前世界王者・矢吹正道の勝敗予想は7-3で寺地拳四朗 京口紘人には「何か」が必要/連載3

<11・1寺地拳四朗VS京口紘人 日本人頂上決戦3>
軽量級の頂上決戦が11・1に迫る。ライトフライ級のWBC王者寺地拳四朗(30=BMB)とWBAスーパー王者京口紘人(28=ワタナベ)の王座統一戦で“天下”をとるのは、はたしてどちらなのか。注目の一戦を寺地と世界戦で2度対戦し、京口ともスパーリングで拳を交えた前WBC世界同級王者の矢吹正道(30=緑)が分析した。【取材・構成=実藤健一】
SNSやネットを見ていると勝敗予想は分かれてますよね。微妙に京口が有利みたいな印象だけど、自分は6-4、突き詰めて7-3で(寺地)拳四朗が有利と見ています。
拳四朗の最大の武器は距離感。というか、距離を作るのが非常にうまい。相手の出方によって出るのか、引くのか、その微妙な駆け引きが抜群にうまい。またその戦いを12ラウンドやり遂げる強さがある。
自分も再戦で、拳四朗の予想外のインファイトにやられました。序盤は出てこないという、自分の考えを読み取られた部分もあると思う。そういう、自分の形だけにこだわらず、相手の出方によって戦法を作る柔軟さがあります。
京口とは4年前にスパーリングをしたことがあります。緑ジムに移籍したばかりで、東京へ武者修行に行ってワタナベジムにお世話になりました。当時、京口は世界王者だけど、1階級下のミニマム級(IBF)。スパーでは互角に渡り合えたけど、やはり世界王者らしいというか、速さや強さは感じました。
自分は(12月3日に韓国でカシメロと対戦するWBO世界スーパーバンタム級9位の)赤穂(亮)とつながって、さらにそのつながりで京口にたどり着いたみたいな。深くは話したことはないけど、友人である京口を悪く言うつもりはない。ただ、試合の展開では不利と予想します。
ともにアマチュアで経験を積んできました。特に京口はきれいなボクシングをする。それだけに拳四朗は出方が読みやすいと思う。特に終盤までもつれるほど拳四朗のリズムになるはず。相手の仕掛けをすべて読み切って、組み立ててくる。京口にとっては、厳しい戦いになるでしょう。
あまり考えにくいが、京口が寺地の読みの裏をかいて、序盤からラッシュをかけるか。「何か」が必要でしょう。
自分もこの両者の戦いを見て、今後の動きを決めていきたいと思います。(前WBC世界ライトフライ級王者)
- 世界ライトフライ級2団体王座統一戦の前日計量をパスし、記念撮影をする寺地(左)と京口(撮影・狩俣裕三)
- 世界ライトフライ級2団体王座統一戦の前日計量をパスし、にらみ合う寺地(左)と京口(撮影・狩俣裕三)
- 世界ライトフライ級2団体王座統一戦の前日計量をパスする寺地(撮影・狩俣裕三)
- 世界ライトフライ級2団体王座統一戦の前日計量をパスする京口(撮影・狩俣裕三)
- 世界ライトフライ級2団体王座統一戦の前日計量をパスし、記念撮影をする寺地(左)と京口(撮影・狩俣裕三)