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力士会要望に協会が回答「力士シートはできない」

尾車親方


 日本相撲協会が13日、東京・両国国技館で、不祥事の再発防止に関する研修会を16日まで行う「研修ウイーク」を開始した。

 研修会の終わりに協会が、昨年九州場所前に行われた力士会からの提案について回答。尾車事業部長によると、場所中の力士シート設置は「公益財団法人だから力士会だけというのはできない」と説明。健康診断でのがん検診については腫瘍マーカー検査の実施を検討するとし、新年に関取衆全員による神社での必勝祈願は「来年の1月場所前に検討している」と明かした。

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白鵬杯に1300人 長男“初白星”飾り一日中笑顔

第8回白鵬杯小学校3年生の部に出場した長男真羽人くんの大会初勝利に笑顔を見せる白鵬(撮影・小沢裕)


 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が12日、東京・両国国技館で行われた、自らが主催する少年相撲「第8回白鵬杯」に参加して大会の成功を喜んだ。

 モンゴル、台湾、香港など8カ国・地域から過去最多の約1300人の小中学生が集結。過去の大会を振り返り「思い出深いものがあった。順調にきているのかな」と手応えを口にした。第1回大会の団体戦で優勝した青森県代表には、昨年の九州場所で初対戦した小結阿武咲がおり「入門して関取に上がり、私と対戦した。それが1つのこの大会の成功」とうなずいた。3年連続出場の長男真羽人(まはと)くん(9)が“初白星”を飾るなど、一日中笑顔だった。

3回戦で敗退し天を仰ぐ長男真羽人くん(左)。右はねぎらう白鵬(撮影・小沢裕)

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栃ノ心が大相撲トーナメント初優勝「気持ちいい」

幕内トーナメントで優勝を果たした栃ノ心(左)は春日野親方から優勝杯の贈呈を受ける(撮影・小沢裕)


 第42回日本大相撲トーナメントが11日、東京・両国国技館で行われた。1月の初場所で平幕で初優勝したジョージア出身の栃ノ心(30=春日野)が、勢いそのままに初優勝を飾った。

 初戦の2回戦で勢を破ると、続く3回戦は本場所で25度対戦して1度も白星がない横綱白鵬も撃破。その後も北勝富士、隠岐の海と続き、決勝の関脇玉鷲まですべて寄り切りで5連勝し、頂点に立った。

 優勝賞金250万円に、1勝するごとに10万円が加わり、計300万円の賞金や最高級黒毛和牛1頭など豪華賞品も手にした。初場所で優勝した際には抱き合って喜んだ、巡業部長代理で師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)から優勝杯を受け取り「師匠からもらうとまた違うね。うれしかった」と、声を弾ませた。続けて「気持ちいい。経験したことないことを経験したからね」と“連続優勝”の良い流れを実感していた。

 米を食べる量を制限し、今回のトーナメントは初場所よりも7、8キロ軽い、166キロで出場した。「体重が落ちると軽くなる。重みはなくなるけど、そのかわりにスピードが出る」と、持ち前の力強さに軽快な動きを兼ね備えて初優勝につなげた。3月の春場所は大阪での開催で「地方場所は外食も増えるし、おいしいものが多くて食べ過ぎるから。(昨年11月の九州場所が行われた)福岡では182キロぐらいになって(古傷の)ひざが気になったから」と、本場所中に初場所と同様に173キロ程度にすることを目標にしている。

幕内トーナメントの優勝決定戦で玉鷲(左)を下し優勝した栃ノ心(撮影・小沢裕)

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貴乃花親方が心中告白 沈黙の理由、理事解任の真相

テレビ「独占緊急特報 !! 貴乃花親方すべてを語る」で真相を語った貴乃花親方(テレビ朝日から)


 大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が、これまで語らなかった心中を告白した。7日、テレビ朝日系列で放送した「独占緊急特報!! 貴乃花親方すべてを語る」と題した2時間番組でインタビューに応じた。

 昨年10月に発生した弟子の貴ノ岩への元横綱日馬富士関による暴行事件については、九州場所中に八角理事長(元横綱北勝海)らから被害届の取り下げを打診されたことを認めた。また、日本相撲協会の危機管理委員会の発表を否定。貴ノ岩の証言と異なるため、これまでに20通を超える反論文書を提出していたことを明かした。貴乃花親方は「当初から協会が発表することと、私が思っている真実と報告してきたこと、回答してきたことはあまりにも違いがある」と話した。貴ノ岩を軽傷とする協会発表と、重傷とする同親方の認識は違っていた。さらに「同席した力士が土俵に上がるのは神事に反する」と暗に白鵬、鶴竜らを批判した。

 この事件が起きた秋巡業中、当時巡業部長でありながら協会への報告を怠ったなどの理由で理事を解任された件も反論した。解任決定後の会見で、貴乃花親方から「分かりました」と了承したとの回答があったと発表された。だが「事実ではないです。『はい』としか言っていません」と否定。さらに「到底、その降格処分というのも、個人的に認めるべきではない」と主張した。

 関係者によると、協会には放送に際して必要な書類が申請されておらず、テレビ局側と連絡が取れていないという。番組内容について、テレビ朝日広報は「適正な取材をしたと考えております」とコメントした。

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貴乃花親方が告白 被害届取り下げの打診を受けた

貴乃花親方(18年1月31日)


 貴乃花親方(45=元横綱)が7日、この日放送分のテレビ朝日系「独占緊急特報!!貴乃花親方すべてを語る」に出演した。

 同親方は弟子の貴ノ岩の傷害事件について言及。九州場所中に八角理事長や鏡山親方らから被害届の取り下げを打診されことを認め、「そうですね。はい。そういうことですね」とキッパリと話した。取り下げなかった理由に対しては「私はあくまでも傷を負った本人(貴ノ岩)の手当て、協会としてもそれ(貴ノ岩の手当ての協力)をしてもらいたかった。とにかく調査委員に協力うんぬんというより、この傷がどういう傷なのか、ご理解いただきたかった。そのためには捜査をしていただく、被害届けをおろすとか、おろさないではなかった。(被害届の)会話はしたくなかった。私は(貴ノ岩が)深い傷を負ってますと繰り返し伝えました」と話した。

 

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宇良が健診 握力自己最高「強くなって戻りたい」

健康診断で採血される宇良


 全力士らを対象に5日から東京・両国国技館で行われていた日本相撲協会の定期健康診断が7日、最終日を迎え、幕内の関脇御嶽海(25=出羽海)、前頭安美錦(39=伊勢ケ浜)、十両の宇良(25=木瀬)らが受診した。

 右膝前十字靱帯(じんたい)断裂などで宇良は、昨年11月の九州場所から2場所連続全休。春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)では丸2年ぶりの幕下陥落が決定的な状況ながら、久々の報道対応はいたって前向き。初場所終盤ぐらいに、松葉づえなしで歩けるようになったそうで「徐々にリハビリをやっています。まだ負荷はかけられないけど、その場で力を入れる、という練習をやってます」と現状を説明した。春場所出場は現状で明言はできないが「気持ちはいつでも出られるようにと思ってます」と話した。

 「今日、うれしかったことは…」と自ら切り出したのが左の握力が、自己最高の70キロをマークしたこと。16年秋場所中の取組で左手甲付近を骨折し、場所後に手術。その影響もあり去年は35キロだったという。「新弟子の頃は50(キロ)ぐらいで、その後は60(キロ)ぐらいまで上がったのが、ケガで落ちた。やった(ケガした)時は(握力は元に)戻らないだろうと思った。だから膝も、ちゃんと鍛え直したら(元の状態を)取り戻せるかも。前より強くなって戻りたいなと思ってます」と、たくましくなって関取に復帰することを熱望していた。

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阿武咲「アスリートとして」の自負165キロに増量

握力を測定する阿武咲


 健康診断が5日、東京・両国国技館内の相撲診療所で行われ、初場所を右膝後十字靱帯(じんたい)損傷で途中休場した小結阿武咲が、春場所での再起を誓った。

 昨年12月は155キロだった体重が、トレーニング効果で165キロにまで増量。「アスリートとして体と向き合おうと思った」と昨年九州場所で新三役昇進したことで意識が変わった。トレーニング内容は秘密にし「これでまた強くなれる」と不敵に笑った。

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阿武咲が春場所での再起誓う 相撲愛を再確認

握力を測定する阿武咲


 大相撲の健康診断が5日、東京・両国国技館内の相撲診療所で行われた。初場所を右膝後十字靱帯(じんたい)損傷で途中休場した小結阿武咲(21=阿武松)が、春場所(3月11日初日、エディオンアリーナ大阪)での再起を誓った。

 昨年12月は155キロだった体重が、165キロにまで増量。「いろいろやっています」とトレーニング効果が出てきているという。「2018年はちゃんと考えようと。新しい自分を。アスリートとして体と向き合おうと思った。上位でしっかり勝てるように」と、昨年九州場所で新三役に昇進したことで意識が変わった。

 それだけに初場所の途中休場は「悔しかったです。(他の力士が)うらやましかったです」と、歯がゆい思いがあり「相撲が好きで好きでしょうがないと、あらためて思いましたね」と相撲愛を再確認した。「自分は瞬発力、スピード、体の柔らかさがウリなので、それを生かしていきたい。課題はまだまだある」と、春場所に向けてさらなる進化を遂げる。

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八角理事長4期連続当選、続投確実も喜びの声はなし

引き揚げる八角理事長(撮影・小沢裕)


 日本相撲協会は2日、東京・両国国技館で役員候補選挙の投開票を実施。

 現職の八角理事長(元横綱北勝海)が、4期連続で当選した。しかし喜びの声はなく「まだ候補だから評議員会が終わってからお答えします」と、多くは語らなかった。3月26日の評議員会の承認をへて理事10人が決まり、その10人の互選で理事長が決まる。八角理事長の続投は確実だが、課題は山積みだ。昨年九州場所中に、元横綱日馬富士関の傷害事件が発覚して以降、対応なども含めて相撲協会は、世間から厳しい目で見られていた。その中で、十両大砂嵐の道交法違反(無免許運転)容疑や、14年秋に起こった春日野部屋の暴力事件が初場所中に明らかになり、さらに世間からは批判の声が大きくなっている。事態の収拾はもちろん、再発防止策などやるべきことは多い。

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横審、白鵬の立ち合いに評価 4連敗鶴竜には苦言

大相撲初場所4日目、嘉風に敗れた後、付け人の肩を借り、左足をかばいながら引き揚げる白鵬(中央)


 大相撲初場所の千秋楽から一夜明けた29日、東京・両国国技館で横綱審議委員会(横審)の定例会が行われた。

 立ち合いに目を光らせていた白鵬は5日目から休場。土俵に上がったのは4日間だけだったが北村委員長は「(九州場所で)ほとんどの立ち合いで見せていた張り手、かち上げはなかった。横綱としてあるべき姿、形を考えていた」と評価した上で継続を要望。10連勝後に4連敗の鶴竜には「最後は息切れ。(進退場所は)乗り越えたが来場所以降、しっかりした相撲を見せてほしい」と望んだ。

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栃ノ心、愛妻は「しゃべれないぐらい泣いていた」

一夜明け会見で優勝を決めた14日目、28日付けの本紙を手に笑顔を見せる栃ノ心(撮影・狩俣裕三)


 大相撲初場所で6年ぶりの平幕優勝を果たした西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が29日、都内の所属部屋で一夜明け会見を行った。栃ノ心が座った後ろには優勝旗が置かれていて「うれしいですね」とにやり。「千秋楽終わって、月曜日でこんなに気持ちが良いのは初めてです。うれしいです」とあらためて喜びを語った。

 幕内では、自身最多の14勝で終えた初場所。思い出に残った一番を聞かれると「14日目ですよ」と、優勝が決まった平幕の松鳳山戦を挙げ「すごくうれしかった。2度と忘れない」と感慨にふけった。13年名古屋場所で重傷を負った右膝の調子も、昨年の九州場所頃から良くなってきたという。だから「今場所は勝てるだろうって、その気持ちでいた。まさか優勝するとは思わなかったけど」と自信はあったという。

 故郷ジョージアにいる家族とも、電話で喜びを分かち合った。「親とか奥さんとか親戚の人とか。『良かったな』って。泣きながらみんな」。特に愛妻ニノさんは「しゃべれないぐらい泣いていた。うれしかったです」と、感極まっていたという。

 春場所(3月11日初日、大阪エディオンアリーナ)では、三役返り咲きが確実。「来場所まで時間がだいぶありますから、稽古も(右膝の)リハビリも頑張ったら、来場所も結果が出るんじゃないですかね。(目標は大関かと問われ)頑張ります」と意気込んだ。

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栃ノ心涙の初V報われた12年「みんなありがとう」

土俵下で初優勝の感慨に浸る栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇14日目◇27日◇東京・両国国技館


 西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が念願の初優勝を飾った。勝てば優勝の一番で東前頭9枚目松鳳山を寄り切り、13勝1敗とした。13年名古屋場所の右膝前十字、内側側副靱帯(じんたい)断裂から4年半。東欧のジョージアからやって来て12年。12年夏場所の旭天鵬以来となる平幕優勝を果たした。欧州出身者としてはブルガリアの琴欧洲、エストニアの把瑠都に次ぐ3人目の歓喜となった。

 激しい突き合いから、いなされかけ、栃ノ心が松鳳山を捕まえた。左を差し、右上手で抱え込んだ。自慢の右四つじゃないが、もう関係ない。力強く前に出た。軍配が上がると、こらえるように2、3度天を仰いだ。「親方に、おかみさんに感謝します。両親に、グルジア人のみんなに、友達に…。みんなにありがとうと言いたいです」。声が震え、涙が頬を伝った。

 4年半で、なくした力を取り戻した。13年名古屋場所5日目の徳勝龍戦で右膝前十字、内側側副靱帯を断裂。「こんなので切れるの?」と思った。4場所連続休場。右膝に加え、古傷の右肘にもメスを入れた。入院2カ月。17キロ太り、退院後1カ月で28キロやせた。肉が落ち、力が入らない。部屋で栃煌山、碧山の稽古を見た。「この2人とはもうやれないな」。復帰した14年春場所番付は西幕下55枚目。12年秋場所の小結からの急降下。何度も、辞めようと思った。

 それでも、砂の上を歩いた。ゴムチューブで負荷をかけ、右足を鍛えた。「少しずつ気持ちが戻った。面倒くさいんだけどね。でも、辞めて(国に)帰るのは恥ずかしいでしょ?」。関取の白まわしではない、黒まわしからの再出発。力が戻りつつあると感じた昨秋、右膝の装具を発注した。2品で約7万円。九州場所中に届き、今場所から使った。サポーターの下で古傷をガードし、不安を完全に消し去ろうとした。

 耐えた日々は、心も強くした。昔は門限破り、服装違反を繰り返した。11年10月、怒った師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)にゴルフクラブで殴られ、部屋を飛び出した。必死で謝り、許しを請うた。「あれがあったから、優勝できたと思う。バカだったと思うよ。もっと真面目にやってれば、番付だってもっと上がってたかもね」。昨年10月に30歳。「オトナになったかな」と笑った。

 三役を務め、幕下まで落ち、はい上がって初優勝した。19人目の平幕優勝者では初めて。人生の大逆転劇を演じた。「優勝は、どんな気持ちなんだろうと思ってたけど…。こんな気持ちなんだ」。来日から12年、ケガに耐えた4年半。とても言葉にできない「こんな気持ち」を、栃ノ心は心ゆくまで味わった。【加藤裕一】

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栃ノ心が初V、序ノ口デビューから70場所目の歓喜

松鳳山を寄り切って幕内優勝を決めた栃ノ心(撮影・丹羽敏通)

<大相撲初場所>◇14日目◇27日◇両国国技館


 西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が初優勝を成し遂げた。

 12勝1敗で迎えた14日目、前頭9枚目の松鳳山を寄り切りで破って千秋楽を待たずに優勝を決めた。1場所15日制定着の49年夏場所以降では、12年夏場所の旭天鵬以来20度目の平幕優勝。

 06年夏場所の序ノ口デビューから所要70場所目。13年名古屋場所で右膝前十字、内側側副靱帯(じんたい)を断裂し、14年初場所には幕下まで落ちた苦労人が歓喜の瞬間を迎えた。「けがして、幕内に戻ってから、こんなに長い間いい稽古ができたのは初めてと思うよ」。昨年11月の九州場所前から“完全復活”の予感はあったが、年が明けて間もない初場所で結果を出した。

 日本から直線距離で約8000キロの西アジア、ジョージア出身。192センチ、177キロの巨漢力士は最後まで初場所の主人公であり続けた。

 

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序二段魁鵬わんぱく相撲のリベンジ 神嶽とV決定戦

千秋楽での優勝決定戦に進んだ神嶽(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇13日目◇26日◇両国国技館


 序二段の優勝争いは、7戦全勝で並んだ東32枚目の神嶽(23=大嶽)と同28枚目の魁鵬(22=友綱)による、千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 6戦全勝で並んだ4人の対決で、神嶽が明石隆(19=田子ノ浦)を、魁鵬が富士寿(23=東関)をそれぞれ破り、全勝をキープした。

 神嶽は過去に6勝1敗は2場所あったが、全勝は未体験。「初めてなので、うれしいです」。昨年秋、九州場所と2場所連続全休し「ぶっつけ本番。気持ちで行くしかないと思った」と、開き直ったのも好結果につながったようで「支えてくれた人に恩返しするためにも頑張りたい」と話した。

 一方の魁鵬は「今場所は本来、取りたい相撲が取れている。足も出て形になってきた」と内容にも満足そう。実は野球少年だった小6の時、ふとしたきっかけで、兵庫・尼崎市のわんぱく相撲に出場し2位になった。負けた悔しさで相撲をやる転機となったが、その相手が決定戦で優勝を争う神嶽だという。小学生時代からプロを含め1勝2敗。リベンジの一番を前に「頑張ります」と話した。

千秋楽での優勝決定戦に進んだ魁鵬(撮影・小沢裕)

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栃ノ心完全復活の傍ら「考えたくない」土俵外の不安

玉鷲(左)と栃ノ心(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇12日目◇25日◇東京・両国国技館


 西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が単独トップに躍り出た。横綱鶴竜を破って波に乗る関脇玉鷲をもろ差しで寄り切り、11勝1敗とした。前日の取組後、14年秋に起こった春日野部屋の暴力事件が表面化したが「そういうのは考えたくない」と“土俵外”をシャットアウト。鶴竜が遠藤に2敗目を喫したため、頭1つ抜け出した。残り3日。平幕での初優勝へ、全神経を集中する。

 鶴竜を破った玉鷲の強烈な突き、押しに栃ノ心は思わずのけぞった。直後、いなされた。崩れかけた体。しかし、残った。“爆弾”を抱える右膝で踏ん張った。素早く身を翻し、右を差した。流れで左も差した。もう負けない。深いもろ差しで玉鷲の力をそぎ、力強く寄り切った。

 三役経験者が右膝前十字、内側側副靱帯(じんたい)を断裂したのは13年名古屋場所。14年初場所には幕下まで落ち、同年九州場所で再入幕した。「けがして、幕内に戻ってから、こんなに長い間いい稽古ができたのは初めてと思うよ」。昨年11月の九州場所前から“完全復活”の予感はあった。冬巡業の成果が大きい。元横綱日馬富士関の暴行事件余波で、巡業部長だった貴乃花親方(元横綱)に代わり、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)が同行した。「まず俺たちが稽古しなきゃダメでしょ」。師匠の前で手は抜けない。連日20番前後をこなした。東京に戻っても、がんがん相撲を取った。

 一方、昨年は何度かダイエットにトライ。野菜中心の食事で3週間で15キロ落とした時があったかと思えば、減量のご褒美に焼き肉をたらふく食べ、ビールをがば飲みし、1日で6キロもリバウンドする“悲劇”もあった。しかし、稽古にもまれた175キロの体が、今はとても軽い。

 トップに並んだ前日の取組後、過去の部屋の暴行事件が表面化。この日は恒例だった朝稽古後の取材対応を控え、土俵に集中した。「これから大事な3日間。そういう(土俵外の)ことは考えたくない。1日1日、自分の相撲を取るだけだよ」。約8000キロ離れた異国からやってきた。06年夏場所の序ノ口デビューから所要70場所目、何度も夢見た瞬間へ、栃ノ心が突き進む。【加藤裕一】

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栃ノ心が単独トップ、初V視野に胸高鳴るも「集中」

玉鷲を寄り切り1敗を守った栃ノ心(撮影・丹羽敏通)

<大相撲初場所>◇12日目◇25日◇両国国技館


 西前頭3枚目栃ノ心(30=春日野)が賜杯レースの単独トップに浮上した。前日に横綱鶴竜に初黒星をつけた関脇玉鷲の強烈な突き押しに苦戦したが、最後はもろ差しの体勢から寄り切り、11勝1敗とした。同じく1敗で並んでいた鶴竜が結びの一番で敗れ、頭1つ抜け出した。

 2度仕切りが合わず、3度目で立った。「ドキドキした」というが「立ち合いで(玉鷲を)止めて、気がついたら中に入っていた」と無我夢中の1番を振り返った。13年名古屋場所で前十字及び内側側副靱帯(じんたい)を断裂した右膝に“爆弾”を抱えているが、昨年11月の九州場所前から、冬巡業、今場所前と充実した稽古をこなした。体調は負傷後最高だ。

 「立ち合いに迷ってない。いい形でも、悪い形になっても迷わず前に攻めるようにしている」。残り3日。06年夏場所の序ノ口デビューから所要70場所目にして、初優勝のチャンスが巡ってきた。「それを考えるとドキドキして硬くなる。1つ1つ、1日1番に集中していきたい」。日本から約8000キロ離れた西アジアのジョージアにいる愛妻ニノさん(30)と、長女アナスタシアちゃんに吉報を届けるためにも、自分の相撲に没頭する。

栃ノ心(左)は寄り切りで玉鷲を下す(撮影・小沢裕)

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鶴竜「一番いい」攻め続ける取り口で単独トップ守る

隠岐の海(右)を右からいなし送り出しで下す鶴竜(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇10日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜は10連勝で唯一、無敗を守り、1敗の栃ノ心が追う。

 鶴竜が頭をつけ、右前まわしを取り、隠岐の海を振り回して背後を取って、送り出した。「胸を合わせないように、まわしを取らせないように」。作戦通りの完勝だ。主導権を握り、攻め続ける取り口が、場所を通じて続く。「うん。そこが一番いいところです」。勝ちっ放しの10連勝は、直近の優勝を飾った16年九州場所以来の自己最長タイ。1人横綱の重圧を感じさせず、危なげなく単独トップを守った。

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逸ノ城の“自信”一時減量も自己最重量で充実5連勝

懸賞金を手に持ち土俵を引き揚げる逸ノ城(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇10日目◇23日◇東京・両国国技館


 西前頭筆頭の逸ノ城(24=湊)が、新三役の東小結貴景勝を破り、5連勝を飾った。自己最高で現在の幕内最重量でもある215キロの巨体で、相手の突き、押しに動じず、最後は押し倒した。貴景勝とは4度目の対戦で初白星。前日9日目には阿武咲から2度目の対戦で初白星を挙げており、ともに21歳の小結コンビのカベとなった。6勝4敗で、三役復帰の可能性が出る勝ち越しまであと2勝とした。

 幕内最重量215キロの巨体は、だてじゃない。貴景勝から攻められても構わず前に出た。じりじりと相手を土俵際に追い詰め、最後は押し倒して5連勝だ。「相手の引きを怖がらずに取れた。落ち着いて取れていることが一番」と、積極性と冷静さを併せ持つ精神面の充実を勝因に挙げた。

 自己最重量となった大きな体が、心に余裕を生んでいる。14年初場所の初土俵から1年足らずで新三役となり、15年名古屋場所まで1年半の間に関脇、小結は4場所も務めた。その間、200キロを超える体重を維持。200キロ超えの大関誕生かと期待も人気も集めたが、その後、2年半は三役返り咲きを果たせず。ダイエットに活路を見いだそうと186キロまで落とした。だがストレスをかかえるなど心身のバランスを崩し、自然体に戻した昨年11月の九州場所で10勝。この日は「好調という感覚は」と報道陣に問われると、即座に「あります」と返答し、自信をみなぎらせていた。

 八角理事長(元横綱北勝海)は、敗れたが横綱白鵬に善戦した2日目に「逸ノ城は今場所、活躍できそうだ」と予言していた。この日も「自信が戻ってきた。ドシッと構えられたら(相手は)押し切るのは大変」と、体重が戻ったことで復調したと分析。藤島審判長(元大関武双山)も「明らかに体重を落としたのは失敗だった。あの時は(体が)しぼんで圧力がなかった」と話していた。

 貴景勝、阿武咲の21歳小結コンビには先場所まで白星がなかった。それが今場所は連破。かつての「怪物」がカベとなり。母国モンゴルではゲルと呼ばれる移動式住居で、氷点下30度の中で遊牧生活を送るなど冬は大歓迎。前日9日目に雪が降ったが「寒いのは好き。この体重も慣れてきて動きもいい」と、余裕の表情を見せた。2年半ぶりの三役返り咲きまで、連勝を止めるつもりはない。【高田文太】

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八角理事長が10連勝鶴竜を称賛「最高の取り方」

支度部屋で汗を拭う鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇10日目◇23日◇東京・両国国技館


 流れるような、よどみない動き。相撲巧者でなる横綱鶴竜(32=井筒)が、完璧な相撲で東前頭5枚目の隠岐の海(32=八角)を一蹴。送り出しで破り、賜杯レースで単独トップを守り10連勝とした。

 鋭い出足で立ち合いから右前みつを引いての寄り。一度、土俵際まで詰め、寄り返そうとする相手の反動を利用するように、右上手からの出し投げで崩し後ろ向き。そのまま送り出した一番に八角理事長(元横綱北勝海)は「おっつけながら(上手を)取っているから危なげない。最高の取り方をしている。久しぶりに、いい鶴竜を見られる」と称賛。同理事長は4場所連続休場明けの89年初場所で、初日から14連勝し4度目の優勝(14勝1敗)を成し遂げている。そんな経験も踏まえてか、14年九州場所、16年九州場所に続き3度目となる節目の10連勝をマークした鶴竜の心中を推し量るように「これでだいぶ楽になっただろう。いつもの場所に戻った、という。これぐらいから優勝を意識するでしょう」と話した。

 また土俵下で審判長を務めた藤島審判部副部長(元大関武双山)も「鶴竜らしい技能相撲だった」と褒めた。優勝争いについては「(ただ一人、1敗で負う)栃ノ心次第でしょう」と見通しつつも「ただ、今の鶴竜は負けそうな感じがしない」とも語り、その強さ、安定感に太鼓判を押した。

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再出場の安美錦6敗目も「出ないと駄目」背水の覚悟

千代翔馬に敗れ無念の表情を見せる安美錦(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇10日目◇23日◇東京・両国国技館


 再出場した西前頭10枚目安美錦(39=伊勢ケ浜)が、東前頭7枚目千代翔馬(26=九重)に一方的に寄り切られた。

 5日目の平幕の千代の国戦で右膝を負傷し、6日目に「右脛骨(けいこつ)骨挫傷、右関節血症」との診断書を提出して休場していた。

 立ち合いで、右に動いて右上手を取った瞬間に「踏ん張れなかった」と棒立ちになり、あっけなく土俵を割った。支度部屋では「思い切りいこうと思ったけど」と弱音は吐かなかったが「(痛みを)我慢して取ったよ」とつぶやいた。

 西前頭3枚目だった16年夏場所で、左アキレスけん断裂の大けがを負い、一時は十両まで番付を落とした。つらいリハビリに耐え、昨年九州場所でようやく幕内に返り咲いた。だからこそ「せっかく幕内の土俵に上がっているんだから。休んだら番付が下がるから出ないと駄目」と再出場。「毎日が最後になってもいいと思いながら土俵に出てきている」と強い覚悟を見せた。

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阿武咲が休場 右膝後十字靱帯損傷の診断書を提出

師匠の阿武松親方(左)と阿武咲(2017年10月30日撮影)


 大相撲の西小結阿武咲(21=阿武松)が、東京・両国国技館で行われている初場所を、10日目の23日から休場することが決まった。

 前日9日目に逸ノ城に敗れ、4勝5敗となった際に右膝を痛めていた。都内で診察を受け「右膝後十字靱帯(じんたい)損傷で1月場所の休場を要する」との22日付の診断書を提出した。阿武咲は昨年夏場所で新入幕以降、3場所連続2ケタ白星を挙げ、新三役の昨年九州場所も勝ち越していた。

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鶴竜は白星つもる 雪景色に故郷重ね全勝にも初心

荒鷲(左)を寄り切りで下す鶴竜(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)が純白の9連勝だ。平幕の荒鷲の前みつを左、右と素早くとって、何もさせずに寄り切った。大寒波襲来による東京の雪景色に、故郷モンゴルの極寒を思い出し「雪はいいですね。寒いけど」と笑みがこぼれた。1敗は栃ノ心のみとなり、2敗も御嶽海、大栄翔と2人だけ。16年九州場所以来4度目の優勝へ。残り6日も雪のような白星を積み重ねる。

 無駄がない。鶴竜は立ち合いから、荒鷲の左前みつをとり、右前まわしもつかんだ。低い姿勢で、流れるように前へ出た。昨年初場所は初顔合わせで負けた。「あの時はなめてかかってやられました。そういうことがないよう、しっかりと」。会心で真っ白な9連勝。「雪はいいですね。寒いけど、きれいです」。国技館を出ると、雪景色が広がっていた。

 世間が震え上がる大寒波に、郷愁を感じた。「ロシアの寒波の影響で、モンゴルも寒いみたい」。最高気温マイナス20度、最低マイナス40度以下のことがある。「日本は湿気があるけど、それがない。空気が“痛寒い”んです」「壁暖房があって、室内は日本より暖かい。半袖ですよ。でも、壁の中にあるオイルヒーターが時々故障する。そうなると大変」。着太りするほど重ね着し、部屋の隙間に新聞紙をはさみ、戸を布で覆う。子どもの頃、ウランバートル市の自宅マンションに閉じこめられ、学校に遅刻した。「カギ穴の油が凍って」と笑う。カギを差しても回らない。昨年末、子ども2人を連れて帰郷した。雪が降っていた。「子どもは喜んでました。雪見るの、初めてだったと思うから」とうれしそうだ。

 大寒波まで味方につけ、鶴竜は初心に帰った。残り6日で単独トップ。後続は1敗1人、2敗2人。ますます強まる優勝ムード。「ここまではいいです。でも、もっと良くして。余計なことを考えず(自分の心を)コントロールしたいです」。雪のように真っ白な心があれば、雪のような白星が降り積もると信じている。【加藤裕一】

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鶴竜8連勝で進退問題消滅、中日恒例焼き肉で再充電

全勝を守り懸賞金の束を手にする鶴竜(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇8日目◇21日◇東京・両国国技館


 鶴竜が無敗を守り、8連勝のストレート給金で単独トップに立った。立ち合いで右上手を取ると、前に出てくる正代の力を利用し、上手出し投げで仕留めた。一瞬の判断で相手に何もさせず完勝。「体がよく反応した。よく相手が見えた」と、満足げに振り返った。正代とは同じ時津風一門とあって、出稽古でもよく胸を合わせているだけに、これで対戦成績は6戦全勝。「若手だし、頑張ってもらいたい」と、正代にエールを送る余裕も見せていた。

 今場所前まで4場所連続で休場し、進退問題に発展していたが、早々と勝ち越しを決め、その話題も封印される可能性が高くなった。4場所以上連続休場した横綱が復帰場所で初日から8連勝した場合、いずれも優勝という頼もしいデータもある。それでも「あと7番あるし、まだまだ」と、気を引き締め直した。部屋の若い衆を連れて焼き肉店で食事する、中日恒例の行事でエネルギーを再充電し、一昨年九州場所以来4度目の優勝へ突き進む。

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栃ノ心、鶴竜に7年も勝てず 苦手意識「あるかも」

栃ノ心(奥)は鶴竜に寄り切りで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇7日目◇20日◇東京・両国国技館


 栃ノ心は鶴竜との全勝対決に敗れ、この対戦19連敗となった。突き放して主導権を握りかけたが、最後は懐に入られて寄り切られた。

 10年九州場所で唯一の白星を挙げたが、その後、7年以上も鶴竜戦に勝てておらず通算1勝21敗。苦手意識について「それもあるかもしれない」と認めつつ「もっと突っ張って前に出られたらよかった…」と、取り口も悔やんでいた。

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御嶽海2ケタで“春”に大関とりも「意識しません」

嘉風を引き落としで破った御嶽海(撮影・丹羽敏通)

<大相撲初場所>◇7日目◇20日◇東京・両国国技館


 関脇御嶽海(25=出羽海)が東前頭2枚目嘉風を引き落とし、幕内昇進後初のストレート給金に王手をかけた。昨年九州場所も関脇で9勝しており、今場所2桁勝利を挙げると、春場所での大関とりが現実的になる。幕内でただ1人全場所で勝ち越しを決めた昨年の勢いで、2桁白星も初優勝も狙う。勝ちっ放しは横綱鶴竜と2人だけになった。

 支度部屋に戻って風呂から上がり、帰り支度が整った御嶽海は、テレビにくぎ付けになった。全勝同士の対決となった、鶴竜と栃ノ心による結び。白熱した一番を見届け、支度部屋を後にした。幕内前半で朝乃山も敗れ、全勝は自分と鶴竜だけになり「そうだねぇ」と少し口角を上げたが、目は真剣だった。

 危なげない相撲内容だった。右肩から当たって前に出たが、1歩引いた。一瞬止まり、前に出たところを嘉風にはたかれたが落ちない。さらに前に出て土俵際に追い込み、絶妙のタイミングで引き落とした。「流れは良かった」と振り返る通り終始、御嶽海ペースだった。幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)も「相手がよく見えている。深追いせずに(運動)神経がいい」と評価。さらに「伸び盛りで1日1日、良い意味で勘違いして急に覚醒する時もある」と、今後の急成長に期待した。

 今場所で2桁白星となれば、春場所は大関とりが現実味を帯びる。大関昇進の目安は、三役で直近3場所33勝。昨年九州場所は9勝のため、今場所での上積みがカギになる。春場所後の4月には、地元・長野で春巡業も控えている。大関とりに関しては「そこは意識しません」と話すが、地元での巡業に関しては「応援してくれる人もたくさんいる。もちろん、良い形で戻りたい」と意気込む。大関昇進で凱旋(がいせん)となれば、最高のファンへの恩返しだ。

 ストレート給金に王手をかけ、全勝も2人だけ。だが「まだ7番ですから。ここからじゃないですか。一生懸命やるだけです」と冷静。国技館を出る際は、待ち構えた多くのファンから「優勝しろよ」と、声をかけられた。まずは今日、自身初の幕内での中日勝ち越しを決め、優勝と大関とりへの足がかりを作る。【佐々木隆史】

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鶴竜6連勝“無給場所”でも「人生かけてやってる」

鶴竜は琴奨菊(右)を寄り切りで下し初日から6連勝を飾る(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇6日目◇19日◇東京・両国国技館


 白鵬に続き、稀勢の里も消えたが、横綱鶴竜(32=井筒)は6連勝だ。元大関の琴奨菊の強烈な押し込みを巧みにしのぎ、寄り切った。4場所連続休場明けの“進退場所”で、元横綱日馬富士関の暴行事件に関連し、無給となった場所で大奮闘。2度目の優勝を飾った15年秋場所以来の1人横綱で、16年九州場所以来4度目の賜杯に突き進む。関脇御嶽海、平幕の栃ノ心と朝乃山も全勝を守った。

      ◇       ◇

 琴奨菊のがぶりを、突進を、鶴竜が3度しのいだ。立ち合いすぐつかんだ右上手の1枚まわし。伸びてたわみ、ぐらぐらしても、自分より23キロ重い巨体を操った。最後は左下手でまわしをつかみ、勝負どころで体をくっつけ、寄り切った。時間のかかった6勝目。早い勝負が理想だが「悪い中でも自分の相撲を取るのが大事だから」。激しい1番を平然と振り返った。

 元横綱日馬富士関の貴ノ岩への暴行現場に居合わせながら、騒ぎを止められなかったため、1場所無給の処分を受けた。しかし、気にするはずもない。「自分の人生をかけてやっていることだから」。お金はプロの値打ちであって、生きがいではない。

 昨年は全6場所中、春以外の5場所を休んだ。自分以外の3横綱が優勝を独占した。蚊帳の外だった悔しさ。「それはもちろんある。それを今年にぶつけたいと思う」。両足首負傷から復活の手応えを得た、昨年九州場所の直前に腰痛を発症。「また休まなきゃダメなのか?」。まともに動けぬ10日間で気持ちを切り替え、体を絞った。今は食後で155キロ。3キロ減で腰に優しい体になった。

 前日の白鵬に次いで、この日は稀勢の里が休場を決めた。「そういうのは気にしないようにね」。1人横綱になるのは、15年秋場所以来。日馬富士(当時)が全休、白鵬が3日目から抜けて、12勝3敗で照ノ富士との決定戦を制し、優勝した。場所前“最も危ない”と目された男の6連勝。風は鶴竜に吹き始めた。【加藤裕一】

懸賞の束を手に引き揚げる鶴竜(撮影・狩俣裕三)

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白鵬休場 左足親指など負傷し「全治2週間」

都内の病院で診察を受け、部屋に戻る白鵬


 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が、東京・両国国技館で行われている初場所を、5日目の18日から休場することが決まった。

 都内の病院で診察を受け、前日17日に行われた平幕嘉風との取組中に受傷し、左母趾(ぼし)MP関節靱帯(じんたい)損傷したことに加え、初場所初日の14日の朝稽古で受傷し、右母趾末節骨骨挫傷・爪下血腫という診断書を提出した。診断書には併せて「全治2週間を要します」と記載された。

 白鵬は昨年11月の九州場所で、史上最多となる通算40度目の優勝を飾っており、初場所では2場所連続優勝がかかっていた。白鵬の休場は2場所ぶり7度目。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)は「昨日(17日)の段階で、左足の方が相当腫れていた。本人が『今日(18日)も取りたかったけど』と話していた」と明かした。続けて「みじめな相撲を取るのは横綱として恥をかくことになるし、ちゃんと治してやればいいと思う。本人も大阪(3月の春場所)でまたという気持ちだと思う。(2月は)巡業もないし、その間に治せると思う」と話した。

休場が決まった白鵬の状態について報道陣に説明する宮城野親方(撮影・小沢裕)

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「白鵬キラー」?嘉風「自分が言ったわけじゃない」

白鵬(左)をはたき込みで破る嘉風(撮影・狩俣裕三)

<大相撲初場所>◇4日目◇17日◇東京・両国国技館


 東前頭2枚目嘉風が2場所連続白鵬を撃破した。

 一方的に寄り切った昨年九州場所に続く快勝に「メチャクチャうれしい。勝ったらすごいなと思いながら取った」と声を弾ませた。「白鵬キラー襲名」と水を向けられると「ありがとうございます。って、自分が言ったわけじゃないですからね」と笑わせた。「最年長大関」を目標に5日目は稀勢の里の前に立ちはだかる。

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立ち会い苦戦の白鵬「多少のズレある」気力体力限界

嘉風に敗れた後、付け人の肩を借り、左足をかばいながら引き揚げる白鵬(中央)(撮影・狩俣裕三) 

<大相撲初場所>◇4日目◇17日◇東京・両国国技館


 横綱白鵬(32=宮城野)が窮地に立たされた。結びの一番で東前頭2枚目嘉風にはたき込まれ、07年名古屋場所での横綱昇進後初となる2日連続の金星配給。4日目までに2敗は3度目で過去2度は翌日に休場している。支度部屋では古傷の左足親指をアイシングし、休場をにおわせる発言をした。元日馬富士関の暴行問題を巡り、減給処分を受け、横綱審議委員会に指摘された取り口の改善を意識する場所でピンチを迎えた。

 支度部屋に戻り風呂から上がった白鵬は突然、左足甲をアイシングし始めた。そして、支度部屋から駐車場までを付け人の肩を借りながら歩いた。「06年にやったところだから」。06年の九州場所前に剥離骨折した左足親指を再び痛めたという。異常事態が白鵬を襲っている。

 昨年九州場所11日目の結びの一番。嘉風に負けた白鵬は立ち合い不成立をアピールする前代未聞の不服の態度を示し、審判部から厳重注意を受けていた。くしくもこの日も、結びの一番で相手は同じ嘉風。立ち合いで左のど輪が上滑りすると、突き押しをもらい後退。体勢を崩してはたかれ、自身初の2日連続金星配給となった。

 今場所は、昨年12月の横綱審議委員会で苦言を呈された張り手やかち上げを“封印”し、立ち合いで苦戦している。その立ち合いについて聞かれるも「狙いどうこうもない。良いとこがない」と投げやりに答えた。加えて先場所の嫌な雰囲気。影響については「どうだろうね」ととぼけたが、ないわけはなかった。

 4日目までに2敗を喫したのも、横綱に昇進してからは3度目の異常事態。明日も土俵に立つのか、と問われると「まぁね。いろいろやれることをやるしかない」と前向きな姿勢を見せたが「やってみないと分からない」と最後は言葉を濁した。

 元横綱日馬富士関の暴行事件の現場にいたとして1月は給料全額不支給、2月は50%カットの減俸処分を受けた。さらに、同部屋所属の立行司、式守伊之助のセクハラ行為発覚など、土俵外でも騒がしい日々が続いてきた。常々、心と体のバランスを重要視してきた白鵬が「多少ズレもある」と吐露した。横綱昇進後、4日目までに2敗を喫した過去2回は休場している。気力も体力も限界が来ている。【佐々木隆史】

嘉風(手前)に、はたき込みで敗れる白鵬(撮影・鈴木正人)
支度部屋で左足をアイシングする白鵬(撮影・柴田隆二)

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北勝富士は昭和以降2人目/4場所連続金星

白鵬は北勝富士に押し出しで敗れ悔しそうな表情で起き上がる。中央は鶴竜、手前は稀勢の里に勝利した逸ノ城(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇16日◇東京・両国国技館


 東前頭筆頭北勝富士(25=八角)が、横綱白鵬(32=宮城野)を初めて破り4場所連続で金星を獲得した。99年夏場所の元関脇土佐ノ海以来、昭和以降では2人目の快挙。

 土佐ノ海は、98年九州場所(東前頭9枚目で3代目若乃花から)-99年初場所(西前頭筆頭で貴乃花から)-同春場所(東前頭2枚目で3代目若乃花、貴乃花から)-同夏場所(東前頭筆頭で曙、3代目若乃花から)。4場所連続で計6個も奪った。

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