【新日本】極悪軍団「鈴木軍」ラストマッチ 終盤は敵味方関係なし「強いじゃねえか、みんな」

<新日本プロレス:後楽園大会>◇23日◇東京・後楽園ホール◇観衆1376人(札止め)
“プロレス王”こと鈴木みのる(54)率いるプロレス界の人気ヒールユニット「鈴木軍」が、11年の歴史に幕を下ろした。
ラストマッチでは、8人のメンバーがそれぞれの思いを魂込めてぶつけあった。
14日の宮城大会での電撃解散発表から、9日。最後は鈴木軍らしく、とことんやりあった。「鈴木軍ファイナル」と銘打たれたメインイベントの8人タッグマッチで、鈴木は同門のTAKAみちのく、エル・デスペラード、ランス・アーチャーと組み、DOUKI、金丸義信、タイチ、ザック・セイバーJr組と対戦した。
試合終盤には、敵味方はもはや関係なかった。ボスからの強烈な蹴りやパンチは、ばらばらになるメンバーへ向けた強烈なエールだった。11年間ともにしてきたオリジナルメンバーのタイチは、攻撃を戸惑う場面も。それでも鈴木は「来いタイチ!」と叫んで挑発。タイチのアイアンフィンガーフロムヘルを真っ向から受け止めると、最後は19分11秒、セイバーJrのザックドライバーを食らってマットに沈んだ。だが、鈴木の顔はどこか晴れ晴れとしていた。
鈴木軍は2011年にTAKA、タイチとともに結成。元WWEのアーチャーを加えて勢力を拡大すると、その後は、デスペラード、金丸、セイバーJr、DOUKIらを加え、極悪軍団ながら魅力的な選手がそろうユニットとして愛されてきた。
終わりではなく、始まりでもある。解散理由を「もう俺の助けなんていらねえ。強いじゃねえか、みんな」と説明していた鈴木。この日のバックステージでは、「IWGPを手にするまでプロレスに俺の全てをくれてやる」と、まだまだ自身の挑戦は続いていくことを宣言した。ユニットは解散となるが、決め台詞の「鈴木軍、一番」をプロレス人生をかけて証明する。
- 中央で倒れる鈴木を囲む鈴木軍のメンバー(撮影・勝部晃多)
- タイチ(手前)と抱き合う鈴木(撮影・勝部晃多)
- タイチ(手前)に張り手を見舞う鈴木(撮影・勝部晃多)