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女子プロレス
初代ビヨンド・ザ・シー王者になった高橋ほか/11.1シードリング写真集

新着ニュース

ドーリング&ジェイムス組が全日本世界最強タッグV

<全日本:後楽園大会>◇11日◇後楽園ホール

世界最強タッグリーグは、ジョー・ドーリング、ディラン・ジェイムス組が優勝した。

最終日に勝ち点12で5チームが並ぶ大混戦も、KAI組、宮原組、秋山組と次々に敗退。最後に残ったドーリング組と、連覇をねらう諏訪魔、石川修司組の勝者が優勝という展開に。最後は、ジェイムスが粘る石川を、チョークスラムで沈め優勝を勝ち取った。

同リーグ3度目の優勝となるドーリングは、指を3本立てて「アリガトウ、ハッピーニューイヤー!」と優勝をファンに報告。さらに、脳腫瘍の手術から復帰した際に、ファンからもらった寄せ書きを、両手で観客席にかざし、深々と頭を下げた。

優勝の要因を聞かれたドーリングは「ビッグハート」と、左胸をたたいてアピール。ジェイムスは「諏訪魔と石川は強かった。最強タッグに出るチャンスをくれたジョーに感謝したい」と笑顔で話していた。なお外国人ペアの優勝は05年のババ・レイ、ディーボン組以来13年ぶり。

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全日本プロレスがキッド氏追悼 渕「若かったね」

5日に60歳で亡くなったダイナマイト・キッドさんの追悼セレモニーでキッドさんの遺影を抱く渕正信(左)

全日本プロレスは11日の後楽園大会で、5日に60歳で亡くなったダイナマイト・キッドさん(英国)の追悼セレモニーを行った。

試合前に全選手がリングサイドに立ち、渕正信(64)が、遺影を抱いてリングに上がり、追悼の10カウントをささげた。

キッドさんは、初代タイガーマスクのデビュー戦の相手など、新日本プロレスで活躍した後、全日本に移籍。いとこの、デイビーボーイ・スミスとのタッグで人気を博した。渕は「若かったね。60歳で亡くなったキッドの遺影を、来年65歳になるオレが持つなんて。試合をやっていて、気持ちのいいレスラーだった。全日本は体の大きな選手が多かったから、結構体を大きくするために無理していたな。もう2度と会えないと思うと、もうちょっといろんな話を聞きたかった」と目に涙を浮かべながら話していた。

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元貴乃花親方に退職金、功労金で2000万円程度か

元貴乃花親方(元横綱)(18年5月13日撮影)

日本相撲協会の評議員会が11日、東京・両国国技館で行われ、10月1日付で退職した元貴乃花親方(元横綱)の退職金、功労金について決議した。すでに11月29日に行われた理事会で算出されていた金額について議論されたが、海老沢勝二議長(元NHK会長)は「淡々と済みました」と、特に異論は出なかったという。理事会の時点で金額については「規定通り」と、芝田山広報部長(元横綱大乃国)が説明。この日、同部長は「個人情報なので」と、金額は公表しなかったが、過去の例と照らし合わせると、退職金は約1000万円、功労金も同等で、計2000万円程度が支払われるとみられる。

その元貴乃花親方が入門当時から指導し、今月7日に引退した元前頭貴ノ岩が起こした暴力問題を受け、19日に全関取衆を対象とした研修が開催されることも、この日の評議員会では報告された。今年、再三にわって元貴乃花親方に苦言を呈してきた池坊保子委員(元文部科学副大臣)は、師弟ともに相撲界を去ることになり「残念よね」と話した。続けて「残念に思いますが、八角理事長(元横綱北勝海)以下、本当に誠実に真摯(しんし)に対応している。協会のあり方を大変、心強く思っています。皆さまにそれを発信したいなと思っているのね。大切なのは、どういう風に対処するか」と、今回の対応について評価した。

また、元貴乃花親方に苦言を呈した際には、自身も批判にさらされることになったが「まあ、皆さまに支えられてね、それなりに楽しい1年でした、フフフッ。『理解しているよ』と言ってくださる方もいましてね。うれしいですね」と、笑顔で帰途に就いていた。

日本相撲協会の評議員会に出席した池坊保子氏

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白鵬からかわいがられて高安「初心に帰るのが大事」

巡業で白鵬(左)からかわいがりを受ける高安(撮影・佐藤礼征)

大相撲の冬巡業が11日、鹿児島・日置市で行われ、大関高安(28=田子ノ浦)が横綱白鵬(33=宮城野)から約6分間、“かわいがり”を受けた。

ぶつかりで胸を出した白鵬は、高安を何度も土俵に転がし「すぐ立て!」とあおった。高安の体は砂で覆われ、体は真っ茶色に。「なかなかぶつかりを厳しくやってくれる相手はいない」と高安。「(自分の)基礎をつくったのがぶつかり。初心に帰るのが大事なので」。

この日の稽古は東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)と9番取って5勝。千秋楽まで優勝争いに絡んだ先場所は、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)に初優勝を譲った。この1年間6場所で3度の優勝次点。名古屋場所ではかど番を経験するなど「大事なところを落としていた。15日間通して良いパフォーマンスをとるのは難しい」と実感した。貴景勝ら若い力士の成長ぶりがめざましいが「伸び盛りですね。負けないように頑張ります」とクールに語った。

巡業で白鵬(左)に水をつける高安(撮影・佐藤礼征)

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ロリンズ「最悪」GM代理を痛烈批判&撃退 WWE

はしごの最上段でインターコンチネンタル王座ベルトを掲げる王者ロリンズ(c)2018WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:ロウ大会>◇10日(日本時間11日)◇米カリフォルニア州サンディエゴ・バレービューカジノセンター

インターコンチネンタル(IC)王者セス・ロリンズ(32)が、権力を私物化するバロン・コービンGM代理(34)を痛烈批判&撃退した。先にリングに立ち「コービンは威張って、お前の話ばかりしている。やり方が間違っている」と最近の自分勝手なマッチメークについて厳しく指摘した。

さらに現ユニバーサル王者ブロック・レスナーについて「レスナーはこの番組(ロウ)にいないだろ。最後にロウで試合したのは2002年だとさ。16年も前だ。よく許しているよな。今は最悪だ」とGM代理の“失政”ぶりを舌鋒(ぜっぽう)鋭くまくし立てた。GM代理から「オレが永久GMになって、お前に生き地獄を味あわせてやる」と挑発を受けると、ロリンズはTLC(テーブル、いす、はしご)形式のIC王座戦での決着を提示。「オレは仕事が多いんだ」と拒否したGM代理を舌戦で追い詰め、メインイベントでの王座戦を実現させた。

天井に吊されたICベルトをはしごを使って先につかんだ方が勝利という形式。いすとはしごで殴られてダメージを負ったロリンズは反撃を狙ったトペ・スイシーダをキャッチされてテーブルにたたきつけられた。場外戦でスーパーキックをクリーンヒットさせ、コーナートップからフロッグスプラッシュを決めてテーブル葬。しかし王者が登りかけたはしごをレフェリーを務めるヒース・スレーターに倒され、GM代理を助ける行動を起こされた。怒り心頭のロリンズはスレーターをスーパーキックで制裁し、コービンをパワーボムとカーブ・ストンプで倒した。はしごを使ってベルトをつかみ、IC王座防衛に成功した。試合後、16日のPPV大会TLC(米サンノゼ)で挑戦を受ける元盟友ディーン・アンブローズともにらみ合い、火花を散らした。

コービンGM代理(左)にカーブ・ストンプを狙うインターコンチネンタル王者ロリンズ(c)2018WWE,Inc.AllRightsReserved

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非日常が日常にある相撲界「そんな簡単にはなあ…」

車で部屋に戻った貴ノ岩(2018年12月6日撮影)

1年前と違う平和な九州場所が終わったと思ったら、貴ノ岩が付け人を殴った。1年前に殴られた人が、殴った。たまげた。でも、驚きは結構早く冷めて「まあそんな簡単にはなあ…」と思った。

先日、大阪市立大大学院生ボクサー坂本真宏(27=六島)の世界戦発表会見を取材した。「陽極酸化チタン中空シートの水熱法によるチッ素ドープ」という、三十数年前、くしくも大阪市立大に落ちた(工学部でなく文学部でしたが…)私なんぞでは理解できん修士論文を手がける“理系男子”だ。そんな彼に半年ほど前、聞いたことがある。

「キミみたいな子が、何でボクシングなん?」

「う~ん…」としばらく考えて「非日常にひかれたって言うたらいいんですかね。人と人が殴り合うって、普通ないでしょ?」

原始的な欲求やなあ、と思った。同時にやっぱりそうか、とも思った。荒っぽく言えば、ケンカが強いか、弱いか。“雄の本能”と言うてもええでしょう。

さて、相撲の稽古を見たことあります? 四股、すり足、てっぽうにはじまり、相撲をとる申し合いをばんばんやって、締めが相手の胸にバシンと当たって、押し込むぶつかり稽古。部屋によって多少の違いはあるけど、まあえげつない、厳しい。序ノ口、序二段、三段目、幕下と番付を上げて、給料がもらえる十両、幕内の関取になるには、強くなるには耐え抜かんといかん。相手を力ずくで負かす力をつけんといかん。力で成り上がってなんぼの世界は、まさに非日常です。

一般社会ですら、暴力反対、体罰禁止の意識が定着するのには、長い時間を要しました。私が中学生やった40年程前なんか、まだ全盛期。野球部ではケツバットやビンタは日常の風景やった。担任の先生には、クラスの人数分、40枚以上を丸めた“ざらばん紙”で横っ面を張り飛ばされたこともある。ただ、格好つける訳やないですが「悪いことしてんから…」と思える時は納得してた。当たり前と思ってました。

相撲界なら、なおさらでしょう。肉体的痛み、苦痛に慣れきった人の集まりです。非日常が日常にある世界です。「手を出すまでのハードル」が世間より低いのは、ある意味で当然のように思います。誤解を恐れずに言えば、それが体罰であるなら「まああかんねんけど…」程度の行為やったはずです。

暴力、体罰って何なのか? 自分がされたら嫌なことを他人にしない。人の尊厳を傷つけない。協会も、力士も、とにかく1人1人がそこを心底理解して、心掛けんと、事件はきっとまた起こる。相撲界が暴力と決別する日が来ることを願いながらも、心底難しい問題やなあとも思う、今日この頃です。【加藤裕一】

那須川、メイウェザー戦はボクシング転向への試金石?

メイウェザー(左)と那須川天心(2018年11月5日撮影)

今年も年末は格闘技イベントが花盛りだ。15年に始まったRIZINは総合格闘技が主体だが、キックボクシングも女子もある。今年は異色のカードが組まれた。当初は平成最後の異種格闘技戦と銘打たれたが、異種格闘技者の対戦へと変わった。神童といわれるキックボクサー那須川天心が、世界が認める5階級制覇ボクサーのフロイド・メイウェザーに挑む。

注目はルールだったが、基本はボクシング・ルールで体重差のある3回制となった。非公式試合。実質エキシビションになった。ガッカリしたファンも多いが、端から予想していたファンも多い。来年にはマニー・パッキャオと再戦も浮上している中、メイウェザーには小遣い稼ぎか!?

一方の那須川は世界に名を売るチャンスと意欲満々だ。将来ボクシングに転向するプランがある。すでに「世界王者になれる」という評価もあるが、その技量を図るには願ってもない試合にもなる。

5歳で極真空手を始め、小6でキックボクシングに転向し、15歳で14年にプロデビューした。父弘幸さんとの二人三脚だが、中3からはボクシングの帝拳ジムにも通っていた。「パンチを教えてほしい」と、知人を通じて葛西トレーナーに依頼があったのがきっかけだった。

15年にWBC世界ライトフライ級王者になった木村と、世界戦前にスパーリングしたことがあった。2階級上の体格、木村の減量や疲労はあったが、高校生だった那須川が互角以上だったという。「パンチ力があり、距離感もよく、急所への当て勘がいい。頭も柔軟でのみ込みが早い。目がいいから防御も抜群」と絶賛する。

葛西トレーナーは1年前から、東京・用賀にフィットネスボクシングジム「GLOVES」を開いた。プロ育成ではなく、一般会員に「楽しみながら、食べながら、締まった体作り」を教えている。その合間を縫って、那須川にも月に数度指導を続けている。

那須川には「ポテンシャルは負けていないが、ボクシングルールであり、階級も全然違う。それも相手は黒人選手。なめたらだめ」と話しているそうだ。現役時代に経験した、想像以上だった黒人特有のバネなどの身体能力を警戒する。作戦を聞くと「打たせないことが第一で終盤勝負」と言った。

異種格闘技戦と言えば、猪木とアリが代名詞といえる。ただし、試合内容は茶番と酷評された。状況はだいぶ違うが、今度はどんなファイトになるのか。何しろ、あのメイウェザーが日本でリングに上がるだけでも、見ものには違いない。【河合香】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

SANADA組が2連覇 現IWGPタッグ王者倒す

SANADA(2016年8月12日撮影)

<新日本:岩手大会>◇9日◇岩手産業文化センター・アピオ

新日本プロレスは9日に岩手大会を行い、ワールドタッグリーグ優勝決定戦でEVIL、SANADA組が現IWGPタッグ王者タンガ・ロア、タマ・トンガ組との昨年と同カードの戦いを制し2連覇を達成した。

セコンドの邪道の介入をふりきり、最後はSANADAがタマをラウンディングボディープレスでピンフォールし、勝負を決めた。NEVER無差別級選手権では、挑戦者の飯伏幸太が、王者後藤洋央紀に得意技カミゴェをさく裂させ、新王者となった。

元貴乃花親方に退職金、功労金で2000万円程度か

元貴乃花親方(元横綱)(18年5月13日撮影)

日本相撲協会の評議員会が11日、東京・両国国技館で行われ、10月1日付で退職した元貴乃花親方(元横綱)の退職金、功労金について決議した。すでに11月29日に行われた理事会で算出されていた金額について議論されたが、海老沢勝二議長(元NHK会長)は「淡々と済みました」と、特に異論は出なかったという。理事会の時点で金額については「規定通り」と、芝田山広報部長(元横綱大乃国)が説明。この日、同部長は「個人情報なので」と、金額は公表しなかったが、過去の例と照らし合わせると、退職金は約1000万円、功労金も同等で、計2000万円程度が支払われるとみられる。

その元貴乃花親方が入門当時から指導し、今月7日に引退した元前頭貴ノ岩が起こした暴力問題を受け、19日に全関取衆を対象とした研修が開催されることも、この日の評議員会では報告された。今年、再三にわって元貴乃花親方に苦言を呈してきた池坊保子委員(元文部科学副大臣)は、師弟ともに相撲界を去ることになり「残念よね」と話した。続けて「残念に思いますが、八角理事長(元横綱北勝海)以下、本当に誠実に真摯(しんし)に対応している。協会のあり方を大変、心強く思っています。皆さまにそれを発信したいなと思っているのね。大切なのは、どういう風に対処するか」と、今回の対応について評価した。

また、元貴乃花親方に苦言を呈した際には、自身も批判にさらされることになったが「まあ、皆さまに支えられてね、それなりに楽しい1年でした、フフフッ。『理解しているよ』と言ってくださる方もいましてね。うれしいですね」と、笑顔で帰途に就いていた。

日本相撲協会の評議員会に出席した池坊保子氏

貴公俊が再出発の1歩 謹慎中は部屋全体が後押し

土俵の上で体を動かす貴公俊(2018年6月25日撮影)

 名古屋場所の新番付発表が行われた6月25日。これまで三重・桑名市に構えていた宿舎を今年から愛知・瀬戸市に移転した先の稽古場で、貴公俊(21=貴乃花)は黙々と四股を踏んでいた。稽古の最後には十両貴ノ岩と一緒に、体幹を鍛えるトレーニングで汗を流して終了。稽古見学者が連れてきた犬と屈託のない笑顔で触れ合い、帰り際に3カ月間の葛藤を吐露した。

 「たった1場所の休みでしたけど、半年ぐらい休んだ感覚でした。自分がやってしまったことなので何とも言えませんが、歯がゆいというかやり切れない気持ちでした」。新十両で臨んだ3月の春場所。不慣れな付け人の不注意により起こったミスに怒り、支度部屋で暴行。途中休場を余儀なくされ、5月の夏場所出場停止処分を科された。

 春場所では十両だった番付も、名古屋場所では西幕下49枚目まで落とした。3月は156キロあった体重も一時は「食欲がなくなって6キロ落ちました」。ただ、稽古は欠かさなかった。春場所後も出場停止となった夏場所中も、1日も休まずに稽古に励んだ。そして夏場所中は、毎日相撲中継に見入った。「部屋の関取の取組は当然。幕内上位も見てましたし、十両の取組も見てました。でも見すぎると…」。自分が土俵の上に立っていない現実に、気持ちが押しつぶされそうになったが「力士である以上、土俵に立つのが当たり前だけど、土俵に立てるありがたみが分かりました」と前向きにとらえた。

 それでも気持ちを奮い立たせるのは、容易ではなかった。夏場所に出場できないのに続く、連日の猛稽古。「正直、意味あるのかなって思った時もありました」と見失いかけた時もあったという。そんな時、師匠の貴乃花親方(元横綱)から「時間があるようでないから体をしっかり鍛えとけ」と、ハッパを掛けられた。

 さらに弟の十両貴源治が夏場所で10勝の好成績を残し「弟が結構勝ってて『くそっ』と思った」と発奮材料にした。と同時に「もう1度一緒に土俵入りがしたいなと思いました」と希望が湧いた。師匠や弟、貴乃花部屋全体が背中を押してくれた。

 そして迎えた7月の名古屋場所。場所前に「名古屋は入門して1回も負け越していないので験がいい場所です。優勝はノルマ。応援してくださった人たちのために結果を出したい」と意気込んでいた通り、謹慎明けの場所で白星を積み重ねていった。気が付けば幕下の全勝は白鷹山との2人だけに。幕下優勝をかけた13日目、十両返り咲きに花を添えたい白鷹山との意地のぶつかり合いの末、復活優勝を果たすことはできなかった。

 取組後は無言を貫き、貴ノ岩の付け人として仕事を全うした。自分の取組後の数時間後。貴ノ岩の取組が終わり、宿舎に戻るために迎えの車に乗り込もうとした際に、ようやく言葉を発した。「今は考えられないです。頭がボーっとしてしまって」と完全燃焼。それでもすぐに切り替えられたのか「来場所に向けてこの気持ちは忘れないようにしたいです」と語気を強めた。過ちを犯した春場所8日目の3月18日から、124日経過した名古屋場所13日目の7月20日。貴公俊はようやく再出発の1歩を踏み出した。【佐々木隆史】

バトルコラム

リングにかける男たち

那須川、メイウェザー戦はボクシング転向への試金石?

メイウェザー(左)と那須川天心(2018年11月5日撮影)

今年も年末は格闘技イベントが花盛りだ。15年に始まったRIZINは総合格闘技が主体だが、キックボクシングも女子もある。今年は異色のカードが組まれた。当初は平成最後の異種格闘技戦と銘打たれたが、異種格闘技者の対戦へと変わった。神童といわれるキックボクサー那須川天心が、世界が認める5階級制覇ボクサーのフロイド・メイウェザーに挑む。

注目はルールだったが、基本はボクシング・ルールで体重差のある3回制となった。非公式試合。実質エキシビションになった。ガッカリしたファンも多いが、端から予想していたファンも多い。来年にはマニー・パッキャオと再戦も浮上している中、メイウェザーには小遣い稼ぎか!?

一方の那須川は世界に名を売るチャンスと意欲満々だ。将来ボクシングに転向するプランがある。すでに「世界王者になれる」という評価もあるが、その技量を図るには願ってもない試合にもなる。

5歳で極真空手を始め、小6でキックボクシングに転向し、15歳で14年にプロデビューした。父弘幸さんとの二人三脚だが、中3からはボクシングの帝拳ジムにも通っていた。「パンチを教えてほしい」と、知人を通じて葛西トレーナーに依頼があったのがきっかけだった。

15年にWBC世界ライトフライ級王者になった木村と、世界戦前にスパーリングしたことがあった。2階級上の体格、木村の減量や疲労はあったが、高校生だった那須川が互角以上だったという。「パンチ力があり、距離感もよく、急所への当て勘がいい。頭も柔軟でのみ込みが早い。目がいいから防御も抜群」と絶賛する。

葛西トレーナーは1年前から、東京・用賀にフィットネスボクシングジム「GLOVES」を開いた。プロ育成ではなく、一般会員に「楽しみながら、食べながら、締まった体作り」を教えている。その合間を縫って、那須川にも月に数度指導を続けている。

那須川には「ポテンシャルは負けていないが、ボクシングルールであり、階級も全然違う。それも相手は黒人選手。なめたらだめ」と話しているそうだ。現役時代に経験した、想像以上だった黒人特有のバネなどの身体能力を警戒する。作戦を聞くと「打たせないことが第一で終盤勝負」と言った。

異種格闘技戦と言えば、猪木とアリが代名詞といえる。ただし、試合内容は茶番と酷評された。状況はだいぶ違うが、今度はどんなファイトになるのか。何しろ、あのメイウェザーが日本でリングに上がるだけでも、見ものには違いない。【河合香】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

大相撲裏話

非日常が日常にある相撲界「そんな簡単にはなあ…」

車で部屋に戻った貴ノ岩(2018年12月6日撮影)

1年前と違う平和な九州場所が終わったと思ったら、貴ノ岩が付け人を殴った。1年前に殴られた人が、殴った。たまげた。でも、驚きは結構早く冷めて「まあそんな簡単にはなあ…」と思った。

先日、大阪市立大大学院生ボクサー坂本真宏(27=六島)の世界戦発表会見を取材した。「陽極酸化チタン中空シートの水熱法によるチッ素ドープ」という、三十数年前、くしくも大阪市立大に落ちた(工学部でなく文学部でしたが…)私なんぞでは理解できん修士論文を手がける“理系男子”だ。そんな彼に半年ほど前、聞いたことがある。

「キミみたいな子が、何でボクシングなん?」

「う~ん…」としばらく考えて「非日常にひかれたって言うたらいいんですかね。人と人が殴り合うって、普通ないでしょ?」

原始的な欲求やなあ、と思った。同時にやっぱりそうか、とも思った。荒っぽく言えば、ケンカが強いか、弱いか。“雄の本能”と言うてもええでしょう。

さて、相撲の稽古を見たことあります? 四股、すり足、てっぽうにはじまり、相撲をとる申し合いをばんばんやって、締めが相手の胸にバシンと当たって、押し込むぶつかり稽古。部屋によって多少の違いはあるけど、まあえげつない、厳しい。序ノ口、序二段、三段目、幕下と番付を上げて、給料がもらえる十両、幕内の関取になるには、強くなるには耐え抜かんといかん。相手を力ずくで負かす力をつけんといかん。力で成り上がってなんぼの世界は、まさに非日常です。

一般社会ですら、暴力反対、体罰禁止の意識が定着するのには、長い時間を要しました。私が中学生やった40年程前なんか、まだ全盛期。野球部ではケツバットやビンタは日常の風景やった。担任の先生には、クラスの人数分、40枚以上を丸めた“ざらばん紙”で横っ面を張り飛ばされたこともある。ただ、格好つける訳やないですが「悪いことしてんから…」と思える時は納得してた。当たり前と思ってました。

相撲界なら、なおさらでしょう。肉体的痛み、苦痛に慣れきった人の集まりです。非日常が日常にある世界です。「手を出すまでのハードル」が世間より低いのは、ある意味で当然のように思います。誤解を恐れずに言えば、それが体罰であるなら「まああかんねんけど…」程度の行為やったはずです。

暴力、体罰って何なのか? 自分がされたら嫌なことを他人にしない。人の尊厳を傷つけない。協会も、力士も、とにかく1人1人がそこを心底理解して、心掛けんと、事件はきっとまた起こる。相撲界が暴力と決別する日が来ることを願いながらも、心底難しい問題やなあとも思う、今日この頃です。【加藤裕一】

原功「BOX!」

ペドラサと決戦「ハイテク」ロマチェンコに死角は?

現在のプロボクシング界で17階級を通じて最も高い評価を受けているボクサー、WBA世界ライト級王者、ワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)が8日(日本時間9日)、米国ニューヨークでWBO同級王者のホセ・ペドラサ(29=プエルトリコ)と王座統一戦を行う。今年5月、ホルヘ・リナレス(33=帝拳)にダウンを喫しながら10回に倒し返してTKO勝ち、3階級制覇を成し遂げた天才サウスポーと、「スナイパー(狙撃手)」のニックネームを持つ2階級制覇王者のペドラサ。圧倒的にロマチェンコ有利とみられているカードだが、はたして予想どおりの展開と結果になるのだろうか。

ロマチェンコは08年北京オリンピック(五輪)と12年ロンドン五輪を連覇したほか世界選手権でも2度優勝するなど、アマチュアで397戦396勝1敗という信じがたい戦績を残している。「デビュー戦で世界戦を組んでほしい」とプロモーターに懇願してプロに転向を果たしたのは13年10月のことだった。ロマチェンコの願いは2戦目で実現したが、そのときは体重超過の相手を警戒しすぎて前半をセーブしたのが響き小差の12回判定で敗れた。3戦目でWBO世界フェザー級王座を獲得すると、以後は手がつけられないほどの強さ、巧さを見せつけている。16年に獲得したWBOスーパーフェザー級王座は4度防衛。興味深いのは4人全員が途中でギブアップしている点だ。「ハイテク(高性能)」と呼ばれるロマチェンコの俊敏な動きとハンドスピード、スキルに翻弄され、戦闘意欲を喪失してしまったのである。こうしたことからスペイン語の「ノー・マス(もうイヤだ)」をもじって「ノー・マスチェンコ」などと呼ばれてもいる。

パンチ力がないのかといえばそうではない。5月のリナレス戦では10回にタイミングのいい左ボディブロー一撃で試合を終わらせているし、過去には豪快に倒した試合もある。戦績は12戦11勝(9KO)1敗で、目下8連続KO中だ。

これに対しペドラサもアマチュア時代には08年北京五輪に出場したことがあり(ライト級2回戦敗退)、09年の世界選手権では準優勝を収めている。プロ転向後4年目の15年にはIBF世界スーパーフェザー級王座を獲得し、2度の防衛もこなしている。V3戦で敗れたあとはビジネス・パートナーを変え、階級もアップ。減量苦から解放され、今年8月に12回判定勝ちで現王座を獲得した。ペドラサは戦いながら構えを左右にチェンジするスイッチ・ヒッターで、長距離でも中間距離でも戦え、さらに必要に迫られれば接近戦もこなせる器用なタイプだ。26戦25勝(12KO)1敗とKO率は5割に満たないが、4カ月前の戴冠試合では勝負どころの11回に絶妙な左アッパーでダウンを奪っている。数字以上にパンチ力があるとみた方がよさそうだ。

世界王者同士の統一戦だが、12対1でロマチェンコ有利という一方的なオッズが出ている。高いレベルの相手と戦いながら最上の結果を出し続けているロマチェンコに対する評価は、いまや揺るぎないものといっていいだろう。今回も素早く動いて相手のサイドにまわりこみながら多彩なコンビネーションで翻弄、中盤あたりでストップするだろうという見方が大勢を占めている。

ただ、不安もある。5月のリナレス戦で右肩を痛め、手術してから臨む初の試合でもあるからだ。これが肉体的、あるいは心理面で影響を及ぼすようならば番狂わせも考えられる。また、ロマチェンコはリナレス戦でアマ、プロを通じて初のダウンを喫しており、ライト級での体格、耐久力という点で壁にぶつかる可能性もある。

「ハイテク」が異次元の強さを見せつけるのか、それとも「スナイパー」が意外な一撃で撃ち落とすのか。興味深いカードだ。

リングにかける男たち

資金潤沢17億人視聴可能なONEはまさに黒船団体

8月23日、都内のホテルで開催されたONEチャンピオンシップの公式会見

2018年も残り1カ月弱。日本の格闘技界では、大みそかのRIZIN14大会(さいたまスーパーアリーナ)で50戦全勝のボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)と33連勝中のキックボクシング界の「神童」那須川天心(TARGET/Cygames)によるエキシビションマッチが大きな話題となっている。

那須川に加え、元UFCファイターでRIZINバンタム級GP覇者堀口恭司(アメリカン・トップチーム)の強さも認知度を増し日本の総合格闘技(MMA)が再び盛り上がりをみせつつある。そして年が明けると、日本にはアジアの「黒船」が“襲来”する。その名もONEチャンピオンシップだ。

今年8月、都内のホテルでONEチャンピオンシップのチャトリ・シットヨートンCEOらが会見。来年から日本でイベント開催することを発表した。3月31日、10月11日、いずれも午後7時から東京・両国国技館。初上陸の2019年に、いきなり2大会が開かれる。同CEOは「日本には豊かな総合格闘技の文化と歴史があります。ONEチャンピオンシップは、その真の総合格闘技の体験をアジアの心の奥深くまでファンのみなさまにお届けしたいです。われわれの使命は志が高いです。総合格闘技界のスーパーヒーローを、情熱と希望にあふれたワールドクラスのアスリートを世界に解き放ちたいのです」と宣言した。

同団体にはDREAMの元ライト級王者青木真也、元バンタム級王者ビビアーノ・フェルナンデス(ブラジル)が参戦し、ONEベルトを獲得。今年は11回というUFC最長防衛記録を保持する元UFCフライ級王者デミトリアス・ジョンソンや元UFCライト級王者エディ・アルバレス(ともに米国)と契約。先月にはDREAM、UFCで活躍した43歳の秋山成勲の参戦も発表された。

アジア経済の中心といわれるシンガポールが拠点なのもONEチャンピオンシップの強み。2年前、同国政府系投資会社から1000億円規模の資金が投入されたとの報道があった。既にFOXスポーツ・アジアで中継され、国内ではAbema TVと20大会以上の中継契約を結んだ。チャトリCEOによれば、世界136カ国で約17億人が視聴可能という状況にある。資金調達、大会中継ネットワークという「インフラ」もそろえつつ、日本に乗り込んでくる。

10月6日、タイで開催したONEチャンピオンシップ興行では総合格闘技、キックボクシング、そしてボクシング世界戦となるWBC世界スーパーフライ級王者シーサケット(タイ)の防衛戦を一緒に組み込んだ異色のイベントも実現させた。日本のプロボクシング関係者もアジア視察した際、総合格闘技の隆盛ぶりに驚いたという。日本格闘技界の関係者には脅威になるかもしれないが、ファンには刺激的なアジアの「黒船」。平成最後にやってくるONEチャンピオンシップの動きに注目している。

【藤中栄二】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「リングにかける男たち」)

ONEチャンピオンシップのチャトリCEO(右)とのツーショット写真をインスタに掲載した秋山成勲
ONEチャンピオンシップのロゴ
大相撲裏話

偉ぶらずまじめでユニーク 19年波乱の男だ松鳳山

大相撲九州場所6日目 琴奨菊を上手ひねりで破る松鳳山

今、最も観客を沸かせる力士は、松鳳山(34=二所ノ関)だろう。11月の九州場所は西前頭7枚目で10勝5敗の好成績。中でも、個人的に最も印象に残ったのが6日目、東前頭9枚目の琴奨菊との一番だ。ともに福岡県出身のご当所。さらには、ともにあと2カ月ほどで35歳となる同級生で、初対決は19年前の高校1年時という関係だけに、気合が入るのも当然だ。立ち合いから攻勢に出たのは松鳳山だった。一気に土俵際まで押し込んだが、琴奨菊に粘られ、押し戻された。ならばと再び土俵際まで寄るが、まだまだ決着はつかず。逆に琴奨菊の反撃にあったが、今度は松鳳山がこらえる。休むことなく1分半近くも攻防が続いた熱戦を、最後は松鳳山が上手ひねりを決めて決着をつけた。

松鳳山にとって、九州場所での琴奨菊戦は5度目で初白星となった。通算では7勝14敗となった。幕内前半戦の最後の取組とあって、水をつけて支度部屋に戻るまでに時間は空いていた。それでも肩で息をしていた。風呂から出てきても、まだ呼吸は整わない。それほど力の入った一番。「本当にきつかった。3番ぐらい相撲を取ったような感じ。終わった後に座りたかった。でも、よく我慢して相撲を取れたと思う。負けてたら地獄の苦しみだった」と笑って振り返った。ベテランが無我夢中で取る姿はすがすがしい。観衆が拍手喝采、大盛り上がりだったのは言うまでもなかった。

ある相撲協会幹部は、この一番を振り返り「全盛期だったら、松鳳山が立ち合いから一気に持っていっていたかもしれない。それは琴奨菊にも言えること。全盛期だったら、残した後に寄り切るだけの力があったと思う。互いに1番よかった時よりも、力が少しずつ落ちていることで、結果的には名勝負が生まれた。相撲というのは分からんもんだね」と話していた。パワーだけに頼りがちな20代とは違い、技術や駆け引き、心理戦-。あらゆるものを駆使して、白星への道筋を探っていく。一方で、松鳳山は「余計なことを考えなかったのがよかった」と、琴奨菊戦の勝因を挙げてもいる。いざとなったら後先考えず、前に進み続ける相撲っぷりの良さも、観客を引きつけてやまない。

そんな相撲内容の良さに審判部も期待を込めて、千秋楽は結び前で大関栃ノ心戦を組まれた。その期待に応え、九州場所の優勝を左右する高安-御嶽海戦の直前に、またまた会場を沸かせた。怪力大関を相手に素早い動きで2度も背後を取って、まず歓声。それでも、強引に押しつぶされて敗れたかに見えたが、立ち合い直後に審判から「待った」がかかっていた。命拾いした格好で再び歓声。次は行司が「待った」をかけ、3度目の立ち合いの時には、大きく肩で息をしていた。その3度目も寄り切られたかに見えたが、物言いの末、その前に栃ノ心の右足が土俵を割っていた。2度も命拾いした格好の松鳳山を、最後は大歓声が包み込んだ。

現役力士では屈指のこわもてで、一見すると親しみやすさとはほど遠い。だが取組後の支度部屋では、勝っても負けても常に、松鳳山は多くの報道陣に囲まれる。ユニークな人柄は、多くの人を引きつける。何よりも、部屋では午前6時台には稽古を始め、巡業では申し合いのスタイルで稽古していた夏巡業までは必ず、錦木とともに幕内力士の中で最初に土俵に立つ、まじめな姿勢を貫いている。その錦木とは7歳も違い、自身は大卒、錦木は中卒で角界入りしたが「同期」と呼ぶ。常に偉ぶるようなこともない。来年1月の初場所では再び、上位総当たりとなる地位まで番付を上げると予想される。その中でも松鳳山が観衆を沸かせるようなことになれば-。ベテランが2019年最初の場所で、波乱を演出する可能性は十分だ。

【高田文太】(ニッカンスポーツ・コム/バトルコラム「大相撲裏話」)

大相撲九州場所6日目  栃ノ心対松鳳山は取り直しとなる

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