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白鵬ファンサービス徹底「合宿最後にいい稽古」

子どもとの稽古で笑顔を浮かべる白鵬


 大相撲の宮城野部屋が17日、滋賀・長浜市で13日から行っていた合宿を打ち上げ、横綱白鵬(33=宮城野)は終始ファンサービスに徹した。

 稽古の最後に、長浜市内の子どもら約40人と相撲を取り「できるだけ多くの子どもたちと肌を合わせることを心がけた。合宿の最後にいい稽古でした」と、充実の表情で振り返った。その後も、集まったファンらと写真撮影を楽しむなどリラックスした様子だった。

 毎年恒例となっているファンに振る舞うちゃんこを、今年は1200人分用意。稽古後には、白鵬自らが稽古場の外に用意された仮設のちゃんこ場に入り、ファンに手渡した。

 今合宿は14年から毎年名古屋場前に行われている。合宿後の名古屋場所は14、15、17年で優勝を果たしていて「いろいろなことを名古屋で達成しているから縁起がいい」と笑顔。昨年九州場所以来、今年初の優勝に向けて準備を着々と進めている。

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鶴竜実は…「3日目ぐらいから風邪でしんどかった」

大相撲夏場所優勝の一夜明け会見で笑顔を見せる鶴竜(撮影・小沢裕)


 大相撲夏場所で2場所連続5度目の優勝を飾った横綱鶴竜(32=井筒)が、千秋楽から一夜明けた28日、都内の部屋で会見した。

 同場所は、4日目に前頭松鳳山に敗れた以外、すべて勝って14勝1敗だったが「今だから言えるけど、3日目ぐらいから風邪をひいてしんどかった」と打ち明けた。「途中、熱があった時もあったけど、あえて計らなかった。(体温計の数値を)見たらダメだと思って。最後の方は良くなったけど、中盤は苦しかった」と続け、点滴を打っていたという。それでも「一瞬、ダメな方に考えそうになったけど、そこであきらめずにやれた」と振り返った。

 7月の名古屋場所については「3連覇という新たな挑戦ですけど、それに向けて。あと全勝優勝もしていないので、そこも目指して、これからも精進したい」と、目標を語った。

 昨年11月の九州場所までは、同じ4場所連続休場で苦しんでいた稀勢の里に対してもエールを送った。鶴竜は今年に入って復活したが、その後も休場が続いているのが横綱稀勢の里。稀勢の里に対しては「アドバイスなんてできる立場ではない」と前置きした上で「彼も強い気持ちを持っていると思うので、出てきた時にそれを見せるのではないかと思う。同じ横綱としても頑張ってほしい」と話し、復活を期待していた。

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栃ノ心は大関でも不変 「地獄」見たからこそ自然体

勢(左)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館


 栃ノ心の大関昇進が事実上決定した。審判部が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請して了承された。30日の臨時理事会、名古屋場所番付編成会議を経て正式決定する。

 関脇最後の相撲はすでに、大関のそれだった。栃ノ心が、自分より2センチ大きな勢の体を起こして、左上手、右下手とまわしを引いた。自慢の右四つから4度、力を込めて寄り切った。直後の結び、鶴竜が白鵬を破った一番は、土俵下で見届けた。優勝決定戦にならず「どきどきしながら、見たんだけど…。悔しいね」とこぼしたが、表情は明るい。「初日と千秋楽は大事。次につながるからね」と持論を語る姿に風格が漂っていた。

 さあ大関だ。関脇以下が対象の三賞は、今場所の敢闘、技能を加えて11個。「宝物です。トロフィーとかね。もう十分じゃない?」とやり残しはない。新入幕から所要60場所は史上1位タイのスロー昇進。10年名古屋場所を新三役で迎え、右膝負傷で12年春場所に西幕下55枚目まで落ちた。「三役→幕下→大関」という“地獄を見た男”は、琴風(現尾車親方)と自分と2人だけ。「尾車親方でしょ? 知ってたよ。僕と2人? それ、かっこいいね」。大関以上は東京場所の場合、地下駐車場への車通勤が認められるが、春日野部屋から国技館は徒歩10分。「歩いて来るよ。近いのに変でしょ」。苦労を重ねたからこそ、変わりたくない。「大関だから負けたらダメと思えば負ける。だから普通にやります」。自然体の庶民派で、大関道を歩んでいく。【加藤裕一】

 ◆スロー昇進 栃ノ心が大関昇進にかかった、新入幕からの所要60場所は、2代目大関増位山に並んで史上1位。初土俵からの所要73場所は、高安に並ぶ同9位。また「30歳7カ月」での昇進は、年6場所制が定着した1958年(昭33)以降で4位の年長記録。

 ◆琴風の場合 78年初場所で新三役、関脇昇進を果たしたが、79年名古屋場所で西幕下30枚目まで転落後、81年九州場所で大関に昇進した。

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鶴竜“連続Vない横綱”返上 雑音に耐え実力証明

2場所連勝優勝を果たした鶴竜(中央)は賜杯を手に関係者たちとの記念撮影に臨む(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)が5度目の優勝を、悲願の2場所連続で決めた。勝てば優勝が決まる、白鵬との横綱対決を寄り切って14勝1敗。1差で追っていた関脇栃ノ心(30=春日野)も勝ったため、負ければ優勝決定戦にもつれる事態を回避した。平成以降に昇進した横綱10人のうち、ただ1人連続優勝なしの汚名を返上した。

 優勝決定戦のことなど、まったく考えになかった。鶴竜は、横綱同士の結びの一番だけにかけていた。頭をつけて前まわしを引き、一気に寄ったが、土俵中央まで戻された。それでも体勢優位は変わらなかった。すべての力を振り絞って、もう1度寄ると、白鵬の粘りと気力を上回った。会心の寄り切り。30秒近い大相撲を制し、疲れ果てた足取りで支度部屋に戻ってきた。

 15年9月の秋場所以来、2年半以上も離れていた両国国技館での優勝は「これ以上、最高なことはない」と、喜びをかみしめた。何よりも、ずっと心に引っかかっていたという「連覇のない横綱」という汚名を返上できたことがうれしかった。特に平成以降は、横綱昇進は2場所連続優勝が条件のようになっていた。鶴竜の場合、優勝決定戦の末に敗れた、14年初場所の優勝同点と翌春場所の優勝で昇進。平成以降に昇進した10人の横綱のうち、ただ1人、連覇がなかった。

 鶴竜 横綱はみんな、上がる時に2場所連続で優勝している。自分だけラッキーで上がったと思われたくない気持ちが、ずっとあった。「連続優勝して(実力を)証明してみせる」。そう言いたい自分がいた。

 呼吸も整いきらない支度部屋で、心にしまっていた思いを初めて明かした。けがで昨年九州場所まで4場所連続休場し、衰えを指摘されたり、進退が問われたり、周囲の雑音に耐え、この日が来ると信じていた。優勝インタビューでは「生まれ変わり、進化したい。鶴竜はこういう相撲を取れるんだという気持ちでやってきた」と胸を張った。

 肩の荷が下りると、うれしいサプライズが待っていた。ムンフザヤ夫人が、同夫人の両親とともに、内緒で鶴竜の両親をモンゴルから招待していた。「アレッと思った。父は国技館に来たことがなかったから」と、予期せぬ親孝行もできた。誰よりも白星を重ねる今年、まだ連覇を止めるつもりはない。【高田文太】

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霧馬山が幕下V ヒジ負傷も全勝「前に前に攻めた」

朝鬼神(右)を突き出しで破る霧馬山(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇13日目◇25日◇東京・両国国技館


 幕下は、朝鬼神(25=高砂)との全勝対決を突き出しで制した西35枚目の霧馬山(22=陸奥、モンゴル出身)が、15年九州場所で三段目優勝して以来、2度目の各段優勝を果たした。

 今場所は「まわしを取って前に前に攻めたのが良かった」と自己評価。この日の一番は、相手の強烈な突き押しで、まわしを取れなかったが、それでも前に、の気持ちを忘れず押し勝って最後は突き出した。

 場所中の朝稽古で右ヒジを痛めた。師匠の陸奥親方(元大関霧島)からは、勝ち越しが決まった後に「痛かったら休場してもいい」と勧められたが「ここまで来たら」と出場し続け、白星を7つ並べた。

 自己最高位は、昨年名古屋場所の東幕下10枚目。ちょうど1年後となる7月の名古屋場所は、自己最高位を更新しそうで、念願の関取の座も見える。新十両昇進を1日でも早く果たしたいという目標には理由がある。入門時に師匠と交わした「十両に上がったらモンゴルに帰っていい」という約束だ。「まだモンゴルには(入門から)3年、帰ってない。早く帰りたいですね」。あこがれの力士は、元横綱の日馬富士、現役横綱の白鵬、鶴竜、そして「まわしを取って力を出す、自分と同じタイプ」と元横綱千代の富士の名前を挙げる。筋肉質のモンゴル出身力士がまた一人、関取として名乗りを上げようとしている。

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パワフル栃ノ心!25戦全敗憧れ白鵬にやっと勝った

白鵬(左)を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬を寄り切り、12連勝を決めた。過去25戦全敗の天敵を自慢の右四つで攻めたて、悲願の初白星をもぎ取った。横綱を倒して、直近3場所の合計白星を「36」としたことで、昇進は事実上の当確。単独トップも守った。年6場所が定着した58年(昭33)以降初となる、昇進直近3場所で優勝2度の快挙も射程圏内に入った。

 力勝負だ。まわしをがっちり右四つで引き、全身の筋肉を総動員した。栃ノ心が、腰を落とす白鵬を持ち上げようと、何度も背伸びし、つま先立ちになった。最後は力ずくだ。右手でのど輪を決め、土俵外に押し出した。「最高ですね」。それしかない。08年九州場所の初顔合わせから10年。25戦25敗の天敵に勝った。白鵬を破り、最近3場所の合計白星は「36」。大関の座は、もう間違いない。

 師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)のおっつけを見習った。大横綱千代の富士の顔、体形、すべてが「かっこいい」と憧れた。多くの先輩力士を見習ってきたが、一番手本にした力士を問われて「白鵬関かな」と答える。「速い。スピードがある。『ああなりたいな』と思った」-。

 全敗の過去を「弱いから。弱いからだよ」と説明する。「最初の頃かな。1度、電車道で吹っ飛ばされたことがある。土俵下に審判で(師匠の春日野)親方がいてね」。何番か惜しい取組はあった。同じ右四つ。得意の左上手で何度もまわしを引いたが、負けた。「白鵬関は上手切るのうまいから」。この日は違った。立ち合いから左上手でまわしを引いた。工夫した。切られにくい、浅めの位置を守った。2度切られかけ、耐え抜いた。

 前夜はうなぎのひつまぶし2人前、いくら、うに、かに入りの海鮮丼、宅配ピザのMサイズにマンゴーアイスをペロリと平らげ、ただ1人勝ちっ放しの12連勝。残り3日。白鵬を2差に突き放し、1敗は鶴竜だけ。初場所に続く2度目の優勝も射程圏内に入った。「あと3日あるからね」と平静を装うが、初優勝後の口癖は「もう1回、優勝したいな。できるかな」-。歴史を変えた白星から、歓喜のゴールへ一直線だ。【加藤裕一】

全勝を守った栃ノ心は支度部屋で笑顔(撮影・小沢裕)

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栃ノ心が大関「当確」大一番で白鵬を力づく撃破

白鵬(左)を寄り切りで下す栃ノ心。右下は鶴竜(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬から、26度目の対戦で初白星を挙げた。立ち合いは1度、白鵬が突っかける形で待ったがかかり、2度目は栃ノ心が先に仕切った。同じ右四つとあって、早々に得意の左上手でまわしを引いた。時間をかけ、最後は右手をまわしから離し、のど輪を決めて力ずくで寄り切った。

 08年九州場所での初顔合わせから10年。栃ノ心は「最高ですね」と上気した表情を見せ「何年もね…。惜しいのあったけど…」と勝利の味をかみしめた。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされる。栃ノ心は2場所前、優勝した初場所が平幕だったため、条件的に微妙な要素があったが、横綱を破り白星数を「36勝」まで伸ばした。事実上の当確ランプがともったといえそうだ。

 優勝争いでも全勝でトップを守った。残り3日で1敗は鶴竜だけ。「残り3日あるからね、1日1番です」と慎重だったが、2場所ぶり2度目の優勝も一気に近づいてきた。

全勝を守った栃ノ心は支度部屋で厳しい表情を見せる(撮影・小沢裕)

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栃ノ心12連勝「最高」天敵白鵬から26度目の正直

白鵬を下し全勝を守った栃ノ心は支度部屋で笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)が、天敵の横綱白鵬を破り無傷の12連勝、大関とりへ、また大きく前進した。

 立ち合いから右四つがっぷりとなり、まわしを引きつけながら力勝負で寄り切った。インタビュー室に呼ばれた栃ノ心は大きく息を弾ませながら声をつないだ。

「うれしい。勝って良かったです。攻めて攻めて。最高です。明日からあと3日間しかないので気合を入れてやりたい」。

 大きな壁を乗り越えた。10年前の08年九州場所の初顔合わせから、白鵬戦は25戦全敗。寄り切り14度、上手投げ8度、下手投げ1度、すくい投げ1度、はたき込み1度。全く歯が立たず、土俵でたたきのめされてきたが、優勝40回を誇る角界の第一人者についに土をつけた。

 これで直近3場所の合計勝ち星は「36」となり、大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で計33勝以上」の条件で白星は3つも上回った。

 栃ノ心が、自身初となる全勝Vで大関昇格に花を添えるつもりだ。

白鵬(左)を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・中島郁夫)

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栃ノ心11連勝 過去25戦全敗の白鵬破って大関当確へ

全勝を守った栃ノ心は小雨が降るなか傘をさしながら引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が11連勝で、トップを守った。平幕の琴奨菊のがぶり寄りを受け止め、左上手まわしを引くと左手1本だけで投げ飛ばした。直近3場所の合計勝ち星は「35」となり、限りなく昇進に接近。今日12日目は、いよいよ横綱白鵬との大一番だ。過去25戦全敗の天敵を破れば、有無を言わせぬ“大関当確”になる。白鵬とともに、横綱鶴竜も1敗をキープした。

 栃ノ心が押し込まれた。立ち合いで琴奨菊に左前まわしをとられ、右を差され、がぶられた。そこから、強かった。元大関の代名詞を受け止める。右下手で投げを打って崩し、左上手でまわしをつかんだ。「左でつかまえたら、もう大丈夫だからね」。堂々と豪快な上手投げ。左腕だけで勝負を決めた。過去の合口は7勝24敗だが、今の栃ノ心はもう、昔の栃ノ心ではない。

 勝ちっ放しの11連勝。大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で計33勝以上」の勝ち星を、計35勝で2つも上回った。昇進をはかる審判部トップの阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は前日「濃厚」と話し、この日は「昨日以上の言葉はありません」としながら、その勝ちっぷりに「強いね」とうなった。

 大関昇進、2場所ぶりの優勝ムードが高まる中、今日12日目はついに大一番。白鵬とぶつかる。10年前の08年九州場所の初顔合わせから、25戦全敗-。寄り切り14度、上手投げ8度、下手投げ1度、すくい投げ1度、はたき込み1度。全く歯が立たず、たたきのめされてきた。

 なぜ勝てない? 春場所中に問われると、首をかしげて話した。

 「優勝40回でしょ? 信じられないよ。どうやったら、そんなに勝てるのか? 横綱は力が強い。それでいて柔らかいんだよ。そんな筋肉に見えないのにね。低く当たられて、いつも先に引いちゃう。(次やるときは)勝っても負けても、先に攻めたいね」

 昨年名古屋場所の最後の対戦から、初場所の初優勝があった。「勝つイメージしかない」というほどの自信を手にした。「気合入ってますよ。(今までと)ちょっと違うかもしれない。やってやるっていう気持ちですね」。天敵を倒せば、有無を言わせぬ大関昇進。2度目の優勝へも加速する。【加藤裕一】

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貫禄見せた鶴竜、相撲やめかけた“弟子”阿炎へ思い

阿炎(左)をはたき込みで下した鶴竜(撮影・丹羽敏通)

<大相撲夏場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)が初顔合わせの西前頭2枚目阿炎(あび、24=錣山)をはたき込み、1敗を守った。自分と対戦できる位置まで上がってきた、錣山部屋の元付け人相手に突っ張りを受け止め、貫禄を見せた。前日の初黒星から一夜明け、自身初の2場所連続優勝へ、再出発を切った。

 熱い思いを封じ込め、鶴竜は勝負に徹した。立ち合いのもろ手突きから、阿炎の突きを何発も受け止めた。最後は相手の勢いをうまくいなして、はたき込み。「今日は考えず、当たることだけを意識した」。松鳳山を立ち合いで見すぎて敗れた前日の一番を反省し、ガムシャラに突っ込んだ。相手は元付け人。「なるべくそういう感情が出ないようにした」と振り返った。

 16年九州場所で、阿炎は付け人だった。十両から落ち、相撲をやめようと考えていた若手を、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)の実弟、錣山親方(元関脇寺尾)から預かった。その場所で3度目の優勝を飾った。「ありがとう」と握手を求めた。阿炎が付け人を離れ、2場所後の17年春場所で幕下優勝を飾った時は、人知れず祝儀を贈った。背中を見せ、気遣うことで「あんなすばらしい人はいません」と感激させ、再び相撲への意欲を取り戻させた。

 土俵では自分の相撲に集中した鶴竜だが、取組後は喜びを隠せなかった。「元付け人とやるのは、僕も初めてですから。付け人で違う部屋というのはなかなかない。でも、いいことですよね」。阿炎が「少しでも成長した姿を見せたかった」と話したことを伝え聞くと「いや、それは(自分と)当たる時点で、そこまで来たということです」と言い、うれしそうに笑った。

 痛恨の初黒星から、連敗を阻止。4勝1敗で序盤戦を終えた。「やったことのないことへの挑戦」と掲げる今場所の目標は、自身初の2場所連続優勝。かわいい“弟子”からの白星が、再スタートに弾みをつけた。【加藤裕一】

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栃ノ心3連勝 玉鷲戦「めちゃくちゃ気合入る」理由

玉鷲(右)と激しい取組をする栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇3日目◇15日◇東京・両国国技館


 大関とりの関脇栃ノ心(30=春日野)が平幕の玉鷲を下し、3連勝を飾った。ともに08年初場所が新十両だったライバルの激しい突き押しをしのぎ、はたき込んだ。右膝負傷からカムバックした14年11月の再入幕後、3連勝は過去2場所あり、11勝と14勝。大関昇進に求められる最低限の10勝以上がはっきり見えてきた。勝ちっ放しは白鵬、鶴竜の両横綱を含む8人となった。

 栃ノ心は鼻息が荒かった。「下がってないね、後ろに。よく攻めたし、立ち合いも良かった。まわしは取れなかったけどね」。支度部屋の風呂から上がると、自分から切り出した。角界屈指の突き押しをしのぎ、はねのけ、前に出た。気づけば、玉鷲が倒れていた。

 「めちゃくちゃ気合が入る」というライバルだ。新十両が同じ08年初場所。当時の巡業では“かわいがられ仲間”だった。玉鷲が朝青龍なら、自分は白鵬と日馬富士…。朝、顔を合わせると「今日も一緒にぶつかり稽古、頑張ろう」と励まし合った“戦友”なのだ。

 時には一緒に食事に行くほど仲もいいが、相撲となれば話は別だ。この日で対戦成績13勝4敗と合口はいい。ただし「アイツ、いつも土俵に上がる前からニラんでくる。だから、絶対にニラみ返す。目そむけたら負けだから」。先場所は2日目に負けた。その後1週間は、支度部屋ですれ違うと「弱かったな~」と言われた。「もういいだろって思うのに」とこぼしつつ、うれしそうだ。

 大関へ。データも栃ノ心の背中を押す。昇進目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされ、栃ノ心は初優勝の初場所14勝、春場所10勝。ただ、初場所は西前頭3枚目の平幕だったため、最低限「10勝以上」が必要になりそうだが、その“ライン”は見えた。14年九州場所の再入幕後、3連勝は過去2度あり、ともに2ケタ白星。また三役での3連勝は11場所目で初めてだ。先場所痛めた右肩も「大丈夫、勝ってるからね」と笑い飛ばす。夢へ、着実に近づいている。【加藤裕一】

栃ノ心は口から流血しながら土俵を下りる(撮影・小沢裕) 

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引退阿夢露「幸せ」今後はスポーツトレーナー目指す

引退会見を行った阿夢露(左)と阿武松親方(撮影・鈴木正人)


 ロシア出身の元幕内で、東幕下39枚目の阿夢露(34=阿武松)が14日、両国国技館で会見し、引退を発表した。

 左肩の筋断裂で「力が出なかった」と引退を決意。在位9場所で最高位は東前頭5枚目だった幕内時代を「本当に幸せだった」と振り返った。新十両だった12年初場所の右膝負傷で序二段まで番付を落としたが、外国人では戦後最も遅い所要74場所で14年九州場所新入幕。師匠の阿武松親方(元関脇益荒雄)は「こつこつやって辛抱する部屋の手本だった」と労をねぎらった。今後は「勉強してスポーツトレーナーになりたい」と、目標を語った。

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鶴竜、右手薬指は「ケアしながらやっていくしか」

優勝額贈呈式に臨む鶴竜(左)と栃ノ心(撮影・小沢裕)


 大相撲夏場所(東京・両国国技館)は今日13日、初日を迎える。

 初の2場所連続優勝のかかる鶴竜が12日、優勝額贈呈式に出席した。「あらためて実感がわきます。身が引き締まる思い。毎回ここ(贈呈式)に立つようにという気持ちになる」。過去3度の優勝翌場所はいずれも10勝に届かなかった。昨年九州場所で痛めた右手薬指には「ケアしながらやっていくしかない」と不安が残るが「状態的にはよく来ている。場所で流れをつかみたい」と話した。

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大砂嵐RIZIN参戦 相撲引退勧告で格闘家転身

RIZIN挑戦を表明した大砂嵐のツイッター


 元大相撲西前頭筆頭の大砂嵐(26=エジプト)が、総合格闘家に転身し、RIZINに参戦することが2日、分かった。

 RIZINの榊原信行実行委員長(54)が4日に福岡市内で会見し発表する予定。

 現在、米国滞在中の大砂嵐は自身のツイッターで「私はRIZINでMMA(総合格闘技)ファイターとしてデビューすることになりました。デビュー戦に向けて、ジョシュ・バーネット先生に厳しく指導してもらいます。飛行機を降りた時、エジプトからはじめて日本に来た時の気持ちを思い出しました」と、コメントしている。

 大砂嵐は、今年1月3日に長野県内で追突事故を起こし、警察の取り調べに「自分は運転しておらず、妻が運転した」と供述し、その後、自ら運転していたことを認めた。日本相撲協会にも事故の報告をしておらず、無免許運転も判明したため協会から引退勧告を受け、3月9日に引退を表明していた。

 大砂嵐は引退後、総合格闘家を目指し練習を始めていたという。RIZINでは、今年後半に開催される興行で、大砂嵐をデビューさせる方向で検討している。

 大砂嵐はカイロ大を休学して来日し、12年春場所に大嶽部屋から初土俵。13年名古屋場所で十両に昇進。同年九州場所で、初土俵から10場所という史上2番目のスピードで新入幕を果たした。14年名古屋場所で自己最高位の西前頭筆頭に昇進。鶴竜と馬富士を破り、初金星からの2日連続金星という史上初の快挙も達成した。189センチ、160キロの巨漢で、角界からRIZIN転身は、15年12月の元大関把瑠都のバルト(33)以来となる。

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安美錦が史上最年長39歳6カ月で再入幕「感謝」

安美錦(2018年1月28日撮影)


 日本相撲協会は30日、夏場所(5月13日初日、両国国技館)の新番付を発表し、39歳6カ月の安美錦(伊勢ケ浜)が史上最年長での再入幕を決めた。

 先場所は東十両2枚目で8勝7敗。今場所の番付について「驚きましたね」とは言ったものの、周囲の星取を見れば再入幕は妥当なところ。「落ちて上がれば(記録は)ついてくる。よかったんじゃないですか」と話した。昨年11月の九州場所で再入幕を果たした時も最年長記録となっており、もともと目指しているのは幕内で相撲を取り続けることだ。

 今場所で幕内在位は97場所目。高見山と並んで史上3位タイにつけた(1位は魁皇の107場所、2位は旭天鵬の99場所)。この記録については「もっと早く過ぎているかと思った。ケガで(十両に)落ちていたから。幕内で少しずつ伸ばせるのはうれしい」とも言った。

 ケガとの闘いは終わらない。5日の兵庫・姫路市での巡業の稽古中に右膝を痛め、離脱した。「ケガをして駄目になっても、家族が支えてくれる。家族の支えがあってやれていることに感謝しています」と話す。今もケガの状態は万全でないが、痛みと付き合いながら稽古していくしかない。

 「幕に上がったので、その日の一番一番をしっかりやるだけ。土俵に上がれることに感謝しながらやりますよ」。満身創痍(そうい)ながらも、気力はまだまだ衰えていない。【佐々木一郎】

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連続優勝に挑む鶴竜「1日1日、いつも通り集中」

新番付を手に連続優勝を狙う鶴竜


 日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表。2場所連続5度目の優勝を狙う横綱鶴竜(32=井筒)が同日午前10時から、東京・両国の井筒部屋で記者会見に臨んだ。

 先場所に続き東の正位に就いた鶴竜は、その余韻について「もうないです。(春場所後の)場所休みで(余韻に浸るのは)終わり。春巡業が始まったら、新たな気持ちで(臨んだ)」とゼロからのスタートを心に刻んだ。

 過去の苦い経験もある。過去3回の優勝翌場所は新横綱として臨んだ14年夏場所が9勝6敗、15年九州場所も9勝6敗、昨年初場所は途中休場(5勝6敗4休)という憂き目にあっている。その原因を「気持ちの部分で、どこかに甘さがあった。気持ちが高ぶり空回りしたこともあったけど、逆に緩みすぎて駄目になったこともある」と分析。そんな反省から「ブレずに1日1日、いつも通り集中すること。新たなチャレンジで目標を立ててやりたい」と語った。

 節目の場所でもある。春場所で横綱を丸4年務め、夏場所は5年目を迎える。「(横綱に)上がってからは、ほとんどケガとの闘いで、苦しい時期が長かった。丸4年、よく(横綱を)務めたなと思う」と感慨にふける一方で、心機一転も強調。「でも、これからは、さらに進化して悔しい気持ちを、うれしい気持ちに変えたい。(年齢的にも)まだまだ全然、やれる。気持ちもしっかりしている。あとはケガと、うまく付き合ってやっていくことが大事」と前向きに話した。

 満足感に浸る気はない。「1年を通して結果を残したいという最終的な目標がある」。昨年は18勝17敗55休と辛酸をなめた横綱が「角界の主役」となるべく、連続優勝に挑む。

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遠藤が小結、北海道20年ぶり旭大星が入幕 新番付

旭大星


 日本相撲協会は30日、大相撲夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。

 人気力士として期待されながら、なかなか三役の壁を破れなかった遠藤(27=追手風)が、待望の三役の座をゲット。新三役として西の小結に就いた。追手風部屋からの新小結は、現師匠(元前頭大翔山)が98年10月1日に部屋を創設して以降、追風海、黒海以来3人目。石川県からは、97年九州場所の出島、栃乃洋以来、戦後5人目の輩出となった。また、学生相撲出身の新三役は、昨年初場所の正代(26=時津風)以来45人目で、日大からは14年秋場所の常幸龍(29=木瀬)以来、17人目となった。

 横綱では、2場所連続優勝を狙う鶴竜(32=井筒)が先場所に続き東の正位に就いた。2場所連続休場中の白鵬(33=宮城野)は、史上1位の横綱在位場所数を65に更新し、今場所も西横綱に就いた。6場所連続休場中で東の稀勢の里(31=田子ノ浦)は、初日からの出場に踏み切るかが注目される。

 大関とりのかかる栃ノ心(30=春日野)は、三役としても2場所連続となる関脇在位となった。また御嶽海(25=出羽海)は、5場所在位した関脇から東小結に番付を下げたが、三役は8場所連続で守った。

 新入幕も“北の大地”から待望の力士が誕生した。北海道旭川市出身の旭大星(28=友綱)が新入幕として西前頭15枚目に昇進した。北海道からは92年初場所の立洸以来、戦後51人目の新入幕。北海道出身力士が幕内に番付に載るのは、98年夏場所の北勝鬨以来、ちょうど20年ぶりとなった。

 再入幕は4場所ぶりの佐田の海(30=境川)、2場所ぶりの豪風(尾車)と安美錦(伊勢ケ浜)の3人。昭和以降として、39歳6カ月の安美錦は史上1位、38歳10カ月の豪風は同2位の高齢再入幕となった。

 新十両は2人。東十両11枚目に昇進した白鷹山(23=高田川)は、現師匠(元関脇安芸乃島)が09年8月5日に部屋を継承して以降、竜電(27)、輝(23)に続く3人目の新十両昇進を果たした。山形県出身では、08年春場所の北勝国以来、戦後18人目となった。

 祖父が元小結の若葉山、父が元幕下若信夫で、兄2人も現役幕下力士という相撲一家で生まれ育った若隆景(23=荒汐)も、西十両14枚目で新十両昇進を果たした。荒汐部屋からは、現師匠(元小結大豊)が02年6月1日に部屋を創設して以降、蒼国来(34)以来、2人目の新十両。福島県出身では09年秋場所の双大竜以来の戦後11人目で、東洋大からは15年名古屋場所の御嶽海以来10人目、学生相撲出身では先場所の炎鵬(23=宮城野)に続き126人目の新十両となった。また、三段目付け出しデビューからの新十両は、小柳(現豊山、24=時津風)と朝乃山(24=高砂)に続き3人目となった。再十両は、10場所ぶりの復帰となった西12枚目の朝弁慶(29=高砂)が果たした。

 夏場所は、5月11日の取組編成会議で初日、2日目の対戦相手が決定。13日の初日を迎える。

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山形から10年ぶり関取誕生!白鷹山が目指す大目標

夏場所に向けて稽古する白鷹山(左)(撮影・鎌田直秀)


 大相撲夏場所(来月13日初日)の新十両昇進が決まった山形・白鷹町出身の白鷹山(はくようざん、23=高田川)が、史上初の新十両全勝優勝を目標に掲げた。24日の稽古でも身長185センチ、体重165キロ、握力100キロの体を生かした、前に出る相撲は健在。郷土の大横綱柏戸の名前も挙げ、さらなる飛躍への準備は万全だ。山形県からの新十両誕生は、08年春場所の北勝国以来10年ぶりとなる。

 白鷹山は体も力も目標も発言もビッグだ。先場所も豪快な突き押しで圧倒。東幕下筆頭で6勝1敗と勝ち越し、11年5月の初土俵から約7年で新十両。初めて15日間相撲をとる夏場所で、角界を驚かすつもりだ。

 「最初から誰が相手でも全部勝つつもりで戦う。優勝を目指す思いしかありません。どんどん前に出て、吹っ飛ばして『あいつは真っ正面から行ったら止められない』とみんなに言わせたい。山形出身の横綱、柏戸関も目標ですが、白鷹山の相撲で突き進みたい」

 小学校では柔道や野球、中学ではバスケットボール部。中3時、砲丸投げで山形県新記録を樹立した運動神経と怪力で、相撲未経験ながら角界の門をたたいた。父英人さん(49)との約束は3年で三段目、5年で幕下、10年で十両。「出来なかったら本当に角界を去っていました」。

 12年には右膝の大ケガを負っても、10代で幕下上位まで駆け上がったが、16年には糖尿病も発症。入門時140キロから一時は180キロまで増えたが、わずか1カ月で135キロまで体重が減った。「正直、てんぐになっていたので、神様が鼻をへし折ってくれたんだと思う。それでも学生横綱になって1場所で(十両に)上がったと思えば遅くはないと思う」。新調した深緑色の締め込みで旋風を巻き起こすつもりだ。

 同じ二所ノ関一門の先輩力士からの“神”の声も支えだった。闘病中、連合稽古で活気のない表情に、幕内嘉風(36)からは「常に今が全盛期と思え」と激励されて目が覚めた。昨秋の巡業中には大関高安(28)から「立ち合いから突き押しを徹底しろ。オレもそれでここまで来られたんだから」と助言された。迷いは吹っ切れ、結果が出た。

 30日に番付発表。稽古では白まわし、部屋は個室になり関取生活が始まる。しこ名は地元の白鷹山(しらたかやま)と米沢藩主の名君・上杉鷹山(ようざん)から命名。「山形が好きだし、自分は肌も白いし、強そうだし、気に入っています。山形の代表として強くなります」と誓った。【鎌田直秀】

 ◆白鷹山亨将(はくようざん・りょうすけ)本名・斎藤亨将。1995年(平7)4月13日生まれ、山形・白鷹町出身。鮎貝小-白鷹西中を経て、11年5月技量審査場所初土俵。13年九州場所で初の幕下。得意は突き押し。185センチ、165キロ。家族は両親と妹2人。愛称は山形の白熊。

ちゃんこをほおばる白鷹山(撮影・鎌田直秀)

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正代誓った「少しでも手助けに」地元熊本に希望を

幕内トーナメントに出場した正代


 大相撲春巡業は14日、神奈川・藤沢市で行われ、平幕の正代(26=時津風)が地元熊本に希望を与えることを誓った。16年の熊本地震からこの日で丸2年となり「まだ復興が進んでいないところがある。その人たちが1日でも早く家に戻れればいいなと思う」と思いやった。

 昨年11月の九州場所後には帰省して「有名な人がまだ誰も行っていない」という仮設住宅10軒ほどの小さな集落を慰問した。サイン会や握手会で住民らと触れ合い「あまり背負って相撲を取るタイプではないけど、少しでも元気づける手助けになればいい」と土俵上でも奮闘する。

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白鵬、父に「見せてあげたかった」東京五輪土俵入り

巡業で土俵入りを披露した白鵬


 大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)が、悲しみを乗り越えて横綱の責任を果たした。春巡業は10日、長野・伊那市で行われた。前日9日に父ジジド・ムンフバトさんが76歳で死去したが、ぶつかり稽古で地元長野県出身の関脇御嶽海に胸を出し、土俵入りと横綱鶴竜をつり出して破った取組では観衆を沸かせた。元気な姿を見せたが「自分の与えられた仕事をまっとうするつもりで土俵に上がった。親を超える子どもはいない。あらためて偉大さを感じた」と、しみじみと話した。

 夢があった。「あと2年半頑張ることができて、東京オリンピックの開会式で土俵入りすることができたら、見せてあげたかった」。98年長野五輪で、当時横綱の曙が開会式で土俵入りする姿はテレビで見ていた。ムンフバトさんはレスリング選手として、銀メダルに輝いた68年メキシコ五輪でモンゴル人初の五輪メダリストとなった。五輪には64年東京大会から5大会連続で出場し、年に1度のスポーツの祭典「ナーダム」では、6度もモンゴル相撲で優勝した国民的英雄。白鵬は「64年の東京五輪に出て、東京五輪に縁がある人だと思っていた」と肩を落とした。

 白鵬によると、昨年10月に肝臓がんが見つかり、11月の九州場所後に日本に呼んで治療していた。今年1月まで日本に滞在後に帰国したが「この1週間で急に弱り、昨日旅立ちました」と、静かに説明した。巡業部の花籠副部長(元関脇太寿山)は帰国と巡業離脱について「問題ない。親御さんだから。八角理事長(元横綱北勝海)にも報告している」と説明。今日11日に帰国し13日の葬儀に出席。4日間休場後の15日から再合流する。【高田文太】

白鵬の父ジジド・ムンフバトさん
15年1月、優勝祝勝会でタイを持つ白鵬に拍手を送る父ムンフバトさん(前列右端)

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御嶽海、地元での春巡業で大声援も「緊張した」

土俵入りで声援に手を挙げて応える御嶽海(右)。左は高安


 大相撲の春巡業は10日、長野・伊那市で行われ、地元長野県出身の関脇御嶽海(25=出羽海)が、終始会場を盛り上げた。

 稽古では大関高安から指名を受けて4勝5敗と意地を見せ、直後には横綱白鵬に胸を借りてぶつかった。逆に地元の子どもを相手に稽古で胸を出したり、髪結い実演で、大銀杏(おおいちょう)ができあがるまでを披露したりと、土俵に上がり続けた。最後は取組で関脇栃ノ心をつり出して破り、大きな拍手を浴びていた。御嶽海は地元の声援に「うれしいけど緊張した」と振り返った。高安に指名され、白鵬に胸を出してもらったことには「光栄です。自信になった。いい稽古をつけてもらったし、結果を出さないといけない」と感謝した。

 3月の春場所では7勝8敗と、一昨年11月の九州場所以来、実に1年4カ月ぶりに負け越した。だが「悔しいというより、どこかホッとした。負け越した原因はあまりない。試練だと思う。気持ちを入れ替えて、勝ち越しを目指してやりたい」と、ショックなどはなく、心身ともに再出発と位置づけられる好機ととらえている。夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)に向けて「先場所みたいなことがないように、勝ち越して、いい場所にしたい」と力を込めていた。

子どもの稽古に胸を出した御嶽海(後方)

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白鵬悲痛、尊敬する父の死「親を超える子はいない」

白鵬(右)と父ムンフバトさん(2006年3月撮影)


 大相撲の横綱白鵬(33=宮城野)が10日、長野・伊那市巡業に参加し、9日に76歳で死去した父ジジド・ムンフバト氏についてコメントした。

 白鵬は神妙な面持ちで「自分の与えられた仕事をまっとうするつもりで土俵に上がった。この一週間で急に弱って旅立ってしまいました」と話した。

 昨年10月に肝臓がんが見つかり、11月の九州場所後に日本に呼んで治療した。今年1月まで日本に滞在。母からは「いい親孝行をしてくれた」と感謝されたという。

 ムンフバトさんはレスリング選手として1964年(昭39)年東京大会から五輪に5大会連続出場。68年メキシコ大会では87キロ級で銀メダルを獲得した。同国初の五輪メダリストで、年に1度開催されるスポーツの祭典「ナーダム」では、モンゴル相撲で6度の優勝を果たした国民的英雄。07年に日本と同国の国交樹立35周年を記念して東京都で講演するなど、たびたび来日していた。白鵬が20回目の優勝を飾った11年秋場所では初めてパレードの車に一緒に乗り「おやじに認めてもらえた」と語るなど常に尊敬し、目標とする人だった。

 白鵬は悲しそうに「親を超える子はいないと思います。自分にとっては父親だけど、世界の若いレスリング選手にとっては師匠であり先生だった」と悼んだ。

 白鵬は11日に故郷モンゴルへ帰国。(長野県東御市)から14日(神奈川県藤沢市)までの春巡業4日間を休場した後、15日に再合流する。

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白鵬「帰ってきた感じ」巡業初日からパワー全開V

奉納土俵入り後に魁聖(左)と談笑する白鵬


 大相撲春巡業の伊勢神宮奉納大相撲が1日、三重・伊勢市で行われ、春場所を全休した横綱白鵬(33=宮城野)が巡業初日からパワー全開で臨んだ。

 春場所で優勝した横綱鶴竜、初場所で優勝した関脇栃ノ心ら16人が参加した、幕内力士トーナメント選士権大会で優勝。「2場所休んでましたから。初日から飛ばしていくというね。いいスタートが切れた。帰ってきたという感じですね」と手応えを口にした。両足親指の負傷についても「まぁまぁです」と口では言うものの、表情には余裕があった。

 夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)に向けては「体作りからやる。土俵勘、相撲勘がありますから。若手を使って稽古したい」と意気込んだ。「土俵に上がりたい、相撲を取りたいという気持ちになった」と春場所休場でたまったフラストレーションを糧に、昨年九州場所以来41度目の優勝に向けて仕上げていく。

奉納土俵入りを行う白鵬

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貴乃花親方は審判部・指導普及部に配属 理事会

年寄り総会出席のため場所入りする貴乃花親方(撮影・岡本肇)


 日本相撲協会は28日、新理事による理事会を開き、親方衆の職務を決めた。

 貴乃花親方(45=元横綱)は審判部・指導普及部に配属された。5月の夏場所からは審判部の一員として、本場所の審判を務めたり、番付編成会議などに加わったりすることが主な職務になる。2月の理事候補選で落選したため、これまでの役員待遇委員から1階級降格で委員となり、主な勤務先は審判室になる。

 貴乃花親方の審判部での直属の上司となる審判部長は、貴乃花一門から新理事となった阿武松親方(元関脇益荒雄)が務める。

 ほかの理事の主な職務は以下の通り。

 ▽理事

 尾車(元大関琴風)=事業部長

 鏡山(元関脇多賀竜)=指導普及部長、危機管理部長

 境川(元小結両国)=九州場所担当部長

 春日野(元関脇栃乃和歌)=巡業部長

 出羽海(元幕内小城ノ花)=名古屋場所担当部長

 山響(元幕内巌雄)=教習所長

 芝田山(元横綱大乃国)=広報部長、総合企画部長

 阿武松(元関脇益荒雄)=審判部長

 高島(元関脇高望山)=大阪場所担当部長

 春場所中、付け人を殴った十両貴公俊(たかよしとし)と、その師匠の貴乃花親方への処分は29日の理事会で協議する。

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鶴竜「こんなに目覚めのいい朝はない」優勝一夜明け

横綱の役目を果たしホッとした表情で会見する鶴竜(撮影・岡本肇)


 大相撲春場所で4度目の優勝を飾った横綱鶴竜(32=井筒)が千秋楽から一夜明けた26日午前、大阪市内で会見した。

 「こんなに目覚めのいい朝はないですね」。「正直、優勝は全く考えていなかった。つらかった時期も応援してくださった人を喜ばせたいだけでした」。

 16年九州場所で3度目の優勝を飾って以降、両足首、腰、右手薬指など度重なる故障で昨年九州場所までの4場所連続を含む5場所で休場した。絶望のどん底から、8場所ぶりの復活劇。人の良さそうな笑顔に、充実感が浮かんだ。

 ただ相撲については「内容はよくなかった」と振り返る。先場所千秋楽で脱臼した右手薬指の影響が大きい。完治に至らず初日を迎え、さらに7日目の貴景勝戦で悪化した。ただ、場所前から理想とする「まわしをとる相撲」でなく「まわしをとらない相撲」を想定して稽古を積んだ。結果として引く、はたく相撲が増えた。「迷いなく相撲は取れた。それはよかった」と“悪い癖”が織り込み済みだったことで、土俵際の粘り、うまさを発揮し、白星につなげていけた。

 「理想的と言えば、先場所の(初日から負けなしの)10日間でしょう。すごく良かった。来場所ではああいう相撲を取りたい。1年間苦労した分、それ以上、応援してくれた人を喜ばせたい。さらに進化した姿を見せたいですね」。春巡業は最初から参加する予定。右手薬指の様子を見ながら、夏場所(5月13日初日、両国国技館)への準備を進めていく。

優勝して子供を抱きかかえる写真を手に笑顔の鶴竜(撮影・岡本肇)

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栃ノ心 来場所大関とり八角理事長が楽しみな対戦は

逸ノ城を破り10勝目を挙げた栃ノ心(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇25日◇エディオンアリーナ大阪


 関脇栃ノ心(30=春日野)が小結逸ノ城を下し、10勝5敗で場所を終えた。自慢の右四つで215キロの巨体を寄り切った。初優勝した先場所は西前頭3枚目で14勝。2場所連続2ケタ勝利の24勝となり、大関昇進の目安「3場所連続三役で33勝以上」に大きく前進した。先場所は平幕だったためハードルは上がる見込みだが、八角理事長(元横綱北勝海)は来場所が大関とりになることを認めた。

 大関を狙う男の勝ちっぷりだった。栃ノ心は、幕内最重量215キロの逸ノ城につられ、1度両足が浮いた。だが、右四つでまわしを引きつけ、相手の上手を切って寄った。「うわ~、負けた~と思った」と笑った後「先に攻めると疲れる。攻めさせて、疲れさせてからいこうと思った」。比類なき“怪力殺法”で2場所連続2ケタ白星を決めた。

 さあ大関とりだ。八角理事長は「当然そういう場所になってくるでしょう」と話した。初優勝の先場所は14勝1敗。今場所は、優勝の鶴竜を破って10勝。大関昇進の目安は「3場所連続三役で33勝以上」で、勝数だけなら残り9勝でいい。しかし、先場所は平幕。同理事長が「白鵬との対戦が楽しみ」と言うように25戦全敗の白鵬撃破や、優勝争いの12、13勝など上積みが必要になる。

 故郷ジョージアの柔道代表でジュニア五輪に出た男は、五輪が好きだ。「東京で見たいな」。20年東京五輪に現役力士で関わる夢を持つ。夢のためにも、上を目指したい。「今場所は惜しい相撲もあった。もう少し星を伸ばせたと思う」。大関という言葉は口にしないが、夏場所を「大事な場所」と表現。秘めた目標へ、突き進む。【加藤裕一】

 ◆起点が平幕 大関昇進は「3場所連続三役で合計33勝」が一応の目安とされている。例外的に起点の場所が平幕だったのは、24人の大関が誕生した平成では照ノ富士ただ1人。15年初場所は東前頭2枚目で8勝7敗、翌春場所で13勝2敗、翌夏場所で12勝3敗の優勝が決め手となった。それ以前となると、それから約30年前の85年九州場所後に昇進した北尾(のち横綱双羽黒)までさかのぼる。

 ◆幕内後半戦の境川審判長(元小結両国)のコメント 栃ノ心の相撲は下から見てても迫力があった。逸ノ城とは四つ身の違いが出た。軽はずみに言えないが9番と10番では(印象が)違う。先場所の14勝が平幕という声も出てくるだろうが、力はあるし安定感もある。

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「湘南の重戦車」の朝弁慶「良かった」再十両有力に

<大相撲春場所>◇千秋楽◇25日◇エディオンアリーナ大阪


 「湘南の重戦車」が関取復帰を有力にした。5勝1敗で7番相撲を迎えた西幕下3枚目の朝弁慶(29=高砂)が、3勝11敗と負けがこんでいる東十両7枚目の天風(尾車)と対戦。押し倒しで破り、再十両を有力にした。

 恵まれた体で押しを得意にし出身地(神奈川・平塚市)にちなんで「湘南の重戦車」の異名をとり、15年九州場所で新十両昇進を果たした。丸1年、十両で取ったが16年九州場所で幕下へ陥落。幕下上位で再浮上をうかがいながら、9場所を要しての関取復帰を有力にした。

 事実上の“入れ替え戦”を制し「良かった。やっと戻れる…、戻れますかね?」と笑った。幕下に甘んじた、ここ約1年半を「つらかったし、長かったです。気持ちだけが“戻らなければ”と焦ってしまった」と振り返った。前夜は午後11時に布団に入ったが、さすがに緊張か、考えすぎ寝付くまで3時間かかったという。「もう落ちないように頑張ります」と早くも次の場所に目を向けていた。

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靱帯損傷、遊離軟骨除去…進退場所も/鶴竜苦闘メモ

優勝を飾りタイを持つ鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪


 横綱鶴竜(32=井筒)が4度目の優勝を飾った。後続と2差で迎えた豪栄道と結びの一番。土俵際ではたき込み、13勝1敗とした。16年九州場所の3度目V以降、頸椎(けいつい)、左肩、両足首、腰など度重なる故障に見舞われたが、今場所「チャレンジ」をテーマに、8場所ぶりに賜杯をつかんだ。大一番で、引く悪い癖が出て「相撲は最悪」と自嘲気味に笑ったが、優勝後の花道で感極まって涙を浮かべた。

<鶴竜の苦闘メモ>

 ▽16年11月 14勝1敗で3度目V。

 ▼17年1月 金星3個配給、頸椎(けいつい)、左肩負傷により11日目から休場。

 ▼3月 10勝5敗。

 ▼5月 5日目から休場。左足首に遊離軟骨が判明。

 ▼7月 4日目から休場。右足首靱帯(じんたい)損傷。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が「次出る時は…」と進退問題に言及、本人も応じる。

 ▼9月 全休。10月1日に都内で結婚披露宴。

 ▼11月 出稽古で腰部挫傷、右足首剥離骨折。場所を全休。

 ▼12月 酒席に同席しながら元日馬富士関の暴行を止めなかったとして1月の給料全額不支給の処分を科された。

 ▼18年1月 「進退場所」の声の中、10連勝と快進撃を見せるが、11日目から4連敗。ただ7場所ぶりに15日間皆勤する。2月1日に内視鏡手術で左足首の遊離軟骨を除去。

 ▽3月 8場所ぶり4度目V。

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鶴竜涙の優勝「何が何でも」折れかけた心救った言葉

豪栄道(左)をはたき込みで破り優勝を決めた鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪


 横綱鶴竜(32=井筒)が4度目の優勝を飾った。後続と2差で迎えた豪栄道と結びの一番。土俵際ではたき込み、13勝1敗とした。16年九州場所の3度目V以降、頸椎(けいつい)、左肩、両足首、腰など度重なる故障に見舞われたが、今場所「チャレンジ」をテーマに、8場所ぶりに賜杯をつかんだ。大一番で、引く悪い癖が出て「相撲は最悪」と自嘲気味に笑ったが、優勝後の花道で感極まって涙を浮かべた。

 鶴竜が下がった。大阪出身のご当地力士、豪栄道の圧力に耐えかね、引いて、はたいた。悪い癖の負けパターン。しかし、残った。俵ぎりぎり右足だけで伸び上がるように立つと、豪栄道が前に落ちた。「相撲は最悪でした」と言った。「何が何でもという気持ちでした」と言った。取組前に「豪栄道コール」が起こった館内は静かになった。優勝決定の相撲には不細工だった。それでも、泥臭い横綱の姿には、苦難を乗り越えた輝きがあった。

 悪夢は前回優勝の16年九州場所後に始まった。17年初場所で頸椎(けいつい)と左肩を痛め、左右の足首、腰…。「『よっしゃ』と思ったら、違うケガをする。本当に気持ちが折れそうだった」。4横綱だった昨年、全6場所で自分だけ優勝がなかった。「悔しさを、今年にぶつける」と臨んだ初場所も11日目に左足首を痛め、千秋楽に右手薬指を脱臼。2月1日に左足首の遊離軟骨除去手術を受けた。今場所は初日の3日前、悩んだ末に出場を決めた。「チャレンジだと思った」。自分に賭けた。

 多くの人の励ましの中で、心に残った言葉がある。「神様は乗り越えられない試練を与えない」-。5分間しか踏めなかった四股を、時間をかけて30分間踏めるようにした。場所中の朝稽古は午前8時半に土俵に下りて、四股、すり足、てっぽうを30分。睡眠は昼寝と合わせて8時間強。場所入りは決まって午後3時15分。「すごく大事」というルーティンを崩さず、準備を整えた。

 「家族、それと応援してくれた人たちのおかげです」。折れかけた心を支えてくれた周囲に感謝したい。その人たちに、復活優勝を見せたい。その一心で土俵に立った。悪い癖で、何度も引いたが、13勝した。日頃から「まだ成長できると思う」と口にする32歳は、5度目の優勝で会心の15日間を見せるつもりだ。【加藤裕一】

 ◆鶴竜力三郎(かくりゅう・りきさぶろう)本名・マンガラジャラブ・アナンダ。1985年8月10日、ウランバートル市生まれ。モンゴルではバスケットボール、レスリングなどを経験。01年9月に来日し、同年九州場所で初土俵。06年九州場所で新入幕、12年春場所後に大関、14年春場所後に横綱昇進。しこ名は先代井筒親方(元関脇鶴ケ嶺)の「鶴」と「しっかり立つ」の響きから「竜」。「力三郎」は師匠の弟の元関脇寺尾(現錣山親方)の現役時代から取った。得意は右四つ、寄り。186センチ、155キロ。家族は妻と1男1女。血液型A。

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鶴竜4度目V「苦しい1年」経て16年九州場所以来

鶴竜

<大相撲春場所>◇14日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪


 横綱鶴竜(32=井筒)が、16年九州場所以来4度目優勝を飾った。大関豪栄道(31=境川)をはたき込みで下した。

 3敗の高安、魁聖、勢に優勝の可能性がなくなったため、千秋楽を残しての春場所優勝が決まった。

 鶴竜は取り組み直後のインタビューに肩で息をしながら「去年は苦しい1年だった。支えてくれたたくさんの人にもう1回喜ばしたいという気持ちでした」。

 先場所は初日から10連勝を挙げながらも、4連敗で賜杯を逃した悔しさがある。気合の入る一番を前に「平常心で。そういうことを考えるとよくないですから」と話していたが、言葉通りの集中力で危なげなく勝利を収めた。

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