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武井壮「ルール変えなきゃ」比嘉体重超過問題で持論

左から比嘉大吾、武井壮


 武井壮(44)が16日、文化放送で放送された特番「武井壮のガッとしてビターン!」で、親交が深いプロボクサーの比嘉大吾(22=白井・具志堅スポーツ)が、体重超過でWBC世界フライ級王座を剥奪された揚げ句、級2位クリストファー・ロサレス(23=ニカラグア)に9回TKO負けした件に触れ「ルールを変えなきゃいけない」と訴えた。

 武井は、「比嘉選手は、日本の世界王者として初めて世界戦で体重超過をやってしまったことは汚点を残したなと思います。僕は普段かわいがっている後輩だし、仲の良い友人でもあるけれど『やっちゃったな、やってはいけないミスを犯したな』と思っています」と比嘉を厳しく批判した。

 その上で、山中慎介さんがWBC世界バンタム級タイトルマッチで、前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(メキシコ)と再戦し2回TKO負けした件と比較し、比嘉の今回の体重超過は「最大級の迷惑をかけなかったことが救い」と語った。

 武井 (山中さんとネリの試合は)体重超過してかなり重い状態で作ってきて、体力を消耗していない選手と試合をして2ラウンドでKOされてしまうっていうようなことが起きてしまった。まともに体を作って絞って削れた状態で試合会場にきてたった1日リカバーした分で戦う、という今のボクシングのルールを守らなかった選手にメリットがあるということなんですよ。(中略)ただ今回の比嘉選手は負けたから。調整に失敗して、パワーもなくて、しかも相手も強くて。だから、やられちゃった側がデメリットを被っていないからまだ良かった。比嘉選手が最大級の迷惑をかけなかったことが救いだったと僕は思っていて。

 その上で「きちっと作った挑戦者がチャンピオンを打ち負かすということ以外に幸せなゴールが何一つないということになっちゃう。だからルールを変えなきゃいけないんじゃないかなあと」とルール改正を訴えた。そのポイントは

 (1)初日の計量でオーバーしちゃったらその時点でハンディマッチにする。例えば12ラウンドある中を3分割して4ラウンド分、4ポイント減点した状態からスタートするとか。そしたら例えば、数百グラムのオーバーを2回目の計量までに落として来たら、そのポイントだけで済む。4ラウンド取れているんだからもう無理して攻める必要ないし、しっかりパンチを見られるし、一方相手はしっかり攻めていかないと取り戻せないから体力も使うだろうし。フラット(平等)にはならないけれど、そこでちょっと少しやってしまった側にハンディキャップを与えられるじゃないですか。

 (2)2回目の計量もだめでした、そして当日の何キロまでに抑えてくださいというところまでを守った。つまり今回の比嘉選手のように、1日目の計量が全部だめだったら、もうその時点で、王座移動でいいと思う。相手がチャンピオンでいい。それでも興業の問題で試合を行わなくてはいけないんだったら、まずチャンピオンが入れ替わった状態で、比嘉選手がチャレンジャーとして挑戦することになる。しかもそこにハンディキャップがもうある。しかも初日のハンディキャップよりも二日目の方が大きくて、判定になったらもう勝てない。KOして勝った場合だけ無効試合になる。チャンピオンを奪った選手はチャンピオンのまま。

 武井は「賛否あると思うんですけど、けどまあ危険性をはらんだ試合を行う、体重超過をしていない選手にメリットを与えるという意味ではこのくらいないといけないと思う」と持論を展開した。

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初防衛戦控える村田諒太が気付けたスパーリングの罠

公開練習でパートナー(左)を相手にスパーリングを披露する村田(撮影・小沢裕)


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が2日、初防衛戦(4月15日、横浜アリーナ)へ向けた練習を都内のジムで公開した。

 挑戦者で同級8位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)対策を、外国人パートナーを相手にした2回のスパーリングで確認。こまめなジャブで距離感を測りながら、右ストレートを打ち込む好機を多く作り出した。上下の打ち分け、左フックのカウンターなどもさく裂させ、この日で合計100回となった実戦練習での成果を報道陣にアピールした。

 「全体的にはいいですが、やはり欲が出て相手を圧倒しようとなってくるとだんだん自分の距離を崩して無駄にスタミナを浪費してしまうところがあった。冷静に戦えるかが課題」。王座を戴冠した昨年10月のアッサン・エンダム戦での反省点を糧にする。

 スパーリングの「わな」に気付けたことが大きい。「スパーリングを始めた週からだいたい2週間くらいいつも良いんですね。3週目、4週目にどうしても崩れる。それはスパーの動きに慣れて、どうしても相手を圧倒しようという気持ちが芽生えてくる、そうなると崩れてくるということ。毎試合毎試合そういうことを繰り返しているんですね。それは僕に限らず、みんな波があるというのは、良くなっているからこそ、来る波なんです。それを気付けた」。スパーリングでも「欲」こそが、スタイルを崩す原因。それを周囲からの「何でもやろうとするな」の助言で意識したという。「シンプルで始まり、複雑になり、またシンプルに戻る。またそのパターンかな」と方程式を認識したことで、試合での応用も利かす。

 先月には南京都高、帝拳ジムで先輩だった元WBC世界バンタム級王者山中慎介さんが前王者ルイス・ネリとの再戦に敗れた後、引退を発表。「先輩が引っ張ってくれたみたいに、僕自身も自分の後ろ姿を見せないといけない。あれだけ注目される試合でも落ち着いてましたし、周りに気を使わせることもなかった。そういうチャンピオンでいたい」と表情を引き締めて語った。

公開スパーリングでパートナー(右)に左パンチを浴びせる村田(撮影・小沢裕)

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「パパ卒業おめでとう」ボクサー山中慎介、父に戻る

引退会見を行った山中慎介氏は左手を高々と上げてポーズを決める(撮影・松本俊)


 ボクシングの元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(35)の引退会見が26日、都内で行われた。

 雪辱を期した1日の同級タイトルマッチで、前日計量失格で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(メキシコ)に2回TKO負け。試合直後に引退を表明していたが、あらためて“卒業式”に臨んだ。

 「神の左」を武器に日本歴代2位の12度の世界戦防衛を達成。その強さの源泉はパンチの9割以上がストレート系という無類のスタイルを信じ、貫き続けたからこそだった。

    ◇    ◇

 「パパ、卒業おめでとう!」

 長男豪祐君(5)の言葉に、山中氏はこみ上げた。長女梨理乃(4)にもねぎらわれ、プレゼントされた似顔絵を見て「髪の毛薄いね…」と笑い、涙をためた。

 世界王者となり、結婚し、2人の子宝に恵まれた。11年11月から5年9カ月の長期政権。長く王者でいたからこそ、家族との幸福な卒業式を迎えられた。

 「15歳からボクシングを始めて20年、本日をもちましてボクサー山中慎介は引退します」

 中学校の卒業文集にはWBCの世界王者になると書いた。

 「12度も防衛できて、目標よりもはるか上の世界にいけたことには満足しています」

 ネリ戦は計量失格などもあり、理想の終わり方ではなかったが、「試合翌日もスッキリした気持ちでいれた。自分自身に勝てた」。集まった報道陣ら約150人を前に、晴れやかな表情で過ごした。

 思い出に残る一撃は、V2のロハス戦。7回にあごをとらえ、頭部から前のめりにリングに沈めた。

 「常にこれくらいのKOをしてやろうと思えた」

 その左拳「神の左」には「強かったよ」と声をかけた。

 今後は未定だが、「何事にもチャレンジしていく」と期する。記憶にも記録にも残る名王者がリングに別れを告げ、第2の人生を歩み出す。【阿部健吾】

引退会見を行った山中慎介さんは神の左と呼ばれた手をじっと見つめる(撮影・松本俊)
引退会見を行った山中慎介(右)は高校時代からの後輩・村田諒太から花束を贈られ、一緒に笑顔で記念撮影を行う(撮影・松本俊)

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山中慎介6401発中5896発の信念、そのすごさ

山中慎介(左)はカルロス・カールソンから強烈なパンチでダウンを奪う(2017年3月2日)


 ボクシングの元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(35)の引退会見が26日、都内で行われた。

 雪辱を期した1日の同級タイトルマッチで、前日計量失格で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(メキシコ)に2回TKO負け。試合直後に引退を表明していたが、あらためて会見を開いた。

 「神の左」を武器に日本歴代2位の12度の世界戦防衛を達成。その強さの源はパンチの9割以上がストレート系という無類のスタイルを信じ、貫き続けたからこそだった。

 会見で帝拳ジムの浜田代表は言い切った。

 「最初で習うワンツー、ストレートで世界王者になった選手は他にいない」

 比類なき戦い方こそがすごみだった。

 日刊スポーツ調べでは、世界戦15戦の総パンチ数は6401発。うちストレート系(ジャブ含む)は5896発、フック・アッパーが505発で、前者の割合は約92%にも上る。長谷川穂積氏が王者ウィラポンを3-0の判定で破り、同じWBCバンタム級王者となった05年の試合では約54%(1267発中679発)。多彩なパンチを打てる方が攻撃に幅が出るというのが一般論で、こちらの数字のほうがスタンダードなボクサーと言える。

 そのあまりにも特異なパンチの割合に山中氏は「歴代の王者の中でもトップクラスの引き出しの少なさだったかも」と会見で笑いを誘ったが、そこにこそ自負は宿る。

 南京都高でボクシングを始めた直後に直感があった。入学後、右構えをサウスポーに変更。

 「すぐにこれ一番の武器やなと。違和感なく力強く打てたストレートの距離がしっくりきた」

 もともと字を書くのは左、繊細な作業に向いた。サッカーも左利き。右が軸足の回転がサウスポーと同じだった。その距離感はすでに他選手とは30センチ以上遠く、独自の間合いがあった。

 「神」の兆しはプロ3戦目。2回に左で初KO勝ちしたが、試合後のグローブが割けていた。マウスピースがない相手の下の歯で、内部まで貫通。拳を下方向に擦って押し込むパンチが特徴で、その威力を物語っていた。

 その後は判定勝ち続きも、確信は9戦目。過緊張で指示も頭に入らない課題を抱えていたが、この時は大和トレーナーの作戦を忠実に実行。左カウンターでダウンを奪うと、同トレーナーを見て笑った。本人は「覚えていない」が、そこから世界王座決定戦まで9連続KO。覚醒の時だった。

 やがて「神の左」は誇大表現ではなくなっていった。

 「自分を信じて日々、左ストレートを練習してきましたから」

 そのぶれない姿勢。多彩より独自を追求し、信じ続けた姿こそ、覇業をなす源だった。【阿部健吾】

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「本日をもちましてボクサー山中慎介は引退します」

山中慎介は引退会見で涙をぬぐう(撮影・松本俊)


 元ボクシングのWBC世界バンタム級王者山中慎介さん(35)の引退会見が26日、都内のホテルで行われた。

 1日に行われた同級タイトルマッチで、前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と雪辱を期した再戦に臨んだが2回TKO負けし、試合直後の控室で引退を決めていた。

 壇上では冒頭にあいさつ。「15歳からボクシングを始めて20年、本日をもちましてボクサー山中慎介は引退します」と深々とお辞儀した。

 「これまで本当にいろんな方に応援していただきました。帝拳ジム、スポンサー、後援会、関係者、そしてファンのみなさんに支えられてきました。ここまで勝ち続けて苦しいこともありましたが、それ以上にボクシングを通じて成長させてもらった。今後についてはまだはっきり決まっていませんが、ゆっくり家族と過ごしながら決めていきたい」と述べた。

 神の左と称された左拳を武器に日本歴代2位となる12度の世界戦防衛を達成。5年9カ月にわたって世界王者であり続けたボクサー人生の幕を閉じた。

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卜部功也、体重超過の一戦に本音「すごく怖かった」

試合から一夜明け、リラックスした様子の卜部功也(撮影・吉池彰)


 K-1ライト級の新チャンピオン卜部功也(27)が22日、都内で会見し、体重超過の王者ウェイ・ルイ(26=中国)との一戦について本音を吐露した。

 卜部功は「K-1 WGP 2018 ケーズフェスタ・1」(21日、さいたまスーパーアリーナ、日刊スポーツ新聞社後援)の同級タイトル戦で、ルイに2回1分15秒KO勝ちした。グローブはルイ10オンス、卜部功8オンスというハンディを得ての戦いではあったが、気持ちと技術で狙いすました左ストレートをさく裂させた。

 武尊に続く2階級王者となり、コーナーポストで勝利の雄たけびを上げたが、試合前の心中は穏やかではなかった。ボクシングのWBC世界バンタム級タイトル戦で、元王者の山中慎介(35)が1日、体重超過で王座剥奪の前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)に、無念の2回TKO負けを喫しており、そのことが頭にあった卜部功は「負けるイメージとの葛藤があった」という。「やる前はすごく怖かった。実際どうしようかと思った」と気力を振り絞って試合に臨んだ。

 結果的に完勝したが、卜部功は「K-1は世界最高の舞台。体重オーバーは、より厳しくしないとダメ」と苦言を呈した。

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山中相手、計量1時間前400gオーバーにざわつく

前日計量をクリアし会見に臨む山中(撮影・清水貴仁)


 ボクシングのダブル世界戦(18日、神戸ポートピアホテル)でWBO世界ミニマム級タイトルマッチに臨む王者山中竜也(22=真正)と同級4位モイセス・カジェロス(28=メキシコ)が17日、神戸市内で行われた前日計量をクリアした。

 午後1時から行われた計量で両者ともに47・6キロのリミット。山中は「バッチリです。完璧。ずっと言っているけれど、誰が見ても勝っている試合をしたい」と言い切った。

 一方のカジェロスは、計量約1時間半前に体重計に乗った時点では400グラムオーバーだった。1日のWBC世界バンタム級タイトルマッチでは、元王者山中慎介と対戦した同じメキシコのルイス・ネリが大幅な体重超過。ネリに永久追放の処分を下した日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長は前日16日の調印式で「日本とメキシコ間のひびが、山中(竜也)選手とカジェロス選手の試合で再構築されると期待したい」とコメントしていた。

 計量の午後1時を迎えるまで会場はざわついていたが、カジェロスはきっちりとリミットまで落とした。平然とした顔の挑戦者は「ネリと僕は全然違うから。抜群のコンディションで、明日は必ず勝つ」と闘志を燃やした。

前日計量を1発でクリアしひといきつくカジェロス(撮影・清水貴仁)

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山中慎介氏「いいやつ」初防衛戦の山中竜也にエール

山中慎介(2017年8月16日撮影)


 ボクシングの元WBCバンタム級王者の山中慎介氏(35)が、18日に初の防衛戦に挑むWBOミニマム級王者山中竜也(22=真正)にエールを送った。15日、関西テレビで元世界3階級王者の長谷川穂積氏(37)と、吉本新喜劇座長の小籔千豊(44)が司会を務めるカンテレ「コヤぶるっ! SPORTS」(17日午後5時)の収録に参加した。

 山中は、ボクシングの総会などで会ったことのある山中竜也について「いいやつ」と笑顔。自身も初防衛戦を乗り越えて成長したといい、「大事な試合なので、成長するためにも必ず勝ってほしい」と勝利を期待した。

 山中はルイス・ネリ(23=メキシコ)との1日の同級タイトルマッチ後、初のスタジオ出演。ラブコールが実った小籔は「どうせ無理やろうなと思っていた。(出演が決まって)びっくりした」。山中は「すごくうれしくて(オファーを)お受けした」と目を細めた。

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山中慎介が初防衛戦の山中竜也にエール「いいやつ」

カンテレ「コヤぶるっ! SPORTS」の収録に臨んだ(左から)本田望結、小籔千豊、山中慎介、長谷川穂積氏=2018年3月15日、関西テレビ


 ボクシングの元WBCバンタム級王者の山中慎介(35=帝拳)が、18日に初の防衛戦に挑むWBOミニマム級王者山中竜也(22=真正)にエールを送った。15日、関西テレビで元世界3階級王者の長谷川穂積氏(37)と、吉本新喜劇座長の小籔千豊(44)が司会を務めるカンテレ「コヤぶるっ! SPORTS」(17日午後5時)の収録に参加した。

 山中は、ボクシングの総会などで会ったことのある山中竜也について「いいやつ」と笑顔。自身も初防衛戦を乗り越えて成長したといい、「大事な試合なので、成長するためにも必ず勝ってほしい」と勝利を期待した。

 山中はルイス・ネリ(23=メキシコ)との1日の同級タイトルマッチ後、初のスタジオ出演。ラブコールが実った小籔は「どうせ無理やろうなと思っていた。(出演が決まって)びっくりした」。山中は「すごくうれしくて(オファーを)お受けした」と目を細めた。

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山中竜也の相手カジェロス調整OK「ネリじゃない」

山中竜也との世界戦に向けて公開練習に臨んだカジェロス(撮影・松本航)


 ボクシングのWBO世界ミニマム級4位モイセス・カジェロス(28=メキシコ)が14日、神戸市内の旧真正ジムで公開練習に臨んだ。18日に神戸ポートピアホテルで行われる同級王者山中竜也(22=真正)との世界戦に向けて、同国のボクサーで話題のルイス・ネリ(23)との違いを強調した。

 1日のWBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)を体重超過による王座剥奪の末に破ったネリ。所属こそ違うが、カジェロスは先月、ネリと3ラウンドのスパーリングを行ったという。その際にスマートフォンに納めた写真を披露しながらも「体重(調整)はうまくいっている。僕はネリじゃないから」と笑わせた。

 公開した約30分間の練習では軽めの調整に終始。今回の世界戦を行う両者が“因縁の一戦”との直接的な関係はないものの、偶然にも「ヤマナカ」対「メキシコ勢」の顔合わせだ。山中竜との大一番に向けて「彼はいいボクサーだが、勝つために日本に来た。KOで勝ちたい」と力強く言い切った。

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WBCがネリを聴取 体重超過問題を徹底的に調査

ルイス・ネリ(2018年3月1日撮影)


 WBC(世界ボクシング評議会)は12日(日本時間13日)、元バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)と対戦した1日の同級タイトルマッチで体重超過のために王座剥奪となった前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)を同日までに聴取したと発表した。WBCは既に無期限資格停止の処分を科し、日本ボクシングコミッション(JBC)は日本でのボクシング活動を永久に停止させると発表している。

 試合はネリが2回TKO勝ちし、敗れた山中が引退を表明したが、コンディション面での理不尽な差は大きく、王座剥脱覚悟だったとも取られかねないその姿勢に大きな批判が集まっていた。ネリは前回対戦で山中から王座を奪った後の昨年8月下旬にも、ドーピング検査で陽性反応を示したことが判明していた。

 発表された声明では、WBCのマウリシオ・スライマン会長が体重超過問題を徹底的に調査すると宣言。いかさままがいのトレーナーやフィジカルトレーナーによる安全ではない練習方法への注意喚起を促し、ネリが実践していた「水分過剰」による減量方法についても言及。7キロの水に加えて特別な「ミルクシェイク」を一気に摂取するような減量法が、ネリをつぶしてしまったと指摘した。同会長は「第三者による不確かな提案を進んで受け入れるようなボクサーは、ボクサーとしてふさわしくなく、リスクにさらされる。この問題については調査していきたい」とコメントした。

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体重超過ネリを永久追放 JBC日本での活動認めず

ルイス・ネリ(2018年3月1日撮影)


 日本ボクシングコミッション(JBC)は9日、山中慎介(35=帝拳)とのWBC世界バンタム級タイトルマッチ(1日、両国国技館)の公式計量での大幅な体重超過で王座剥奪となったルイス・ネリ(23=メキシコ)に対し、日本での活動を永久に停止させると発表した。「階級制を前提としたボクシングに対する社会的信用を著しく毀損(きそん)する行為」とコメント。体重超過による同様の処分は初となる。

 ネリは前日計量1回目で制限体重53・5キロを2・3キロオーバーし、約2時間後の再計量でも1・3キロ超過。試合は2回TKO勝ちしたが王座は空位となり、敗れた山中は引退を表明した。昨年8月の対戦で山中から王座を奪った後には、ドーピング検査で陽性反応を示したことが判明し、非難を浴びた。

 WBCはすでに無期限出場停止処分を決め、今後の公聴会にネリを呼び、状況説明を求める。JBCはWBCには報告済みで、他の世界タイトル認定団体、米国コミッションなどに決定を通知して協力を促す。

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ネリ永久追放、体重超過では日本ボクシング異例厳罰

チーズケーキとコーヒー飲料を手に息巻くネリ


 日本ボクシングコミッション(JBC)は9日、1日に行われたWBC世界バンタム級タイトルマッチ(両国国技館)における計量で大幅に体重超過して王座を剥奪された元王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)に対し、日本でのボクシング活動を永久に停止させると発表した。8日に開催した倫理委員会で決定した。

 体重に関連する同様の処分は初で、JBCは「それだけ悪質と判断した」と説明。JBCは海外から招請した選手の体重超過については自動的に1年間の招請禁止処分を科してきたが、今回は世界戦かつ重大な違反として、厳罰を科した。

 ネリは元王者山中慎介(35=帝拳)との昨年8月以来の再戦となった一戦の前日計量で失態をさらした。1回目にリミットの53・5キロを2・3キロもオーバーする55・8キロ。約2時間後の再計量でも1・3キロの54・8キロと落としきれずに、はかりの上で王座を失った。試合は山中が勝った場合のみ新王者になる条件で実施されたが、ネリが2回TKO勝ち。王座は空位となり、山中は現役引退を発表した。

 JBCはWBC以外のタイトル認定団体であるWBA、IBF、WBOにも重罪とした処分を通知する。ネリはすでにWBCより無期限出場停止処分を受けているが、現状では他団体であれば試合を行える。

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元王者アルバレスにネリと同様の禁止薬物陽性反応


 ボクシングの元2階級制覇王者サウル“カネロ”アルバレス(27=メキシコ)が、ドーピングで陽性反応を示した。カネロと契約する米ゴールデンボーイプロモーションが5日に明らかにした。5月5日に米ラスベガスでWBAスーパー&WBC&IBF統一世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(35カザフスタン)と再戦を予定している。

 カネロはグアダラハラでのキャンプ中で、2月に2回にわたって自主的に検査を受け、筋肉増強作用で禁止薬物のクレンブテロールが少量検出された。カネロは「驚いている。必要な検査をすべて受ける。最終的に真実が明らかになるものと思っている」との声明で潔白を主張。米国に練習拠点を移し、必要な検査を受けるという。ゴロフキン戦は昨年9月に行われ、三者三様の採点で引き分け。採点で物議を醸し、直接再戦することになっていた。

 最近になって、クレンブテロールは多くのメキシコ人選手から検出されている。16年には三浦隆司を下したWBC世界スーパーフェザー級王者フランシスコ・バルガスが初防衛戦前に陽性反応を示した。また、WBC世界バンタム級王者山中慎介のV13を阻んで王者となったルイス・ネリも、同様の禁止薬物ジルパテロールで陽性反応を示した。いずれも牛肉に違反薬物が混入しており、原因は汚染食品にあるというものだった。

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張本氏がネリに大喝!「これからもこんな人が出る」

張本勲氏(2017年12月撮影)


 張本勲氏が4日、TBS系テレビ「サンデーモーニング」に出演。プロボクシングのルイス・ネリ(メキシコ)に「大喝!」を出した。

 ネリは1日に行われたボクシングのバンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)と対戦。2回TKO勝ちしたが体重超過のため王座剥奪に。前日3日に無期限資格停止処分となった。

 張本氏は「大喝!ですよ。話になりませんよ」と激怒した。

 さらに「試合前に計量するんですよ。(体重超過が)分かったら中止にすればいいんですができないんですよ、営業だから。だけどね中止にしないとこれからもこんな人が出てきます」と続けた。

 「例えば(ファイトマネーが)1億円入るでしょ。一銭もやらないと言ってるなら別だけど、もう30%の3000万円を払ってるんですから。(敗れて引退を表明した)山中がかわいそ過ぎますよ」と怒りが収まらないようすだった。

 今回の件ではネリのファイトマネーは残り7割が凍結されているという。

山中と戦うネリ(3月1日撮影)

ネリ蛮行に迅速で重大な制裁、計量失格頻出の抑止力

1日、ファイティングポーズを取り陽気な様子で当日計量に訪れたネリ


 WBC(世界ボクシング評議会)が2日(日本時間3日)、1日のバンタム級タイトルマッチで山中慎介(35=帝拳)と対戦したルイス・ネリ(23=メキシコ)を無期限出場停止にすると発表した。大幅な体重超過で計量失格となり、王座を剥奪されていた。試合は2回TKOで勝利したが、王座は空位、山中は引退を表明した。今後ネリへの聴取も行う。

 蛮行に異例の早さで制裁が下された。試合終了から約36時間後、WBCが本部を置くメキシコ時間の2日午後4時55分、日本時間3日午前7時55分、極めて厳しい文面でネリへの処分が発表された。

 「バンタム級王者が公式計量に5ポンド(約2・3キロ)もオーバーしてきたことは、単純に受け入れがたい。公式にネリを無期限出場停止処分にすると決めた」

 2月28日の前日計量では1回目でリミットを2・3キロオーバーの55・8キロ、再計量でも54・8キロと超過し、王座を失った。初めから減量を諦めたかのような態度に、統括団体として断固たる措置を下した形だ。世界的にも同様に剥奪覚悟の計量失格のケースが頻出しており、抑止力とした意図も透ける。

 試合では山中に2回TKO勝ちした。だが、減量苦の有無など明らかな体調面の差があった上の不公平な勝利に、国内外から大きな批判が起きた。階級制の根幹を揺るがす愚行に、山中も「ルールがあるので、本当に人として失格。ボクシング界全体で厳しくしてほしい」と求めた。

 WBCは併せて、今後ネリへの聴取を行うとした。処分発表を受け、日本ボクシングコミッション(JBC)の安河内剛事務局長は「過去にも体重超過の例はある中で、非常に迅速で重大な処分」と見解。WBCはネリへのファイトマネーについても、未払い分の7割の支払いを凍結する指示をしている。

 なお、他団体での試合は行えるが、安河内事務局長は「少なからず他の主要3団体に影響を与えることになると思う」と見通しを示した。ネリはこの日、都内で取材に応じ「(処分を)受け入れるが、またベルトのために戦いたい」と話した。

 ◆WBCによる無期限出場停止 最近では16年に2度のドーピング違反が発覚したアテネ五輪スーパーヘビー級金メダルのポベトキン(ロシア)に、17年3月に無期限の出場停止処分と罰金25万ドルを科した。その後同年11月に解除され、同12月には罰金も支払われ、世界ランクにも復帰した。

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ネリ側は真摯に受け止める意向「今後話し合いたい」

1日、2回TKO勝利で喜ぶネリ(中央)ら


 WBC(世界ボクシング評議会)が2日(日本時間3日)、1日のバンタム級タイトルマッチで山中慎介(35=帝拳)と対戦したルイス・ネリ(23=メキシコ)を無期限出場停止にすると発表した。

 ネリのギジェルモ・ブリト・マネジャーは、処分を真摯(しんし)に受け止め、WBCとの協議を進める意向を示した。「我々はWBCに敬意を示す。体重をオーバーしたわけだし、ルールということは分かっている。ただ、(23歳と)若く将来もある選手。今後について話し合いたい」と述べた。ネリらは3日、帰国の途に就いた。

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ドーピング疑惑にグローブ問題など/ネリの騒動

1日、非公開で行われた当日計量をパスし、チーズケーキとコーヒー飲料を手に部屋を出るネリ


 WBC(世界ボクシング評議会)が2日(日本時間3日)、1日のバンタム級タイトルマッチで山中慎介(35=帝拳)と対戦したルイス・ネリ(23=メキシコ)を無期限出場停止にすると発表した。

<ネリの騒動>

 ◆ドーピング疑惑 昨年8月15日に京都で行われた山中との世界戦後、7月27日にメキシコで検査した検体に禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が発覚。家畜の成長促進剤で、ネリ側は牛肉に混入していたと主張した。WBCは過去の検査がすべて陰性で、意図的摂取の証拠もないとして、ベルト剥奪などの処分はなし。同時に、山中との再戦交渉に入るように命じた。今回の試合前の2月2、3日の検査では陰性だった。

 ◆グローブ 2月27日の調印式でメキシコ製グローブを準備した山中陣営に対し、日本製で統一するように要求。契約で通達済みとしていたが、本田会長は「そんなことはない。日本製は使わないとのことで、こちらがメキシコ製にした。ふざけた話」と否定した。結局、翌28日のルール会議で、日本製で統一された。

 ◆計量失敗 2月28日の前日計量で大幅な体重超過。その場で王座剥奪となった。3月1日に2回TKO勝ちした後は、客席から「早く帰れ!」とブーイングを浴びた。

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ネリ無期限資格停止 WBC「受け入れがたい」

山中と戦うネリ(3月1日撮影)


 WBC(世界ボクシング評議会)は2日(日本時間3日)、1日に両国国技館で行われたバンタム級タイトルマッチにおいて、前日計量での体重超過により王座を剥脱された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)に、無期限の資格停止処分を科すと声明を発表した。

 1回目の計量でリミットの53・5キロを2・3キロも上回る55・8キロ。2時間後に行われた2回目も1・3キロ超過の54・8キロと大幅な超過をしたことに、「受け入れがたい」と厳しく言及した。試合は元同級王者山中慎介(35=帝拳)に2回TKO勝ちしたが、山中との体調面での差は大きく、一連の失態に批判が集中していた。

 WBCは同声明で、ネリに対して、問題を調査するための公聴会への出席も厳命した。

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ネリのファイトマネー7割凍結、WBCから待った

2回、ネリ(右)のパンチを受けてダウンする山中(撮影・小沢裕、2018年3月1日)


 ボクシングの元WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)の引退試合に禍根を残した前王者ルイス・ネリ(メキシコ)のファイトマネーが一部凍結されることになった。2日に帝拳ジムの本田明彦会長(70)が、「WBCから、すでに払った30%分の残りの70%の支払いを待つように連絡があった」と明かした。

 ネリは同級タイトルマッチの前日計量で大幅な体重超過を犯し、はかりの上で王座を剥奪されていた。減量苦の有無による山中と体調面の差も大きく、1日の試合は2回TKO勝ちしたが、王座は空位となり、失態に批判が集中していた。WBCは計量失格のペナルティーを今後決定し、資格停止の処分を下す見込み。ファイトマネーの処分も含まれる可能性があり、凍結はそれまでの措置となる。国内の世界戦では、対戦相手が失格しても満額は支払われるケースが主だった。

 日本歴代2位の世界戦12連続防衛を果たし、「神の左」の愛称でも親しまれた山中。そのラストファイトに影を落としたネリ。この日、国内の統括機関であるJBC(日本ボクシングコミッション)には、意見や抗議の電話が殺到した。「しっかりWBCに意見してほしい」「なぜ試合を行ったのか」など、夕方までに50件以上が寄せられた。【阿部健吾】

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岩佐「ボクサーとして認めない」ネリに怒り収まらず

初防衛に成功してセレス小林会長(右)と並んで一夜明け会見に臨む岩佐(撮影・丹羽敏通)


 ボクシングのIBF世界スーパーバンタム級王者岩佐亮佑(28=セレス)が、元WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)の敗戦に怒りが収まっていなかった。

 初防衛から一夜明けた2日、千葉・柏のジムで会見。自らの試合映像は見ていないが、山中の試合は見たという。「体重の影響は分からないが、2回では立て直すのは難しかった。いろんな事情で試合をやったのは事実だが、負けた以前に試合は成立していない。納得できない。ふに落ちない。悔しいし、いまだに怒りは収まらない」と話した。

 体重超過で王座剥奪にも勝利した前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)は、今後同じ階級に上げてくる可能性もある。「チャンスは与えない。かかわりたくない。ボクサーとして認めない。去るべき」と切って捨てた。

 山中とは7年前に日本バンタム級王座を争い、今回が初の共演だった。「戦う以前に立ち居振る舞い、人間性を見習いたい。いろいろ巡り合わせもあるが、つなげるようなああいうボクサー、男になりたい。山中さんの分も頑張りたい」と話した。

 小林昭司会長(45)も「ネリは減量がきついのでなく、なまけてだらしないだけ。ムカつく。リングで喜ぶ姿は許せない。モラルがない。コミッションやWBCが何らかの動きをしないと。ボクシング界の危機を感じる」とこちらも怒りが続いていた。山中には「テレビ解説もして、この4日間は一緒で、ああいう結果は1人のファンとしても残念。試合後も取材に答えていたがプロフェッショナル。あらためてすごい人だと感じた」と評した。

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ただ勝つために来た確信犯か/ボクシング関係者の声

2回、ネリ(右)のパンチを受けてダウンする山中(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

<ボクシング関係者の声>

 川島郭志氏(元世界WBAスーパーフライ級王者)「ジャブで倒し、体重ハンディがそのまま出た。ネリは元気いっぱいで、余裕を持って臨んでいた。1時間程度で再計量して1キロ落ちるとは、本気で絞っていない。ただ勝つために来た確信犯では。体を削ってやってきた山中がかわいそうで気の毒。結果がすべてとはいえ、ボクもショック。ボクシングは細かい階級があってのもの。ペナルティーを与えるなどは当然のことにしてほしい」

 具志堅用高氏(元WBA世界ライトフライ級王者)「右ジャブがストレートのようで、最初のダウンで効いてしまった。ネリは体が元に戻っていた。ちゃんと計量をパスしないと。あんな体重オーバーは、残念というよりありえない」

 日本ボクシングコミッションの安河内剛事務局長 「階級制の競技で体重という前提が崩れてしまうと、ボクシングの存在自体が危うくなる。WBCと話し合いをしていきたい」

 岩佐亮佑(IBF世界スーパーバンタム級王者)「ショック。悔しい。気持ちの悪い負け。そもそも成立しない試合。あんなのでよく喜べると思う。どんな神経しているのか。ネリは一番尊敬できないボクサー」

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山中慎介が2回TKO負け、涙の引退発表9・6%

2回KO負けの山中は、喜ぶネリを背に手を合わせて謝る(撮影・浅見桂子)


 ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が、王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)との世界戦で敗れた試合を中継した1日の日本テレビ系の平均視聴率(午後7時56分から58分間)が関東地区で9・6%、関西地区で10・1%だったことが2日、ビデオリサーチの調べでわかった。

 試合は山中が1回の終盤にダウンを喫し2回にも立て続けにダウン、最後はネリの左右のパンチに戦意喪失し、2回TKOで敗れた。山中は涙を流し観客に手を合わせて謝り、リングを後にした。控室でのインタビューでは「今後は…もちろんこれがもう最後です。これで終わりです。どんな結果であろうがこれが最後という気持ちでいました」と進退に関して語っていた。

 山中が敗れ、また2月28日の前日計量でネリが大幅な体重超過で王座剥奪されていたため、王座は空位となった。

2回、ネリ(右)にダウンを奪われる山中(撮影・狩俣裕三)
2回、ネリにTKO負けし、号泣しながらリングを去る山中(中央)(撮影・狩俣裕三)
2回KO負けの山中は、悔し泣きしながらリングを後にする(撮影・浅見桂子)

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減量から逃げた時点で敗者、戦う資格ない/大橋秀行

山中を見つめる大橋会長(左)と井上(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。

   ◇   ◇   ◇   

 これだけのブーイングが鳴り響いた世界戦は見たことがない。結果を見た全員が、「ちゃんとしたウエートなら」と思ったはずだ。ネリはリングに上がった時から体が全然違った。減量から逃げた時点で敗者であり、男と男の勝負のリングに立つ資格はない。ボクサーにとって最後の2キロを落とすのは想像以上につらい戦いだ。試合前日にその緊張感がぷつりと切れた山中の心は想像するだけでつらい。

 納得がいかないし、こういう事態が起こる度どうにかならないのかと思う。ルールを厳罰化しないと、また同じことの繰り返しになる。日本ボクシングコミッション(JBC)にはWBCに、しっかりと意見を挙げてもらいたい。山中は世界戦を戦い続けてきたダメージの蓄積もあったと思う。ただ、負けた後の歓声がファンから愛された人柄を表していた。悔しい最後になってしまったが、日本ボクシング史に残る伝説的な王者だった。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)

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本田会長ねぎらいの言葉「山中の調整は完璧だった」

山中は、悔し泣きしながらリングを後にする(撮影・浅見桂子)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

 帝拳ジムの本田会長は山中について「これだけ人間性の良いボクサーは見たことがない。人柄が後援会を大きくし、それに支えられる形でやったきた。ある意味ではセンスより努力でここまできた」とねぎらった。ネリとの体重差については「体重差なのか打たれ弱くなっているのかは分からない。山中の調整は完璧だった」と受け入れつつ、「ルールに縛られないと反省はしない」と悔しい胸の内ものぞかせた。

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ネリあきれた持論「フィジカルのメリットは山中に」

2回TKO勝利に喜ぶネリ(中央)(撮影・浅見桂子)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

 「60キロでリングに上がった」というネリは「(当日計量後の)正午まで取りたい食事を取れなかった。山中選手は1回の(前日)計量でパスして、それからずっと体を回復させることができた。フィジカル面でのメリットは山中選手にあった」と驚きの持論を展開した。客席から「早く帰れ!」と怒号を浴びて引き揚げた控室で「オレたちはやったぞ」と大合唱。試合の映像を念入りに見返し「無敗記録を守れた。王座を失ったことは残念だが、勝てば再び戻れる」と悦に入った。最後には「日本人は親切だし、食事も大変、口に合う。また日本で試合をしたい。今回のミスは2度と繰り返さない」と真顔で話すメンタルの強さも見せつけた。

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ファイトマネー支払い、厳罰なき甘い処分/記者の目

2回、3度目のダウンでTKO負けとなる山中(左)。右は勝利を喜ぶネリ(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

 怒り、喪失感が両国国技館には満ちていた。山中がリングから四方に深々と礼をして去った後、残って喜ぶネリには「帰れよ!」の罵声も飛んだ。南京都高、帝拳ジムでも後輩のWBA世界ミドル級王者村田諒太は「勝者なきリングはダメだ」と憤った。ネリの手にベルトはない。前日計量の体重超過ですでに剥奪され、王座は空位となった。

 階級制では数百グラムの違いもパンチの差に出る。だからこそ、17階級で細かく制限体重が設けられる。最低限のルールも守れずに、減量を最初から断念したかのような態度でもリングに上がれる現実。興行をつぶさないことが優先で、テレビ局の都合もある。だが、勝者はいない。絶対的不利にも、勇猛に挑んだ山中には感銘を受けるが、ネリへの罰の軽さは競技の根幹を揺るがす事態だ。

 ネリにはWBCから6~9カ月の処分停止が科される見込みだが、甘い。ファイトマネーも支払われる。主要統括4団体に共通の処分規定はなく、4団体あるからこそ剥奪されても、次のチャンスがある。世界的に同様のケースは後を絶たない。2年間の停止や、ファイトマネー没収などの厳罰がなければ今後も続くだろう。

 日本ボクシング史に残るボクサーの最後には、あまりにも禍根が残る結末。統括団体などが重く受け止め、改善への契機となることを願う。【阿部健吾】

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山中妻も困惑「主人の努力は何だったんだろう」

2回、TKO負けを喫した山中は観客の声援を受けながらリングを下りる(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

 山中の妻、沙也乃さん(32)は困惑した。2人の子どもとリングサイドで敗北を見届けて「どういう感情をもっていけばいいのか、分からない。同じスタート(体重)じゃないので。相手の(試合への)挑み方を見ると主人の努力は何だったんだろう」と不思議そうに言った。前夜は電話で会話をして「主人は『勝つしかないね』と言っていた。正々堂々と明らかに負けとかなら…。受け入れるしかないですが」と戸惑っていた。

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花道去るときに振り返って深々と礼、山中慎介の流儀

敗れた山中は、喜ぶネリを背に手を合わせて謝る(撮影・浅見桂子)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。

 強い者は優しい。山中にはその言葉がしっくりくる。「大丈夫ですか?」。取材が進み、最後に近づくと決まって聞いてくる。懇切丁寧に質問に答え続け、こちら側が満足したのかどうか、いつも気にかける。そんな周囲に対する心遣いは、昨年8月の敗戦直後にも、変わらなかった。

 本人の記憶はおぼろげだが、試合の数日後に都内の自宅近所のお肉屋で頭を下げた。「(試合会場の)京都まで来てもらい、勝てなくてすいません」。菓子折を手に、足を運んだ。自身が覚えていなくても、染みついた気の使い方。だからこそ、デビュー戦は20人だったチケット購入者が、いま東京、関西で計約1500人を誇る日本一の後援会を持つまでになった。この日両国を埋めた8500人の仲間が、宝物でもあった。

 高校で日本一になったが、専大で燃え尽き症候群に。中途半端に終わったのが、ボクシングを続けた理由だった。期待されないまま名門ジムでもがき、誰にもまねできない「神の左」を信じ続けた。29歳の遅咲きで王者になり、日本単独2位の世界王座12連続防衛を達成した。後輩への気の使い方はいまも細やかだ。苦しみを知り、己のことを信じてこられたからこそ、他人にも優しくなれる。花道を去る時に振り返り、深々と感謝の礼をする後ろ姿に、この男の強さはあった。【阿部健吾】

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踏みにじられた公正な戦い、山中引退で涙した理由

ネリに敗れた山中は、試合後の会見で大粒の涙を流す(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇1日◇東京・両国国技館


 元王者山中慎介(35=帝拳)が現役引退を決めた。前日計量の大幅な体重超過で王座を剥奪された前王者ルイス・ネリ(23=メキシコ)と、因縁の再戦に臨んだが2回TKO負け。2回までに4度のダウンを奪われ、昨年8月にV13を阻まれた雪辱を果たせなかった。試合後に「これで終わりにします」と述べ、神の左と称された左拳を武器に5年9カ月にわたり世界王者であり続けたボクサー人生に終わりを告げた。なお、規定で王座は空位となった。

 決意の涙だった。「これで最後です。終わりにします」。山中は心を固めていた。どんな不条理な状況でも、後悔はない。試合後の控室で何度も目頭を押さえ、いつも通りの丁寧な対応で胸の内を言葉に変えた。06年1月にデビューして12年。「本当に全く悔いはない」と最後を告げた。

 前日から心は乱れた。計量でネリが2・3キロも超過。2回目も1・3キロオーバーで王座を剥奪された。最初の計量の数字を聞くと、「ふざけるな!」と思わず怒声が出た。感情が制御できなかった。「いらつきを抑えられなかった」と、踏みにじられた思いに普段の冷静さを欠いた。

 午後8時前、リングに上がったが、揺れた感情が影を落としたまま。加えて、ネリは減量苦が少なく、試合時には60・1キロもあった。体調面での明らかな不利。「パンチは以前より感じた」。初回にジャブで腰を落とした。スリップダウンと判断されたが、暗雲だった。直後に左の打ち下ろしでダウン。2回にはジャブで再び倒され、足はフラフラ。最後に右フックをアゴに受け、試合終了のゴングが鳴った。あおむけに倒れ、立てなかった。「僕より強かった」と潔かったが、不公平感は否めなかった。

 「一生懸命やったんですけど…」。控室では家族について聞かれると、言葉につまった。昨年8月、京都・島津アリーナで4回TKO負けした試合後、ホテルの部屋で食べた照り焼きバーガーは「全くおいしくなかった」。味覚が狂うほどの落胆。妻沙也乃さん(32)に連れ出され午前2時の鴨川を歩いた。「もう1回やるよね?」の問いにも、前向きに返せなかった。その後数日間の記憶はおぼろげで思い出せない。

 “生きて”いたのは、子供と接する時間だけだった。「負けを忘れられた」。豪祐君(5)は「パパの方が強かった」。無邪気な擁護に助けられた。大きなベッドを新調し、家族4人一緒に寝た。1月2日には初めて家族に練習を見せた。「うれしかった」。そんな日常が救いだった。強い姿を見せたい一心だった。

 「息子の期待に応えられなくて残念ですけど、目標に向かって頑張る姿を見せられたのは良かった」。圧倒的不利から逃げず、左拳を振るい続けた。その記憶は子供に生き続ける。最後に言った。「何年たってもパパの左は強かったんだよって子供たちに言いたいですね」。【阿部健吾】

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