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ライト級浦川が帝拳30人目新人王「知らなかった」

プロボクシング全日本新人王決勝戦のライト級を制した浦川(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇ライト級◇無観客開催

ライト級で、東軍の浦川大将(23=帝拳)が所属ジム通算30人目の新人王となった。西軍代表の戸川叡二(24=姫路木下)と拳を交え、ワンツーで攻め込んだ。

左右にスイッチする相手を冷静に見極め、3回には右ストレートで鼻から流血させるなど、試合の主導権を握って3-0の判定勝利を収めた。

区切りの30人目となる所属ジムの全日本新人王となったが「そうなんですか。知らなかったです」と驚きの表情。KO勝ちを狙っていたこともあり「倒すことしか考えていなくて…。できなかったですね。ふがいない試合。気負ってしまいました。精度、スタミナを上げていかないと上にいけないです」と苦笑い。2度目の挑戦で全日本新人王に到達したものの、試合内容を反省していた。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のライト級 5回、戸川(左)に右パンチを放つ浦川(撮影・小沢裕)

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奈良井翼が鮮やかTKOでボクシング新人王&MVP

プロボクシング全日本新人王決勝戦を制し記念撮影に臨む選手たち。左からミニマム級の小島、ライトフライ級の狩俣、フライ級の宝珠山、スーパーフライ級の久保、バンタム級の冨田、スーパーバンタム級の福永、フェザー級の平野、スーパーフェザー級の奈良井、ライト級の浦川、スーパーライト級の高畠、ウエルター級の山崎、ミドル級の中田(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇スーパーフェザー級◇無観客開催

スーパーフェザー級で、東軍の奈良井翼(21=RK蒲田)が鮮やかな1回TKO勝ちで全日本新人王を獲得し、MVPにも輝いた。

西軍の福田星河(21=エディタウンゼント)と対戦すると、左ボディーで相手ガードを下げさせ、得意の左フックからの連打でダウンを奪取。立ち上がった福田に対し、さらに連打を浴びせて右ストレートでレフェリーストップに追い込み、1回2分5秒、TKOで撃破した。なお技能賞はスーパーフライ級の久保春平(23=宮田)、敢闘賞はライトフライ級の狩俣綾汰(25=三迫)が受賞した。

2度目の新人王挑戦で頂点にのぼりつめた奈良井は「多分、左フックを警戒していると思ったが、うまく当てられる練習をしていて、ずっと考えていました」と得意パンチで勝利できた喜びに浸った。スーパーバンタム級でエントリーした初挑戦の19年は東日本新人王準決勝で体重超過し棄権。今回は一気に2階級上げての挑戦だったが「パンチには自信があった」と自信ものぞかせた。

小学校でキックボクシングを始めた際、自宅1階にサンドバッグが吊された練習場が設置されるなど、常に家族のバックアップがあったという。リング上で父優さん(40)、母幸さん(40)、妹愛さん(17)に向けて「ママ、おとん、愛、ありがとう」と感謝の言葉を送った。特に父が1月1日に50歳の誕生日を迎えており「これがプレゼントです」と満足そうな笑みもみせた。

中学から始めたボクシングで東京オリンピック(五輪)を目指し、自衛隊に入った。射撃練習などをしていたものの、競技に専念できる環境まで時間を要したためにプロ転向を決断。ようやく区切りとなる称号を手にした。7勝(6KO)と負けなしで、日本ランキング入りも確実となった。奈良井は「日本ユース王座がほしい。2~3年で日本王者になりたい。目標は5年で世界王者です」と気合十分だった。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーフェザー級 1回、福田(手前)からダウンを奪う奈良井(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーフェザー級 1回、福田(手前)からダウンを奪う奈良井(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーフェザー級 1回、福田(右)からダウンを奪う奈良井(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦で表彰される、左から技能賞のスーパーフライ級・久保、MVPのスーパーフェザー級・奈良井、敢闘賞のライトフライ級・狩俣(撮影・小沢裕)

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元東北大相撲部の中田勝浩が新人王 井岡弘樹ジム初

プロボクシング全日本新人王決勝戦のミドル級 4回、可兒(左)に右パンチを放つ中田(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇ミドル級◇無観客開催

ミドル級は元東北大相撲部という異色の経歴を持つ中田勝浩(29=井岡弘樹)が、判定で可兒栄樹(19=T&T)を制した。

6戦無敗(4KO)で、元世界2階級制覇王者・井岡弘樹会長が育てた、初の全日本新人王となった。

試合後は淡々と「可兒選手に感謝したい。サポートしてくれたトレーナー、会長に感謝したい」。ジム初の栄冠にも「みんなと一緒に戦えて光栄です。次の練習、頑張ります」と表情を崩すことはなかった。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のミドル級を制した中田(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦を制し記念撮影に臨む選手たち。左からミニマム級の小島、ライトフライ級の狩俣、フライ級の宝珠山、スーパーフライ級の久保、バンタム級の冨田、スーパーバンタム級の福永、フェザー級の平野、スーパーフェザー級の奈良井、ライト級の浦川、スーパーライト級の高畠、ウエルター級の山崎、ミドル級の中田(撮影・小沢裕)

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サラリーマン能嶋宏弥が全日本新人王 ウエルター級

プロボクシング全日本新人王決勝戦のウエルター級 4回、山崎(左)に右パンチを放つ能嶋(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇ウエルター級◇無観客開催

ウエルター級は“サラリーマンボクサー”能嶋宏弥(25=薬師寺)が、明大在学の“大学生ボクサー”山崎海知(20=山龍)を3-0判定で下し、悲願の全日本新人王を手にした。

1回開始直後にダウンを奪うが、ダウン後の加撃で減点1も食らった。それでもペースを乱すことなく、7センチの身長差を生かしてさばき切った。

昨年度は西軍代表決定戦で敗れており、試合後はたまらず号泣。「昨年は負けてしまって、素晴らしい機会をもらって感謝申し上げます。ここまで僕1人ではできなくて会社、地元、ジムのおかげでボクシングができている。勝ててよかった」と感極まった。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のウエルター級を制した能嶋(撮影・小沢裕)

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久保春平が喜界島初の全日本新人王 S・フライ級

プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーフライ級を制した久保(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇スーパーフライ級◇無観客開催

スーパーフライ級で、東軍の久保春平(23=宮田)が4回TKO勝ちで鹿児島・喜界島初の全日本新人王となった。西軍の杉本太一(22=勝輝)と拳を交え、ワンツーを軸に攻めるとパワーで押し続けた。4回には激しい打ち合いもみせ、連打で攻め続けてレフェリーストップ。4回2分29秒、TKO勝ちし、東日本新人王MVPにも輝いた実力を発揮した。

久保は「うれしい気持ち。まだ通過点。これから強い選手と戦えることにワクワクしている」と笑顔。1月に左ふくらはぎを肉離れし、スタミナの不安があった。さらに前日計量後、5年前から悩まされる持病の潰瘍性大腸炎の症状で下痢となるアクシデントもあった。「調子が悪くても勝てる自信があった。もらうパンチも予定通り、本当にフィニッシュまで想定内だった」と自信に満ちた表情を浮かべた。

地元小学校の体育館ではパブリックビューイングも開かれた。小、中、高校の生徒から激励の手紙などをもらっていたという。久保は「コロナの影響で島のイベントもなかったので、盛り上がってくれたみたいです」とほっとした表情を浮かべつつ「まだまだボクはたたき上げで、センスもなく、うまいボクサーではないが、伸びしろしかない。自分を信じて世界へ羽ばたいていきたい」と力強く宣言していた。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーフライ級 4回、杉本(左)に右パンチを放つ久保(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦で表彰される、左から技能賞のスーパーフライ級・久保、MVPのスーパーフェザー級・奈良井、敢闘賞のライトフライ級・狩俣(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦を制し記念撮影に臨む選手たち。左からミニマム級の小島、ライトフライ級の狩俣、フライ級の宝珠山、スーパーフライ級の久保、バンタム級の冨田、スーパーバンタム級の福永、フェザー級の平野、スーパーフェザー級の奈良井、ライト級の浦川、スーパーライト級の高畠、ウエルター級の山崎、ミドル級の中田(撮影・小沢裕)

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福永宇宙が四国ジム初の新人王 スーパーバンタム級

プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーバンタム級を制した福永(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇スーパーバンタム級◇無観客開催

スーパーバンタム級は福永宇宙(23=黒潮)が矢斬佑季(29=花形)を3-0判定で下し、四国のジムから初の全日本新人王が誕生した。

「やりにくさ、うまさは予想していたが、思っていたより相手のパンチが強くて厳しい戦いになった」と振り返る通り、わずかな差を削り合う戦いとなった。3回以降、福永が間合いを詰めて右を伸ばし、ペースを握る。最終5回も攻め抜き、ジャッジ1人はフルマークで支持した。

地元の高知では観光名所のひろめ市場などでパブリックビューイングを行うなど、熱視線を送った。「応援してくれる人がいたので、それに応えることができてホッとしています」。これで日本ランク入りも確実。「ここがスタートライン。地方だからとなめられず(小川)会長と頑張っていきたい」と気持ちを新たにした。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーバンタム級 3回、矢斬(手前)に右パンチを放つ福永(撮影・小沢裕)
プロボクシング全日本新人王決勝戦のスーパーバンタム級 2回、矢斬(左)に右パンチを放つ福永(撮影・小沢裕)

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冨田風弥、強烈フックで業師の強敵倒しバンタム級V

プロボクシング全日本新人王決勝戦のバンタム級 3回、須藤(左)に右パンチを放つ冨田(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇バンタム級◇無観客開催

バンタム級は冨田風弥(22=伊豆)が3-0判定で須藤龍揮(21=RK蒲田)を下した。

冨田は西軍代表決定戦で敢闘賞、須藤は東日本で技能賞を獲得していた。レベルの高い一戦だったが、冨田が2回50秒過ぎに強烈な右フックでダウンを奪い、そのまま押し切った。「ダウンをとって少し落ち着けた。自分から攻める意識でよかったと思う。しっかり勝ててよかった」。

ジムは静岡県伊東市にある。スパーリングパートナーは、首都圏のジムまで求めにいく。厳しい環境を乗り越えての勝利。「1個でもランキングを上げて日本タイトル、その他のタイトルを狙いたい」と夢をふくらませた。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のバンタム級を制した冨田(撮影・小沢裕)

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宝珠山晃がダウンも逆転でフライ級V「上を目指す」

プロボクシング全日本新人王決勝戦のフライ級を制した宝珠山(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇フライ級◇無観客開催

フライ級決勝は、東軍の宝珠山晃(24=三迫)が逆転勝ちで全日本新人王の称号を獲得した。

西軍の神崎靖浩(20=倉敷守安)と対戦。1回に強烈な右ストレートを浴びると、2回には左フックでダウンも許したものの、3回以降に反撃を開始。4回にはボディー攻撃で相手の体力を削り、最終5回には強烈なワンツーも放つなど、追い上げた形で試合終了。2-1の僅差判定で制した。

宝珠山は「思ったよりも懐が深くて(パンチを)外されていたが、引き出しは用意して出せた。いろいろなプレッシャーがかかっていたが、負けない気持ちが出ていた。上を目指していきたい」と決意を新たにしていた。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のフライ級 4回、神崎(右)に左パンチを放つ宝珠山(撮影・小沢裕)

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狩俣綾汰が宮古島出身初の新人王「前にいく事しか」

4回、木村(左)に右パンチを放つ狩俣(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇ライトフライ級◇無観客開催

ライトフライ級で、東軍の狩俣綾汰(25=三迫)が判定勝ちを収め、沖縄・宮古島初となる全日本新人王に輝いた。

西軍の木村彪吾(20=グリーンツダ)との決勝では、ぐいぐいとプレッシャーをかけて攻め続け、ロープを背負いながらも反撃してきた木村と真っ向勝負を展開。ジャッジ1人がドロー、2人が1ポイント差という2-0で判定勝利を収めた。

宮古総合実業高時代は、当時、宮古工ボクシング部に在籍した元WBC世界フライ級王者比嘉大吾(25=Ambition)との合同練習で汗を流した。芦屋大卒業後は大手ホテルに就職したものの、比嘉らの活躍に触発され、プロボクサーへの道を選択していた。狩俣は「前にいくことしか考えず、スタミナ配分も考えていなかった。自分としては、やっとスタートラインに立てた」と安堵(あんど)の表情を浮かべていた。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のライトフライ級を制した狩俣(撮影・小沢裕)

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小島蓮、ジム初の全日本新人王「絶対勝ちたかった」

プロボクシング全日本新人王決勝戦のミニマム級を制した小島(撮影・小沢裕)

<プロボクシング:全日本新人王決勝戦>◇21日◇東京・後楽園ホール◇ミニマム級◇無観客開催

ミニマム級は小島蓮(19=江見)が佐々木凌(26=レパード玉熊)を3-0判定で下し、ジム初の全日本新人王となった。

小島は試合開始直後から多彩なコンビネーションで佐々木を圧倒。危なげない試合運びでジャッジ2人はフルマークで支持した。「佐々木選手のパンチは重かった。心がくじけそうになったが、絶対に勝ちたかった」と気合の勝利を強調。これで日本ランク入りは確実となり「ランキングを上げて(日本)タイトルをとりたい」と新たな目標を掲げた。

プロボクシング全日本新人王決勝戦のミニマム級 5回、佐々木(右)にパンチを放つ小島(撮影・小沢裕)

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矢斬佑季「気持ちの勝負」ジム初全日本新人王狙う

全日本スーパーバンタム級決勝で対戦する矢斬(左)と福永は計量パス(写真提供:日本プロボクシング協会)

ボクシングの全日本新人王決勝戦は21日、東京・後楽園ホールで無観客開催される。スーパーバンタム級決勝では、東日本新人王の矢斬(やざん)佑季(29=花形)が、西軍代表でMVPも獲得した福永宇宙(そら、23=黒潮)と対戦する。20日に都内で臨んだ前日計量では、55・3キロのリミットでパスした福永に対し、100グラム少ない55・2キロでクリアした。

四国初の全日本新人王を目指すという福永に対し、矢斬も所属ジム初となる全日本新人王の期待がかかる。85年1月に創立し、世界王者も輩出している有名ジム。所属ジム会長は現在、日本プロボクシング協会会長も務める元WB世界フライ級王者花形進氏(74)となる。矢斬は「お互いに背負うものが大きい。最後は気持ちの勝負になると思う。花形ジム35年の歴史で、僕が取らなければ誰が取るんだという気持ち。きっちりと取って後輩につなげたい」と強い決意を口にしていた。

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前田稔輝が亀田京之介に判定勝利「今日は0点」

フェザー級新人王となった前田(撮影・山崎安昭)

<プロボクシング:新人王決定戦フェザー級4回戦>◇22日◇東京・後楽園ホール

ボクシングの全日本新人王決勝戦が22日、東京・後楽園ホールで行われ、注目のフェザー級は前田稔輝(23=グリーンツダ)が、亀田京之介(21=花形)を判定2-1で下した。

立ち上がりからお互いに様子見で手が出ず、静かな展開。2回から亀田がノーガードで顔を突き出す挑発行為も、決定打はなく最終ラウンド。ようやく打ち合いにいった前田が、接戦を制した。

「何とか勝つことができたが、今日は0点。ずっと自分じゃないみたいで、最初にジャブを当てられてからリズムを崩した」。ボクシングの聖地、後楽園ホールの独特の空気にのまれた。キャリア4戦目。大商大2年時に日本拳法で日本一になり、ジムに入門したのが昨年11月。デビューは今年4月と、経験のなさが最大の弱点だった。

接戦とはいえ、それを克服しての勝利。日本ランク入りは確実で「世界に早く近づけるようにしたい」と意気込んだ。

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異質な飯田覚士 TV企画、部活の延長から世界王者

平成のボクシング界について語る飯田覚士さん

<平成とは・バトル編(2)>

平成が幕を開けて間もなく、日本ボクシング界に異質なボクサーが現れた。後にWBA世界スーパーフライ級王者になる飯田覚士である。90年(平2)、日本テレビのバラエティー番組「天才たけしの元気が出るテレビ!!」の“ボクシング予備校”という企画に、プロテストを目指す練習生の1人に選ばれた。

当時、飯田は岐阜経済大3年。「ボクシング部でしたが、ツアーコンダクターになりたかったので、プロになるつもりはなかった。練習に物足りなさを感じていたのと、テレビに出れば思い出になると思って応募した」。どこにでもいる普通の大学生で、ボクサーらしからぬ甘いマスクにきゃしゃな体形。そのギャップがボクシングと無縁の若い女性のハートに響いた。

日曜の夜に放送される平均視聴率15%の人気番組で、定期的に成長ぶりが紹介されると、飯田の人気は沸騰した。90年9月の大阪城公園での公開スパーリングには1万人を超えるファンが殺到した。テレビ局の意向に応じて番組内で「チャンピオンになる」と公言していたため「引くに引けなくなった」と飯田。翌91年3月にプロデビュー。翌年の全日本新人王決勝戦には8000人の大観衆が詰めかけた。

昭和の時代、ボクシングには怖い、痛い、危ないというイメージが根強くあった。その象徴が昭和40年代に大ヒットした漫画「あしたのジョー」。貧しい不良少年が拳ひとつでのし上がっていくストーリーで、実際に漫画を地でいくボクサーも多かった。飯田はそんな近寄りがたかったボクシングを、部活の延長のような身近な存在に変えた。飯田自身「パンチパーマなどのいかつい格好で相手を威嚇するのは嫌だった」という。

この頃から飽食の時代に敬遠されつつあったボクシングジムに「僕も挑戦してみよう」と若者が足を向け始めた。飯田が全日本新人王になった翌年度には、100人台だった新人王のエントリーが265人と急増。マイク・タイソンの2度(88、90年)の東京ドーム防衛戦など複合的な要素も重なり、89年に1200人だったプロボクサーは年々増加し、06年には3200人にまで膨れあがった。

もうひとつの要因が89年から現在まで続く「少年マガジン」(講談社)の人気漫画「はじめの一歩」(森川ジョージ著)。いじめられっ子の主人公がボクサーに救われ、自らボクサーとして成長していくストーリーが、平成の若者に圧倒的な支持を受けた。元WBA、IBF世界ライトフライ級王者の田口良一をはじめ、この漫画に刺激を受けてボクシングに興味を持った世界王者も多い。

彼らは根性論が主流だったジムの練習にも新風を吹き込んだ。「根性で勝つんじゃないと自分に言い聞かせてサプリメントをとったり、インナーマッスルや動体視力も鍛えた」と飯田は回想する。元WBC、WBA世界ミニマム級王者で大橋ボクシングジム会長の大橋秀行は「今は昭和の時代と練習方法も食事も180度違う。八重樫東(世界3階級制覇王者)は科学的な筋トレを取り入れて、脂を抜いた食事を心がけている」と明かす。

飯田は世界挑戦2度失敗後の97年12月、ヨックタイ・シスオー(タイ)を判定で下してついに世界王座を奪取。2度の防衛にも成功した。普通の大学生が世界王者にたどりついて気付いたことがある。「根性論が嫌いで、科学的なトレーニングを存分にやった。でも結局、ボクシングは最後はど突き合いなんです。流血しようが構わず打ち合う。行き着いた先は、ストイックで己の身を削らないと勝てない過酷なスポーツでした」。時代は移ってもボクシングの本質、世界の頂点への厳しい道のりに変わりはない。【首藤正徳】

(敬称略)

97年12月、ヨックタイ・シスオーにパンチを放つ飯田(左)

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東西MVP対決「気にしない」峯田、竹本が計量パス

全日本新人王フェザー級決勝で東西MVP対決の顔合わせとなった東軍の峯田(左)と西軍の竹本

ボクシングの全日本新人王決勝戦は23日、東京・後楽園ホールで開かれ、フェザー級決勝は東西MVP対決が実現する。東日本MVPの峯田光(22=帝拳)、西軍MVPの竹本雄利(22=クラトキ)の顔合わせで、両者ともに22日には都内で開催された前日計量に臨み、ともに57・1キロのリミットでクリアした。

注目カードとなった峯田は「MVP対決は、あまり気にしていないです。ただ、ここで負けてはダメだと思っているので」と平常心を貫いた。出身地となる鹿児島・瀬戸内町からは50人ぐらいの応援団がかけつけることもあり「勝つべくして勝たないといけない。何回やってもアイツが勝つと思われるような試合がしたいです」と強い決意を口にした。

一方、竹本は50年以上続く所属ジムで初の全日本新人王を目指す。30年ぶりの新人王決勝進出で師匠の原田哲也会長も熱い視線を送る中で「何も気にしていないです。自分のために勝ちたいです」とキッパリ。またMVP対決には「盛り上がるのでいいと思います。KOで勝ちたいです」と意気込みを示した。

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初のヘビー級新人トーナメント開催

 日本プロボクシング協会は22日、都内で理事会を開き、今年7月から初のヘビー級新人トーナメントを開催することを決めた。12月の全日本新人王決勝戦で、トーナメントの決勝を行う。ヘビー級は日本人選手が少なかったため、現在も日本ランクは空位。だが、最近は元K-1の京太郎ら、複数のヘビー級選手が出てきている。大橋会長は「ヘビー級を活性化して、人気の起爆剤にしたい」と話した。

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7月に初のヘビー級新人トーナメント開催

 日本プロボクシング協会は22日、都内で理事会を開き、今年7月から初のヘビー級新人トーナメントを開催することを決めた。12月の全日本新人王決勝戦で、トーナメントの決勝を行う。ヘビー級は日本人選手が少なかったため、現在も日本ランクは空位。だが、最近は元K-1の京太郎ら、複数のヘビー級選手が出てきていた。また、故白井義男氏による日本人初の世界王者誕生を記念する5月19日の「ボクシングの日」に、故白井氏と、その白井氏や具志堅氏らを指導したトレーナーのスタンレー伊藤氏(87)を特別表彰することも決めた。

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ボクシング東西新人王がMVP宣言

東日本スーパーフェザー級新人王の尾川堅一

 全日本新人王決勝戦は今日18日、東京・後楽園ホールで行われる。17日に都内の日本ボクシングコミッションで行われた前日計量にパスした東日本と西日本の両MVP2人が全日本MVP奪取に向け、闘志をむき出しにした。東日本新人王でMVPに輝いたスーパーフェザー級の尾川堅一(23=帝拳)は西脇一歩(19=六島)との決勝を控え「必ず全日本でMVPを取ります。それが最低条件。普通に全日本を制するだけでは面白くない」と自信に満ちた笑顔で宣言した。

 一方で「辰吉2世」と呼ばれる西日本新人王MVPの京口竜人(21=大阪帝拳)も度胸たっぷりにMVP奪取に意欲満々だ。千波丈二(20=勝又)とのフェザー級決勝を前に「MVPを狙いたい。尾川選手は意識しない。(西脇)一歩がやってくれるだろうし」と余裕の表情。2人とも6勝(5KO)無敗。同じ系列ジムで、父親が格闘技経験者という似た境遇の2人が、フレッシュに競い合う。

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