岡見「ホーム」初勝利で世界トップ3狙う

UFC日本人最多勝利(12勝4敗)を誇る岡見勇信(31=和術慧舟会東京道場)が「ホーム戦勝利」で世界トップ3を狙う。今日3日、さいたまスーパーアリーナで開催される「UFC JAPAN 2013」(日刊スポーツ後援)を控え、2日に同会場で前日計量が行われた。現在、UFCミドル級ランク4位の岡見は、同8位のヘクター・ロンバート(35=キューバ)と対戦する。勝てば3位以内に入るのは確実で、11年8月以来となるミドル級王座再挑戦に向け、母国から存在感をアピールする。
2人に笑顔も、そして握手もなかった。ファン公開となる前日計量。185ポンド(約83・9キロ)でパスした岡見は、186ポンド(約84・3キロ)でクリアしたロンバートを見下すように、にらみつけた。ファイティングポーズ後もピリピリムード。約10キロ以上の減量をクリアした岡見は「ウエートは順調だった。あとは丁寧にリカバリーしてコンディションを整え、明日の試合に臨みます」と、集中力を高めた。
UFCでは先月下旬からランキング制度が導入された。現在、全階級を通じて岡見がただ1人、ミドル級4位でランクインし、元ベラトールFC同級王者のロンバートは8位。お互いが上位進出、かつタイトル挑戦を狙える位置にいる。お互いに絶対に負けられない一戦となる。総合格闘技のメジャーリーグと言われるUFC。ミドル級4位は米国をはじめ、海外メディアにも認められている証明だが、岡見はトップ5入りを満足していない。
岡見 そういう評価をしていただいているのはうれしい。でも狙うはナンバーワンですから。
約1年前のUFC日本大会でティム・ボウシュにまさかの逆転TKO負けを喫した。プレッシャーを実感していたわけではないが「もしかしたら無意識に感じているのかもしれない。でも、それを含めて日本大会。打ち勝ちたいと思います」と雪辱に燃えている。ロンバートを撃破すれば、タイトル再挑戦への視界が一気に開ける。「明日の試合は、今、自分が持っているすべてを出し切って、勝利をもぎ取る」。日本のエースとしての自覚を持ち「ホーム」のオクタゴンに立つ。【藤中栄二】
◆岡見勇信(おかみ・ゆうしん)1981年(昭56)7月21日、神奈川・藤沢市生まれ。柔道部に在籍した藤沢翔陵高を卒業後、新日本プロレスの入門テストを受けたが不合格。01年に和術慧舟会に入門。翌年のプロデビューから7連勝し、パンクラス、PRIDE、HERO'sなどを経て、06年1月にランブル・オン・ザ・ロック(米ハワイ)で現UFCミドル級王者アンデウソン・シウバに反則勝ち。同年8月からUFCに参戦し、通算12勝4敗。11年8月、王者シウバに挑戦したが、2回TKO負けした。188センチ、84キロ。
◆UFCランキング メディア投票によって制定され、UFCと契約を結ぶ選手のみが対象となる。複数階級で戦う選手も存在するため、1選手が登録される階級は1つ。パウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を通じての最強選手)のランキングもある。各階級のランキングには正規王者、暫定王者には投票できない。王者が対象とされる投票はPFPに限られる。1大会ごとにランキングは更新される。なおメディア投票権は申請が必要。