上へ戻る

au版ニッカン★バトル

新着ニュース

栃ノ心3連勝 玉鷲戦「めちゃくちゃ気合入る」理由

玉鷲(右)と激しい取組をする栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館

 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が平幕の玉鷲を下し、3連勝を飾った。ともに08年初場所が新十両だったライバルの激しい突き押しをしのぎ、はたき込んだ。右膝負傷からカムバックした14年11月の再入幕後、3連勝は過去2場所あり、11勝と14勝。大関昇進に求められる最低限の10勝以上がはっきり見えてきた。勝ちっ放しは白鵬、鶴竜の両横綱を含む8人となった。

 栃ノ心は鼻息が荒かった。「下がってないね、後ろに。よく攻めたし、立ち合いも良かった。まわしは取れなかったけどね」。支度部屋の風呂から上がると、自分から切り出した。角界屈指の突き押しをしのぎ、はねのけ、前に出た。気づけば、玉鷲が倒れていた。

 「めちゃくちゃ気合が入る」というライバルだ。新十両が同じ08年初場所。当時の巡業では“かわいがられ仲間”だった。玉鷲が朝青龍なら、自分は白鵬と日馬富士…。朝、顔を合わせると「今日も一緒にぶつかり稽古、頑張ろう」と励まし合った“戦友”なのだ。

 時には一緒に食事に行くほど仲もいいが、相撲となれば話は別だ。この日で対戦成績13勝4敗と合口はいい。ただし「アイツ、いつも土俵に上がる前からニラんでくる。だから、絶対にニラみ返す。目そむけたら負けだから」。先場所は2日目に負けた。その後1週間は、支度部屋ですれ違うと「弱かったな~」と言われた。「もういいだろって思うのに」とこぼしつつ、うれしそうだ。

 大関へ。データも栃ノ心の背中を押す。昇進目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初優勝の初場所14勝、春場所10勝。ただ、初場所は西前頭3枚目の平幕だったため、最低限「10勝以上」が必要になりそうだが、その“ライン”は見えた。14年九州場所の再入幕後、3連勝は過去2度あり、ともに2ケタ白星。また三役での3連勝は11場所目で初めてだ。先場所痛めた右肩も「大丈夫、勝ってるからね」と笑い飛ばす。夢へ、着実に近づいている。【加藤裕一】

栃ノ心は口から流血しながら土俵を下りる(撮影・小沢裕) 

関連するニュースを読む

久田哲也が最も遅い世界初挑戦か 京口と対戦希望

世界前哨戦を5回KO勝ちで飾った前日本ライトフライ級王者久田哲也(撮影・加藤裕一)

<プロボクシング:50キロ契約8回戦>◇20日◇エディオンアリーナ大阪第2競技場

前日本ライトフライ級王者久田哲也(34=ハラダ)が、9月に世界王座に初挑戦する方向で交渉を進めていることが分かった。

陣営の原田実雄会長は「ようやくですが、大丈夫と思う。基本は国内。やっぱり大阪府立(体育会館=エディオンアリーナ大阪)でやりたい」と手応えを口にした。

久田はライトフライ級でWBA1位、WBO1位、WBC3位、IBF9位。主要4団体すべてで世界ランク上位に名を連ねており、世界挑戦に向けて、昨年12月5日に5度防衛した日本王座を返上した。この日は世界前哨戦でKO勝ち。インドネシア・フライ級王者スティヴァヌス・ナナ・ブー(28=インドネシア)を右ボディー2発から、左ロングフックで追い詰め、5回3分1秒、マットに沈めた。リング上のインタビューでは「やりたい選手はたくさんいます。(WBA王者の)京口選手や(WBC王者の)拳四朗選手。自信はあります」と意気込みを語った。

戦績は45戦34勝(20KO)9敗2分け。世界戦が実現すれば、平成以降ではリック吉村の45戦目(01年2月、WBAライト級王者畑山隆則に挑戦し、ドロー)を上回る日本ジム所属選手の“最も遅い世界初挑戦”になる。「それは希望を与えられますよね。10月で35歳。正直、何度か諦めかけましたけど…。僕はチャレンジャー。強みのフックをもっと強化して、コンビネーションの中で出せるようにしていきたい」。昨年11月5日には妻淳子さん(34)が長女一歌ちゃんに続き、双子の女児(朱莉ちゃん、乙葉ちゃん)を出産。守る家族も増えた。03年11月のデビューから16年目。遅咲きの男に、待望の舞台がやってくる。

世界前哨戦を5回KO勝ちで飾った前日本ライトフライ級王者久田哲也(撮影・加藤裕一)

関連するニュースを読む

パッキャオが前日計量に登場「MMA見るの初めて」

RIZIN前日計量に訪れたパッキャオ(左)と握手を交わす榊原実行委員長(撮影・足立雅史)

4月21日に横浜アリーナで開催されるRIZIN15大会の前日計量が20日、都内で開かれた。

那須川天心(20)とキックボクシングルールで対戦するフリッツ・ビアグタン(23=フィリピン)は推薦者のボクシング6階級制覇王者で現WBA世界ウエルター級王者のマニー・パッキャオ(40)が見守る中、57・45キロでクリアした。

全計量後にパッキャオが登壇し「こうやってフリッツを応援する機会をくれてありがたい。MMA(総合格闘技)の試合を見るのは初めてです。ファイターのみなさんがんばってください。明日会場でお会いしましょう」とあいさつした。

RIZIN前日計量に訪れ壇上に登壇するパッキャオ(撮影・足立雅史)

関連するニュースを読む

余裕の那須川天心、相手挑発にベジータ必殺技で拮抗

那須川(左)は計量を終えパッキャオが推薦する対戦相手ビアグタンとかめはめ波を披露する(撮影・足立雅史)

4月21日に横浜アリーナで開催されるRIZIN15大会の前日計量が20日、都内で開かれた。キックボクシングルールで、ボクシング現WBA世界ウエルター級王者マニー・パッキャオ(40)推薦のフリッツ・ビアグタン(23=フィリピン)と対戦する那須川天心(20)は、58・95キロでクリアした。ビアグタンも57・45キロでクリアした。

壇上でビアグタンにドラゴンボールの悟空の技「かめはめ波」で挑発された那須川は、すかさずベジータの必殺技「ファイナルフラッシュ」で対抗。「いつも通りやるだけ。Just do it」と余裕の表情で計量を終えた。

昨年大みそかのRIZIN14では、ボクシング元5階級王者フロイド・メイウェザーと対戦。体重差や不利なルールで、力を出し切れず1回KO負けした。19年初陣となった3月のRISEでは、フェデリコ・ローマを3回1分35秒でKO。キックボクサーとしての力をあらためて見せつけた。徹底した食事管理や肉体改造に取り組み迎える19年RIZIN初戦で世界に衝撃を与える。

那須川(左)は計量を終えパッキャオが推薦する対戦相手ビアグタンとポーズを決める(撮影・足立雅史)

関連するニュースを読む

メイウェザーとパッキャオ対面実現せず 榊原氏ホッ

フロイド・メイウェザー(2019年4月9日撮影)

総合格闘技RIZIN15大会(21日、横浜アリーナ)の会見が19日、都内で行われた。

観戦に訪れると予告していたボクシング元5階級制覇王者フロイド・メイウェザーは来場せず、注目されていたパッキャオとメイウェザーの2ショットは実現しないことになった。榊原実行委員長は「ハラハラしていましたが、メイウェザー関係者の今日の情報によると、来ないらしいです。ほっとしています」と話した。

関連するニュースを読む

貴景勝ら新旧大関で申し合い「いい稽古できました」

大関同士の申し合い稽古で高安(左)を引き落とす貴景勝

大相撲の春巡業は20日、千葉・柏で行われ“新旧”含む大関3人による申し合い稽古が行われた。

春場所千秋楽、互いのファンの胸が締め付けられるような“大関入れ替え戦”の末、新大関昇進を果たした貴景勝(22=千賀ノ浦)と、その貴景勝に敗れ大相撲夏場所(5月12日初日、両国国技館)では関脇に陥落する栃ノ心(31=春日野)が事前に稽古を約束していた。そこに誘いの声をかけた高安(29=田子ノ浦)も快諾。横審稽古総見さながらの、豪華3大関による申し合い稽古が始まった。

互いの意地がぶつかり合う、熱のこもった稽古の結果は“先輩大関”の貫禄を示した栃ノ心が7勝5敗、高安が7勝6敗。ただ、5勝8敗と負け越した貴景勝は、今巡業で相撲を取る稽古は1週間ぶり2度目。夏場所まで3週間あるせいか「前回に比べて全然いい。もう1段階、体を膨らませればもっと良くなる。なかなか(3大関での稽古は)できることではない。いい稽古ができました」と焦るそぶりは全くない。

一方、その貴景勝に4勝2敗と“リベンジ”した栃ノ心は「2人は押し相撲。自分はやりずらい。でも、そのやりずらい人と稽古するのが大事」と収穫を口にした。相撲を取る稽古を初めて3日目の高安は、やや落胆の表情で「全然、良くなかった。今日は浮ついてました。スタミナは大丈夫。体力はあるし、今日も、まだまだ(時間があれば)取れた。ただ、相撲内容が…」と反省点を口にしていた。

大関同士の申し合い稽古で貴景勝(手前)と向かい合う栃ノ心(左)。中央は高安

関連するニュースを読む

柏市出身隆の勝、ご当所巡業で晴れ姿「三役目指す」

地元の千葉・柏での巡業で犬と記念写真に納まる十両隆の勝

大相撲の春巡業は20日、千葉・柏市で行われ、地元出身で東十両13枚目の隆の勝(24=千賀ノ浦)が人気を博した。

稽古土俵に上がり「千葉県柏市出身 隆の勝」とアナウンスされると、この日一番の拍手を浴びた。ぶつかり稽古では大関高安に、たっぷりかわいがられ稽古をつけてもらった。稽古後は、地元テレビ局や新聞社の取材が特別に設けられ、5人の兄弟はじめ家族全員が応援に駆けつけるなど、地元で晴れ姿を披露した。「今日は、たくさんパワーをもらった。それを令和元年最初の場所で出したい。飛躍の年に三役を目指して頑張りたい」と笑顔で話した。

会場近くにある相撲道場は、わんぱく相撲などで汗を流した「懐かしいし初心に戻れる場所」。中学3年まで、この道場で腕を磨き全国都道府県大会では団体3位にも入るなど「柏での稽古が土台になっている。感謝している」と言い、そのころ夢に抱いていた「横綱になる」という目標に向けても「あきらめずに一生懸命、稽古する」と誓った。

昨年秋場所で新入幕を果たし、幕内は2場所務めたが、その後の半年は貴乃花部屋力士の転属、貴景勝の優勝、貴ノ岩の引退、貴景勝の大関昇進と激動の日々。自身はケガもあり、2場所連続の大きな負け越しで番付を十両の13枚目まで落としたが、春場所は11勝4敗と盛り返し、5月の夏場所(12日初日、両国国技館)は再入幕を狙うチャンス。部屋の激動も落ち着いたようで「違和感もなくなり、自分の相撲にだけ集中できるようになった」と再浮上を目指す。

関連するニュースを読む

豪栄道、鶴竜が春巡業初稽古 ともに全勝で好感触

春巡業で初めて稽古土俵で相撲を取った鶴竜(左)と正代

大相撲の春巡業は20日、千葉・柏市で行われ、横綱鶴竜(33=井筒)と大関豪栄道(33=境川)が、ともにこの春巡業で初めて稽古土俵で相撲を取った。

三役以下の幕内力士の稽古が終わると、まず豪栄道が土俵へ。平幕の正代と錦木を相手に連続11番で全勝。左前みつを引いての速攻など、春場所12勝の好調さを持続しているようだった。豪栄道が土俵を下りると、今度は鶴竜が上がり正代と連続7番。こちらも足の運びなど動きを確認しながら、全勝で締めた。

相撲を取る稽古をスタートさせた鶴竜は、まずチェック事項として「立ち合い。それが一番大事。あとは体の反応、動き」を挙げ、その感触については「全然、大丈夫。もともと(巡業の)後半になったらやろうと思っていたし、そのための体作りはしてきたからね。全然、大丈夫だった」と好感触を口にした。

一方の豪栄道も「久しぶりだったから足の動きとかを確認した。まだ完璧ではないけど、そんなに悪くなかった。しっかり稽古して、これから(上げる)」と調整の青写真を描いた。元号が令和になって初めて迎える夏場所(5月12日初日、両国国技館)は「注目される場所。優勝を目指したいと思います」と抱負を語った。

春巡業で初めて稽古土俵で相撲を取った豪栄道(左)と錦木

関連するニュースを読む

朝青龍おい豊昇龍が巡業に特別参加 初の大銀杏感激

初めて大銀杏(おおいちょう)を結った幕下の豊昇龍

大相撲の春巡業は20日、千葉・柏市で行われ、地元の日体大柏高出身で、春場所では西幕下7枚目で4勝3敗と勝ち越した、元横綱朝青龍のおいにあたる豊昇龍(19=立浪)が、晴れ姿を披露した。

本来なら未成年のため巡業には参加しないが、師匠の立浪親方(元小結旭豊)が巡業の先発を務めた前日の埼玉・行田巡業に続き連日の“特別参加”となった。稽古では小結御嶽海(出羽海)に、ぶつかり稽古で胸を出してもらった。さらに感激だったのは、初めて結った大銀杏(おおいちょう)だった。

この日は十両の取組で、同じモンゴル出身で春場所新十両の霧馬山(陸奥)と対戦。大銀杏を結えるのは十両以上の関取だけだが、十両以上で取組がある場合、幕下力士も結わなければならない。そこで力士になって初めて、大銀杏を結って土俵へ。取組は霧馬山に寄り切られたが、はじめて結った大銀杏の感触に「気持ちいいです。いつもと違う雰囲気というか」と笑みこそ浮かべなかったが、実感を込めて話した。

ただし、この日は本来の“資格”を有して結った大銀杏ではない。十両に上がり、晴れて関取になれば毎日、結える。「できるだけ早く関取になれるように頑張ります」と、新十両昇進のチャンスとなる5月の夏場所(12日初日、両国国技館)を見据えた。

関連するニュースを読む

クロフォードが五輪メダリストのカーン戦に闘志

ボクシングのWBO世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦は20日(日本時間21日)、米ニューヨーク州ニューヨーク・マディソンスクエアガーデンで開催される。

パウンド・フォー・パウンド(階級を超越した最強選手)ランキングで2位につける34戦全勝の同級王者テレンス・クロフォード(31=米国)が、元2団体統一スーパーライト級王者で挑戦者の同級2位アミル・カーン(32=英国)との2度目の防衛戦に臨む。19日には同地で両者とも前日計量に出席し、クロフォードが146・4ポンド(約66・4キロ)、カーンも146・6ポンド(約66・5キロ)でそれぞれクリアした。

04年アテネ・オリンピック(五輪)銀メダリストとして鳴り物入りでプロ入りし、世界王者になった挑戦者に対し、クロフォードは闘志をむき出し。「カーンは甘やかされた。オレはゼロからやってきた」と自信満々。一方のカーンは「クロフォードという選手がどれほどタフであるか、そしてどれほど危険かを知っているが、私は何をすべきかを分かっている」と自信に満ちていた。

関連するニュースを読む

井上尚弥 昭和の王者を超え世界的ヒーローの可能性

18年5月、3階級制覇を果たしベルトを掲げる井上尚弥

<平成とは・バトル編(3)>

5月18日(日本時間19日)、英国のグラスゴーでWBA世界バンタム級王者の井上尚弥(26=大橋)が、IBF同級王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)との統一戦に臨む。4人の現役世界王者らが参戦するバンタム級最強を決めるトーナメントの準決勝。無敗の王者対決は今、世界の注目を浴びている。

所属ジム会長で元WBC、WBA世界ミニマム級王者の大橋秀行(54)は「新しい時代にふさわしい試合になる。今は国内だけで防衛戦を重ねていく時代ではない。だから世界に出て勝負をかけた」と、90年2月に平成初の世界王者になった自身の頃と比較しながら、今回の試合の意義を力説する。

90年代まで世界王者になれば、国民的ヒーローになれた。ファイティング原田、具志堅用高、辰吉丈一郎……街を歩けば人が群がった。「世界王座を奪取した翌日に首相官邸に招待されて、海部俊樹首相にネクタイピンをいただきました」と大橋も現役時代を振り返る。しかし、近年は街で囲まれる世界王者は少ない。

「自分の頃はJリーグもなかったし、大リーガーもいなかった。プロスポーツの世界王者はボクシングだけ。今はテニスをはじめあらゆる競技のプロ選手が海外で活躍するようになった。その分、国内で興行を続けてきたボクシングへの注目度が薄れた。自分も責任を感じていた」。日本プロボクシング協会の会長も務めた大橋は自戒も込めて分析する。平成に入ってスポーツ界は海外への門戸が大きく開かれた。イチローや松井秀喜、錦織圭や大坂なおみの活躍で、選手に世界的な評価が求められる時代になった。

現在、日本の男子の世界王者は7人。昨年は一時11人もいた。13年に日本ボクシングコミッション(JBC)がWBAとWBCに加えて、IBFとWBOの王座も承認し、ベルトも倍増した。元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史(58)は「昔は世界王者が最終目標だった。今は王者になってから何を残すかが問われる時代になった」と話す。

一方で日本選手の技術レベルは飛躍的に伸びた。08年に日本プロボクシング協会がU-15(15歳以下)全国大会をスタート。小中学生から全国規模で活躍できる場ができた。井上尚弥、拓真兄弟、田中恒成らの現役世界王者はこの大会の優勝者。「技術は始めた年齢に比例する。世界のリングでボディーで倒されていた日本選手が、今はボディーで倒すようになった。技術は世界でもずぬけている」と、同大会を協会会長として主導した大橋は言う。11年7月にはWBC世界スーパーバンタム級王者の西岡利晃(帝拳)が、日本人で初めて米国の本場ラスベガスで防衛に成功するなど、世界でも日本選手の評価は高まっている。

井上はプロわずか16戦で世界3階級制覇を達成。卓越したボクシングセンスと強打は、海外でも注目され、日本人ボクサーで初めて米ボクシング誌「リングマガジン」の表紙にもなった。あの昭和の王者を超える、世界的なヒーローになる可能性を秘めている。「日本から世界へ。そのレールを井上が敷く」と大橋は力を込める。

世界ヘビー級王者マイク・タイソンの東京ドーム防衛戦(90年)という「ビッグバン」で始まった平成がまもなく終わる。昭和の時代に26人だった世界王者は、平成の約30年間をへて91人まで増えた。今や日本は世界屈指のボクシング大国に躍進した。

令和の時代の幕開けを前に、大橋がこんな予言をした。

「平成はタイソンで盛り上がり、あのミドル級で村田諒太が世界王者になった。そして井上が世界で勝負をかける。日本ボクシング界は大きく変わった。あとはヘビー級。令和の時代に日本人の世界ヘビー級王者が誕生するかもしれない。そうしたら再びビッグバンが起きる」。【首藤正徳】(敬称略)

90年2月、WBC世界ストロー級王座に就いた大橋秀行

関連するニュースを読む

井岡一翔「こんなことない」再起戦が4階級制覇戦に

夢の4階級制覇に向けて、パリクテとの、WBO世界Sフライ級王座決定戦を発表した井岡一翔(撮影・酒井清司)

ボクシングWBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)の4階級制覇への再挑戦が決まった。6月19日に千葉・幕張メッセのイベントホールで、同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦に臨む。19日に埼玉・越谷市内のジムで発表した。昨年大みそかに失敗からの再起戦で、日本人男子初の偉業へ再びチャンスを得た。20日には渡米し、直前まで約2カ月間の合宿に突入する。

   ◇   ◇   ◇

井岡には2年2カ月ぶりの国内復帰戦で、再び大きなチャンスを得た。「負けた後の再起戦でタイトルに挑戦できるとは、びっくりした。こんなことはない」。素直に喜びながら「後がない。背水の陣だと思っている。最後のチャンスと思って挑む気持ち。負けられない。勝つしかない」と力を込めた。

17年の大みそかに引退を発表したが、昨年9月に米国で現役復帰した。その大みそかにマカオで同級王座決定戦に臨んだが、ニエステ(フィリピン)に1-2で判定負けし、4階級制覇に失敗した。だがニエステが王座を返上したことで、またして日本人初の偉業がかかる舞台へと上がる。

復帰時は米国で4階級制覇を目標に挙げ、国内ライセンスは持っていなかった。このため3月に再申請し、国内復帰も実現した。関東地区では3試合目で初の世界戦となる。「日本のファンに成長した姿を見せ、やってきた結果を見せたい」と、会見後は新たなジムでの練習を披露した。

パリクテは昨年9月の同級王座決定戦が世界初挑戦だったが、ニエステと引き分けている。井岡は「アグレッシブで勢いがあり、パンチ力もある」と評した。6センチの身長差もあり、簡単な相手でない。

3月には30歳になった。「人として、ボクサーとして大きな節目。偉業を成し遂げ、次につなげたい」。20日にはラスベガスに出発。試合直前まで約2カ月間滞在し、体を仕上げる。【河合香】

夢の4階級制覇に向けて、パリクテとの、WBO世界Sフライ級王座決定戦を発表した井岡一翔(撮影・酒井清司)

関連するニュースを読む

錦戸亮似のパッキャオ刺客が暴露「会ったことない」

報道陣の質問に答えるフリッツ・ビアグタン(撮影・鈴木正人)

総合格闘技RIZIN15大会(21日、横浜アリーナ)の会見が19日、都内で行われ、那須川天心(20)の対戦相手、ボクシングWBA世界ウエルター級王者マニー・パッキャオの刺客フリッツ・ビアグタン(23=フィリピン)が衝撃の事実を明かした。

ボクシングで6階級制覇した自国スーパースター、パッキャオの推薦により今回のRIZIN初参戦が決まった。9日の対戦発表時には、パッキャオは「私が推薦するとてもタフなフィリピン人ファイター」と推薦文をよせていた。

“パッキャオお墨付きの格闘家”という最高の肩書を持っての来日だが、ビアグタンはパッキャオとは「1度も会ったことはありません」と暴露。さらに「なぜ推薦されたか正直分かりません」と思わずこぼした。

この日来日したパッキャオと初対面する予定で「これからアドバイスをもらいたいと思います」と関ジャニ錦戸亮似のまぶしい笑顔でうれしそうに話した。

ビアグタンにとってはこの対戦は神様のプレゼントだった。相手の那須川天心は「私のアイドル」。インスタグラムをフォローする憧れの対象だが、対戦するからには「サプライズにしたい」と番狂わせを狙う。

「私の家は貧しいのでこれは神様が与えてくれたチャンスだと思っている」。この一戦を成り上がりの一歩にするつもりだ。

ビアグタンの総合格闘技戦歴は4勝1敗。心もとない成績だが、キックボクサーの父を持つなどあなどれない部分もある。

迎える那須川は「フィリピンはレベルが高い」と警戒しつつも、「触らせないし、ダメージ負いたくない。すべてをコントロールして、全局面で圧倒する」と完勝宣言した。

報道陣の質問に答えるフリッツ・ビアグタン(撮影・鈴木正人)
ファイティングポーズするフリッツ・ビアグタン(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

堀口恭司、格闘技界盛り上げへユーチューバーに

堀口恭司

総合格闘技RIZIN15大会(21日、横浜アリーナ)の会見が19日、都内で行われ、初代RIZINバンタム級王者堀口恭司(28)がユーチューバーになった理由を明かした。

18日から自身のYou tubeチャンネルを開設。以前に所属していた故山本KID徳郁のジム「KRAZY BEE」でユーチューバーと出会ったのがきっかけ。以前から誘われていたが「格闘技界が盛り上がっていくなら」と、気持ちが高まったこの機にスタートさせた。まだ動画は自己紹介の1本のみだが、今後は練習や趣味のつりの様子などもアップしていく予定だ。

元UFCランカーのベン・ウィン(30=米国)戦に向けては「コンディションはばっちり」と余裕の表情。世界から注目されるトップファイターとして「しっかり決めて、盛り上げる試合をしたい」と自信を口にした。

関連するニュースを読む

元朝青龍のおい豊昇龍が初の巡業参加「いい経験」

自身初めて巡業に参加した豊昇龍(撮影・佐藤礼征)

元横綱朝青龍のおい、幕下豊昇龍が自身初めて巡業に参加した。基本的に未成年は不参加だが、この日は師匠の立浪親方(元小結旭豊)が勧進元との窓口などを務める先発親方として入ったため、研修も兼ねて同行。朝稽古ではぶつかり稽古で大関栃ノ心の胸を借りた。

「大関ってこんなに重いんだなって。いい経験になった」。現状の取り口では相手を呼び込む場面も見られ、大関から直々に「ひざが危ない。けがに気をつけて」と助言をもらった。期待の19歳は「もっと基礎体力をつけたい」と下地づくりに意欲を燃やした。

関連するニュースを読む

高安が後輩指導「強くなって」基礎運動など教え込む

巡業で若い衆に基礎運動を指導する高安(右から2番目)(撮影・佐藤礼征)

大相撲春巡業が19日、埼玉・行田市で行われ、大関高安(29=田子ノ浦)が稽古と「後輩指導」を精力的に取り組んだ。

18日は平幕栃煌山と9番取り、この日も遠藤、碧山と三番稽古を行った。計14番で9勝5敗。体重200キロ超の巨漢碧山に5連敗を喫する場面もあったが「いい稽古になった。圧力のある相手の方がいい」と、好感触を口にした。

15日から巡業に合流し、番数も徐々に増やしていく構え。「(まだ)長く相撲を取れない。基礎運動をしっかりやって、しっかり集中してできれば」と、スタミナを蓄えて実戦感覚を養っていく意向を語った。

この日は土俵外で若い衆に対し、すり足など基礎運動を教え込んだ。大勢の観客に囲まれながら、自らも大粒の汗をかいて実践。「若い衆に強くなってもらいたいし、自分の稽古相手にもなってほしい」と意図を説明した。

17日に東京・大田区で行われた巡業でも、土俵下で平幕阿武咲に対してじっくりと稽古をつけた。

「若い子に教えたい気持ちがずっとある。少しでも後輩のためになれば」

夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)が大関在位12場所目。兄弟子の元横綱稀勢の里(現荒磯親方)が引退した角界で、若手を引っ張り上げる覚悟を示した。

関連するニュースを読む

小結北勝富士、大栄翔、阿炎が活躍誓い埼玉ポーズ

埼玉・行田市で行われた巡業にて、「埼玉ポーズ」を披露する埼玉県出身の幕内力士3人衆、左から大栄翔、北勝富士、阿炎(撮影・佐藤礼征)

大相撲春巡業が19日に埼玉・行田市で行われ、小結北勝富士(26=八角)、平幕大栄翔(25=追手風)、阿炎(24=錣山)の埼玉出身力士3人衆が土俵内外を盛り上げた。

北勝富士と大栄翔は申し合い稽古に参加。土俵上で出身地を呼び上げられるたびに、観客から拍手と歓声を送られた。写真撮影などで長蛇の列をつくった人気者の阿炎は「いつにも増してサインした」と、ファンサービスに熱を込めた。埼玉を舞台にした映画「翔んで埼玉」が興行収入31億円を超え、話題を呼んでいる。3人も作中に登場する「埼玉ポーズ」で地元愛を表現。北勝富士は「僕らも埼玉を盛り上げられるように」と大ヒット映画に続く活躍を誓った。

関連するニュースを読む

井岡一翔「日本人初の4階級制覇を」6月王座決定戦

サンドバックで汗を流す井岡一翔。同級1位のアストン・パリクテとの、WBO世界スーパーフライ級王座決定戦を発表した=2019年4月19日

ボクシングWBO世界スーパーフライ級2位井岡一翔(30=Reason大貴)の4階級制覇再挑戦が決まった。6月19日に千葉・幕張メッセで、同級1位アストン・パリクテ(28=フィリピン)との王座決定戦に臨む。19日に埼玉・越谷市内のジムで発表した。

井岡は昨年9月に米国で現役復帰し、大みそかにマカオでの同決定戦で、ドニー・ニエステ(36=同)に1-2で判定負けした。「再起戦で世界戦ができるとは、びっくりした。こんなチャンスはない。久しぶりの日本の地で、日本人初の4階級制覇をしたい」と意欲を示した。

4階級制覇へ初挑戦は失敗も、ニエステが王座を返上したことで、続けて日本初の記録達成のチャンスを得た。それも2年2カ月ぶりで国内の舞台。「海外でもよかったが、日本のファンに成長した姿を見せたい。やってきた結果を見せたい。背水の陣と思っている。勝つしかない。勝って次につなげたい」。本来の目的である海外でのビッグマッチへのステップを期す。

パリクテは25勝(21KO)2敗1分で、昨年9月に同決定戦で世界初挑戦ではニエステと引き分けている。「すごいアグレッシブ。若く勢いがあり、パンチ力もある」と簡単な相手でない。今後は20日に渡米して、直前まで現地で約2カ月調整して仕上げる。

夢の4階級制覇に向けて、パリクテとの、WBO世界Sフライ級王座決定戦を発表した井岡一翔(撮影・酒井清司)

関連するニュースを読む

久保隼、右目負傷の引退危機乗り越え2階級制覇挑む

WBA世界フェザー級タイトルマッチで2階級制覇に挑む前同スーパーバンタム級王者久保隼。右は真正ジムの山下会長(撮影・加藤裕一)

前WBA世界スーパーバンタム級王者で、同フェザー級10位の久保隼(29=真正)が5月26日に中国・撫州市でWBA世界フェザー級王者徐燦(シュ・チャン、25=中国)に挑戦することが決まり、19日、神戸市内で会見した。久保は昨秋に右目を負傷し、3月8日に手術した。引退危機を乗り越えて、世界2階級制覇に挑む。前WBOフライ級王者木村翔がWBAライトフライ級王者カルロス・カニサレスに挑む試合と合わせ、ダブル世界戦となる。

久保は17年9月にダニエル・ローマンに9回TKO負けを喫し、スーパーバンタムの王座を陥落。減量苦の軽減を狙い、昨年4月に階級をフェザーに上げて再起したが、同10月のスパーリングで右目を負傷した。診断は眼筋を痛めた滑車神経マヒ。「ものが上下に2重に見える状態」。最もショックだったのは、水差しからコップに注ごうとして机にこぼしたこと。「本音を言えば(引退を)考えました」-。

ジムの後輩、元WBO世界ミニマム級王者山中竜也さん(24)が同7月の防衛戦で硬膜下血腫になり、引退していた。最も心の通い合った“戦友”の“悲劇”を目の当たりにしていた。手術直前にはジムの山下正人会長に「目が見えへんようになっても構わないから(世界戦を)やらせてください」と訴えた。ところが、そんな怖さ、不安は手術から一夜明けて一気に晴れた。包帯を取ると「ものがちゃんと1つに見えた。あれはほんまにうれしかった」と安堵(あんど)した。

世界挑戦に山中さんも喜んでくれた。「珍しく“絶対”という言葉を使って“勝ってください”と言われました」。場所は完全アウェーの中国だが「どこでも一緒です」と気にしない。「チャンスをいただいた感謝の気持ち。応援してくださる皆さんのためにも、自分のためにも。竜也の分までと言えば何ですが、頑張ります」。また戦える、世界に挑める喜びを胸に、久保はリングに立つ。

WBA世界フェザー級タイトルマッチで2階級制覇に挑む前同スーパーバンタム級王者久保隼(撮影・加藤裕一)

関連するニュースを読む

異質な飯田覚士 TV企画、部活の延長から世界王者

平成のボクシング界について語る飯田覚士さん

<平成とは・バトル編(2)>

平成が幕を開けて間もなく、日本ボクシング界に異質なボクサーが現れた。後にWBA世界スーパーフライ級王者になる飯田覚士である。90年(平2)、日本テレビのバラエティー番組「天才たけしの元気が出るテレビ!!」の“ボクシング予備校”という企画に、プロテストを目指す練習生の1人に選ばれた。

当時、飯田は岐阜経済大3年。「ボクシング部でしたが、ツアーコンダクターになりたかったので、プロになるつもりはなかった。練習に物足りなさを感じていたのと、テレビに出れば思い出になると思って応募した」。どこにでもいる普通の大学生で、ボクサーらしからぬ甘いマスクにきゃしゃな体形。そのギャップがボクシングと無縁の若い女性のハートに響いた。

日曜の夜に放送される平均視聴率15%の人気番組で、定期的に成長ぶりが紹介されると、飯田の人気は沸騰した。90年9月の大阪城公園での公開スパーリングには1万人を超えるファンが殺到した。テレビ局の意向に応じて番組内で「チャンピオンになる」と公言していたため「引くに引けなくなった」と飯田。翌91年3月にプロデビュー。翌年の全日本新人王決勝戦には8000人の大観衆が詰めかけた。

昭和の時代、ボクシングには怖い、痛い、危ないというイメージが根強くあった。その象徴が昭和40年代に大ヒットした漫画「あしたのジョー」。貧しい不良少年が拳ひとつでのし上がっていくストーリーで、実際に漫画を地でいくボクサーも多かった。飯田はそんな近寄りがたかったボクシングを、部活の延長のような身近な存在に変えた。飯田自身「パンチパーマなどのいかつい格好で相手を威嚇するのは嫌だった」という。

この頃から飽食の時代に敬遠されつつあったボクシングジムに「僕も挑戦してみよう」と若者が足を向け始めた。飯田が全日本新人王になった翌年度には、100人台だった新人王のエントリーが265人と急増。マイク・タイソンの2度(88、90年)の東京ドーム防衛戦など複合的な要素も重なり、89年に1200人だったプロボクサーは年々増加し、06年には3200人にまで膨れあがった。

もうひとつの要因が89年から現在まで続く「少年マガジン」(講談社)の人気漫画「はじめの一歩」(森川ジョージ著)。いじめられっ子の主人公がボクサーに救われ、自らボクサーとして成長していくストーリーが、平成の若者に圧倒的な支持を受けた。元WBA、IBF世界ライトフライ級王者の田口良一をはじめ、この漫画に刺激を受けてボクシングに興味を持った世界王者も多い。

彼らは根性論が主流だったジムの練習にも新風を吹き込んだ。「根性で勝つんじゃないと自分に言い聞かせてサプリメントをとったり、インナーマッスルや動体視力も鍛えた」と飯田は回想する。元WBC、WBA世界ミニマム級王者で大橋ボクシングジム会長の大橋秀行は「今は昭和の時代と練習方法も食事も180度違う。八重樫東(世界3階級制覇王者)は科学的な筋トレを取り入れて、脂を抜いた食事を心がけている」と明かす。

飯田は世界挑戦2度失敗後の97年12月、ヨックタイ・シスオー(タイ)を判定で下してついに世界王座を奪取。2度の防衛にも成功した。普通の大学生が世界王者にたどりついて気付いたことがある。「根性論が嫌いで、科学的なトレーニングを存分にやった。でも結局、ボクシングは最後はど突き合いなんです。流血しようが構わず打ち合う。行き着いた先は、ストイックで己の身を削らないと勝てない過酷なスポーツでした」。時代は移ってもボクシングの本質、世界の頂点への厳しい道のりに変わりはない。【首藤正徳】

(敬称略)

97年12月、ヨックタイ・シスオーにパンチを放つ飯田(左)

関連するニュースを読む

白鵬 国籍核心に触れず「何も話すことはないよ」

巡業で土俵入りを披露した白鵬

大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)は、モンゴル国籍の離脱を同国政府に申請している件について、判明から一夜明けた18日も核心には触れなかった。

この日、東京・足立区で行われた巡業に参加。右腕負傷の影響で巡業初日から変わらず取組は行わず、土俵入りを披露したが「何も話すことはないよ」と、国籍の件に関しては言及しなかった。それでも朝稽古では、3月の春場所で14勝を挙げて優勝次点だった26歳の前頭逸ノ城に「もっと右を差し込んでいけ」などと熱心にアドバイス。「下を育てたい。この巡業はそれを意識している。9年、10年前は自分のことで精いっぱいだったけど円熟期だからね」と、風格を漂わせて話した。

関連するニュースを読む