<大相撲初場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館
西前頭筆頭大栄翔が北勝富士を下し、単独トップを守った。立ち合いから一方的に突き押しで攻めた。勝機を見いだそうと左右に動く北勝富士を逃さず、突き出しで下して9勝目。
9日目に初黒星を喫するも、連敗はしなかった。 1差で大栄翔を追いかける大関正代は、遠藤を突き落として、かど番を脱出した。立ち合いで立ち遅れて中に入られ、防戦一方となったが、土俵際で強引に突き落とし。物言いがつき協議の結果、軍配通りに正代の勝ちとなった。
大関朝乃山は、玉鷲を寄り切り、かど番脱出に王手をかけた。鋭い出足で立ち合い出ていき、右を差して左上手を取って盤石な体勢を作った。9日目終了時点で10人いた3敗勢は、朝乃山、平幕の明生、逸ノ城だけが残った。 優勝争いは、1敗で単独トップの大栄翔、2敗の正代、3敗の朝乃山、明生、逸ノ城が追う展開となった。10日目の熱戦を写真で振り返ります。

- 明瀬山(右)を寄り倒す東龍(撮影・河野匠)
★明瀬山 今日はまわしが取れなかったので勝負にならなかった。(東龍は)元々やりづらい相手でした。

- 琴ノ若(手前)を外掛けで下す豊昇龍(撮影・河野匠)
★豊昇龍 (5連敗から5連勝で星を五分に)体の動きも良くなった。この気持ちで最後まで頑張りたい。上手取ったら頭をつけた方がいいと言われていたので、親方の言う通りに取ったらいい方にいった。

- 翠富士(右)を寄り切る逸ノ城(撮影・河野匠)
★逸ノ城 もうちょっと早く勝負を決めたかったが、長くなってしまった。落ち着いていてまわしを取れたので問題なかった。

- 碧山(左)を寄り切りで破る佐田の海(撮影・河田真司)

- 照強(左)に押し出しで敗れる妙義龍(撮影・河田真司)

- 徳勝龍(奥)を下手投げで破る天空海(撮影・河田真司)
★天空海 (昨年12月に新型コロナに感染し)もうちょっと早く調整ができていればと思った。場所中で合わせるしかなかった。左膝に水がたまっていて、今日抜いたら調子が良くなった。勝ち星を増やして、来場所でできるだけ番付が落ちないようにしたい。

- 霧馬山(右)を寄り切りで破る明生(撮影・河田真司)

- 霧馬山(左)を攻める明生(撮影・河田真司)
★明生 落ち着いていきました。ついていけたので良かった。

- 翔猿(右)を突っ張る琴恵光(撮影・河野匠)

- 琴恵光(右)は押し出しで翔猿を破る(撮影・小沢裕)

- 竜電(左)に寄り倒しで敗れる豊山(撮影・河田真司)

- 豊山(右)を寄り倒す竜電(撮影・河野匠)
★豊山 向こう(竜電)の寄せが速かった。先場所、前みつを引かれて負けたので余計なことを考えてしまった。残り5日間、必死にやるだけ。ケガしないためにも前に出ていくしかない。下がるとケガするリスクが出てしまうから。

- 志摩ノ海(手前)を押し出す輝(撮影・河野匠)

- 輝(左)に押し出しで敗れる志摩ノ海(撮影・河田真司)
★輝 今日は今場所で一番いい相撲がとれたと思います。相手を起こすより、自分の角度を守っていけば自然に起こせると思っていった。

- 琴勝峰(左)を寄り切りで破る宝富士(撮影・河田真司)

- 宝富士(手前)に寄り切られる琴勝峰(撮影・河野匠)
★宝富士 前に攻めていた。(土俵際は)見えなかったので、相手の足が。前に攻めたことが良かった。

- 北勝富士(左)を突っ張る大栄翔(撮影・河野匠)

- 大栄翔(右)は突き出しで北勝富士を破る(撮影・小沢裕)
★大栄翔 しっかり前に出る相撲がとれたんでよかったと思います。(前日初黒星も)気持ち的に切り替えて思い切りいこうと。逆に吹っ切れたと思います。
★北勝富士 土俵際残ったときに右手がはずに入ってチャンスだと思ったけど、そこでもう1歩目が出なかった。課題が残る取組。

- 栃ノ心(左)の攻めに耐える高安(撮影・河田真司)

- 高安(左)は栃ノ心を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

- 阿武咲(左)を下した御嶽海(撮影・河野匠)

- 御嶽海(右)に引き落とされる阿武咲(撮影・河野匠)
★御嶽海 前に持っていくのがベストと思ったが、自分も窮屈だった。体を開いて次に攻めようと思ったところ、相手が落ちてくれた。

- 隆の勝(左)に突き落としで敗れる照ノ富士(撮影・河田真司)

- 照ノ富士(右)の足が隆の勝よりも先に出る(撮影・河野匠)
★隆の勝 (軍配差し違えで6勝目)最後はとっさというか、体が自然にああいう動きになった。考えてやったわけじゃない。

- 玉鷲(右)の攻めに耐える朝乃山(撮影・河野匠)

- 朝乃山は玉鷲(手前)を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

- 遠藤(左)を突き落とす正代(撮影・河野匠)

- 遠藤(左)を突き落とす正代(撮影・河野匠)
★正代 (物言いがつくも)勝ったかなとは思いました。今場所勝った8番の中では一番、余裕がなかったかも。勝ち越すことができてひと安心ですね。これでひと息つけるかな。

- 貴景勝が休場のため、隠岐の海の不戦勝(撮影・河田真司)

- 貴景勝が休場のため、隠岐の海の不戦勝(撮影・河田真司)