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3団体統一王者スペンスJr.とWBO王者クロフォードが4団体統一戦 7・29ラスベガス決戦

7月29日にウエルター級4団体統一戦で激突することが決まったWBAスーパー、WBC、IBF同級王者エロール・スペンスJr.(左)とWBO同級王者テレンス・クロフォード(ショータイム公式インスタグラムから)

プロボクシングの人気スター同士による4団体王座統一戦が決まった。WBAスーパー、WBC、IBF世界ウエルター級王者のエロール・スペンスJr.(33)が7月29日(日本時間30日)に米ネバダ州ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBO世界同級王者のテレンス・クロフォード(35=ともに米国)と4団体王座統一戦に臨むと25日(同26日)、発表された。

創刊100年を誇る米老舗専門誌ザ・リングによる階級を超越した最強ランキング、パウンド・フォー・パウンドで4位のスペンスJr.と、3位のクロフォードという実力派王者同士の対決となる。

数カ月にわたって両者による4団体王座統一戦交渉が続いていたが、ついに決定した形。クロフォードが自身のSNSで「待つ時間は終わった・7月29日、ラスベガス。手に入れましょう」と4本のベルト総取りに意欲をみせれば、スペンスJr.は「ついにファンが望むものを提供する。一方的に悲鳴を上げさせる可能性がある。今世紀最大の戦いの1つだ!」と同じく自身のSNSで心境をつづった。

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井上尚弥「誰もたどりつけなかった場所」日本人初PFP1位!米誌ザ・リングが世界最強1位発表

7日、ドネアにTKO勝ちし雄たけびを上げる井上尚弥

プロボクシングWBAスーパー、WBC、IBF世界バンタム級王者井上尚弥(29=大橋)が、ついに全階級を通じた「世界最強」ボクサーに選出された。世界的にもっとも権威のある米老舗ボクシング専門誌ザ・リングが10日(日本時間11日)、階級を超越した最強ボクサーを決めるパウンド・フォー・パウンド(PFP)ランキングなど各階級の最新順位を発表。井上が日本人史上初のPFP1位に選出された。これまで井上はPFP2位が最高だった。井上は公式SNSを更新し「日本人がこれまで誰もたどり着けなかった場所まで来た #pfp1」と喜びをつづった。

前回ランクで1位は3団体統一ヘビー級王者オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)、2位はWBO世界ウエルター級王者テレンス・クロフォード(米国)となり、井上は3位だった。この世界的スター2人を一気に追い抜いた。井上は7日、さいたまスーパーアリーナでWBC王者だった世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(39=フィリピン)を右クロス、左フックで2度のダウンを奪って2回TKO勝利。19年11月のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のバンタム級決勝以来、約2年7カ月ぶりのリマッチで圧倒的な差をみせつけた。 ザ・リングのダグラス・フィッシャー編集長(52)は同誌公式サイトで「井上のパフォーマンスはセンセーショナルだと思った。彼は完璧な攻撃、ボクシングパワーをみせた。私は彼が少なくとも1つ順位を上げることに賛成だ(2位復帰)。実際、井上と(1位の3団体統一ヘビー級王者ウシク)のどちらか」と説明。最終的に井上を1位に認定することを決めたという。

<ザ・リング選定のPFPランキング>

<1>井上尚弥(日本)

<2>オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)

<3>テレンス・クロフォード(米国)

<4>エロール・スペンスJr.(米国)

<5>ファン・フランシスコ。エストラーダ(メキシコ)

<6>サウル・アルバレス(メキシコ)

<7>ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)

<8>ドミトリー・ビボル(ロシア)

<9>ジョシュ・テイラー(英国)

<10>ジャーメル・チャーロ(米国)

◆ザ・リング 米国で1922年の創刊当初からボクシングを基本線に扱う月刊専門誌。毎月、独自の基準でランキングを選定し、最も歴史と権威ある雑誌とされ「ボクシングのバイブル(聖書)」と呼ばれる。同誌編集委員会に各国記者らを加えた構成で毎月独自に各階級とパウンド・フォー・パウンドのランキングを世界10位まで発表。設立当初から独自認定した王者にベルトも授与し、02年より本格的に各階級ごとにもベルト授与している。また年間最優秀選手などの表彰も行っている。

3団体のベルトを肩にガッツポーズする井上尚弥(2022年6月7日撮影)
1回、ドネア(左)にパンチを見舞う井上尚(2022年6月7日撮影)

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クロフォード快勝V5「1回から勝てると。強さでは私が上回っていた」

5度目の防衛に成功したクロフォード(AP)

<プロボクシング:WBO世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ネバダ州ラスベガス・マンダレイベイ・リゾート&カジノ

WBO世界ウエルター級王者テレンス・クロフォード(34=米国)が5度目の防衛に成功した。同級2位の元WBC、元IBF世界同級王者ショーン・ポーター(34=米国)との5度目の防衛戦に臨み、10回1分21秒、TKO勝利を収めた。

同回に2度のダウンを奪って快勝。「1回から勝てると。強さでは私が上回っていたし、自分が角度を変えたらいけた。ダウンを奪った時にも勝てると思った」と納得顔。ポーターを初のKO負けに追い込み、あらためて強さを証明した。

元世界王者でもある挑戦者の積極的な攻勢に対し、クロフォードは冷静に対応した。サウスポースタイルを軸にアグレッシブなポーターを抑えながら、勝機を探った。ついに10回、左カウンターで1度目のダウンを奪取。立ち上がった相手に右フックからの連打でダウンを追加すると、ポーターの父ケニー・トレーナーからの棄権の申し出があり、クロフォードのTKO勝ちとなった。

「アッパーも、フックも入った。彼の父が止めたのは好判断だった。神様に感謝する。ポーターは良いファイター。(アマ時代から交流があり)本当は戦いたくなかった。王者だからやるしかなかった」と振り返ったクロフォードのV5戦にはWBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)が視察していた。クロフォードは「スペンスが来ていたのか。彼は僕の試合を見に来たことはなかったと思う」と驚きの態度を示した。

米老舗専門誌ザ・リングのパウンド・フォー・パウンド(階級超越の最強ボクサー)ランクで4位の世界3階級制覇王者は過去最強の相手を下し「階級を上げることも選択肢だが、今後次第だ」とキッパリ。スペンスJr.は判定で、クロフォードはKOでポーターから勝利を挙げた。「みんな、それぞれ戦うスタイルが違う。彼も、私もポーターに勝ったんだ」。クロフォードとスペンスJr.の王座統一戦の行方が注目される。

5度目の防衛に成功したクロフォード(AP)

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パッキャオ最後の戦い? 今月10日相手変更も余裕「心配する必要はない」

約2年1カ月ぶりにリング復帰する世界6階級制覇王者パッキャオと対戦相手のWBA世界ウエルター級スーパー王者ウガス(PBC公式SNSより)

ボクシング世界6階級制覇王者でWBA世界ウエルター級休養王者のマニー・パッキャオ(42=フィリピン)が21日(日本時間22日)、米ラスベガスのT-モバイルアリーナでWBA同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)との統一戦に臨む。

19年7月、WBA同級正規王者として、当時の同級スーパー王者キース・サーマン(米国)に判定勝ち。WBA同級を王座統一して以来、約2年1カ月ぶりのリングとなる。20日の計量パス後に「犠牲、規律、努力はすべて1つの理由にある」と公式SNSにつづったパッキャオは米専門メディアにラストファイトと報じられている。

◇ ◇ ◇

左目網膜裂孔(れっこう)で欠場となった無敗のWBC、IBC世界同級王者エロール・スペンスJr.(米国)に代わり、WBA同級スーパー王者ウガスが対戦相手に変更されたのは今月10日だった。スタイルはサウスポーから右構えに変わったものの、パッキャオは「対応には2日しか必要なかった。以前から多くの右構えと戦ってきた、右から左への切り替えの方がより大変だっただろう。心配する必要はない」とインタビューでも余裕の表情をみせていた。

2年前、40歳だったパッキャオはサーマン戦でダウンを奪って判定勝利した。瞬時のスピードが健在であることを証明した。このコンディションが2年間のブランク後も関係なく、キープされているならば、ウガスと判定決着になったとしても、勝機は十分にあるだろう。現在、フィリピンで上院議員を務め、来年5月に控える大統領選挙への出馬を検討しているとされる。母国にアピールするために勝つ、という大きな動機付けもある。

対戦相手となるスーパー王者ウガスは08年北京五輪ライト級銅メダリスト。20年9月に王座決定戦を経てWBA世界正規王者となった。パッキャオの休養王者変更に伴い、21年1月にスーパー王者に昇格したばかり。まだ世界王者として防衛戦を経験したことがないものの、パンチには一発の破壊力があるとされる。

パッキャオのトレーナーを務める名伯楽フレディ・ローチ氏(61)は「マニーは往年の名曲を奏でる必要はない。彼はまだ新しいヒット曲を生み出している。週3回のスパーリングを欠かさず、合宿でも一切の妥協はなかった」と調整への手応えを示す。さらに「多分、これがマニーの最後の戦いです。しかし彼の最大の勝利をするために訓練してきた」と太鼓判を押す。

勝っても、負けてもラストファイトになるかもしれないと米メディアに報じられているパッキャオの王座統一戦。勝利で有終の美を飾ることができるか。

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パッキャオ「私に挑戦せずベルト獲得は好きでない」2年1カ月ぶりリング

記者会見するWBA世界ウエルター級休養王者パッキャオ(左)と、対戦相手のWBA世界同級スーパー王者ウガス(PBC公式SNSより)

約2年1カ月ぶりにリング復帰するWBA世界ウエルター級休養王者マニー・パッキャオ(42=フィリピン)が18日(日本時間19日)、米ラスベガスで拳を交えるWBA世界同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)と記者会見に臨んだ、21日(同22日)に同地で米ラスベガスで迎えるウガスとの王座統一戦は19年7月の19年7月、キース・サーマン(米国)とのWBA同級王座統一戦以来となる。

ブラックのスーツ姿で会見に登場した世界6階級制覇王者は自らがリングから離れていた時期にWBA同級にスーパー王者、正規王者が誕生していたことを受け「私に挑戦せず、誰かが私のベルトを奪うのは好きではない。我々は2人とも王者ですが、(試合する)土曜日以降は誰がベルトを持つべき王者かが分かります」と口調を強めた。

当初予定だった無敗のWBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)が左目の網膜裂孔(れっこう)と診断され、欠場。ウガスとの統一戦は今月10日に決まったばかりだ。「スペンスJr.の回復と、彼と戦えることを祈っています。最初にニュースを聞いた時、気分が落ち込みましたが、ウガスが世界戦の準備ができていたのは良かった」と前置きしたパッキャオは、左構えのスペンスJr.から右構えに変更になったことについて言及した。

「ウガスとの戦いに慣れるのはわずか2日しか必要なかった。以前から多くの右構えのファイターと戦ってきた、右構えから左構えに切り替えの方がより大変だったでしょう。心配する必要はありません」

来年5月のフィリピン大統領選挙に出馬するとのうわさがあるためだろう。42歳となり、ウガス戦を最後に引退との米メディアの報道もあるパッキャオだが「今は若く感じます。ボクシングは私の情熱、自分の取り組みに満足している。毎日犠牲を払い、苦しい練習を消化することに興奮しています」と強調。1日30ラウンド以上の時間を費やしたトレーニングを積んでいることを明かし「KOチャンスがあるなら、ファンにKOするところをみせたい。しかしウガスを過小評価していない。彼はボクシングの経験が豊富でオリンピックも戦った。この戦いに勝つために、私が良い状態でなければ。土曜日の夜にはベストを尽くします」と静かに燃えていた。

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パッキャオ 欠場の相手に「回復をお祈り」スーパー王者と統一戦に変更

マニー・パッキャオ(19年4月撮影)

21日(日本時間22日)に米ラスベガスで約2年ぶりにリング復帰するWBA世界ウエルター級休養王者マニー・パッキャオ(42=フィリピン)が負傷欠場となった対戦相手のWBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)の早期回復を祈った。興行主となるPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)は10日(日本時間11日)、スペンスJr.が左目の網膜裂孔(れっこう)で欠場すると発表された。

パッキャオは自らの公式SNSを更新し「エロール・スペンスJr.の完全かつ完璧な回復をお祈り申し上げます」とつづった。スペンスJr.は拠点となるテキサス州ダラスに戻り、左目の手術を受ける予定。

21日の興行は予定通り開催され、パッキャオはWBA世界同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)との統一戦に臨むことが決まった。パッキャオにとって19年7月、当時のWBA世界同級スーパー王者キース・サーマン(32=米国)との統一戦以来、約2年1カ月ぶりのリングとなる。

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パッキャオ、相手の2冠王者が網膜裂孔で欠場 スーパー王者と統一戦に変更

マニー・パッキャオ(19年4月撮影)

21日(日本時間22日)に米ラスベガスでWBA世界ウエルター級休養王者マニー・パッキャオ(42=フィリピン)と対戦する予定だった無敗のWBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)が左目の網膜裂孔(れっこう)で欠場することが決まった。

興行主となるPBCが10日(日本時間11日)、発表した。興行は予定通り開催され、パッキャオはWBA世界同級スーパー王者ヨルデニス・ウガス(35=キューバ)との統一戦に臨む。

米ネバダ州アスレチック・コミッションによる9日のメディカルチェックでスペンスJr.の左目の異常が判明し、即座の手術が必要になったという。スペンスJr.は自らの公式SNSで「パッキャオと戦うことができなくなり、失望している。みなさんにおわび申し上げたい。3人の異なるドクターのもとに行きましたが、すべて同じことを言われました。勝者となって戻ってくるだろう」と検査結果を受け入れる姿勢を示していた。

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パッキャオ、8・21対戦スペンスJrを“ほめ殺し”2年ぶりの試合へ決意

会見で笑顔を見せるパッキャオ(AP)

ボクシング世界6階級制覇王者で現WBA世界ウエルター級休養王者のマニー・パッキャオ(42=フィリピン)が8月21日(日本時間22日)、米ラスベガスで統一戦に臨むWBC、IBF世界同級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)と対面した。11日(日本時間12日)に米ロサンゼルスのFOXスタジオで開かれた両者そろった初めての会見に臨むと“ほめ殺し”を展開した。

スペンスJr.に対し、元5階級制覇王者フロイドー・メイウェザー(米国)のアドバイスを受けるかという質問が飛んだ後だった。15年にメイウェザーと対戦し、判定負けしているパッキャオは「エロールはメイウェザーよりも優れていると信じている。エロールがメイウェザーからアドバイスを受ける必要はありません。彼はメイウェザーに頭のてっぺんから足のつま先まで戦う術を教えると思う」と絶賛した。

パッキャオにとってスペンスJr.の構えとなるサウスポーとの対戦は08年デビッド・ディアス戦以来13年ぶりとなる。先週からロサンゼルス入りしたパッキャオはサウスポーとのスパーリングを開始し「以前に準備したことと比較すると戦略変更する必要がある。今回は頭の動き、戦略、コンビネーションが違う」と説明した。

19年7月以来、キース・サーマン(米国)に判定勝ちして以来のリング。あえて勢いのある2団体統一王者との対戦を選択したこともついて「簡単な戦いを選択するチャンスはたくさんある。しかしファンに良いファイトを提供したい。私はファイターだから」と強い決意を口にした。

一方、スペンスJr.は「マニー・パッキャオは真の男。多くのほめ言葉や感謝の気持ちを与えてくれる。そして試合のベルが鳴るとリング内をあちこちと飛び跳ねる」とパッキャオの言葉をうのみにせずに警戒。パッキャオの“ほめ殺し”を返すように「彼は1年中24時間年中無休でボクサー。体をメンテナンスし、規律を保つからこそ、何十年も同じパッキャオなんだ」とリスペクトする言葉を並べていた。

パッキャオとスペンスJr.の会見前、チャンピオンベルトを見つめるリングアナウンサーのジミー・レノンJr.(AP)

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6階級王者パッキャオが2年ぶりリング、スペンスJrと8・21に対戦

SNSを通じ、WBC、IBF世界ウエルター級王者スペンスJr.(右)との対戦を発表したWBA世界同級休養王者パッキャオ(パッキャオのツイッターより)

ボクシング世界6階級制覇王者でWBA世界ウエルター級休養王者マニー・パッキャオ(42=フィリピン)が8月21日、米ラスベガスでWBC、IBF世界ウエルター級王者エロール・スペンスJr.(31=米国)と対戦するとSNSで明かした。22日に自らのツイッターを更新し、8月21日にスペンスJr.との対戦を告知するポスタービジュアルを公開。パッキャオが運営するMPプロモーション社のション・ギボンズ社長も米メディアに対し「この試合は1000%です」と認めたという。

パッキャオにとっては19年7月21日、WBA世界ウエルター級王座統一戦でスーパー王者キース・サーマン(米国)を判定で下して以来、約2年ぶりのリングとなる。なお試合から遠ざかっていたパッキャオは今年1月、WBAから休養王者に認定されている。

一方、2団体統一同級王者スペンスJr.は27戦全勝(21KO)無敗の王者。19年に自動車事故で負傷しながら、昨年12月にはダニー・ガルシア(米国)に判定勝ちを収め、IBF5度目、WBC2度目の防衛に成功している。スペンスJr.も自らのインスタグラムで「今年最大の戦いについては、ラスベガスでお会いしましょう」とつづった。

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王者スペンスJrが交通事故後初試合で2冠防衛成功

勝ち名乗りを受けるWBC・IBF世界ウエルター級王者エロール・スペンスJr.(AP)

<WBC・IBF世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇5日(日本時間6日)◇米国テキサス州アーリントン

無敗のWBC・IBF世界ウエルター級王者エロール・スペンスJr.(30=米国)が交通事故後初となるリングで防衛に成功した。

元WBC世界同級王者ダニー・ガルシア(32=米国)と2本のベルトを懸けて拳を交え、3-0(116-112×2、117-111)の判定勝利を飾った。IBF5度目、WBC初防衛に成功したスペンスJr.は「彼は偉大な王者で良い試合になると思った。ガルシアのようなビッグな相手と対戦したかった。ハードな試合で100%じゃないと勝てないと思った。でもベストはオレだよ」と戻ってきた2本のベルトを手に笑顔をみせた。これでスペンスJr.の通算戦績は27勝(21KO)無敗となった。

序盤から距離を詰め、ガルシアを右ジャブで制した。さらに接近し、ボディーブローもねじ込んだ。終盤に追い上げられたが、逃げ切った。「彼がベストで臨んでくれて感謝している。すごく良いカムバックだ」とスペンスJr.。負けたガルシアからも「今夜は彼の方が強かった。言い訳はしない。特にジャブが良かった」とたたえられた。

19年9月、WBC世界同級王者ショーン・ポーター(米国)との2団体統一戦で判定勝ちして以来のリングだった。同年10月、フェラーリを運転中にスピード違反しながら交通事故を起こした。愛車は大破したが、スペンス自らは奇跡的に顔の裂傷や体の打撲、歯の損傷にとどまった。事故から1年後、今だ上がっていた後遺症を懸念する声をシャットアウトする快勝劇だった。

WBA同級王者マニー・パッキャオ(フィリピン)やWBO同級王者テレンス・クロフォード(米国)との統一戦を期待する声が上がっている。次戦について問われたスペンスJr.は「ゆっくりしますよ。家族やペットとたわむれて。時期がきたら、また試合が組まれると思う」と余裕の笑みを浮かべていた。

ダニー・ガルシアを攻めるWBC・IBF世界ウエルター級王者エロール・スペンスJr.(AP)
防衛に成功したWBC・IBF世界ウエルター級王者エロール・スペンスJr.(AP)

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スペンスJr.防衛戦に自信 交通事故後初試合

26戦無敗のボクシングWBC・IBF世界ウエルター級王者エロール・スペンスJr.(30=米国)が昨年10月の交通事故後、初のリングに向かう。5日(日本時間6日)、米国テキサス州アーリントンで元WBC世界同級王者ダニー・ガルシア(32=米国)との防衛戦(IBF5度目、WBC初)を控え、4日(同5日)には同州内のホテルで前日計量に臨み、146・4ポンド(約66・4キロ)でパス。ガルシアも146・8ポンド(約66・5キロ)でクリアした。

昨年10月、愛車フェラーリを運転中、スピード違反しながら交通事故を起こした。事故後、飲酒運転で起訴された。フェラーリは大破したものの、スペンスJr.自らは奇跡的に顔の裂傷や体の打撲、歯の損傷にとどまった。事故から1年後、今だ後遺症を懸念する声が上がっている。スペンスJr.は「その懸念が間違っていることを証明する。勝つことに集中している。自分はハングリーだ」と完全復活を証明する構え。あごが腫れたことで、ジムワーク再開後の数カ月はスパーリングできなかったものの「事故の影響はなかった」とも主張した。

19年9月、WBC世界同級王者ショーン・ポーター(米国)との統一戦で判定勝ちして以来となるリング。スペンスJr.は「マネジャーのアル・ヘイモン氏に『私はサメ。マグロやシーバスを一緒に水槽に入れないでくれ。他のサメと一緒にしてくれ』と言った。そこにダニー・ガルシアというサメがいたので選択した」。自信たっぷりに交通事故からのカムバック戦に臨む。

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井上尚弥が3位、日本人初のPFPトップ3入り

ドネア戦の2回、右目をカットする井上尚(2019年11月7日撮影)

ボクシングWBAスーパー・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、米老舗ボクシング専門誌「ザ・リング」選定のパウンド・フォー・パウンド(PFP=階級を超越した最強王者)で日本人初のトップ3入りを果たした。

同誌が16日(日本時間17日)、最新ランキングを発表し、井上は4位から3位にランクアップし、3位だったWBO世界ウエルター級王者テレンス・クロフォード(米国)を抜いた形となった。1位は4階級制覇王者で現3階級同時制覇王者のサウル・アルバレス(メキシコ)、2位には3団体統一ライト級王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)となっている。

なおトップ10は次の通り。

1位サウル・アルバレス(メキシコ)

2位ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)

3位井上尚弥(日本)

4位テレンス・クロフォード(米国)

5位オレクサンドル・ウシク(ウクライナ)

6位エロール・スペンスJr.(米国)

7位ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)

8位フアンフランシスコ・エストラーダ(メキシコ)

9位アルツール・ベテルビエフ(ロシア)

10位マニー・パッキャオ(フィリピン)

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スペンスJr「最高の気分」2団体ウエルター級王者

<プロボクシング:WBC・IBF世界ウエルター級王座統一12回戦>◇28日(日本時間29日)◇米カリフォルニア州ロサンゼルス・ステープルズ・センター

IBF王者エロール・スペンスJr.(29=米国)が2団体統一王者となった。2-1(116-111、112-115、116-111)の判定でWBC王者ショーン・ポーター(31=米国)を下した。通算戦績はスペンスJr.が26勝(21KO)無敗、ポーターが30勝(17KO)2敗1分けとなった。

報酬が両者ともに200万ドル(約2億2000万円)が保証された注目の統一戦だった。WBC王者の突進力に対し、ボディーを打ち合う接近となった。ジャッジのポイントも割れる接戦となったが、スペンスJr.は11回に左フックでポーターの左あごを打ち抜き、ヒザをつかせるダウンを奪取して試合を決定づけた。

「出されたパンチを打ち返すとボディーの打ち合いになった。最高の気分です。努力してきたことが報われた」と振り返ったスペンスJr.は「相手はタフでアグレッシブなので、予想して準備してきた。長い試合も予想に入れていた。タフな試合になったが、この階級でここで止まるにはいかない。誰とでも試合する。長い戦いが始まる」と安堵(あんど)の笑みをみせた。

一方のポーターは「自分自身も仕事を遂行するつもりでした。スペンスのがより集中していたのかな。彼におめでとうと言いたい。最後のダウンが大きな差を生んだのでは」と残念そうな表情だった。

ウエルター級はWBAスーパー王者マニー・パッキャオ(40=フィリピン)、WB0スーパー王者テレンス・クロフォード(32=米国)がベルトを保持するホットな階級だけに、スペンスJr.の今後のファイトに注目が集まる。

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40歳パッキャオ、10歳下の王者下して王座統一

パンチを放つパッキャオ(右=AP)

<プロボクシング:WBA世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

正規王者となる6階級制覇王者マニー・パッキャオ(40=フィリピン)が王座統一、2度目の防衛に成功した。10歳年下となるスーパー王者キース・サーマン(30=米国)と拳を交え、2-1(115-112X2、113-114)の判定勝ちで王者対決を制した。リング上でインタビューを受けたパッキャオは「楽しめました。そして相手も良いファイター、強かった。試合を盛り上げたくてトラッシュトークもした。彼も私もベストを尽くした結果だ。本当にファンのみなさん愛しています。見に来てくれてありがとう。良いファイトがみせられた」と安堵(あんど)の笑みをうかべた。さらに「彼は彼のベストを尽くした。しぶとい相手だった。次の試合は来年かな。フィリピンで(議員の)仕事もあるので」と付け加えた。

初回に左ボディーからの右フックでダウンを奪取。一進一退の攻防から10回には強烈な左ボディーをわき腹に打ち込み、ダウン寸前まで追い込んだ。11回には右ストレートを浴びる場面もあったものの、最終12回を戦い抜き、2-1の判定勝利となった。これでパッキャオは62勝(39KO)7敗2分け、9度目の防衛に失敗し、プロ初黒星となったサーマンは29勝(22KO)1敗1無効試合となった

不惑の40歳となったパッキャオには、次々と対戦相手が浮上している。元WBA・IBF世界スーパーライト級王者アミール・カーン(英国)から11月8日、サウジアラビア・リヤドでパッキャオ戦が合意となったと発信された。パッキャオ陣営は「寝耳に水」として否定。また3月には3度目の防衛に成功したIBF王者エロール・スペンスJr(米国)から2団体統一戦を呼びかけられた。現在は格闘技路線を進む50勝無敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(米国)との2度目の対戦を期待する声も少なくない。メイウェザー自らも試合視察するなど、パッキャオ人気は続いている。

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ロマチェンコTKO防衛 M・ガルシアとの対戦希望

防衛に成功したロマチェンコ(AP)

<プロボクシング:世界WABスーパー&WBOライト級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇米ロサンゼルス

3階級制覇の2冠王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が、圧勝TKOで防衛に成功した。

元WBA王者アンソニー・クローラ(32=英国)を一方的に攻め、3回にダウンを奪った。4回に右フックで2度目のダウンを奪うとレフェリーストップ。4回59秒TKO勝ちし、WBAは2度目、WBOは初防衛となった。

初回こそ様子見したが、2回にはエンジン全開で攻めまくった。3回にはロープにくぎ付けにして連打を浴びせると、レフェリーがダウンを宣告した。ロマチェンコは試合が決したと思い、コーナーでロープに上がってアピール。インスペクターも試合終了と間違えてリングインしたが、ロープダウンだった。

試合は再開されて3回は終了となったが、4回もゴングから攻め立てた。右フックをテンプルに見舞うと、クローラは前のめりに頭から崩れ落ちて2度目のダウン。レフェリーがカウント4でストップした。

オッズは18-1の差があったが、それ以上の圧倒的勝利だった。クローラはガードするだけしかできなかった。その相手にあらゆる角度からさまざまなパンチを打ち込み、倒しきった。

昨年5月にはWBA王者だったホルヘ・リナレス(33=帝拳)を10回TKOで、12戦目の世界最速で3階級制覇した。この試合で右肩を痛めて手術を受け、12月の2団体統一戦は判定に終わっていた。ロマチェンコは「右肩を100%回復させてくれた医師にありがとうといいたい」と感謝した。

入場時のガウン、トランクスにグローブは黄色と紫色で統一していた。会場はNBAレイカーズが本拠とするステープルズ・センター。2年ぶりのロサンゼルスで初めての会場だったが、レイカーズ・カラーでファンにもアピールした。

次の試合を問われると、WBC王者マイキー・ガルシア(31=米国)の名を挙げた。3月にウエルター級に挑戦してIBF王者エロール・スペンスJr.(29=同)に初黒星を喫しているが「この階級でできるだけ頑張りたい。王座を統一したい」と改めて宣言。年内にもIBF王者リチャード・コミー(32=ガーナ)と対戦しての史上5人目の4団体統一を狙う。

防衛に成功したロマチェンコ(AP)

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ロマチェンコ2冠戦に自信「面白い試合見せる」

ロマチェンコ(左)、クローラ(ロイター)

ボクシング世界ライト級2冠戦の会見が10日に米ロサンゼルスで行われた。WABスーパー&WBO王者ワシル・ロマチェンコ(31=ウクライナ)が、12日に当地で元WBA王者アンソニー・クローラ(32=英国)の挑戦を受ける。WBAは2度目、WBOは初防衛戦となる。

3階級制覇を達成して、ハイテクで最先端で最強と言われるロマチェンコは、当地で2年ぶりの試合となる。「守備的な相手をいかに崩すか。アグレッシブに攻めて、多くのパンチを打ち込んでいく。面白い試合でファンにショーを見せる」と自信をみせた。

4団体統一を目標に掲げている。WBC王者マイキー・ガルシア(31=同)は、3月にウエルター級に挑戦してIBF王者エロール・スペンスJr.(29=同)に初黒星を喫している。IBF王者はリチャード・コミー(32=ガーナ)。ロマチェンコは「ガルシアがライト級の体を作れるなら、こちらの準備はできている。今年末には王座を統一して歴史に名を残したい」と意欲を示した。

クローラは44戦目で16年以来の王座返り咲きがかかる。14年には強盗と格闘して頭と足首を骨折し、世界戦をキャンセルした逸話を持つ。「ボクシング人生で最も重要な試合。リングですべてをぶつける」と番狂わせを狙う。

クローラ(左)、ロマチェンコ(ロイター)

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小原佳太「ロッキーのようなガッツ」出せず判定負け

小原佳太

<ボクシングIBF世界ウエルター級挑戦者決定戦>◇30日◇米フィラデルフィア

IBF世界ウエルター級5位小原佳太(32=三迫)の世界再挑戦権獲得はならなかった。同級4位クドラティーリョ・アブドカクロフ(25=ウズベキスタン)と対戦。110-118、111-117、113-115の0-3で判定負けした。

小原は「後半にかけて、ロッキーのようなガッツが出せなかったのも敗因だと思いますが、全体的に見てコントロールされ、世界の壁は厚かったです」と、SNSを通じてコメントした。

小原にとって、米国では15年11月に引き分けたIBFスーパーライト級挑戦者決定戦以来の試合。16年9月にはモスクワでIBFスーパーライト級で世界挑戦も2回TKO負け。階級を上げて海外初勝利で世界再挑戦の権利を狙ったが、アマ経験豊富でプロ15戦全勝の相手の壁を打ち破れなかった。

現王者エロール・スペンスJr.(29=米国)は、16日に4階級王者マイキー・ガルシア(31=同)に判定でV3に成功している。

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小原佳太「一撃で…」海外初勝利で世界再挑戦狙う

IBF世界ウエルター級で指名挑戦者決定戦出場が決まった木村翔

ボクシングIBF世界ウエルター級5位小原佳太(32=三迫)が、海外初勝利で世界再挑戦切符を狙う。

30日に米フィラデルフィアでのIBF世界同級指名挑戦者決定戦で、同級4位クドラティーリョ・アブドカクロフ(25=ウズベキスタン)と対戦する。8日に都内で発表した。

小原は15年に米国でIBF世界スーパーライト級挑戦者決定戦で引き分け。16年にロシアで同級王者エドゥアルド・トロヤノフスキー(ロシア)に世界初挑戦も2回TKO負けと、海外は1敗1分け。「決定戦を勝って挑戦できれば、誰にも文句は言われない王道でうれしい。王者にならないと成功、大成とは言えない。チャンスを一撃で決めたい」と意気込んだ。

相手は小原の3倍近いアマ約180戦と経験豊富で、15年にプロデビューから15戦全勝(9KO)している。小原は「派手さはないがトータルでレベルが高い。苦手なタイプも、ペースを取れば倒せる可能性はある」と自信を見せる。11月に対戦指令が出ていたため、日程調整で時間はかかったが「十分すぎるぐらい練習した」と、最終的にスパーは200回は超える予定だ。

同級では日本人世界王者はいまだいない。現在の同級王者エロール・スペンスJr.(米国)は、16日に4階級王者マイキー・ガルシア(同)とV3戦を予定する。小原は「日本人がどこまで通じるか。次の次は見ずに、まずは海外で初勝利したい」と誓った。

IBF世界ウエルター級で指名挑戦者決定戦出場が決まった小原佳太(中央)に加藤健太トレーナー(左)と三迫貴志会長

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