【初場所新番付】「鉄人」玉鷲現役トップ754勝 歴代10位寺尾まであと「106勝」

日本相撲協会は26日、来年1月の大相撲初場所(8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。
現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。
【通算勝利数】
現役最後の場所となった昨年7月の名古屋場所で全勝優勝した横綱白鵬(現宮城野親方)が「1187勝」という歴代トップの大記録を打ち立てて引退した。歴代2位の元大関魁皇(現浅香山親方)の1047勝、同3位の元横綱千代の富士(先代九重親方)の1045勝までが「1000勝超え」を挙げ大相撲史に偉大な足跡を残している。
現役1位は玉鷲(38=片男波)の754勝。歴代10位で860勝の元関脇寺尾(現錣山親方)までは、あと106勝で「鉄人」がどこまで迫れるか注目だ。ちなみに現役2位だった序二段の51歳力士・華吹(立浪)は、今年1月の初場所限りで引退したが、通算勝利数は683。単純比較は出来ないが、元横綱朝青龍の669勝を14勝、上回る立派な記録を残した。
現役2位は栃ノ心(35=春日野)と隠岐の海(37=八角)が674勝で並ぶ。
【幕内在位場所数】
歴代1位は元大関魁皇の107場所。白鵬は歴代単独2位の103場所で現役にピリオドを打った。それでも白鵬の、新入幕からの幕内連続在位は、史上初の100場所を超える大記録となっている(103場所まで更新)。現役トップは栃ノ心と玉鷲の80場所。歴代10傑(元関脇若の里の87場所)入りには、あと7場所が必要だ。
【幕内出場回数】
白鵬が歴代8位の1282回で引退。あと1日だけでも土俵を務めていれば、歴代7位の元関脇安芸乃島(現高田川親方)の1283回に並んでいた。現役1位は玉鷲の1182回。同2位の栃ノ心(1120回)、同3位の隠岐の海(1074回)までが1000回超えだ。なお歴代1位は、元関脇旭天鵬(現大島親方)の1470回。
【幕内勝利数】
白鵬が1093勝で、2位の魁皇に214勝もの差をつけ歴代トップのまま、土俵生活にピリオドを打った。現役1位は玉鷲の571勝、2位は栃ノ心の557勝、3位は隠岐の海の517勝で、4位の高安(512勝)までの4人が500勝に乗せている。5位の碧山(471勝)は、あと29勝で500勝に到達する。
【通算連続出場】
初土俵以来、無休の「鉄人記録」。歴代3位に1478回の玉鷲が入っている。04年春場所の序ノ口デビューから足かけ19年の「皆勤賞」だ。7月の名古屋場所はコロナ禍で13日目から休場したが、不可抗力のため連続出場記録は途絶えずに継続されていた。歴代2位の富士桜(1543回)までは、あと65回で5場所を要する。ちなみに歴代1位は元関脇青葉城の1630回。
【金星獲得】
今年の名古屋場所で逸ノ城が、横綱照ノ富士を破り通算9個目の金星を獲得。三根山、玉乃海ら5人が名を連ねていた史上10位の仲間入りを果たした。
現役で金星獲得2位は、遠藤(32=追手風)と北勝富士(30=北勝富士)がしばらく並んでいたが、ここに先々場所、今年だけで4個を量産した玉鷲(38=片男波)が割って入り7個で並んだ。歴代10傑入りに3人は、あと2個の金星が必要だが、横綱が照ノ富士一人しかいないため、今場所で達成はできない。北勝富士は東前頭6枚目、遠藤は西前頭9枚目で、番付通りの取組編成なら横綱とは対戦しない。中盤まで優勝争いに加わるような星を積み重ねれば、対戦の可能性も出てくる。上位で活躍し横綱戦が実現して勝てば、来場所以降の歴代10傑入りのチャンスにつながる。玉鷲は上位総当たりの西前頭2枚目で横綱とは対戦するが、照ノ富士の出場は微妙といえそうだ。ちなみに金星獲得歴代1位は安芸乃島の16個で、2位で並ぶ高見山と栃乃洋に4個の差をつけている。