王座陥落・京口紘人1度目のダウン後は記憶なし「WBC王者は強かった」寺地拳四朗に完敗認めた

<プロボクシング:WBC世界、WBAスーパー、ライトフライ級タイトルマッチ>◇1日◇さいたまスーパーアリーナ
WBAスーパー王者京口紘人(28=ワタナベ)がプロ初黒星を喫し、世界王座から陥落した。
WBC王者寺地拳四朗(30=BMB)との日本人同士によるライトフライ級2団体王座統一戦に臨んだが、7回2分36秒、レフェリーストップによるTKO負け。アマ時代に1勝3敗と負け越した2学年上のライバルにベルトを奪われ「結果が出せずに悔しい気持ちでいっぱい」と両肩を落とした。
負けたが、対抗王者の意地はみせた。距離を縮めて寺地の右を被弾。5回に右ストレートを浴び、ダウンを喫した。「ダウン後の記憶はない。記憶がとびとびの反撃。練習していたからこそ出た」という寺地のラッシュを浴びた後の左フックからの反撃。一気にラッシュをお返しした。逆転勝利を予感させる“見せ場”を演出したものの、7回には多彩なパンチを打ち込まれた後、右ストレートを浴びてふらつき、レフェリーストップ負け。それでもリングと帰りの花道で深々と頭を下げると会場から惜しみない拍手をもらった。
世界的に有名な英プロモート大手マッチルーム社と試合契約を結び、今回は同社米法人のショーン・パーマーCEOら幹部2人が来日するなど期待も大きい2団体王座統一戦だった。京口は「やり切ったなという感覚。ジャブが強くて、WBC王者の強さを感じた。自分は不器用。ボクシングやっている子供たちに勇気を与えたかった。プロになる前の15年以来7年ぶりの負け。今までの負け以上に悔しい負け」と言葉をふり絞った。【藤中栄二】
- 5回、寺地(左)は、京口からダウンを奪う(撮影・菅敏)
- 世界ライトフライ級2団体王座統一戦で勝利し、2本のベルトを肩にかけ、対戦者の京口(右)に祝福される寺地(撮影・菅敏)
- 7回、京口(右)の顔面に右ストレートをヒットさせる寺地(撮影・菅敏)
- 5回、京口(右)に強烈な右をヒットさせダウンを奪う寺地(撮影・菅敏)
- 7回、寺地(左)は、京口から2回目のダウンを奪い勝利する(撮影・菅敏)