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内藤律樹辛くも2度目防衛「ただつながっただけ」

内藤律樹

<プロボクシング:東洋太平洋スーパーライト級タイトルマッチ12回戦>◇11日◇東京・後楽園ホール

王者内藤律樹(27=E&Jカシアス)が辛くも2度目の防衛に成功した。

初のタイトル挑戦となった同級14位永田大士(28=三迫)との対戦。序盤から一進一退の試合になり、10回に右ストレートを浴びてダウン。その後は接近戦で打ち合い、いずれも1ポイント差の2-1判定で勝利した。

内藤は「負けたら引退」の決意で臨んでいた。初回に「スピードもパンチ力ない」と相手の実力を見切った。その「余裕」が大苦戦となり、右ジャブに何度も顔を突き上げられた。「防戦一方の時間が多かった。見栄えも悪かった」。10回にはついにダウンを喫して「もう根性勝負」と腹をくくり、頭をつけ打ち合った。

控室ではガックリ肩を落としていた。「勝負というより、何もできなかったことが悔しい。やりたいことが一つもできなかった。ただつながっただけ」。試合後に米ニューヨークへ売り込みのプランもあったが「これじゃだめ。私生活から課題を与えないと」と反省ばかりが口をついた。

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伊藤雅雪、米国で王座「信じられないことが起きた」

伊藤雅雪(2018年6月18日撮影)

<プロボクシング:WBO世界スーパーフェザー級王座決定戦12回戦>◇28日(日本時間29日)◇米フロリダ州キシミー・シビックセンター

 37年ぶりの快挙!! 世界初挑戦の同級2位伊藤雅雪(27=伴流)が3-0の判定で、無敗の若きホープとなる同級1位クリストファー・ディアス(23=プエルトリコ)を撃破した。

 4回にダウンを奪い、終盤までリズム良い連打で攻め続け、王座奪取に成功。日本人の米国での王座奪取は81年三原正以来、37年ぶり5人目で、海外での王座奪取も10人目となった。プロ2戦目直前に交通事故で左手首など3カ所を骨折する重傷を乗り越え、プロ10年目で悲願のベルトを巻いた。

 感極まった表情でベルトを手にした。両目に涙があふれた伊藤は「ポイントは気にしていなくて倒す、倒す、倒すとずっと考えていた。やり切った気持ちが強かった」。現地応援した衣理香(えりか)夫人と抱き合い「信じられないことが起きた。人生が変わった」と快挙を分かち合った。

 米プロモート大手トップランク社いち押しのホープの動きをすぐに見極めた。会場内の観客は23勝(15KO)のディアスの応援。アウェーの雰囲気の中で「1回で自分の力が通用する」と自信を持った。前に出ながら連打を続け、4回には連打の後に「感触があった。一生忘れられないストレートになる」という強烈な右でダウンを奪った。7年間、バスケットボールで養った軽快かつ俊敏な動きから5連打、7連打で相手の体力を削り、至近距離での攻防で勝利をつかんだ。

 「不安もたくさんあって試合前に1人で泣いていた。自分を信じて戦うだけだと」。09年9月、プロ2戦目の1週間前。原付バイクに乗った伊藤は、居眠り運転で信号無視してきた車に追突された。意識を失って緊急搬送。右足首、腰、そしてボクサーの生命線となる左手首を骨折し「骨が飛び出ていた」と振り返る重傷だった。1カ月で退院後も数年は手首に痛み止めの注射を打った。所属ジムの先代の団元気会長から「名前の之を雪に変えたら」と勧められて「雅雪」にリングネームを変更すると自然と痛みが消えた。「右手だけのお前でも王者になれる」と激励をくれた先代会長にも恩返しした。

 15年から知人を通じて米ロサンゼルスで拠点をつくった。元2階級制覇王者畑山隆則らを指導したルディ・エルナンデス氏や岡辺大介氏という現地トレーナーと出会い、年2~3回は家族を東京に残して単身合宿を積んできた。初の海外試合が米国での世界初挑戦だったが、本場での試合観戦でイメージトレーニング。戦前の下馬評は劣勢でも「絶対に世界王者になると信じて戦いました」という気持ちですべてを覆した。

 強豪の多いスーパーフェザー級で頂点に立ち、米国で存在をアピールできた。「まだまだボクは強くなれる。一生、ボクの名前が残るような相手と(試合を)したい。まだ夢の途中。デカイ試合をしたい」。伊藤のアメリカンドリームは始まったばかりだ。

<伊藤雅雪(いとう・まさゆき)>

 ◆生まれ 1991年(平3)1月19日、東京都生まれ。本名は伊藤雅之。

 ◆バスケ一筋 明治小6年時にミニバスケットを開始し都2位。深川中バスケット部で東京都16強。駒大高3年まで続ける。ダンクシュートができる。

 ◆転向 部活動引退後にボクシング開始。駒大進学後の09年に伴流ジムからプロデビュー。

 ◆獲得 12年全日本フェザー級新人王、13年WBCユース・ライト級王座、15年に東洋太平洋スーパーフェザー級王座、16年にWBOアジアパシフィック同級王座を獲得。15年に日本同級王者内藤律樹に判定負けしたのが唯一の黒星。

 ◆CM出演 甘いマスクでオーディションに合格、14年にJRAのテレビCMで竹野内豊と共演。

 ◆家族 学生結婚した衣理香夫人と長女愛音(あのん)ちゃん、次女愛海(あいみ)ちゃんの4人家族。

 ◆タイプ 身長174センチの右ボクサーファイター。

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内藤律樹が判定で初防衛、終盤2度ダウンに喜びなし

<プロボクシング:東洋太平洋スーパー・ライト級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇東京・後楽園ホール

 東洋太平洋スーパー・ライト級王者内藤律樹(26=E&Jカシアス)が辛くも初防衛に成功した。

 同級15位ジェリッツ・チャベス(27=フィリピン)との対戦。序盤からリードしたが、11、12回にダウンを喫しする大ピンチ。なんとか攻撃をかわし、2-0で判定勝ちした。

 内藤は2回に左目の上をカットした。それでも左ストレートなどでポイントを積み上げていった。中盤は反撃されたが、8回の2度目の公開採点で4ポイント差の3-0だった。これで安心したか、11回2分30秒過ぎて右ストレートをまとももらってダウン。立ち上がるとゴングに救われた。

 12回は足を使ってかわすもダメージがあり、コーナーで右アッパーをもらって2度目のダウン。その後はなんとか逃げ切り判定に持ち込み、中盤までの貯金でベルトを守った。

 敗者のように喜びはなし。「集中力を切らしてしまった。いい選手でした。1回目のダウンが効いていた」と相手をほめた。今後の目標を問われると「今苦戦しちゃって。目標なんて言えない」と話した。

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内藤律樹、親子で東洋太平洋王者 父カシアスに並ぶ

親子で東洋太平洋王者になった内藤律樹(左)と父のカシアス内藤こと純一会長

<プロボクシング:東洋太平洋スーパーライト級王座決定12回戦>◇13日◇東京・後楽園ホール

 内藤律樹(26=E&Jカシアス)が国内2組目の親子で東洋太平洋王者になった。

 同スーパーライト級2位内藤は同級1位アリエンザとの王座決定戦に9回TKO勝ち。カシアス内藤として東洋ミドル級王者だった父純一会長に並んだ。内藤にとっては日本スーパーフェザー級に続き、2階級上げて4戦目で2本目のベルト。会長は「うれしいがまだ先がある」と目を細めたが、内藤も「これはステップ。世界を目指していくにはまだ甘い」と満足していなかった。

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カシアス内藤息子の律樹TKOで親子東洋太平洋王者

親子で東洋太平洋王者になった内藤律樹(左)と父のカシアス内藤こと純一会長

<プロボクシング:東洋太平洋スーパーライト級王座決定12回戦>◇13日◇東京・後楽園ホール

 同級2位内藤律樹(26=E&Jカシアス)が国内2組目の親子で東洋太平洋王者になった。同級1位ジェフリー・アリエンザ(27=フィリピン)に9回1分14秒TKO勝ち。カシアス内藤として東洋ミドル級王者だった父純一会長(68)に並んだ。1組目は世界王者の拳四朗親子。

 内藤は右ジャブを突いて、序盤でペースを握った。4回からは「効いているのが分かった」という接近戦でのボディー攻撃を浴びせて圧倒した。8回に右まぶたをカットさせ、9回にコーナーで右ストレートを浴びせるとレフェリーがストップした。

 内藤にとっては14年に獲得した日本スーパーフェザー級に続き、2階級上げて4戦目で2本目のベルトになった。内藤も「このベルトを持って終わりじゃ仕方ない。これはステップ。使える武器があるのは分かったが、世界を目指していくはまだまだ甘い」と満足していない。

 会長も「並んでくれたのはうれしい。あとは越えるのを見送るだけ。まだ先がある」と話す。父が果たせなかった世界挑戦へ向けて「もっと強い相手と勝負したい。海外にも出て行きたい」と意欲を示した。

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尾川堅一、世界戦へ「いつでも戦える体」一問一答

尾川堅一(17年7月1日撮影)

 ボクシングの前日本スーパーフェザー級王者尾川堅一(29=帝拳)が12月9日(日本時間10日)、米ネバダ州ラスベガスのマンダレイベイ・イベンツセンターでIBF同級王座決定戦に臨む。

 相手は同級ランクで1つ下の5位テビン・ファーマー(27=米国)。74%のKO率を誇る強打者の尾川(22勝17KO1敗)に対し、ファーマー(25勝5KO4敗1分)はディフェンス力にたけた技巧派サウスポーだ。

 父の指導のもとで2歳のときに日本拳法を始め、大学卒業後にボクシングに転じた異色の経歴を持つ。「せるという自信がある」と言い切る尾川。試合を10日午後0時20分からWOWOWメンバーズ・オンデマンドで先行ライブ配信するWOWOWのインタビューに応じた。

 -小さいときから格闘技を続けているわけですが、尾川選手なりに追求しているものがありますか?

 尾川 いや、追求はないですね。気づいたときには格闘技をやっていたので、自分にはこれしかないと。やって当たり前という感覚ですね。でも、ボクシングを始めて日本一、世界一というものを初めて意識するようになりました。

 -プロ9戦目で敗北を喫したときは、どんな心境でしたか?

 尾川 負けた瞬間、頭が真っ白でした。ノーガードで殴っているところにカウンターをもらってしまったんです。ガードしろと言われてもできず、それでも勝つことができていたので「ボクシングってこんなものか」と思っていたところでした。あの負けがあったからこそ今の自分がある。負けが人を強くするということを実感しました。あのときの気持ちや痛みを覚えているので、その痛み以上のものはないと思ってます。

 -ボクシングの奥深さを知ったわけですね。

 尾川 そこはまだ分かりません。ボクシングは難しいし、まだまだ成長できる部分もあると思っています。たとえばジャブの打ち方や種類など、いまだに分からないことがありますから。でも、そういう点が自分の伸びしろ。ただ、取り組む姿勢の大切さは教わりました。いいかげんに取り組めばいいかげんのまま終わるし、しっかりと向き合えばチャンスは必ずくると。

 -試合が決まり、周囲から激励の言葉をかけてもらいましたか? 

 尾川 「おめでとう」ではなく、「やっと決まったね」という言葉がほとんどでした。みんな待っていてくれたんだなと感じました。拳法のときからそうなんですが、自分が勝つことによって先輩や後輩などまわりの人たちが喜ぶ姿を見るのがうれしいんです。プロになってからもそうです。自分のために戦いなよ、と言ってくれる人もいますが、それだとなぜだか頑張れない。誰かが喜ぶ姿を見るのが幸せなんです。家族ができてからは、子供たちが試合のDVDを見てはしゃいでいるので、それを見ているときが一番幸せですね。今回、玄関に置いてあった日本王者のベルトを返上したので、子供たちは悲しそうでした。だから「次に世界のベルトを持ってくるから」と約束したんです。

 -今回は東京以外で初の試合ですが、不安な点はありますか?

 尾川 コンディションや時差など、すべての点ですね。後楽園ホールの試合だと500人ぐらいが応援に来てくれるけれど、今回は1万人以上入る会場に20人ぐらいなので。もちろん、その声援は大きな力になりますが。完全アウェーのなかで戦うという不安はあります。あとは減量ですね。まったく違う環境で減量するわけですから。でも、海外での試合経験がある亀海(喜寛)選手などからアドバイスをいただくなど環境は整っているので、少しずつ不安は取り除かれてきています。

 -亀海選手からは、どんなアドバイスを?

 尾川 ラスベガスは乾燥がすごいと聞いています。湿気があった方が汗が出るんですが、最後は水分を控えて汗を出すことになるので。何があって何がないのか、分かる限りの情報は聞いて、準備して納得したうえで行った方がいいじゃないですか。

 -米国のファンを取り込むためには、それなりの戦いが必要になってくると思います。

 尾川 アメリカのファンを取り込もうという意識はないけれど、僕が勝つことで観客は熱狂すると思います。僕が勝つ=自然と会場の人たちは「オガワ」という名前を覚えてくれると思うので、意識せずともそうなるんだろうと思います。

 -今回の相手、ファーマはどんな印象ですか?

 尾川 避けるだけの選手、という感じです。僕が常に思っていることなんですが、もちろん避けることは大切なんですが、ボクシングは殴り合う格闘技であって避けるスポーツではないんですよね。だから避けてポイントになるという点は理解できない。殴って殴ってということを36分間(3分×12ラウンド)続ければ、相手は避け続けることは不可能だと思うし、どこかで手を出さなければならないので、そこまで(ファーマーの)スタイルを気にはしていません。避けるなら避けてください、自分はずっと殴り続けますよと。

 -ディフェンス以外で気になる点はありますか?

 尾川 全然ないですね。僕はどんどん自信を深めているんですが、逆にまわりが不安になって緊張していくのを感じて、ちょっと不思議な気分です。僕よりもまわりの人の方が研究してくれています(笑い)。日本王者のときはタイトルを取って当たり前みたいな雰囲気がまわりにありましたが、世界となると何か違うんでしょうね。まわりからも変な緊張感を感じて、それが面白いですね(笑)。

 -ファーマーはサウスポーです。左構えの相手に対する苦手意識は?

 尾川 キャリアの3分の1ぐらいはサウスポーと戦っているので、苦手意識はないですね。特別に得意だとも思っていないけれど、(パンチの当たる距離が)半歩遠くなるので少し疲れるかなという程度です。それにサウスポーの内藤(律樹)選手と2回戦った経験が大きいですね。

 -その内藤戦と似た戦いになりそうですか。

 尾川 そう思っています。(ファーマーは)8割から9割はディフェンスを意識している選手ですよね。自分もそうですが、同じ割合で守りに徹していいと言われれば誰でもあれぐらいはできる。でも、そんな試合をしても面白くないし、そんなことをまわりも求めていないからやらないだけで。だから、特に(ファーマーのことを)すごいとは思いません。みんなは「うまい選手」というけれど、ただ単に攻撃しないだけだと自分は思っているので。

 -自分のストロングポイントは?

 尾川 スピードですかね。まわりはパワーだと言いますが、一瞬のスピードに自信を持っているので。

 -では、自分でこだわっている点は?

 尾川 右のパンチで仕留めたい。最近は相手のレベルも上がってきているので右が当たらず、左でも倒すということはありますが。フックでもストレートでも、右の感触のあるパンチを当てられれば絶対に倒せる自信はあります。

 -調整は順調ですね。

 尾川 自分のなかでは納得した練習ができているし、世界戦が決まる前の9月ごろから準備は始めていたので、いつでも戦える体です。どこかを伸ばそうかという意識はないし、あとはコンディション調整だけですね。短いラウンドでも内容のあるスパーリングをするとか、自分を納得させて毎日を消化していくという段階です。

 -現在のスーパーフェザー級は、WBO王者ロマチェンコ(ウクライナ)やWBC王者ベルチェルト(メキシコ)ら強い選手が数多くいます。

 尾川 三浦(隆司)さんが引退して、自分の番が来たなと感じています。先輩が負けた相手(ベルチェルト)に勝てば評価も一気に上がると思うし、そう考えると自分は運がいい。自分の評価を上げる最大のチャンスですから。今回、ファーマーに勝って次はデービス(前IBF王者)と戦って勝ちたい。それがモチベーションにもなっているし、勝つ自信もあります。そうなればロマチェンコやベルチェルトなど強い相手との対戦の可能性が広がりますよね。

 -遠くに見据えている目標はありますか?

 尾川 チャンピオンにこだわるというよりも大物選手と戦いたいし、自分がそういう選手になりたい。自分の力を試したくてボクシングを始めたので、自分の強さの位置を確かめたいですね。強い人と戦って自分の実力を試したいという気持ちがすごくあります。

 -そのためにも今回の試合は重要ですね。

 尾川 こんなところで立ち止まってはいられない、という気持ちです。いまはベルトを取って当たり前という気持ちになっています。期待はプレッシャーにもなりますが、反面、力になる。今回は通過点だと思っています。勝ってIBFのベルトをコレクションとしてもらい、そこからやっとボクシング人生がスタートするというイメージです。自信満々です。

 -あらためて意気込みを聞かせてください。

 尾川 「尾川堅一」という名を残すためにボクシングをやっているので、負けたら何の意味もない。待ちに待った世界戦、応援してくれた人や日本のボクシングファンのために世界一という称号とベルトを持って日本に帰ってきます。

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尾川堅一が3度目防衛、内藤律樹との因縁にケリ

8回、内藤(左)にパンチを見舞う尾川(撮影・鈴木正人)

<日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇3日◇後楽園ホール

 日本スーパーフェザー級タイトルマッチが3日に東京・後楽園ホールであり、王者尾川堅一(28=帝拳)が挑戦者で同級1位内藤律樹(25=E&Jカシアス)を3-0の判定勝ちで下し、3度目の防衛を果たした。

 5回負傷判定勝ちで王者になった昨年12月以来の再戦に勝ったが、「守りに入っちゃったのが反省」としかめっ面。かわす技術に優れる内藤に、連打ができなかった。KOよりもポイント狙いが頭を占め、本来の思い切った踏み込みからのボディーも単発。試合終了後に内藤に「やっぱ強いよ」と告げたが、課題も大きかった。2歳から日本拳法を始め、ボクシング歴はまだ6年。WBC、IBF、WBOのランクで1桁台の異色ファイターは「内藤君とはまた世界の舞台でやりたい」と言った。

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日本拳法とボクシングの調和はなるか

内藤(左)にパンチを見舞う尾川(撮影・鈴木正人)

<ボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇3日◇後楽園ホール

 その特異な長所が、長所であるには、今日の相手は「ボクサー」過ぎたか。

 「あれがボクシングの動きですよね。自分とは違うところですよね。自分はまだボクシングは6年目なんで」。

 試合後の控室で、興奮気味に、けれん味なく、3-0の判定勝ちで3度目の防衛戦に成功した尾川堅一(28=帝拳)が言った。椅子から立って、そこから解説。「僕のは日本拳法の間合いなんですよ」と、ちょっと記者から1メートルほどか、遠くに立つ。「この距離から大きく踏み込んで、パンチを打てる」。記者の面前に一気に迫った。

 それがこの日で21戦20勝(16KO)1敗とした金髪の好漢の強み。2歳から習った日本拳法は、小学時代に全国優勝、明大ではインカレ団体制覇、個人では全日本4位。競技は体重無差別で、勝利の9割はパンチ一閃(いっせん)。右の拳で、「ヘビー級」だって沈めてきた。可能にしたのは、間合いを一気につぶす大胆な踏み込みだった。

 11年に全日本新人王に輝き、キャリアも十分に積んできた。それも「僕の強みは最初から、ガンと踏み込んでの右ボディー」と言える、拳法仕込みの一撃があったから。ただ、やはり飛び込んでいる世界はボクシングには違いない。「拳法だと一発で終わっちゃうんですけど、今日みたいな時は…、ね」。相手のレベルが上がり、やはりボクシングに出合うことになった。

 例えば、それがこの日の相手、内藤律樹(25)。父カシアス内藤譲りの目、反射神経は「パンチをもらわないで、パンチを当てる」常道を行く。尾川が「ガン」と踏み込んで腹にパンチを見舞っても、そこからの返しの左を振れば、すっと体を漂わせて、正面から逃げる。2発目、3発目はもらわない。必然に、単発、単発が続く。「一発決まっても、そこからが続かない。内藤君もうまいので、かわされちゃいますよね。僕はその動きを止めて、打ち込んでいかないといけないんですが。まだボクシングを勉強中だから…」。屈託がない王者の本音。親から受け継ぐ純粋なボクサーだった挑戦者を退けた、異端な王者の本音だった。

 昨年12月に、内藤からもぎ取った日本タイトルを3度守った。だが、決して「次は世界」と胸を張って言える結果ではない。拳法家の長所は、「まだ6年目」のボクサーには、十全な長所としての地位を確立できていないのは、十分にパンチ当てられないからこそ「守りに入っちゃった」と反省した当人が痛感しているだろう。ただ、特異さは特別であることは不動でもある。

 日本拳法とボクシングの最良の調和はどこか。いつそれが現前するか。それを待ち続ける時点で、すでに尾川堅一の「ボクシング」は面白い。【阿部健吾】

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王者尾川堅一「完全決着」内藤律樹ときょう再戦

計量をパスした尾川(左)と内藤

 日本スーパーフェザー級タイトルマッチの前日計量が2日に都内であり、王者尾川堅一(28=帝拳)が100グラムアンダーの58・8キロ、挑戦者の同級1位内藤律樹(25=E&Jカシアス)はリミットの58・97キロでパスした。

 両者は立場が逆だった昨年12月に対戦。挑戦者の尾川が5回負傷判定勝ちで新王者となり、13戦無敗だった内藤は初黒星を喫した。1年ぶりの再戦に両者とも口にしたのは「完全決着」。前売り券が1カ月前に売り切れる注目度に、尾川は「プロとして喜ばせたい」、内藤は「面白い試合になる」と約束した。

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王者尾川vs挑戦者内藤、最注目の一戦で完全決着

計量をパスした尾川(左)と内藤

 日本スーパーフェザー級タイトルマッチの前日計量が2日に都内であり、王者尾川堅一(28=帝拳)が100グラムアンダーの58・8キロ、挑戦者の同級1位内藤律樹(25=E&Jカシアス)はリミットの58・97キロでパスした。

 両者は立場が逆だった昨年12月のタイトルマッチで対戦。挑戦者だった尾川が5回負傷判定勝ちで新王者となり、13戦無敗だった内藤は初黒星を喫した過去がある。1年ぶりとなる因縁のリマッチのテーマはともに「完全決着」。前売り券が1カ月前に売りきれ、残すは当日券のみという、今年最も注目されているといっても過言でない日本王座戦に、計量後に並び立った2人は引き締まった表情でポーズを決めた。

 V3戦となる尾川が「大きな舞台にいけるように、国内卒業できるチャンス。(再戦の)理由はないです。年内に試合をしたいなと思ったので」と言えば、内藤は「うれしいですよ。ずっとリベンジしたくて。それがかなった」と対照的。ただ、満員の会場での試合について聞かれると前者は「プロとして喜ばせたい」、後者も「面白い試合になる」と、両者ともに熱闘を確約した。

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前王者内藤律樹が再起戦勝利も「慎重にいきすぎた」

<プロボクシング:ノンタイトル8回戦>◇12日◇東京・後楽園ホール

 前日本スーパーフェザー級王者内藤律樹(24=E&Jカシアス)が再起戦に判定勝ちした。

 昨年12月の4度目の防衛戦で、尾川堅一(帝拳)に初回ダウンして5回負傷判定負け以来の一戦。初回から本来のスピードと足を使って、東洋太平洋ライト級3位チャイヨン・シットサイトーン(35=タイ)に攻勢。終盤7、8回には再三連打で追い込んだが倒せず。それでも採点は3者ともフルマークの完勝だった。「フルマークは最低限。ブロックとパンチを外すことに集中していた。バッティングも怖く、無理はしないようにと」とまずは合格点をつけた。終盤に圧倒もダウンも奪えなかった。「慎重にいきすぎた。ボディで削っていこうと思ったが打ちづらくて。上に行くには倒さないと」と反省。今回はライト級での試合で、2階級でチャンスをうかがっていく。

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内藤律樹、階級上げ復帰戦「長所出して圧勝したい」

 前日本スーパーフェザー級王者内藤律樹(24=E&Jカシアス)が、12日に東京・後楽園ホールで復帰戦に臨む。

 昨年12月の4度目の防衛戦で、尾川堅一(帝拳)に初回ダウンして5回負傷判定負け。プロ14戦目の初黒星で王座を陥落していた。今回はライト級で、11日の都内での前日計量はリミットの61・2キロでパスした。相手は東洋太平洋同級3位チャイヨン・シットサイトーン(タイ)で、こちらは61・0キロだった。

 本来は足を使ったボクサーだが、世界へ向けて攻撃を強化していたところでベルトを失った。内藤は「人気が出るスタイルにしようとしていた。自分のボクシング見つめ直して、特徴を出そうと思った。パンチをもらわないこと」と言う。1階級上げての再起には「減量は楽で、今回はナチュラルに近い方でと思って。どちらでもチャンスがあれば」と、今後は2階級を視野に入れていく。「長所を出して圧勝したい」と宣言した。

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王者尾川「全戦全KOで駆け上がる」初防衛へ自信

計量をクリアしポーズを取る日本スーパーフェザー級王者尾川

 日本スーパーフェザー級タイトルマッチ(東京・後楽園ホール)の前日計量が1日、都内で行われた。

 王者尾川堅一(28=帝拳)はリミットの58・9キロ、挑戦者の同級1位杉田聖(26=奈良)は58・8キロでパスした。

 尾川は昨年12月に前王者・内藤律樹(E&Jカシアス)からタイトルを奪取し、今回が初防衛戦。明大日本拳法部出身の右の強打者は「日本タイトルは世界への通過点だと思っている。ここからの成長が重要。全戦全KOで駆け上がっていきたい」と自信の表情。

 杉田については「失礼だけど、印象はない。攻撃していけば自然と崩せると思う。守る気はないし、最初からガンガン行く。最終的には右で倒す」とコメントした。

 初のタイトル挑戦となる杉田は「キャリアでも一番大きな試合。右のストレートが当たれば倒せると思う。打ち合いになった時がポイント。強い相手だが、必ず自分がチャンピオンになる」と王座奪取を誓った。

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尾川堅一が新王者 初回からダウン奪い負傷判定勝ち

新王者となった尾川堅一

<プロボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇14日◇東京・後楽園ホール

 挑戦者の日本スーパーフェザー級1位尾川堅一(27=帝拳)が5回負傷判定勝ちし、新王者となった。

 13戦無敗の同級王者内藤律樹(24=E&Jカシアス)から初回に得意の右でダウンを奪うと、その後も積極的に攻め込んだ。5回に内藤が偶然のバッティングで右眉から大流血し、続行不可能と判断された。タイトル初奪取の尾川は戦績を17勝(14KO)1敗とした。

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尾川堅一が新王者「世界近づいた」5回負傷判定勝利

日本スーパーフェザー級新王者となった尾川堅一(撮影・奥山将志)

<プロボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇14日◇東京・後楽園ホール◇観衆1827人 

 同級1位の挑戦者・尾川堅一(27=帝拳)が5回負傷判定で勝利し、新王者となった。13戦無敗で4度目の防衛を目指した王者・内藤律樹(23=E&Jカシアス)と対戦。

 試合開始のゴングと同時に一気に攻め込むと、初回終了間際に強烈な右ストレートでダウンを奪った。5回に偶然のバッティングで内藤が右眉から大流血。続行不可能と判断され、3-0の判定で勝利した。

 ベルトを手にすると「頭を振って、距離をつぶす作戦通りに出来た。自分の強さで相手のうまさをつぶせると思って戦った。相手は相当効いていたし、負傷判定だが、自分としては満足している。チャンピオンになれてすごくうれしい。世界に1歩近づけた」と喜びを爆発させた。

 拳法部の主将を務めた明大卒業後にプロデビューし、全日本新人王を獲得した強打者。幼少期から日本拳法の手ほどきをしてくれた父雅一さん(53)が10月16日に病死した。遺影を持って会見に臨むと「力をもらった。帰ってしっかり報告したい」と話した。尾川は戦績を17勝(14KO)1敗とした。プロ初黒星の内藤は13勝(5KO)1敗となった。

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セミファイナルで伊藤雅雪が初防衛へ「メーン意識」

 今日14日、東洋太平洋スーパーフェザー級タイトルマッチ(12回戦)、日本スーパーフェザー級タイトルマッチ(10回戦)が東京・後楽園ホールで行われる。

 セミファイナルの東洋太平洋同級王座戦は、王者伊藤雅雪(24=伴流)が初防衛をかけ「江藤3兄弟」の末弟、江藤伸悟(26=白井・具志堅スポーツ)を迎え撃つ。今年2月に同級日本王者内藤律樹(24=E&Jカシアス)との無敗対決に敗れており「メーンも意識して戦う。勝った方と戦って、自分が一番だと認めさせたい」と対抗心を燃やした。

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内藤律樹が万全調整きょう日本Sフェザー級V4戦

計量をクリアした日本スーパーフェザー級王者内藤(左)と挑戦者の同級1位尾川

 プロボクシングの日本スーパーフェザー級タイトルマッチ(東京・後楽園ホール)の前日計量が13日、都内の日本ボクシングコミッションで行われた。

 王者内藤律樹(24=E&Jカシアス)、挑戦者の同級1位尾川堅一(27=帝拳)はともにリミットの58・9キロでパスした。4度目の防衛戦となる内藤は、WBA世界スーパーフェザー級王者内山と2度のスパーリングを行うなど、万全の調整をアピール。チケットが当日券用の50枚を残すのみという注目の一戦に「上にいくためのステップにする。完勝する自信はある」。初のタイトル挑戦となる尾川は「世界に進めるかの分岐点。取るか取らないかですべてが変わる」と闘志を燃やした。

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王者内藤律樹、判定勝ちも「スッキリしない試合」

<プロボクシング:ライト級ノンタイトル10回戦>◇8日◇東京・後楽園ホール

 日本スーパーフェザー級王者内藤律樹(23=E&Jカシアス)が世界戦経験者のベテランを下した。

 13年にWBC世界ライト級王座に挑戦した荒川仁人(33=ワタナベ)と対戦。ジャブの差し合いで口火を切り、4回からアッパーを生かして攻勢となった。その後は接近戦で荒川の粘りにあい、クリンチでしのぐ場面もしばしばだった。終盤は若さで動いて有効打を当て、判定となったが3-0で勝利した。

 「勝つことが一番だったが、相手の気持ちも強かった。接近戦でもらわないようにしないといけない。スッキリしない試合だった」。ポイントは3、4、6と差があったが、喜びはもう一つだった。

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大森将平がチャンピオンカーニバル最優秀選手

チャンピオンカーニバル最優秀選手に選出された日本バンタム級王者大森将平

 日本プロボクシング協会は11日、都内で第36回チャンピオンカーニバルの表彰選手選考会を開き、最優秀選手に日本バンタム級王者大森将平(22=ウォズ)を選出した。

 大森は4月15日に前王者の益田健太郎を3回TKOで下し、初挑戦で王座奪取を果たした。技能賞には日本スーパーフェザー級王者内藤律樹(23=E&Jカシアス)、敢闘賞には同スーパーライト級王者岡田博喜(25=角海老宝石)が選ばれた。

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内藤律樹2-0判定で3度目の防衛

<プロボクシング:日本スーパーフェザー級タイトルマッチ10回戦>◇9日◇東京・後楽園ホール

 王者内藤律樹(23=E&Jカシアス)が、同級1位伊藤雅雪との無敗対決を2-0の判定で制し、3度目の防衛に成功した。中盤までは互角の攻防を展開も、7回終了間際に強烈な左ストレートを決めて流れを奪取。伊藤の反撃を冷静にかわし、際どい試合をものにした。

 「右が当たらずに苦しんだが、勝ててうれしい。王者になった1年前よりも成長できていると思う」。今後は、王座返上も視野に入れており、東洋太平洋同級王者ジョムトーン(タイ)への挑戦などを目標に掲げた。

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