4・16世界ミニマム級王座に重岡兄弟が同時挑戦 兄優大がWBC王座、弟銀次朗IBF王座狙う

日本プロボクシングのミニマム級で、もっとも世界に近い重岡兄弟が国内初の同日世界王座奪取を狙う。
4月16日に東京・代々木競技場第2体育館で開催される元世界3階級制覇王者亀田興毅氏(36)が手がける興行3150Vol5大会のメインカードに出場。WBC世界ミニマム級4位の兄優大(25=ワタナベ)が同級王者パンヤ・プラダブスリ(32=タイ)に挑戦し、IBF世界同級4位の弟銀次朗(23=ワタナベ)が同級3位レネ・マーク・クアルト(26=フィリピン)との暫定王座決定戦に臨むことが7日、発表された。
兄弟で世界王座獲得となれば亀田3兄弟(興毅、大毅、和毅)、井上兄弟(尚弥、拓真)に続き、国内3例目の兄弟世界王者。兄弟同日の世界王座獲得となれば国内初となる。
この日、都内で亀田氏とともに兄弟そろって会見。プロ7戦目で世界初挑戦となる兄優大は「プレッシャーはあって当たり前と頭で理解している。多分、(兄弟)別々よりも(同日試合の方が)良いパフォーマンスができるし、良いコンディションで臨める」と歓迎した。
弟銀次朗は当初、1月6日に挑戦も王者陣営の試合続行不可能の事態で無効試合となったIBF世界同級王者ダニエル・バラダレス(メキシコ)との即再戦を希望していた。しかし、王者の左耳負傷を理由にIBFからクアルトとの暫定王座決定戦の指令を受けていた。
バラダレスとの決着戦よりも暫定王座獲得が先となったものの「2人同時で世界を取ることができる。2人で一緒に(ボクシングを)始めて、夢を同時にかなえられるのはうれしいこと。こんな最高の日はない。笑って終われるように万全に仕上げていきたい」と前向きな姿勢を示した。
熊本市出身の重岡兄弟にとって「4月16日」は特別な日でもある。
16年4月14日と同16日未明に震度7を観測する熊本地震が起こった。約7年前、高校生だった弟銀次朗は熊本市の自宅で被災し、家族とともに1週間ほどの車中泊を余儀なくされた。大学進学で上京していた兄優大も地震翌日には福岡経由で熊本に戻って家族をサポートしたという。
銀次朗は「ボクたちができることは、みんなが笑顔になってもらえるように。元気を与えられるチャンスなので最高の(世界戦の)タイミングだと思う」と意気込んだ。ダブル世界戦での兄弟同時王座奪取という快挙で故郷を盛り上げる姿勢を示した。
- 世界戦が決まり笑顔で肩を組む重岡兄弟。左は弟の銀次朗、右は兄の優大(撮影・横山健太)
- 試合への意気込みを語る重岡優(撮影・横山健太)
- 会見に登場した重岡優(撮影・横山健太)
- 亀田ファウンダー(右)と握手を交わす重岡銀(撮影・横山健太)
- メインカードを発表する亀田ファウンダー(撮影・横山健太)