久保春平が喜界島初の全日本新人王 S・フライ級

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇スーパーフライ級◇無観客開催
スーパーフライ級で、東軍の久保春平(23=宮田)が4回TKO勝ちで鹿児島・喜界島初の全日本新人王となった。西軍の杉本太一(22=勝輝)と拳を交え、ワンツーを軸に攻めるとパワーで押し続けた。4回には激しい打ち合いもみせ、連打で攻め続けてレフェリーストップ。4回2分29秒、TKO勝ちし、東日本新人王MVPにも輝いた実力を発揮した。
久保は「うれしい気持ち。まだ通過点。これから強い選手と戦えることにワクワクしている」と笑顔。1月に左ふくらはぎを肉離れし、スタミナの不安があった。さらに前日計量後、5年前から悩まされる持病の潰瘍性大腸炎の症状で下痢となるアクシデントもあった。「調子が悪くても勝てる自信があった。もらうパンチも予定通り、本当にフィニッシュまで想定内だった」と自信に満ちた表情を浮かべた。
地元小学校の体育館ではパブリックビューイングも開かれた。小、中、高校の生徒から激励の手紙などをもらっていたという。久保は「コロナの影響で島のイベントもなかったので、盛り上がってくれたみたいです」とほっとした表情を浮かべつつ「まだまだボクはたたき上げで、センスもなく、うまいボクサーではないが、伸びしろしかない。自分を信じて世界へ羽ばたいていきたい」と力強く宣言していた。
- プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーフライ級 4回、杉本(左)に右パンチを放つ久保(撮影・小沢裕)
- プロボクシング全日本新人王決勝戦で表彰される、左から技能賞のスーパーフライ級・久保、MVPのスーパーフェザー級・奈良井、敢闘賞のライトフライ級・狩俣(撮影・小沢裕)
- プロボクシング全日本新人王決勝戦を制し記念撮影に臨む選手たち。左からミニマム級の小島、ライトフライ級の狩俣、フライ級の宝珠山、スーパーフライ級の久保、バンタム級の冨田、スーパーバンタム級の福永、フェザー級の平野、スーパーフェザー級の奈良井、ライト級の浦川、スーパーライト級の高畠、ウエルター級の山崎、ミドル級の中田(撮影・小沢裕)