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照ノ富士会見「予定通りです」大関復帰へのチャンス

大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)

関脇照ノ富士(29=伊勢ケ浜)の、大関復帰の挑戦が始まる。日本相撲協会が春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した1日、照ノ富士が都内の部屋でオンライン会見に参加。現在の心境について「やっと(大関が)近づいてきたかなと思います」と話した。

小結だった昨年11月場所で13勝、関脇だった初場所で11勝を挙げ、大関昇進の目安「三役で3場所33勝」まで、あと9勝と迫った。「内容が1番大事」と数字は気にしなかったが「とりあえず33勝は達成しないと始まらない。それを目標にして全力を出していい相撲を取りたいと思います」と気合を入れた。

想像通りの道のりだ。15年名古屋場所で新大関に昇進するも、両膝の負傷や内臓疾患などにより17年九州場所で関脇に陥落。その後も休場が続き、幕下に陥落した18年名古屋場所からは4場所連続全休。復帰した19年春場所では、序二段からの再出発となった。

しかし、そこから1度も負け越しはなし。19年九州場所で幕下優勝、20年初場所で十両優勝、幕内に返り咲いた20年7月場所では復活を印象づける2度目の幕内優勝を果たした。そしてつかんだ大関復帰へのチャンス。理想通りの2年間での復活劇も「予定通りです」とさらりと振り返った。

冷静な気持ちで土俵に上がる。報道陣から、1度目の大関昇進を決めた6年前と今の気持ちの変化を問われても「大した深い思いはない。土俵に上がったら一緒」「その時よりいい部分は特に考えていない。その時もいい部分があったと思うし、今もあると思う。冷静にやれているとは思う。特に変わったことはない」と淡々と話した。

ただ、今場所に懸ける思いは強く持っている。「本当にこの日が来たらなと思っていた。今場所でやっぱり決めておかないと。また最初から、ということになる。頑張らないとな、と思っています」と今場所で大関復帰を決める覚悟を口にした。

2月下旬に両国国技館内の相撲教習所で行われた合同稽古には参加せず、「ヘトヘトになるまで」部屋で稽古を重ねた。平幕の宝富士、照強、翠富士らと連日「20番から25番ぐらいやっている」という。ケガする前に比べると稽古量は減っているというが「ちょっとずつ増やさないとスタミナもつかない。できる範囲でやっている」と今できることに全力で取り組んでいる。また「どうやって体を強くしていくかしか考えていないので、その辺を相談しながらアドバイスを頂いている」と部屋付きの安治川親方(元関脇安美錦)にアドバイスを求めるなど、まだまだ成長段階だ。

運命の春場所まで2週間を切った。周囲からは過去と比べられがちだが「過ぎたことは過ぎたこと。考えてもしょうがない。目の前のことを精いっぱいやっているから今の結果に出ている。それに落ちているからこそ注目されていると思う」。しっかりと地に足をつけて土俵に上がる。

大関復帰を目指す春場所の番付発表を受けてオンラインでの会見に臨む照ノ富士(日本相撲協会提供)

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徳勝龍、幕内Vから5場所で十両は史上最速/新番付

徳勝龍(2021年1月10日撮影)

日本相撲協会は1日、新型コロナウイルス感染防止の観点から、通常の大阪から東京開催に変更した大相撲春場所(14日初日、東京両国国技館)の新番付を発表した。

入幕の新顔はなく、返り入幕は3人。先場所十両優勝の剣翔(29=追手風)は5場所ぶり、英乃海(31=木瀬)は17場所ぶりの幕内復帰。英乃海は弟が西前頭8枚目の翔猿(28=追手風)で、新たな兄弟同時幕内は14年春場所の千代鳳&千代丸以来、史上9組目となった。大奄美(28=追手風)は5場所ぶりの幕内復帰を果たした。

また初場所で幕内の東前頭8枚目だった徳勝龍(34=木瀬)が十両に陥落したが、幕内優勝経験者の十両陥落は史上14人目。優勝場所から5場所での十両陥落は元小結若浪の7場所を抜いて最速となってしまった。

既に発表されている、晴れて関取の新十両は2人。貴健斗(25=常盤山)は、現在の師匠(元小結隆三杉)が先代(元関脇舛田山)から部屋継承後としては初めての新十両。熊本県からは19年名古屋場所の竜虎以来、戦後34人目の関取誕生となった。また武将山(25=藤島)は、現師匠の部屋創設後としては10年九州場所の剣武以来、2人目の関取誕生。茨城県からは、18年初場所の天空海以来、戦後22人目の新十両となった。再十両は2人。錦富士(24=伊勢ケ浜)は2場所ぶり、一山本(27=二所ノ関)は7場所ぶりの十両復帰を果たした。

大相撲春場所は、12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。

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貴景勝3度目かど番、2年ぶり小結3人以上/新番付

貴景勝(2021年1月18日撮影)

日本相撲協会は1日、新型コロナウイルス感染防止の観点から、通常の大阪から東京開催に変更した大相撲春場所(14日初日、東京両国国技館)の新番付を発表した。

横綱は7場所連続で東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(35=陸奥)が就いた。ともに4場所連続休場(全休は3場所連続)明けで、復調を示す土俵となる。5場所ぶり45回目の優勝を目指す白鵬は、新たな金字塔を打ち立てた。新入幕から幕内連続在位が前人未到の100場所となった(2位は元関脇高見山=先々代東関親方=97場所)。幕内連続在位としても、史上最多の元大関魁皇(現浅香山親方)の106場所に次いで100場所に到達。幕内在位も魁皇の107場所に次いで史上2位の100場所となった。昨年の名古屋場所以来9場所ぶり7回目の優勝を目指す鶴竜は、進退をかける場所になる。

大関は、ともに先場所、かど番を脱出した正代(29=時津風)が東、この日27歳の誕生日を迎えた朝乃山(高砂)が西に。綱とりの先場所、途中休場した貴景勝(24=常盤山)は、東の序列2番目で、昨年7月場所以来、3度目のかど番として迎える。

両関脇は東西変わらず。東は2場所連続の照ノ富士(29=伊勢ケ浜)で三役は3場所連続。今場所は大関復帰をかける場所となる。西は3場所連続関脇となる隆の勝(26=常盤山)で三役も3場所連続の在位になる。

小結も東西は、東が3場所連続小結の高安(30=田子ノ浦)、西が2場所連続小結(三役は5場所連続)の御嶽海(28=出羽海)で変わらず。新たに先場所、初優勝した大栄翔(27=追手風)が4場所ぶりに西の序列2番目の小結に復帰(三役は3場所ぶり復帰)。なお小結が3人以上、名を連ねるのは19年九州場所(阿炎、遠藤、北勝富士、朝乃山)以来となる。

大相撲春場所は、12日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。14日の初日を迎える。

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若隆景、千代の国、千代大龍ら5人据え置き/新番付

若隆景(2020年11月22日撮影)

日本相撲協会は1日、新型コロナウイルス感染防止の観点から、通常の大阪から東京開催に変更した大相撲春場所(14日初日、東京両国国技館)の新番付を発表した。

1月の初場所前に新型コロナウイルスに感染、または濃厚接触者として関取衆は幕内6人、十両9人の大量15人が休場した。その番付昇降が注目されたが、結果は…。

昨年9月の秋場所を、新型コロナウイルスに集団感染したため部屋の力士28人が全休した玉ノ井部屋は、その翌場所の九州場所の番付は据え置きの“救済措置”がとられた。コロナ禍の異例の事態が考慮されたものだった。今場所の番付編成に関しては、伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)が、全体のバランスを考慮し、番付降下があることを示唆していた。

新番付で幕内は、番付昇降のない横綱白鵬を除く若隆景、千代の国、千代大龍、千代翔馬、魁聖の5人全員が据え置きとなった。

一方、十両は石浦、千代丸、千代ノ皇、炎鵬、旭秀鵬、若元春、千代鳳、旭大星、千代の海の9人全員が1枚、番付を下げた。出場した力士の勝ち越し、負け越しの昇降とバランスを取っての“一律降下”となったようだ。また同審判部長の話では、幕下以下については全員、据え置きとなっている。

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明生が合同稽古「1番の収穫」2日連続朝乃山と相撲

申し合い稽古で逸ノ城を寄り切る明生(左)

大相撲の平幕の明生(25=立浪)が21日、東京・両国国技館の相撲教習所で行われた合同稽古2日目に参加し、2日続けて大関朝乃山と相撲を取るなどして精力的に励んだ。大関朝乃山に指名されて5番取るなど、他の関取衆との申し合い稽古を含めると計21番(9勝)。「大関と相撲を取れたのが1番の収穫」と稽古を振り返った。

合同稽古参加のために、茨城・つくばみらい市にある部屋を午前6時ごろに出発しているという。同部屋には豊昇龍と天空海の2人の関取がいるが「やっぱり上位の圧力は上位とやらないと分からない」と、横綱や三役力士との稽古を望んで参加している。「番数の目標は15番以上というのを決めている。内容がもっとよくなればいい」と、さらなる質と量を求める。

再入幕を果たした昨年9月場所から、3場所連続で勝ち越している。最高位は19年九州場所の西前頭2枚目で「どんどんケガする前までの地位に戻ってきている。そこを早く更新できるように。三役、それ以上を期待される力士になっていきたい」と言葉に力を込めた。そのためにも「土俵際の詰めというか、寄り方とか、そういうところを大事に勉強しながらやっていきたい」と課題を克服して、新三役を狙う。

ぶつかり稽古で朝乃山(右)に胸を出してもらう明生

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友風1年4カ月ぶり出場へ 大けが克服「奇跡」親方

友風(2019年9月16日撮影)

大相撲の幕内経験者で7場所連続休場中の友風(26=尾車)が春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)出場に向けて調整していることが7日、分かった。電話取材に応じた師匠の尾車親方(元大関琴風)が明かした。

友風は西前頭3枚目だった19年九州場所で右膝関節脱臼により3日目から途中休場し、今年1月の初場所で番付は西三段目95枚目まで降下。春場所では序二段から再出発する見通しとなる。

昨年はトレーニング施設が整っている地元の神奈川を拠点にリハビリを重ね、母校、向の岡工高ではまわしを締めて四股やすり足などの稽古を再開していた。師匠によると初場所後は東京・江東区の部屋に戻って連日、稽古場におりているという。ぶつかり稽古で十両矢後に胸を出したり、三段目力士と相撲を取る段階まで回復。尾車親方は「(けがをする前と比べて)そこまで痩せていない。しっかり鍛えてきたんじゃないか」と話した。

春場所に出場すれば1年4カ月ぶりの本場所となる。師匠は「(復帰は)奇跡ですよね。いい苦労をしてきたんじゃないか」と、大けがを乗り越えつつある弟子に期待を寄せた。

19年11月、琴勇輝に押し出され土俵下で動けない友風

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貴景勝が稽古再開「基礎をできる範囲でやっていく」

春場所に向けて稽古をする貴景勝(日本相撲協会提供)

大相撲初場所を途中休場した大関貴景勝(24=常盤山)が2日、都内の部屋で稽古を再開した。四股などの基礎運動を中心に体を動かし、春場所(3月14日初日、東京・両国国技館)に向けて本格的に始動。初場所で負傷した左足首については「まだ万全じゃないですけど、基礎をできる範囲でやっていきたいと思っています」と説明。ぶつかり稽古で胸を出す段階には至っておらず、治療を並行しながら調整を進めていくという。

昨年11月場所で大関として初優勝を果たし、初場所は初めての綱とり場所だった。初日から4連敗を喫するなど不振で、3日目の北勝富士戦では左足首を負傷。「(けがの影響で)悪循環になってしまう」と、その後も星を伸ばせず、2勝7敗で迎えた10日目から休場した。左足首の負傷は過去に「何回もあります」と、初めての経験ではなかったという。

休場後はテレビで本場所を観戦していた。「自分のけがを早く治さないといけないし、自分の体をつくっていかないといけないので、他の人が相撲を取っていてどう思うってことはなかった」。賜杯を抱いた埼玉栄高の先輩でもある平幕の大栄翔については「強いから優勝しているんだと思います」と印象を語った。

初めて経験した綱とり場所だったが、緊張感については「(毎場所と)変わらないです」と振り返る。負傷する前の初日から3日目までの相撲内容も、本来の突き押しが影を潜めているような印象があったと報道陣に問われると「弱いから負けるんです。強ければ勝つし。まだまだもっと強くならないといけないということ。実力があったら勝つし、負けるということは実力が足りないということ」と強調した。

春場所は通常の大阪開催ではなく、コロナ禍で東京開催となった。兵庫県芦屋市出身で、大阪は“ご当所”とも呼べる場所。2年前の19年春場所では大関昇進を決めるなど、思い入れは強い。「やっぱりご当地なので、応援していただける方も多いし、いい節目になっている場所でもあったから残念ですけどね。でも土俵に上がったら大阪場所も東京も関係ないので、一生懸命頑張りたいと思います」。

NHK大相撲中継で解説を務める北の富士勝昭氏(元横綱)らは、貴景勝の不振の影響について体重の増加を指摘していた。小結で初優勝した18年九州場所では170キロで、現在は協会発表で183キロ。今後の体重調整については「自分の納得するようにやっていきたいと思います」と話した。春場所まで1カ月半。「基礎としっかり並行して治していってやっていきたいと思います」と意気込んだ。

四股を踏む貴景勝(日本相撲協会提供)

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元横綱栃ノ海が死去 小兵の技巧派横綱として活躍

土俵入りする栃ノ海(1965年7月撮影)

大相撲の第49代横綱栃ノ海、花田茂広さんが29日未明、誤嚥(ごえん)性肺炎のため死去した。存命の歴代横綱では最年長の82歳だった。青森県南津軽郡出身で現役時代は技巧派横綱として活躍。身長は180センチに届かない小兵だったが、優勝3度、横綱を2年10カ月務めた。引退後は横綱栃錦の後継者として春日野部屋の師匠を務めた。葬儀・告別式は家族葬で営まれる。

花田さんは17年に第50代横綱の佐田の山が79歳で死去し、存命の横綱経験者としては最年長となっていた。年6場所制に移行した58年以降の入幕力士でも、横綱経験者としては最高齢だった。

小兵の横綱として活躍した。弘前商高(現弘前実高)時代は2年生まで野球部で、いくつかの運動部をへて相撲部に入部。弘前に巡業に来た力士一行の中に小学校時代の友人を見つけたことが、角界入りのきっかけとなった。第27代横綱栃木山の春日野親方が師匠を務める春日野部屋に入門し、初土俵は55年秋場所。入門当時の体格は175センチ、75キロ程度だったが、前さばきのうまさや変幻自在の取り口で順調に出世し、関脇だった62年夏場所で初優勝を果たすと、場所後に大関昇進した。

64年初場所後に待望の横綱昇進を果たしたが、体格のハンディゆえか故障に苦しんだ。右上腕の筋断裂や椎間板ヘルニアなど、度重なるけがの影響もあり昇進後の優勝は1回のみ。昇進から2年10カ月後の66年11月、九州場所を最後に引退した。横綱在位は17場所。それでも技能賞は通算6度など、ファンを魅了する力士として人気を集めた。

現役引退後は年寄中立を襲名して春日野部屋付き親方として後進の指導にあたっていたが、当時部屋の師匠だった元横綱栃錦の春日野親方が定年を目前にして急逝。90年に栃ノ海が春日野部屋を継承し、名門部屋の師匠として関脇栃乃洋や小結栃乃花らを育てた。

訃報を受けて、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「突然の訃報に接し、思いがけないことゆえ、驚いております。生前は、春日野部屋の師匠として多くの関取を育てられ、理事としても相撲道の継承と発展にご尽力いただきました。ご生前のご功績を偲び、心よりご冥福をお祈り申し上げます」とコメントを発表した。

栃ノ心大関昇進伝達式を終えて記念撮影に臨む、先代春日野親方で元横綱栃ノ海の花田茂広氏(中央)。前列左から栃ノ心、春日野親方(2018年5月28日撮影)

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第49代横綱栃ノ海の花田茂広さん死去 82歳

土俵入りする栃ノ海(1965年7月撮影)

大相撲の第49代横綱栃ノ海、花田茂広さんが亡くなったことが29日、分かった。

存命の歴代横綱では最年長の82歳だった。青森県南津軽郡出身で現役時代は技巧派横綱として活躍。身長は180センチに届かない小兵だったが、優勝3度、横綱を2年10カ月務めた。引退後は横綱栃錦の後継者として春日野部屋の師匠を務めた。

花田さんは17年に第50代横綱の佐田の山が79歳で死去し、存命の横綱経験者としては最年長となっていた。年6場所制に移行した58年以降の入幕力士でも、横綱経験者としては最高齢だった。

小兵の横綱として活躍した。弘前商高(現弘前実高)時代は2年生まで野球部で、いくつかの運動部をへて相撲部に入部。弘前に巡業に来た力士一行の中に小学校時代の友人を見つけたことが、角界入りのきっかけとなった。第27代横綱栃木山の春日野親方が師匠を務める春日野部屋に入門し、初土俵は55年秋場所。入門当時の体格は175センチ、75キロ程度だったが、前さばきのうまさや変幻自在の取り口で順調に出世し、関脇だった62年夏場所で初優勝を果たすと、場所後に大関昇進した。

64年初場所後に待望の横綱昇進を果たしたが、体格のハンディゆえか故障に苦しんだ。右上腕の筋断裂や椎間板ヘルニアなど、度重なるけがの影響もあり昇進後の優勝は1回のみ。昇進から2年10カ月後の66年11月、九州場所を最後に引退した。横綱在位は17場所。それでも技能賞は通算6度など、ファンを魅了する力士として人気を集めた。

現役引退後は年寄中立を襲名して春日野部屋付き親方として後進の指導にあたっていたが、当時部屋の師匠だった元横綱栃錦の春日野親方が定年を目前にして急逝。90年に栃ノ海が春日野部屋を継承し、名門部屋の師匠として関脇栃乃洋や小結栃乃花らを育てた。

栃ノ心大関昇進伝達式を終えて記念撮影に臨む、先代春日野親方で元横綱栃ノ海の花田茂広氏(中央)。前列左から栃ノ心、春日野親方(2018年5月28日撮影)

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五輪開催予定で夏巡業中止、19年冬から中止続く

協会あいさつが行われる両国国技館(2021年1月10日撮影)

日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、東京五輪開催予定のため、今年の夏巡業を中止すると発表した。巡業開催は19年九州場所後の冬巡業が最後となっている。

そのほか行事の日程発表および変更があり、評議員会は3月29日の午後2時から両国国技館で行われ、7月22日の午後1時に行われる予定だった理事会は同月21日の午後3時に変更となった。

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初土俵が同じ貴健斗、武将山ら4力士が十両昇進

貴健斗(2020年10月22日撮影)

日本相撲協会は27日、大阪での開催を目指している大相撲春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)の番付編成会議を開き、十両昇進力士4人を発表した。

新十両は2人で、貴健斗(24=常盤山)と武将山(25=藤島)。

貴健斗は相撲の強豪・鳥取城北高から貴乃花部屋に入門し14年初場所初土俵。同部屋の閉鎖に伴い、大関貴景勝らとともに千賀ノ浦部屋に転籍(師匠の年寄名跡交換により現在は常盤山部屋)。幕下に長く定着していたが、自己最高位の西幕下筆頭で臨んだ今月の初場所で5勝2敗の成績を収め、約7年で念願の関取の座を射止めた。

その貴健斗と高校時代に強豪校同士でライバル関係にあった武将山は、貴景勝や初場所優勝の大栄翔らを輩出した埼玉栄高から藤島部屋に入門し、やはり14年初場所で初土俵。こちらも幕下に約5年も定着したが、自己最高位(東幕下2枚目)の初場所で4勝3敗の成績で、初土俵が同じ貴健斗とともに新十両昇進を果たした。

再十両は19年九州場所以来、7場所ぶり復帰の一山本(27=二所ノ関)と、2場所ぶりの十両復帰となった錦富士(24=伊勢ケ浜)の2人だった。

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初V大栄翔「来場所しっかり」大関への再スタート

初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席し、自慢の大きな手を画面越しの報道陣に見せる大栄翔

大相撲初場所で初優勝を飾った西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が25日、埼玉・草加市内の部屋でリモートによる一夜明け会見に臨んだ。「気持ち的にすごくうれしかった。優勝できたことの実感がわいて、うれしく思いました」。お祝いのメッセージ等が約400件届いたが、「まだ返せていないんで、返していきたい」と律義な素顔をのぞかせた。

初場所を振り返り、「立ち合いの踏み込み、角度が自分でもあったと思う。休まず攻められたのがよかった」。両横綱が不在の中、初日の朝乃山から大関戦3連勝、7日目までに三役以上を総なめして主役に躍り出た。「序盤に勝てたので乗れたと思う。格上の相手との対戦なんで、思い切りいけた」と振り返る。

中でも7日目の関脇隆の勝戦を納得の一番に挙げた。「一番いい立ち合いで、師匠(追手風親方=元幕内大翔山)にも『よかった』と言われて自信になった」。優勝への意識も、千秋楽の優勝インタビューでは「14日目を終えて」と答えたが、「(ストレート給金の中日で)自分の中ではまだまだ先が長いと思ったが、周りからたくさん言ってもらえてありがたかった。考えないようにしたが、頭の中に少しはありました」と明かした。

幕内最高優勝について「夢のまた夢で、自分的にはテレビの中の話。自分がするとは考えられなかった」。ただ、現実的に印象づけられたのが18年九州場所、埼玉栄高の後輩・貴景勝の初優勝だったという。「身近な人が優勝してすごい。自分も刺激になった」と振り返る。

春場所(3月14日初日、エディオンアリーナ大阪)では、関脇復帰が濃厚で、大関昇進をかけた再スタートとなる。「優勝してうれしいが、ここで気を抜かず来場所しっかりやっていきたい」。次の、さらなる上の目標へすでに気持ちを切り替えている。【実藤健一】

初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席して笑顔を見せる大栄翔
初優勝した初場所から一夜明けてリモートでの会見に出席した大栄翔

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“地味キャラ”大栄翔テッポウで大きな手鍛え初賜杯

優勝インタビューで笑顔を見せる大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が初優勝を果たした。勝てば優勝、敗れれば決定戦に持ち込まれる可能性もあった大一番で、隠岐の海を突き出して13勝目。埼玉県出身では初、追手風部屋としても初めての優勝となった。3度目の殊勲賞、初の技能賞も獲得。“地味キャラ”とも呼ばれた実力者が、両横綱不在、綱とりに挑んだ大関貴景勝が不振となった場所で主役を張った。初場所は6年連続で初優勝力士誕生となった。

   ◇   ◇   ◇

歓喜の瞬間を迎えても、険しい表情はあえて崩さなかった。大栄翔の顔は、自身の赤い締め込みのように紅潮したまま。勝ち名乗りを受けて花道に引き揚げると、師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が待っていた。「うれしさよりも緊張感があった。(師匠に)『おめでとう』と言われてうれしかった」。張り詰めていた感情の糸が、緩んだ瞬間だった。

勝てば優勝が決まる大一番で、会心の相撲を見せた。立ち合いから隠岐の海の差し手をはね上げ、左右ののど輪で一方的に引かせた。「自分の相撲を取りきるしかない。迷いなくいった」。初日から7日連続で役力士を破った突き押しは、千秋楽も健在だった。

脚光を浴び続ける相撲人生ではなかった。むしろ、実績の割には地味な印象が先行していたかもしれない。同部屋には幕内屈指の人気を誇る遠藤がいて、仲のいい貴景勝や、同学年の朝乃山は看板力士に成長。身近な存在が先を行くことが多かった。新十両会見では師匠の追手風親方に「声をもっと張れよ」と怒られるなどシャイな一面もあるが、地道に稽古を重ねる我慢強さはあった。

高校相撲の名門、埼玉栄高でレギュラーをつかんだのは3年で、2年までは補欠でちゃんこ番。同校相撲部の山田道紀監督は「文句を言わず黙々と稽古していた。芯が強い。控えの後輩の教材になっていた」と振り返る。「うちは弱い子にはテッポウをさせる。大栄翔もずっとテッポウをやっていた」と同監督。地道にテッポウ柱を打ち続けた手のひらは分厚い。もともと手は大きく、中2でサイズの合う手袋がなくなった。母恵美子さんによると、古い友人に「キャッチボールの時はグローブがいらないね」とからかわれたことも。突き押しの威力は大きな手を介して確実に伝えた。

自身を含めて関取6人を誇る部屋では、稽古相手に不足はなかった。感染対策で出稽古が禁止され、調整の難しさを漏らす関取もいる一方で「恵まれていると思う。(突っ張りの)回転の良さは申し合いで積み重ねることが大事なので」。コロナ禍だからこその“アドバンテージ”が生きた。

昨年は全5場所で優勝力士が異なり、新年最初の場所も6年連続で初優勝力士が誕生した。“戦国時代”まっただ中の角界で、大関昇進の期待もかかる。「期待に応えられるように頑張りたい」。資質は証明済み。磨いた突き押しの威力を、これからも信じ続ける。【佐藤礼征】

<大栄翔アラカルト>

◆埼玉初 埼玉県出身の力士では初めて。他に優勝がないのは宮城、福井、岐阜、静岡、滋賀、京都、和歌山、島根、徳島、宮崎、沖縄で11府県。

◆平幕優勝 昨年7月場所の照ノ富士以来、平成以降では13例目。

◆アベック優勝 十両で同部屋の剣翔が優勝。幕内、十両のアベックVは05年九州場所の高砂部屋(幕内朝青龍、十両闘牙)以来。1場所15日制が定着した49年夏場所以降では19例目。

◆埼玉栄高 豪栄道、貴景勝に続いて3人目。

◆平成生まれ 照ノ富士、御嶽海、貴景勝、朝乃山、正代に続き6人目。

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)
隠岐の海(後方左)を突き出しで破り幕内優勝した大栄翔(撮影・鈴木正人)
隠岐の海(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・河田真司)
花道を引き揚げる大栄翔(撮影・鈴木正人)

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「感謝」忘れない北勝富士の相撲道/プロに聞く

2020年11月 11月場所で土俵入りする北勝富士

各界のプロフェッショナルの子ども時代や競技との出会いなどに迫る「プロに聞く」。今回は、大相撲の幕内で活躍する北勝富士(28=八角)です。角界入りして6年。最高位は小結で金星を7個獲得。現在は新大関昇進を目指して奮闘している。埼玉栄高、日体大出身とアマチュア相撲のエリート街道を歩んできた北勝富士は、周囲への感謝の思いを胸に土俵に上がっている。

     ◇    ◇    ◇

相撲との出会いは小学2年生の時だった。地元の埼玉・所沢市で開催されたわんぱく相撲に、何げなく出場。おむつをつけている時からやっていたスキーの腕前は、3歳の頃から上級者コースで滑るほどだったが、相撲は初心者。それでも2位に輝き、3年時も2位だった。「2年連続で同じ相手に負けた。それが悔しくて。それに、優勝した子がもらった大きなトロフィーを自分も欲しいなって」。優勝トロフィー欲しさに、小学4年から地元の相撲クラブに通い始めたのが、相撲道への入り口だった。

めきめきと成長を遂げ、小学6年生の時には「県内で敵なしでした」と胸を張る。中学3年時には、全国都道府県相撲選手権大会の個人戦で優勝。埼玉栄高では3年時に団体戦で優勝し、個人戦は高校横綱に輝いた。それでも「おごることはなかったです」と話す理由には、結果を出すたびに、ある思いが湧き上がってきたからだった。

北勝富士 高校で初めて実家を離れて寮生活をして、今まで当たり前だったことが当たり前ではないと知った。周囲からの支えがなければ何もできないし、相撲ができているのも周囲の支えがあってからこそだと感じた。感謝の気持ちと相手を思いやる気持ちを学びました。この気持ちがあったからこそ、今もプロでここまでやれているんだと思います。

実家にいれば当たり前のように用意された食事や、両親による掃除や洗濯などの家事全般。全国各地で開催される大会に、必ず足を運んでくれた両親。高校で寮生活をして初めて、これまで当たり前だった日常や両親に対しての感謝が芽生えた。

その気持ちは日体大進学後も変わらず。3年時に国体の個人戦で優勝し、1年間しか行使できない幕下15枚目格付け出し資格を取得した。しかし、「せっかく大学に入れてくれた両親に申し訳ない。ちゃんと4年間通って卒業したい」と中退しての角界入りは見送った。4年時はタイトルに恵まれず、幕下格付け出しの資格を得られずに前相撲からの出発となった。それでも「後悔はない。4年間大学に通わせてくれた両親に感謝です」と話す。その、周囲への感謝の気持ちを、子どもの時から持てれば、競技にもプラスになると考えている。

北勝富士 感謝の気持ちが出始めてから、より一層、競技に打ち込むことができました。支えてくれた周囲の人へ恩返しをしたいと思うようになりましたし、そういった思いが人間性にもつながったと思います。競技がうまくなることに越したことはありません。ただ、競技はもちろん、人として成長できるかも重要ではないでしょうか。競技を引退しても、人生は続くのですから。

角界入りした現在も、感謝の思いを持ち続ける。稽古で指導してくれる師匠の八角親方(元横綱北勝海)や、本場所中は毎日連絡をくれる両親。身の回りの世話をしてくれる付け人や後援会関係者など、多くの人に支えられながら土俵に上がっている。「結果を出せば出すほど、支えてくれた人のことが頭に浮かびます。これからも自分だけではなく、みんなのために土俵に上がり続けたい」と口にする。

周囲への恩返しの1つ目は、大関に昇進することだ。「やっぱり力士は番付を上げてなんぼ。コロナの影響で会えない人もたくさんいる。吉報を届けたい」と話す。今日も周囲のことを思い、土俵に上がる。【佐々木隆史】

◆北勝富士大輝(ほくとふじ・だいき)1992年(平4)7月15日生まれ、埼玉・所沢市出身。本名は中村大輝。小4から相撲を始め埼玉栄高3年で高校横綱、日体大2年で学生横綱。八角部屋から15年春場所で初土俵。16年九州場所の新入幕を機にしこ名を大輝から改名。師匠の八角親方が現役だった当時の師匠、北の富士勝昭氏(元横綱)にちなむ。19年春場所で新小結に昇進。家族は真美夫人。185センチ、162キロ。

2015年12月、大輝として八角部屋に入門
2016年5月、新十両昇進が決まり師匠の八角理事長と握手を交わす大輝
2017年7月、北勝富士(左)は名古屋場所3日目に横綱鶴竜を押し出して初金星
2019年9月、秋場所初日に横綱白鵬(右)を寄り切りで破る
2020年1月、初場所3日目、横綱鶴竜(左)を破る
2020年1月、技能賞を受賞した北勝富士(前列左から2人目)

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大栄翔が自己最多タイ11勝目「本当に毎日大事」

竜電(左)を押し出しで破った大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇13日日◇22日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、幕内では自己最多タイの11勝目を挙げ、首位を守った。

立ち合いから優勢で、左右ののど輪で竜電を圧倒。まわしに一切触れさせず、5秒足らずで押し出し「前に出られたので本当に良かった」と喜んだ。

初優勝にまた1歩前進した。賜杯への意識は「ゼロではないけど、変に考えすぎないようにしたい」と地に足をつける。十両では同じ追手風部屋の剣翔が2差つけて単独首位に立ち、優勝に王手をかけた。幕内、十両のアベックVなら05年九州場所の高砂部屋勢(幕内朝青龍、十両闘牙)以来で「剣翔関も勝っているので、自分も負けないようにしたい」と“追手風旋風”にも意欲を示した。

14日目の対戦相手、玉鷲とは過去6勝8敗と合口はほぼ五分。「本当に毎日大事。残り2日、自分の相撲を取り切りたい」と、ラストスパートに臨む。

竜電(右)を激しく攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)

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50歳華吹の確かな存在感 頼りになる理由とは…

桜(右)を攻める華吹(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館

スポーツには力がある。懸命に戦うベテラン、いやおっさんたちからも力もらい、負けじとみんな頑張ろう-。新型コロナウイルス感染拡大という状況が続き、誰もが疲弊している。出口はまだ見えない。そんな中、21日、大相撲初場所(両国国技館)で現役最年長50歳、東序ノ口9枚目の華吹(はなかぜ、立浪)が勝ち越しを決めた。50歳以上の力士が勝ち越すのは、1905年(明38)5月の若木野以来116年ぶりという偉業だ。サッカー、J1横浜FCのFWカズ(三浦知良、53)も和歌山でのキャンプ中にプロ36年目の新シーズンへ、決意を口にした。

   ◇   ◇   ◇

華吹の最高位は、33歳で迎えた03年九州場所での東三段目18枚目。

力士として大成したとはいえないが、部屋ではちゃんこ長を務めている。幕内で活躍する明生、天空海、豊昇龍など、多くの力士の胃袋を支えている。長きにわたる貢献ぶりは計り知れない。立浪親方も「まだまだ若手の食育をして欲しい」と信頼を寄せる。

華吹が50歳でも現役を続けられている理由として、角界ならではのいくつかの要素がある。番付最高位の横綱は負け越しても番付が落ちないが、成績不振が続けば引退せざるを得ない。しかし、横綱以外は、負け越せば番付が落ちるものの、戦い続けることはできる。所属チームとの契約で、戦力外など、短ければ1年ごとにクビの危機が訪れる可能性のあるプロ野球やJリーグなどと違い、成績不振を理由に協会や所属部屋からクビを言い渡されることはない。不祥事などがなければ、引退は基本的に、力士の決断に委ねられている。力士本人に続ける気持ちがあり、師匠や部屋の理解があれば、現役でいることはできる。

年長力士は土俵外でも重宝される。新弟子に角界のしきたり、部屋の伝統を伝えるのはもちろん、ちゃんこ長を務めることも多く、部屋独自の味を後世に伝えるという側面でも大事な役割を担う。時には弟弟子の相談役にもなるなど、縁の下の力持ち的存在として頼られ、確かな存在感を放っている。

◆華吹大作◆ はなかぜ・だいさく。本名山口大作。1970年(昭45)5月28日、東京都足立区生まれ。86年春場所で初土俵、最高位は03年九州場所の東三段目18枚目。通算在位208場所は史上1位。ここまでの通算成績は668勝760敗13休。180センチ、110キロ。血液型B

桜をはたき込みで破り勝ち名乗りを受ける華吹(撮影・鈴木正人)

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貴景勝が左足首負傷で休場 師匠は体重増の影響否定

18日、遠藤に引き落としで敗れ、土俵下で浮かない表情を見せる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館

大関貴景勝(24=常盤山)の休場理由について、師匠の常盤山親方(元小結隆三杉)が電話取材に応じ、3日目の北勝富士戦で左足首を負傷したと明かした。

昨年11月場所で大関として初優勝した貴景勝は、今場所は横綱昇進が懸かっていたが、初日から4連敗を喫するなど9日目を終えて2勝7敗と不振だった。

貴景勝の負傷を同親方が知ったのは「5日目ぐらい」という。痛みに耐えながら9日目まで出場した大関について「『不完全燃焼なので取らせてください』ということで昨日(18日)まで取った。昨日の夜に『これ以上相撲が取れないので、休場させてください』ということだった」と説明した。

3日目の北勝富士戦は激しい押し合いで、最後は貴景勝の左足の甲が返ってしまい、突き落としで3連敗となってしまった。患部の状態について常盤山親方は「多少腫れている。ひねった感じ。関節の靱帯(じんたい)ですね。骨折まではしていない。(左)足首を痛めたことは聞いたことがない」と説明。全治は1カ月弱という。

体重の増加による影響について、師匠はきっぱりと否定した。NHK大相撲中継で解説を務める北の富士勝昭氏(元横綱)らは、貴景勝の不振の影響について体重の増加を指摘していた。小結で初優勝した18年九州場所では170キロで、現在は183キロ。足首などにかかる負担も増しているのではないかと問われると、常盤山親方は「稽古したり運動しながら大きくなっている。大きくなりすぎたと思ったら食事面の加減もするだろう。大きくなりすぎたと私は感じない」と否定した。

綱とりの重圧と戦っていた今場所。師匠は「精神的にも大変だったと思う。精神力の稽古みたいな感じ、今場所は」と、貴景勝の心中を察する。負け越しが決まり、来場所はかど番となる。同親方は「一番はしっかり治すこと。3月場所に向けて最大限努力するしかない。とにかく稽古で体を鍛えていくしかない」と話した。

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勢いに乗る大栄翔、8日目終え平幕2差単独首位は初

輝(左)の突き押しをかわしとったりで破る大栄翔(撮影・中島郁夫)

<大相撲初場所>◇8日日◇17日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭大栄翔(27=追手風)が、自身初の中日勝ち越しを決めた。平幕の輝に攻め込まれるも、土俵際での「とったり」で逆転。ただ1人の全勝を守った。大関正代と平幕の明瀬山が2敗に後退。8日目を終えて平幕力士が2差つけて単独トップに立つのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降初めて。埼玉県出身力士として初めての賜杯が、さらに近づいてきた。

   ◇   ◇   ◇

勢いに乗っているとは、まさにこのこと。大栄翔が追い込まれながらも星を拾った。立ち合いから自慢の突き押しで攻めるも、高身長の輝の突き押しに屈して後退。今場所初めて土俵際に追い込まれた。相手の左のど輪で上半身がのけ反り、万事休すかと思われたが、その左腕を手繰って土俵外に投げた。鮮やかな逆転に「焦らずに対応できてよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

初日から役力士を総ナメにし、今場所初めてとなる平幕との対戦。「これまでと変わらずに押し相撲でいこうと思った」と気持ちに変化はなかった。輝とは18年九州場所以来の対戦だったが、貫いた自分の相撲で自身初の中日勝ち越し。「ストレート給金は初めて。すごく気持ちがいい。でも、ここで気を抜いてはいけない。1日1日集中したい」と引き締めた。

正代と明瀬山が2敗に後退したことで、早くも1敗勢が消えた。8日目を終えて平幕力士が2差つけて単独トップに立つのは、1場所15日制が定着して以降初めて。幕内後半戦の錦戸審判長(元関脇水戸泉)は「本当なら負けていたけど、うまく体を開いてかいなを返した。本当に調子がよさそう。このままいってくれれば面白い」と大栄翔の快進撃を期待した。

すでに三役以上との対戦を終えているだけに、日に日に優勝への期待が高まる。それでも、浮かれることはない。「1日に一番しかない。今は明日のことに集中するだけ」。無心で土俵に上がり続けた先に、悲願の賜杯が待っている。【佐々木隆史】

輝をとったりで破り、土俵から引き揚げる大栄翔(撮影・河田真司)
輝(右)をとったりで破る大栄翔(撮影・河田真司)

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明生5連勝!部屋の集団感染乗り越え旋風巻き起こす

徳勝龍(手前)を攻める明生(撮影・鈴木正人)

<大相撲初場所>◇5日目◇14日◇東京・両国国技館

東前頭7枚目明生(25=立浪)が、平幕の徳勝龍を寄り切り、自己最長を更新する初日から5連勝を飾った。昨年12月には茨城・つくばみらい市の部屋で新型コロナウイルスの集団感染が発生。満足な稽古ができない時期を乗り越え、5年連続で初優勝力士が誕生している初場所で、旋風を巻き起こす。全勝は大栄翔、明生、明瀬山の平幕3人。大関貴景勝が初白星を挙げた。

  ◇  ◇  ◇

25歳のホープ、明生の勢いが止まらない。徳勝龍に右上手を取られたが、下手で振ってまわしを切る。右で前みつをがっちりつかみ、休まず攻めた。「胸を合わせたくなかった。合いかけたけど(上手を切って)すぐに対応できた」。初日から5連勝は自身初だ。

場所前はコロナ禍に直面した。昨年の12月、部屋で新型コロナウイルスの集団感染が発生して兄弟子の幕内力士、天空海ら計11人が入院。部屋全体の稽古は約2週間休みとなった。

その中でも「やれることは限られていたけど、逆にやれることをやっていれば大丈夫」と信じて、調整を進めてきた。休みの間は弟弟子で平幕の豊昇龍とともに稽古場に降りて、おのおので四股やすり足などの基礎運動に励んだ。1日2時間たっぷり汗をかき、夕方には部屋内のトレーニングルームを使って体を追い込む。入院中の力士とはSNSで連絡を取り合い、互いを鼓舞してきた。「みんな(症状が)悪化せずに戻ってきてくれたので良かった」と安堵(あんど)の表情。仲間たちと苦難を乗り越えてきた。

今は幕内下位だが、19年九州場所には西前頭2枚目まで番付を上げ、三役を目前としていた。1年前の初場所で、左上腕の負傷により初めての休場を経験。十両落ちも経て「けがをしてから相撲を取れるありがたさを感じる」と、感謝の思いを持って土俵に上がる。16年の琴奨菊から5年連続で初優勝力士が誕生している初場所。初の賜杯を目指す明生に“ジンクス”継続の期待がかかる。【佐藤礼征】

徳勝龍(後方)を寄り切りで破った明生(撮影・鈴木正人)

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大栄翔、初日から3日連続大関撃破は昭和以降3人目

立ち会い後に強烈な突き押しで正代(右)を攻める大栄翔(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇3日目◇12日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔が、3日連続の大関撃破を果たした。かど番で初日から連勝中の正代を、突き出しで破った。朝乃山(初日)、貴景勝(2日目)に続く撃破で、平幕力士の初日から3日連続大関撃破は昭和以降3人目の快挙。

◆平幕力士の3日連続大関撃破 昭和以降では大栄翔が18人目。初日から3日連続撃破は、08年九州場所の西前頭2枚目若の里(初日から琴欧洲、琴光喜、魁皇)、19年初場所の西前頭2枚目北勝富士(同栃ノ心、豪栄道、高安)に続いて3人目。平幕の4日連続撃破は、10年夏場所の西前頭2枚目栃ノ心(2日目から日馬富士、琴欧洲、琴光喜、魁皇)のみ。

正代(左)を突き出しで破る大栄翔(撮影・菅敏)

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