹がもたらされるか。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

原功「BOX!」

新王者ロペス ロマチェンコとの4団体統一戦匂わす

昨年12月14日、米国ニューヨークで行われたIBF世界ライト級タイトルマッチで22歳の新王者が誕生した。衝撃的な2回TKO勝ちで戴冠を果たした男の名はテオフィモ・ロペス(米国)。16年リオデジャネイロオリンピック(五輪)に出場後にプロ転向を果たしたロペスは、15戦全勝(12KO)と破竹の快進撃を続けている。早くも同じライト級の3団体王者、ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)との頂上対決も噂されている。今回は2020年にさらなる飛躍が期待されるロペスを紹介しよう。

ロペスは1997年7月30日、米国ニューヨークで生まれた。両親はカリブ海に面したホンジュラスの出身で、ロペスは姉ふたりに続く第3子だった。アマチュアで約170戦をこなし「だいたい150回は勝ったと思う」とロペスは話している。15年の全米大会や五輪予選を勝ち抜いたが、すでにポイント制でリオデジャネイロ五輪出場を決めている米国選手がいたため、ロペスは両親の故国、ホンジュラス代表として本戦に出場した。五輪ではライト級初戦で敗退、19歳でプロに転向することを決意した。

村田諒太(帝拳)や井上尚弥(大橋)も所属しているトップランク社と契約を交わして16年11月にプロデビュー。持ち前のパワーを前面に押し出した攻撃的なボクシングでKO勝ちを重ね、18年7月以降は元世界ランカーや現役の世界ランカーら5人を下してランキング1位に躍進。そのなかには東洋太平洋王座を11度防衛した中谷正義(井岡)に12回判定勝ちを収めた試合も含まれている。

IBFの指名挑戦者として挑んだ12月の試合では、前評判の高かった王者、リチャード・コミー(ガーナ)から右のカウンター一発でダウンを奪い、再開後に連打を叩きつけてレフェリー・ストップに持ち込んだ。期待を上回る鮮やかな戴冠劇だった。試合後、ロペスは「俺が次に誰と戦うか、みんな知っているよね」と、リングサイドで観戦していたロマチェンコとの対決を匂わせた。

そのロマチェンコは同じライト級のWBAスーパー王座、WBCフランチャイズ(特権)王座、WBO王座を保持しており、両者の試合が実現すれば4団体統一戦となる。ロマチェンコとも契約を交わしているトップランク社は、この注目カードを5月にも実現させる方向で動いていると伝えられる。五輪連覇、プロ3戦目で世界王座獲得、7戦目で2階級制覇、12戦目で3階級制覇を成し遂げている技巧派サウスポーのロマチェンコ(15戦14勝10KO1敗)と、左右のパンチに破壊的なパワーを秘めた強打者のロペス-4対1のオッズが出ているように先輩王者に分があることは間違いないが、22歳の昇竜が番狂わせを起こすことも十分に考えられるカードだ。

IBF世界ライト級王者、テオフィモ・ロペス、22歳。この名前を覚えておいて損はないはずだ。

大相撲裏話

大鵬の命日…重圧闘う孫納谷は多く語らずも胸に遺志

納谷(2019年11月12日撮影)

初場所8日目、1月19日は横綱大鵬の命日だった。亡くなってから7年。優勝32回を誇る大横綱。その名前はあまりに偉大ゆえに、遺志を継ぐ者たちは必死の思いで天国に朗報を届けようともがいている。

大鵬の孫の1人、納谷(19=大嶽)は、東幕下5枚目。入門から2年で、十両昇進まであと1歩。十分すぎるスピード出世だが、師匠の大嶽親方(元十両大竜)は、その宿命を思いやる。「ものすごいプレッシャーが本人にはあるでしょう。勝って当たり前だと思われ、負けても騒がれる。私もつい、ネットでエゴサーチしてしまう。勝てば『大鵬の孫はすごい』と言われ、負ければ『あんな部屋に預けるからだ』と書き込みがある」。

納谷は同じ一門の大関貴景勝の付け人を務め、勉強の日々を送る。この日は、元十両の白鷹山に寄り切られて2勝2敗。命日について聞かれても「あんまり、そういうのは気にしてないです」とポツリ。負けてしまえば、多くを語れない。

正月は大嶽部屋全員で墓参りをし、納谷は書き初めで「三役」と書いた。大鵬死去の日、中1だった少年は大志を胸に祖父の背中を追っている。【佐々木一郎】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

大相撲裏話

応援タオル、本格相撲字で一新 1番人気は朝乃山

「タオルの字、大きくなりましたよね」。13日の朝稽古後、人気力士の炎鵬がつぶやいた。先場所までは横綱、大関ら人気力士約10人しか取り扱っていなかった「力士応援タオル」が、今場所から幕内全42人分が販売されている(550円)。旧作より余白の少ない、大きな相撲字が印象的だ。

炎鵬の応援タオルを掲げるファン(撮影・柴田隆二)

相撲グッズを取り扱う「国技館サービス」によると、タオルを仕入れていた業者が廃業したため、自社で製作した。旧作のしこ名はパソコン内の「相撲字フォント」で入力されていたが、新作は幕内格行司の木村元基(51=湊)がしたためた本格的な相撲字になっている。元基は「他にも行司さんがいる中で光栄なこと」と謙虚に話した。発注されたのは昨年9月の秋場所前。本来の業務に当たる他の行司に気をつかい、行司部屋ではなく相撲教習所を借りて場所中の2日で書き上げた。「ちょっと大きく書きすぎたかな。種類が多いのは魅力的」と柔和に笑った。

国技館サービスによるとタオルの売れ行きは好調で、1番人気は新関脇の朝乃山。1日1000枚以上売れる日もあり、25歳の大関候補への期待値がうかがい知れた。【佐藤礼征】

(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

プロレスの月曜日

ビッグダディ三女の林下詩美 主要ベルト初奪取だ

スターダムの林下詩美(21)が、19日の9周年記念日大会(午前11時30分開始、後楽園ホール)でワンダー・オブ・スターダム王者星輝ありさ(24)に挑戦する。デビューした18年は大活躍も昨年は2度の指のけがで、それぞれ2カ月欠場ともどかしい日々を過ごした。団体主要ベルトの初奪取で3年目の再ブレークを狙う。【取材・構成=高場泉穂】

クールにポーズを決める林下(撮影・山崎安昭)

デビュー2年目の19年は林下にとって苦難の1年だった。ビッグダディ三女で柔道で鍛えたパワーを持つビッグ新人として18年は大活躍。勢いを継続していた4月に左手親指の付け根にあたる左母指基節骨を骨折し、2カ月欠場。復帰直後の9月、今度は右手小指を骨折。再び2カ月の欠場に追い込まれた。

2度とも手術で患部に針金を埋め込んだ。汗をかくと菌が発生する可能性があるため、医師からは術後しばらく運動を禁止された。「みんなの練習を見ているか、試合に行ってセコンドにつくだけ。1度目の時はリセットの時期と前向きに捉えられましたが、2度目は地獄でした」。もどかしい日々が続いた。

団体の大きな変化にも焦りを募らせた。スターダムは昨年10月17日、新日本プロレスの親会社株式会社ブシロードの運営下に入った。オーナーであるブシロードの支援により、露出が増え、今年1月4日の新日本東京ドーム大会にも提供試合で進出。他の選手がメディアに露出し、注目を浴びるのを林下は見ているしかなかった。「スターダムが大きくなって、人気が上がっているのを実感できた。その分、自分が中心にいられないことが悔しかったです」。

そんなたまったうっぷんを次のタイトル戦にぶつける。相手は18年に6年半ぶりに現役復帰し、トップスターへ駆け上がった星輝。団体の主要ベルトの1つ、ワンダー・オブ・スターダムを19年5月に初戴冠。キックを武器に8度防衛している絶対女王だが、林下は昨年8月の初シングル戦で勝利している。「星輝は意識がとぶような鋭い蹴りをもっているが、パワーは自分の方が上回っている。何回やっても結果は変わらないはず」と自信をみせる。

昨年12月から本気のダイエットも開始した。欠場の合間に体重は65キロから68キロに増量。66キロまで落としたが、さらに絞るため大好きなお菓子を禁止。さらに白米を抜くなど糖質オフも始めた。「チョコレートが大好きなんですが食べるのをやめて、最低砂糖3つは入れていた紅茶、コーヒーも無糖にして頑張ってます」。目指すのは、ベルト奪取にとどまらず団体のトップ。「20年は私の年にできたら」と言葉に力を込めた。

クールな表情を見せる林下(撮影・山崎安昭)

◆林下詩美(はやしした・うたみ)1998年(平10)9月14日、鹿児島県奄美市生まれ。18年7月にスターダム入団。同8月12日にジャングル叫女とのシングル戦でデビューし、引き分け。同11月にタッグタイトルのゴッデス・オブ・スターダム初戴冠。18年度プロレス大賞新人賞受賞。得意技はアルゼンチン式背骨折り。166センチ、66キロ。

女子プロ写真特集

小林のキャメルクラッチ/10.15志田光自主興行

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