前世界王者矢吹正道の娘がU12大会で「楽勝」V 再起戦控えるパパ「自分の試合に集中できる」

<ボクシング:ジュニアチャンピオンズリーグ全国大会>4日◇後楽園ホール◇U-12女子35キロ級
ボクシングの前WBC世界ライトフライ級王者矢吹(本名・佐藤)正道(30=緑)の長女、佐藤夢月(ゆづき、12=緑)がベルトを獲得した。未来の世界王者への登竜門、ジュニアチャンピオンズリーグ全国大会が4日、後楽園ホールで行われ、中日本地区の佐藤がU-12女子35キロ級を制した。
東日本地区の田端妃翼(本多)と対戦。佐藤は1回にスタンディングダウンを奪い、2回に連打でTKO勝ちした。「緊張したけど楽勝」とはにかんだ。
10日に三重・四日市市での再起戦を控える矢吹は会場に行けなかったが、セコンドに弟の東洋太平洋スーパーフェザー級王者の力石政法を送り込み、送られた動画で試合を確認した。「かなり硬かった。技術的にはまだまだ」と辛口も「ホッとした。肩の荷が下りた感じで自分の試合に集中できる」と父の顔で喜んだ。
佐藤は小学1年から空手を始め、3年時にボクシングへ“転向”。週4日は自宅で矢吹を相手に、2日はジムに通うボクシング漬けの日々。身長147センチで父譲りの左ボディーとカウンターが武器だ。目標は日本選手初の父娘世界王者だが、東京五輪金メダルの入江聖奈に刺激され金メダルも憧れに。第1歩となるベルトを手に「ほんのちょっと将来の夢の世界チャンピオンに近づいた」と夢と希望が膨らんだ。【実藤健一】
◆ボクシング・ジュニアチャンピオンズリーグ全国大会 日本プロボクシング協会と日本ボクシングコミッション主催で将来プロを目指す若年層が対象の大会。18年に第1回、コロナ禍で3年ぶり開催。前身の全国U-15ジュニアボクシング大会から井上尚弥、拓真兄弟、田中恒成、中谷潤人の世界王者を輩出している。
- U-12女子35キロ級を制した前世界王者矢吹の長女、佐藤夢月さんはガッツポーズ(力石政法選手提供)