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快勝の村田帰国「ダメージなかった試合」
成田空港に到着した村田は、傷のない顔で囲み取材に応じる(撮影・山崎安昭)
ロンドン五輪ミドル級金メダルの東洋太平洋、日本同級1位・村田諒太(28=三迫)が23日、プロ3戦目に臨んだマカオから帰国した。
22日にザ・ベネチアンリゾートのコタイアリーナで、契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社の興行で海外プロデビュー。元WBCラテン・スーパーウエルター級王者カルロス・ナシメント(36=ブラジル)に4回TKO勝ちした。前夜は試合中の水分摂取の影響で体の重さを感じ、半身浴で汗を出したという村田は「ダメージが一番、なかった試合。今回こそ休まず、2~3日したらすぐに練習を再開したい」と傷がほとんどない顔から笑みをこぼした。
今年初戦でプロ初の海外試合でもあり、緊張感を持ってマカオ入り。試合後も異国を楽しむ時間もなかった。ラスベガス以上とも言われるカジノもあったが「計量や練習で通過しただけ。どんな街なのか、分からなかったですね。まあ現役生活が終わればいけますし」と苦笑した。
村田怒濤の11連打で3戦連続TKO勝ち
4回、ナシメントにTKO勝ちした村田は余裕の表情でガッツポーズ(撮影・山崎安昭)
<プロボクシング:村田諒太プロ3戦目8回戦>◇22日◇マカオ・ザ・ベネチアン・コタイアリーナ
ロンドン五輪男子ミドル級金メダルの東洋太平洋、日本同級1位・村田諒太(28=三迫)が、海外プロデビュー戦を白星で飾った。元WBCラテン・スーパーウエルター級王者カルロス・ナシメント(36=ブラジル)と73・4キロ契約体重8回戦で激突。3回に強烈な右アッパーでぐらつかせ、左フックでダウンを奪った。続く4回には怒とうの11連打ラッシュでレフェリーストップ。冷静な試合運びで同回43秒、3戦連続となるTKO勝ちを収めた。
本場米国を感じさせる舞台で、村田はクールだった。ド派手なライトアップ。大物リングアナのバッファー氏のコール、美女ラウンドガールの演出に包まれる中で「いい雰囲気で楽しめました」。日本の誇る金メダリストが躍動した。
冷静にナシメントの左ガードが下がるクセを見抜いた。3回、強烈な右アッパーが敵のアゴをとらえた。連打でロープに追い込み「体のバランスが良くないと難しい」という左ボディー、左フックの連打でダウンを奪取。ここで岡山県の祖父母宅でテレビ観戦した昨年大みそかの内山-金子戦が思い浮かんだ。「内山さんから金子選手がダウンを奪った後、近づきすぎるとパンチが当たらない」。いったんラッシュをやめた。
続く4回。「ここで決めなければ」。右フック3連発を皮切りに、打ち続けること計11連打のラッシュ。最後の右ストレートが入った同回43秒、レフェリーが試合を止めた。鄒市明(中国)、メホンツェフ(ロシア)の五輪金メダリスト3人で競演したリング・オブ・ゴールド興行。「1発を狙わず、初戦の華やかなイメージから解放された。驚くほど冷静でしたね」と村田。才能の輝きを放った。
約1カ月間の米ラスベガス合宿でのスパーリング中、練習相手の強烈なフックが腰に直撃した。赤く腫れ、ロードワークも中止に。マカオに移動する5日前からホテル宿泊に切り替えて患部のケアに専念した。帰国後の今月16日にやっと7キロの持久走ができた。調整遅れだったが「言い訳にしかならないので」とはね返した。この経験も大きな収穫だった。
昨年6月に契約を結んだ米プロモート大手トップランク社の主催興行は心地よかった。あこがれの元世界3階級制覇王者フェリックス・トリニダード(プエルトリコ)に自らの姿をだぶらせた。ウエルターからミドルで活躍し、90年代で最強の中量級との呼び声が高かった。「彼はスペイン語しか話せないのに米国で支持されたのはボクシングが面白いから。ボクも面白い試合がしたい」。世界に通じるボクサーへ-。村田がマカオで、その1歩を踏みだした。【藤中栄二】
◆村田諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれ。東洋大では04年の全日本選手権で初優勝。国内13冠。12年ロンドン五輪で日本人48年ぶり金メダル。13年1月にプロ転向し、同4月にA級プロテスト合格。身長182センチ右ボクサーファイター。
村田以外の金メダリスト2人も快勝
<プロボクシング:8回戦ほか>◇22日◇マカオ・ザ・ベネチアン・コタイアリーナ
ロンドン五輪男子ミドル級金メダルの東洋太平洋、日本同級1位・村田諒太(28=三迫)が、海外プロデビュー戦を白星で飾った。元WBCラテン・スーパーウエルター級王者カルロス・ナシメント(36=ブラジル)と73・4キロ契約体重8回戦で激突。冷静な試合運びで4回43秒、3戦連続となるTKO勝ちを収めた。
村田以外の五輪金メダリスト2人も快勝した。プロ4戦目で北京、ロンドン両五輪金の鄒市明(32=中国)はゴーキャットジム(タイ)と8回戦で拳を交え、3度のダウンを奪って7回KO勝ち。プロ転向後、初めてKOによる白星を挙げて4連勝とし「前回は勝ち急いだ。今回はチャンスを待てた」と満足顔。11月に予定される世界挑戦へ、弾みをつけた。ロンドン五輪ライトヘビー級金のイーゴリ・メホンツェフ(29=ロシア)もプロ2戦目の6回戦で2回TKO勝利を飾った。
村田、最短10戦で世界挑戦も
<プロボクシング:村田諒太プロ3戦目8回戦>◇22日◇マカオ・ザ・ベネチアン・コタイアリーナ
ロンドン五輪男子ミドル級金メダルの東洋太平洋、日本同級1位・村田諒太(28=三迫)が、海外プロデビュー戦を白星で飾った。元WBCラテン・スーパーウエルター級王者カルロス・ナシメント(36=ブラジル)と73・4キロ契約体重8回戦で激突。冷静な試合運びで4回43秒、3戦連続となるTKO勝ちを収めた。
村田をサポートする帝拳ジムの本田会長は、最短10戦目で世界挑戦させる可能性を口にした。冷静沈着に攻めてTKO勝ちした内容に「普通の選手の5、6戦分の経験を積んだ。こだわっていないが、10戦目の世界戦があるかも」と評価。会場のあるホテルの興行担当から、女性イベントダンサーの1番人気が村田だと伝え聞き「スター性もあるね」と絶賛した。9月もトップランク社主催のシンガポール興行、来春は米ラスベガスで元6階級制覇王者パッキャオの試合の前座で米デビュー見通し。同会長は「来年が勝負だね」と話していた。
村田3戦目ナシメントにTKO勝ち/詳細
TKOで勝利した村田(撮影・山崎安昭)
<プロボクシング:村田諒太プロ3戦目8回戦>◇22日◇中国マカオ・ザ・ベネチアン・コタイアリーナ
ロンドン五輪ミドル級金メダルの村田諒太(28=三迫)が、プロ3戦目で元WBCラテン・スーパーウエルター級王者カルロス・ナシメント(36=ブラジル)に4回43秒TKO勝ちした。
|-y村田諒太(28=三迫)y-|○|TKO||4回43秒|×|-yカルロス・ナシメント(36=ブラジル)y-|
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【1回】
村田は上体を左右に動かして左ジャブを出していく。中盤から接近戦になり、村田の右ストレートがナシメントの顔面をとらえた。終盤に入って、再び距離を縮めてくるナシメントに対し、村田は様子を見るようにガードを固める。ラスト10秒、村田は右アッパー、ストレートをヒットさせた。
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【2回】
距離を詰めて左右のフックを繰り出すナシメントに対して、村田はジャブでけん制する。村田がじりじり距離を詰めてナシメントをロープ際に下げ、ワンツーをクリーンヒットさせる。終盤になっても村田ペースは続き、立て続けに右ボディストレートを当てた。
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【3回】
村田はジャブから右ストレート、ボディを出していく。ジャブが小気味よくナシメントの顔面をとらえる。残り1分、村田が右アッパーでナシメントをぐらつかせ、そこからはラッシュを見せ右ストレート、アッパー、左フックと次々にヒットさせる。残り30秒、左フックでついにダウンを奪う。起き上がったナシメントをさらに攻め、コーナーに追い詰めて連打を浴びせたが、再度のダウンは奪えずゴングが鳴った。
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【4回】
村田は、ナシメントがコーナーに下がった30秒過ぎから一気にラッシュ。右ストレート、ボディと上下に打ち分け、ナシメントをとらえる。なすすべなく村田の連打を浴びるナシメントに43秒、レフリーが間に入り試合を止めた。村田がTKO勝ちでプロ入り3連勝とした。