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栃ノ心3連勝 玉鷲戦「めちゃくちゃ気合入る」理由

玉鷲(右)と激しい取組をする栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館

 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が平幕の玉鷲を下し、3連勝を飾った。ともに08年初場所が新十両だったライバルの激しい突き押しをしのぎ、はたき込んだ。右膝負傷からカムバックした14年11月の再入幕後、3連勝は過去2場所あり、11勝と14勝。大関昇進に求められる最低限の10勝以上がはっきり見えてきた。勝ちっ放しは白鵬、鶴竜の両横綱を含む8人となった。

 栃ノ心は鼻息が荒かった。「下がってないね、後ろに。よく攻めたし、立ち合いも良かった。まわしは取れなかったけどね」。支度部屋の風呂から上がると、自分から切り出した。角界屈指の突き押しをしのぎ、はねのけ、前に出た。気づけば、玉鷲が倒れていた。

 「めちゃくちゃ気合が入る」というライバルだ。新十両が同じ08年初場所。当時の巡業では“かわいがられ仲間”だった。玉鷲が朝青龍なら、自分は白鵬と日馬富士…。朝、顔を合わせると「今日も一緒にぶつかり稽古、頑張ろう」と励まし合った“戦友”なのだ。

 時には一緒に食事に行くほど仲もいいが、相撲となれば話は別だ。この日で対戦成績13勝4敗と合口はいい。ただし「アイツ、いつも土俵に上がる前からニラんでくる。だから、絶対にニラみ返す。目そむけたら負けだから」。先場所は2日目に負けた。その後1週間は、支度部屋ですれ違うと「弱かったな~」と言われた。「もういいだろって思うのに」とこぼしつつ、うれしそうだ。

 大関へ。データも栃ノ心の背中を押す。昇進目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初優勝の初場所14勝、春場所10勝。ただ、初場所は西前頭3枚目の平幕だったため、最低限「10勝以上」が必要になりそうだが、その“ライン”は見えた。14年九州場所の再入幕後、3連勝は過去2度あり、ともに2ケタ白星。また三役での3連勝は11場所目で初めてだ。先場所痛めた右肩も「大丈夫、勝ってるからね」と笑い飛ばす。夢へ、着実に近づいている。【加藤裕一】

栃ノ心は口から流血しながら土俵を下りる(撮影・小沢裕) 

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栃ノ心「決めていた」思い通りの取り口で7敗守る

竜電(左)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

かど番大関栃ノ心(31=春日野)が踏ん張った。立ち合いで左に動き、左上手で竜電のまわしをつかむと、時間をかけて寄り切った。

負ければ8敗目で、2度目の大関陥落が決まる一番。「朝から決めていた。朝稽古でも2度ぐらい試した」と言い「がっちり取れた。後は左を差されないよう、右手でブロックしてね」と思い通りの取り口を振り返った。

数日前、訃報が届いた。3年前まで大銀杏(おおいちょう)を結ってもらった元床山の酒井和美さんが急逝した。68歳だった。定年後も運転手として場所まで送迎してもらった。亡くなる前日もお願いし「また明日ネ」と手を振り、別れたのが最後となった。

「次の日、朝稽古で部屋に行って(亡くなったと)聞いて、ビックリした。本当にいい人。元気だったんだよ」

この日は取組後、都内で酒井さんの通夜に出向き、冥福を祈った。残り2日で2連勝が大関残留の条件。栃ノ心は、酒井さんのためにも負けられない。

報道陣の質問に答える栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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RIZINライト級サトシ、ケースの優勝候補が対戦

RIZINライト級GPトーナメントで、ジョニー・ケースとの対戦が決まったホベルト・サトシ・ソウザ

RIZIN19大会(10月12日、エディオンアリーナ大阪)で開幕するライト級グランプリトーナメントの組み合わせ抽選会が20日、都内で行われ、ホベルト・サトシ・ソウザ(30=ボンサイ柔術)とジョニー・ケース(30=米国)の優勝候補2人の対戦が決まった。

ファンにも公開された抽選会にはサトシの他、川尻達也(41)、上迫博仁(32)が出席。その他海外を拠点とする5選手はスカイプを通して参加した。サトシが引いた封筒に入っていたのはD。川尻、上迫が引いた後、ケースがCを選ぶと会場のファンから歓声があがった。

“柔術界の至宝”と呼ばれ、RIZIN2連続KO中のサトシは「日本人とやりたくないので良かった。私が欲しいのはRIZINのベルト」と堂々と宣言。打撃を武器とするケースは「この上ない対戦。いずれサトシと戦うと思っていた」といきなりの激突を歓迎した。

その他の3試合はトフィック・ムサエフ(29)-ダミアン・ブラウン(34)、派トリッキー・“ピットブル”・フレイレ(33)-川尻達也、ルイス・グスタボ(23)-上迫博仁。

参戦は8人で、大みそかの21大会で決勝が行われる予定。参戦最年長の川尻は「40代最後のチャレンジ」と覚悟を示し、上迫は「熱い試合をしたい。必ず大みそかに残ってみせる」と意気込みを語った。

御嶽海10勝「盛り上がるんじゃない?」賜杯に狙い

妙義龍(右)を押し出しで破った御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

関脇御嶽海(26=出羽海)が通算17場所目の三役で、2度目の10勝に到達した。平幕の妙義龍を押し出し、初優勝を飾った昨年名古屋場所以来の大台だ。大関復帰を決めた貴景勝が3敗目を喫し、優勝争いでも隠岐の海、剣翔の4人でトップに並んだ。4敗も5人と、残り2日で1差に9人の大混戦。「盛り上がるんじゃない?」と2度目の賜杯に狙いを定めた。

支度部屋でどっかり座った御嶽海が結びの結果を付け人に尋ねた。「どっちが勝った?」。貴景勝が豪栄道に負けた。3敗でトップに並んだ。無言で2度、フンフンとうなずいた。

何より待望の10勝目だ。「ちょっとやりにくかった」と、3連敗中だった妙義龍をダイブしながら押し出した。

三役連続在位は歴代2位の16場所目になった。白鵬、鶴竜の時代にくさびを打ち込む次世代リーダーらしい安定感はある。が、10勝以上は初優勝を飾った昨年名古屋場所だけ…。新三役翌場所の17年初場所、前頭筆頭では11勝したのに、三役ではできない。

「三役で大関になるのは難しいと思ったけど、2桁勝つのにここまで苦労するとは思わなかった。どうすればいいかわからない。方法を探してます」。だからこそ、今場所はいくら優勝争いについて問われても「目標10勝」をかたくなに繰り返してきた。

充実感は大きい。「本当に目標達成できたんだ」。優勝時と今回の違いを「全然違う。前はあれよあれよだったけど、今回は違うでしょ?」と説明した。

残り2日はプラスα(アルファ)になる。この日の結びは「こけんじゃね?」と貴景勝の黒星を予感していた。2人が「同じ押し相撲だからね」と理由を説明。その予感が当たり、トップに並んだ。

「お客さん、そりゃあ盛り上がるでしょう」。当事者は大変か? 「いやいや、盛り上がりますよ」。大きな山は越え、お楽しみはこれからだ。

支度部屋で笑顔を見せる御嶽海(撮影・鈴木正人)

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阿炎、今年全5場所勝ち越しに自信「力がついてる」

阿炎は志摩ノ海(左)を引き落としで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

小結阿炎(25=錣山)が今年5場所全ての勝ち越しを決めた。

東前頭6枚目志摩ノ海(30=志摩ノ海)に突っ張りを下からあてがわれ、もろ差しから寄られたが懐は深く土俵際の余裕は十分。左に後退しながら落ちついて引き落とした。13日目終了時点で8勝5敗。疲労がたまる終盤戦で「全然疲れた。うれしいけどね」とニヤリと笑った。

新三役から2場所連続の勝ち越しとなったが「喜びは変わらない。まだ相撲残ってるし、気を引き締めたい」と、残り2番を見据える。5場所連続の勝ち越しについては「それができるのは力がついてるってこと」と、人気と実力を兼ね備える25歳は自信を深めている様子だった。

志摩ノ海(左)を引き落としで破る阿炎(撮影・鈴木正人)

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剣翔「欲しいな敢闘賞」10勝到達し不敵笑み

剣翔(左)は宝富士をすくい投げで破る(撮影・柴田隆二)

<大相撲秋場所>◇20日◇13日目◇東京・両国国技館

剣翔が切望する敢闘賞受賞に前進した。

宝富士の得意な左四つになり動揺したが、開き直って逆転のすくい投げ。目標としていた10勝目に到達し「ホッとした。幕内でも通用するんだなって」と、大きく息を吐いた。直近5年では10勝以上の新入幕力士は全10人が敢闘賞を受賞している。

「欲しいな敢闘賞。もう濃厚ですか? まあ、あと2番勝つつもりでいくけど」と不敵な笑みを浮かべた。

剣翔(左)は宝富士をすくい投げで破る(撮影・小沢裕)

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豪栄道が21年ぶり大混戦演出、貴景勝下し1差V圏

貴景勝(右)は豪栄道に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

豪栄道は単独トップの貴景勝を引きずり下ろし、優勝圏内の1差に詰め寄った。

相手の低い立ち合いに冷静に対応し、上手投げで仕留めた。3敗が4人、4敗が5人。13日目を終えて1差に9人は、98年夏場所(3敗3人、4敗6人。優勝は3代目若乃花)以来、21年ぶりという混戦を演出した。貴景勝に3連勝、通算8勝3敗とした埼玉栄高の先輩は「相手はいつもと立ち合いが違った。最後まで集中してやるだけ」と、静かに燃えていた。

豪栄道は貴景勝を破り懸賞の束を受け取る(撮影・柴田隆二)

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貴景勝「明日頑張る」高校先輩の豪栄道に屈し3敗

豪栄道(左)に上手投げで敗れた貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

貴景勝は埼玉栄高の先輩大関豪栄道に屈した。

横綱以外の取組では過去2番目に多い55本の懸賞数となった一番。踏み込みは低かったが圧力は伝わらず、上手を取られて振り回された。

師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)によるとこの日の朝、部屋関係者が優勝した際に使用するタイを発注。3敗目を喫して賜杯レースで並ばれたが「(敗因は)ちょっとしたことだと思う。また明日頑張る」と切り替えていた。

貴景勝(右)は豪栄道に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)
大勢のファンに囲まれながら引き揚げる貴景勝(右)(撮影・小沢裕)

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貴景勝敗れ3敗、御嶽海らと並ぶ/13日目写真特集

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

大関復帰を決め優勝争い単独トップに立っていた関脇貴景勝は大関豪栄道に敗れ10勝3敗となった。豪栄道は9勝4敗。関脇御嶽海は前頭6枚目妙義龍を押し出して9勝3敗。2横綱不在の中、優勝争いは3敗に貴景勝、御嶽海ら4人。4敗で豪栄道ら5人が追う。


貴景勝(10勝3敗)上手投げ豪栄道(9勝4敗)

貴景勝(右)は豪栄道に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)

貴景勝(左)は豪栄道に上手投げに敗れる(撮影・柴田隆二)

貴景勝(右)は豪栄道に敗れる(撮影・柴田隆二)

貴景勝は豪栄道に敗れる(撮影・柴田隆二)


栃ノ心(6勝7敗)寄り切り竜電(6勝7敗)

栃ノ心(左)は寄り切りで竜電を下す(撮影・小沢裕)

栃ノ心(左)は竜電を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)

御嶽海は妙義龍を押し出しで破る。右は貴景勝(撮影・柴田隆二)


御嶽海(10勝3敗)押し出し妙義龍(6勝5敗2休)

御嶽海(左)は押し出しで妙義龍を下す(撮影・小沢裕)

御嶽海(右)は妙義龍を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

3敗を死守し懸賞を受け取る御嶽海(撮影・小沢裕)


阿炎(8勝5敗)引き落とし志摩ノ海(4勝9敗)

阿炎は志摩ノ海(左)を引き落としで下す(撮影・小沢裕)

阿炎(左)は志摩ノ海を引き落としで破る(撮影・柴田隆二)


琴奨菊(5勝8敗)上手投げ遠藤(8勝5敗)

遠藤(右)は琴奨菊を上手投げで下す(撮影・小沢裕)

遠藤(手前)は琴奨菊を上手投げで破る(撮影・柴田隆二)

遠藤は琴奨菊を上手投げで破る(撮影・柴田隆二)


玉鷲(7勝6敗)突き落とし朝乃山(9勝4敗)

朝乃山は玉鷲(右)を突き落としで下す(撮影・小沢裕)

朝乃山(左)は玉鷲を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)


隠岐の海(10勝3敗)はたき込み輝(5勝8敗)

隠岐の海(左)は輝をはたき込みで破る(撮影・柴田隆二)

隠岐の海は輝(左)をはたき込みで下す(撮影・小沢裕)


剣翔(10勝3敗)すくい投げ宝富士(9勝4敗)

剣翔(左)は宝富士をすくい投げで破る(撮影・柴田隆二)

剣翔(左)は宝富士をすくい投げで破る(撮影・柴田隆二)


松鳳山(8勝5敗)押し倒し明生(9勝4敗)

明生は松鳳山(左)に押し倒しで敗れる(撮影・小沢裕)

松鳳山(上)は明生を押し倒しで破る(撮影・柴田隆二)


豊山(9勝4敗)はたき込み炎鵬(7勝6敗)

豊山(右)は炎鵬をはたき込みで破る(撮影・柴田隆二)

豊山(右)は炎鵬をはたき込みで下す(撮影・小沢裕)

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貴景勝敗れV争い混沌、かど番崖っぷち栃ノ心勝った

栃ノ心(左)は竜電を寄り切りで破る(撮影・柴田隆二)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

大関復帰を決め、優勝争いの単独トップに立っていた関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が大関豪栄道(33=境川)に上手投げで敗れ、10勝3敗となった。豪栄道は9勝4敗。

かど番の大関栃ノ心(31=春日野)は、前頭5枚目竜電(28=高田川)を寄り切って6勝7敗。竜電も6勝7敗。

関脇御嶽海(26=出羽海)は、前頭6枚目妙義龍(32=境川)を押し出して9勝3敗。妙義龍は6勝5敗2休。

人気力士の小結遠藤(28=追手風)は、前頭7枚目琴奨菊(35=佐渡ケ嶽)を上手投げで下し8勝5敗とし、勝ち越しを決めた。琴奨菊は5勝8敗となり負け越しが決まった。

2横綱不在の中、優勝争いは3敗に貴景勝、御嶽海、前頭8枚目隠岐の海(34=八角)、同14枚目剣翔(28=追手風)の4人。4敗で豪栄道ら5人が追う。

貴景勝(右)は豪栄道に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)

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村地翼スピード挑戦で地方の星へ「シバキ倒したい」

計量をクリアしたフローライン・サルダール(左)と村地翼

スピード挑戦で地方の星になれるか。ボクシングWBOアジア太平洋スーパーフライ級6位村地翼(22=駿河男児)は、21日に東京・後楽園ホールでプロ5戦目で初めてタイトルに挑戦する。

同級2位フローイラン・サルダール(30=フィリピン)との王座決定戦の前日計量が20日に都内であり、村地はリミットより100グラム軽い52キロでクリアした。サルダールは51・9キロだった。

「自信しかないです。キャリアは関係ない。シバキ倒したい」。計量を終えた村地は威勢のいい言葉を並べた。今回は三迫ジムに1カ月出稽古した。現役5人目の日本王者が誕生したばかりの勢いに乗る名門で、加藤チーフトレーナーの指導を受けた。「みっちりと指導してもらい、また自信がついた」。

中1でボクシングを始め、兵庫・西宮香風高時代にインターハイに出場し、東洋大に進学した。レギュラーだったがアマ戦績は16勝(1KO)16敗の五分。「アマでは恥ずかしい成績だが、プロでは関係ない」と言い切り、3年で中退してプロを目指した。前島会長に声を掛けられたのが縁で入門。昨年5月のデビューから、異例の早さでビッグチャンスを得た。

相手は30勝(21KO)3敗1分けのキャリアを持ち、世界ランカーの実力者だ。3敗もWBOフライ級王者木村翔(青木)にV2戦で6回KO、WBCバンタム級暫定王者井上拓真に判定負けなど。村地は臆することなく「気持ちは弱そう。ハートでは上。前半プレッシャーをかけて、ボディーを効かせたい」と、KO奪取でジムに初のベルトをもたらすつもりだ。

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照ノ富士3場所連続6勝1敗「途中でイラッと…」

千代の国(右)は照ノ富士を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

土俵復帰4場所目も、優勝から見放された。大関経験者で序二段まで陥落後、順調に番付を上げてきた東幕下27枚目の照ノ富士(27=伊勢ケ浜)が、土つかずの6連勝で迎えた今場所最後の一番で敗れ、3場所連続の6勝1敗で終えた。

幕下の全勝が2人に絞られ、優勝をかけた幕内経験者で西幕下46枚目・千代の国(29=九重)との一番。突き放しで来るのは分かっていた上で「そう簡単には押せない。我慢して我慢して、組んできた時にまわしを取って出ようと思った」と冷静を言い聞かせていた。だが、千代の国得意の突っ張りが顔に入ったあたりで「張られて熱くなって冷静さがなくなった。途中でイラッと来てしまって。押される感覚はなかったから、もっと冷静にやれば良かった。自分でミスした、っていうか…」。最後は抱えた左がスッポリと抜けたところを突かれ、押し出しで敗れた。取り口を振り返りながら、悔やみきれない表情だった。

序二段で土俵復帰した今年3月の春場所は、本割で7戦全勝としながら優勝決定戦で敗れた。夏場所、名古屋場所も6勝1敗で今場所も。この日、勝って7戦全勝なら幕下5枚目以内が予想されたが、1敗を喫したことで10枚目前後が予想される。九州場所での関取復帰には7戦全勝が求められそうなだけに、痛い黒星といえそう。それでも「お互いに(幕内に)戻ろうとしているので仕方ない。弱いやつに負けたわけじゃないからいいか」と気を取り直すように話していた。

悔しそうな表情を見せ支度部屋に引き揚げる照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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勢が2度目十両優勝に王手「相撲できるだけで幸せ」

勢(左)は寄り倒しで琴ノ若を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

三役経験者の西十両12枚目勢(32=伊勢ノ海)が10連勝で2敗を守り、新十両だった11年九州場所以来2度目の十両優勝に王手をかけた。3敗の琴ノ若に土俵際まで追い込まれたが、右を差して形勢逆転。振って出て、2度目の下手投げを打って寄り倒した。

巡業で「先輩」とよく話し掛けてくるという相手と、稽古も含めて初顔合わせだった。「強かった。でかいし、ぐいぐい来る。でも、まわしをつかんで“意地でも離さん”と思ってやりました。力を出し切れたことが、何よりよかった」。土俵下で右膝を地面にぶつけたが、大事に至らず、笑みが絶えない。

V争いの相手との直接対決を制し、後続と2差。14日目に勝つか、琴ノ若が敗れれば、優勝が決まる。「ちょっと前まで相撲がとれるかどうかもわからん状態で、2桁も勝ったしね。相撲ができるだけで幸せです」。残り2日をとりきる思いだけを強調した。

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序二段は碧海浜と元林が7戦全勝、千秋楽V決定戦へ

藤乃若(左)を引き落としで下し序二段の優勝決定戦に進んだ元林(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇13日目◇20日◇両国国技館

序二段の優勝争いは、西98枚目の碧海浜(24=出羽海)と東16枚目の元林(23=鳴戸)による、千秋楽の優勝決定戦に持ち込まれた。

碧海浜は6戦全勝同士の対戦で、西48枚目の佐田ノ華(22=境川)を当たって突き起こしてからの引き落としで破り7戦全勝とした。今年1月の初場所後に、痛みが蓄積してた左足首を手術。3月の春場所から夏場所、名古屋場所と3場所連続全休で臨んだ復帰場所でもあった。それだけに「ケガさえしなければいいと思って(今場所は)土俵に上がっていました。久しぶりの相撲を楽しんで取れました」と妙に気負うことなく上がり続けた。部屋の関脇御嶽海から「土俵下にいる時から勝負は始まっている」「気持ちを強く持て」「勝って当たり前ぐらいの気持ちでやれ」などのアドバイスをもらっている。「メンタル面で応援してくれる。今日も『勝てよ』のひと言だけでしたが、それだけで十分でした」と意を強くしての土俵だった。

その約30分後に土俵に上がった元林は、三段目で6戦全勝だった藤乃若(24=藤島)を、立ち合いの圧力で押し込んでからタイミングのいい引き落としで下し、こちらも7戦全勝とした。近大を卒業し、年齢制限緩和措置が取られての入門で5月の夏場所が初土俵。7月の名古屋場所で初めて本割の土俵に上がり、鳴戸部屋勢3人による同部屋優勝決定ともえ戦を制し、7戦全勝で序ノ口優勝デビューを飾った。そして今場所も序二段で優勝決定戦。本割の連勝を14に伸ばした元林は「1年半で関取になりたいと思っています。まだ圧力がないから、下から下からの相撲を心がけたい」と言う。場所前の二所ノ関一門の連合稽古では、納谷や琴手計といった幕下上位とも互角に近い稽古を積んでいた。アマ時代には大関復帰が決まった貴景勝とも対戦し2勝2敗。その貴景勝を「目標の力士」に掲げており「いずれ対戦できるようになりたい」と抱負を語った。

報道陣の質問に答える元林(撮影・鈴木正人)

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久我勇作が初防衛戦で完勝狙う「圧倒して倒したい」

計量をクリアした王者久我勇作(左)と挑戦者藤原陽介

ボクシング日本スーパーバンタム級タイトルマッチの前日計量が20日に都内で行われた。

同級王者久我勇作(28=ワタナベ)は55・2キロ、同級3位藤原陽介(32=ドリーム)は55・1キロと、ともにリミット55・3キロ以下でクリアした。王座に返り咲いた久我は初防衛戦、藤原は2度目の挑戦で、20日に東京・後楽園ホールでゴングとなる。

久我は前王者時代の昨年7月のV3戦で世界ランカー和気慎吾(FLARE山上)と対戦。10回TKOでサバイバルマッチに敗れたが、再起2戦目で王座を奪回した。「前回2度防衛している。守るよりさらに上に行きたい。そのステップにしたい」と再浮上を期す。「ジムでも気づいたらベテラン。気持ち、内面も成長できている」と話す。「倒すのはもちろん、パンチをもらわず、圧倒して倒したい」と完勝を狙う。

藤原は16年4月の同級王者石本康隆(帝拳)に判定負け以来のタイトル挑戦となる。前回は同級11位も上位が挑戦を回避してのものだったが、今回は自力でつかんだ。5月に4回TKO勝ちに「タイミングとかをつかんだ気がする」という手応えもある。試合翌日の22日は誕生日で、ジムにとっては三浦数馬以来約11年ぶりの王者もかかる。パンチのある相手だが「ビビったらダメ。ベルトを巻いて誕生日を迎えたい」と意気込んだ。

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若元春「あんな相撲じゃダメ」うっちゃり6勝も反省

若元春(右)は湘南乃海をうっちゃりで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

福島市出身で東幕下筆頭の若元春(25=荒汐)が、東幕下17枚目の湘南乃海を破り、6勝1敗の好成績で今場所を終えた。

2度目の立ち合いで左を差し、先に右上手も引いた。万全の形だったが、土俵際で体勢を入れ替えられ、一転して絶体絶命。土俵下に湘南乃海と一緒に転落したが、弓なりになってこらえた間に、先に相手の足が出ていた。昨年11月の九州場所天空海戦以来、5場所ぶり4度目のうっちゃりで白星を重ねた。すでに来場所の再十両は確実だったが「あんな相撲じゃ、来場所はダメ。番付に負けない相撲を取りたい」と、貴重な1勝も、今後へ反省を忘れなかった。

若元春(左)は湘南乃海をうっちゃりで破る(撮影・柴田隆二)

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大鵬の孫納谷勝ち越し、同級生の琴手計にライバル心

納谷(右)は突き出しで■(■は雨カンムリに鶴)林を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫、東幕下10枚目納谷(19=大嶽)が、7番相撲で勝ち越しを決めた。西幕下6枚目■林(25=木瀬)を突き出し。

立ち合いから突っ張って前に出る相撲で圧倒した。今場所を締めくくる快勝に「久しぶりにうれしい。土俵に上がるまではびっくりするくらい緊張しなかったけど、土俵に上がると少し緊張した。心臓が動く感じでした」と、柔らかに話した。

2連敗のスタートだったが、初日を出した3番相撲できっかけをつかんだという。「苦労して勝ち越したので、今の実力はこの辺だけど、もう少しいけるというか」。関取の座を目前としている同級生の存在が気になっている。埼玉栄高の同級生で西幕下4枚目琴手計が6番相撲を終えた時点で4勝2敗。あと1番勝てば来場所の新十両昇進は有力という状況で「手計のことは少し気になっています」とライバル心をのぞかせた。ただ、自分は自分のペースを貫く。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)では、自身も新十両が視野に入る番付になる見込みだが「関取とか気にしない。今日みたいな気持ちで臨めればいい」と地に足をつけていた。

※■は雨かんむりに鶴

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佐田ノ輝が三段目V「博多帯巻ける」来場所幕下入り

津志田(左)をはたき込みで破る佐田ノ輝(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

3人が6戦全勝でトップに並んでいた三段目は、西46枚目の佐田ノ輝(23=境川、モンゴル出身)が7戦全勝で優勝を決めた。

3人の中で最初に土俵に上がった西96枚目の藤乃若(24=藤島)が、序二段で6戦全勝だった元林(鳴戸)に敗れ、優勝の行方は残る2人の全勝対決で決まる一番となった。その相撲で佐田ノ輝は、東6枚目の津志田(20=時津風)を、後退しながらも柔らかい足腰でしのぎ、逆転のはたき込みで初の各段優勝を決めた。

師匠の境川親方(元小結両国)は、九州場所担当部長のため福岡に滞在中。その師匠から勝ち越しを決めた後に「ここからだ。次からが大事だ」とハッパをかけられて残り3番も白星を並べた。

初土俵から5年がたった。「自分より後から入ったモンゴル(出身)力士がササッと上がってしまった。(十両)霧馬山や(幕下)豊将龍とか…。番付を抜かれて悔しかった」と佐田ノ輝。それでも自身初となる来場所の幕下入りも確実にして「三段目に上がったときは雪駄(せった)を履けてうれしかった。幕下で博多帯を巻ける。その次は(関取として)大銀杏(おおいちょう)を」と希望に胸ふくらませる。師匠から口酸っぱく言われている「稽古はウソをつかない。苦しい時こそ頑張れ」の言葉を胸に関取の座を目指す。

三段目優勝を決めた佐田ノ輝(左)は鳴戸広報担当から身長体重など詳細の確認を受ける(撮影・小沢裕)

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千代の国初の幕下V「まずは関取に」幕下脱出へ覚悟

照ノ富士(右)を激しく攻める千代の国(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

4場所ぶりの復帰となった幕内経験者の西幕下46枚目千代の国(29=九重)が、自身初の幕下優勝で復活を印象づけた。

大関経験者の東幕下27枚目照ノ富士(27=伊勢ケ浜)との全勝対決。突っ張りで相手を遠ざける展開に持ち込んだ。最後こそ右を抱えられたが「小手投げを(食らうイメージは)頭に意識していた」と、引っこ抜いて得意の突き、押しでとどめを刺した。

左膝複合靱帯(じんたい)の損傷から復帰し、今場所は日を追うごとに状態も上がってきたという。「初日に(照ノ富士と)当たっていたら分からない。思い切って当たれるので、最後が照ノ富士で良かった」。大関経験者と幕内経験者という幕下では異例の取組に、会場から大きな拍手と歓声が巻き起こった。「(歓声で)明るくなった土俵はすごくうれしかった」と、感謝するように語った。

場所前は不安を感じながらの調整だったが「(出場は)自分で決めたこと」と腹をくくった。序二段、三段目、十両での優勝経験を持ち、幕下優勝は初めてだった。最高位は前頭筆頭。目前だった新三役を逃したことが、自身の中で心残りという。「まずは関取に上がる。(もう1場所)幕下で頑張りたい」と、来場所で幕下から脱出する覚悟を示した。

照ノ富士(左)を押し出しで破った千代の国(撮影・鈴木正人)

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「黒い」紫雷イオ、因縁の相手に王者挑戦権奪われる

キャンディス・レラエ(右)を関節技で締め上げる紫雷イオ(C)2019WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:NXT大会>◇20日配信◇米フロリダ州ウインターパーク・フルセイル大学

ヒール転向した「黒い」紫雷イオが、NXT女子王座挑戦権を逃した。ミヤ・イム、ビアンカ・ブレア、キャンディス・レラエとの4WAY形式のNXT女子王座挑戦者決定戦に出場したものの、因縁の続くレラエに奪われてしまった。

ゴングと同時に、紫雷は泥沼の抗争を展開する元盟友レラエと殴り合いを展開。イムに619、ブレアにスプリングボード式ドロップキックを決めて勢いづいた。さらにコーナートップから場外への月面水爆でレラエとブレアを追い込んだ。

4人が入り乱れる激しい攻防の中、紫雷がレラエを串刺しダブル・ニーからの月面水爆を狙ったが、イムに妨害された。するとレラエがイムを捕獲し、リバース・ハリケーン・ラナからスプリングボード式月面水爆を成功させ、あっという間に3カウントを奪取。紫雷は、あと1歩のところでレラエに王座挑戦権を持っていかれた。

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村田が全勝対決制し序ノ口V 失意のケガから復活

序ノ口優勝した村田(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇13日目◇20日◇両国国技館

ケガに泣いた男が、どん底からの復活優勝を果たした。2人に絞られた序ノ口の6戦全勝同士の対戦で、東27枚目の村田(25=高砂、本名・村田亮、三重県志摩市出身)が同30枚目の大村(20=陸奥)を、電車道の一方的な相撲で押し出して、初の各段優勝を決めた。

東洋大時代の実績から17年春場所、三段目最下位格(100枚目)付け出しで初土俵。1年半後の昨年名古屋場所では、関取目前の西幕下筆頭まで番付を上げた。だが、その3番相撲で現十両の一山本(二所ノ関)に敗れた際、右膝を負傷。内側側副靱帯(じんたい)の断裂し手術を余儀なくされた。その後の3場所を全休し序二段で土俵復帰した今年春場所では、2番相撲で今度は左膝を負傷。金沢市立高1、3年時にも負傷したところで部分断裂を負った。5月の夏場所は全休、番付を自身最下位の東序ノ口26枚目まで下げた7月の名古屋場所は1番だけ取って今場所に臨んでいた。

関取目前のケガに失意は大きかっただろうが「十両に上がれる、上がれないというより、ケガをしたことの方が悔しかった。ケガせず負け越しても次にチャンスがあったから。膝は過去にも左をやっているし、ケガをしてしまったのは自分の弱さ。焦っても体はついてこないから、慌てずに」と自分に言い聞かせる日々だった。

高校、大学時代にしのぎを削った友風、炎鵬は幕内で活躍し、東洋大時代に主将、副主将の間柄だった十両若隆景も関取になって15日間、取っている。その活躍も「同級生や小さい頃からのライバルも活躍している。部屋でも朝乃山関が幕内優勝したりして刺激になっています」という。「その人たちに追いつけるように、でも焦らず頑張りたい」。もう、これ以上のどん底はない。そんな気概を胸に、まずは幕下復帰を当面の目標に復帰ロードを歩む。

大村(右)を押し出しで破った村田(撮影・鈴木正人)

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