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元4階級制覇王者が死去 08年ボクシング殿堂入り

パーネル・ウィテカーさん(AP)

プロボクシング元4階級制覇王者パーネル・ウィテカーさん(米国)が14日夜、交通事故で亡くなったことが分かった。米メディアが報じたもので、バージニアビーチの交差点で自動車にはねられ、死亡したという。55歳だった。

ウィテカーさんはアマチュア時代の84年にロサンゼルス五輪で金メダルを獲得。84年にプロデビューし、89年2月にIBF世界ライト級王座を獲得。プロ18戦目で世界王者となった。その後、ライト級でWBA、WBC、IBFの3団体統一王者に就くと、階級を上げてスーパーライト級、ウエルター級、スーパーウエルター級の4階級でも世界王座を獲得していた。

97年には元6階級制覇王者オスカー・デラホーヤ(米国)、99年にはフェリックス・トリニダード(プエルトリコ)とも対戦して敗退。01年4月の再起戦を最後に現役を引退した。また08年には世界ボクシング殿堂の選手部門で殿堂入りしていた。

WBCのマウリシオ・スライマン会長は自らのツイッターで「ウィテカーさんが亡くなったという悲報を受け取りました。過去数十年でもっとも素晴らしいボクサーの1人であり、WBCの素晴らしい友人だった。深く悲しんでいます」とコメントした。

パーネル・ウィテカーさん(AP)(右)

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亀田和毅、敗戦も再起へ「どんな相手でも逃げない」

亀田和毅(2018年5月4日撮影)

<プロボクシング:WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦>◇13日(日本時間14日)◇米カリフォルニア州カーソン

暫定王者亀田和毅(28=協栄)がプロ33戦無敗の正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)に0-3の判定で敗れた。アマ時代に唯一敗れた因縁の相手に12年ぶりのリベンジはならなかったが、世界王者返り咲きへ前を向いた。

   ◇   ◇   ◇

追っても追っても逃げていく。亀田の拳はバルガスになかなか届かなかった。序盤から足を使って攻め込み、右フックやストレートをヒットさせるが、回を追うごとにリーチの長いバルガスに巧みに距離を取られた。最終12回には焦りからかブレーク中にパンチを打ち込み、痛恨の減点。決定打がないまま判定で敗れた。

手も足も出なかった12年前とは違い、手応えは残った。

試合直後のリングでは「バルガスをリスペクトしているが、今夜は自分が勝ったと思う。学び、練習して再び世界王者になる」とスペイン語で宣言した。

この一戦を踏み台に、2階級上のスーパーフェザー級まで制覇する夢も思い描いていたが、先行きは不透明となった。ただ、辞めるつもりはない。「ボクシング人生は1回。お兄ちゃんたちは世界王者になったし尊敬しているけど『強い選手と戦いたかった』とずっと言ってる。だから自分はどんな相手でも逃げない。もうやりたくない。そこまで追い込みたい」。悔いを残す2人の兄と同じ轍(てつ)は踏まない。強い心で、再起の道を探っていく。

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亀田和毅、3兄弟30戦目の世界戦で王座統一に失敗

13日の王座統一戦に向け、米ロサンゼルス郊外で記者会見に臨んだ亀田和毅。レイ・バルガスとのフェースオフではベロを出して挑発(協栄ジム提供)

<プロボクシング:WBC世界スーパーバンタム級王座統一戦12回戦> ◇13日◇米カリフォルニア州カーソン

WBCスーパーバンタム級暫定王者亀田和毅(28=協栄)がプロ33戦無敗の正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)に判定で敗れた。アマ時代に唯一敗れた因縁の相手に12年越しのリベンジはならなかった。

リーチで大きく上回り、手数の多いバルガスに苦しんだ。最後まで懸命に前に出続けたが、有効打は少なく、決定打は奪えなかった。

「ほんまに最高の相手」。12年間ずっと待ち望んでいた再戦だった。バルガスとはメキシコ修行中だった07年にアマチュアトーナメント大会の決勝で対戦。場所はメキシコシティの格闘技の聖地アレナ・メヒコ。ブーイングを浴びるアウェーの中、判定で敗れた。177センチの長身でリーチも上回る相手に「何も出来なかった」。この時の悔しさが、その後メキシコではい上がる燃料となった。

33戦無敗のバルガスは、亀田にとって過去最強の相手。勝てばスターへの道が開け、負ければ後がない。覚悟を胸にこの一戦に備えてきた。3月からはゴルフ松山英樹、ボクシング長谷川穂積ら数々のトップアスリートを指導してきた秀島正芳トレーナー(37)にフィジカルコーチを依頼。弱かった腸腰筋を鍛えることでパンチの力強さはアップ。また、胸椎のしなりを高めることで拳1つ分ほど、リーチを伸ばせるようになった。また筋量はトレーニング前より1・2キロ増加。「相手からすれば前にサンドバッグがある感じだと思う。打ってもびくてもせんから」。強靱(きょうじん)な肉体とともに「これだけやったから負けない」と揺るがぬ自信も身につけた。12回で「どこかでつかまえられるはず」と攻めたが、力及ばなかった。

メキシコでの苦労。「亀田家」の呪縛で試合がしたくてもできない時期。すべてを糧に28歳でやっとビッグマッチにたどり着いたが、不利の下馬評を覆せなかった。この一戦をステップに2階級上のスーパーフェザー級まで制覇する夢も思い描いていたが、先は不透明となった。

ただ、ボクサーとして決めていることがある。「練習したくない。もうやりたくない。そこまで追い込みたい。そこまでかけている」。兄2人は世界王者にはなったものの、引退後「強い相手とやりたかった」と後悔を漏らした。だからこそ、すべて出しきってボクシング人生を終わらせると自らに課す。「自分はトップにいける力があると思っている」。信じて、再起の道を探る。

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村田のアルバレスやゴロフキン戦現実的に/大橋秀行

2回、ロブ・ブラントをコーナーに追い詰め右ストレートを見舞う村田諒太(撮影・上田博志)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪

同級4位村田諒太(33=帝拳)が王座に返り咲いた。昨年10月、米ラスベガスで負けた王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦で2回TKO勝ちした。

◇  ◇  ◇

感動した。すごいものを見せてもらった。やっぱり村田は持っている。ミドル級で大差負けからの再戦に大方はブラント有利の予想。それに勝つだけでなく、2回で倒しきった。歴史に残る試合だ。

最初のゴングでブラントは走って出てきた。初防衛もして、より強くなり、自信も持って攻めてきた。これに対して、村田は腹をくくって前に出た。心意気、ハートが違った。

パンチをもらっても前に出た。前戦では、パンチをもらうと前に出られず後手に回った。しかし、この日は負けずに迎え撃ち、前に出てプレッシャーをかけた。打たれても距離をつぶし、追い足もあり、ボディーもよく、重戦車のよう。1回で勝てると思った。

この勝利でボクシング界は“半端ない”盛り上がりとなるはず。村田もまだまだいける。アルバレスやゴロフキン戦も、夢でなく現実的になった。

以前は世界戦といえば悲壮感があった。井上尚弥と村田の2人はそんなそぶりもなく、リングで集中して結果を出す。他競技で活躍する選手もそう。これからの日本を支え、変えていく存在といえる。ボクシングの魅力、すごみを存分に見せてくれ、お礼を言いたい。(元WBA、元WBC世界ミニマム級王者・大橋秀行)

村田諒太はロブ・ブラントに勝利し笑顔で会見する(撮影・加藤哉)

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大一番制した村田諒太プロ人生の歩み/写真特集

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇大阪・エディオンアリーナ

WBA世界ミドル級級4位村田諒太(33=帝拳)が王座に返り咲いた。昨年10月、米ラスベガスで負けた王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦で2回TKO勝ちした。

ボクシング人生を懸けた再戦を制した村田のプロ人生の歩みを振り返る。

2012年8月11日 ロンドンオリンピックで金メダル獲得

男子ミドル級決勝 ファルカン(左)に強烈なボディーを放つ村田(2012年8月11日撮影・PNP)

男子ミドル級決勝 判定でファルカン(右)を破り金メダルを獲得した村田(2012年8月11日撮影・PNP)

2013年4月12日 プロ転向会見

会見後、笑顔でファイティングポーズを取る村田(2013年4月12日撮影・河野匠)

2013年8月25日 プロデビュー戦は2回TKO勝利

25日のプロデビュー戦で強烈な右ストレートを打ち込む村田(2013年8月25日撮影)

2013年8月25日 プロデビュー戦は2戦目は8回TKO勝利

6回、ピーターソン(左)に右ストレートを振り下ろす村田(撮影・山崎安昭)

8回、強烈な右ストレートをピーターソンの顔面にヒットさせる村田(2013年12月6日撮影・たえ見朱実)

2014年2月22日 海外デビュー戦でKO勝利

村田諒太海外デビュー戦 73・4キロ契約体重8回戦 村田諒太対カルロス・ナシメント 3回、村田諒太はカルロス・ナシメントに左ボディーを打ち込む=2014年2月22日

4回、村田はTKO勝ちでナシメントを破る(撮影・山崎安昭)

2014年5月22日 プロデビュー戦から4連続KO勝利

6回、ネリオの顔面に右ストレートを打ち込みTKO勝ちした村田(2014年5月22日撮影・加藤哉)

2014年12月30日 プロ第6戦は判定勝利

村田諒太プロ第6戦・ノンタイトルミドル級10回戦 村田諒太対ジェシー・ニックロウ 9回、村田諒太(右)はジェシー・ニックロウに右ストレートを打ち込む(2014年12月30日撮影・山崎安昭 )

2015年5月1日 プロ第7戦はTKO勝利

村田諒太プロ第7戦・ノンタイトルミドル級10回戦 村田諒太対ドウグラス・ダミアン・アタイジ 5回、ドウグラス・ダミアン・アタイジ(右)からTKO勝ちしガッツポーズする村田諒太(2015年5月1日撮影・江口和貴)

2016年12月30日 プロ第12戦で3回KO勝利

村田諒太プロ第12戦・ノンタイトルミドル級10回戦 村田諒太対ブルーノ・サンドバル 3回、村田諒太(右)はサンドバルの顔面に強烈な右ストレートを見舞う(2016年12月30日撮影・たえ見朱実)

3回、右ストレートでサンドバル(手前)をマットに沈めニヤリとする村田(2016年12月30日撮影・江口和貴)

2017年5月20日 WBA世界ミドル級王者エンダムに挑戦。優勢に戦ったように見えたが判定負け

ボクシング・トリプル世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ アッサン・エンダム対村田諒太 5回、村田諒太(左)のパンチによろけるアッサン・エンダム(2017年5月20日撮影・横山健太)

4回、村田(左)はエンダムからダウンを奪う(撮影・河野匠)

新チャンピオンのエンダム(右)に健闘をたたえられ、笑顔を見せる村田(撮影・河野匠)

判定で敗れた村田は、ロープにもたれかかり、うつむいて目を閉じる(撮影・横山健太)

2017年7月15日 プロ野球オールスターゲームで始球式を行う

全パ対全セ 始球式を行う村田諒太(2017年7月15日、ZOZOマリンスタジアム撮影・加藤哉)

2017年10月22日 王者エンダムに再挑戦。7回終了TKO勝利で世界王座奪取

ボクシング・トリプル世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ(再戦) 村田諒太対アッサン・エンダム 6回、アッサン・エンダム(左)に右ストレートを浴びせる村田諒太(2017年10月22日撮影・中島郁夫)

7回TKOでエンダム(左)を下し泣きながら喜ぶ村田(撮影・滝沢徹郎)

7回TKOでエンダムを下し、泣き崩れる村田(撮影・滝沢徹郎)

2018年4月15日 初防衛戦は8回TKO勝利

ボクシング・ダブル世界戦 WBA世界ミドル級タイトルマッチ 村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 7回、村田諒太(後方)はエマヌエーレ・ブランダムラをロープ際に追い詰める(2018年4月15日撮影・足立雅史)

村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 村田(右)は8回TKOでブランダムラを破り、初防衛に成功する(撮影・足立雅史)

2018年10月20日 米ラスベガスで2度目の防衛戦。ブラントに判定負けで王座陥落

WBA世界ミドル級タイトルマッチ 10回、挑戦者ブラントに右ストレートを顔面に受ける村田諒太(2018年10月20日、米国ネバダ州ラスベガス撮影・菅敏)

12回を戦い終え、ガッツポーズをする挑戦者ブラント(右)を前にぼう然と立ちつくす村田(撮影・菅敏)

2019年4月25日 ブラントとの再戦が決定。会見でにらみ合う

村田諒太(左)はWBA世界ミドル級タイトルマッチで王者ブラントとの再戦が決まり、フォトセッションでにらみ合う(2019年4月25日撮影・松本俊)

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村田2回TKOで王者返り咲き 勝率25%難関突破

ロブ・ブラントからTKO勝利しガッツポーズする村田(撮影・上田博志)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪

同級4位村田諒太(33=帝拳)が王座に返り咲いた。昨年10月、米ラスベガスで負けた王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦で2回TKO勝ちした。

背水の陣で臨んだリマッチだった。4月25日、都内のホテルで開かれたブラント同席による再戦の記者会見。「ボクにとって最後の試合になるか。それとも『もっと村田を見たい』と言ってもらえるかどうか。それをジャッジメントされる試合」と退路を断ち、リベンジに向けて集中していた。会見後には報道陣に「ブラントとは会いたくなかった。屈辱的な経験をさせられた相手を前に平常心な訳がない」と戦闘モードに入っていた。

昨年10月に米ラスベガスで臨んだ2度目の防衛戦で同級王座から陥落した。3度目の「ボクシング聖地」での試合で自身初の世界戦。メインイベント登場も初めてだった。プロボクサーとして夢の1つを実現したが、当時の同級1位ブラントに0-3の判定負け。ブックメーカーの予想も大きく覆す黒星には1カ月半前の高熱をともなう風邪による調整遅れがあった。村田本人は「完全に負けた」と一切の言い訳はしなかった。

王座陥落直後は「98%ぐらは、ほぼ辞めよう」と考えていた。しかし試合動画をチェックし「あのボクシングが集大成でいいのかと考えると『それはない』と思いました」。続いて周囲からの激励もあり、自然と現役続行に気持ちが傾いた。同12月には現役続行を表明。「世界王者にあって少し満足し、ハングリーさが欠如していた。新しい目標が見つかれば力がわいてくる。それを見つけたい」。

当初の再起戦の相手は元3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン、現WBA1位)が候補だった。相手陣営に断られ、6階級制覇王者マニー・パッキャオ(フィリピン)を撃破したことで知られる元WBO世界ウエルター級王者ジェフ・ホーン(オーストラリア、現WBAミドル級3位)も浮上していたが、村田が契約を結ぶ米プロモート大手トップランク社のサポートで、2月に初防衛に成功したブラントとの再戦に決まった経緯がある。

リベンジという新しい目標ができれば村田の意識と集中力は一気に研ぎ澄まされた。「前と同じ試合をしたら負けるわけですから」と村田。他競技からの練習理論を見て吸収し、ジムワークでも元3階級制覇王者ホルヘ・リナレス(帝拳)の実弟で元日本ミドル級1位カルロス氏をミット打ち担当トレーナーが起用。五輪金メダリストとしてアマ経験が長いだけに、コンディションさえ整えば、適応力はズバ抜けていた。

トップランク社から肝いりで派遣された3人の練習パートナーとの1日おきのスパーリングを消化。5月上旬から始まった本格的なスパーリングは130回を超えた。所属ジムの浜田剛史代表は「ここまで予定通りにいった調整はなかった。過去最高の状態」と表現した。リミットよりも200グラム少ない72・3キロで計量パスした村田も「すごく良いコンディションできています。プロにきて、これだけ自信あるのも初めて」とまで言うほどだった。

本人も納得の心身で立ったリング。国内所属ジムの世界王者による王座陥落後の即再戦で勝利した例は過去12戦で輪島功一の2度、徳山昌守の1度のみという勝率25%の「難関」だった。アマとプロで次々と快挙を成し遂げてきた村田は再び「難関」も突破し、リベンジを成し遂げてみせた。

◆村田諒太(むらた・りょうた)1986年(昭61)1月12日、奈良市生まれ。伏見中1年で競技開始。南京都高(現京都広学館高)で高校5冠。東洋大で04年全日本選手権ミドル級で優勝など。11年世界選手権銀メダル、12年ロンドン五輪で日本人48年ぶりの金メダルを獲得。13年8月にプロデビューし、17年10月、WBA世界ミドル級王座を獲得し、日本人で初めて五輪金メダリストがプロ世界王者になった。家族は佳子夫人と1男1女。183センチの右ファイター。

ジョナサン・タコニン対拳四朗 2回、ロブ・ブラントをコーナーに追い詰め右ストレートを見舞う村田諒太(撮影・上田博志)
WBA世界ミドル級タイトルマッチ 村田諒太ーロブ・ブラント 1R、村田諒太(左)はロブ・ブラントに左を入れる(撮影・加藤哉)
WBA世界ミドル級タイトルマッチ 村田諒太ーロブ・ブラント 2R、ダウンを奪った村田諒太(右)はロブ・ブラントを一気に責め立てる(撮影・加藤哉)

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村田諒太、本来の攻撃力爆発で雪辱へ/運命の再戦3

前日計量を終えブラント(右)とフェイスオフする村田(撮影・加藤哉)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)がホームの日本で挑戦する注目カード、ロブ・ブラント戦を「運命の再戦」と題し連載する。

   ◇   ◇   ◇

村田-ブラント第1戦はパンチ数の差が浮き彫りになった。米ボクシングデータ統計・分析会社「COMPU BOX」の調査で、村田のパンチ数が774発に対し、ブラントは1262発。うちヒット数も村田の180発に対し、ブラントは356発と2倍に近い数値をマークしていた。

しかし村田は「ボクシングは相対的なもの。前回のようにガードをあげて『打って下さい』みたいだったらボクだって10回でも、20回でも打てます」と気にしていない。確かにヒット率はブラント第1戦が31・1%だったのに対し、18年4月のブランダムラ戦は59%、17年10月のエンダム戦も56・5%と5割を超えた。前回のブラント戦のパンチ数は村田の不調を表すデータでもあった。

元WBA・WBC世界ミニマム級王者大橋秀行氏(大橋ジム会長、本紙評論家)は「持ち味の前に出て圧力をかけ、つぶしにいけばいい。日本開催の今回はブラントの体力が削られる」と分析。村田本来の攻撃力が爆発すれば、運命の再戦でリベンジは成功する。【藤中栄二】(おわり)

前日計量を終えガッツポーズを見せる村田、右はブラント(撮影・加藤哉)

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村田諒太、雪辱へ瀬戸大也式筋トレで最高の仕上がり

ブラント(右)とファイティングポーズを見せる村田(撮影・加藤哉)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が競泳式調整でリマッチへ向けた万全のコンディションを整えた。12日、エディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦する。11日には大阪市内で計量に臨み、ブラントとともに計量クリア。3月の練習見学を通じて得た競泳男子の瀬戸大也の調整法を活用し、過去最高の仕上がりで王座奪回に挑む。

胸の内は穏やかだった。昨年10月のブラント戦前日と比較しながら、村田は自らの落ち着きぶりに気がつき「いら立ちがないですね」と口にした。昨年4月の初防衛戦以来、約1年3カ月ぶりの国内試合。「国内でやるプレッシャーはボクには必要なことだし、今回は感じています」と静かに闘志を燃やした。

充実した表情で言った。「すごく良いコンディションできています。プロにきて、これだけ自信あるのも初めて」。3月下旬、都内の味の素ナショナルトレーニングセンターに足を運んだ。親交のある競泳男子の瀬戸にお願いし、練習見学させてもらった。瀬戸担当の佐々木秀男トレーナーによるフィジカル練習を視察。「泳ぎの練習で使わなかった筋肉を鍛えて、筋肉のバランスを整えていた。水泳練習の後に、フィジカルで練習時間も短く集中的。もらえる刺激は大きかった」。

すぐに、ジムワーク後にフィジカル練習を入れた。過酷なメニューとなったものの、ボクシングで使わなかった筋肉をすぐに鍛え続けるとスパーリングの好不調の波が減った。「すごくコンディションがいい」と本音で言えた。

計量パス後、約20秒間、ブラントとにらみ合った。次に対峙(たいじ)する時は再戦のリングとなる。同じ相手に2度も負けられない。「全部含めて絶対勝たなくてはいけない試合。絶対に勝ちます」。アマとプロで快挙を成し遂げてきた村田が、リベンジに集中する。【藤中栄二】

前日計量を終えブラント(右)とフェイスオフする村田(撮影・加藤哉)

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余裕の王者ブラント、村田に「倒されることはない」

前日計量を終えブラント(右)とファイティングポーズを見せる村田(撮影・加藤哉)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が競泳式調整でリマッチへ向けた万全のコンディションを整えた。12日、エディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)と再戦する。11日には大阪市内で計量に臨み、ブラントとともに計量クリア。3月の練習見学を通じて得た競泳男子の瀬戸大也の調整法を活用し、過去最高の仕上がりで王座奪回に挑む。

   ◇   ◇   ◇

リミットよりも300グラム少ない72・2キロで計量パスした王者ブラントは余裕の表情だった。試合2週間前から来日。東京よりも湿度や気温も高い大阪に入った後も「問題なく調整できた」と自信たっぷり。新たな栄養士をつけて1日3食を取りながらの減量も成功し、17年の村田-エンダム戦を2試合ともチェックしたという。ブラントは「私は倒されることはない」と口にした。

前日計量を終えブラント(右)とフェイスオフする村田(撮影・加藤哉)

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亀田和毅、世界戦へ「あとは試合の日に爆発させる」

13日の王座統一戦に向け、米ロサンゼルス郊外のジムで公開練習を行った亀田和毅(協栄ジム提供)

WBC世界スーパーバンタム級暫定王者亀田和毅(27=協栄)が10日、13日に米カリフォルニア州・カーソンで行われる同級正規王者レイ・バルガス(28=メキシコ)との統一選に向け、米ロサンゼルス郊外のジムで練習を公開した。

集まったメディアの前でシャドーボクシングなど軽めの練習を披露し、インタビューに応じた。

以下、主な一問一答。

-現地入りしてからの今のコンディションは

こっちに来てからのコンディションはいい。今回は新しいトレーナーにフィジカルも限界の限界まで追い込んで準備してきたので、万全です。何より一番は、気持ちの面で、これだけやってきた!っていう自信もついた。

-アマチュア時代に一戦を交えた因縁の相手との対戦。意識は

意識というか、アマチュア時代は3ラウンドで、世界戦は12ラウンドと、戦い方も作戦も全て違う。アマチュア時代の対戦結果はあまり気にしていない。

-公開練習のインタビューも全てスペイン語。すごいですね。忘れないのか

忘れないですね。むしろ日本語より話しやすいです。

-試合までどう過ごすか

今は、ゆっくり休んで。あとは試合の日に爆発させるだけ。今回の相手はそれだけの相手なので、万全の体制で挑みたい。

-試合で気を付ける点は

全くないです。身長差やリーチ差がどうのと心配される声もありますが、自分はそこは全然気にしていない。それに対応出来うるスピード力や、自分のボクシングの強みをいかして、自分らしくリングで戦えれば、絶対相手は倒せると思っています。

-兄2人も世界チャンピオン。ギネス記録保持者である事にプレッシャーなど感じる事はあるか

(兄)2人は尊敬していますし、育ててくれたおやじの存在も偉大です。でもそれをプレッシャーに思ったことはないです。

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村田諒太「これだけ自信あるのも初めて」/一問一答

前日計量を終えブラント(右)とファイティングポーズを見せる村田(撮影・加藤哉)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が11日、大阪市内で開かれた前日計量をパスした。12日、エディオンアリーナ大阪で再戦する同級王者ロブ・ブラント(28=米国)とともに計量に臨み、村田はリミット(72・5キロ)よりも200グラム少ない72・3キロ、ブラントも300グラム少ない72・2キロでクリアした。

以下は村田との主な一問一答。

-計量を終えて

村田 すごくいいコンディションで来ています。プロに来て、これだけ自信あるのも初めて。良い感じで仕上がっています。

-抑えていた闘志を爆発させる

村田 リングにあがった時ですね。それまではいつもの自分でいようと思いますし、ムダなエネルギーは使わずに。リングの上ですべて爆発させたい。

-20秒近くにらみあった

村田 フェースオフは2回目で、2回目のが楽ですね。1回目は何だこの野郎と思ってしまうところがあるので。そういった意味ではフェースオフも楽でしたね。

-計量で意識したのは

村田 体重を落としすぎないように。結構、早めに落としてしまうので。そんなに落としすぎないように計画的にできたかなと。これから炭水化物中心に食べます。脂質とかタンパク質を取っても消化に負担かけるだけなので。まずはパスタを食べたい。

-前回のブラント戦と違う

村田 今回の方が落ち着いている感じがします。前回はいらっとしてKOしますとか宣言したりとか、計量会場で。今回がそういういら立ちがないですね。落ち着いている感じがします。

-やることぶれない

村田 自信もあるし、やってきたことやるだけ。虚勢張ることなく、偽善することなくやるだけなので。敵地とか中立地でやる時のパフォーマンスの悪さは何かなと考えてみたら、プレッシャーから解放されたところがあると。見られている人が日本よりも少ないので。国内でやるプレッシャーはボクには必要なことだし、今回は感じています。

-明日の意気込みは

村田 もう絶対に勝ちます。それだけです。全部含めて絶対に勝たなくてはいけない試合なので。

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村田諒太が前日計量「絶対に勝ちます。それだけ」

前日計量を終えブラント(右)とファイティングポーズを見せる村田(撮影・加藤哉)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が必勝を胸にリマッチのリングに立つ。12日、エディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦を控え、11日には大阪市内で前日計量に出席。村田はリミット(72・5キロ)よりも200グラム少ない72・3キロ、ブラントも300グラム少ない72・2キロでクリアした。計量後は20秒間のフェースオフでにらみあい「前回の時のようなイラだちはないですね。彼も人間的には良い人なのでリスペクトしています。明日は全力を出して絶対に勝ちにいきます」と意気込んだ。

前日10日夜にウエートのリミットを切ったという村田は「計量は相手もパスしてくれてうれしい。当たり前のことですけれどほっとしています」と安堵(あんど)の笑みを浮かべた。リベンジマッチまで、あと1日。「(抑えていた闘志は)リングに上がったらですね。ムダなエネルギーは使わず。絶対に勝ちます。それだけです」と決意を新たにしていた。

前日計量を終えブラント(右)とフェイスオフする村田(撮影・加藤哉)
前日計量を終えガッツポーズを見せる村田、右はブラント(撮影・加藤哉)

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村田諒太強打+ラテンのリズム備わる/運命の再戦2

12日の世界戦に向けて会見を行った村田(撮影・清水貴仁)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)がホームの日本で挑戦する注目カード、ロブ・ブラント戦を「運命の再戦」と題し連載する。

   ◇   ◇   ◇

5月上旬、ブラント戦に向けた本格トレが始まった頃、本田会長から「村田の顔つきが変わった」との言葉がもれた。雪辱への気持ち、そしてラテンのリズムが入った練習メニューに村田は触発されていた。

ミット打ち担当として元3階級制覇王者ホルヘ・リナレスの実弟、元日本ミドル級1位カルロス・トレーナーが正式就任した。リングを縦横無尽に動かれ、3歳年上の村田は誘われる形で追うしかない。ベネズエラ独特のノリで心身も躍動。さらに田中トレーナーが元3階級制覇王者マルコ・アントニオ・バレラ(メキシコ)を支えていた当時、メニューに入れていたロープ練習も導入。リング中央が小さな長方形で囲われ、コーナーまで対角線へと伸びるロープを細かいステップを踏みながら低い重心でくぐり続けた。持ち前の強打、動きに中南米のリズムが備わっていた。

村田は「カルロスがやってくれるので(コンビネーションパンチが)出る」と感謝した。昨年10月とは違う、南米流のプラスアルファがブラントを追い詰める。【藤中栄二】

12日の世界戦を前に会見を行った王者ロブ・ブラント(右)と村田(撮影・清水貴仁)

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村田諒太「必ずベルト取り返す」12日ブラント戦へ

12日のボクシングWBA世界ミドル級タイトルマッチを前に会見を行う村田諒太(撮影・清水貴仁)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)がベルト奪回への強い意欲を示した。12日、エディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)とのリマッチを控え、10日には大阪市内のホテルで会見に臨んだ。会見の壇上に置かれたWBAベルトを見つめながら、決意を表明。村田は「必ず(ベルトを)取り返すだけです」と強い決意を口にした。

気持ちの余裕もみられる。14年5月のプロ4戦目(京都)以来となる関西での試合。前売りチケット段階で6500人分が売り切れた。当日券もない。生まれ故郷の奈良に近いこともあり「今まで東京、米国だったので初めて見に来られる人もいると思う。関西弁で応援されることが多くなるでしょう。タイガースを見ていてもすごいから、やじられないように頑張りたい」と笑わせた。

昨年10月に米ラスベガスで判定負けを喫してから約9カ月が経過したものの、村田は「すぐでした。この年齢になって時間の経過の速さを感じています。今までやってきたことをリングで出すだけ。ボクが倒します」と力強く宣言していた。

12日の世界戦を前に会見を行った王者ロブ・ブラント(右)と村田諒太(撮影・清水貴仁)

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村田の再起戦相手はゴロフキンだった/運命の再戦1

予備検診を終え、記念撮影に応じる村田(撮影・河野匠)

2度目のブラントVS村田戦が2日後に迫った。昨年10月、米ラスベガスでの第1戦から約9カ月が経過。

今度はボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)がホームの日本で挑戦する注目カードを「運命の再戦」と題し、3回にわたって連載する。

   ◇   ◇   ◇

昨年12月に現役続行を表明した村田の再起戦の相手は当初、元3団体統一王者ゴロフキン(カザフスタン)だった。現3団体統一王者アルバレス(メキシコ)との2度目対決で惜敗していたが、以前から村田が対戦を希望していたミドル級のビッグネームだった。

しかし交渉途中でゴロフキン陣営からロールス(カナダ)との再起戦を選択したとの連絡が入って断念。米メディアにはパッキャオ(フィリピン)撃破で知られる元WBO世界ウエルター級王者ホーン(オーストラリア)との対戦も報じられたが、米プロモート大手トップランク社からブラント戦を勧められたという。

ブラントは村田戦勝利後の今年2月、当時の8位バイサングロフ(ロシア)を11回TKO撃破。一気にファイトマネーが高騰したものの、帝拳ジムの本田会長は「トップランクの援助があったから」と明かす。これで感情移入しやすいリベンジマッチが組まれた。試合決定までの経緯も、ブラントとの再戦は運命的だったと言える。【藤中栄二】

予備検診を終え、会見で笑顔を見せる村田(右)と帝拳プロモーション浜田代表(撮影・河野匠)

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細川VS太尊ドロー 東洋太平洋ミドル級王座空位に

太尊康輝(左)と細川チャーリー忍(右)は引き分けでともに王座返り咲きならず

<ボクシング:東洋太平洋ミドル級王座決定12回戦>◇9日◇東京・後楽園ホール

元王者対決は引き分けで王座は空位のままとなった。

同級3位細川チャーリー忍(34=金子)と同級9位太尊康輝(26=角海老宝石)が対戦も、ともに決定打を奪えず。採点の結果はジャッジ1人だけが1ポイント差で太尊の0-1で引き分けとなった。

細川は初回から積極的に攻め込んだ。低い姿勢で懐に飛び込んで左右フックに、ボディーなどに攻勢。接近されると太尊はクリンチでしのぐ。左ストレートにアッパーで応戦した。太尊がクリーンヒット、細川は手数で上回ったが決着はつかなかった。

細川は「悔しいけどしょうがない。初めての引き分け」と明るく振る舞った。接近戦でクリンチされ「いつもKOしにいっている。ホールドされては仕方がない。どうすればいいの。面白くない。まあ技術の1つだけど」と不満を口にした。

5月1日に紫都那さん(30)と令和結婚した。自らお祝いとならなかったが「結果は結果。引き分けでチャンスは残った。次に向けて頑張ります」と次戦に気持ちを切り替えた。

太尊は王者になると鈴木会長から高級時計ロレックスというのジム恒例のご褒美を逃した。「一発当ててしのぐ。1歩進んで1歩下がる、作戦通り。ダサく勝ったつもりだった」と苦笑いだった。

今年心機一転して移籍し、早くも2戦目で得たチャンスだった。「いい環境でやらせてもらって。王者になる義務がある。肥やしにする」と王座に再挑戦を期した。

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那須川天心が矢沢永吉に鳥肌KO「70歳ですよ」

「圧倒して勝ちたい」と、意気込みを話す那須川天心(撮影・丹羽敏通)

天心が永ちゃんにノックアウトされた。キックボクシング界の神童那須川天心(20)が9日、松戸市内の所属ジムでRISE WORLD SERIES準決勝スアキム・PKセンチャイムエタイジム戦(21日、エディオンアリーナ大阪)に向けた練習を公開。6日に矢沢永吉(69)主催の音楽フェスティバルに行き、「すごかった」と大きな刺激を受けたことを明かした。

自身が使う入場曲「止まらないHa~Ha」の生歌には思わず鳥肌が立った。「自分の入場のバージョンを歌ってくれたんですよ。うぉー、って。(永ちゃんは)あと1カ月で70歳ですよ。自分が70歳まで格闘技できるか、ってできないですからね」。矢沢本人とは会わなかったが、妻マリアさん、娘洋子さんと対面。2人から矢沢が試合を見てくれていることを教えてもらったという。「その事実を知れたことで満足」。翌7日は休養の予定だったが、永ちゃんライブの余韻でいてもたってもいられず、体を動かした。

この日は軽くスパーリングを披露したのみだったが、重いキックやキレのあるフットワークで、好調を伺わせた。6月末にボクシング元世界3階級王者亀田興毅氏とスペシャルマッチで対戦。ボクシングの前傾姿勢になりがちだったが、「切り替えはできている」と修正済み。18年2月に判定勝利で苦戦したスアキムにも「圧倒的な差をつけて勝つ」と言い切った。

「自分は矢沢さんにはなれないですけど、また違った形ですごいものを見せたいと思った」。永ちゃんパワーを力に、主戦場のキックボクシングで再び強さを見せつける。

練習を公開した那須川天心(右)(撮影・丹羽敏通)
白鳥大珠(左)とスパーリングをする那須川天心(右)(撮影・丹羽敏通)

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村田が挑む「25%」難関、おどける王者に冷静貫く

予備検診を終え、記念撮影に応じる村田(撮影・河野匠)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が、過去最高の仕上がりを武器に「難関」の即再戦での王座奪回を狙う。

12日、エディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦を控えた村田は9日、都内で王者とともに予備検診を受けた。約2カ月の実戦練習に不安がないことを強調し、国内所属ジム世界王者が王座陥落後のダイレクトリマッチで過去12戦3勝という不利なデータを打ち砕く構えだ。

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ほどよい緊張感を持続させながら、村田は充実した笑みをみせた。昨年4月の記者会見以来、約2カ月ぶりにブラントと予備検診で再会し「特別な気持ちはない」と涼しい表情。医師の診断を受ける写真撮影時、自らの背後でおどけた表情をみせた王者を気にせず「(感情は)コントロールしなきゃいけないですね。熱くなりすぎず冷静に。肝心なのは自分の仕事に集中できるようにということです」と冷静さを貫いた。

実戦練習は今月5日に打ち上げた。5月上旬から始めたスパーリング数は130回を超えた。帝拳ジムの浜田代表は「過去最高の調整でした。週3回のスパーリングも、すべてが予定通りに進んだ」と手応えを口にした。試合1カ月半前に38度の高熱で10日間、スパーリングできなかった昨年10月の第1戦時と比較し「移動、減量などでマイナスなことがあった。『良い勝ち方をしなくてはいけない』というのもあったが、今回はブラントだけに絞れる。勝ち方は関係ない。勝てばいい」と強調した。

国内所属ジムの世界王者による王座陥落後の即再戦で勝利した例は、白井義男から山中慎介まで過去12戦で3勝と少ない。輪島功一の2度、徳山昌守の1度のみという勝率25%の「難関」となるものの、村田には完璧に近い状態にまで仕上げてきた自負がある。

「ここまでの練習が最高に良かったと思いますし、自信もあります。2日後の計量、試合当日まで良い状態に持っていかないといけないと思います」

検診後すぐに大阪市に移動し、現地でもジムワークを消化した村田がリベンジ達成で、過去の不利データも打ち砕く。【藤中栄二】

予備検診を終え、会見で笑顔を見せる村田(右)と帝拳プロモーション浜田代表(撮影・河野匠)

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村田諒太が世界戦へ自信「僕の方が体格もパワーも」

予備検診を終え、会見で笑顔を見せる村田(右)と帝拳プロモーション浜田代表(撮影・河野匠)

ボクシングWBA世界ミドル級4位村田諒太(33=帝拳)が「パーフェクト調整」で、自身5度目の世界戦に臨む。12日にエディオンアリーナ大阪で同級王者ロブ・ブラント(28=米国)との再戦を控え、9日に都内で予備検診に臨んだ。ドクターチェックで両者ともに異常はなかった。

村田は「ここまでの練習は最高という自信はあります。明後日の計量もあるし、試合まで最高の状態に持っていきたい」と充実した表情を浮かべた。

5月上旬から本格的にスパーリングを開始。スパーリング数は130ラウンドを超えた。帝拳ジム浜田剛史代表も「村田は過去最高の調整だった。これほどまでに予定通りに調整が進んだことはなかった。全部予定通りだった」と強調。判定負けを喫した昨年10月、米ラスベガスでの第1戦直前を比較し「前回は移動、体重調整、そして『良い勝ち方をしなくてはいけない』というさまざまなマイナスのことがあった。今回はブラント1人に絞れる。勝ち方は関係ない。勝てばいいから」と後押しした。

なお体格の測定では、身長で183センチの村田は王者より1センチ上回ったが、リーチは189センチで3センチほど下回った。両者が並んだ雰囲気よりも体格差がなかったものの、村田は「ボクの方が体格もあって、パワーもあると思う。(数値は)計り方次第で変わりますから」と笑顔をみせていた。

予備検診を終え、記念撮影に応じる村田(撮影・河野匠)
王者ブラント(左)が見つめる中、予備検診に臨んだ村田(撮影・河野匠)

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井上尚弥2度目は“一歩風”「ザ・リング」表紙公開

森川ジョージ氏が描いた、ザ・リング9月号のWBA・IBF世界バンタム級王者井上の表紙(ザ・リング公式サイトより)

ボクシングWBA・IBF世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)の2度目登場となる米老舗ボクシング誌ザ・リング9月号表紙が8日(日本時間9日)、同誌公式サイトで公開された。1922年創刊で歴史と権威のある同誌の今年2月号で日本人で初めて単独表紙で起用されていた。

今回は人気ボクシング漫画「はじめの一歩」を連載し、JBスポーツボクシングジムの会長も務める森川ジョージ氏が描いた井上のアートワークが表紙。長年、漫画とアニメのファンだという同誌ダグ・フィッシャー編集長は「編集委員会は漫画界のレジェンドの芸術が私たちを魅了してくれたことをうれしく思います」とコメント。また森川氏による「井上尚弥選手は日本人にとって特別なボクサー。ボクシングのファン、井上選手のファンとして心からアートワークを描きました」とのコメントも寄せられた。

ザ・リングは創刊後から独自に各階級のランキングや王者、階級を超越した最強王者を選定。5月18日のワールド・ボクシング・スーパー・シリーズ準決勝となった井上-IBF王者エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)戦はバンタム級のザ・リング認定ベルトも懸けられ、勝利した井上がゲットしていた。

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