新潟プロレス3年ぶり新人加入 斎藤、武重、渡辺が年内デビュー目指す 2人は現役高校生

新潟市を拠点に活動する新潟プロレスで3人の新人がデビューを目指してトレーニングに励んでいる。斎藤陽輝(25)、武重陽向(17=新潟北高2年)、渡辺大登(やまと、15=新発田農1年)で1月のオーディションで合格した。新潟プロレスの新人加入は19年の鈴木敬喜(26)以来3年ぶり。3人とも年内に公式戦のリングに上がることを目標にする。
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日々のトレーニングの先に、斎藤、武重、渡辺はプロレスラーとしての将来を見据える。週3回、先輩プロと実戦練習。技の組み合わせを体に染み込ませるようにスパーリングを重ねる。「目標は年内だが、早くデビューしたい」と3人は口をそろえる。
7人が参加した1月のオーディションで基礎体力、マット運動などの審査を受けて合格した。斎藤は昨年1月、武重と渡辺は4月に新潟プロレスに入門し、プロ志望クラスの練習生になった。今後は、プロとしての技量と体力をつけなければならない。団体代表で、エースのシマ重野(48)は「期待を込めての合格。大切なのは、これから。厳しくなる」と、気の引き締めを促した。
武重と渡辺が目指すのは現役高校生としてのデビュー。武重は新潟北でウエートリフティング部に所属。「プロレスラーになるために入った」と土台作りと位置付けた。165センチと小柄だが「小さくても大きな選手に勝てるようになりたい」と目指すのは“悪役”。「ブーイングされたい」と個性を際立たせる。
新発田農に通う渡辺は、練習日は放課後に電車で新潟市の道場に向かう。福岡を本拠に活動する同学年の覆面プロレスラー、ヴァンヴェール・ジャック(16)の存在をネットで知り「自分の年齢でもできる」と火が付いた。「デビューのために体を大きくしたい」と目標体重を15キロアップの75キロに設定した。
新潟市内で介護関係の会社に勤務する斎藤は福井県出身。新潟には縁がなかったが「ローカルのプロレスが好きだった」と新潟プロレスの門をたたいた。「ひきこもりになった時期もあった」と言うが、プロレスラーへの憧れは薄れなかった。動画で知った新潟プロレスに「やり遂げる」と決心して飛び込んだ。
それぞれの思いを秘めて最初の関門を越えた。「真摯(しんし)に向き合ってほしい」とシマ重野。3人は次のステップに向けて汗を流す。【斎藤慎一郎】
◆斎藤陽輝(さいとう・はるき)1996年(平8)6月22日生まれ、福井県出身。福井南高卒業後、福井県内で介護関係の業務に就いた。昨年1月に新潟に移住し、新潟プロレスの練習生に。好きなプロレスラーは石井智宏(新日本)。175センチ、97キロ。
◆武重陽向(たけしげ・ひなた)2004年(平16)10月4日生まれ、新潟市出身。東新潟中では柔道部。新潟北高でウエートリフティングを始める。昨年12月の県大会では67キロ級で優勝。好きなプロレスラーは鷹木信悟(新日本)。165センチ、67キロ。
◆渡辺大登(わたなべ・やまと)2006年(平18)3月15日生まれ、新発田市出身。加治川中では野球部で、新発田農で陸上部に所属し専門は短距離。昨年4月に新潟プロレスに入門。好きなプロレスラーは鈴木みのる(パンクラス)。162センチ、62キロ。
◆新潟プロレス 2011年(平23)10月1日に旗揚げ。「新潟に夢と元気をつみあげよう!」をコンセプトに地域密着で活動する。県内各地での開催のほか県外他団体の興行にも出場。大日本プロレスと提携し、グレート小鹿らも参戦する。団体のタイトルは新潟無差別級、新潟タッグ、若獅子菊水杯トーナメントなどがある。12年からシマ重野が代表を務める。
- スパーリングで絞め技を仕掛ける斎藤
- タックルに入る武重(左)
- 関節を決める渡辺(左)