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パッキャオRIZIN“参戦”か榊原氏が帰国後発表

19年1月19日、ブロナー(左)にパンチを放つパッキャオ(USA TODAY/ロイター)

総合格闘技のRIZIN榊原信行実行委員長(55)が8日、ボクシング6階級制覇王者で現WBA世界ウエルター級王者のマニー・パッキャオ(40=フィリピン)と接触したことを明かした。同日に自らのツイッターを更新し、パッキャオと握手を交わす写真も掲載した。今後の関係など詳細については同実行委員長が帰国次第、説明する予定。昨年大みそかに元5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(42=米国)をリングに上げたRIZINが、新たな仕掛けを始めた。

      ◇       ◇

榊原実行委員長のツイッターには穏やかな表情のパッキャオの写真が掲載されていた。書類に目を通し、6階級制覇王者との握手を交わしたツーショットが並んだ。同実行委員長は「現在、実はフィリピンに来ています。メイウェザーに続き、RIZIN15ではこの男と新たな仕掛けを行います。帰国したらすぐに発表しますので、楽しみにしていてください」とつづった。21日、横浜アリーナで開催されるRIZIN15大会に向け、何らかの交渉をしたことを示唆した。

交渉の内容については明らかにされていない。RIZIN側によれば、榊原実行委員長は9日に帰国する予定で、同日にパッキャオ側と交渉した詳細について説明するという。昨年大みそかのRIZIN14大会(さいたまスーパーアリーナ)では、50戦無敗の5階級制覇王者メイウェザーと契約を結び、キックボクシング界の「神童」那須川天心(20)とのボクシングルールのエキシビション戦を実現したばかり。今度はメイウェザーのライバルのパッキャオに触手を伸ばした形となる。

15年5月に実現したメイウェザーVSパッキャオ戦はファイトマネーだけで両者合わせて3億ドル(約330億円)以上+PPVで出来高報酬があった。メイウェザーと違い、パッキャオは現役の世界王者。今年1月にはエイドリアン・ブローナー(米国)を判定で下して初防衛に成功したばかりだ。次戦はIBF世界同級王者エロール・スペンス(米国)と統一戦に臨む可能性もある注目の選手だ。

RIZINが国内のボクシング公式戦を行うことはできないが、メイウェザー戦のように那須川らとエキシビションや他ルールでの対戦は可能。榊原実行委員長が帰国後に明かす内容に注目が集まりそうだ。

◆マニー・パッキャオ 1978年12月17日、フィリピン生まれ。95年1月プロデビュー。98年12月にWBCフライ級王座獲得。その後スーパーバンタム、スーパーフェザー、ライト、ウエルター級の世界王座を獲得。10年11月にはWBC世界スーパーウエルター級王座決定戦を制して、史上2人目の6階級制覇。ことし1月19日には、40歳にしてWBA世界ウエルター級王座の防衛に成功し、10代、20代、30代、40代でも世界ベルトを巻く偉業を達成。母国では下院議員。愛称はパックマン。169センチの左ボクサーファイター。

▼大みそかの「世紀の一戦」メイウェザー対那須川戦 メイウェザーが18年10月にRIZINへ出場をオファーし、榊原実行委員長は相手に那須川を指名。11月5日、都内で2人そろって対戦を発表した。だがルールが決まらず、8日にメイウェザーが突然、試合中止の意向を表明。これを受けて渡米した榊原実行委員長が試合を予定通り実施すると16日に発表。翌日の会見で「ノン・オフィシャル・ファイト、非公式戦です」とほぼメイウェザーの主張を受け入れた。

また、那須川のキック1発に対し、500万ドル(約5億5000万円)の違約金が設定されていることが判明。さらにメイウェザーはインスタグラムの画像にファイトマネーが「9分で900万ドル(約9億9000万円)」とほのめかす文章を投稿。リング外が注目されたが、31日の試合は、那須川から3度ダウンを奪い1回2分19秒、TKO勝ち。那須川のパンチが左頬をかすめた瞬間、本気モードに突入。33連勝の那須川を子ども扱いし、格の違いを見せつけた。

18年12月、メイウェザー(右)のパンチを食らいダウンする那須川

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K1卜部弘嵩は調整順調!妻高橋ユウに捧ぐベルトを

練習後、気合をみせる卜部兄弟の兄弘嵩

K-1スーパー・フェザー級王者の武尊(27)、卜部兄弟の兄弘嵩(29)、ライト級王者の弟功也(28)らが28日、神奈川県内で3月10日に開催する「ケイズフェスタ2」(さいたまスーパーアリーナ・メインアリーナ)に向けた練習を公開した。

卜部兄弟の兄弘嵩は、力のこもった練習を披露。武尊とともに米国合宿を行うなど順調に調整してきた。「しっかり追い込んできた。今は疲れがたまっているが予定通り。スーパーフェザーの頃とは疲れが違う。回復は早い」と上々の仕上がりを伝える。

妻にささげるベルトに挑む。17年2月にスーパー・フェザー級王座から陥落した。その試合は、妻でモデルの高橋ユウがK-1を初観戦した試合だった。だからこそ、「結婚してチャンピオンになったところをみせたい。疲れていてもモチベーションになる」と気合十分。2階級制覇を目指し、フェザー級王者の村越優汰に挑む。

ライト級王者の弟功也は、同門の林健太と対戦する。ともに汗を流したかつての後輩に「急激に伸びている印象」と話すが、「1人の対戦相手としか考えていない。集中している」と王座を譲るつもりはない。

練習後、気合を入れる卜部兄弟の弟功也

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拳四朗V5、拓真は判定勝ち、伊藤V1/世界戦詳細

WBC世界ライトフライ級王者拳四朗(26=BMB)は同級7位サウル・フアレス(28=メキシコ)を判定で下し5度目の防衛。

WBA世界バンタム級王者井上尚弥(25=大橋)の弟でWBC世界バンタム級5位井上拓真(23=大橋)は判定勝ちで亀田3兄弟以来となる国内2例目の兄弟王者となった。

国内で初の世界戦メインを務めるWBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(27=伴流)は同級1位エフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)を7回TKOで下し2度目の防衛に成功した。

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦


王者拳四朗(26=BMB)判定(3ー0)サウル・フアレス(28=メキシコ)

終始試合を支配した拳四朗が危なげなく判定勝ちした。序盤から距離を保って闘い、2回にはパンチが顔面を捉える頻度が増えた。中盤からは上下に打ち分けてダメージを与えた。フアレスをコーナーに追い詰める場面もあったが、ダウンを奪うには至らなかった。フアレスは前に出る迫力に乏しく、有効打も少なかった。

「すごくフアレス選手が頭を動かして。相手に合わせすぎたこところあって反省点。素直に喜べないけれど。来年につなげられたらと思います。(この1年で)やっぱ距離的は成長したかなと。また距離が分からなくなって相手に付き合いすぎた。また反省して、強くなるので」

4回、フアレスにパンチを見舞う拳四朗(撮影・たえ見朱実)

8回、サウル・フアレス(左)に右パンチを放つ拳四朗(撮影・小沢裕)

フアレスに判定勝ちしダブルピースする拳四朗(撮影・鈴木みどり)

WBC世界バンタム級暫定王座決定戦12回戦


井上拓真(23=大橋)判定(3ー0)タサーナ・サラパット(25=タイ)

井上拓は賢く闘い、逃げ切った。1、2回は攻勢を仕掛けてポイントを取った。3回からはフットワークを使って後退しながら有効打を稼いだ。タサーナの出はなや打ち終わりに、左フックや右を的確に合わせた。4回には右のカウンターでぐらつかせた。タサーナは前進を繰り返したが、最後まで間合いをつかめず、打撃の威力、的中率とも欠いた。

「最高です。みなさんの声援のおかげで最後まで踏ん張ることができました。1回でインパクトある試合を狙いすぎてズルズルいってしまった。こんな内容じゃナオ(兄尚弥)に並んだとは言えない。これから並べるように精進していきたいです。まだまだ暫定。正規のチャンピオンじゃないので喜んでいられない」

2回、サラパットにパンチを見舞う井上拓(撮影・たえ見朱実)

6回、サラパット(右)に左パンチを放つ井上拓。左はセコンドで見守る兄尚弥(撮影・小沢裕)

サラパットに勝利した井上拓(右)は兄尚弥と記念撮影(撮影・鈴木みどり)

WBO世界スーパーフェザータイトルマッチ12回戦


王者伊藤雅雪(27=伴流)TKOエフゲニー・チュプラコフ(28=ロシア)

伊藤が冷静な試合運びを披露した。立ち上がりは頭を下げて密着する相手にてこずったが、中盤以降は的確なジャブとフットワークを生かしたワンツーから主導権を握る。5回からは出足の鈍った相手をロープ際に追い詰めて有効打を当て、7回の連打で一気に畳み掛けて仕留めた。チュプラコフは粘り強く食い下がったが、手数が少なかった。

「僕には一撃必殺のパンチもないですし、井上尚弥君みたいなスペシャルな選手にもまだまだなれないですけど、ハートがある。そういう気持ちをどんどん見せていって、僕にしかなれないチャンピオンになっていきたい。来年はもっと大きな試合をして、強い相手とどんどん戦っていきたい」

1回、チュプラコフにパンチを見舞う伊藤(撮影・たえ見朱実)

7回、チュプラコフ(右)をコーナーに追い詰めTKO勝ちを収めた伊藤(撮影・小沢裕)

エフゲニー・チュプラコフに勝利し、初防衛を果たした伊藤(撮影・たえ見朱実)

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田中恒成“フライ級ウォーズ”で木村に学んだ心意気

12回、激しく打ち合う田中(右)と木村(撮影・前田充)

<プロボクシング:WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇24日◇愛知・武田テバオーシャンアリーナ

挑戦者の田中恒成(23=畑中)が世界3階級制覇を達成した。王者木村翔(29=青木)との壮絶な打ち合いを制し、2-0判定勝ち。プロ12戦目での達成は怪物王者ワシル・ロマチェンコ(ウクライナ)と並ぶ世界最速。国内ジム所属選手では7人目、日本人では6人目の快挙となった。23歳3カ月での到達は日本人最年少。最終目標を世界5階級制覇に置くドリームボーイが底力を見せつけた。

最終12ラウンドに起こった究極のどつき合いに、場内が沸いた。右ストレートを2度打ち合った後、3度目が出た。田中が「2発いって、やらせじゃないけど“もう1発いくぞ”というか。互いに触発されたというか」と苦笑いした。木村と呼吸を合わせ、右拳を振るった。壮絶な拳闘が昇華し、前代未聞の映画のようなシーンが生まれた。

田中は足を止め、木村と向き合った。タフさとハートが武器の王者に闘牛のように頭をつけた超接近戦に応じた。後半は足を使って距離もとったが、合間に必ずコンビネーションを打ち込んだ。

最後のゴングと同時に木村と抱き合い「疲れたんで座っていいですか?」と断り、へたり込んだ。力を出し切り、判定で勝った。「まず木村チャンピオンに僕より大きな拍手を送ってください」が、勝利者インタビューの第一声だった。

世界戦3戦連続KO勝ちの王者に挑むには「根性」が必要だった。走った。8月中旬から4度、畑中会長らが現役時代に訪れた、名古屋市の通称“チャンピオンロード”大高緑地公園で外周約4キロを2本、急斜面の坂道150メートルダッシュを5本。9月は他の場所で急坂、階段で走った。スパーリング回数を減らしてまで、本番10日前まで走った。田中は「初心に帰る意味もあった」。2階級制覇達成から“慣れ”を感じていた。

名勝負を制し「生涯忘れられない試合になった」という田中に対し、父の斉(ひとし)トレーナー(51)は「木村選手を雑草、恒成をエリートと言うけど、どうです? 雑草でしょ? 泥臭いでしょ?」と顔を腫らした息子に誇らしげだ。

ロマチェンコと並ぶ世界最速の世界3階級制覇を成した。しかし、田中は「全然及ばない」と笑い飛ばす。夢の世界5階級制覇を思えば、スーパーフライ級、バンタム級もある。畑中会長は「フライ級ウォーズだね」と防衛戦をにらむが、遅くとも3戦後にはスーパーフライ級転向の意向だ。

田中は「この試合で新しい強さを手にできる気がする」と話していた。木村に学んだものがある。「心意気。(王者が)敵地に来て。かっこいいじゃないですか」。忘れていた闘争心を取り戻し、夢への中間地点を通過した。【加藤裕一】

◆田中恒成(たなか・こうせい)1995年(平7)6月15日、岐阜・多治見市生まれ。父斉さんに幼少から空手を習い、本格的なボクシングは市之倉小6年から。中京(現中京学院大中京)高で高校4冠。13年プロ転向。15年にWBOミニマム級で日本最速5戦目の世界王座奪取。16年に8戦目で同ライトフライ級王者になり、井上尚弥と並ぶ日本最速の世界2階級制覇。中京大経済学部卒。家族は両親と兄、妹。164センチの右ボクサーファイター。

◆ワシル・ロマチェンコ 1988年2月17日、ウクライナ生まれ。オリンピック2連覇などアマ通算396勝1敗。WBOフェザー級、同スーパーフェザー級と世界最速7戦目で2階級制覇。今年5月にWBAライト級スーパー王座を奪取し、世界最速12戦目3階級制覇。11勝(9KO)1敗。サウスポー。

3階級制覇を達成した田中恒成(撮影・前田充)

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武尊「守るより挑戦」スーパーフェザー級転向も視野

ビクトー・サラビアにKO勝ちした武尊

 K-1フェザー級世界王者・武尊(25)が23日、都内で会見し、22日の復帰戦のビクトー・サラビア(23=米国)とのスーパー・ファイトを振り返った。

 「K-1 WGP 2017」(東京・代々木第2体育館、日刊スポーツ新聞社後援)で行われた同試合では、3回にサラビアの後ろ回し蹴りが金的となり、激痛と吐き気に襲われたが、武尊は「久々の試合がこんな形で終わったら白けちゃう」と気力で試合に戻った。結果は連打で3回2分23秒に鮮やかなKO勝ち。「スター武尊」の真骨頂を見せた。

 「K-1 WGP」は6月以降、さいたまスーパーアリーナで開催されるが、この日、すっかりリラックスした様子の武尊は「さいたまは、たまの調子次第で出る」と言って笑わせる一幕も。そして、今後の構想を明かした。

 「今の自分はこの階級がベストなので、防衛したい」と前置きしながら、「守るより挑戦の方が僕に合っていて、モチベーションが上がる。上に挑戦していきたいと思う」と、60キロのスーパーフェザー級への近い将来の転向も視野に入れていた。

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内山高志「確かめたい」スパーリング後に進退決断へ

内山は国税庁のイメージキャラクター「イータ君」と一緒にPR(撮影・阿部健吾)

 ボクシングのWBA世界スーパーフェザー級前王者内山高志(37=ワタナベ)が、現役続行する場合の青写真を口にした。13日、故郷の埼玉・春日部市の春日部税務署で、インターネットを使った納税システム「e-Tax」をPR。

 昨年末のジェスレル・コラレス(パナマ)との再戦に敗れ、現在は進退は保留中だが、「近々スパーリングをして、まだいけるかどうかを確かめたい」と明かした。

 中途半端な気持ちでの現役続行の意思はなく、いまは自身と向き合っている最中。スパーリングをするのは、年齢による反射神経などの衰えがないかを確認するためで、「1つの判断材料ですね」と述べた。試合での大きなダメージもなく、いままで通りにロードワーク、練習も行っているという。

 また、続行の場合についても、明確なビジョンを示した。コラレスとの3度目の対戦については、「向こうも嫌じゃないですかね。もし続けるならば、(WBA以外の)他でやるのもありですかね」。階級については「スーパーフェザーが減量もないですし、ライトに上げることはないですね」と変更なしとした。

 イベントの最後には「進退が決まり次第、お伝えします」とファンへメッセージを送っていた。

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長谷川2度ダウンも辛勝 フェザー級で再度世界へ

判定勝利後、会見に臨む長谷川

<プロボクシング:ノンタイトル10回戦>◇11日◇神戸市立中央体育館◇57・6キロ契約

 元2階級王者の長谷川穂積(34=真正)が、逆転判定で再起戦2連勝を飾った。WBO世界スーパーフェザー級5位カルロス・ルイス(22=メキシコ)に3、5回に計2度のダウンを奪われたが、不屈の闘志でポイントを稼ぎ、3-0の逆転判定勝ち。来春にも計画する世界再挑戦へ課題を残したが、熟練の技を披露した。長谷川の戦績は40戦35勝(15KO)5敗。

 長谷川が、命拾いした。2度ダウンを奪われながら、最終10回まで懸命に粘り抜いた。巧みなフェイントと、根性のラッシュも見せた。ジャッジ3人の結果は、95-94、95-93、96-93の僅差判定勝ち。元2階級王者の総合力で、22歳の若き難敵を下した。

 「これが僕の実力。勝ったのは勝ったけど、思うような内容の試合はできなかった。自分の期待を裏切った」と長谷川。左まぶたの下が青ずんだ痛々しい姿ながら、はっきりした口調で苦闘を振り返った。

 1階級上のルイスに、まともに右ストレートを食らった。3回は何とか8カウントで立ち上がり、5回も必死の形相ではい上がった。プロ40戦目で最も重い相手のパンチは、予想以上だった。それでも長谷川は「ダウン以外は完勝。技術的にも最低限は納得している」と言いつつ「同じパンチで2度ダウンしたのは初めて。上の階級だし、正直パンチがありましたね」と苦笑した。

 再び世界へ挑む夢をつなげるためにも、負けられなかった。5月から本格的に筋連動トレーニングを導入。「尻の皮がズルむけになった」というほど激しく自転車をこぎ、休む間もなく横や前後のジャンプを繰り返した。最初はわずか1分で足が痛み、よろめいたが、最近は5セット計15分をこなす。指導する早川怜トレーナー(34)は「体の回復力は当初の2倍になった。脂肪量は減って筋肉量は約5キロ増えた」。逆転できた裏には、厳しい鍛錬があった。

 陣営は海外開催も視野に入れ、早ければ来春の世界戦実現へと動く。「遊ぶ試合をしている暇はない。前向きに考えていく」と山下会長。「スーパーフェザーはもういい」と長谷川が言うように、照準はフェザー級だ。適正階級でもう1度世界へ挑む。【木村有三】

 ◆長谷川穂積(はせがわ・ほづみ)1980年(昭55)12月16日、兵庫・西脇市生まれ。99年11月にプロデビュー、05年4月に世界初挑戦でウィラポンを破ってWBCバンタム級王者となり、10度防衛。10年11月に2階級上げてWBCフェザー級王座を獲得し2階級制覇。身長168センチの左ボクサー。

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高山94連発TKOで日本人初4団体制覇

勝利し、肩車される高山(撮影・田崎高広)

<プロボクシング:IBF&WBO世界ミニマム級王座決定戦12回戦>◇12月31日◇大阪・ボディメーカーコロシアム

 高山勝成(31=仲里)が、日本人初の世界4団体制覇に成功した。日本ミニマム級王者の大平剛(30=花形)を7回2分24秒TKOで下し、IBFとWBOの両王座を獲得。ただ1つ手にしていなかったWBOを射止め、同級では世界初の4団体ベルト総なめを実現した。身長158センチの「小さな巨人」が快挙を成し遂げた。

 打ちまくった。殴りまくった。夢をかなえるため、高山が鬼になった。7回だ。大平をロープに追い詰めると、右から、左から、下から、パンチを打ち続けた。「チャンスなのでこの回で仕留めるつもりでいった」。何とか踏ん張る相手に、レフェリーが止めるまで94連打。世界戦では自身初のTKOで、日本人初の4団体制覇を成し遂げた。

 「4団体とるために11年間、ミニマム級にとどまって突っ走ってきた。やっと達成できたことを誇りに思うし、うれしいです」。最軽量級での4冠は世界初。158センチの小さな体に、4本のベルトを巻きつけて偉業の喜びに浸った。

 一時は消えかけた夢だった。8月の王座統一戦で敗れ、去就を迷った。リングから遠ざかって「引退したつもりで過ごしてた」。春から通う愛知・菊華高で、15歳も年の離れた同級生と触れあった。トルネードポテトを売った9月末の文化祭では「次も頑張ってくださいね」と声を掛けられた。心に火がついた。「引退は、まだ早い。やられたらやり返す」。入場曲は映画ロッキーから選んだ。4回まではジャッジ3人とも大平優位の展開だったが、強い思いのこもった拳で打開した。

 3度目の世界王座返り咲きも日本初。今後の夢も、3団体統一や2階級制覇へ広がる。小さな高山の体には、底知れぬパワーが詰まっている。【木村有三】

 ◆高山勝成(たかやま・かつなり)1983年(昭58)5月12日、大阪市生まれ。中2でボクシングを始める。01年ライトフライ級で全日本新人王獲得。05年WBC世界ミニマム級王座、06年11月WBA同級暫定王座、13年IBF同級王座獲得。158センチの右ボクサーファイター。

<高山記録アラカルト>

 ◆4団体制覇 日本人は高山が初。海外ではバーナード・ホプキンス(米国)が09年9月にミドル級で4団体統一。元世界5階級制覇王者ノニト・ドネア(フィリピン)は、11年2月にアジア勢初の4団体制覇を達成。元世界6階級制覇王者のオスカー・デラホーヤ(米国)も4団体を制している。

 ◆ミニマム級の4団体制覇 世界でも例はなく高山が初。WBCでV22のリカルド・ロペス(メキシコ)はWBA、WBOを制覇も同級では3団体止まりで、その後階級を上げライトフライ級でIBF王座を獲得。

 ◆4本目ベルト 高山が日本初。3本獲得者は柴田国明(WBCフェザー、同スーパーフェザー、WBAスーパーフェザー)、亀田興毅(WBAライトフライ、同バンタム、WBCフライ)、井岡一翔(WBA&WBCミニマム、WBAライトフライ)の3人。

 ◆3度目の世界王座返り咲き 日本では高山が初。過去に2度返り咲いているのは柴田国明、輪島功一、辰吉丈一郎、亀田興毅の4人(王座返上後の獲得も含む)。

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井岡3階級制覇なら1000万円ダイヤも獲得

父の一法会長相手にミット打ちを行う井岡(撮影・清水貴仁)

 井岡一翔(25=井岡)が「長谷川魂」を引き継いで最速3階級制覇を狙う。7日のIBF世界フライ級戦(大阪・ボディメーカーコロシアム)へ向けて1日、大阪市内のジムで練習を公開した。4月23日の世界戦で敗れて引退濃厚となった長谷川穂積(33)の戦いぶりに「胸を打たれた」と感銘。勝利時には1000万円相当のダイヤモンドが贈呈されることも決定した。仕上がりは万全で、長谷川の後を継ぐ“日本のエース”が必勝態勢で臨む。

 井岡が、自信の表情でうなずいた。「順調に仕上がってきている。減量が少し楽になった分、練習の質も上がった」。亀田興の25戦目を大幅に更新する15戦目での最速&無敗3階級制覇へ、必勝態勢を整えた。

 いつも冷静な心に、火がついていた。4月23日、大阪城ホールに出向き、長谷川の世界戦を観戦した。敗れはしたが、進退を懸けて全力で3階級制覇に挑む姿に心が震えた。「すごく胸を打たれた。気が引き締まりました。最後まで諦めない気持ち、激しく打ち合う戦い様に、言葉はいらないでしょ」。井岡が高校生のころ、長谷川は既に世界王者に君臨していた。「日本のエース、日本のボクシング界を引っ張っていた方」と憧れの存在だった。

 井岡がプロ転向後、対談する機会もあった。「世界王者として見られるプレッシャーは感じませんか?」。そう質問すると、長谷川からは「世界王者だからではなく、1人のボクサーとして向上心を持つこと」と、諭された。同じ関西の偉大な先輩へ、今度は井岡が魂のボクシングを見せる番だ。「僕が3階級制覇して、長谷川さんに何か刺激を与えられれば」と、口元を引き締めた。

 スポンサーの宝石店「プラウジェ」(大阪市)からは、勝てば3階級にちなんで3カラットのダイヤモンド(1000万円相当)が贈られることも決定。WBC&WBAミニマム、WBAライトフライに続く4本目のベルト獲得なら日本人初にもなる。「日本のボクシング界を背負って、盛り上げていく気持ちがある」。名実ともに日本のエースへ、井岡が名乗りを上げる。【木村有三】

 ◆4本目のベルト 井岡が勝てばWBA&WBCミニマム、WBAライトフライに続く4本目で日本人初。異なる3本の世界ベルト獲得者は井岡の他に、柴田国明(WBCフェザー、同スーパーフェザー、WBAスーパーフェザー)、亀田興毅(WBAライトフライ、同バンタム、WBCフライ)、高山勝成(WBA暫定&WBC&IBFミニマム)がいる。

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粟生、ライト級転向「3階級制覇」本気

ミット打ちを行う粟生(撮影・中島郁夫)

 元世界2階級制覇王者の粟生隆寛(29=帝拳)が世界前哨戦を前に、3階級制覇を目指す意向を示した。10日に東京・両国国技館でエドガー・ロメリ(23=メキシコ)とのノンタイトル10回戦を控え、6日に都内の所属ジムで練習を公開。WBC世界フェザー級、同スーパーフェザー級と2階級で王座を獲得してきた粟生は「今は3階級に目がいっている」とライト級に転向し、再び世界王者になる強い意気込みを口にした。

 昨年10月に王座陥落した後、今年7月、米国でハーディ・パレデス(チリ)に2回KO勝ちして再起戦を飾った。この試合はライト級で戦い「体がしっくりいきましたし、この体重が戦いやすいと感じた」とキッパリ。また今春から元キューバ代表トレーナーのイスマエル・サラス氏の指導を受け「足の運び方やテクニックなどを吸収できている」と新たな刺激も加わり、新階級への挑戦に気持ちが高まったようだ。

 帝拳プロモーションの浜田剛史代表が「世界前哨戦だと思ってください」としたロメリ戦。粟生は「こいつは世界戦をやっていいと言われる試合をしたい」と一発回答を出す自信をみなぎらせた。【藤中栄二】

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粟生が世界前哨戦へ「元気な姿見せたい」

ミット打ちを行う粟生(撮影・中島郁夫)

 世界前哨戦に挑む粟生隆寛(29=帝拳)が6日、都内のジムで練習を公開した。

 10日に東京・両国国技館でアラン・エレラ(24=メキシコ)との10回戦に臨む。国内では昨年10月にWBC世界スーパーフェザー級王座から陥落して以来の試合。「応援も多いので元気な姿を見せたい」と力が入る。世界挑戦はスーパーフェザー級とライト級を視野に入れるが「今は3階級に目がいっている。ライト級の方が動きやすい」と話す。浜田代表は「世界前哨戦になる」と明言し、粟生も「強くなった。世界をやらせたいと思わせる試合を」と誓った。

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パッキャオぴくりとも動かず/ボクシング

マルケス(左)の左アッパーを食らうパッキャオ(AP)

<プロボクシング:ウエルター級12回戦>◇8日(日本時間9日)◇米ネバダ州ラスベガスMGMグランド・ガーデン

 元6階級制覇王者マニー・パッキャオ(33=フィリピン)が、壮絶なKO負けを喫した。4階級制覇王者ファン・マヌエル・マルケス(39=メキシコ)と4度目となる因縁の一戦。ともにダウンを奪う、目の離せない打ち合いから6回2分59秒、カウンターの一撃でキャンバスに沈み失神した。パッキャオは今年6月のWBO世界ウエルター級王座3度目の防衛に失敗してから2連敗。マルケスは55勝(40KO)6敗1分け、パッキャオは54勝(38KO)5敗2分けとなった。

 ボクシング界の今年一番の事件だ。あのパッキャオがキャンバスに沈んだままぴくりとも動かない。リングサイドの観客が、大きく口を開いたまま凍り付いた。攻めていたのはパッキャオだった。誰もが、ゴングに救われるマルケスを想像したはずだ。しかし、ロープに詰まったマルケスの、こん身の右ストレートが伝説をつくった。

 過去パッキャオの2勝1分けながら、さまざまなドラマを生んだ2人の対決。「もう5度目はない」と宣言したパッキャオと、一矢報いたいマルケス。ともに決着を望んだ戦いは、序盤から緊張の連続だった。3回にマルケスが、右フックでパッキャオを倒す。しかし、5回にはパッキャオが反撃し、左ストレートでダウンを奪い返した。

 6回は、パッキャオが5回の勢いのまま攻勢に試合を進め、残り10秒からラッシュ。流れは明らかにパッキャオ。試合を解説した元WBC世界スーパーバンタム級名誉王者の西岡利晃氏は「あのラウンドを乗り切れば、完全にパッキャオの勝ちだった。39歳のマルケスは本当にすごい。映画よりドラマチックに勝ってくれた」と試合を絶賛した。

 得意のカウンターで勝利したマルケスは「私の方が強いことも速いことも分かっていた」とご機嫌。一方、失神から回復したパッキャオは「ちょっと自信過剰だったかもしれない。ちょっと休んで数カ月後にトレーニングを再開するよ」と、再起に意欲的だった。

 ◆ファン・マヌエル・マルケス 1973年8月23日、メキシコ市生まれ。8歳でボクシングを始めアマ戦績は32勝1敗。93年5月にプロデビュー。03年2月にIBF世界フェザー級王座獲得。その後、WBA、WBO、WBCと主要4団体でスーパーフェザー、ライト、スーパーライトの4階級を制覇し、現在はWBO世界スーパーライト級王者。身長170センチの右ボクサーファイターでニックネームは「ダイナマイト」。弟のラファエル・マルケスも2階級制覇王者。

 ◆マニー・パッキャオ 1978年12月17日、フィリピン生まれ。95年1月プロデビュー。98年12月にWBCフライ級王座獲得。その後スーパーバンタム、スーパーフェザー、ライト、ウエルター級の世界王座を獲得。10年11月にはWBC世界スーパーウエルター級王座決定戦を制して、史上2人目の6階級制覇。母国では下院議員。愛称はパックマン。169センチの左ボクサーファイター。

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パッキャオぼう然7年ぶり●/ボクシング

コーナーで、うつろな表情で天を見つめるパッキャオ(AP)

<プロボクシング:WBO世界ウエルター級タイトルマッチ12回戦>◇9日(日本時間10日)◇米ネバダ州ラスベガスMGMグランド・ガーデンアリーナ

 世界6階級制覇王者でWBO世界ウエルター級王者のマニー・パッキャオ(33=フィリピン)が、7年ぶりに敗れた。WBO世界スーパーライト級王者ティモシー・ブラッドリー(28=米国)に1-2の判定負けで、4度目の防衛に失敗した。場内にブーイングが起きるほどの際どい判定だったが、05年3月のエリック・モラレス戦以来の屈辱の黒星。超人と呼ばれるが、最近は衰えを指摘する声もあった。秋に予定する再戦で、復活を証明するしかない。パッキャオの戦績は54勝(38KO)4敗2分け。

 場内のブーイングとは対照的に、パッキャオは淡々としていた。ポイント有利と思われた中、まさかの1-2の判定負け。6階級制覇の超人は苦笑いし、勝者のブラッドリーと抱き合った。微妙な判定があるのもボクシング。「勝ったと思った」と判定に納得はしないが、潔く敗北は認めた。

 パッキャオは攻め込み、要所で得意の左を打ち込んだ。一方のブラッドリーはスピードで攻撃をかわしながらカウンターを狙った。有効打の数はパッキャオだったが、テレビ解説を務めた元WBC世界スーパーライト級王者の浜田剛史氏は「最近はブロックされたパンチもポイントになる」と手数重視のジャッジの傾向を分析した。

 微妙な判定に泣いたが、かつてのような絶対的な強さがなかったのも事実。09年11月以来、KO勝利はない。フィリピンの英雄として10年5月から国会議員も兼職するなど多忙な日々。昨年11月のマルケスとの前戦は判定勝ちも、大苦戦した。この試合に向けては、大好きな酒、夜遊びも控え、ボクシングに集中してきたが、相手を倒しきることはできなかった。

 完全決着をつけるため、両者は11月の再戦に合意。パッキャオは「何をやるべきかは分かっている」と闘志をみなぎらせた。将来的には現在収監中で、不敗の5階級制覇王者フロイド・メイウェザー(35=米国)戦が期待される。総額100億円ともいわれるビッグマッチを実現するためにも、再戦でリベンジし、超人の健在ぶりをアピールする。

 ◆マニー・パッキャオ 1978年12月17日、フィリピン生まれ。95年1月プロデビュー。98年12月にWBCフライ級王座獲得。その後スーパーバンタム、スーパーフェザー、ライト、ウエルター級の世界王座を獲得。10年11月にはWBC世界スーパーウエルター級王座決定戦を制して、史上2人目の6階級制覇。母国では下院議員。愛称はパックマン。169センチの左ファイター。

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粟生 世界4階級獲る

後援会主催の祝勝会に参加した粟生

 WBC世界スーパーフェザー級王者の粟生隆寛(28=帝拳)が20日、日本人初の世界4階級制覇を目標に掲げた。日本人では亀田興毅の3階級制覇が最多。現在、フェザー、スーパーフェザーの2階級を制覇している粟生は、ライト、スーパーライト級で世界の頂点を目指していく。

 「強い選手を倒して、ゆくゆくは日本人初の4階級制覇を狙いたい」。9月予定の4度目の防衛戦は、指名試合の前戦に続き、同級1位にランクされるディエゴ・マグダレノ(米国)を逆指名。ラスベガスを主戦場にする22戦全勝の最強挑戦者だが、強い相手に勝ち続け、価値ある複数階級制覇王者になる覚悟だ。

 この日は千葉市内で後援会主催の祝勝会に出席。年内にはWBA王者内山高志との王座統一戦の夢もあるだけに「自分を追い込んで、もっと強いボクサーになるように頑張ります」と力強く宣言した。【田口潤】

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