井上尚弥がドネアとの3団体統一戦へ最終調整、モチベーションは「自然に上がっている」

ボクシングWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が約2年半ぶりに海外パートナーを呼び、3団体王座統一戦に向けた最終調整に入った。
6月7日、さいたまスーパーアリーナでWBC世界同級王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)と3本のベルトを懸けた再戦を控え、2日から横浜市の所属ジムで実戦練習を開始。東洋太平洋スーパーバンタム級王者ピーター・アポリナル(27=フィリピン)と5回のスパーリングを消化し、ドネア対策を始めた。
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躍動感にあふれていた。約2年半ぶりに呼んだ海外パートナーとのスパーリングで、井上はWBC王者ドネアを意識しながら打ち合った。19年11月の階級最強を決めるワールド・ボクシング・スーパーシリーズのバンタム級決勝以降、コロナ禍で国内選手中心で実戦トレを積んできただけに「海外からパートナーを呼ぶと刺激がある。コロナウイルスの規制が緩和され、海外から呼べるようになり、本来の形に戻ってきたので楽しみ」と声をはずませた。
今回、招聘(しょうへい)したのは東洋太平洋スーパーバンタム級王者アポリナルとWBO世界スーパーフライ級10位KJカタラジャ(26=フィリピン)の実力者2人。この日はアポリナルとの5回のスパーリングで動きを確認した。2人とも過去に練習パートナーとして呼んだことがあるものの、井上は「(アポリナルは)覚えていないので、その分新鮮かな。KJは実力ある選手ですね」と気持ちを高揚させた。
ドネアとの2年7カ月ぶりの再戦に向け、自然に気持ちのギアが上がっているという。「自らモチベーションを上げているわけではない。自然に上がっている」。前回は11回にダウンを奪い、判定勝利しているが、それ以上の決着で3本のベルトを統一するつもりでいる。井上は「対戦するイメージはもう作っています。1回やっているので何となくできています」と手応えを口にした。
あと1カ月強で迎えるドネアとの再戦で返り討ちにすれば、日本人初の3団体統一王者となる。「いつも通り、ミスのないように仕上げること。相手の左フック、得意とするパンチをもらわないようにイメージしながら進めていきたい」。細心の注意を払い、モンスターは最終調整を進める。【藤中栄二】
- シャドーボクシングするWBAスーパー、IBF世界バンタム級王者井上尚弥
- WBSS世界バンタム級トーナメント決勝でドネアと対戦する井上尚弥(2019年11月7日撮影)