元光GENJI大沢樹生が価値あるドロー「50代のオッサンが無心になって殴り合う、最高」

<EXECUTIVE FIGHT~武士道~>◇18日◇東京・八芳園
元光GENJIで俳優の大沢樹生(52)が、格闘技3戦目に挑み、初勝利とはならなかったが、価値あるドローをつかんだ。大阪でバーを経営する小森直樹(51)とキックボクシングルール(2分×2回)で対戦。ジャッジ3人のドロー判定を聞いた瞬間、満面の笑みで両手を挙げ、勝利したかのように喜びを爆発させた。「50代のオッサンが無心になって殴り合う、最高じゃないですか」と叫んだ。
過去2戦は、極真空手黒帯の俳優木下ほうか、飲食店経営者ながら元プロボクサーの森田隼人と実力者相手に善戦も敗北。今回はデビュー戦となる小森との対戦だったが「3連敗だけはきつい」と背水の陣で挑んだ。序盤にいきなり攻め込まれ、体勢を崩したところでパンチを浴び、劣勢に。それでも距離を取り、相手の動きを見ながら攻撃を仕掛けるなど、習得した技術と取り組んできたスタミナで後半追い上げ、ドローに持ち込んだ。
今回は強力な“助っ人”を手に入れていた。前回対戦した、トレーナーの資格を持つ森田から指導を受け、打撃力をアップ。試合前のミット打ちを見た森田からは「絶対にいける」と太鼓判を押された。さらにリング下では、カメラマンとして活動する息子のジェシー・レイさんが大沢の勇姿を撮影。「すごい挑戦だけど、俳優なので顔が心配」と言いながらも、初めて見る父の試合に「まさか50歳になって格闘技を始めると思っていなかったし、まさか自分がカメラマンで父の試合を撮るなんて」と興奮気味に話した。
援護を背に、自らのオリジナル曲に乗ってさっそうと登場。その姿は多くの女性ファンを引きつけた30年前から色あせていない。歓声を上げる“ファン”に手を振りながら花道を堂々と進み、試合前にもらった花束はそのまま豪快に観客席に投げ込んだ。
デビューから連敗しても、若いころから厳しい芸能界で生き抜いてきた強いハートは死んでいなかった。2戦目の森田戦で敗れた後は「チクショー」と声を荒らげ、コーナーポストを蹴り上げて悔しがった。すぐに「今後も精進していく」と“現役続行”を示唆。「あの時はまだ余力があった。今度は本当に戦闘意欲がなくなった時に止めて欲しい」と、要求するほど、貪欲に勝利を追い求めた。
激しい戦いを終え「ミキオ節」は絶口調。「(小森の)パンチが重くて力強くて…。ドMの僕としては気持ちよかった」と話せば、カメラを持った息子をリングに上げ「文春のカメラマンにはなるなよ」と笑いを誘った。
「人を楽しませて、喜ばせて感動させるのが仕事」と話す。試合後にはスタッフ、セコンドの森田、レフェリーへの感謝も忘れなかった。「最高に楽しい」という「ガラスの50代」。今度は初勝利でその姿をさらに輝かせる。【松熊洋介】
- EXECUTIVE FIGHT~武士道~に出場した元光GENJIの大沢樹生(撮影・松尾幸之介)
- EXECUTIVE FIGHT~武士道~に出場した元光GENJIの大沢樹生(右)(撮影・松尾幸之介)
- EXECUTIVE FIGHT~武士道~に出場した元光GENJIの大沢樹生(撮影・松尾幸之介)