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涙は必要なかった…女王紫雷イオが超満員の壮行試合

ワンダー・オブ・スターダム王座の初防衛に成功した渡辺桃(左)と並び、壮行試合の行われた後楽園大会を締めくくった紫雷イオ

<スターダム:後楽園大会>◇17日◇東京・後楽園ホール


 WWE加入が確実となっているエースに、涙は必要なかった。日本プロレス界の女王・紫雷イオ(28)は同団体ラストマッチを勝利と笑顔で締めくくった。1年7カ月ぶりに岩谷麻優(25)とのユニット「サンダーロック」を結成し、花月(25)、葉月(20)のユニット「大江戸隊」との壮行試合に臨んだ。

 超満員札止め(主催者発表)となる1571人からの「イオコール」を浴びながら入場。先発でリングに出ると、葉月のエルボー連発を受け止め、強烈なドロップキックを返した。場外乱闘に発展すると、観客席に投げられたが、逆に南側スタンドでは月面水爆を仕掛けて応戦。リング上に戻ってコーナーにクギづけになると、壮行試合らしく全所属選手から感謝を込めた技を次々と浴びる一幕もあった。サンダーロックの連係技で花月を捕獲し、紫雷は再び月面水爆をさく裂させると、最後は岩谷が25分45秒、飛龍原爆固めでフォール勝ち。スターダム最後のマットで白星を飾った。

 紫雷は「リング上では絶対に泣かないと決めてプロレスをやってきました。1人なると泣いていましたが、それでみなさんの笑顔を手に入れました。みなさんの笑顔を持って世界へ飛び立ちます」とあいさつ。試合終了後にはリング上で、母理代さん、長姉あね子さんから花束を手渡された。07年のデビューから11年。「たしかデビュー戦の時は新木場(1ST RING)で観客は30人でした。今日はこんなに多くの人が集まってくれた。プロレスは素晴らしいもの。これから新しい夢をかなえに行ってきます」と声をはずませた。

 最後まで口にはしなかったが、WWE加入が確実となっている。「このままで、とは言わないですが、私は11年間でここに来るまで時間がかかっていると思う。そこの部分を大事に。今の日本のトップレベルに立てたのは正しいからだと思うので、今の自分を貫いていきたい」と決意を新たにしていた。

スターダムでのラストマッチを終えた紫雷イオ

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3冠ヘビー級王者宮原健斗7・29にゼウスと防衛戦

宮原健斗(2018年3月25日撮影)


 全日本プロレスは13日、横浜市内の事務所で会見を行い、3冠ヘビー級王者宮原健斗(29)の防衛戦を7月29日の大阪大会(エディオンアリーナ大阪)で行うと発表した。

 挑戦者はゼウスで、前日12日の後楽園大会で行われた宮原のV2戦後に、挑戦を表明していた。大阪出身のゼウスは「地元大阪で宮原と3冠戦ということでかなり興奮しています。5回目の挑戦ということで、今年は1つ、大きな結果を出したいと思っています」と話した。3度目の防衛戦となる宮原は「プロレス界の夏をオレとゼウスで制しようかなと。オレが勝って、全日本を高みにもっていく」と宣言した。

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小川直也が格闘家引退 今後は長男雄勢の柔道指導へ

小川直也(左)と小川雄勢(2017年12月3日撮影)


 プロ格闘家の小川直也(50)が、プロレス、総合格闘技から引退することが12日までに分かった。小川が自らのブログで明らかにした。

 小川は柔道で全日本選手権7度優勝、92年バルセロナ五輪2位、96年アトランタ五輪5位の成績を残し97年2月にプロ格闘家に転向。同年4月の橋本真也戦でデビューした。橋本との激闘は、当時のプロレス界でも注目を集めた。その後、総合格闘技にも参戦。エメリヤーエンコ・ヒョードルや、同じく柔道界から転身した吉田秀彦らとも対戦した。04年に参戦した「ハッスル」でのハッスルポーズがトレードマークとなった。

 小川はブログで「ファンの皆様、21年間本当に応援どうもありがとうございました。サラリーマンでは絶対に出来なかった経験をたくさんさせて頂きました」「今回この様な卒業に至った経緯は、子供に必要とされた事」となどとつづっている。今後は柔道界復帰を目指し、20年東京五輪の柔道日本代表候補となっている長男雄勢(21=明大)の指導に当たるという。

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WWE挑戦の紫雷イオが20人掛け「全力を尽くす」

20人掛けを終え、戦ったスターダムの選手たちと記念撮影に納まる紫雷(中央)(撮影・河野匠)


 スターダムの新木場大会が10日、新木場1st Ringで行われ、WWE挑戦のため退団する紫雷イオ(28)が20人掛けを行った。17日の後楽園大会がラストファイトとなる紫雷は、団体の全レスラーと1分1本勝負で対戦した。

 初戦の小野崎玲皇から相手の技を受け続け、2勝1敗17時間切れ引き分けの結果に終わった。紫雷は「プロレスが、スターダムが私の人生のすべて。スターダムが私を成長させてくれたから、私は旅立つことになりました。これからもプロレスに全力を尽くします」と仲間やファンに約束した。

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紫雷イオが超満員20人掛け「思い出よみがえった」

全員掛け各1分1本勝負で登場し、紙テープを浴びる紫雷(撮影・河野匠)

<スターダム:新木場大会>◇10日◇新木場1st Ring


 WWE挑戦のため退団する紫雷イオ(28)が20人掛けを行った。17日の後楽園大会がラストファイトとなる紫雷は、団体の全レスラーと1分1本勝負で対戦。初戦の小野崎玲皇、羽南に連勝すると、ゾーイ・ルーカスから15人連続で1分時間切れ引き分け。18人目の花月に唯一の黒星を喫し、岩谷麻優、渡辺桃とは引き分け。最後の渡辺には試合終了後に、ムーンサルトプレスを決め、場内アナウンスが「1分58秒、勝利」を宣告した。

 相手の技を受け続け、紫雷の技をあえてかけてくる選手、キスをする選手、抱き締める選手と、それぞれが紫雷との別れを惜しんだ。2勝1敗17時間切れ引き分けの結果に終わった紫雷は「20人は長かったけど、あっという間。まだまだ出て来るのかと思ったが、それだけたくさんの人が自分にかかわってくれたんだと思った。ダメージとともに、思い出がよみがえった」としみじみと話した。

 紫雷は、07年3月4日に新木場1st Ringでプロデビューした。観客50人のガラガラの会場だったが、この日は408人の超満員だった。紫雷は「プロレスが、スターダムが私の人生のすべて。スターダムが私を成長させてくれたから、私は旅立つことになりました。これからもプロレスに全力を尽くします」と仲間やファンに約束した。

「スターダム シャイニングスターズ2018」のメインイベント20人1分勝負を終えた、紫雷イオは仲間から胴上げされる(撮影・垰建太)
「スターダム シャイニングスターズ2018」のメインイベント20人1分勝負で紫雷イオ(右)はコーナーで渡辺桃に跳び蹴りをくらう(撮影・垰建太)

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オメガ悲願のIWGP王座「プロレスの未来を見た」

オカダ(右)を片翼の天使でマットに沈めるオメガ(撮影・河野匠)

<新日本:大阪大会>◇9日◇大阪城ホール


 IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、挑戦者ケニー・オメガ(34)に敗れ、13度目の防衛に失敗した。

 オメガが来日10年目の悲願を成就させた。オカダとの激闘に、最後は驚異的な体力で片翼の天使でフィニッシュ。IWGPヘビー級のベルトを手に「このベルトを取ったら日本を離れると思っていた。ですけど、試合中にプロレスの未来を見た」「この会社を引っ張っていく」と豪語した。カナダ出身。幼少期、小さな町に積もった雪にプロレス技で飛び込むのが原点だった。日本語も達者、必殺技名は日本のゲームからつける新たな顔役は、「プロレスを進化させていく」と勇ましかった。

オカダを破ったオメガはベルトを巻いて指を突き上げる(撮影・河野匠)

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オカダV13ならず…オメガに2年2カ月ぶりの黒星

オメガに敗れ、外道(右)らに肩を借り引き揚げるオカダ(撮影・河野匠)

<新日本:大阪大会>◇9日◇大阪城ホール


 最強王者の歩みが止まった。IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、挑戦者ケニー・オメガ(34)に敗れ、13度目の防衛に失敗した。IWGP史上初の時間無制限3本勝負。28分47秒で1本目を先取も、19分10分、16分53秒と連取を許し、合計64分50秒の死闘に敗れた。5月の福岡大会で歴代最多のV12を樹立したが、最強外国人と認める好敵手にタイトル戦では約2年2カ月ぶりの黒星。長期政権が終わりを告げた。

 崩れ落ちた。必殺のレインメーカー(短距離式ラリアット)を放ったオカダが、自らひざを折ってマットに倒れ込んだ。時間が合計60分にさしかかる。かつて見せたことのない憔悴(しょうすい)した姿で、目はうつろ。オメガのジャーマンスープレックスとの放ち合いに気力を振り絞ったが、最後は担がれて片翼の天使に沈んだ。極限の消耗戦の果てに「V13から新たな王者像を見せる」と誓った初戦で散り、無言で会場を後にした。

 先月に歴代最多防衛を遂げ、自ら対戦相手にオメガを指名した。60分時間切れ引き分け防衛となった昨年大会の2年越しの延長戦だった。だから無制限で勝負を決めたかった。一瞬のすきをついたエビ固めで取った1本目。そして2本目開始直後にレインメーカーをたたき込むまでは順調だった。ただ、オメガの無類のスタミナに上回られ始め、2本目を取られると3本目との休憩時間では大の字で立てなかった。

 15歳の春、大阪で闘龍門の入団試験を受けプロレス界への1歩をしるした。それから15年。2年前の6月11日、同じ大阪で始まった歴史的な防衛ロードに、V13での新たな1歩をしるすことはできなかった。【阿部健吾】

オメガ(奥)に敗れ、ぼうぜんと天井を見つめるオカダ(撮影・河野匠)

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元WWE王者CMパンクが久々オクタゴンへ闘志


 元WWEヘビー級王者のCMパンク(39=米国)が9日(日本時間10日)、米総合格闘技(MMA)のUFC225大会(米イリノイ州シカゴ・ユナイテッド・センター)でMMA2戦目に臨む。

 マイク・ジャクソン(33=米国)とのウエルター級3分3回を控えた8日(同9日)に出身地でもあるシカゴで開かれた前日計量に出席。170・5ポンド(約77・34キロ)でパスしたジャクソンに対し、CMパンクは169ポンド(約79・66キロ)でクリアした。

 約8年間、WWEに在籍し、ヘビー級王者として活躍しながら14年に退団。同年12月にUFCと契約し、総合ファイターに転向した。約2年間のMMAトレーニングを経て、16年9月にUFC203大会でオクタゴンデビュー。しかしミッキー・ガル(米国)に134秒、一本負けを喫していた。今回は約1年9カ月ぶりのオクタゴンとなる。

 CMパンクは「前回の負けで多くの人が怒っていた。もちろん人に意見を言う権利があるが、自分もやりたいことをやる権利があるんだ」と総合格闘技への熱意を米メディアのインタビューで口にしている。WWEでスーパースターとして一世を風靡(ふうび)したものの「プロレスは過去のこと。この5年間で過去にしようとしてきた」とUFCファイターとしての初勝利に集中している姿勢を示した。

新日本プロレスのメイ新社長、煽りVTRで登場

試合開始前、リング上であいさつを行った新日本プロレスのメイ社長(撮影・河野匠)


 6月1日付で新日本プロレスの新社長に就任したハロルド・ジョージ・メイ氏(54)が9日の大阪城ホール大会の第1試合前にリング上であいさつを行った。

 大阪にちなみ、たこ焼きを食べるシーンも盛り込まれたあおりVTRが終わると、スーツ姿で走りながらのリングイン。幼少期に日本で暮らしたこともあるオランダ出身の社長は「みなさん、こんにちは! メイ社長でお願いします。僕はプロレスが大好きです。そして、大好きなプロレスのため、新日本のために全てをささげて頑張ります」と宣言し、大きな拍手を浴びた。

 ハイネケン・ジャパンのアシスタントGM、日本コカ・コーラ副社長、タカラトミー社長などを務めてきた経営のスペシャリストで、木谷オーナーの要請を受けて当番の運びとなった。8歳からプロレス好きで、「ビジネスマンとして幸運。やりたいこととマッチすると自然にパワーが出る。次のステージに持っていく」と力強く語った。

試合開始前、リング上であいさつを行った新日本プロレスのメイ社長(撮影・河野匠)

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オカダ、オメガと3本勝負防衛戦「1本目が大事」

9日のIWGPヘビー級王座の調印式に臨んだ王者オカダ(左)と挑戦者オメガ


 勝敗のポイントは1本目!? 9日に大阪城ホールで控える新日本プロレスのIWGPヘビー級選手権試合の調印式が7日、都内で開かれた。

 王者オカダ・カズチカ(30)、挑戦者ケニー・オメガ(34)が出席し、調印書に正式サイン。オカダの12度目の防衛戦となる今回の王座戦はオカダの時間無制限、オメガの3本勝負という提案を受けてルールが決まった経緯がある。

 昨年6月のオメガ戦が60分間フルタイムドローだった経緯もあり「引き分けがイヤなので無制限にした」と口にしたオカダは「1本目を取ることが大事。昨年のように1本取るのに60分かかれば、どちらもフラフラ。2、3本目を考えると不利になるので、1本目を考えて取りに行きたいと思います」と作戦の一端を明かした。初対決となった17年1月4日のIWGP戦も46分45秒と長丁場になったことも踏まえながらオメガとの4度目対決をイメージした。

 挑戦者オメガも「最初のフォールをいつ、どちらが取ることが大事」と1本目を最重視した。続けて「私たちのような試合ペースで動いていれば、多分1時間がブレーキングポイントになるでしょう。なるべく早いペース、早い段階でフォールすることが大事」と1本も奪われることなく、2本先取する姿勢を示した。

 3本勝負といえば、力道山の時代からアントニオ猪木、ジャイアント馬場の全盛期に行われていた昭和往年のルール。平成が終わろうとする18年にプロレスの最前線を担う両者が時間無制限3本勝負で戦う面白さがある。V13防衛に成功を目指すオカダは「新しいチャンピオンというものをみせていかないといけない。時間無制限なので楽しんで、勝って素晴らしいチャンピオンをみせたいと思う」と言えば、オメガは「オカダが最強であると認めることはオレにとっては辛いことだ。もう2番手であることは耐えられない。それはオカダを倒さないとなしえない。大阪で勝ってオカダにお疲れ、君はもういいよと言ってやりたい」と王座奪取への自信をみなぎらせていた。

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159cmのはしたろうメインだ/みちプロ25周年

拳を突き上げるのはしたろう(2018年5月27日撮影)


 東北を拠点に活動している、みちのくプロレス(本社・岩手県滝沢市)が、旗揚げから25周年を迎えた。

 159センチ、82キロ。「元祖日本最小レスラー」のはしたろう(35)が「新崎人生25周年記念大会」でメインを張る。日向寺塁(30)が王者の東北ジュニアヘビー級王座に4度目の挑戦だ。「3月18日のリング上でアピールしたら『いいよっ』って。ベルトに対して特別な思いもあるし、人生さんの記念大会でやらせていただけるのが光栄。ベルトが取れたら、夢みたいな話」と闘志を燃やした。

 新崎は師匠であり恩人の1人。付け人として一番近くで生きざまを見てきた。お遍路スタイルもミニ版として継承。「小さいことにコンプレックスがあったが、リングに立ったら印象に残るし長所と思えるようになった。年間150試合くらいやらせていただいているが、一生に1度しか見られないお客さまもいる。プロレスが『なんちゃって』だと思われるのは悔しい。命がけでやり続けたい」。プロレス教室からファンサービスまでも全力投球し、チャンピオンに上り詰める。


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新崎人生、サスケとは「光と影」/みちプロ25周年

お遍路スタイルで入場する新崎(2018年5月27日撮影)


 東北を拠点に活動している、みちのくプロレス(本社・岩手県滝沢市)が、旗揚げから25周年を迎えた。創設したザ・グレート・サスケ(48)と現社長の新崎人生(51)の二人三脚で、東北を中心に人気を博し続けてきた。“銀婚式”への思いや今後の夢など、2人の本音に迫った。各地で25周年興行を実施するほか、6月24日には「新崎人生25周年記念大会」(仙台市サンプラザホール)も開催される。【取材・構成=鎌田直秀】

 新崎はみちのくプロレスだけでなく、プロレス界全体の発展を常に描いてきた。03年からはサスケから引き継ぎ、社長就任。野球やサッカーなどのプロスポーツと同様に、就職の選択肢として「レスラー」を構築することを発展の1つとした。

 新崎 地方でもプロスポーツとして成立することは示せた。それは自信を持って言える。この先25年、これからすることは、さらに地方でプロレスラーとして生活し続けられるかが大事。若くして入門して、息が長いといえど、引退後もプロレス業界で食べていくのは難しい。親御さんも不安に思っているのは事実。監督やコーチのポジションはないし、いきなりデスクワークも困難。体を勉強してきたことや、相撲と同じで料理ができることを生かす仕事に就く場合が多い。セカンドキャリア構築が大事になってくる。

 26歳と遅くして門をたたいた新崎。入門約1年で米国のWWF(現WWE)に参戦した経験を還元したい意向だ。ビジネスとしてのプロレス。計画なく試合を組むのではなく、スタートとゴールを設定して盛り上げ、注目を集め、集客につなげる。文化構築も次へのステップになる。

 新崎 プロレスの強みは6メートル×6メートルのスペースがあれば、どこでもできること。トラック1つで移動でき、1時間半くらいでリングも組める。それは野球、サッカー、バレー、バスケなどと違うところ。テレビで放送しない代わりに、ライブでお見せする草の根活動ができる利点もある。会社の懇親会や、修学旅行生のためだけにも開催してきました。スター選手が出てくれるまでは地道に。

 表舞台に出るサスケと対照的に、内部構築が新崎の任務でもある。

 新崎 自由な形でやらせてもらって、短期間でキャリアを積ませてくれたサスケに感謝です。これからも光と影、太陽と月のような関係で歩んでいきたいですね。

 ◆みちのくプロレスの歩み 地方密着型プロレスの先駆けとして、盛岡市出身のザ・グレート・サスケが92年10月1日に設立し、93年3月16日に旗揚げ。通常の興行だけでなく、学園祭、結婚式、プロ野球楽天との共同開催、幼稚園での普及活動、山形・フラワー長井線車内で行う「ローカル線プロレス」など前代未聞のアイデアも豊富。97年には映画「傷だらけの天使」にレスラーらが大挙出演し、菅原文太らと共演も。仙台女子プロレスも業務提携している。

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サスケ、地域密着で「夢」提供/みちプロ25周年

気を相手に浴びせるザ・グレート・サスケ(2018年5月27日撮影)


 東北を拠点に活動している、みちのくプロレス(本社・岩手県滝沢市)が、旗揚げから25周年を迎えた。創設したザ・グレート・サスケ(48)と現社長の新崎人生(51)の二人三脚で、東北を中心に人気を博し続けてきた。“銀婚式”への思いや今後の夢など、2人の本音に迫った。各地で25周年興行を実施するほか、6月24日には「新崎人生25周年記念大会」(仙台市サンプラザホール)も開催される。【取材・構成=鎌田直秀】

 創始者のサスケは、みちのくプロレスの歩みに満足していた。93年3月16日に岩手・矢巾町民体育館で旗揚げから25年。小規模運営でも成り立つプロスポーツ形態の、パイオニアになったことも自負する。

 サスケ 今は日本全国のほぼ全都道府県にプロレス団体が存在する。我々をまねしてくれたと思っている。プロレスは上がり下がりがあるとか、今は新日本の独り勝ちと言われるが、成熟期を迎えている。東京中心の団体とローカルの共有体制がすばらしい。やっぱり日本人は相撲とプロレスが好きなDNAなんだなと最近感じる。大人の男性向けから老若男女に。メキシコや米国の先進国に追いついているとも思っている。

 理想を追い求めてきた。92年のメキシコ留学が衝撃的だった。国技として、どこの小さな町を訪れてもリングが常設され、満員開催。帰国後、当時の所属団体ユニバーサル・プロレスリングが経営難に陥り、決断した。「東京にいかなきゃ夢がかなわないとか、その考えが格好悪いと思った。メキシコの光景を再現したかった」。夢への扉を自ら開き、踏み出した。

 体育館やホールだけでなく、多種多様なイベント会場やローカル電車内など、屋内外で開催してきた。03年には岩手県議会議員に出馬し、当選。地域密着で、いかに東北に根付くかを分析、実行の継続。今後も相撲に並ぶ「国技」となるべく、全身全霊で挑み続ける覚悟だ。

 サスケ 我々は夢を提供する側だと肝に銘じている。夢のすばらしさ、かなえるすばらしさをボディーランゲージで伝えていきたい。東北らしく『真冬のスキー場プロレス』『真夏の海辺砂浜プロレス』とか四季や醍醐味(だいごみ)を感じられる開催も良い。何年かかるか分からないけれど、相撲巡業で土俵とリングが並ぶことも、頭の中で映像化してきた。年々思うことは、お客様に支えられていること。支えてくれる方への感謝の念も大きくなっていますね。

 48歳。プロレス生活28年。体はボロボロだ。右膝は靱帯(じんたい)完全断裂。両手首も不能状態。左肩甲骨は真っ二つに割れたまま。頸椎(けいつい)から胸椎にかけても圧迫損傷し、手の神経がまひ。ワイシャツのボタンも普通には締めることができない。

 サスケ 個人の夢としては50歳まで乗り切ったら、手術して全部を完璧に治したい。レスラーサスケとして、50代からいよいよ全盛期だとなりたい。2度タッグを組んだこともある神様のようなミル・マスカラスさんを超える80歳まで、リングに上がりたいですね。

 創設直後に転籍し、ともに歩んできた新崎人生にも感謝する。所属選手の大量離脱などトラブルがあっても一緒に乗り越えてきた。

 サスケ 宇宙人のような存在ですね。米国のWWF(現WWE)に行っても、ブーメランのように、ここに帰ってきてくれたことも感謝、感謝ですよ。もう夫婦のよう。生涯のパートナー。若い選手の成長を2人で目を細めながら見守りたいですね。

 「金婚式」まで。プロレスを国技に認めてもらうまで。サスケは戦い続ける。

 ◆みちのくプロレスの歩み 地方密着型プロレスの先駆けとして、盛岡市出身のザ・グレート・サスケが92年10月1日に設立し、93年3月16日に旗揚げ。通常の興行だけでなく、学園祭、結婚式、プロ野球楽天との共同開催、幼稚園での普及活動、山形・フラワー長井線車内で行う「ローカル線プロレス」など前代未聞のアイデアも豊富。97年には映画「傷だらけの天使」にレスラーらが大挙出演し、菅原文太らと共演も。仙台女子プロレスも業務提携している。


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紫雷イオ「迷ったが…さらなる飛躍」6・17ラスト

紫雷イオ


 女子プロレス界の女王、紫雷イオ(28)が29日、都内で会見し、所属するスターダムを退団することを正式に発表した。

 紫雷は6月10日のスターダム新木場大会で、スターダムの全選手と1分1本勝負の全員掛けを行い、同17日の後楽園大会の壮行試合を最後に退団する。今後は米国プロレス団体WWEを目指すことになる。

 紫雷は「今後のプロレス生活のさらなる飛躍を目指し、スターダムを退団します。1年以上前からお話、予兆があった中で、迷ったが若手の底上げや、私が引っ張り上げた若手が独り立ちして自分が目標に向かっていいのかなという気持ちが大きくなった。自分のプロレスをよりたくさんの人に見てもらいたい。今やっていることを、別の方向で証明したい」と決意を話した。

 スターダムのロッシー小川社長は「女子プロレス界でここ10年で1番の選手。団体の精神的支柱を失うのはつらいが、次々に新人をデビューさせていくのが我々の使命。次にスターダムにどんな新人が出てくるか期待してほしい」と話した。

 紫雷は07年にデビューし、12年にスターダムに正式入団した。女子プロレス大賞を3年連続受賞するなど、国内女子のトップとして活躍。スターダムでは、ワンダー・オブ・スターダムなど団体の全タイトルを史上初めて獲得している。最近までワンダー・オブ・スターダムのベルトを保持していたが、23日の後楽園大会で挑戦者の渡辺桃に敗れ、11度目の防衛に失敗していた。

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ノアと中国初プロレス団体の東方英雄伝が業務提携

業務提携を発表したノア内田会長(右)と東方英雄伝のサイモンCEO


 中国初のプロレス団体、東方英雄伝とプロレスリング・ノアが25日都内で会見し、業務提携することを発表した。両団体は今後、選手の相互派遣や、ノアの選手が東方英雄伝の選手の指導育成に当たるなど、互いの持ち味を生かした協力を行う。

 ノアの内田雅之会長は「選手の留学先としてノアを選択していただき、東方英雄伝に感謝している。ノアとして中国のプロレスというコンテンツに注目しており、東方英雄伝との関係を広げていければ。将来、東方の選手の中から、GHCヘビー級王座に挑戦するような有能な選手が育っていくことを望んでいます」とコメント。

 東方のサイモンCEOは「ノアには感謝しています。我々のストロングポイントは中国での展開。2つの団体が業務提携することで、さらにすごいことができると期待しています」と話した。

 業務提携の手始めとして、ノア道場での東方の選手の育成や、6月26日のノア後楽園大会に東方の選手の参戦などが予定されている。内田会長は「ノアの事務所も、東方の事務所に入ることになる。将来的には、資本提携も含めて一歩前に進めてもいい」と、将来的な両団体の合併も示唆した。

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覚醒剤の浜田文子容疑者プロレス廃業 弁護士が意向

浜田文子(右)の手を挙げるグラン浜田


 覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された女子プロレスラー、浜田文子容疑者(37)が19日、弁護士を通じて謝罪文を公開した。

 東京・水道橋で行われた会見には、担当の田中広太郎弁護士と父親でプロレスラーのグラン浜田(67)も出席した。浜田容疑者は謝罪文で「私、浜田文子は、違法な薬物を使用するという大変に大きな過ちを犯してしまいました。このような犯罪を行ってしまったことは、すべて私の弱さに原因があります」と、ファンや仲間、関係者に謝罪。グラン浜田は「親として失格。親としてはバカヤローと言いたい」と無念さをにじませた。田中弁護士によると浜田容疑者はプロレスラー廃業も決意しているという。

覚せい剤使用で逮捕された浜田文子の謝罪文を公表した田中弁護士(右)と、父親のグラン浜田(撮影・桝田朗)

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浜田文子容疑者が謝罪文を公開「大変に大きな過ち」

13日に覚せい剤使用で逮捕された浜田文子の謝罪文


 覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕された女子プロレスラー、浜田文子容疑者(37)が19日、弁護士を通じて謝罪文を公開した。

 東京・水道橋で行われた会見には、担当の田中広太郎弁護士と父親でプロレスラーのグラン浜田(67)も出席した。浜田容疑者は謝罪文で「私、浜田文子は、違法な薬物を使用するという大変に大きな過ちを犯してしまいました。このような犯罪を行ってしまったことは、すべて私の弱さに原因があります」と書き、ファンや仲間、関係者に謝罪した。

 逮捕の1日か2日前にマンションを訪ね、顔を合わせたというグラン浜田は「会ったときは、何もなかった。笑顔で別れたのに。申し訳ありません。何を考えても心当たりがなく、何も話せる状況にない。親として失格です。親としてはバカヤローと言いたい。自分が犯した罪。心を入れ替えて、もし、プロレスをやるんだったら、しっかりやってもらいたい。プロレスしかできないでしょう、あの子も。オレもそうです」と沈痛な表情で話していた。

 13日に警視庁西新井署に逮捕された浜田容疑者は、16日に10日間の勾留決定がなされ、さらに10日間追加の勾留がなされるという。その間に検察庁が起訴かどうかを決定する。

13日に覚せい剤使用で逮捕された浜田文子の謝罪文
覚せい剤使用で逮捕された浜田文子の謝罪文を公表した田中弁護士(右)と、父親のグラン浜田(撮影・桝田朗)

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長州力「高揚している」大学後輩の秋山準と初対決

7月10日のパワーホール後楽園大会で、初対決が実現する長州力(左から2人目)と秋山準(撮影・桝田朗)


 プロレス界のレジェンド、長州力(66)がプロデュースするパワーホール大会(7月10日、後楽園ホール)の一部カードが18日、後楽園ホール展示場で発表された。メインは、長州力、ヨシタツ(全日本)関本大介(大日本)組対秋山準(48=全日本)橋本大地(大日本)黒潮“イケメン”二郎(W-1)の6人タッグ戦となる。

 新日本プロレス-全日本-新日本で活躍してきた長州と、全日本社長の秋山は、専大レスリング部の先輩後輩の間柄で、今回が初対決。長州は「久しぶりに高揚しています。秋山が今、どういうものを背負っているのか見てみたい。今までの自分の形が、秋山と向かい合った中でなくなるんじゃないか。久しぶりに崩れるから、高揚してくるのかな」と期待を口にした。

 これに対し秋山は「本当だったら、もっともっと前にやりたかった。こういう機会はもうないと思っていたから。形を崩すといったものができるのは、オレだけかもしれないから、徹底的にやろうと思う」と決意を口にした。

 ヨシタツは「新日本、WWE、そして全日本といろんなスタイルができると思っている。それは6人のメンバーで自分1人。そういう中で存在感みせたい」と意気込んだ。黒潮“イケメン”二郎も「長州さんはおそらくオレはノーマークだろうと思うが、その長州さんに何を残せるかがオレの戦い」と話した。なお、セミファイナルでは、藤波辰爾、丸藤正道、芦野祥太郎組対鷹木信悟、土肥孝司、清宮海斗組の試合が組まれた。

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みちのくプロレスと楽天がコラボ、則本チョップ披露

楽天生命パーク宮城で開催されたみちのくプロレスで気仙沼二郎(右)にキックを浴びせるザ・グレート・サスケ(撮影・鎌田直秀)


 「ザ・野球場プロレス~みちのくプロレスリング春の嵐~」が15日、楽天対ソフトバンク7回戦の試合前コラボ企画として、楽天生命パーク宮城で行われた。

 メインではザ・グレート・サスケ(48)新崎人生(51)組が、気仙沼二郎(46)シーサー王組に勝利。トップロープからのドロップキックで勝負を決めたサスケは「立派なスタジアムの前で、楽天ファンとプロレスファンも新たにコラボをしてくれてうれしい」。新崎も「普段と違った驚きや喜びの歓声があって新鮮でした」と笑顔を見せた。日向寺塁(30)からは投手の投球のような新技「則本チョップ」も披露された。

プロレス浜田文子が覚せい剤取締法違反の疑いで逮捕

浜田文子容疑者についての報告書


 女子プロレスラーの浜田文子容疑者(本名アヤコ・バレンティーナ・ハマダ・ビジャレアル=37)が覚醒剤使用の疑いで逮捕されていたことが分かった。

 所属する女子プロレス団体団体WAVEが15日の新木場大会終了後、ファンに報告。その後、公式サイトで発表した。今月13日夕方に都内で「覚醒剤の自己使用」で逮捕されていたという。

 レジェンドレスラーのグラン浜田を父に持つ浜田は13日のセンダイガールズ大阪大会に出場を予定していたが「体調不良」を理由に欠場。メインカードだったセンダイガールズ・ワールドチャンピオンシップの防衛戦をせず、ベルトを返上していた。所属団体WAVEの発表によると、13日に浜田本人から欠場の申し出があり「その連絡内容が明らかに深刻な体調不良と判断されたため」団体として受け入れたという。

 しかし翌日14日朝、逮捕された浜田と面会した弁護士から詳細な報告を受け、事実関係を把握。二上美紀子社長は「違法薬物の使用は絶対に許されない重大な犯罪であります。(中略)現在は捜査の進展を見守っている段階でございますが、このような事実に対する当団体の断固たる姿勢を示すため、事実関係を早急に確認の上、浜田の犯罪の事実が明白となった時点で、即刻、厳正なる処分を行う方針です」とコメント。加えて「関係者の皆様、そしてファンの皆様に多大なご迷惑をおかけする事態となったことをおわび申し上げます」と団体トップとしての謝罪コメントを出した。

 浜田は98年8月、アルシオン後楽園大会でのキャンディー奥津戦でデビュー。米TNAなどを経て、12年からWAVEを主戦場としていた。17年にはメキシコAAA女子王座で最高峰となるレイナ・デ・レイナスを獲得していた。

浜田文子(2014年10月11日撮影)
浜田文子(右)の手を挙げるグラン浜田

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鈴木みのる30周年記念試合でオカダと対戦発表

6月23、24日と横浜赤レンガ倉庫イベント広場で開催のデビュー30周年記念試合で、オカダ・カズチカとの対戦を発表した鈴木みのる


 新日本プロレスで活躍する鈴木みのる(49)が8日都内で、6月23、24日に横浜赤レンガ倉庫横イベント広場で行うデビュー30周年記念試合で、IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(29)と対戦することを発表した。

 当日は、鈴木の出身地である横浜市や、同市教育委員会などと野外フェスティバル「大海賊祭」を開催。その中で、2日間にわたりプロレスの試合も実施する。鈴木は30周年の相手にオカダを選んだことについて「最初からオカダ1本で交渉してきた。オレがプロレスを始めたころに生まれた、現在のプロレス界のトップとやりたかった。自分が30周年記念イベントをやるにあたって一番初めに出した条件は、まず無料で、青空の下でやりたいということだった。だったら、世界に出せる、東京ドームでできるカードをメインで出すことができたらと考えた」と説明した。

 同試合のレフェリーは、和田京平が担当する。イベント期間中は、鈴木のトークショーや、プロバスケットBリーグの横浜の選手とチアリーダーも参加。鈴木の入場曲「風になれ」を歌う中村あゆみや、ファンキー加藤のライブ、ブレイクダンスバトルなど多くのイベントが予定されている。

 鈴木は24日の試合では、佐藤光留と組んで、NOSAWA論外、MAZADA組と対戦する。【桝田朗】

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ドラゴンゲートが新体制に移行 海外事業も展開

ドラゴンゲート新社長に就任するCIMA


 プロレス団体のドラゴンゲートは7日、新体制への移行を発表した。「株式会社ドラゴンゲート」の岡村篤志社長(53)が病気療養のため、取締役会で退任が決定。新たに木戸亨専務が社長となる「株式会社ドラゴンゲートエンターテイメント」が設立され、国内のすべての事業を引き継ぐという。

 また「株式会社ドラゴンゲート」の新社長にはプロレスラーのCIMA(大島伸彦=40)が就任し、中国・上海を中心とした海外事業を展開するという。また所属レスラーのT-Hawk、エル・リンダマンに加え、現在負傷欠場中の山村武寛の3選手は「株式会社ドラゴンゲート」所属となって海外を中心に活動することになり、発表によると「国内での出場機会は減ります」という。

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「やりたいといったらしょうがない」母が語るオカダ

オカダの母富子さん


 「レインメーカー」が金字塔を打ち立てた。IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が4日、挑戦者棚橋弘至(41)との「V11対決」を制し、歴代最多の12度目の防衛を果たした。

 決断力と実行力。プロレス界を変えると豪語した通りに突き進むオカダ。その姿は昔から全く変わらない。この日は愛知県の自宅でテレビ観戦し、「よかったです」と喜んだ母富子さん(57)は振り返る。

 「目と耳と口があれば行けるから」

 15歳。愛知・安城市の安祥中卒業を前に、プロレス団体「闘龍門」の入門試験が待つ大阪へ向かう時、息子はそう言った。同行しようとする母に言い切り、新幹線に乗り込んだ。

 「本人がね、やりたいといったらしょうがない。自分がこうだと思ったら行動力はすごい」と富子さん。プロレス界で生きると決めたのは家族には意外だった。周囲に関係者はいない。本人も格闘技経験はない。それでも兄が借りてきたゲームで見たプロレスに魅了された少年は「やりたい」と天啓に打たれた。

 小5の秋も同じだった。母の故郷長崎・五島列島。幼稚園のころから毎夏、親戚の家に2週間滞在し、その環境に魅了された。「行きたい、行きたい」。転校希望がかなったのは小5。電話で叔父夫婦に了解を得て、小学校の校長にも自ら意思を伝えた。10月、卒業までの1年半を親元から離れて暮らすと決めた。

 見送りの名古屋空港。母は予想を裏切られる。さすがに10歳。「寂しくなってやっぱり行かないと言うかと…」。ところが、搭乗口で「お母さん、バイバイ!」と駆けていった。「やっぱりな、と。自分がこうと思ったら振り向きもせず」。その島生活で体を動かす楽しさを学んだ。少年野球に、山も駆け回った。3メートルの高さから川にジャンプ。コーナーより高い位置から飛び技を繰り出した。

 それから5年後、闘龍門の面接に合格し、プロレス界への切符をつかみ取った。中学卒業後、練習拠点の神戸への旅立ちの時。例のごとく1人で行くと決めた息子は、新幹線の三河安城駅で2回だけ母の方を振り返った。富子さんは「五島に行く時に振り返らなくて寂しかったと言ったから」と笑顔で懐かしむ。そうして始まったプロレス道。目と耳と口で進んだ日々は、この日につながっていた。

幼年期、ブランコを楽しむ
長崎・五島列島の親せきの家で暮らしていた時にはソフトボール
小学校時代、海水浴

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V12オカダ米で確信を現実に「素晴らしい王者を」

レインメーカーで棚橋(右)を沈めるオカダ(撮影・菊川光一)

<新日本:福岡大会>◇4日◇福岡国際センター


 「レインメーカー」が金字塔を打ち立てた。IWGPヘビー級王者オカダ・カズチカ(30)が、挑戦者棚橋弘至(41)との「V11対決」を制し、歴代最多の12度目の防衛を果たした。6年前にV12を止められた因縁に燃えるエースを、最後は34分36秒にこん身のレインメーカーで返り討ち。新日本をさらなる高みへ導くため、これからも王道をまい進する。

 黄金週間に黄金のテープが舞う。その中心には12度目の金の雨を降らせたオカダが仁王立ちしていた。「V12、達成しました。俺は正直記録にはこだわりがないんでね、しっかり王者の姿を見せていきますよ」。発汗激しく、体は紅潮するが、盤石の王座は揺るがず。試合途中には強すぎるゆえのブーイングを楽しむように笑みまでこぼした。ハイフライフロー、ドラゴンスクリュー。棚橋の大技を受け止め、はね返し、最後はロープに走ろうとした棚橋のタイツをつかみ引き戻すと、鬼気迫る表情でレインメーカーをぶち込んだ。

 ここは通過点。ある確信がより一層の高みを目指させる。先月8日、米国ルイジアナ州ニューオーリンズにいた。プロレス界最大の祭典WWE「レッスルマニア」で、「CHAOS」の先輩の中邑真輔がメインのWWE王座戦で争う姿を目に焼き付けながら思った。「負けてない。俺たちは必ずここまでいける」。観衆7万8133人の熱狂にも、培ってきた自負は揺らがなかった。「新日本が見せているものは負けていない」。演出面に差は認めるが、リング上の試合内容は上をいっていると思えた。

 昨年から団体が進める米国進出で看板役を担ってきた。持論がある。「野球の巨人が米国でやる、Jリーグのチームが欧州でやる。それでは人は埋まらない。でも、プロレスなら埋まる。それだけのパワーがある」。日本の文化として輸出して勝負できる。3月にロサンゼルスに新日本の道場ができた。「一番刺激になった。家ができた」と何より誇るのは持論ゆえだ。

 記録でも未踏域に入ったが、試合でも新領域を持ち込む。次戦6月9日の大阪大会の相手にオメガを指名。防衛ロードで唯一60分引き分けの宿敵をリングに呼び込み、時間無制限、さらにIWGPでは初の3本勝負を決めた。「俺が王者じゃなかったら海外にも行けていない。中心じゃないとどんどん上には行けない。素晴らしい王者を見せていきますよ」。ふてぶてしく満ちる自信。米国で高ぶった確信を現実にするために、雨を降らせ続ける。【阿部健吾】

12度目の防衛に成功し、紙テープが舞う中でポーズを決めるオカダ・カズチカ。後方は外道(撮影・菊川光一)

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オカダVS棚橋 内館牧子氏「2人とも美しい」

決戦前夜、登場した棚橋弘至はファンに向かってアピール(撮影・梅根麻紀)


 新日本プロレスのIWGPヘビー級選手権は今日4日に福岡国際センターで挙行される。新記録の12度目の防衛がかかる王者オカダ・カズチカ(30)に対するは、6年前にV12をオカダに阻止された棚橋弘至(41)。3日の福岡大会、最後の前哨戦でも激しい攻防が見られた。プロレス観戦歴60年以上、脚本家、作家として活躍する内館牧子さん(69)は世紀の「V11対決」をどう見るか。映画「終わった人」(6月9日公開)の原作となる同名小説の作中でもプロレスから言葉を引く著者に聞いた。

      ◇       ◇

 まずはオカダよね。この人は宝塚的なスター性を感じる。宝塚は何回か見に行ったことがあって、男役が出てくるとうっとりするわけよ。それは男はこうだという形で全部表すから。胸、肩の張り方、話し方、歩き方から何まで。男よりかも男っぽく美しく見えるのね。オカダを見ていると絵に描いたみたいな美しい男で、いいなあと。レインメーカードル(※1)が降ってくると拾って持ち帰って、テープもバッグに結わえたりするんだけど、私。付き合っていたら本当に心配だよなあとか(笑い)。

 まだ30歳でしょ。若い時はこの先良いことがあると突き進んでいくのがいいわけだけど、タナ(棚橋)の場合は違うわね。「終わった人」では定年退職してその後の人生にもがくエリートの主人公が達観して言うせりふがあるの。

 「思い出と戦っても勝てねんだよ」

 これはね、実は武藤敬司さんの言葉なの。もう20年以上前。闘魂三銃士(※2)で人気絶頂のころ、馬場、猪木の時代が素晴らしいと言っている人の思い出と戦っても勝てないと言ったのね。人生訓として非常に賢いわよね。のんべんだらりと生きていたら出てこない言葉。

 タナはまさにいま「思い出」とどう向き合うかが問われている。故障続き、長く団体の主役から離れ、前哨戦でもオカダにボロボロにやられてる。弱さが見える。年齢からも終わった人ではないけれど、多少そういうものを出してもいいやと俯瞰(ふかん)で思っているのかも。そうでなければ、開き直りかな。

 タナはプロレス界きっての知性派ね。語ることも非常に機微を感じ、洒脱(しゃだつ)なことを言うでしょ。で、自虐ネタも非常にうまい。そういう意味では武藤さんの付き人もしていたし、賢さの系譜はある。だから、41歳になって「思い出」に勝てないところから、その先に何を見せてくれるのか楽しみね。

      ◇       ◇

 今日の試合、オカダにとって分岐点になる可能性があると思ってるの。それは「格好良すぎることはかっこ悪い」ことに気付くかもしれないから。技術的にはすごいし、体中から発するオーラも見事だけど、レスラーの魅力は絵に描いたような男だけではやっていけないと思うのよ。「生身の男」。それを出してほしい。

 彼がいま天龍源一郎さん(※3)のようになりたいと言っていると聞きました。えらい! 私は天龍さん、大好きです。男のダンディズムを感じます。安息の匂いのなさ、いつだって絶壁に立っているような感じね。強いのだけど、どこか哀愁がある。だから男にも好かれる。オカダもそういうところに引かれたのだと思うけど、彼にも彼にしか出せない「生きている」部分を出してほしい。今日もし負けることがあっても、一皮むけるためのきっかけになりえる。新しいものが見えてくる可能性もある。もちろん、負けろとは思ってませんよ。すごい素材だからこそ、「格好いい」だけから脱却してほしい。男としての厚みというのかなあ。色香、深さ、それができてきたらとてつもないよね。

 プロレスを好きでもないし、見たこともない人は男女とも「あんなものはショーじゃん」とか言うわね。例えばトップロープから倒れている相手に飛ぶじゃない。フェアな人たちは逃げろと思うけど、違うのよ。あえて受ける。そうすると上から飛んだ人も、それを受けた人も両方が輝くわけだから。そういったことが他のスポーツと違うのよ。

 オカダ対タナは純粋に五輪的なスポーツ性とね、あとはドラマ性と、際立ったキャラがあるからすごく面白い。2人とも美しい。レスラーは異世界の人で、私たちはそこに夢を見る。今日も何が見られるのか、楽しみにしています。【取材・構成=阿部健吾】

 ※1 レインメーカードル オカダの入場時に会場に降るオカダの顔が印刷された紙幣。きれいに舞うように1枚1枚折り目をつけている。

 ※2 闘魂三銃士 84年に新日本に入団した武藤敬司、蝶野正洋、故橋本真也を指す。88年に結成され、90年代に不動の地位築く。

 ※3 天龍源一郎 1950年(昭25)2月2日、福井県生まれ。63年に大相撲二所ノ関部屋入門。天龍のしこ名で前頭筆頭まで務めたが76年秋場所で引退、同年10月全日本プロレス入団。89年6月に3冠ヘビー級王者。90年SWS移籍、92年WAR設立、フリー、WJプロレス、天龍プロジェクトとあらゆるマットで活躍。15年、引退試合相手にオカダを指名。得意技はパワーボム。189センチ、120キロ。

 ◆内館牧子(うちだて・まきこ)1948年(昭23)9月10日、秋田市生まれ。武蔵野美大卒業後、三菱重工で13年半のOL生活を経て脚本家デビュー。92年NHK連続テレビ小説「ひらり」で橋田寿賀子賞を受賞。97年NHK大河ドラマ「毛利元就」、00年NHK連続テレビ小説「私の青空」などを担当。00~10年横綱審議委員。東北大相撲部総監督。プロレスは4歳の時に街頭テレビで見た力道山の試合が初め。幼少期にはプロレスかるたを作ったことも。「一句だけ覚えているのは『遠藤幸吉、得意の跳び蹴り』」。1月4日の東京ドーム大会、夏のG1生観戦は欠かさない。

決戦前夜、登場したオカダ・カズチカはファンに向かってアピール(撮影・梅根麻紀)
オカダの入場時に会場に降るオカダの顔が印刷された紙幣(2018年1月版)
闘魂三銃士の左から武藤敬司、橋本真也さん、蝶野正洋(91年1月13日撮影)
天龍源一郎(15年11月15日撮影)
内館牧子氏

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大砂嵐RIZIN今夏デビューへバーネットが指導

RIZIN挑戦を表明した大砂嵐のツイッター


 大相撲の元西前頭筆頭、大砂嵐(26=エジプト)が総合格闘家に転身した。RIZINの榊原信行実行委員長(54)は2日、ツイッターで「大砂嵐と契約しました! 今年の夏以降にRIZINでMMA(総合格闘技)デビューします。相撲界での無念を晴らすべく、謙虚に精進してほしいです」と発表した。

 現在米国滞在中の大砂嵐も同日、ツイッターで「私はRIZINでMMAファイターとしてデビューすることになりました。デビュー戦に向けて、ジョシュ・バーネット先生に厳しく指導してもらいます。飛行機を降りた時、エジプトからはじめて日本に来た時の気持ちを思い出しました」とコメントした。

 大砂嵐は189センチ、160キロの巨漢で、初土俵から10場所という史上2番目のスピードで新入幕を果たすなど、将来が期待されていた。しかし、今年1月3日に長野県内で追突事故を起こし、長野県警の取り調べに「自分は運転しておらず、妻が運転した」と虚偽の供述。日本相撲協会にも報告をしておらず、無免許運転も判明したため協会から引退勧告を受け、3月9日に引退を表明していた。

 引退後大砂嵐は、総合格闘家を目指し、練習を始めていた。4月のテレビ番組での共演をきっかけに、UFCやプロレスで活躍するバーネットと知り合い、デビュー戦へ向けて指導を受けることになった。

 4日に榊原委員長があらためて事情を説明する。

1月21日、天空海(左)と対戦した大砂嵐

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渡辺桃が初V「プロレスキャリアの中で1番の勝利」

スターダム・シンデレラ・トーナメントに初優勝し、ドレス姿で表彰式に臨んだ渡辺桃(撮影・桝田朗)

<スターダム:後楽園大会>◇30日◇後楽園ホール


 スターダム・シンデレラ・トーナメント2018が行われ、渡辺桃(18)が初優勝を果たした。

 3回目の出場で、過去2回はいずれも1回戦負けという渡辺は、1回戦で小波を撃破。2回戦では強敵のジャングル叫女を破って準決勝に進出した。同じく準決勝に残った、紫雷イオと岩谷麻優が時間切れ引き分けで両者失格となったため、渡辺とビー・プレストリーの試合が事実上の決勝戦となった。

 試合は両者一歩も引かない激戦となったが、最後は渡辺が変形タイガースープレックスのテキーラ・サンライズを決めて勝利した。

 試合後は、勝者に贈られるドレスを着て再びリングに登場。団体のロッシー小川代表からティアラを頭の上に乗せてもらった。

 渡辺はリング上で「プロレスキャリアの中で、1番の勝利。紫雷イオさんの白いベルトにもう1度挑戦させてください」と、紫雷イオの持つワンダー・オブ・スターダム王座への挑戦を表明した。

 リングに登場した紫雷も「悔しいけど優勝おめでとう。渡辺の力が本物なのか、この白いベルトをもって確かめてみましょう。防衛戦は受けます」と了承した。

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元十両飛翔富士WWEデビュー、世界中が「何者?」

グレイテスト・ロイヤルランブルにサプライズ出場した元飛翔富士こと住洋樹(C)2018 WWE,Inc.AllRightsReserved

<WWE:グレイテスト・ロイヤルランブル>◇27日(日本時間28日)◇サウジアラビア・ジッタ・キング・アブドラ・スポーツシティ・スタジアム


 大相撲元十両の飛翔富士こと住洋樹(28)がWWEでプロレスデビューを飾った。27日(日本時間28日)のWWEサウジアラビア大会で開催された50人出場の時差式バトルロイヤル「グレイテスト・ロイヤルランブル」戦にサプライズ出場。まわしをつけた相撲コスチュームで7番目にリングに上がり、92年バルセロナ五輪重量挙げ代表で18年WWE殿堂入りのマーク・ヘンリー(46)と力比べを展開。すぐに場外へと落とされたが、世界中から「何者?」と注目を浴びた。

 身長193センチ、体重196キロで、大相撲では東十両13枚目が最高位だった住は自身のツイッターを更新し「WWEデビューしました! 最高の舞台で最高のスーパースター達との共演は人生最大の喜びを感じる」とコメント。WWE公式サイトでは中邑真輔(38)との将来的な共闘もありえると紹介されるなど期待の大きさをうかがわせた。(デーブ・レイブル通信員)

3月、断髪式で父芳幸さん(左)にはさみを入れてもらう、元十両飛翔富士

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なべやかん「二足のわらじ」8・5プロレスデビュー

なべやかんは、白川未奈にコブラツイストをかけられもん絶


 ベストボディ・ジャパンは24日、都内で会見し、新たなプロレス団体「ベストボディ・ジャパンプロレス」を設立すると発表した。

 同社の谷口智一代表が以前所属したDDTプロレスの高木三四郎社長に設立を相談。DDTが選手の育成などで協力する。旗揚げ戦は8月5日の品川プリンスホテル大会で、お笑いタレントのなべやかん(47)がプロレスラーデビューする。ビートたけしの独立と同時にオフィス北野を退社したなべやかんは「今後は、芸人とレスラーの二足のわらじで活動していく」と抱負を語った。

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ラグビー元サントリーのクレバーがプロレスラー転向


 ラグビーのワールドカップ(W杯)に3度出場し、日本のトップリーグでも活躍した元米国代表主将トッド・クレバー(35=米国)がWWEと契約し、プロレスラーに転向する見通しであることが分かった。

 24日(日本時間25日)、米メディアが報じたもの。身長193センチ、体重102キロと恵まれた体で主にフランカーとして活躍。トップリーグでは10年から5年間、サントリーやNTTコミュニケーションズでプレーしていた。

 CNNのインタビューに応じたクレバーはWWEのトライアウトを受けたことを明かし「1週間、トライアウトでフロリダ州のオンタリオのWWEパフォーマンスセンターで過ごした。すごくハイレベルな施設で素晴らしかった。良い時間を過ごすことができた」とコメントした。またプロレスを通じて新しい経験を積むことを歓迎している。

 クレバーは03年に米国代表デビューし、63試合のテストマッチに出場。約8年間、同国代表で主将を務めていた。日本以外でもニュージーランドや南アフリカでもプレーしていた。

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