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貴ノ岩サイド無言に「先見えない」最終報告が延期も

貴乃花部屋のチャイムを鳴らす鏡山危機管理部長(17年12月09日撮影)


 元横綱日馬富士関の暴行問題で、日本相撲協会は被害に遭った平幕貴ノ岩サイドに、危機管理委による事情聴取の協力を要請しているが、12日は返答がなかった。八角理事長(元横綱北勝海)が、都内の協会で業務を終えて引き揚げる際に「今のところ協力するというの(連絡)は、もらっていません」と明かした。

 秋巡業中の10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で起きた暴行は、前日11日に鳥取県警が傷害容疑で元日馬富士関を書類送検し、1つの区切りを迎えた。これまで貴ノ岩は、協会の危機管理委の事情聴取に応じていなかったが、師匠の貴乃花親方(元横綱)からは、捜査終了後に協力するとの回答を得ていた。すでに前日中に、危機管理委の鏡山部長(元関脇多賀竜)が貴乃花部屋を訪れ、あらためて事情聴取への協力を要請していた。だがこの日、協会執行部が引き揚げるまでの“業務時間内”に、貴乃花親方、貴ノ岩から何も連絡がなかったという。

 鏡山部長は「なかなか先が見えない」と話した。当初は20日の横綱審議委員会と臨時理事会で行う予定だった危機管理委による最終報告が、延期となる可能性があることをほのめかしていた。

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貴乃花親方の動向カギ…捜査終了で“協力”応じるか

外出する貴乃花親方(撮影・山崎安昭)


 大相撲の元横綱日馬富士関(33)が11日、鳥取県警に書類送検された。秋巡業中の10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で、平幕貴ノ岩(27)を素手やカラオケのリモコンで殴った傷害容疑。起訴を求める「厳重注意処分」の意見を付けたとみられ、鳥取地検は年内にも略式起訴する方向で検討に入った。日本相撲協会は力士や親方ら全協会員を対象に、再発防止に向けた研修会を21日に東京・両国国技館で行うと発表。今後はこれまで協会の調査に非協力的だった、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(45=元横綱)の動向が注目される。

 元日馬富士関の書類送検判明から約2時間後、相撲協会危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)は貴乃花部屋前にいた。先週は3度出向き、この日は「貴乃花理事」と宛名を手書きした、これまでよりも大きな封筒を持参。チャイムを押すとインターホン越しに女性の部屋関係者から「ファクスでもよろしいのに」「次回からファクスをお使いくださいませ」と返答され、4度目も貴乃花親方への対面はかなわなかった。

 封筒には全容解明を目指す危機管理委による、貴ノ岩への事情聴取の協力を要請する文書などが入っていた。11月30日の理事会で貴乃花親方は、県警の捜査終了後は聴取に応じると約束していた。その確認もあって出向いたが空振りどころか、訪問から約2時間後、部屋から貴乃花親方が出てきた。“門前払い”された格好となってしまった。

 それでも協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「粘り強くお願いしていくしかない。被害者側なのだから」と冷静に話した。同時に21日には「暴力問題の再発防止について」と題し、全協会員を集めて研修会を行うと発表。それに先立ち、20日には臨時理事会で危機管理委の最終報告を行う予定だったがこの日、八角理事長は「こればかりは分からないね。話を聞けないと」と、一方的に文書を送るばかりでトーンダウン。ずれ込む可能性を否定しなかった。

 捜査関係者によると元日馬富士関の暴行は、平手やカラオケのリモコンでの殴打と認定した。「ゴーン」という大きな音が鳴り、手から滑り落ちて床に転がったシャンパンボトルで殴ったと勘違いし、うわさが広まった可能性があるとした。地検は貴ノ岩の処罰感情や負傷程度、引退による社会的制裁などを考慮し、慎重に判断するもよう。ただ、正式な裁判を求める起訴ではなく、罰金を簡裁に求刑する流れになりそうだ。

 危機管理委はこの書類送検をもって「捜査終了」と認識。だが貴乃花親方は略式起訴などまでと考えている可能性もある。八角理事長は「協会員だから守らないといけない」と、貴ノ岩が聴取を受けやすい環境を整える構え。貴乃花親方がそれに応じるかどうかが、今後の動向のカギを握る。

暴行問題の経過

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伊勢ケ浜親方は困惑 いまだ貴乃花親方と連絡取れず

伊勢ケ浜部屋へ戻った伊勢ケ浜親方は、テレビリポーターの呼びかけに無言


 大相撲の元横綱日馬富士関(33)が11日、鳥取県警に書類送検された。秋巡業中の10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で、平幕貴ノ岩(27)を素手やカラオケのリモコンで殴った傷害容疑。起訴を求める「厳重注意処分」の意見を付けたとみられ、鳥取地検は年内にも略式起訴する方向で検討に入った。

 元横綱日馬富士関の書類送検を受けて、師匠だった伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は国技館で八角理事長に事情を報告した。約20分間の訪問の後に取材に応じた親方は「報告しました。送検されているのでキチンとしないと」と説明。元横綱とは「常にコミュニケーションは取れている」と話したが、改めて謝罪を行うかについては「向こう(貴乃花親方)と連絡が取れていない」と険しかった。

暴行問題の経過

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日本相撲協会、暴力問題再発防止の研修会を実施へ

両国国技館を後にする八角理事長(撮影・横山健太)


 元横綱日馬富士関(33)が傷害容疑で鳥取県警から書類送検されたことを受けて、日本相撲協会は11日、親方や力士ら全協会員を対象に「暴力問題の再発防止について」と題した研修会を実施すると発表した。同協会の危機管理委員会が最終報告を予定している臨時理事会翌日の21日に、東京・両国国技館で行う。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「毎年やっているけれども、こういうことは何回も何回も。同じことかもしれないけど、繰り返していかなきゃいけないと、ずっと思っているけど、あらためてそう思う」と、力説した。暴行を受けた平幕貴ノ岩が、問題発覚以降、これまでいっこうに姿を見せていないことには「具合が悪いとは師匠(貴乃花親方=元横綱)から聞いているけれど、どのぐらい悪いのか、やっぱり心配ですよね」と話した。

 今後は貴乃花親方に、危機管理委による貴ノ岩への事情聴取への協力を要請することになる。八角理事長は「1番は(貴ノ岩が)体調を整えること。協会員だから守らないといけない。(事情聴取に)答えられる状況をつくっていかないと」と、心身ともに万全の状態で全容解明を目指す危機管理委の事情聴取に応じられる環境を整える構えだ。

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相撲協会が読売テレビに抗議文 ミヤネ屋放送内容で

元横綱日馬富士


 日本相撲協会は11日、読売テレビに抗議文を送付したと発表した。抗議文は、同局が元横綱日馬富士関による平幕貴ノ岩への暴行問題に関して取り上げた、1日の報道・情報番組「情報ライブ ミヤネ屋」で放送された内容に対するもの。

 番組では貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(元横綱)が、事前に八角理事長(元横綱北勝海)に報告してから、鳥取県警に被害届を提出したように報じられたが、抗議文では全面的に否定。「裏付け取材も満足に行われていない根拠不明の伝聞証言に基づいて構成された番組の内容は、放送法の『公平中立』の趣旨に著しく反し、公共の電波に乗せて放送する価値のないものと断じざるを得ません」と記した。

 この件について、同協会は速やかな謝罪と訂正を求めている。また、誠意ある回答がない場合、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審議を求める申し立ての用意があることも併せて記していた。

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「報道に値しない」相撲協会がフジテレビに抗議文

フジテレビ


 日本相撲協会は9日、名誉毀損(きそん)、信用毀損でフジテレビに抗議文を送ったと発表した。抗議文は、同局が元横綱日馬富士関による平幕貴ノ岩への暴行問題に関して取り上げた、6日の報道・情報番組「直撃LIVE グッディ!」で放送された内容に対するもの。代理人の弁護士名で「全くの事実無根の内容」「非常に短絡的」「キャスターらの強引な番組進行」「放送法の『公平中立』の趣旨に反した、およそ報道の名に値しないもの」などと激しく抗議する内容の文書を送付したという。

 抗議文によると、番組内で貴乃花親方(元横綱)の支援者を名乗る匿名男性が、同親方から「完璧にだまされた」との話を聞いていたというインタビューが放送された。この証言について、抗議文では「番組では、支援者と名乗る者の何ら根拠のない推測に便乗し、フィールドキャスターが『ほぼ、これ、核心じゃないかと思って、お伝えします』と話し、メインキャスターも『事前にやっぱり、貴乃花親方に対して、約束していたということなんですかね』などと結論ありきの発言に終始しています」と説明。さらに「当事者である当協会及び貴乃花理事に確認するなどの裏付け取材を十分に行った上で、その取材結果についても放送するのが当然であるところ、番組でそのような裏付け取材を行った形跡は全く見られません」と続けた。

 抗議文では、一連の内容について貴乃花親方に確認したことを明かしており、同親方から「いずれも心当たりはございません」などと、根拠のない話との回答を得ていることも明記してた。さらに相撲協会は5日に「お願い」と題し、暴行問題について貴乃花親方が八角理事長(元横綱北勝海)に対して、事前に連絡しているといった一部報道は誤りであり、そのような報道を控えてほしいと発表していた。その翌日の放送だけに、抗議文には「その態様は極めて悪質で、背信的とさえ言える」と記されていた。

 今回の放送内容について、同協会は速やかな謝罪と訂正を求めている。また、誠意ある回答がない場合、放送倫理・番組向上機構(BPO)に審議を求める申し立ての用意があることも併せて記していた。

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協会やきもき、貴ノ岩の診断書まだ提出されず

貴乃花親方(17年12月5日撮影)


 冬巡業を休場している貴ノ岩の診断書は、6日も提出されなかった。

 前日に文書で要請した鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)は「届いていない」と話した。八角理事長(元横綱北勝海)は「(師匠の貴乃花親方が)部屋にいると言っていた。師匠によると、相当具合が悪いと。貴ノ岩の体調が一番心配。元気でいてくれればいいけど。一番の被害者でかわいそうなんだから」と気遣っていた。

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貴乃花親方と協会40分すれ違い…やむなく書面投函

外出先から戻り、無言のまま部屋に入る貴乃花親方(撮影・浅見桂子)


 元横綱日馬富士関(33)による暴行問題を調査している、日本相撲協会危機管理委員会の鏡山部長(59=元関脇多賀竜)が5日、都内の貴乃花部屋を訪れた。暴行を受けた平幕貴ノ岩(27)が冬巡業を休場中のため、診断書の提出を促す文書を持参。師匠の貴乃花親方(45=元横綱)に届けるつもりだったが不在で、文書を預けて引き揚げた。一両日中にも元日馬富士関は鳥取県警に書類送検される見込みで、その後は危機管理委の事情聴取に貴ノ岩が応じる予定。無言の被害者周辺に徐々に動きが出始めた。

 鏡山部長が、立田山親方(元前頭薩洲洋)とともに貴乃花部屋を訪れたのは、午後2時28分だった。立田山親方が3度チャイムを押しても応答なし。仕方なく鏡山部長は、手にしていた封筒をポストに入れて引き揚げた。するとその後、部屋の中から関係者の女性が出てきて追いかけ、すでに車に乗り込んでいた2人に声を掛けた。鏡山部長は、その女性に向かって「貴乃花親方とは書面でやりとりしているので、それをお持ちしました」と説明した。

 書面は、貴ノ岩の診断書を速やかに提出するよう促すものだった。現在は冬巡業の最中で、貴ノ岩はこれを欠場している。原則として十両と幕内力士は巡業に参加。だが巡業部長代理としてこの日、福岡・朝倉市を慰問した春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「貴ノ岩の診断書はまだ出ていない」と、本来は休場に必要な手続きが、巡業休場の力士の中で唯一、完了していないことを明かした。

 危機管理委から貴乃花親方に電話も通じず、この日の訪問となった。鏡山部長は「(同親方から連絡は)何でも書面でと言われている。そういうものに応えるのが相撲道じゃないのか。ルールなんだから」と困惑した様子だった。

 だが訪問から40分後の午後3時8分には、貴乃花親方は部屋に戻った。そんな行き違いが多いだけに、診断書の提出は危機管理委にとっては、貴ノ岩への事情聴取に向けた準備にもなる。現時点での症状を把握でき、20日に定める最終報告に向けて素早く対応可能。元日馬富士関は一両日中にも書類送検の見通しでその後、貴乃花親方は危機管理委に協力すると約束している。

 また相撲協会はこの日、報道各社に向け「お願い」と題し、異例の発表を行った。内容は、高野山別格本山清浄心院の池口恵観氏の話として「貴乃花親方が八角理事長に対して、事前に連絡している」といった一部報道は誤りであるというもの。いまだ無言の、被害者サイドの情報の混乱を避ける動きも出てきている。

貴乃花部屋を訪れ、封筒を投函(とうかん)する鏡山危機管理部長(撮影・鈴木正人)

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相撲協会、池口恵観氏からの情報で誤り指摘

池口恵観法主(2017年1月11日撮影)


 日本相撲協会は5日、一部メディアの報道内容が誤りであるとの指摘を文書で発表した。

 元横綱日馬富士関が平幕の貴ノ岩を暴行した問題において、「先日来、各メディアで様々な報道がなされておりますが、明確な誤り等も散見されます」と切り出し「それらにつきまして、対処が必要と判断される報道につきましては、個別にご連絡申し上げたいと思っておりますが、特にここ数日、池口恵観氏本人や池口氏の伝聞、あるいは『確かな筋』といった情報源からの情報として、『貴乃花親方が八角理事長に対して、事前に連絡している』といった趣旨の報道がなされておりますが、これは、完全に事実とは異なることをご指摘させていただきます」とした。

 池口氏は貴乃花親方(元横綱)の支援者で、テレビの情報番組などに出演し、この問題についてコメントしている。

 協会はさらに「今回の日馬富士の暴行問題につきまして、貴乃花親方から事前に、理事長および協会執行部、事務方に対し、報告・連絡・相談した事実は一切ありませんので、お知らせいたします。事実に関しましては、11月30日危機管理委員会より報告されたとおりでございます。報道各社におかれましては、くれぐれも正確な報道をしていただけますよう、重ねてお願い申し上げます」と続けた。

 日本相撲協会が、報道内容について個別に指摘するのは異例。急いで「誤報」を正す必要性があったともみられる。

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白鵬「ああだこうだ言うつもりはない」報道陣へ宣言

花道での稽古中に観客から写真を撮られる白鵬


 冬巡業が4日、長崎・五島市で行われ、横綱白鵬(32=宮城野)が、暴行問題の責任を取って引退した元日馬富士関について「本人にどういう言葉をかければいいか見つからない。難しい」と神妙な面持ちで語った。元日馬富士関が11月29日に引退後、初めて胸中を明かした。

 自身も、九州場所での異例の抗議や千秋楽での万歳三唱について、八角理事長(元横綱北勝海)から厳重注意を受けたこともあり、口を閉ざしていた。報道陣に「巡業始まってるので」と切り出し「時間をおいてから本人に直接伝えられればいい。今はみなさんを通してああだこうだ言うつもりはない」と宣言した。

 暴行問題がありながら、大勢のファンが訪れたことには「近い距離で自分のお気に入りの力士と、握手やサインをしてもらったりして楽しんでもらえれば」と穏やかな表情で話した。

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拒否された貴乃花親方「特にありません」冬巡業不在

大相撲理事会で貴乃花親方(奥列左)と八角理事長(手前)は向き合う形で座っていた(撮影・小沢裕)


 大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が、巡業部長でありながら冬巡業に同行しないことが決まった。日本相撲協会は11月30日、東京・両国国技館で定例理事会を開き、同親方は暴行問題への対応のため、12月3日から始まる冬巡業に参加しないと発表。暴行を受けた弟子の平幕貴ノ岩(27)への危機管理委員会の聴取については、鳥取県警の捜査終了後に応じる意向を示した。12月20日の臨時の横綱審議委員会と理事会で、危機管理委の最終報告と、同親方ら関係者への処分が決まる。

 3時間半近くにも及ぶ理事会後、冬巡業での巡業部長不在が発表された。2日後には最初の巡業先となる長崎・大村市入りが迫る、直前での異例の措置だった。

 これに対して貴乃花親方から反論などは「特にありません」(八角理事長=元横綱北勝海)と、すんなり受け入れたという。暴力問題ではこれまで、被害を受けた貴ノ岩への危機管理委の聴取を拒否。理事会では各理事、監事が意見を述べる場で、ほとんどの出席者から「協力したらどうですか」と求められたという。

 その末に、鳥取県警の捜査終了後であれば応じるとの約束を取り付けた。八角理事長は「問題について対応があるし、今回は休んでもらうことになった」と説明。尾車事業部長(元大関琴風)も「今のこの騒動の中で、多くのマスコミの方も押しかけるでしょうから本来、巡業を見に来ているお客様や土俵がそっちのけになってはいけないと思って」と、春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)に変更した理由を明かした。

 実は力士から要望もあった。八角理事長が11月28日に、福岡市内で暴力問題再発防止について行った講話の最後に、貴乃花親方を巡業部長から外してほしいと横綱白鵬から要望が出た。同親方が同行するなら、巡業に参加できないなどと発言。一力士としては行きすぎた言動でもあり、理事長はこの日「そういうことは力士会で決めて(協会の)経営協議会で諮ることがルールになっている。そこに持ってきてくれと話した」と説明。発言の主が白鵬だったかは否定も肯定もしなかったが、力士から不満が漏れていたことを認めた。

 危機管理委員長の高野理事は会見で、これまで聴取に協力しない貴乃花親方の姿勢に「ただちに処分するかどうかということは考えておりませんが、きちんと協力していただくことに理事としての責務があるのではないかと私は思っております」と、何かしらのペナルティーがあってもおかしくないと私見を述べた。

 12月中にも元日馬富士関が書類送検される可能性があり、危機管理委はそれをもって捜査終了と判断するという。12月20日の臨時理事会で元日馬富士関の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)や暴行が行われた現場に居合わせた力士らとともに、問題の関係者への最終的な処分が決まる。

理事会出席者と席順

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暴行の引き金は「白鵬の貴ノ岩への説教」と中間報告

謝罪する左から春日野理事、鏡山理事、八角理事長、尾車理事、高野理事(撮影・小沢裕)


 横綱白鵬(32=宮城野)が11月30日、東京・両国国技館で行われた日本相撲協会の理事会に師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)とともに呼び出され、九州場所千秋楽の優勝インタビューでの発言や、観客に万歳三唱を促した行為について厳重注意を受けた。理事会に現役力士が呼び出されるのは極めて異例。最近では11年の八百長問題で、力士が大量に呼び出された例がある。

 この日午前、白鵬は滞在先の福岡から東京へ航空機で降り立った。午後1時半に国技館に着き、そのまま自身の車の中にいた。呼び出されるまで時を待った。

 問題視されたのは、千秋楽の優勝インタビューだった。「場所後に真実を話し、うみを出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいなと思います」と“勝手”に宣言。さらに観客を巻き込み万歳三唱を促した。

 この時点では暴行問題は調査の段階で、事態の究明も道半ば。あきらかに先走りだった。さらに、白鵬自身が酒席に参加しており、危機管理委員会の中間報告では貴ノ岩に対する白鵬の「説教」が、日馬富士の暴行の引き金として記されている。はた目には“自分勝手”と映るのも無理はなく、厳しい声が上がった。

 約3時間半の理事会の最後に呼び出した八角理事長は「横綱の品格に関わる言動で、今後は慎むようにと私から厳重注意をしました。(11日目の)嘉風戦の物言い(待った)についても、横綱の品格を損なわないようにと理事会から厳重注意をしました」とし「宮城野親方と白鵬は謝罪していました」と説明した。

 日馬富士の暴行問題でその場に同席していた力士への処分について、高野利雄危機管理委員長は「今、そのようにはこの時点では考えておりません」とした。

 午後4時19分に車で後にした白鵬はその際、報道陣と接触せず。口を開くこともなく、再び福岡へ戻った。

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白鵬に厳重注意「横綱の品格にかかわる」八角理事長

大相撲の定例理事会後に厳しい表情で会見に臨む八角理事長(撮影・小沢裕)


 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で理事会を開き、横綱白鵬(32=宮城野)と師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)を呼び出して、厳重注意を与えた。現役力士が理事会に呼び出されるのは極めて異例だった。

 対象となったのは、九州場所千秋楽の優勝インタビューでの言動。白鵬は「土俵の横で誓います。場所後に真実を話し、うみを出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再び、この土俵に上げてあげたいなと思います」と話し、さらに観客に万歳三唱を促した。

 この件について、八角理事長(元横綱北勝海)は「横綱の品格にかかわる言動で今後は慎むようにと、私から厳重注意をしました」と説明した。また、11日目の嘉風戦で待ったをつけて約1分間、土俵に上がらなかったことについても「横綱の品格を損なわないようにと理事会から厳重注意をしました」と話した。その際「宮城野親方と白鵬は謝罪していました」とも明かした。

 白鵬は報道陣とは接触することなく、国技館を後にした。

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貴乃花巡業部長は冬巡業同行せず「親方も納得」

大相撲の定例理事会後に厳しい表情で会見に臨む八角理事長(撮影・小沢裕)


 日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で理事会を開き、横綱日馬富士の暴行問題に関連して、12月3日の長崎・大村市から始まる冬巡業に、貴乃花巡業部長(元横綱)が同行せず、春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)が代わりを務めることを発表した。

 尾車事業部長(元大関琴風)は「巡業部長の貴乃花親方には本件への対応もありますし、巡業の勧進元の方々や地元のファンの皆さまのことも配慮し、春日野広報部長に担当してもらうことになりました」「今のこの騒動の中で、多くのマスコミの方もおしかけるでしょうから、本来、巡業を見に来ているお客様や土俵がそっちのけになってはいけないと思いまして、春日野広報部長にいってもらうことになりました。貴乃花親方もそれに関しては納得しておりました」と説明した。

 八角理事長(元横綱北勝海)も「まだこの問題について対応がありますので、そのこともあって、今回は休んでもらうことになりました」と話した。

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八角理事長「本当に断腸の思い」日馬富士の引退

日馬富士の引退を受けて、取材に応じる八角理事長(撮影・今村健人)


 横綱日馬富士の引退を受けて、東京・両国国技館で取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「9月場所でも、3横綱が休場の中、1人で頑張ったことを思えば、本当に断腸の思いです」と話した。

 直前に出したコメントでは「日馬富士は肉体と精神の力を振り絞って、長年にわたり土俵を務めてくれました。このような形で土俵を去ることは、日本相撲協会としても大変な損失であり、非常に残念です。しかし、どのような理由があろうとも、暴力を肯定することはできません。今後も事実の解明に向け、全力を挙げる所存です」と述べていた。

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豪栄道明かした、理事長講話は暴力問題に一切触れず

八角理事長の講話に参加した、左から横綱の稀勢の里、鶴竜、白鵬ら幕内、十両力士(撮影・菊川光一)


 日本相撲協会の八角理事長(54=元横綱北勝海)が福岡市内で十両以上の力士約60人を集め、暴力問題に関する講話を行い、力士への謝罪を含めて約15分で終了した。

 大関豪栄道が、力士代表として講話の内容を説明した。暴力問題の再発防止や、弟子らへの指導についての話があったが、暴行問題の経緯、内容などの説明はなかったという。「1人1人が責任ある行動をとるようにしてくださいと言われた。帰って部屋の若い衆にも伝えていきたいです」と話した。

豪栄道(2017年11月16日撮影)

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八角理事長お詫びに鈴木大地長官「国民を裏切った」

鈴木スポーツ庁長官(右)に頭を下げる八角理事長(中央)。左は広岡理事補佐(撮影・井上学)


 日本相撲協会の八角理事長(54=元横綱北勝海)は28日、謝罪に追われた。午前は都内のスポーツ庁で鈴木大地長官と対面し「お騒がせして申し訳ありません。暴力は決して許されない」と頭を下げた。鈴木長官からは「大変残念。国民の期待を裏切ったということ。重く受け止めていただきたい」と厳しく声をかけられた。

 午後は福岡へ移動。「暴力問題の再発防止について」と題し約15分の講話を行った。日馬富士と貴ノ岩は不在だったが、約60人の力士の前で「大変申し訳なく思っています」と謝罪した。

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白鵬7時間半聴取後、女性から「おめでとう」に笑み

鳥取県警の事情聴取後、報道陣に囲まれる横綱白鵬(撮影・菊川光一)


 暴行問題の現場にいた横綱白鵬(32=宮城野)は28日、福岡市内のホテルで鳥取県警から参考人として聴取を受けた。聴取は約7時間半にも及び「知っていることを全て伝えた」と語った。

 鳥取県警によるホテル内での参考人聴取を終え、白鵬は報道陣ら約100人の前に姿を見せた。「自分の知っているものを全て伝えました。後は(日本相撲)協会と警察の皆様に全てお任せしたいと思います」と話した。一般人女性から「(優勝)おめでとう」と声を掛けられると、笑みを浮かべ、乗用車で八角理事長による講話の会場に向かった。

 白鵬は同じく暴行現場に同席していた横綱鶴竜、関脇照ノ富士らに続く聴取で、午前9時過ぎからスタート。正確を期するため、モンゴル語の通訳を介して行われた模様で、捜査関係者によると「ビール瓶ではなく、カラオケのリモコンで殴っていた。自分が制止した」など、日馬富士とほぼ同じ説明をしたという。ホテルを出たのは午後4時半。聴取は日馬富士が約8時間だったが、白鵬も約7時間半にも及んだ。

 白鵬は九州場所千秋楽の26日に土俵上のインタビューで「場所後に真実を話し、うみを出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再びこの土俵に上げてあげたいと思います」と訴えた。今日29日には協会の危機管理委員会による聴取を受ける。

日馬富士の全成績
12年10月、日馬富士(左)が横綱昇進後、白鵬と初めて綱を締めて並ぶ

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八角理事長、暴力問題再発防止へ講話 白鵬らも参加

八角理事長の講話に参加した幕内、十両力士。左から照ノ富士、阿武咲、高安(撮影・菊川光一)


 日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は28日、福岡市内で十両以上の関取を集めて「暴力問題の再発防止について」と題して、講話を行った。

 九州場所中に発覚した、横綱日馬富士の平幕の貴ノ岩への暴力問題を受けて行われた。

 冒頭で八角理事長は「本場所中にこういう問題が起きてしまったことについて、皆さんに対して申し訳なく思っています」と集まった約60人の力士らに謝罪した。そして「今回の問題をみんなに知っていただき、みんなで一丸となって乗り越えていくためにはどうしたらいいか、皆さんにも考えていただきたい」とあいさつした。

 講話にはこの日、鳥取県警からの事情聴取を終えたばかりの横綱白鵬、暴行現場にいた横綱鶴竜、関脇照ノ富士らが参加したが、日馬富士と貴ノ岩の姿はなかった。講話はわずか15分で終了した。

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八角理事長「暴力は許されない」鈴木大地長官に謝罪

記者会見に臨む八角理事長(撮影・井上学)


 日本相撲協会の八角理事長(54=元横綱北勝海)が28日、都内のスポーツ庁を訪れ、同庁の鈴木大地長官に、横綱日馬富士による平幕貴ノ岩への暴行問題を報告し、騒動となっていることを謝罪した。

 対面するなり、八角理事長は「本当にこの度はお騒がせして申し訳ありませんでした。協会の対応としては、鳥取県警に全面的に協力致しまして、1日も早い解決を致すよう努力していきます。私としましても、公益法人として暴力は決して許されないと思っています。そう思いながら、毎年講習会を開いて力士には注意喚起をしていたのですが、今後も続けていく方針であります。努力して参りますのでよろしくお願いします」と話し、頭を下げた。

 これに対して鈴木長官は「我々も大変残念に思っています。国民の期待を裏切ったということであります。まず、協会の方で調査を進めていただいていると思いますが、事実を明らかにし、社会に対しての説明責任を果たしていただきたい。これを要請したいと思います」と、注文をつけた。さらに「協会の運営のあり方についても、同様に検証していただきたいと思っております。協会の運営のあり方も、問題が起きているということであれば対処していただきたい」と付け加え、コンプライアンスとガバナンス(組織統治)の徹底にも言及した。

 鈴木長官は「重く受け止めていただきたい」とも話し、再発防止を求めていた。

鈴木スポーツ庁長官(右)に頭を下げる八角理事長(中央)。左は広岡理事補佐(撮影・井上学)

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日馬富士問題の裁定行方/八角親方ら横審メンバー声

横綱審議委員会を終え、会見に臨んだ北村委員長(撮影・河野匠)


 大相撲の横綱審議委員会(横審)が、横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)に厳罰を求めていく見通しとなった。九州場所千秋楽から一夜明けた27日、東京・両国国技館で全9人の委員が出席して開催。10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で、日馬富士が起こした平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴力問題について報告を受け、多くの委員から「厳しい処分が必要」との声が上がった。横審としての見解は持ち越されたが、今後引退勧告を含め、厳しい判断を検討する。

<出席した横審委員らのコメント>

 ◆八角理事長(元横綱北勝海) 暴力は絶対に駄目。協会として講習会などで言っているので、絶対に暴力はいけない。1日も早く解決できるようにやっていきます。

 ◆鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜) まだ(全容解明の)途中だから、これからです。(貴ノ岩への聴取は)それが一番の近道。

 ◆岡本昭委員(岡安商事最高顧問) 今日は何もなしや。なし。何もなし。ホンマになし。説明も何もないねん。(進退に)何もない。何もなし。ホンマになし。僕らががっかりしてんねん。

 ◆山内昌之委員(東大名誉教授) (北村)委員長の方から一括して話がありますので。(今日は)横審として議事を粛々と進めただけです。委員長の方からまとめて話があると思います。

 ◆杉田亮毅委員(元日本経済新聞社社長) (北村)委員長が一括で。全て任せています。

 ◆都倉俊一委員(作曲家) 全て(北村)委員長にお任せしています。

 ◆宮田亮平委員(文化庁長官) 僕の中で整理できていないので…。

 ◆高村正彦委員(政治家) (北村)委員長に一任しています。委員長が会見しているのではないですか。

横綱審議委員会メンバー

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白鵬、鳥取県警からの事情聴取に「見たまま話す」

優勝一夜明けの会見に臨んだ白鵬(撮影・岡本肇)


 大相撲の横綱日馬富士の暴行問題で現場にいた横綱白鵬(32=宮城野)が、今日28日にも参考人として鳥取県警からの聴取を受けることが27日、捜査関係者への取材で分かった。白鵬はこの日、福岡市内のホテルで40度目の優勝を果たした一夜明け会見を行い、聴取に臨むにあたり「見たものを見たまま話す。後は結果を待つだけ。協会と関係者に任せていきたい」と胸中を明かした。

 本場所中にも、日馬富士が貴ノ岩を「ビール瓶で殴っていない」などと証言し、26日の優勝インタビューで暴行問題を謝罪するなど、公の場で口を開いてきた。その真意について「力士代表として自分の言葉をしっかり伝えたかった」と明かした。日馬富士や関脇照ノ富士ら、現場にいて今場所休場した力士の聴取はすでに終わっている。また十両石浦も、今日28日にも参考人として聴取を受ける予定となっている。

 今日28日には八角理事長(元横綱北勝海)が福岡市内で、十両以上の全力士を集めて再発防止の講話を行う。その前に聴取が行われるとみられる。

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白鵬Vスピーチで先走った「日馬富士を再び土俵に」

優勝インタビューで日馬富士らの復帰を願う白鵬

<大相撲九州場所>◇千秋楽◇26日◇福岡国際センター


 横綱日馬富士の平幕貴ノ岩への暴行問題に揺れた九州場所は、千秋楽も異例の言動が続いた。横綱白鵬(32=宮城野)は優勝インタビューで「日馬富士関と貴ノ岩関を再び、この土俵に上げてあげたいなと思います」と先走り気味に宣言し、問題が発生した本場所ながら万歳三唱で締めた。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は問題を陳謝し、土俵で声を詰まらせた。事態の究明に向けた取り組みは、本場所後から本格化する。

 両手を振ってファンの声援に応えていた白鵬の表情が一変した。土俵脇での優勝インタビュー。史上初の40度目の優勝の感想を求められると「その前にこの場を借りて場所中に水を差すようなことがあり、全国の相撲ファンに対し力士代表としておわび申し上げたいと思います」と切り出し、こう続けた。

 白鵬 土俵の横で誓います。場所後に真実を話し、うみを出し切って、日馬富士関と貴ノ岩関を再び、この土俵に上げてあげたいなと思います。

 館内には大歓声が響き渡ったが日馬富士の暴行問題は鳥取県警が捜査中。日本相撲協会の危機管理委は、被害者の貴ノ岩への事情聴取さえ、師匠の貴乃花親方(元横綱)が拒否したためできていない。現役トップに処分の決定権はないが、自らの判断で土俵に誓ってしまい、音頭を取って観衆と万歳三唱。暴行現場に同席していた力士のこの行為は、現状にそぐわないと指摘する親方もいた。

 支度部屋に戻った白鵬は2人を土俵に上げるという発言について「理事長の協会あいさつを横で聞いていて(2人が)帰ってきてもらえたら」と話した。白鵬発言を伝え聞いた八角理事長は「危機管理委に任せているから」と踏み込んだ発言は避けた。

 八角理事長の「協会あいさつ」は十両の取組の合間に行われた。冒頭から「横綱日馬富士の問題により、皆さまには多大なご心配とご迷惑をおかけしたことを心よりおわび申し上げます」と頭を下げた。観衆から「頑張れ」などの声援が耳に入ると、涙こそ見せなかったが唇を震わせた。「このような状況にもかかわらず、初日より大勢の皆さまにご来場いただきましたことは誠にありがたく、心より御礼申し上げます」と読み上げるまでに7秒、4秒、2秒と3度も言葉を詰まらせた。

 八角理事長は「お騒がせしたのは事実。土俵の上からというのもと思ったけど(『日馬富士の問題』という言葉を)入れなければいけないと思った。早急に解決できるよう頑張ります、そういう気持ちであいさつした」と振り返った。

 今日27日にも暴行現場に同席した白鵬は鳥取県警の事情聴取を受け、八角理事長は横綱審議委員会(横審)から質問を受ける。暴行問題の全容解明までまだ先は長い。

協会あいさつで言葉を詰まらせる八角理事長(撮影・栗木一考)

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貴乃花親方が旭鷲山発言否定!貴ノ岩には会わせない

理事長に呼び出された貴乃花親方(撮影・栗木一考)


 大相撲の横綱日馬富士の暴行問題で、負傷した平幕貴ノ岩の師匠、貴乃花親方(45=元横綱)が誤った情報を指摘した。九州場所14日目の25日、日本相撲協会の役員室に呼び出されて対応。貴ノ岩と連絡を取った元旭鷲山のダバー・バトバヤル氏(44)がテレビやフェイスブックなどで発信している貴ノ岩発言が正確でないと説明した。協会から貴ノ岩への聴取は、引き続き拒否した。

 貴乃花親方が今場所初めて、役員室に2日連続で足を踏み入れた。前日24日は2度の呼び出しで計5分間だったが、この日は1度だけで午後2時4分から9分間。八角理事長(元横綱北勝海)ら相撲協会執行部との話し合いは、何も進展がなかったこれまでとは違った。貴ノ岩への、協会の危機管理委員会による事情聴取を受けることには拒否している貴乃花親方だが、この日は元旭鷲山について新事実を述べた。元旭鷲山がテレビやフェイスブックで代弁している、貴ノ岩のコメントは誤りと証言した。

 貴乃花親方は無言だったが、報道陣の取材に応じた春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)が、役員室でのやりとりを明かした。同部長は、元旭鷲山が貴ノ岩と電話で連絡を取ったことは事実と認めたが「(元旭鷲山が話している)貴ノ岩の話は不正解。貴乃花親方は2人を会わせることはないと話していた」と説明した。同部長はまた、どこが誤りか詳細は明かさなかったが少なからず「不正解」な部分を含むと明かしていた。

 元旭鷲山はフェイスブックなどで、貴ノ岩から聞いた話を代弁する形で「40~50回殴られた」や「片方の耳が痛くて、頭も痛くなった」などと説明した。警察の事情聴取にだけ応じ、これまで表に出てこなかった被害者側の新証言。来日後は次から次へとテレビ番組に出演し、日馬富士側との発言の食い違いが目立った。そんな中、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏は、元旭鷲山の発言に「嘘つけ!」と反発するなど、場外戦の様相も呈していた。

 協会は引き続き、危機管理委員会による貴ノ岩への事情聴取を希望したが「貴ノ岩の状態が良くないという理由で応じてもらえなかった」(春日野広報部長)という。場外戦の情報は提供されたが、本筋では協会への対決姿勢を崩さない貴乃花親方に、協会は今後も協力を要請していく。

暴行事件巡る相関図

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隠岐の海「稽古しない」と言われた男が変わったワケ

栃ノ心(左)を下手投げで破る隠岐の海(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇13日目◇24日◇福岡国際センター


 八角部屋コンビが2敗を守った。東前頭12枚目の隠岐の海(32=八角)は西前頭6枚目の栃ノ心に上手を引かれながらも、逆転の下手投げ。15年名古屋場所以来2年ぶりに11勝目を挙げた。同部屋で弟弟子の平幕北勝富士(25)も関脇嘉風を寄り切り、こちらは自己最多の11勝。辛くも1敗を守った横綱白鵬を1差で追走する。

 頭に浮かんだ言葉は「もうやられた」。怪力の栃ノ心に両まわしを許した。確かに万事休すだった。だが、今場所の隠岐の海はここからが違う。寄られながらも体をねじり、右からこん身の下手投げを放った。逆転の11勝目。「これが勝っている人のアレなんでしょうね」と思わず笑った。

 十両転落までわずか1枚半しかない西前頭14枚目で取った先場所。最後に勝ち越した千秋楽の日に師匠の八角理事長(元横綱北勝海)に聞かれた。「お前、下(十両)で取りたいか」。その言葉に背筋が凍った。引退という現実が突然、目の前に迫ってきた。「落ちたら次はないと思った。焦りが、やっと出た」。「稽古をしない」などと言われてばかりの関脇経験者が、初めて“本気”になった。

 秋巡業では「お願いします。ジムに連れて行ってください」と、トレーニング理論をよく知る豪風に頭を下げた。巡業地に着くと真っ先に飲み屋に向いた足をジムへと変えて、3日に1度は通った。福岡入り後も続けた。ベンチプレスは当初から70キロもアップした。それでいて「心が楽になるように」と、好きな酒を断ったわけでもない。体をつくり、ストレスはつくらない。変化した体と不変の心で、11個の白星を重ねた。

 取組後、出番前の北勝富士に笑いかけた。「おれは勝ったぞ。お前も勝てよ」の意。優勝への意欲を「全面的に出していきます。隙あらば」と隠さない。面白い男が、白鵬に重圧をかけている。【今村健人】

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貴乃花親方「急ぐことない」協会サイドと溝埋まらず

日馬富士暴行事件相関図


 大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が九州場所13日目の24日、日本相撲協会執行部から異例の1日2度の呼び出しを受けた。横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)による、弟子の平幕貴ノ岩(27)への暴行問題について、会場の福岡国際センター入り直後と引き揚げる直前、八角理事長(元横綱北勝海)らと話し合ったが、滞在時間はそれぞれ3分、2分程度と短かった。問題の早期解決を目指す協会サイドと、長期化も辞さない貴乃花親方サイドは平行線をたどったままのもようだ。

 会場入りした貴乃花親方は、部長を務める巡業部室へ迷いなく入室した。2分後、部屋を出て再び姿を現すと、向かったのは相撲協会役員室だった。22日も呼び出され、暴行問題の被害者である貴ノ岩への危機管理委員会による事情聴取を要請されながら「お断りします」と拒否してから中1日。午後1時55分に役員室に入室したが3分後に退室。巡業部室に戻った。

 会場から引き揚げる前には再び役員室を訪れた。ゆっくりと胸を張りながら午後5時21分に入室し、今度はさらに短く2分程度で退室。協会執行部から異例の1日2度の呼び出しを受けた。その間、報道陣の質問には答えず無言。打ち出し後、危機管理委員会の鏡山部長(元関脇多賀竜)は「何も進展はない」と話すにとどめた。春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「何も言えない。いろいろと言ったら大変なことになる」と中途半端な情報公開は混乱を招くと判断した。

 午前中には日馬富士の師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も役員室を訪れ、約20分間滞在したが、この内容も明かされなかった。

 問題の全容解明へ、暴行現場を管轄する鳥取県警の捜査を優先する姿勢は、協会も貴乃花親方も変わらない。だが、危機管理委への対応は対照的。同委員会は県警の直後に当該者の事情聴取を行ってきた。暴行現場の酒席に同席した横綱鶴竜と関脇照ノ富士も21日に県警、前日23日に都内で同委員会の聴取を受けた。日馬富士も同様に中1日と素早く双方から事情聴取された。

 一方の貴ノ岩は、被害届を提出した10月29日に県警から聴き取りを受けたが、危機管理委との接触は師匠が拒否した。関係者によると、役員室に入室した際に貴乃花親方は「急ぐことではないですから」と話し、全容解明を県警に委ねる姿勢を再び示したという。長期化も辞さない構えで、協会との決裂はさらに浮き彫りとなった格好だ。

役員室に再び出向いた後、鶴竜、白鵬の看板前を通って引き揚げる貴乃花親方(撮影・岡本肇)

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白鵬“物言い”謝罪星 問題行動起こした理由明かす

審判部に呼び出された白鵬(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇12日目◇23日◇福岡国際センター


 横綱白鵬(32=宮城野)が、前日11日目の黒星を引きずらずに、関脇御嶽海を下した。この日、11日目の嘉風戦で敗れた際に立ち合い不成立をアピール、前代未聞の不服の態度を示したことについて、審判部に呼び出されて厳重注意を受けたが、しっかりと反省して嫌な流れを断ち切った。平幕の北勝富士と隠岐の海の八角部屋コンビが、1差で白鵬の背中を追いかける。

 十両土俵入りが始まる前の午後1時55分。通常よりも1時間以上早く場所入りした白鵬は、真っ先に審判部へと向かった。伊勢ケ浜審判部長代理(元横綱旭富士)、藤島(元大関武双山)、山科(元小結大錦)同副部長の前で謝罪し、11日目の嘉風戦での行為について厳重注意を受けた。約3分後に退室した白鵬は、表情一つ変えることなく支度部屋へ入っていった。

 完璧な立ち合いで、左を差して右上手を取って寄り切った。「いつもの感覚という気持ちで土俵に入った。引きずってなかったんじゃないかな」と冷静な表情。名古屋場所で負けたことも、引きずらなかった。審判部室でのやりとりについては「昨日のことでちゃんと説明を受けた。自分も納得した。今後気をつけます、と話した」と明かした。そして「ファンのみなさんも、ああいう相撲を見たくないでしょうし、だから(ビデオを)見てほしかった。申し訳ない」と問題行動を起こした理由を説明した。

 11日目の打ち出し後に苦言を呈した八角理事長(元横綱北勝海)は、横綱の品格の磨きに期待した。「39回優勝しているけど、まだ修行の身ということ。こうやって頭をぶつけて人間的にも成長していくんじゃないかな。失敗したけど大きくなるチャンス」とエールを送った。

 40度目の優勝に一瞬、暗雲がかかったと思われたが、しっかりと吹き飛ばした。しかし、横綱の品格に傷がついたのは間違いない。日馬富士の暴行問題があっただけになおさらだが、せめて優勝という結果で横綱の責任を全うする。【佐々木隆史】

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白鵬、前代未聞の「待った」 見苦しい61秒棒立ち

土俵下で右手を挙げて審判にアピールする白鵬(撮影・岡本肇)

<大相撲九州場所>◇11日目◇22日◇福岡国際センター


 唯一全勝だった横綱白鵬(32=宮城野)が、結びの一番で関脇嘉風に負けた。立ち合いが成立していないと思い力を抜くと、一気に寄り切られた。不服に思い土俵下で審判員らにアピールしたが、取り直しにはならず。ようやく土俵に上がったが、次は仁王立ちで土俵から下りず、場内は異様な雰囲気に包まれた。2敗を守った平幕の北勝富士と隠岐の海との差は1になった。

 会場を異様な雰囲気が包み込んだ。嘉風の捨て身の寄りに、たまり席に吹っ飛ばされた白鵬が、前代未聞の待ったをかけた。

 立ち上がった白鵬は、右手を挙げて審判員らにアピールすると、土俵下に立ち続けた。向正面にいた式秀審判員(元前頭北桜)に、5度右手を動かしてアピール。しかし、取り直しにはならず。同審判員に「上がってください」と何度も促され、61秒後にようやく土俵に上がったが、不服そうな顔で再び右手を挙げてアピールした。嘉風が勝ち名乗りを受けて土俵から下りるが、次は17秒間仁王立ちで土俵から下りず。再び何度も同審判員に「下がってください」と促されて土俵から下りた。花道にいる付け人にいら立ちをぶつけるように、タオルを放り投げた。

 立ち合いでもろ差しを許した瞬間に、脱力して棒立ちとなった。「呼吸が合わなかった。嘉風関も力抜いたし、こっちも抜いた」。立ち合い不成立と思った白鵬の「1回見てもらいたかった」という言い訳だった。八角理事長(元横綱北勝海)は「白鵬の勘違い。自分で判断したらだめ。先場所の日馬富士と同じ。後からビデオを見たら分かるんじゃないの」と苦言を呈した。

 日馬富士の暴行問題で、横綱の品格が問われている中での、往生際の悪さ。15年夏場所でも際どい相撲で敗れた末に、今回と似たような抗議で物議をかもした。ただの黒星では済まされない1敗。会場の外も中も混沌(こんとん)としてきた。【佐々木隆史】

立ち合いで息が合わなかった白鵬は、力を抜くが、嘉風は素早く両差しの体勢に(撮影・岡本肇)

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貴乃花親方、協会と完全決裂…協力拒否の真意とは

日馬富士暴行事件相関図


 大相撲の貴乃花親方(45=元横綱)が、日本相撲協会と完全に決裂した。弟子の貴ノ岩(27)への横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)による秋巡業中の酒席での暴行を受けて、九州場所11日目の22日、協会役員室に呼び出された。八角理事長(元横綱北勝海)から、全容解明を目指す協会の危機管理委員会による、貴ノ岩への聴取実施への協力を要請されたが「お断りします」と拒否。当事者から聞き取りのめどがたたず、危機管理委の調査への影響が懸念される。

 貴乃花親方が、暴行問題が発覚した14日以来、8日ぶりに相撲協会役員室の扉をくぐった。午後1時25分に入ると、同50分過ぎまでの約25分間滞在した。その間、八角理事長(元横綱北勝海)、尾車事業部長(元大関琴風)、鏡山危機管理部長(元関脇多賀竜)、春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)という執行部の重鎮に囲まれた。八角理事長から、弟子の貴ノ岩に危機管理委員会の事情聴取に応じるよう協力を依頼されたが貴乃花親方は「お断りします」ときっぱり。その後も強硬姿勢は崩さず、部長を務める巡業部室に戻った。

 協会は鳥取県警への捜査を優先する方針を打ち出している。日馬富士は17日に県警、19日に危機管理委から聴取された。暴行が起きた10月25日夜の鳥取市内での酒席に参加していた九州場所休場中の力士については、千秋楽を待たずに県警、危機管理委の順で聴取する。同29日に被害届を提出した際、貴ノ岩は県警の聴取に応じているだけに、春日野広報部長は「こっち(危機管理委)もお願いするのは当然。でも『お断りします』ということだった。オレはビックリしたけどね」と振り返った。しかも呼び出したのは「1度ではない」(同部長)と、複数回の要請にようやく応じた末の拒否だと明かした。

 協会の一員でありながら協力拒否という異例の回答の理由については「オレらの口からは言えない」と、貴乃花親方の本意を推し量ることはできないとした。ただ、協会関係者によると警察の捜査を最優先する意向だという。

 貴乃花親方は、前回役員室に呼ばれた14日に「(第三者を)立てなければいけないことになるかも」と、法的措置を示唆していた。さらに「被害届を取り下げるつもりは、今のところない」と対決姿勢も示していた。近い関係者には「本当に何があったか、逆に自分が知りたい。そのために警察に委ねた。何があったかは後で分かること」と話しており、かたくなな姿勢は崩さないようだ。

 今回、貴乃花親方と完全に決裂したことで、協会サイドは今後も貴ノ岩への聴取ができない見通しとなった。当事者からの聞き取りなくして、暴行問題の全容解明は果たせない。真相究明を目指す危機管理委は貴ノ岩に対する聴取を重要視しており、今後も協力を要請していくという。日馬富士の処分決定までの道のりは遠くなりそうだ。

役員室に呼び出され約25分後に部屋を出る貴乃花親方(撮影・岡本肇)
役員室に呼び出された貴乃花親方は、フラッシュがたかれる中、巡業部に戻る(撮影・岡本肇)

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春日野広報部長「ビックリ」貴乃花親方が協力拒否

役員室から巡業部に戻る途中、舌を出す貴乃花親方(撮影・菊川光一)


 大相撲の横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)による平幕貴ノ岩(27=貴乃花)への暴行を受けて、日本相撲協会は22日、貴ノ岩の師匠の貴乃花親方(45=元横綱)を呼び出した。

 協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)から、危機管理委員会による貴ノ岩への事情聴取の協力を要請。だが貴乃花親方から「お断りします」と拒否された。

 同席した春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)は「警察としては貴ノ岩の聴き取りは終わってるんだっけ? こっち(危機管理委員会)もお願いするのは当然。でも『お断りします』ということだった。オレはビックリしたけどね」と説明した。日馬富士は秋巡業中の10月25日夜に鳥取市内で行われた酒席で貴ノ岩を暴行したことは、鳥取県警、危機管理委員会どちらからの事情聴取でも認めている。

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