パッキャオ最後の戦い? 今月10日相手変更も余裕「心配する必要はない」

ボクシング世界6階級制覇王者でWBA世界ウエルター級休養王者のマニー・パッキャオ(42=フィリピン)が21日(日本時間22日)、米ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBA同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)との統一戦に臨む。
19年7月、WBA同級正規王者として、当時の同級スーパー王者キース・サーマン(米国)に判定勝ち。WBA同級を王座統一して以来、約2年1カ月ぶりのリングとなる。20日の計量パス後に「犠牲、規律、努力はすべて1つの理由にある」と公式SNSにつづったパッキャオは米専門メディアにラストファイトと報じられている。
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左目網膜裂孔(れっこう)で欠場となった無敗のWBC、IBC世界同級王者エロール・スペンスJr.(米国)に代わり、WBA同級スーパー王者ウガスが対戦相手に変更されたのは今月10日だった。スタイルはサウスポーから右構えに変わったものの、パッキャオは「対応には2日しか必要なかった。以前から多くの右構えと戦ってきた、右から左への切り替えの方がより大変だっただろう。心配する必要はない」とインタビューでも余裕の表情をみせていた。
2年前、40歳だったパッキャオはサーマン戦でダウンを奪って判定勝利した。瞬時のスピードが健在であることを証明した。このコンディションが2年間のブランク後も関係なく、キープされているならば、ウガスと判定決着になったとしても、勝機は十分にあるだろう。現在、フィリピンで上院議員を務め、来年5月に控える大統領選挙への出馬を検討しているとされる。母国にアピールするために勝つ、という大きな動機付けもある。
対戦相手となるスーパー王者ウガスは08年北京五輪ライト級銅メダリスト。20年9月に王座決定戦を経てWBA世界正規王者となった。パッキャオの休養王者変更に伴い、21年1月にスーパー王者に昇格したばかり。まだ世界王者として防衛戦を経験したことがないものの、パンチには一発の破壊力があるとされる。
パッキャオのトレーナーを務める名伯楽フレディ・ローチ氏(61)は「マニーは往年の名曲を奏でる必要はない。彼はまだ新しいヒット曲を生み出している。週3回のスパーリングを欠かさず、合宿でも一切の妥協はなかった」と調整への手応えを示す。さらに「多分、これがマニーの最後の戦いです。しかし彼の最大の勝利をするために訓練してきた」と太鼓判を押す。
勝っても、負けてもラストファイトになるかもしれないと米メディアに報じられているパッキャオの王座統一戦。勝利で有終の美を飾ることができるか。