アルバレス8年8カ月ぶりに負けた…無敗ビボルが9度目の防衛成功 1階級上に“最強”の壁

<プロボクシング:WBA世界ライトヘビー級タイトルマッチ12回戦>◇7日(日本時間8日)◇米ネバダ州ラスベガス・T-モバイルアリーナ
「カネロ」の愛称で人気の高いプロボクシング4団体統一スーパーミドル級王者サウル・アルバレス(31=メキシコ)が1階級上の「最強王者」に敗れた。19勝(11KO)無敗のWBA世界ライトヘビー級スーパー王者ドミトリー・ビボル(31=ロシア)に挑み、判定負けを喫した。
同級は19年11月、当時のWBO王者セルゲイ・コバレフ(ロシア)を11回TKO撃破して以来の挑戦だったアルバレスにとって、13年9月、フロイド・メイウェザー(米国)に判定負けして以来、約8年8カ月ぶりの黒星となった。
米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級超越した最強ボクサー)ランキングで1位に君臨するアルバレスが、8度の防衛に成功してきた1階級上の無敗王者の壁にぶち当たった。ライトヘビー級王座に挑む理由について「スーパーミドル級のすべての世界王者を倒したから」と刺激を求めてのチャレンジだったが、王者ビボルに屈した。
身長183センチのビボルに対し、アルバレスは175センチと8センチ差あった。身長、リーチともに劣るアルバレスは「彼はライトヘビー級で最高のファイター。すべてのものを持っている」と敬意を表していた。19年11月に同級王座を獲得した経緯もあり「どの相手でも、どの階級でも、私は快適に戦うことができる」と自信をのぞかせていた。「歴史をつくるだけでなく、自分のために他の挑戦を必要としている」と話していたが、PFP1位の存在感を示せなかった。
今年4月に村田諒太(帝拳)に勝利したばかりのWBAスーパー、IBF世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(40=カザフスタン)との3度目対決が9月17日に計画されていたが、このビボル戦敗退で厳しい状況となった。
◆カネロ アルバレスのニックネームで、スペイン語でシナモンの意味。赤毛から由来している。