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川崎大師で北の湖像除幕、夫人「親方の姿見られる」


 一昨年11月に死去した北の湖前理事長(元横綱)の銅像が完成し1日、川崎大師で除幕式が行われた。

 八角理事長(元横綱北勝海)や貴乃花(元横綱)、春日野(元関脇栃乃和歌)、山響(元前頭巌雄)ら各理事はじめ親方衆、横綱日馬富士ら約300人が列席。台座を含め高さ約3メートル、重さ約900キロの理事長時代をイメージした銅像を前に、故人のとみ子夫人は「(川崎)大師様がある限り、100年も1000年も親方の姿を見られる。最高の喜び、感謝でいっぱいです」と感無量の表情で話した。除幕式後には三回忌法要も営まれ故人をしのんだ。

北の湖前理事長(2015年1月26日撮影)

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北の湖の銅像「ちょっとハンサム」川崎大師で除幕式

除幕式で披露された北の湖前理事長の銅像


 大相撲の第55代横綱で、一昨年の11月に死去した北の湖前理事長の銅像が完成し1日、神奈川・川崎大師で除幕式が行われた。

 除幕式には、日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)や貴乃花(元横綱)、春日野(元関脇栃乃和歌)、出羽海(元前頭小城ノ花)、部屋を継いだ山響(元前頭巌雄)の各理事はじめ出羽海一門、貴乃花一門の親方衆が出席。力士会会長の横綱日馬富士(伊勢ケ浜)も列席した。

 銅像は、彫刻家の山本真輔氏が制作にあたり、台座を含め高さ約3メートル(身体部分は2メートル5センチ)、重さ900キロの重厚感あふれるものに仕上がった。故人のとみ子夫人によれば、既に故郷の北海道・壮瞥町に力士姿の銅像があるため「紋付き姿で建てていただきたいと願って」理事長時代の銅像となった。「目は横綱時代の若かりし頃をイメージしたので、ちょっとハンサムになりました」と笑みも浮かべながら、とみ子夫人は「(川崎)大師様がある限り、100年も1000年も親方の姿を見られる。最高の喜び、感謝でいっぱいです」と感無量の表情で話した。銅像の向かって右側には、雲竜型で横綱土俵入りする写真が「公益財団法人初代理事長」と刻まれた文字とともに備えられており、数十年後に訪れる参拝客が「北の湖」の名前を知らなくても「横綱から理事長になった人だと思ってもらえるから、どうしても作りたかった」と説明した。

 除幕式では、とみ子夫人が「北の湖敏満 永久(とわ)に」と題した、詩吟を披露。「結婚前に詩吟は習っていました。この日のために習っていたのかな、という気持ちでやりました」と話した。また、除幕式後には三回忌法要も営まれ、故人をしのんだ。

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日馬富士1人横綱の責任全う、逆転Vを支えたものは

日馬富士(左)は寄り切りで豪栄道を下し優勝決定戦へ持ち込んだ(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、16年名古屋場所以来、7場所ぶり9度目の優勝を飾った。本割で大関豪栄道を寄り切って11勝4敗で並び、優勝決定戦でも寄り切った。千秋楽の直接対決から1差逆転優勝は今年春場所の横綱稀勢の里以来。1918年(大7)夏場所以来99年ぶりの3横綱2大関休場という異常事態となった場所を“1人横綱”が締めた。

 支度部屋は熱気に包まれていた。待ち構えていた大勢の関係者から浴びせられる「横綱」コール。日馬富士は表情を緩めて万歳三唱で喜びを分かち合った。風呂に入り汗を流し終えると、やっと一息ついた。「土俵の神様が味方してくれた」と感慨にふけった。

 1差で迎えた豪栄道との直接対決。立ち合いは受け止められ押し込まれたが、頭を体につけて前みつを取りにいき、体勢を入れ替えて寄り切った。賜杯の行方は優勝決定戦へ。支度部屋では弟弟子の十両照強を立たせて、立ち合いを確認。花道に向かう途中も繰り返し、イメージは仕上がった。頭からぶつかって右を差すと、一気に寄り切った。「命を懸けて全身全霊で相撲を取りました」。7場所ぶりの賜杯を手にした。

 この日朝、数種類の生野菜などを絞って作るコールドプレスジュースの大阪の専門店「B.up」(ビー・アップ)から直接、ジュースが届けられた。春場所前から愛飲し「体調が全く違う。傷口の治りが早い」という。時間の経過とともに栄養素が失われることから、目の前で絞る必要がある。そのため、今場所は大阪から材料を持参した担当者から、作りたてを数回、提供してもらった。「土俵の上では1人に見えても、支えてくれる人がいるから土俵に上がれる」と感謝した。

 10日目終了時点では、豪栄道と3差あった。そこからの逆転は1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。満足に伸ばせない左肘をはじめ、多くのケガに悩まされてきたが、土俵に上がり続けた。優勝ラインは21年ぶりの11勝に下がり、金星を4個配給しての優勝は初めて。それでも喜びは変わらない。「ホッとしている」。全ての重圧から解放されたかのように、低い声で絞り出した。満身創痍(そうい)の体で“1人横綱”を全うした。【佐々木隆史】

 ◆日馬富士のけがとの闘い 今年の初場所5日目の隠岐の海戦で右太ももを肉離れして途中休場。迎えた春場所は左目付近を負傷するなどケガが絶えず、春巡業では「全身が痛い」と漏らすほど。特に古傷の左肘の炎症は重症で夏巡業も前半は休場していた。手術の選択もあったが長期離脱を避けるために回避。整体、電気治療器具、栄養ジュースなどさまざまな治療法を試みている。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 日馬富士は本割でいい相撲を取っただけに決定戦も「真っすぐ行っても勝てる」と迷いがなかった。あの3連敗から気持ちを折らず、よくやってくれた。情けない気持ちからグッとこらえて取り続けた。そこは偉い。豪栄道は立ち合いで負け引かざるをえなかった。

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理事長、豪栄道と日馬富士のV争い「2人とも立派」

支度部屋で着替えを終え豪栄道(右)より先に引き揚げる日馬富士。優勝は千秋楽の直接対決に持ち越された(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 ドタバタ劇も収束-。この日、豪栄道と日馬富士が敗れれば、史上ワーストの10勝5敗での優勝の可能性もあり、そうなれば史上初となる朝乃山の新入幕幕尻優勝や、十両に敗れた遠藤にも優勝のチャンスがあった、大荒れの場所。優勝の行方は混沌(こんとん)としたが、終わってみれば落ち着くところに落ち着く結末となる。

 番付社会の大相撲。優勝の可能性が、今場所唯一の横綱-大関戦となり、千秋楽結びの一番を取る横綱日馬富士と大関豪栄道の2人に絞られたことに、協会幹部も胸をなで下ろした様子だ。もちろん若手の活躍は土俵を沸かす要因だが、やはり締めるのは番付上位の横綱、大関陣。3横綱2大関が休場した中、残された2人が優勝をかける状況に、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「3敗、4敗と(星的には)悪いとはいえ、最後の最後まで頑張って責任を果たしている。休場者がたくさん出て、どうなるんだろうと、優勝争い(のライン)は下がるだろうとは思ったが、2人とも立派。務めを果たして責任感がある。特に日馬富士。番付通り、やはり力の差だ」と評価した。

 この日、幕内後半戦の審判長を務めた二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)も「2人に(優勝争いが)絞られて千秋楽が面白くなってきた」と笑顔。豪栄道の相撲を「よく残した。執念だよ」とほめる一方で、日馬富士についても「1人横綱で、よくここまで頑張ってくれた。横綱の意地があるでしょう」と高く評価していた。

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日馬富士に自力V復活「1人横綱」覚悟が呼び込んだ

嘉風(右)を破る日馬富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)に自力優勝が復活した。2差で単独トップの大関豪栄道が敗れ、その後の一番で関脇嘉風を下し1差と迫った。千秋楽では豪栄道との直接対決が確実で、16年名古屋場所以来9度目の賜杯が視野に入ってきた。5敗力士までの16人に優勝の可能性が残る、荒れる秋場所を“1人横綱”が締める。

 日馬富士に賜杯が近づいた。前日の黒星で2差に縮まった豪栄道が目の前で連敗。「自分の立ち合いでいこうと思った」と肩の力は抜けていた。結びの一番は今場所一の低く鋭い踏み込みで、嘉風に頭からぶつかった。左を差して右上手を取り、相手に何もさせずに一気に寄り切った。1差に迫り、支度部屋で優勝を狙うかと報道陣に問われると「もちろん」と即答した。

 土俵に上がり続けてきたからこそ、チャンスは回ってきた。3日目から3連敗すると10日目に今場所4個目の金星を配給。武蔵丸以来16年ぶりの屈辱だった。11日目の朝、部屋での稽古を終えて「何と言ったらいいか…」と迎えの車のドアに寄りかかり悲愴(ひそう)感を漂わせていた。それでも休場の選択肢は選ばなかった。「言い訳はできない。相撲を続けることが大事」と決意した。その後3連勝で踏ん張ると、最大3差だったトップとの差が縮まっていた。

 昭和以降初の3横綱が初日から休場となった今場所は、さらに2大関も休場する緊急事態。だからこそ“1人横綱”の覚悟がある。「続けることが大事。一番一番に対する気持ちは変わらない。勝負ごとなので1人が勝って1人が負ける。何があるか分からない」。今日23日に勝てば、優勝争いは千秋楽で対戦が確実な豪栄道との直接対決にもつれ込む。最後まで勝ち続ければ優勝が手に入る。【佐々木隆史】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)の話 豪栄道は張り差しに行った分、当たりが弱くなった。引いては駄目と意識するほどそうなる。1差になり追い詰められたのでは。こうなれば開き直るだけ。優勝争いとしては面白い。朝乃山も最後まで勝ってほしい。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 豪栄道は悪い相撲で勝った癖が、ここ一番で出ている。星は有利だが連敗で気持ちは五分では。日馬富士は大逆転の芽が出てきて息を吹き返した。朝乃山の新入幕優勝もないわけではない。

 ◆低レベル優勝 1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、最少勝利数での優勝は11勝4敗で2回しかない。72年初場所の前頭栃東と96年九州場所の大関武蔵丸が記録。なお豪栄道が残り2番●●で5敗になった場合、現時点で5敗までの16人に優勝の可能性がある。ただ、13日目終了時点で2差からの逆転優勝例はなく、データでは豪栄道と4敗の2人の3人に優勝は絞られる。

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トップ豪栄道2敗、19年ぶり大混戦演出しちゃった

豪栄道(左)ははたき込みで松鳳山に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館


 優勝争いトップを走る大関豪栄道(31=境川)が、大混戦を演出してしまった。東前頭4枚目松鳳山にはたき込まれ、2敗目を喫した。自力優勝には「残り3日で2勝」と優位さに変わりはないが、4敗は現在10人。3横綱2大関休場の秋場所が、最後にまた荒れ始めた。

 朝乃山、貴ノ岩、千代大龍の3敗力士3人がそろって負けた。一時は後続との差が2差から3差に開いたが、豪栄道も負けた。松鳳山戦。立ち合いが2度合わず、3度目で立つと、激しい突き押しの応酬になった。左ほおを2度張られ、はたきにいったが、最後は逆にはたき込まれた。

 勝てば、あと1勝で優勝と絶対的優位に立てた一番だった。支度部屋で、右肘に血をにじませながら、言葉少なだった。「う~ん、しっかり当たらないとダメやね」。後手に回ったかと問われて「そうですね」とつぶやいた。八角理事長(元横綱北勝海)は「安全に、勝ちたい気持ちが強すぎたかな。勝てば(優勝が)ほとんど決まりの一番だから、余計に大事と思ったんだろう」と心中を推察した。

 残り3日、後続とは2差のままで、2勝すれば自力優勝できる。ただ2敗すれば、話は別。2差の4敗力士は10人もおり、今後の展開次第で大逆転Vへ、息を吹き返す。新入幕の朝乃山、前半に走った阿武咲、人気者の遠藤、元大関琴奨菊、4連敗から8連勝の嘉風、横綱日馬富士らのうち、千秋楽まで4敗を守った力士による優勝決定戦に巻き込まれる。

 この日は通算出場1000回の節目だった。「そういうのは、今は別にどうでもいい」。残り3日に向けた心境を問われ「気にせず自分の相撲をとることだけを心掛けていきます」と、ほぼ同じフレーズを繰り返し、帰りの車に乗り込む間際に一言こぼした。「攻める気持ちが大事やね」。自分のせいで生まれた混戦模様は、自分の力で制するしかない。【加藤裕一】

 ◆12日目終了時点 単独トップの力士が後続に2差をつけたのは、平成以降で今回が31例目。過去30例のうち、逆転されたのは05年秋の琴欧州(優勝は朝青龍)と99年初場所の若乃花(優勝は千代大海)の2例だけ。データでは豪栄道の優勝確率は93%となる。

 ◆12日目終了時点の混戦 1場所15日制になった49年(昭24)夏場所以降、優勝争いでトップと後続が11人以上いたのは、今場所で6例目。そのうち5例は複数人がトップに立ち、後続との差は1。今場所のように単独トップ-後続と2差の例とピタリ合うのが1例だけある。98年初場所で大関武蔵丸が10勝2敗で単独トップ。後続は4敗の横綱貴乃花ら10人。武蔵丸は14日目に敗れたが1差の12勝3敗で逃げ切った。

 ◆幕内後半戦の山科審判長(元小結大錦)の話 豪栄道は立ちづらそうだった。松鳳山のようなタイプは嫌なんだろう。今後の優勝争いの展開? 分かりません。

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若手印象深い、うまさより馬力の朝乃山/八角理事長

魁聖(右)を寄り切りで破る朝乃山(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇20日◇東京・両国国技館


 新入幕の東前頭16枚目朝乃山(23=高砂)が平幕の魁聖を寄り切り、デビューから10場所連続の勝ち越しを決めた。八角理事長(元横綱北勝海)のコメント。

 「朝乃山は思った以上に馬力のある印象だ。若いうちは、うまさより馬力で勝っていった方が三役まではスッと行ける。阿武咲、貴景勝ら若手が印象深い、いい相撲を取っている」。

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日馬富士4個目金星配給「心と体が一致していない」

4敗目を喫し、支度部屋で厳しい表情の日馬富士(撮影・江口和貴)

<大相撲秋場所>◇10日目◇19日◇東京・両国国技館


 西前頭5枚目貴景勝(21=貴乃花)が、横綱日馬富士をはたき込みで破って初金星を獲得した。日馬富士は史上2位タイの39個目の金星配給で、1場所で4個の配給は、01年秋場所に5個を与えた武蔵丸以来となった。

 貴景勝に今場所4個目の金星を許して、武蔵丸以来16年ぶりの屈辱を味わった。何度もため息をつき「足がついていかなかった。体と心が一致していない。続かない」。苦しい心情が漏れた。両肘や両足首に不安を抱え、さらに1人横綱としての重圧がのしかかる。「続けることが大事だ。精いっぱい頑張ります」と力なく話した。

 八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 日馬富士は相手に合わせてしまった。つかまえるのか張るのか、勝ちたい気持ちからか中途半端だった。4敗は苦しい。気持ちを奮い立たせていくしかない。貴景勝は、まわしを取られないように、うまく間合いを取っていた。

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八角理事長、1敗の豪栄道に「このままいく可能性」

碧山(左)を突き落としで破る豪栄道(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館


 八角理事長(元横綱北勝海)のコメント。

 「豪栄道はこれ(かど番脱出)で優勝へと気持ちが切り替わるだろう。全勝優勝もしているのだから自信を持っていくのでは。このままいく可能性はある。日馬富士は精神的に相当、追い詰められたけど、だいぶ落ち着いてきた」

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豪栄道が昨秋の感動再現へ「まっしぐら」自伝も出版

玉鷲を破って1敗を守って引き揚げる豪栄道(撮影・丹羽敏通)

<大相撲秋場所>◇8日目◇17日◇両国国技館


 大関豪栄道(31=境川)がトップタイで中日を折り返した。不戦敗を含む4連敗中だった小結玉鷲を、立ち合いから一気に寄り切り、1敗を守った。13日目の22日に子供向けに初の自伝を出版。3横綱2大関不在の中、土俵内外で奮戦し、存在感を見せつける。

 しょっぱさのかけらもない。豪栄道が連敗中だった玉鷲を、立ち合いからもろ差しであっという間に寄り切った。「しっかり受け止めることだけ考えた。中に入りたかった」。全勝優勝した昨年秋場所は右四つから「理想」と自画自賛する内容で寄り切った。会心具合は、1年前の再現だ。

 優勝争いを引っ張り、土俵外でも相撲普及に一役買う。小学校からの半生をつづった初の自伝本「すもう道まっしぐら!」が集英社みらい文庫編集部から出版される。同文庫は男子向けが中心。豪栄道が1年前の秋場所で全勝優勝を飾ると、当時不在だった「日本人横綱誕生という期待をこめて」(担当者)白羽の矢を立てた。

 豪栄道は「何で俺なんかなと思った」と照れながら「小学生向けだし、相撲に興味をもってもらえれば意味があるかな。しょっぱい成績じゃ寒い本になる。いい相撲を取って、成績をちゃんと残さないとね」。発売日は終盤13日目。その時、2度目の賜杯が目前に迫っていれば、最高のタイミングだ。「まだ7日ある。自分のやることをしっかり決めて、集中したい」。子どものお手本になるような、一本気な姿を見せつける。【加藤裕一】

 ▼八角理事長(元横綱北勝海)のコメント

 「この2日間だけを見れば豪栄道が優勝争いを引っ張る感じだが(それまでを含め)相撲内容を見るとそう感じさせない。張り差しも、下位にはごまかせても上位にはどうか。後半戦に横綱、大関が良くなることを期待したい」。

 ▼幕内後半戦の二所ノ関審判長(元大関若嶋津)のコメント

 「豪栄道はいっぺんに持っていく相撲で良くなってきた。日馬富士はまだ1人横綱の責任感で硬さが出ている。ただ3敗も優勝圏内。横綱、大関が頑張ってほしい」。

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豪栄道1敗キープ「前に出ることだけを考えていた」

強烈な突き押しで正代(左)を攻める豪栄道(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇7日目◇16日◇両国国技館


 豪栄道は鋭い立ち合いから突き押しを緩めず、前に出続け、正代を押し出した。

 今場所1番とも言える内容で、1敗をキープ。「集中してできた。しっかり前に出ることだけを考えていた」。今場所と同じかど番だった昨年秋場所で全勝の初優勝を飾った。「昨年は昨年、今年は今年。まだまだ7日目。集中して自分の相撲をとれれば、結果はついてくると思う」と表情を緩めなかった。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)の話 豪栄道は落ち着いて足を前に出していた。勝ち越しが見えてだいぶ楽になったのでは。日馬富士はまだ、いつもの相撲ではない。張り手も必死さの表れ。精神的に、今までと何倍も苦しい中、取っている。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 豪栄道は今場所一番の会心の相撲で、優勝した時のような圧力があった。日馬富士は全力士の中で一番、プレッシャーを感じて取っている。大変だと思います。

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豪栄道1敗守り復調気配「余裕出てきた」八角理事長

1敗を守った豪栄道は支度部屋で引き締まった表情を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館


 平幕の正代(時津風)を押し出して1敗を守った大関豪栄道(31=境川)について、協会幹部は復調への兆しを感じ取ったようだ。

 前日までとは見違えるような攻撃一辺倒の押し相撲に、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「落ち着いて足を前に出していた。ちょっと余裕が出てきたのかな」と評価。相撲の基本ともいえる立ち合いについても「今日みたいに、きちんと手を着くと(体勢が)低くなる」とその姿勢からも上昇気配を感じ取った様子。かど番脱出まで、あと2勝。場所を盛り上げる優勝争いのけん引役については「まず8番、勝ってからだろう。それまでは(そこまで)考えられないだろう」と過度な期待は控えつつ「勝ち越しが見えてきて、だいぶ楽になったのでは」と心中を察していた。

 幕内後半戦の審判長を務めた、審判部の藤島副部長(元大関武双山)も「今場所一番の会心の相撲。優勝した時のような圧力があった」と、全勝優勝したちょうど1年前の姿と重ね合わせた。かど番だけに「まずは通過点である第一目標の勝ち越しに、早く到達したいでしょう」と察し、その後の優勝争いには「1敗とは言え、きのう(6日目)までの内容ではどうかな? と思ったけど、今日は良かった。(優勝が)見えてきましたよ」と今後に期待した。

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八角理事長「豪栄道はこの白星で精神状態を前向き」

阿武咲(手前)を押し出しで下す豪栄道(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇6日目◇15日◇両国国技館


 八角理事長(元横綱北勝海)のコメント。

 「照ノ富士の休場は残念だが仕方ない。出場できても力が入らない相撲を取るのも失礼なこと。きちんと治すことだ。豪栄道はこの白星で精神状態を前向きに、優勝争いを引っ張ってほしい。日馬富士も同じ。今場所は辛抱の場所だ」。

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3横綱2大関不在で「後半戦の取組作るのが大変」

照ノ富士が負傷欠場となり対戦相手の正代が不戦勝となった(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇6日目◇15日◇両国国技館


 大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)の休場で、7人の上位陣のうち3横綱2大関が不在という異常事態。

 そんな“秋風”が吹き始めた感のある場所にも、協会幹部は残された力士たちの奮起に期待した。

 照ノ富士の休場に、協会トップの八角理事長(54=元横綱北勝海)は「残念だけど仕方ない。出ても、力の入らない相撲を取っては、それも失礼なこと」と話した。三役への陥落が決定的な大関には「きちんとした状態で良くなれば(大関復帰の)2桁勝つ力はある。とにかく膝を治すこと」と話し、ファンに対しては「遺憾ではある」と協会あいさつで述べた「初日と同じ」とし「力の違いはあっても相撲の醍醐味(だいごみ)は序二段でも三段目でもあるのだから」と館内を沸かす全力相撲に期待した。

 東の支度部屋から、本来なら4人いるはずの横綱、大関全員が姿を消す事態。過去には残された西の横綱、あるいは大関を東に回す措置が執られたこともあったが、審判部の二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)は「それはしない」とし、横綱・大関5人不在の状況を「さびしいね。(ファンに)申し訳ないな」と嘆いた。横綱・大関戦も、全員皆勤なら19番あるはずが、これで千秋楽結びの日馬富士-豪栄道戦しか組まれないことになる。また、平幕の前頭5枚目前後まで下げて上位戦を組まなければならず、取組編成の最高責任者の同部長は「後半戦の割(取組)を作るのが大変ですよ」と苦笑いするしかなかった。

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阿武咲の強心臓、初金星も「その空気が楽しかった」

日馬富士(左)を、はたき込みで破る阿武咲(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇5日目◇14日◇東京・両国国技館


 21歳で幕内最年少の東前頭3枚目阿武咲(阿武松)が、横綱初挑戦で日馬富士を破り、初金星を獲得した。横綱初挑戦で初金星は、今年の名古屋場所の北勝富士以来。全勝だった平幕の琴奨菊、千代大龍、貴ノ岩、大栄翔が敗れ、阿武咲が、16年名古屋場所の逸ノ城以来となる5日目での平幕単独トップに立った。

 支度部屋に戻った阿武咲は、興奮を抑えきれなかった。大量の汗を流しながら「あんまり覚えていない。でも座布団が見えた時に『勝ったんだ』と思った。うれしかった」と初金星の味をかみしめた。

 スピード自慢の横綱に、引けを取らない立ち合いだった。それでも押し込まれたが土俵際で左に動き、体勢を崩した相手の頭をはたき込んだ。「緊張はなかった。その空気が楽しかった。行司の『これにて打ち止め』を聞いて、そこで相撲を取っているんだと思った」。初の横綱戦で初の結びの一番。不思議なくらい緊張はなかった。

 自然体で相撲を取ることを覚えた。15年初場所で新十両に昇進したが、16年夏場所で幕下に陥落した。その時に、初めて相撲と真剣に向き合った。「負けたら同じ道を通らないとか、食べ物を全部変えたりとか。勝った日と同じことをしたりもした。しばられていました」。験を担ぐタイプだったが、屈辱を機に一切やめた。「自然体でいようと」。だから無心で土俵に上がれた。

 3横綱1大関の休場に加えて、上位陣が総崩れの今場所。頼もしい存在の出現に八角理事長(元横綱北勝海)は「この力士には気負いがない。立派なものですよ。怖いもの知らずの勢いが感じられる。優勝の権利はある」と期待をかけた。優勝争いのトップに立った阿武咲は「結果であって意識することはない」と冷静。強心臓の21歳が、今場所を引っ張っていく。【佐々木隆史】

 ◆阿武咲奎也(おうのしょう・ふみや)本名・打越(うてつ)奎也。1996年(平8)7月4日生まれ、青森県中泊町出身。中里中2、3年時に全国都道府県中学生選手権の個人戦で史上初の連覇。三本木農高1年時に国体少年個人で優勝。1年時に同校を中退して角界入りし、13年初場所で初土俵を踏んだ。15年初場所で新十両。今年の夏場所で新入幕に昇進して、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、初代若乃花や白鵬らと並び、7人目の2場所連続2桁勝利中。得意は突き、押し。176センチ、155キロ。通算186勝127敗1休。

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北勝富士が意識飛びながら日馬富士撃破「不思議」

日馬富士(手前)を寄り切りで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇4日目◇13日◇東京・両国国技館


 東前頭2枚目の北勝富士(25=八角)が“無意識”の相撲で2個目の金星を獲得した。初めての結びの一番で、横綱日馬富士を寄り切り。立ち合いの頭同士の衝突で意識が飛ぶ中、体に染みついた動きで、2場所連続の金星をつかんだ。

 初めて、座布団を舞わせた。初めて、結びで勝ち名乗りを受けた。26本もの懸賞の束をつかんだのも初めてだった。そのどれもが記憶になかった。「意識が飛んだっす。覚えているのは当たった瞬間と横綱が土俵際だったこと。(意識が)戻ったのは花道に下がるくらいです。写真みたいにパパパパッと場面があるけど、つながっていない。不思議な感じです」。北勝富士はまさに夢の中にいた。

 立ち合いの衝撃で「無」になった。日馬富士に右を差されて俵を背負うが「意識が飛んだのが良かった。肩に力が入らなかった」。無意識のまま左からいなして回り込み、右上手を取って寄り切った。スムーズな一連の動作は積み重ねた稽古の証し。「結びで、しかも先場所は圧倒されて『すげぇ強え』と思った横綱から勝てたのはうれしい」。初金星以上の喜びを感じていた。

 年6場所制となった58年以降、2位タイのスピード記録だった前回の初金星同様に、懸賞1本は師匠の八角理事長(元横綱北勝海)に贈る孝行息子。1横綱3大関との対戦を不戦勝も含めて3勝。あとは関脇以下との対戦しかなく「早かったっすね」と不敵に笑った。荒れる秋の主役候補にまた1人、名乗りを上げた。【今村健人】

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友鵬さん告別式で大嶽親方「大鵬道場を守っていく」

友鵬さんの告別式であいさつする智恵美夫人


 虚血性心不全のため8日に死去した世話人、友鵬さん(享年60)の告別式が12日、都内の大嶽部屋で営まれた。

 師匠の大嶽親方(元十両大竜)や一門の貴乃花親方(元横綱)、八角理事長(元横綱北勝海)らが稽古場に設けられた式場で弔問客を迎え入れる中、元横綱3代目若乃花の花田虎上氏や元関脇高見山の渡辺大五郎氏らが弔問に訪れた。出棺前に葬儀委員長の大嶽親方は「天国で(13年1月死去の)大鵬さんと酒でも飲んでるのか。(中略)これから大鵬道場大嶽部屋を私は守っていく」とあいさつした。

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1人横綱日馬富士も不完全燃焼、待ってもらえず黒星

琴奨菊(手前)との立ち合いで手を挙げ、待ったをかける日馬富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇3日日◇12日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、西前頭筆頭の琴奨菊との結びの一番で、不完全燃焼の初黒星を喫した。立った瞬間に待ったと思ったのか、力を抜いて相手の背中をたたいてアピールしたが、立ち合い成立で棒立ちのまま寄り切られた。金星配給は36個目で柏戸、曙を抜き単独4位。3横綱らが休場する中、土俵上も締まらない3日目となった。

 支度部屋に戻った日馬富士は、表情を変えることなく口を開いた。「見ての通りです」。間を少し開けて「もったいないね」とつぶやくようにはき出した。

 上位陣で唯一負けなしで挑んだ結びの一番。立ち合いで、つっかけるように先に立ち、合わせて立った琴奨菊がぶつかってきた瞬間だった。力なく上体を起こして、右手で相手の背中を4度たたいた。それでも止まらない相手に、一気に寄り切られた。立ち合い不成立と思ったのか、土俵を割った後も、ふに落ちない表情で右手を挙げて審判にアピール。しかし、覆ることはなかった。

 山科審判長(元小結大錦)は「(行司が)『残った残った』と言っているのだから力を出さないとダメ。自分からいったんだから。向こうが待ったするなら分かるけど」と日馬富士に非があるとした。立行司の式守伊之助は「私は手しか見ていません。両方が手を着いたと思って、成立したと思って軍配を引きました」と説明。八角理事長(元横綱北勝海)は「力を抜いたらだめ。ちょっと気負ったのか、その気持ちは分からないではないが」と1人横綱の気持ちをくんだ。

 3横綱1大関が休場で、日馬富士への期待は大きい。それだけに八角理事長は「いい相撲を見せて欲しかった。お客さんも消化不良だから熱戦を期待してたけどね」と肩を落とした。日馬富士は「今日は今日。明日は明日」と気持ちの切り替えに努めた。荒れる秋場所は、どこまで荒れるのだろうか。【佐々木隆史】

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友鵬さんの告別式、大嶽親方「バカ!友鵬!」絶叫

世話人だった友鵬さんの告別式で葬儀委員長としてあいさつする大嶽親方(撮影・渡辺佳彦)


 虚血性心不全のため、8日に死去した日本相撲協会の世話人、友鵬勝尊(ゆうほう・まさたか、本名・長崎勝)さんの告別式が12日午後0時半から、所属していた東京・江東区清澄の大嶽部屋で営まれた。

 師匠の大嶽親方(56=元十両大竜)が葬儀委員長を務める告別式では、同親方はじめ一門の貴乃花親方(45=元横綱)や一門の枠を超えて八角理事長(54=元横綱北勝海)も、稽古場に設けられた式場で弔問客を迎え入れ、故人の人柄をしのばせた。

 大相撲秋場所の3日目が行われているため現役の親方衆や力士らは、前日の通夜で最後のお別れをした。元力士ではこの日、元横綱3代目若乃花の花田虎上氏や、元関脇高見山の渡辺大五郎氏らが弔問に訪れた。

 告別式を終え出棺後、葬儀委員長として大嶽親方があいさつ。入門時に、ちょうど1年先輩の兄弟子だった友鵬さんを慕う気持ちから声を詰まらせながら読んだ。「天国で(13年1月に死去した)大鵬さんと酒でも飲んでるのか。“まさる、まだ早いぞ”と叱ってるかもしれない。でも大鵬さんと会ってるなら、それでもいい。でも残されたボクは、きつかったこと、つらかったこと、誰と話せばいいの? バカ! 友鵬! 大鵬さんと会ってんのかよ!」。おえつと絶叫が入り交じったあいさつに、すすり泣きがもれた。「友鵬さんは人を愛していた。だから人から愛され、こんなに多くの人が来てくれた。これから大鵬道場大嶽部屋を私は守っていく」と、あいさつの言葉を締めくくった。

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高安までも…右太もも肉離れ休場「プチッといった」

車いすに乗せられた高安は痛めた右足を押さえて苦悶(くもん)の表情を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇2日日◇11日◇東京・両国国技館


 荒れる秋が大荒れになった。大関高安(27=田子ノ浦)が小結玉鷲に初黒星を喫した際、右太ももを負傷した。肉離れで、関係者によると休場を決断。高安の休場は15年秋場所以来2度目になる。西前頭4枚目の宇良も平幕貴景勝に突き倒された際に右膝を痛めた。3横綱不在の中、実力と人気の屋台骨を支える2人が負傷し、相撲協会にとって弱り目にたたり目となった。三役以上の全勝は横綱日馬富士1人となった。

 まさか、高安までも-。昭和以降、初めて3横綱が初日から休場した今場所。優勝争いの期待が懸かった大関も、負の連鎖にのみ込まれた。都内の病院で右太ももの肉離れと診断された。関係者によると、やむなく休場を決断したという。

 防戦一方の相撲だった。2連敗中の玉鷲に押し出されて、左半身となって右足を俵にかけた。その粘りが負担を掛けた。土俵を割ると、初黒星に館内からはため息が上がった。だが、なかなか中に戻れず、戻っても足を引きずる姿によってすぐに、どよめきへと変わった。歩けずに付け人を呼び、車いすも求めた。「ブチッといった」「パーンと音がした」。そう漏らして右太もも内側をさすった。

 直行した診療所の帰りは、歩いて車に乗り込んだ。「そんなに悪くない。大丈夫」と弱音は吐かず、打ち出し後は8日に急逝した世話人の友鵬さんの通夜のため、東京・江東区の大嶽部屋へと向かっていた。だが、その後に向かった病院で、重傷であると診断された。電話で話した師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「やったばかりなので、明日の朝の様子を見て決めたい」と言葉を濁したが、半身で残す姿に「一番悪いくせが出た」と指摘した。

 3横綱と1大関の休場は99年春場所の若乃花、貴乃花、曙の3横綱と大関千代大海以来18年半ぶりとなる。公傷制度が廃止された04年初場所以降、最多の幕内5力士が不在で始まった今場所。そこに期待の大関までも…。荒れる秋場所は、一向に晴れる気配がない。【今村健人】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)の話 高安はどこを痛めたか(が問題)だ。玉鷲を、うまくつかまえようとしたが押し勝つぐらいの気持ちが欲しかった。ケガばかりは仕方がない。ケガをしない体作りは本人しかできない。日々の鍛錬が必要。荒れている(場所だ)が日馬富士はいい緊張感を崩さずにやってほしい。

 ◆幕内後半戦の二所ノ関審判長(元大関若嶋津)の話 自分もやったことがあるが、大きいの(筋肉)を切っていたら時間がかかる。優勝候補として一番、期待していただけに心配だ。

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八角理事長、3横綱休場「申し訳ない」奮起を願う

 大相撲秋場所は10日、東京・両国国技館で初日を迎える。白鵬、稀勢の里、鶴竜と昭和以降初めて3横綱が初日から休場することで、優勝争いは混戦模様だ。若手力士の奮闘も期待される。

 9日は国技館で土俵祭りが行われ、三役以上の力士らが15日間の安全を祈願した。横綱でただ一人出場する日馬富士は「やるべきことは変わらない。横綱が3人も休んでいることは申し訳なく思っている。私は私の相撲を取り切りたい」と決意をにじませた。

 看板力士不在の異常事態に、八角理事長(元横綱北勝海)は「申し訳ない気持ちだ。とにかくみんなでいい相撲を見せることが一番だ」と力士の奮起を願った。国技館を訪れた横綱審議委員会(横審)の北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は横綱陣の休場に「やむを得ない。難しい決断だったろう。横審としては見守りたい」との見解を示した。

土俵祭りでお払いを受ける関取衆(撮影・鈴木正人)

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白鵬「もう少し時間があったら」奇跡の回復は叶わず

白鵬の休場について説明する師匠の宮城野親方(撮影・佐々木隆史)

 3場所連続優勝を狙う大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が、秋場所(10日初日、東京・両国国技館)を休場することが決まった。取組編成会議が行われた8日朝、東京・墨田区の部屋で師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)が明かした。稀勢の里と鶴竜の両横綱も休場で、3横綱の初日からの休場は昭和以降初となる。

 宮城野親方は「左膝がどうしても治らなかった。内側の筋肉の炎症がひどい。(全治)3、4週間かかる」と説明。名古屋場所前から違和感があった左膝が悲鳴を上げていた。6日の朝稽古後に直接話した時には休場する方向だったというが、決断するまで粘った。「出たい気持ちはあって四股を踏んだりして体を鍛えていた。『もう少し時間があったら』と話していた」と奇跡的な回復を願ったがかなわなかった。

 3横綱休場に八角理事長(元横綱北勝海)は「せっかく4横綱そろう豪華な顔ぶれで満員御礼が確実なのに、相撲ファンの皆様には本当に申し訳ない」と陳謝した。本命不在の戦国場所に「日馬富士、大関陣に頑張ってもらわないといけない」とハッパを掛けた。

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若返りの白鵬39度目V、故障からはい上がった理由

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇23日◇愛知県体育館

 横綱白鵬(32=宮城野)が、2場所連続39度目の優勝を決めた。1差に迫っていた平幕碧山が勝ったため、結びの一番で横綱日馬富士に敗れれば優勝決定戦にもつれ込むところだったが、1分9秒5の長い相撲を制して賜杯を手にした。昨年名古屋場所で負傷した右足親指を手術し、翌秋場所を全休。先場所で1年ぶり優勝を果たし、今場所は13日目に通算勝利数歴代1位を達成した。その裏には「断食パワー」があった。秋場所は9月10日に東京・両国国技館で始まる。

 2場所連続の優勝インタビューで、ちゃめっ気たっぷりに答えた。「名古屋のみなさん。サン・キュー」。自身が持つ最多優勝記録を更新する39度目の優勝。「39」と書かれたうちわを持ったファンを見つけてひらめいた。「天才だね」。自画自賛するほど、気持ちは舞い上がっていた。

 勝てば無条件で優勝が決まる一番。左に動いて左上手を取り、すかさず右を差した。盤石の体勢。ただ「投げが強いからね。よく見ていた」と互いに四つに組んだまま、土俵中央で動きが止まった。先に仕掛けたのは日馬富士。強引な寄りをこらえて、体勢を入れ替えて寄り倒した。

 苦しい1年だった。昨年名古屋場所の勢戦で、右足親指を負傷して手術に追い込まれ、翌秋場所を全休。復帰した去年の九州場所は11勝止まりで、春場所は右足親指を再び痛めて途中休場した。1年間、賜杯から遠ざかったのは自身最長ブランク。悪夢のきっかけとなった名古屋で、完全復活とも言える2場所連続優勝。その裏には、昨年秋場所を全休した間に行った断食の存在があった。

 サポートしたのは、杏林予防医学研究所の山田豊文所長だ。12年から白鵬の食生活を含めたコンディショニングづくりを支えている。断食の効果を「我々が物を食べていない時に細胞が体内の不要な物を食べる。だから若返る」と説いた。山田氏の断食法は、準備期間を含め約1カ月を要する。秋場所の全休で1カ月が生まれた白鵬には、うってつけのタイミングだった。

 断食期の3日間で口にできたのは水と、酵素の働きをサポートするマグネシウム入りのドリンクのみだった。そんな断食を終えた横綱について、山田氏は「明らかに体も心も若返ってきている。普通なら晩年なのに」と驚き、白鵬自身も先場所の優勝後に「検査したら血管年齢が25歳だった」と明かしたように、肉体の復活を感じ取っていた。

 前人未到の優勝40回に王手をかけ、通算勝利数も歴代1位になった。「15日間大きなケガなく全うできた。大満足ですよ」とやり切った表情。そして「とりあえずゆっくり休みたい」。また1つ歴史に名を刻んだ大横綱。来場所に向けて、今は羽を休める。【佐々木隆史】

 八角理事長(元横綱北勝海) 決して慌てない白鵬に対し、日馬富士はしがみつくのがやっとだった。今場所の白鵬は落ち着いて気力も充実していた。勝負どころで集中力を出して勝ち方も知っている。常に先手先手を取っていた。(大台の優勝40回は)今年中にと思っているだろう。

白鵬の16年名古屋場所以降

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碧山自己最多12勝で夢つないだ、新妻もドキドキ

豪風を押し出しで破る碧山(撮影・渦原淳)

<大相撲名古屋場所>◇14日目◇22日◇愛知県体育館

 東前頭8枚目の碧山(31=春日野)が、12年夏場所旭天鵬以来の平幕優勝に夢をつないだ。幕内最年長の豪風を押し出し、自己最多の12勝目を挙げ、2敗を守った。今日23日の千秋楽で嘉風に勝ち、1敗の横綱白鵬が日馬富士に敗れれば、優勝決定戦へ。鳴戸親方(元大関琴欧洲)に次ぐ2人目のブルガリア人力士として来日。14年九州、15年初場所では関脇だった実力者が、番狂わせを狙う。

 左上手をがっちり引いて、碧山が前に出た。豪風を191センチ、195キロの巨体で抱え込み、体を預けて押し出した。「よかった。膝をしっかり曲げて、前に出られたし」。幕内35場所目で初の12勝を挙げ、優勝争いに残った。「久しぶりに緊張した」。たどたどしい日本語に実感がこもる。

 8年前のデビューから将来を嘱望されながら、左膝、腰などの負傷で伸び悩んだ。今場所の快進撃は地道な稽古のおかげだ。場所中の朝稽古でも栃煌山、栃ノ心と関取3人で相撲を取る。ただ当初は1人約10番とっていたが、前日は6番、この日は4番。内容も1勝3敗と圧倒された。夜7時間、昼2時間も寝ているが、疲れはピーク。この日の取組後は「早く布団に入りたい」とこぼした。

 それでも、まだ頑張れる。今年2月に挙式した同郷のビオレタ夫人が東京の自宅で祈っている。物言いの末に白星を手にした前日の夜は、テレビ電話で「ドキドキした」とこぼされた。「1人で待っているからね。ドキドキして倒れられたら、大変だよ」。元気な相撲で安心させたい。

 東前頭8枚目とあって、三役以上と1度も当たらず、星を重ねた。「10日目ぐらいに横綱戦を組まれるんじゃないかと思ったけどね。関脇経験者に失礼だけど、凡人にはそういうの(運)も必要」と春日野親方(元関脇栃乃和歌)。八角理事長は「碧山がいなかったら大変だったよ」と2横綱1大関が休場した場所の“立役者”に感謝する。

 千秋楽に白鵬が勝てば優勝は消滅するが、やるしかない。12年2月に急逝したかつての師匠、先代田子ノ浦親方(元前頭久島海)が「白鵬に勝てる力士に育てたい」とほれた逸材ももう31歳。「とりあえず明日の一番に集中して、勝ったらいいな…」。最後の力を振り絞る。【加藤裕一】

 ◆碧山亘右(あおいやま・こうすけ)本名ダニエル・イバノフ。1986年6月19日、ブルガリア生まれ。レスリングに打ち込みながら、クラブの用心棒などをしていたが、鳴戸親方(元大関琴欧洲)に次ぐ史上2人目のブルガリア人力士として田子ノ浦部屋入門。09年7月初土俵。11年九州場所で新入幕。最高位は関脇。12年2月の先代田子ノ浦親方(元幕内久島海)の死去に伴い、同年春場所から春日野部屋へ。家族はビオレタ夫人。191センチ、195キロ。

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白鵬万全星「いつもと一緒」39度目Vへ抜かりなし

豪栄道をはたき込みで破る白鵬(撮影・渦原淳)

<大相撲名古屋場所>◇14日目◇22日◇愛知県体育館

 通算勝利数歴代1位になった翌日も、横綱白鵬は集中力を切らさなかった。「かち上げから起こしていく。1つのそういう作戦」。立ち合いで左右に動く場面が目立っているが、この日は得意の右のかち上げで攻めて豪栄道が頭を下げたタイミングではたき込んだ。「いつもと一緒と自分に言い聞かせた。達成感、満足感というのがあった気がする」。冷静さを忘れなかった。

 逆算がうまく出来ている。ここ数場所は、場所前に調子を上げすぎ、場所後半でバテる場面が目立った。しかし、今場所は場所前の稽古をあえて抑えた。これまでの場所中の朝稽古ではやらなかった、重りを使ったすり足やスクワットを場所中に行っている。「体がここにきて反応している」と効果を実感。今日勝てば決まる2場所連続39度目の優勝へ向けて抜かりはない。

 幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 白鵬が負けることは想像できない。後半戦はいつも対戦している相手でデータも入ってやりやすいだろうし集中力もある。

 八角理事長(元横綱北勝海)の話 白鵬は(最多勝利)記録より優勝に比重を置いていると思うが優勝争いの後半戦に記録(のかかった相撲)があり、集中力も切れなかった。後半戦は対戦経験豊富な相手で自信を持っている。優勝決定戦になっても経験が生きるだろう。

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白鵬1048勝も通過点、次に狙うは最長横綱在位

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 横綱白鵬(32=宮城野)が、新大関高安を押し倒しで下し、元大関魁皇(現浅香山親方)を抜いて単独史上1位となる通算1048勝目を挙げた。序ノ口デビューから16年余り、所要97場所で新記録を樹立した。数々の記録を塗り替えた大横綱は次の目標に幕内1000勝と北の湖が歴代1位の横綱在位63場所を掲げた。今日14日目の大関豪栄道戦に勝ち、1差で迫っている碧山が敗れれば、2場所連続39度目の優勝が決まる。

 支度部屋に戻って来た白鵬を付け人らが特製のシャツとステテコを着て待ちかまえた。場所前に作っていた特注品。深緑色の生地で背中には「最多勝利1048勝達成」と濃いオレンジで書かれていた。「横綱おめでとうございます」と言われ、表情が緩む。「こんなのいつのまに。みんなのおかげだね。よく隠し通したね。あとで叱らないとな」。満面の笑みがはじけた。

 歴史に残る白星へ、今場所初めて右に動いた立ち合い。「今日は離れた勝負になると思った」と四つに組まず、のど輪で攻め立てた。何度も食い下がる高安を先手先手で攻め立てて、最後は右のおっつけで押し倒した。通算勝利単独1位の達成に「いい相撲だった。喜びは昨日より倍増したかな」。千代の富士と魁皇に並んだ時は「並んだときの方がうれしいね」と話していたが、だれも到達していない領域に踏み込んだ喜びはなお格別だった。

 入念な体作りが実を結んだ。名古屋入り前に、滋賀・長浜で3泊4日の合宿を行った。稽古場で汗を流すのは2時間程度だが、それとは別に稽古をしていた。住宅街にある宿舎近くの小さな公園で約1時間、四股を踏むなど体を動かした。近所の住民は「毎日やってますよ」と驚いていた。「場所前に体いじめてましたから」。数々の記録を打ち立てても、おごることなく、精進を続けてきたからこそ、今がある。

 次の目標も明確だ。支度部屋では「今日はとりあえずおとなしくしたい」と冗談交じりで答えた。だが、魁皇に並んで迎えたこの日の朝稽古で、はっきりと口にした。「ふと思ったのは幕内1000勝と北の湖さんの63場所」。1000勝まではあと46勝。歴代1位の北の湖にはあと3場所で並ぶ。2場所連続優勝も目前に迫る。白鵬の挑戦はまだまだ終わらない。【佐々木隆史】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 誰も勝ったことのない数字。立派です。白鵬はこれ(記録)を目標にやってきたと思う。この記録は通過点。残り2日も気持ちを切らさないでほしい。今日の相撲でも、離れても自分の方から動いて攻めていた。安定している。

「最多勝利1048勝達成」と書かれたシャツを着る付け人たち(撮影・小沢裕)
横綱長期在位5傑

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八角理事長「上の数字ない中で勝っていくのが白鵬」

「白鵬メーター」に貼る「7」を手に笑顔を見せる白鵬(撮影・渦原淳)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が関脇玉鷲を寄り切り、通算勝利歴代1位となる魁皇の1047勝に並んだ。01年春場所の初土俵から、魁皇より42場所早く達成。

 八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 白鵬には「これで決める」という気迫があったと思う。並大抵の努力では出来ない。体調管理も素晴らしく、努力する性格、プレッシャーに負けない強さ、稽古の積み重ね。どれが欠けてもできない。(頂点に立ち)この上(の数字)がない中で勝っていくのはつらいだろうが、白鵬ならやってくれる。今日の気迫を見るとまだ続くと思う。

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宇良勝ち越し黄信号、八角親方「上位にいてほしい」

宇良(下)は逸ノ城に寄り倒しで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 宇良は、巨漢逸ノ城に押しつぶされるように、寄り倒しで敗れた。

 2日前の高安戦で痛めた右膝に、前日はしなかったテーピングを施していた。相撲への影響を問われて「ないです」というが…。残り3日で6勝6敗となり、勝ち越しに黄信号がともった。2横綱2大関ら上位陣との奮闘で連日館内を沸かせる小兵力士に、八角理事長は「宇良とか(番付)上位にいてほしいな」と話した。

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八角理事長「体調管理、維持…素晴らしい」白鵬絶賛

八角理事長(2017年1月27日撮影)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 横綱白鵬(32=宮城野)が通算勝利数で魁皇(元大関魁皇=現浅香山親方)が持つ史上最多の1047勝に並んだ。

 役員室で白鵬の一番をテレビで見届けた八角理事長(元横綱北勝海)は「これで決める、という気迫があったんじゃないか」と張り手で攻めた白鵬の執念を察した。

 「ここまで来るには、並大抵の努力ではできない」とし、白星を積み重ねた要因として、まず体調面を挙げた。「太りすぎていないし、ケガも少ない。体調管理、維持するのが素晴らしい。立派だ」と称賛。また「四股とか基本動作を大切にしている」と稽古に裏付けされた体の柔らかさなどに加え「努力する性格、プレッシャーに負けない気持ちの強さも」と心技体の充実も高く評した。

 30歳6カ月で現役引退した元大関若嶋津で審判部長の二所ノ関親方(60)はこの一番を、正面土俵下の審判長として見届けた。「気合が入ってたね。顔に(張り手が)入ったからね」と白鵬の気迫に驚いた様子。通算515勝で現役を退いた同親方は、白鵬の記録について「すごいね。オレなんかには考えられない。オレなんか29歳ぐらいで(体に張りがなく)しぼんじゃったけど、白鵬は32歳でまだ張っている。内臓も強いんじゃないかな」と肉体的な若さを記録達成の要因と推測。今後については「大横綱だから(今後)続けて負けるようになったら引退しかないけど、まだまだじゃない?」と太鼓判を押した。

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御嶽海が白鵬止め座布団ひらひら、浅田真央さん驚愕

<大相撲名古屋場所>◇11日目◇19日◇愛知県体育館

 新関脇御嶽海(24=出羽海)が、大記録目前の横綱白鵬を止めた。右上手を離さずに、寄り切り。今場所2人目の横綱撃破で、勝ち越しを決めた。初黒星の白鵬は、元大関魁皇と並ぶ歴代最多の通算1047勝が持ち越しとなった。

 頭上を飛び交う無数の座布団に、御嶽海は酔いしれた。「久々だなぁ」。大記録達成の瞬間を待ち望む空気が一変。押し相撲の力士が白鵬を寄り切った。まさに番狂わせ。観客は狂喜乱舞した。その表れの座布団に「今までで一番多く舞ったんじゃないですか」。そう、それだけのことをしてみせた。「いや~、うれしい。今までで一番うれしい」と何度も顔が緩んだ。

 初めて対戦した1年前の名古屋場所の経験が生きた。当時は左ほおを張られて、予想と違う左四つで一気に寄り切られた。

 今回もまた右張り手が飛んできて左四つになった。「自分の右に変化すれば右を差して持っていこうと思っていた。でも、張られた瞬間、状況が全部変わった」。一瞬の戸惑い。だが、瞬時に1年前が頭をよぎった。同じ-。ためらわずに右上手を握った。「止まらずに出ないと勝てない」。

 体が動いた。出し投げを打って体が入れ替わると、ひたむきに前へ出た。外掛けを食らおうとも、命綱の上手は離さなかった。4横綱の中で1人、土俵上での勝ちがなかった白鵬を倒して勝ち越した。「また1つ自信になった」と喜んだ。

 歴代最多の1047勝に挑まれた。その意識は実は「全然なかった」。だから心が冷静だった。「横綱の緊張が伝わってきました。オーラや感覚で。毎場所やっているから分かる。思い込みかもしれないけど」。

 朝、白鵬の存在についてこうも話していた。「人気が落ちたときも上がってきたときも、1人で相撲界を支えてきた。(その意味で)ほぼ日本人です。だからこそ何が何でも勝つという姿勢を見せる。そこは見習いたい。いい相撲でも勝たないと意味がないんです」。その横綱の強さの源と見た「気持ち」で上回った。

 「ちょっとでも記憶に残ればいいですね」。大記録を、すぐには決めさせなかった男。御嶽海は、後世にそう残る。【今村健人】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)の話 白鵬は左を差して少し安心したのか。(記録への影響は)楽しみが先延ばしになった、ぐらいの気持ちだろう。御嶽海は、出し投げ気味に投げてうまく回り込んだが、あの展開は本人も思ってもみなかっただろう。優勝争いという意味では大殊勲だ。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 御嶽海は今までの対戦を踏まえてうまく考えて取った。立ち合いの変化はやめて前に出る相撲を続ければ、関脇以上が見えてくる。白鵬は、記録への意識はあまりないのではないか。意識するとすれば優勝の方でしょう。

懸賞金の束を手にガッツポーズする御嶽海(撮影・小沢裕)

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