井上尚弥の進むスーパーバンタム級の現状 主要4団体のベルト2人の王者で分け合う、両王者無敗

<プロボクシング:WBAスーパー、WBC、IBF、WBO世界バンタム級王座統一12回戦>◇13日◇東京・有明アリーナ
WBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が史上9人目の4団体統一に成功した。
WBO世界同級王者ポール・バトラー(34=英国)との4団体王座統一戦に臨み、11回1分9秒、KO勝ち。勝負にいった11回、一気にラッシュを仕掛け、顔面とボディーに連打してダウンを奪い、レフェリーストップに追い込んだ。日本初、アジア初、バンタム級初の4団体統一を成し遂げ、試合後はスーパーバンタム級に転向すると明言した。
◆世界スーパーバンタム級の現状 世界主要4団体のベルトは2王者が分け合っている。WBAスーパー、IBF王者ムロジョン・アフマダリエフ(ウズベキスタン)、WBC、WBO王者スティーブン・フルトン(米国)が実力、実績ともに群を抜く。両王者ともに無敗となる。アフマダリエフは6月、ロニー・リオス(米国)との防衛戦に勝利した際、左拳を骨折中。復帰後はIBF同級1位マーロン・タパレス(フィリピン)との指名試合を義務付けられている。
フルトンは1階級上となるフェザー級転向の意向。既にWBC世界フェザー級1位ブランドン・フィゲロア(米国)とのWBC世界同級暫定王座決定戦が承認され、両者の21年11月以来の再戦が確実だ。もしフルトンがWBC世界フェザー級暫定王座を獲得すれば、スーパーバンタム級王座返上の流れになる可能性が高い。
同級世界ランクには日本選手と縁のある選手が多い。過去にIBF1位タパレスは岩佐亮佑、勅使河原弘晶、大森将平と対戦。WBC1位には山中慎介と2度闘ったルイス・ネリ(メキシコ)がいる。まだランクインしていないが将来的には元WBO世界バンタム級王者ジョンリール・カシメロ(フィリピン)もやってくる。井上にとって意欲がわき起こる対戦相手が多い。
- 【イラスト】井上尚弥のプロ全成績
- 4団体統一王者になった井上尚は記念撮影(撮影・鈴木みどり)
- 井上尚対バトラー 11回、バトラー(右)からダウンを奪いKO勝ちする井上尚(撮影・鈴木みどり)
- 井上尚対バトラー 9回、バトラー(左)の顔面にパンチを見舞う井上尚(撮影・鈴木みどり)
- 11回、バトラーにKO勝ちし飛び上がって喜ぶ井上尚(代表撮影)
- 4団体王座統一を果たした井上尚はベルトを抱えて笑顔を見せる(代表撮影)
- 試合後、ラウンドガールとポーズを決める4団体の王座を統一した井上尚(中央)(代表撮影)
- 4団体統一の井上尚(左)は4本のベルトを巻き感無量の表情を見せる(撮影・垰建太)
- 8回、井上尚(左)は両手を背中に隠してバトラーを挑発(撮影・鈴木みどり)