石井が猪木祭参戦!元UFC王者と再起戦

08年北京五輪柔道男子100キロ超級金メダルの総合格闘家・石井慧(25)が大みそかの「INOKI BOM-BA-YE 2012」(東京・両国国技館、日刊スポーツ後援)に参戦し、元UFCヘビー級王者ティム・シルビア(36=米国)と総合ルールで対戦することが7日、発表された。石井にとって昨年大みそかの旧PRIDEヘビー級王者エメリヤーエンコ・ヒョードル戦以来、1年ぶりの試合となる。再起戦が2度も中止となり、不遇続きの1年となった石井が強敵との激突で再出発を図る。
出げいこ先のオランダで大みそか参戦、元UFC王者との対戦を知った石井は「マジでうれしいっす。頑張るっす」と軽快な口調で喜びを示した。身長差20センチ以上、体重差も20キロ以上あるシルビアを「デカイ、しかもタフ」と警戒する。ヒョードル戦の1回KO負け以来、1年ぶりの再起戦としては強敵すぎる相手だが、ファイトできる喜びで胸はいっぱいだった。
今年は次々と再起戦が流れ続けた。3月、ブラジルでソクジュ(カメルーン)との対戦が、米国で契約するジムの不手際で現地まで入りながら中止に。石井はそのジムとの契約を解除し、今度はインドの新興団体スーパーファイトリーグと契約し、9月にジミー・アンブリッツ(米国)との対戦が決まった。しかし今度は相手側の事情で中止となり「まじでつらかった」と明かす。ファイトマネーを稼げず、生活を切り詰めた。柔道の先輩で全日本レベルで活躍した江種辰明の激励を受けながら、何とか練習だけは続けた。
現在、オランダでDREAMライトヘビー級王者ゲガール・ムサシのもとで合宿中だ。自ら連絡を入れて、合同練習をお願いした。「ゲガールの技術を学びたかった。総合の練習をはじめ、シルビア戦のゲームプランもすべてゲガールが考えてくれている」。今夏にはK-1番長ジェロム・レバンナに弟子入りし、2度の合同合宿も消化。「立ち技を教わり、練習場も紹介してくれた。格闘技はどういうものかも教えてくれた」と、受け入れてくれたトップ選手2人に感謝した。
7日にIGFパキスタン遠征から帰国したアントニオ猪木からは「成長していかなければならない。指導はするが、責任を持ってぶち当たれ」と厳しいエールを送られた。1年前を振り返り、石井は「ヒョードルのパンチ1発は一流コックのつくるスープと一緒。誰でも食べれるわけではないし、一口食べた瞬間にいろいろな味が口中にひろがる」と石井節の例えで悪夢を振り払った。あとは元UFC王者撃破で再起を図るだけだ。「出げいこで新しい刺激をガンガンもらった。テーマはガンガン」と気持ちを高揚させていた。
◆石井慧(いしい・さとし)1986年(昭61)12月19日、大阪・茨木市生まれ。06年に史上最年少の19歳4カ月で全日本柔道選手権を制覇。08年北京五輪柔道男子100キロ超級で金メダルを獲得。同11月、プロ格闘家への転向を表明。09年大みそかDynamite!!の吉田秀彦戦でデビューして判定負け。181センチ、98キロ。
◆地上波放送 IGFは7日、大みそかの「INOKI BOM-BA-YE 2012」(東京・両国国技館)が、フジテレビ系で来年1月3日深夜1時40分から放送されると発表した。大みそか当日は、午後7時からBSフジで放送される。