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横審「全員がホッと」進退かけた稀勢の里に合格点

記者会見に臨む北村横綱審議委員会委員長(左)と芝田山親方(撮影・河田真司)


横綱審議委員会(横審)の定例会が24日、都内のホテルで開かれた。前日23日まで行われた大相撲秋場所に進退を懸けて出場し、9場所ぶりに皆勤して10勝5敗だった横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)については、合格点が与えられた。

会見した北村正任委員長は「心配して見ていた委員全員がホッとしたということ。これだけ勝って、来場所以降に向けて復活の足場ができた。今の段階でやめた方がいいという意見はまったくない」と語った。

一方で10勝したものの、相撲内容については「もろい」「弱いなという場面もいくつかあった」と、厳しい見方も示した。11月の九州場所に向けて「来場所、また前半戦で負けが込んで休場ということになれば、やっぱり考えなければいけない」と、進退問題が完全に消滅したわけではない状態であることも明かした。

また、全勝優勝の横綱白鵬について、北村委員長は「ある委員は『頭2つ抜けている強さ』と言っていた。ケガをしていたけど、きちっと管理して、条件を整えて出てくる能力はすごいなと、みんな感心していた」と語った。

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御嶽海「2桁が遠いね」九州場所で大関とりに可能性

阿炎(下)をはたき込みで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇23日◇東京・両国国技館


御嶽海は今場所での大関とりはすでに消滅したが、阿炎を下して3連勝で場所を締めた。

9勝を挙げるも「2桁が遠いね。10勝できるように体力と地力をつけないとね」と反省。昇進を預かる審判部の阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「全員で話し合ったわけではないけど、成績次第では声が出るでしょう」とハードルは高いが、九州場所での大関とりの可能性を残した。

千秋楽を白星で飾り笑顔を見せる御嶽海(撮影・小沢裕)

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貴ノ岩30日の元日馬富士断髪式の出欠明言避ける

隠岐の海(右)を上手出し投げで破る貴ノ岩(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇23日◇東京・両国国技館


貴ノ岩が返り入幕場所で隠岐の海を破って10勝目を挙げた。「2桁勝てて良かったです。達成したという感じではないけど、目指していたので」と笑顔を見せた。ここ3日間は体調を崩していたといい「力が出なかった。気をつけないといけないのに」と反省した。

昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件の被害の影響で、一時は十両まで番付を落とした。奮起して昨年九州場所以来5場所ぶり幕内で結果を出した。30日に両国国技館で元日馬富士関の断髪式が行われるが、参加については「それはまだ分かりません」と明言を避けた。

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父死去、休場…白鵬苦難の幕内1000勝は「最高」

沿道の観客に手を振る白鵬(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇23日◇東京・両国国技館


14日目に優勝を決めた横綱白鵬(33=宮城野)が、横綱鶴竜(33=井筒)を破って14度目の全勝優勝を果たした。

立ち合いから右四つがっぷりに組むと、得意な形だったが押し込まれた。それでも、組んだまま土俵際で右に回り込み、体勢を整えて反撃。最後は左上手を振って、腕が極まるようにして背を向けた鶴竜を送り出しで破った。

昨年九州場所以来に天皇賜杯を抱き「久しぶりに相撲の神様が私にほほ笑んでくれた」と感慨にふけった。今年は4月に父ジジド・ムンフバトさんが死去や、初めて1年間で3場所休場するなど苦労が多かった。先場所も右膝負傷で途中休場。そんな状況でも今場所は横綱800勝、幕内通算1000勝を達成して「(新入幕に昇進した)19歳から積み上げた白星が1000勝、(横綱に昇進した)22歳からの白星800勝。こんなに早く達成できるとは信じられない。最高です」とかみしめた。

全勝優勝した白鵬は菅内閣官房長官(右)から内閣総理大臣杯を受け取る(撮影・河田真司)

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稀勢の里「明日まだある」初の横綱戦白星も貪欲に

鶴竜(右)を寄り切りで下す稀勢の里(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇14日目◇22日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から、進退を懸けて出場している稀勢の里が、横綱昇進後、初の横綱戦白星で10勝目を挙げた。立ち合いで右から張って左を差し、鶴竜を止めたが、上体を起こされて苦しい体勢。約25秒も両者の動きが止まった後、強引に左からすくって土俵際に追い込むと、休まず攻めて寄り切った。新横綱だった昨年3月の春場所は優勝したが日馬富士、鶴竜との横綱戦は2連敗。その後、1年半も休場が続いた。鶴竜からの白星は一昨年九州場所以来、約2年ぶりだった。

前日13日目は白鵬に完敗したが、この日は我慢の相撲で鶴竜を退けた。横綱撃破で2ケタ白星到達に、阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「意味ある一番だ。四つになれば(横綱相手でも)やれるというのが分かったのでは」と、復活と進退問題解消に近づいた印象を受けた様子だった。それでも本人は「明日まだありますから」と11勝目へ貪欲。「連敗なし」と「横綱、大関戦連勝」を手土産に、来場所に向かうつもりだ。

稀勢の里は寄り切りで鶴竜を下し懸賞の束を手に引き揚げる(撮影・小沢裕)

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白鵬、天国の父にささげた優勝 大鵬超え13年連続

白鵬(右)は豪栄道を上手投げで下し41度目の優勝を決めた(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇22日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、今年初めてとなる41度目の優勝を達成した。大関豪栄道を下して、同時に史上初の幕内通算1000勝も達成。4月に死去して天国で見守る、父ジジド・ムンフバトさんにささげる記録的な優勝となった。さらに、初優勝した06年夏場所から13年連続での優勝となり、12年連続で優勝した大鵬を抜いて史上最長となった。

今年初めての優勝をかけて臨んだ結びの一番。数々の記録を打ち立ててきた白鵬にとっても重圧はかかった。

1度目の立ち合いはつっかけて、2度目の立ち合いでは先に手を着いた豪栄道を前に、自ら嫌って立った。3度目の立ち合い。左前みつに手がかかるも外れて左上手を取ったが、その一瞬の隙を豪栄道に突かれた。前に出られて土俵際へ追い込まれたが慌てず、上手投げで勝負あり。優勝をかみしめるかのように、左腕を軽く一振りした。

支度部屋では無数のカメラのフラッシュを浴びた。「あー、目が痛い」。言葉とは裏腹に笑みを浮かべた。昨年の九州場所以来5場所ぶりの優勝。白鵬にとっては久しぶりの優勝に「んー、話せば終わらない」とあえて多くは語らずに喜びを表現した。

4月に最愛の父ムンフバトさんが、肝臓の病気などで亡くなった。1968年(昭43)のメキシコ・オリンピック・レスリング銀メダリストで、モンゴル相撲の元横綱。そんな偉大な父の背中を追って、幼少期にモンゴル相撲を始めようとした。しかし「まだ早い。骨ができていない」と止められた。適齢期の16歳をまだ迎えておらず、バスケット少年になった。それでも夢を捨てきれず、16歳になる01年に海を渡って大相撲の扉をたたいた。

父のDNAを引き継いだ白鵬は、すぐに頭角を現した。新十両昇進を決めた18歳の03年九州場所では、1場所だけで体重が15キロも増加。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)も「あんなに小さい体の子がここまでこれるとは思ってなかった」と目を丸くした。父の一言が、白鵬をここまで大きくした。

今場所は8日目に横綱800勝を達成。そしてこの日、41度目の優勝と幕内通算1000勝を達成。次はどんな大記録を狙うのか-。「目指せ1001勝」。まずは今日の一番に集中する。【佐々木隆史】

▼幕内後半戦の阿武松審判長(元関脇益荒雄)のコメント 白鵬の、あの待ったはいただけない。これだけ優勝している横綱。きちっと合わせることはできるはず。相撲自体はさすがです。ここという時の集中力と、今場所は気迫があった。やはり第一人者。全ての記録が通過点なのでは。

幕内通算1000勝と通算41回目の優勝を飾った白鵬は「HAKUHO-METER」を掲げる(撮影・小沢裕)

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元関脇・豊ノ島7番相撲で6勝、関取復帰へ有終の美

鏡桜(手前)に激しく攻める豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇14日目◇22日◇両国国技館


13場所ぶりの関取復帰を確実にしている、関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所最後の7番相撲に登場。5勝1敗同士の対戦で、やはり幕内経験者で東幕下12枚目の鏡桜(30=鏡山)と対戦。豪快なすくい投げで投げ飛ばし、6勝1敗で有終の美を飾った。

左を差し押し込んだ東土俵で、上手からの出し投げで崩され後ろ向きに。逆に押し込まれ劣勢に立たされたが、再び差した左のかいなを返すように、豪快に投げ飛ばした。

最近の勝つ相撲は「自分らしくない」という、前に出る相撲が多かった。劣勢に立たされた一番を「クルクル回りながら、逆に最後は自分らしい相撲だったかな。牛若丸みたいなね」と照れくさそうに振り返った。16年九州場所の陥落から、土俵に上がった77番目の取組を白星で飾った。もちろん再び戻る気はない。

勝負をかけ緊張度MAXで臨んだ今場所も、終わってみれば6勝1敗。4連勝した時は「7番勝ちたかった」と、あえて欲を出した。ここまでの土俵人生を振り返り、しこ名が初めての番付に載った最初の序ノ口、序二段と連続優勝。三段目も優勝決定戦があり、十両でも優勝。幕内でも10年九州場所で優勝決定戦に臨んでいる(横綱白鵬に敗れ優勝同点)。各段で優勝もしくは優勝決定戦に進んだ中、無縁だったのが幕下。「幕下だけ優勝に絡んだことがなかったから狙ったんだけどね。まあ(優勝に)準ずる成績ということで」と納得した。

秋場所後の26日に開かれる大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議で正式に関取復帰が決まる。番付上は、全休した16年秋場所以来、13場所ぶりの再十両。実際に十両の土俵で取るとなると、05年秋場所以来、約13年ぶりになる。それまで5場所の十両では2度優勝。「十両では負け越しがないし、目標はケガした時の番付(東前頭11枚目)に戻ること。ここからがスタートだし、意味あるケガだったと、引退した時に言えるように、駆け上がりたい」と、早期の幕内復帰を見据えていた。

豊ノ島(左)はすくい投げで鏡桜を下す(撮影・小沢裕)

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逆転のすくい投げ/白鵬vs稀勢の里名勝負

10年11月、九州場所2日目 白鵬は稀勢の里に寄り切りで敗れる

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館


横綱対決は白鵬(33=宮城野)に軍配が上がった。稀勢の里を寄り切って13戦全勝とした。昨年初場所で敗れて以来の対戦で、力の差を見せつけた。14日目に白鵬が大関豪栄道に勝てば、5場所ぶり41度目の優勝と史上初の幕内通算1000勝が決まる。

<白鵬vs稀勢の里名勝負>

◆10年九州場所

東前頭筆頭の稀勢の里と、63連勝中の白鵬が対決。稀勢の里は立ち合いで右から張り手を浴びてもひるまず、突き放しで横綱を慌てさせ、寄り切って大金星。双葉山が持つ69連勝の記録に迫っていた白鵬の夢を打ち砕いた。

◆15年初場所

白鵬は勝てば史上最多33度目の優勝が決まる一番。土俵際で小手投げを食らい、ほぼ同時に倒れた。軍配は白鵬に上がったが物言いが付き、協議の末「両者落ちるのが同時とみて取り直し」。取り直しの一番で勝って優勝を決めたが「子どもが見ても分かる相撲」と審判部を批判。北の湖理事長(元横綱)と伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)から師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)を通じて厳重注意を受けた。

◆17年初場所

千秋楽結びの一番で、すでに14日目に初優勝を達成した稀勢の里に対して、白鵬は立ち合い右で張って左を差して一気に土俵際まで寄る厳しい攻めを見せた。しかし土俵際でこらえた稀勢の里が、逆転のすくい投げで白鵬を破る。98年の3代目若乃花以来、日本出身力士19年ぶりの横綱昇進を確実にした。


15年1月、初場所13日目、取り直しの末、稀勢の里(手前)を破った白鵬
17年1月、初場所千秋楽、白鵬(右)をすくい投げで破る稀勢の里

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安美錦7敗、幕内復帰は「考えていても仕方がない」

上手投げで翔猿に敗れ花道を引き揚げる安美錦(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館


西十両筆頭の安美錦(39=伊勢ケ浜)が、東十両10枚目の翔猿(26=追手風)に上手投げで敗れた。

頭から思い切り立ち合ったが、相手の変化に屈し「跳んでくるかなと思ったが、ついていけない自分が悪い」。勝ち越して九州場所での幕内復帰を決めれば、史上初となる40歳での再入幕となるが「そんなことを考えていても、仕方がない。あと2日間しっかりやるだけ」と、6勝7敗からの残り2番に気持ちを切り替えた。

安美錦(右)を上手投げで下す翔猿

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極芯道、初の各段Vで新十両昇進「攻める相撲を」

幕下優勝の極芯道(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇両国国技館


6戦全勝同士による、勝った方が幕下優勝という一番は、東5枚目の極芯道(22=錦戸)が西43枚目の対馬洋(25=境川)を突き倒しで破り、初の各段優勝を飾るとともに、11月の九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)での、待望の新十両昇進を決めた。

元々、相撲が遅くジックリと相手の出方を見極めて、勝機とみるや一気に攻める相撲が持ち味。この日も立ち合いからの攻防の後、土俵中央で頭を付け合う手四つの体勢で1分半近い長い相撲に。対馬洋が、いなしや手繰っても無理して出ず、相手が根負けしたかのように手繰って離れたスキを見逃さず、前に出て突き倒した。

待ちに待った関取の座を確実にし「うれしいです」と話した後、すぐに「慎重すぎたかな」と、長い相撲になった一番を振り返った。前夜は、さすがに寝付けず「眠れなかった」という。勝負が遅いことには「(今場所は)攻めどころは、しっかり攻められた。しっかり出る時は出ようと思って、今日も“ここしかない”と思って出た」と納得ずくだった。

もっとも十両力士として臨む来場所は、これまでの1場所7番から15番に増える。当然、スタミナ消耗も考えなければならない。そんなことも考え「自分より大きい人との対戦が増えてくる。今の相撲を15日間となると、大変なことになるので、もっと攻める相撲を。腰が重いという自分のいいところを生かしながら攻めようと思います」と来場所を見据えた。

相撲そのものというより、人間性も含め目標とする力士は横綱鶴竜(33=井筒)。2年前の11月から鶴竜の付け人を務め、健康管理や集中力など、力士としてあるべき姿を学んだという。「相撲に対する、向き合う姿勢」を学び、また付け人についたことで巡業も参加し、力のある他部屋の力士との稽古も積んで、力をつけてきた。元関脇水戸泉が率いる現在の錦戸部屋からは、十両水戸龍(24)に続く2人目の関取誕生となった。

幕下優勝を決め笑顔を見せる極芯道(撮影・小沢裕)
對馬洋(左)を突き倒しで下す極芯道(撮影・河田真司)

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三段目V争い 全勝の栃幸大と朝興貴が千秋楽決戦へ

千秋楽に行われる三段目の優勝決定戦に進んだ朝興貴(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇両国国技館


6戦全勝で3人が並んでいた三段目の優勝争いは、千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

まず最初に登場したのは東63枚目の栃幸大(19=春日野)。序二段の陽翔山(20=時津風)を難なく押し出しで破り、7戦全勝とした。

残る2人は直接対決。西3枚目の朝興貴(27=高砂)が、東46枚目の塚原(18=春日野)を突き落としで下し、全勝をキープ。千秋楽の優勝決定戦へと進んだ。

今年1月の初場所でも、7戦全勝で三段目の優勝決定戦に進んだが魁勝(23=浅香山)に敗れ、優勝を逃している。「8カ月ぶりに優勝のチャンスがきましたからね。前回は、あっけなく負けたので、気合が入った相撲で優勝したい」と意気込みを口にした。3勝3敗で臨んだ7番相撲で敗れ、負け越した先場所の悔しさを胸に今場所の土俵に上がった。「春日野部屋同士でやりたい。関取衆からも見たい、と言われているので」という、塚原との同部屋優勝決定戦こそ実現しないが「次の幕下では自分の相撲を取れるようにしたい」と抱負を語った。

一方の朝興貴は、12年九州場所で序二段、16年名古屋場所では三段目で優勝した経験がある。「また三段目か…という感じです」と、幕下中位からなかなか番付を上げられない、もどかしさを感じながらも、これで来場所は1場所での幕下復帰は確実で、3枚目の番付から上位進出も望める。優勝決定戦も「とりあえずケガをしないように」と控えめながら「変化も出来ないし、自分の相撲をいつも通りに取りたい」と、突き押しの一本気な相撲で3度目の各段優勝を目指す。

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白鵬12連勝、鶴竜2連敗、豪栄道と高安2敗で追走

栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


昨年11月の九州場所以来、5場所ぶり41度目の賜杯を狙う横綱白鵬(33=宮城野)は、大関栃ノ心(30=春日野)をすくい投げで下し無傷の12連勝とした。かど番の栃ノ心は7勝5敗となった。

11日目に初黒星を喫した横綱鶴竜(33=井筒)は、大関高安(28=田子ノ浦)の上手投げをくらって痛恨の2敗目。高安は10勝2敗。

8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)は、関脇御嶽海(25=出羽海)を寄り切って9勝4敗。稀勢の里は幕内勝利数を713勝とし並んでいた元横綱日馬富士を抜いて単独6位となった。御嶽海は6勝6敗と五分の星となった。

大関豪栄道(32=境川)は、前頭4枚目阿炎(24=錣山)を引き落として10勝2敗とした。阿炎は6勝6敗。

平幕で唯一2敗だった前頭13枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同7枚目の松鳳山(34=二所ノ関)に押し出され3敗目を喫した。松鳳山は6勝6敗。

12日目を終え全勝は白鵬、2敗で鶴竜、豪栄道、高安が追っている。

鶴竜(右)を上手投げで下す高安(撮影・河野匠)
阿炎(手前)を引き落とす豪栄道(撮影・河野匠)

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白鵬全勝、単独トップ「綱総崩れ」阻止

立ち合いで白鵬(右)の指が目に入る高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、1敗の大関高安を押し倒しで下して全勝を守り、単独トップに立った。前の一番で全勝の鶴竜、2敗の稀勢の里が負けたため、自身が負ければ84年春場所以来となる3横綱総崩れを、結びの一番で阻止。今年初の優勝、残り3勝に迫った幕内1000勝へ突き進む態勢は整った。

異様な雰囲気が結びの一番を包み込んだ。前の取組で2横綱が連敗。負ければ84年春場所以来34年ぶりの3横綱総崩れだっただけに、白鵬にかかる重圧は大きかった。1度目の立ち合いは高安につっかけられて、2度目の立ち合いは呼吸が合わず、互いに手を着けられないでいると自ら嫌った。3度目の立ち合いは成立。右の張り手は高安の顔をかすめたが、動きが止まった相手を両腕でかち上げるようにして一押しで押し倒した。

土俵の上での雰囲気を引きずるかのように、支度部屋では口数が少なかった。質問に対して「そんな感じ」「かなぁ」と相づちを打つ返事ばかり。モヤモヤしたか? と問われると「まぁ、勝ちは勝ちですから」と声を振り絞るように言った。

浮かない白鵬だったが、世界的ストライカーが元気づけてくれた。帰り際、観戦に訪れたサッカーJ1神戸の元ドイツ代表FWポドルスキと談笑した。昨年10月の大阪巡業で初対面して以来2度目の対面で「神戸牛はいっぱい食べた?」などと笑顔で質問するなど、終始穏やかな表情。サイン入りのドイツ代表のセカンドユニホームをもらうと、がっちり握手を交わした。約5分間の談笑後には「(今日は)良いところを見せられたな」と満足感たっぷりの表情だった。

秋場所は15年途中休場、16、17年は全休で「暑いのが苦手」と、名古屋場所での疲れと残暑に毎年苦労した。それでも今場所は「先場所途中休場の勢いがあるから」と力が有り余っているという。それだけに昨年九州場所以来、今年初の優勝へ闘志を燃やす。唯一の全勝横綱は「一番一番、今度は引っ張っていくだけです」と責任感を口にした。【佐々木隆史】

観戦に訪れた神戸FWポドルスキ(右)からユニホームをプレゼントされ笑顔を見せる白鵬(撮影・河野匠)

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白鵬全勝で単独トップ、観戦ポドルスキに白星贈る

観戦に訪れた神戸FWポドルスキ(右)からユニホームをプレゼントされ笑顔を見せる白鵬(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、大関高安(28=田子ノ浦)を下して全勝を守り、単独トップに立った。

全勝の横綱鶴竜、2敗の稀勢の里が負けて、異様な雰囲気となった結びの一番。2度立ち合いが合わず、成立した3度目の立ち合いで右の張り手は高安の顔をかすめたものの、動きが止まった相手を両腕でかちあげるように当たって一押しで押し倒した。「三度目の正直というのがあった」と力が入っていた。

唯一の全勝を守り、昨年九州場所以来となる今年初優勝が見えてきた。それでも「まだ今日が終わったという感じです」と焦る気持ちを抑えた。

帰り際には、観戦に訪れたサッカーJ1神戸の元ドイツ代表FWポドルスキと談笑。「本場所に来てくれてありがたい。(今日は)いいところを見せられたな」と笑顔を浮かべた。

立ち合いで高安(左手前)の顔を右手で張る白鵬(撮影・河野匠)

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石浦「しょっぱい相撲」負け越し決定で十両陥落濃厚

石浦(奥)を寄り切りで下す錦木(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


西前頭16枚目で幕尻の石浦(28=宮城野)が西前頭12枚目錦木に寄り切りで敗れ、負け越しが決定。昨年九州場所以来の十両陥落が濃厚となった。

「立ち合いの当たりも悪くなくて、途中までは良かったのに、中途半端なまま無理に出ようとして…。自分で勝手に相撲をとって、勝手に負けちゃった感じ。しょっぱい相撲です」

173センチ、116キロは幕内で最も小兵。スピードを生かした、躍動感ある取り口で人気を集めるが、これで4場所連続の負け越し。

「もう1回、ちょっと自分の相撲を見つめ直さないとダメですね。全部中途半端。幕内で戦う体の力をつけないと。時間はかかりますけど、目標とする自分の相撲を作っていきたいです」と現実を受け止めていた。

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豊ノ島5勝で再十両確信!絶口調「泣きましょうか」

蒼国来(右)を寄り切りで破る豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


2年間の苦労が報われそうだ。13場所ぶりの関取復帰を有力にしている、関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所の6番相撲に登場。4勝1敗同士の対戦で、やはり幕内経験者で東幕下9枚目の蒼国来(34=荒汐)と対戦。一気の出足で左を差し、最後は右を抱えながら寄り切りで勝ち、貴重な5勝目を挙げた。

再十両には、十両からの陥落者と、幕下上位の星取の兼ね合いになる。11日目を終え、十両から幕下への陥落は2人となりそうだ。一方、幕下から十両への昇進で、豊ノ島を上回る可能性があるのは、東幕下5枚目で6戦全勝の極芯道(錦戸)ただ1人。取組後、再十両を確信したのか、豊ノ島は「これで決まりですかね」とホッとひと息つきながら発した。

4戦全勝とした時に、思わず涙を流してしまい、5番相撲で初黒星。この時は「有力」止まりの状況で、フライング気味の早合点を猛省。気持ちを切り替えて臨んでいた。「本来は、ここで泣くべきでしたね。泣きましょうか」とタオルを顔にあてるジョークで笑った。余裕からか、しばし談笑の後、幕下生活が続いたこの2年間を振り返り「自分自身を強くさせてくれた2年間だった。惨めな姿もあったし、やめたらどうだ、という時期もあった。この2年でやめなかったんだから、これから先も簡単にはやめたくないなと強く思うようになった」と、しみじみ話した。

帰り際の通路で取材に応じている時、思わず来客が。共通の知人を通して知り合った、元ドイツ代表でサッカーJ1神戸のFWポドルスキだった。通訳を挟んで旧交を温めた後、ドイツ代表のサイン入りユニホームをプレゼントされた豊ノ島。「お返しをしないと」という問いかけに「(この日の)白星」と、胸を張って答えていた。再十両は、秋場所後の26日に開かれる大相撲九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)の番付編成会議で正式に決まる。

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貴ノ岩 昨秋以来の幕内給金「三役上がれるように」

栃煌山(右)を激しく攻める貴ノ岩(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


貴ノ岩が栃煌山を破って昨年秋場所以来となる幕内勝ち越しを決めた。土俵際での左のすくい投げに耐えて、相手が体勢を崩したところで右足をかけて外掛けで転がした。

昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件の被害で、一時は十両まで番付を落とし、今場所は昨年九州場所以来の返り入幕。「少しでも上にいけるように、三役に上がれるように頑張りたい」とさらに上を見た。

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白鵬横綱800勝“若手の壁に”幕内1000勝M6

豊山(手前)を上手投げで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇8日目◇16日◇東京・両国国技館


白鵬(33=宮城野)が、前人未到の横綱800勝に到達した。この日から再出場した東前頭2枚目豊山を上手投げで下して、昨年九州場所以来の中日勝ち越し。いくつもの記録を作ってきた横綱は、幕内1000勝と今年初となる41度目の優勝を視野に入れた。

手負いの豊山が目の前にいても、白鵬は横綱の厳しさを見せつけた。立ち合い左で張ってから左上手を取り、左手一本で182キロの巨漢を投げ飛ばした。支度部屋で、報道陣から横綱800勝目を祝福されて「ありがとうございます。こういうものはうれしいですね」と無邪気に笑った。

通算勝利数や幕内優勝回数など、さまざまな記録で歴代1位を更新してきた。それだけに、モチベーションを維持するのが難しかった。今回の800勝も、既に自身が歴代1位の記録を伸ばしただけにすぎない。「新記録なのか大台なのか分からない。まぁ、大台か」。強者ゆえの悩み。それでも20年東京オリンピックまで現役を続ける意向のある白鵬にとっては「ささやかな数字が今の私の原動力」とモチベーションにしている。

将来有望な力士のためにも記録を伸ばし続ける。「若者は記録が大きければ大きいほど燃えますからね」。かつての自分がそうだった。だからこそ、自らが壁となり目標になるために土俵に上がり続けている。

次のささやかな数字は、あと6勝で達成する「幕内1000勝」だ。加えて昨年九州場所以来の今年初優勝も「いきたいと思う」と狙っている。07年名古屋場所で昇進してから横綱12年目。大なり小なりケガも増え、加齢とともに体も少しずつだが衰えてきた。それでも気持ちだけは落とさない。「先場所休んで勢い余ってるから、それをしっかり出したい」。大台到達も、まだまだ歩みは止めない。【佐々木隆史】

横綱800勝を達成した白鵬はお祝いのケーキと白鵬メーターを手に祝福する付け人たちを背に笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

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白鵬が横綱800勝「中日でできるとは」しみじみ

横綱800勝を達成した白鵬はお祝いのケーキと白鵬メーターを手に祝福する付け人たちを背に笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇8日目◇16日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、この日から再出場した東前頭2枚目豊山(24=時津風)を下して、横綱800勝目を挙げた。立ち合い左で張って左上手を取って、体を開きながら流れるように左上手投げを決めた。「場所前、巡業から考えてたけど、中日でできるとは思わなかった。うれしいね」としみじみと話した。

名古屋場所休場明けながらも、気が付けば中日勝ち越し。「一つクリアしたという安堵(あんど)と、先場所休んで勢い余ってるからそれをしっかり出していきたい」と、昨年九州場所以来41度目の優勝を狙う。

報道陣から贈られたケーキをつまみ食いする白鵬(撮影・河田真司)
豊山(手前)を上手投げで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

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正代「今場所は体が動いている」全勝の高安に土

高安(左)は正代に引き落としで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇8日目◇16日◇東京・両国国技館


東前頭3枚目正代(26=時津風)が大関高安(28=田子ノ浦)の全勝をストップさせ、3勝5敗とした。

立ち合いのかち上げ、続く左ののどわに耐えた。土俵際まで下げられたものの「体を起こせた」と玉鷲。攻め手を探した高安の隙を見逃さず「タイミングが良かった」と左を深く差した。おっつけた右を巻き替えて左へ引き落とし、全勝の大関を土俵の上に1回転させた。

「立ち合いの圧力を止めないと相撲にならない。今日はうまくいった」と勝因を挙げた。今場所も折り返し地点を迎え「(前半戦の)相手やそのときの疲れによるが、自分はどちらかというと後半戦に強い方」と自身をのぞかせる。昨年の九州場所では今場所と同じく3勝5敗で中日を終えたが、10日目から不戦勝含め破竹の6連勝。巻き返しへ「今場所は体が動いている。気負わずに頑張りたい」と話した。

高安(右)を引き落としで下す正代(撮影・河田真司)

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元朝青龍、蘇が決めた珍手伝え反りは「私が決めた」

朝青龍(右)は伝え反りで貴ノ浪に勝利(02年撮影)


元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏(37)が、14日の大相撲秋場所6日目で、西幕下38枚目蘇(いける、25=阿武松)が決めた珍手「伝え反り」について、ツイッターで「私が決めた事があるよ笑笑」とアピールした。

伝え反りは、相手の差した手の手首あたりをつかみ、脇の下をくぐりながら体を反らせた圧力で倒す技で、2001年初場所で制定された「12」の決まり手の1つ。この日は、蘇が197センチの巨漢、巨東(おおあずま、28=玉ノ井)に対して決めた。

十両では07年九州場所10日目に十両里山が栃乃花に決めた例があったが、幕内で唯一この珍手で勝ったのがダグワドルジ氏だった。新大関として迎えた02年秋場所の3日目で貴ノ浪と対戦。押し込まれて土俵につまり、右へ回り込みながら相手の左腕をたぐった際、一本背負いがすっぽ抜け、ひっくり返って落ちたが目標がいなくなった貴ノ浪が先に倒れた。最初は「引き落とし」と発表されたが「伝え反り」に訂正された。

ダグワドルジ氏は当時、十両以上では初めて新技を決めて「何、それ。初めての技か。すごいね。そのうち、また新技みせるよ」と上機嫌だった。

朝青龍(右)は伝え反りで貴ノ浪に勝利(02年撮影)

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出た!珍手「伝え反り」幕内では02年に1度だけ

蘇(右)に伝え反りで破れる巨東(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇6日目◇14日◇東京・両国国技館


西幕下38枚目蘇(いける、25=阿武松)が珍手「伝え反り」をやってのけた。

197センチの巨漢、巨東(おおあずま、28=玉ノ井)に対して披露した。2001年初場所で制定された「12」の決まり手の1つで、相手の差した手の手首あたりをつかみ、脇の下をくぐりながら体を反らせて、その圧力で倒す技。

十両では07年九州場所10日目に、十両里山が栃乃花に決めた。幕内では02年秋場所3日目、元横綱朝青龍が貴ノ浪に決めたのが唯一になる。

蘇(右)に伝え反りで破れる巨東(撮影・河田真司)

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安美錦4勝目、史上最高齢40歳で再入幕へまた前進

明瀬山(右)を寄り切りで下す安美錦(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇5日目◇13日◇東京・両国国技館


西十両筆頭安美錦(39=伊勢ケ浜)が東十両4枚目大奄美(25=追手風)を寄り切り、序盤戦を4勝1敗で終えた。

1度目の立ち合いは先に立ち、2度目は相手が先に立ってきた。立ち合いから駆け引きがある中、3度目ははっきりと分かるぐらい相手が仕切り線よりも後ろに下がって構えた。そして成立した3度目の立ち合いで、まずは右の張りを1発。左前みつが取れず距離ができると、右の張り手を2発かまして中に飛び込んだ。左前みつを取ると頭を相手の胸につけながら我慢。1度は土俵際に寄られたが耐えしのぎ、体勢を入れ替えてから最後は左四つになって寄り切った。

立ち合いがなかなか合わず、張り手は感情的なものだったかと思われたが「手を出すことによって距離を作ろうと思っていた。昨日はいきなり飛び込んで駄目だったから。一呼吸置けた。感情的にならずにね」と冷静だった。自身の記録を更新する、九州場所での史上最高齢の40歳での再入幕へ、また1つ前進した。

明瀬山(左)を寄り切りで破る安美錦(撮影・狩俣裕三)

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稀勢の里、苦手10歳下の攻めしのぎ、悲鳴から歓声へ

貴景勝(右)の攻めを耐える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇2日目◇10日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、連勝発進した。22歳の小結貴景勝の攻めを、しのぎ続けて逆転の突き落とし。取組前まで連敗中で、通算1勝2敗と苦手としていた新鋭を退けた。元横綱武蔵丸(現武蔵川親方)と並ぶ、歴代7位タイの幕内通算706勝目となった。横綱、大関は今場所初の安泰となった。

場内は悲鳴に次ぐ悲鳴で騒然となった。稀勢の里は立ち合いから、貴景勝の突き、押しで押し込まれた。直後にいなされ、前のめりになると、すかさず貴景勝ののど輪を受けた。だが膝を曲げ、腰を落としていた分、二の矢、三の矢にも動じない。半身になって右足を俵にかけ、10歳下の攻めをしのぐと、相手の左のど輪をはらい、そのままの流れで突き落とした。割れんばかりの歓声の中、1人涼しい顔で勝ち名乗りを受けた。

9秒3の取組は、ほとんどの時間が攻められた。それでも「集中してやりました」と、冷静に対応した。瞬時の対応の連続は、懸念された相撲勘の衰えへの不安を、自信に変えられる内容。下半身にも粘りが出てきた。何よりも進退を懸ける場所で、世代交代を印象づける黒星を喫することなく、若手の壁となる力が健在だと示す白星だった。

この日の白星は、武蔵丸と並ぶ幕内通算706勝目だった。武蔵丸が引退した03年11月の九州場所から1年後。入れ替わるように、04年九州場所で新入幕したのが稀勢の里だった。交わりそうで交わらなかった先輩横綱に追いついた。元武蔵丸の武蔵川親方は「稀勢の里についてはノーコメント」と話すだけ。同親方自身も6場所連続休場後、進退をかけて出場した場所中に、現在の稀勢の里と同じ32歳で引退。周囲の声に、振り回されてほしくない思いは誰よりも知っている。そんな期待も、土俵際、最後の最後に背中を押した。

3日目は7月の名古屋場所で優勝次点だった、24歳豊山の挑戦を受ける。初顔合わせの若手だが「しっかりと集中してやります」。まだ、世代交代は許さないつもりだ。【高田文太】

貴景勝(右)を突き落としで下す稀勢の里(撮影・小沢裕)

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稀勢の里297日ぶり連勝、大関とり御嶽海も連勝

貴景勝(左)をいなす稀勢の里(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇2日目◇10日◇東京・両国国技館


8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が初日の勢に続き、2日目の小結貴景勝(22=貴乃花)を突き落として2連勝とした。

稀勢の里の連勝は昨年九州場所6日目以来、297日ぶりとなった。1勝2敗と負け越していた相手だけに価値ある連勝となった。

休場明けの横綱白鵬(33=宮城野)は前頭筆頭の勢(31=伊勢ノ海)を上手出し投げで下し、同じく休場明けの横綱鶴竜(33=井筒)も前頭筆頭の魁聖(31=友綱)を送り出してともに2連勝を飾った。

大関とりのかかる関脇御嶽海(25=出羽海)は前頭2枚目千代大龍(29=九重)を押し出して2連勝。

かど番の大関栃ノ心(30=春日野)は前頭2枚目豊山(24=時津風)を寄り切って、大関高安(28=田子ノ浦)は関脇逸ノ城(25=湊)を押し出して2連勝。大関豪栄道(32=境川)は小結玉鷲(33=片男波)を寄り切って今場所初勝利を飾り1勝1敗とした。

人気力士の前頭3枚目遠藤(27=追手風)は前頭4枚目阿炎(24=錣山)に突き出され2連敗となった。

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隆の勝が初日白星「他の力士の…」初々しい気遣いも

千代丸(手前)を寄り切りで破る隆の勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


新入幕の東前頭14枚目隆の勝(23=千賀ノ浦)が、初日に白星を挙げた。

西前頭14枚目千代丸(27=九重)の右下手を奪い、左でおっつけ万全の体勢で寄り切り。「自分の前に出る相撲を取れた」と完璧な内容だった。

新入幕らしく初々しい気遣いも発揮した。幕内力士のほとんどが、支度部屋で床山に髪を結ってもらいながら取材に応じる中、「他の力士の邪魔にならないように」と、あえて支度部屋の外で報道陣に対応。「自信を持って相撲を取れた」と土俵の上では堂々としていたが、上位力士がひしめく支度部屋には独特の緊張感があったようだ。

取組直後のNHKのインタビューから会場を出るまで終始笑顔。「昔から(笑顔が)止まらないタイプ」。中卒で角界に飛び込み、初土俵から8年半で新入幕を果たした23歳は「今日は(昨年九州場所の)新十両の時くらい緊張した。初めての一番で勝てるとは思っていなかった」と、記念すべき白星をかみしめた。

千代丸(左)を寄り切りで下す隆の勝(撮影・小沢裕)

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横綱稀勢の里、進退懸けた場所初日237日ぶり白星

勢(右)の攻めを耐える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、東前頭筆頭の勢(31=伊勢ノ海)を寄り切りで下して初日白星を飾った。8場所連続休場中に出場した4場所はいずれも初日黒星で、その後に途中休場した。進退を懸けて臨む今場所でまずは幸先の良いスタートを切った。

初日前日の8日は、土俵祭りの後、田子ノ浦部屋へ戻ると稽古場へ直行した。本場所で使用する紺色のまわしを締め、四股などの基本運動で約30分間にわたって汗を流した。異例ともいえる稽古で場所前最後の調整を終了。1月の初場所以来となる初日を控え、心身の準備は整っていた。

白星発進が、復活への鍵だった。横綱昇進後、出場した5場所で初日白星だったのは、優勝した17年春場所だけ。残る4場所は初日からの連敗はないものの、途中休場を余儀なくされている。初日に対戦する勢には15勝1敗と合口は良いものの、最後に対戦した昨年名古屋場所で黒星を喫していた。10日の2日目は小結貴景勝(22=貴乃花)と対戦する。昨年九州場所4日目、今年初場所初日と連敗中。通算1勝2敗と負け越しているだけに、2日目も大事な一番になる。

勢(右)を寄り切りで破った稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里ピリピリ完全非公開 初日は“因縁”の勢

稽古を終え、タクシーに乗って部屋を引き揚げる稀勢の里


大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、試練の序盤戦に向け、非公開で進退の懸かる秋場所(9日初日、東京・両国国技館)前の稽古を打ち上げた。7日、都内の部屋で最終調整。関係者によると四股、すり足などで汗を流したという。稽古後、帰宅の際には、若い衆が乗り込むタクシーに報道陣を近づけず、無言で引き揚げた。夏巡業後、稽古の完全非公開もノーコメントも初。9場所ぶり皆勤へ緊張感を漂わせた。

この日は取組編成会議が行われ、初日が東前頭筆頭の勢、2日目が西小結の貴景勝と対戦することが決まった。勢には過去15勝1敗だが、最後に対戦した昨年名古屋場所5日目は黒星。翌6日目から休場に追い込まれた。貴景勝には昨年九州場所4日目、今年初場所初日と連敗中。通算1勝2敗と負け越している。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「序盤が大事。後半になれば力を出すタイプなので」と話す。現在は横綱として歴代最長の8場所連続休場中。序盤で土をつけられた苦い記憶の残る2人との対戦が決まり、一気に臨戦態勢となっていた。

審判部長で、前日6日に出稽古で稀勢の里が部屋を訪れていた阿武松親方(元関脇益荒雄)も「誰も経験したことのない場所。初日と2日目をどう乗り越えるか」と話した。前日に「しっかり準備できた」と話した稀勢の里。夏巡業から関取衆相手に203番で156勝47敗。稽古通りの力を発揮できるか。復活への挑戦が始まる。【高田文太】

18年9月6日、稽古の後、笑顔を見せる稀勢の里(撮影・柴田隆二)

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白鵬12勝1敗「痛みはない」と即答、優勝へ調整

魁聖と相撲を取る白鵬


名古屋場所を途中休場した横綱白鵬が、都内の友綱部屋で行われた伊勢ケ浜一門連合稽古で好調ぶりを見せた。

平幕の魁聖、宝富士、十両旭秀鵬、照強と13番取って12勝。負傷している右膝、左足首にテーピングもなく「痛みはない」と即答。残り8勝に迫った横綱800勝と14勝に迫った幕内1000勝が「目標でありモチベーション」だといい、昨年九州場所以来の優勝へ調整を進める。

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稀勢の里難敵玉鷲に9勝1敗「期待したい」尾車親方

玉鷲(右)と気合が入った稽古をする稀勢の里(撮影・鈴木正人)


8場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、難敵の小結玉鷲を圧倒した。

3日、千葉・船橋市の二所ノ関部屋で行われた二所ノ関一門連合稽古に参加。昨年11月の九州場所初日に敗れて以来、胸を合わせていなかった玉鷲を指名した。188センチ、173キロの体格を生かした馬力と出足の鋭さで稽古から容赦なく攻める玉鷲。故障再発の危険を伴う相手だけに、これまで連合稽古でも避けてきた。それがこの日は馬力勝負で負けず、もろ差しや突き放しと、多彩な攻めで9勝1敗だった。

稽古後は開口一番「よかったです」と、充実の表情。秋場所(9日初日、東京・両国国技館)まで1週間を切ったが「いい具合で調整できている。より厳しくやっていきたい」と続けた。夏巡業から続く関取衆との稽古も、前日2日の前頭阿武咲に続き、相撲勘を取り戻す激しい稽古をする相手を選び、この日の最後は「気持ちいい」と笑顔も見せた。

初日で対戦する可能性もある玉鷲は「指名された時点で(休場中とは)違うと思った。いつもの横綱に戻った」と舌を巻いた。連合稽古で幕内下位を指名した先場所前とは違う実戦的な稽古が続く。尾車親方(元大関琴風)も「動きはいいし、体のハリもある。期待したい」と高評価だった。

稽古を終え笑顔を見せる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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