【ノア】オカダ・カズチカ、敗れた清宮海斗にエール「無制限にした心意気も感じた。もう泣くな」

<プロレスリング・ノア:武藤敬司引退興行>◇21日◇東京ドーム
新日本プロレスのオカダ・カズチカ(35)が「王者対決」を制し、プロレス界の先輩となる武藤敬司(60)の引退興行に花を添えた。
GHCヘビー級王者清宮海斗(26)とのノンタイトルの時間無制限一本勝負で対決し、16分すぎに延髄斬りを皮切りに連続技で攻め、最後に必殺技のレインメーカー(短距離式ラリアット)で仕留めた。90~00年初期に新日本、そして業界のエースとして名をはせた武藤に向け、現在のプロレス界の顔として白星をささげた。
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格の違い-。オカダは最後まで清宮にみせつけて勝った。決してエルボー合戦で引かず、清宮による力任せのエルボー、武藤から伝授されたシャイニングウィザード、右腕へのドロップキックもしのいだ。猛虎原爆固めも耐え抜くと、開脚ドライバーでマットにたたきつけて反撃。1度は試みたフォールを解くと、さらに延髄切り、旋回式の変形エメラルドフロウジョンをたたき込み、必殺のレインメーカーを打ち抜き、3カウントを奪った。
勝利の余韻に浸ることなく、勝ち名乗りを受けると、オカダはすぐにリングから下りた。「さすがGHCヘビー級王者といったところ。(清宮の)気合は認めますよ。ただ経験が違う。東京ドームで何回もタイトル戦をやり、いろいろな人と戦ってきた」とキッパリ。現在進行形のIWGP世界ヘビー級王者としての自信をみなぎらせた。
武藤引退興行のセミファイナルだからこそ実現した史上初の新日本IWGP世界ヘビー級王者VSノアGHC同級王者の激突だった。当初は30分一本の予定だったが、清宮からの「完全決着をつけたい」との希望を受け入れ、時間無制限一本勝負に変更となった。オカダは「無制限にした心意気も感じた。しっかり決着も着いた。清宮、もう泣くなよ」とエールを送った。
18日(日本時間19日)には米サンノゼ大会で挑戦者の棚橋弘至を下し、2度目防衛に成功した。そのまま帰国し、武藤引退興行に花を添える勝利を挙げた。
「ある意味、ボクも強くしてもらいました。サンノゼで防衛戦して、ここで武藤さんの引退試合でシングルマッチは出なきゃダメだなと。良い経験でした。パッとシャワーを浴び、武藤さんの引退試合を見て帰ります」
レジェンドの「LAST LOVE」を見届け、オカダが現代のエースとしての自覚を胸に刻んだ。【藤中栄二】
- 清宮(手前)にドロップキックを決めるオカダ(撮影・江口和貴)