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栃ノ心「こんなチャンスは来ない」大関とりに前向き

十両相手の稽古で相手の押しを受け止める栃ノ心


 大相撲の春巡業は18日、千葉・柏市で初日の興行が行われた。

 大相撲夏場所(5月13日初日、両国国技館)で大関とりを目指す関脇栃ノ心(春日野)は、十両の5人を相手に約20分間、土俵を独占した。通常の仕切りから立ち合って、四つに組んだり押し合う、いわゆる取組の稽古でなかった。片方の足を前に出し受けの形を作ってから相手の突進を受け止め、左右に突き落としたり、押させてから組み止め前に出る「部屋では申し合いが出来なければ、よく30~40番はやっている稽古」(栃ノ心)で、この日は30番をこなした。

 数日前に「柏巡業あたりから申し合いができれば」と話していたが、自分の体と相談しての判断だったようだ。右肩や脚を痛めていることもあり「師匠と相談しながら」(栃ノ心)の稽古となった。

 大関とりについては「考えたくないけど、考えてしまうね。いつも通り、普通にやればいいんだけどね」と徐々にプレッシャーも感じてきている様子。それでも「なかなか3場所続けて(好成績)というのは厳しいけど、でもこんなチャンスは(もう)来ないかもしれないから、しっかりやらないとね」と努めて前向きな姿勢を崩さなかった。平幕上位だった1月の初場所は14勝1敗で初優勝。3月の春場所は2桁10勝(5敗)に乗せ、文句なしの“有資格者”として臨む夏場所。「ケガをしないように体を作って精いっぱいやりますよ。暑いのは好きで5月はちょうどいい」と、新緑の5月に実を結ばせたいところだ。

柏巡業の土俵下で準備運動する栃ノ心

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稀勢の里、左四つ「こだわって」十両明生に9戦全勝

明生(左)を難なく押し出す稀勢の里(撮影・高田文太)


 大相撲の春巡業は13日、神奈川・川崎市で行われ、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)は、十両明生(22=立浪)を稽古で指名し、9番取って全勝した。

 得意の左四つに組み止めると、相手に何もさせずに寄り切り、すくい投げなどで地力の差を見せつけた。巡業合流初日となった前日12日は、先場所十両優勝の佐田の海に8勝2敗。差し手争いで譲る場面もあっただけに「昨日の反省を生かす。しっかりと形にこだわっていく」と、左四つからの攻めというテーマを持って臨んでいた。

 稀勢の里は現在、6場所連続休場中で、1月の初場所を途中休場して以来、本場所から遠ざかっている。全休した3月の春場所中には稽古を再開しており、四股やすり足などの基礎運動、若い衆との申し合いなどで調整。関取衆との稽古は前日に再開したばかりとあって、実際に本場所で対戦する幕内上位ではなく、2日続けて十両を指名。その中でも明生を指名したのは「一番いい稽古をしていたから。低いしね」と答えた。若手の勢いを肌で感じたかったのと、低い姿勢から鋭い立ち合いを披露する相手への対応など、相撲勘を取り戻したい考えが根底にある様子だった。

 前日は自身の稽古が終わると、土俵周辺から会場裏手へ引き揚げたが、この日は土俵下に残って四股やすり足を繰り返した。「土俵に尻を向けないのは意味がある。若い衆のころは(土俵脇に立つ)塩持ちするのが、一番いいところで見られるし、強くなると言われていた。(若手の相撲を)参考にしているところもある」と、本場所では対戦しない十両や幕内下位の力士の稽古にも目を光らせていた。

ぶつかり稽古で栃ノ心(左)に胸を出す稀勢の里(撮影・高田文太)

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稀勢の里が春巡業に合流、夏場所へ「心と体を鍛練」

佐田の海(手前)と三番稽古を行う稀勢の里


 6場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、約3カ月ぶりに観客の前で相撲を取った。

 12日、埼玉・草加市で行われた春巡業に合流し、稽古では先場所十両優勝の佐田の海を8勝2敗と圧倒した。取組は先場所優勝の横綱鶴竜に敗れたが、途中休場した1月の初場所以来、観客の前で相撲を取り「気持ちよかった」と笑顔。夏場所(5月13日初日、両国国技館)の出場は明言せず「15日間しっかり戦えるように、心と体を鍛錬していきたい」と、慎重に話した。

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稀勢の里が巡業合流「心と体を鍛錬していきたい」

佐田の海(手前)と三番稽古を行う稀勢の里


 大相撲の春巡業は12日、埼玉・草加市で行われ、6場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が合流した。

 稀勢の里の巡業参加は昨年10月以来、約半年ぶりとなったが、稽古では早速、先場所十両優勝の佐田の海を指名して10番。8勝2敗と地力の差を見せつけた。

 取組では3月の春場所優勝の横綱鶴竜に敗れたが「(観客に)温かく迎えてもらって、ありがたかった。この巡業で、しっかりと体をつくっていきたい。15日間しっかり戦えるように心と体を鍛錬していきたい」と、本場所復帰への意欲を見せていた。

 観客の前で相撲を取るのも、途中休場した1月の初場所以来、約3カ月ぶりとなった。「脚は元気だから」と、全休した春場所中には四股やすり足など、基礎運動で稽古を再開していたという。それでも「部屋では若い衆とやっていたけど関取衆は圧力も全然違う」と、相撲勘に徐々に取り戻していくつもりだ。

 胸を借りた佐田の海は「重かった。いい形をつくることができたと思っても動かなかった」と証言した。稀勢の里が昨年初場所後に横綱に昇進してからは、初めて胸を借りたというが「なかなか差し勝てなかった。左を差されると何もできなかった」と、稀勢の里が得意とする左四つに組み止められると、勝機を見いだすのは難しかったと語った。

 稀勢の里は出場については明言しなかったが「まだ5月13日の初日までは時間はある」と、夏場所(両国国技館)での復帰を視野に入れている様子だった。

横綱土俵入りを行う稀勢の里

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白鵬と鶴竜、両横綱が初ぶつかりで稽古胸を出した

春巡業で初めて土俵に上がり、稽古を行った横綱白鵬(撮影・加藤裕一)


 大相撲春巡業が5日、兵庫・姫路市で行われ、白鵬(33=宮城野)鶴竜(32=井筒)の両横綱が初めて稽古で土俵に上がり、ぶつかり稽古で胸を出した。

 両足親指の負傷から復帰を目指す白鵬は徐々に状態を上げていくのか? と問われ「そうだね。足の裏の感覚や、相撲勘を取り戻していきたい。あと2、3日は今日のような感じかな」と話した。

 鶴竜は白鵬と同じタイミングで土俵に上がったことについて「それは偶然です」と苦笑い。優勝した春場所の「疲れを完全にとって、十二分にリフレッシュしてから(本格的に動きたい)」。初場所の千秋楽で脱臼し、春場所も気遣いながらの相撲が続いた右手薬指の状況を「だいぶん良くなったけど、まだ痛い」。患部と相談しながらの調整になりそうだ。

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白鵬、期待をかけた若手・竜電相手に稽古 春巡業 


 大相撲春巡業が2日、岐阜・中津川市で行われ、横綱白鵬(32=宮城野)が、平幕の竜電に狙いを定めた。

 両足親指の負傷などで2場所連続休場中で、四股やストレッチなどの軽めの運動で調整。1日の三重・伊勢市での巡業で、今巡業は若手を相手に稽古をすることを宣言していて、この日に希望の若手を問われると「竜電はしたことないからね」とニヤリとした。

 竜電は初場所で新入幕に昇進した若手の1人で「巡業で一緒に温泉に入ったことがある。その時に『早く上がってこい』と言いましたから。それが効いたのかな」と、期待をかけた若手と胸を合わすことを楽しみにするかのように話した。

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高安「目指すのは変わらない」夏場所も初Vこだわる

明生(右)に胸を出す高安(撮影・佐々木隆史)


 大相撲春巡業が2日、岐阜・中津川市で行われ、大関高安(28=田子ノ浦)が、夏場所(3月15日初日・東京・両国国技館)での優勝を目標に掲げた。

 初場所と春場所で12勝ずつ挙げて、2場所連続で優勝次点。夏場所で高いレベルの優勝ならば、横綱昇進の声も挙がるかもしれない状況で「どういう風に評価されるかは分からないけど、優勝を目指すのは変わらない。とりあえず優勝」と、いまだ果たしていない幕内優勝に強いこだわりを見せた。

 春場所は「稽古量が足りなかった」と振り返るだけに、今巡業では「1番でも多く相撲を取る」がテーマ。この日こそ相撲は取らなかったものの、平幕の大奄美、十両翔猿、明生などに胸を出して汗をかいた。「自分の残り腰をつけるためにガンガン受ける。まずはたくさん胸を出してから」と、しっかりとした計画を持っていた。

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白鵬「帰ってきた感じ」巡業初日からパワー全開V

奉納土俵入り後に魁聖(左)と談笑する白鵬


 大相撲春巡業の伊勢神宮奉納大相撲が1日、三重・伊勢市で行われ、春場所を全休した横綱白鵬(33=宮城野)が巡業初日からパワー全開で臨んだ。

 春場所で優勝した横綱鶴竜、初場所で優勝した関脇栃ノ心ら16人が参加した、幕内力士トーナメント選士権大会で優勝。「2場所休んでましたから。初日から飛ばしていくというね。いいスタートが切れた。帰ってきたという感じですね」と手応えを口にした。両足親指の負傷についても「まぁまぁです」と口では言うものの、表情には余裕があった。

 夏場所(5月13日初日、東京・両国国技館)に向けては「体作りからやる。土俵勘、相撲勘がありますから。若手を使って稽古したい」と意気込んだ。「土俵に上がりたい、相撲を取りたいという気持ちになった」と春場所休場でたまったフラストレーションを糧に、昨年九州場所以来41度目の優勝に向けて仕上げていく。

奉納土俵入りを行う白鵬

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鶴竜、親方問題に初言及「半分半分、簡単じゃない」

優勝して子供を抱きかかえる写真を手に笑顔の鶴竜(撮影・岡本肇)


 大相撲の横綱鶴竜(32=井筒)が26日、将来的な年寄名跡取得、親方襲名の可能性について公の場で初めて言及した。

 度重なる故障を乗り越え、8場所ぶり4度目の優勝を飾った春場所から一夜明けたこの日、大阪市内で会見。現役引退後、日本で相撲を指導する考えの有無を問われて「半分半分です」と答えた。モンゴル人の鶴竜にとって、日本国籍取得が必要になるが、熟考を重ねていく考えだ。

 角界で名を成した外国人力士のほとんどが頭を悩ませる問題を、鶴竜も抱えていた。年寄名跡を取得し、親方となるのか-。現時点の考えを問われ、慎重に口を開いた。「まあ半分半分。やっぱり親方になることは、なってからも、簡単なことじゃない。いろいろやらなければいけないことがある。(自分が)そういうことをできるのか。そこをちゃんと見極めて判断したいな、と思いますね」。モンゴルで日本の大相撲に憧れ、高校を中退して15歳で来日。「賭け」と表現する決断から17年。将来の選択肢を考えていた。

 復活Vから一夜明けたこの日は「こんなに寝覚めがいいもんなんですね。エヘヘ」と喜びに浸った。13勝中6勝が引き技で「内容は良くなかった」と話す一方、その理由を明かした。初場所千秋楽で脱臼した右手薬指の状態から「まわしを取らない相撲を取ろう」と決断。「どんな相撲も取れるように」心掛けてきたオールラウンダーならではの冒険が、結果としてきわどい白星連発につながったようだ。

 「理想は初場所の最初の10日間(10連勝)」。低く速い立ち合いから前まわしを取り、一気に決める-。4月1日スタートの春巡業に最初から参加し、初の2場所連続優勝を狙っていく。【加藤裕一】

日本国籍を取得した現役親方

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鶴竜涙の優勝「何が何でも」折れかけた心救った言葉

豪栄道(左)をはたき込みで破り優勝を決めた鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇14日目◇24日◇エディオンアリーナ大阪


 横綱鶴竜(32=井筒)が4度目の優勝を飾った。後続と2差で迎えた豪栄道と結びの一番。土俵際ではたき込み、13勝1敗とした。16年九州場所の3度目V以降、頸椎(けいつい)、左肩、両足首、腰など度重なる故障に見舞われたが、今場所「チャレンジ」をテーマに、8場所ぶりに賜杯をつかんだ。大一番で、引く悪い癖が出て「相撲は最悪」と自嘲気味に笑ったが、優勝後の花道で感極まって涙を浮かべた。

 鶴竜が下がった。大阪出身のご当地力士、豪栄道の圧力に耐えかね、引いて、はたいた。悪い癖の負けパターン。しかし、残った。俵ぎりぎり右足だけで伸び上がるように立つと、豪栄道が前に落ちた。「相撲は最悪でした」と言った。「何が何でもという気持ちでした」と言った。取組前に「豪栄道コール」が起こった館内は静かになった。優勝決定の相撲には不細工だった。それでも、泥臭い横綱の姿には、苦難を乗り越えた輝きがあった。

 悪夢は前回優勝の16年九州場所後に始まった。17年初場所で頸椎(けいつい)と左肩を痛め、左右の足首、腰…。「『よっしゃ』と思ったら、違うケガをする。本当に気持ちが折れそうだった」。4横綱だった昨年、全6場所で自分だけ優勝がなかった。「悔しさを、今年にぶつける」と臨んだ初場所も11日目に左足首を痛め、千秋楽に右手薬指を脱臼。2月1日に左足首の遊離軟骨除去手術を受けた。今場所は初日の3日前、悩んだ末に出場を決めた。「チャレンジだと思った」。自分に賭けた。

 多くの人の励ましの中で、心に残った言葉がある。「神様は乗り越えられない試練を与えない」-。5分間しか踏めなかった四股を、時間をかけて30分間踏めるようにした。場所中の朝稽古は午前8時半に土俵に下りて、四股、すり足、てっぽうを30分。睡眠は昼寝と合わせて8時間強。場所入りは決まって午後3時15分。「すごく大事」というルーティンを崩さず、準備を整えた。

 「家族、それと応援してくれた人たちのおかげです」。折れかけた心を支えてくれた周囲に感謝したい。その人たちに、復活優勝を見せたい。その一心で土俵に立った。悪い癖で、何度も引いたが、13勝した。日頃から「まだ成長できると思う」と口にする32歳は、5度目の優勝で会心の15日間を見せるつもりだ。【加藤裕一】

 ◆鶴竜力三郎(かくりゅう・りきさぶろう)本名・マンガラジャラブ・アナンダ。1985年8月10日、ウランバートル市生まれ。モンゴルではバスケットボール、レスリングなどを経験。01年9月に来日し、同年九州場所で初土俵。06年九州場所で新入幕、12年春場所後に大関、14年春場所後に横綱昇進。しこ名は先代井筒親方(元関脇鶴ケ嶺)の「鶴」と「しっかり立つ」の響きから「竜」。「力三郎」は師匠の弟の元関脇寺尾(現錣山親方)の現役時代から取った。得意は右四つ、寄り。186センチ、155キロ。家族は妻と1男1女。血液型A。

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旭大星勝ち越しで道産子幕内力士20年ぶり復活へ

琴恵光(左)を引き落としで破る旭大星(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇13日目◇23日◇エディオンアリーナ大阪


 98年夏場所の北勝鬨を最後に途絶えていた道産子幕内力士が来場所、20年ぶりに復活しそうだ。

 東十両筆頭の旭大星が琴恵光に引き落としで勝ち、勝ち越し。来場所の新入幕を有力にした。初場所も西筆頭で8勝7敗ながら横移動の東筆頭。「また据え置きかも」と笑いつつ「長かった。実感はないけどうれしい」。大鵬、北の湖、千代の富士ら幾多の名横綱を輩出した北海道に春がやってきそうだ。

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旭大星「長かった」20年ぶり道産子の幕内力士復活

琴恵光(左)を引き落としで破る旭大星(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>13日目◇23日◇エディオンアリーナ大阪


 東十両筆頭の旭大星(28=友綱)が西十両8枚目の琴恵光を下し、勝ち越しを決めた。これで8勝5敗とし、来場所の新入幕が確実になった。

 北海道出身力士の新入幕は1992年初場所の立洸以来26年ぶり。1998年夏場所の北勝鬨(現伊勢ノ海親方)を最後に途絶えている道産子の幕内力士が復活する。

 立ち合いから旭大星が押し込んだが、琴恵光に反撃を食らって左にいなし、右に開いて引き落とした。

 「長かった…。まあ、また(番付が)据え置きになるかもしれませんけどね」

 つい、冗談も出た。1月の初場所は西十両筆頭で8勝7敗としながら、番付運に恵まれず、半枚上がっただけで今場所は東十両筆頭。今回は幕内からの陥落力士を考慮すれば、旭大星の新入幕はほぼ間違いない。

 先場所から体重は6キロ増えて、148キロ。今場所前の稽古も充実していた。

 「魁聖関によく稽古を付けてもらいました。だから今日も押し込めた。魁聖関とやっていると、他の人はそこまで重いと感じないようになった。ボコボコにやられましたけど、魁聖関にも『立ち合いが強くなってきたね』と言われて自信になりました。多い時は30番くらいやりました」

 北海道出身力士が幕内から途絶えていることは、最近になって聞かされた。「俺より先に矢後くんが上がっちゃうかなと思っていた」と言うものの、きっちり結果を残してみせた。

 大鵬、北の湖、千代の富士ら出身地別で最多となる8人の横綱を生んだかつての相撲王国・北海道。「盛り上がってくれるといいですね」と故郷に思いをはせた。

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栃ノ心「絶対離さないと思った」19連敗中天敵攻略

鶴竜(左)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇12日目◇22日◇エディオンアリーナ大阪


 関脇栃ノ心(30=春日野)が、横綱鶴竜に土をつけた。過去1勝21敗という大の苦手を自慢の右四つから寄り切った。勝ち越しを決め、来場所での大関とりへ夢をつないだ。負ければ鶴竜が王手をかけ、今日13日目にも優勝が決まる展開を阻止。ナニワの春を盛り上げた。

 大歓声が土俵を包む。初場所を席巻した栃ノ心の右四つが、もがく鶴竜を封じ込む。こん身の力で寄り切った。1敗の魁聖、2敗の高安が立て続けに敗れた。全勝鶴竜の優勝ムードが漂っていた。冷え冷えとした12日目の結びの一番で一転、荒れる春が訪れた。

 栃ノ心の息も荒れていた。「これ(左まわし)が取れたからね。絶対離さないと思った」。過去22戦21敗。10年九州場所で勝った後は19連敗。「当たりが低くて、いつも前みつを取られる」。初優勝した先場所も唯一負けた天敵だった。しかも、大関戦2連敗の直後。10日目は豪栄道の立ち合い変化で、11日目は高安に物言いの末、微妙な判定で負けた。「落ち込んだよ。でも黒星が白星にはならないから」。この日朝には師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)に「残り(4番)全部勝つつもりでいきます」と宣言していた。

 残り3日で8勝4敗。かすかに残る優勝の可能性より現実的な目標がある。夏場所での大関とりだ。先場所は西前頭3枚目で14勝1敗。昇進目安の「三役で直近3場所で33勝以上」を思えば、1つでも白星を増やしたい。この日審判長を務めた境川審判部長代理(元小結両国)は「当然そうなる。そのためにも、残り3日が大事」と話した。

 全勝の横綱を止め、館内を沸かせた千両役者。「大関」の2文字は口に出さず、ニヤリと笑った。「勝つこと。10番勝てるようにね」。自信満々にささやいた。【加藤裕一】

 ◆幕内後半戦の境川審判長(元小結両国)のコメント 鶴竜は頭をつけられず顔が上がった。他の相手なら切れるまわしも切れなかった。栃ノ心は大関になってもおかしくない力強さ。(割崩しは)優勝争いが一番。面白い取組を(ファンも)期待しているでしょうから。

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栃ノ心勝ち越し「前に出たのが良かった」鶴竜止めた

鶴竜(左)を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇12日目◇22日◇エディオンアリーナ大阪


 初場所優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)が、横綱鶴竜(32=井筒)の連勝をストップさせた。

 右四つがっぷりに胸を合わせ、まわしを引きつけて最後は寄り切った。過去1勝21敗と分の悪い横綱だったが、力でねじ伏せた。

 「前に出たのが良かった。いつも前みつを取られて上半身が起きて下がっていたので、(体が)起きても前に出た。それが良かったと思う。明日からあと3つ。いい相撲で終わりたい」。3場所連続勝ち越しを決めた栃ノ心は、大きく息をはずませながら2場所連続2桁勝利へ気を引き締めていた。

花道を引き揚げる栃ノ心(撮影・岡本肇)
取組後、支度部屋で苦しそうな表情をする栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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鶴竜が10連勝で単独トップ、栃ノ心3敗目 春場所

ファンの拍手を受け引き揚げる鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇10日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)が単独トップに立った。前頭5枚目千代丸(26=高砂)を危なげなく寄り切った。

 初日から9連勝していた前頭6枚目魁聖(31=友綱)は、小結逸ノ城(24=湊)に右四つがっぷりから寄り切られて土がつき、優勝争いから1歩後退した。逸ノ城は2敗を守り勝ち越した。

 連敗発進だった大関高安(27=田子ノ浦)は、前頭4枚目正代(26=時津風)を左のど輪から押し出して8連勝とした。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)は、立ち合いで左へ変わり関脇栃ノ心(30=春日野)を送り出して7勝目を挙げた。栃ノ心は3敗目で、初場所に続く優勝は厳しくなった。

 人気力士の前頭筆頭遠藤(27=追手風)は、同2枚目荒鷲(31=峰崎)を寄り切って5勝5敗の五分に戻した。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同8枚目誉富士(32=伊勢ケ浜)に押し倒されて5勝5敗となった。

 10日目を終わって全勝は鶴竜、1敗で魁聖、2敗で高安、逸ノ城の2人が追っている。

報道陣の質問に答える鶴竜(撮影・鈴木正人)

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鶴竜、魁聖が全勝守る 豪栄道は3敗目 春場所

正代(右)をはたき込みで破る鶴竜(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇9日目◇19日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)と前頭6枚目魁聖(31=友綱)が9連勝を飾った。鶴竜は前頭4枚目正代(26=時津風)に押し込まれる場面もあったが、はたき込んだ。魁聖は前頭9枚目竜電(27=高田川)を危なげなく寄り切った。

 連敗発進だった大関高安(28=田子ノ浦)は、小結千代大龍(29=九重)を右からの上手投げで下し7連勝とした。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)は物言いのつく一番となり、前頭5枚目千代丸(26=高砂)に押し出されて3敗目を喫した。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は、前頭4枚目松鳳山(34=二所ノ関)を左からかち上げて寄り切り7勝目を挙げた。

 人気力士の遠藤(27=追手風)は、玉鷲(33=片男波)との前頭筆頭対決で敗れた。立ち合いから突き起こされて押し出されて4勝5敗となり、再び黒星が先行した。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同10枚目水戸龍(23=錦戸)を寄り切って5勝4敗とし、白星を先行させた。

 9日目を終わって勝ちっ放しは鶴竜、魁聖の2人、2敗で高安、栃ノ心、小結逸ノ城(24=湊)前頭13枚目大翔丸(26=追手風)同14枚目勢(31=伊勢ノ海)同16枚目大奄美(25=追手風)同17枚目碧山(31=春日野)の7人が追っている。

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横綱鶴竜が8連勝 豪栄道、高安、栃ノ心は6勝目

松鳳山(左)をはたき込みで破る鶴竜(撮影・河南真一)

<大相撲春場所>◇8日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)が、前頭4枚目松鳳山(34=二所ノ関)をはたき込みで下し、無傷の8連勝となった。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)は前頭3枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を寄り切りで6勝目を挙げた。

 連敗発進の大関高安(27=田子ノ浦)は貴景勝(21=貴乃花)押し出しで白星。これで3日目から6連勝となった。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は、関脇御嶽海を(25=出羽海)を肩透かしで下し、6勝目を挙げた。

 人気力士の前頭筆頭遠藤(27=追手風)は、千代大龍(29=九重)を押し出し。4勝4敗とした。

 前頭6枚目魁聖(31=友綱)は同9枚目隠岐の海(32=八角)押し出し、横綱鶴竜と並んで8戦全勝となった。

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鶴竜と魁聖が無傷7連勝、栃ノ心5勝目 春場所

貴景勝(左)を押し出しで破る鶴竜。左足の親指が微妙で物言いがつく(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇7日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)が、前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)を押し出して、無傷の7連勝を飾った。押し出した際に鶴竜の左足つま先が先に出たのではと物言いがつき、およそ3分間の長い協議が行われたが、軍配は変わらなかった。

 連敗発進だった大関高安(27=田子ノ浦)は、前頭4枚目松鳳山(34=二所ノ関)をはたき込んで5連勝を飾った。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)も、前頭2枚目宝富士(31=伊勢ケ浜)を下手投げで下し5勝2敗とした。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)も、前頭2枚目荒鷲(31=峰崎)を上手投げで下し5勝2敗。

 人気力士の前頭筆頭遠藤(27=追手風)は、前頭3枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)に寄り切られ3勝4敗となった。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同9枚目青狼(29=錣山)に突き落とされ3勝4敗となった。大関経験者としては4人目の十両陥落力士となった十両5枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)は、同7枚目剣翔(26=追手風)を寄り切り4勝3敗とした。

 7日目を終わって勝ちっ放しは鶴竜、前頭6枚目魁聖(31=友綱)の2人。

貴景勝対鶴竜戦で審判協議(撮影・岡本肇)

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コーラ好き魁聖も懸賞欲しい!スカッと爽やか6連勝

大好きなコカ・コーラを手に笑顔を見せる魁聖

<大相撲春場所>◇6日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪


 日本コカ・コーラさん、次は僕にも懸賞を! 東前頭6枚目の魁聖(31=友綱)が、押し出しで大栄翔を破り、無傷の6連勝を飾った。初日からの連勝としては、新入幕で9連勝した11年5月の技量審査場所以来、約7年ぶり。全勝は横綱鶴竜と2人だけとなった。1月の初場所でジョージア出身の栃ノ心が平幕優勝し、今場所は日本コカ・コーラから缶コーヒー「ジョージア」の懸賞が付いたことに刺激。優勝争いに絡み、愛飲するコカ・コーラの懸賞を付けてもらうことを目標に快進撃を続けている。

 まるでよく振ったコーラを開栓したように、魁聖が立ち合いから勢いよく飛び出した。もろ手で突いてはじき飛ばすと、体勢を崩した大栄翔に、さらにもう1発。土俵際で粘られたが、猛然と迫って触れずに圧力をかけ、たまらず土俵を割らせた。「足も出たし、腕も伸びた。本当は目立ちたくないから緊張した。でも緊張した方がなぜか冷静」と笑顔で話した。

 先場所、栃ノ心が平幕優勝し、今場所はその再来を期待する声が、早くも自身の耳に届いている。そうなればジョージアに続き、ブラジル出身力士として初優勝となるが「全然考えていない。まずは勝ち越し」と控えめ。それよりも栃ノ心に今場所かかっている「ジョージア」の懸賞に触発されている。出身地と商品が同名ということもあるが、販売元の日本コカ・コーラによると、栃ノ心が愛飲していることが最大の理由だという。これに魁聖も「自分もコカ・コーラが大好き。懸賞付かないかな」と色気を見せた。

 現在は糖尿病にかかることを心配し、500ミリボトルを1日1本に抑えたが、ブラジルでは昼食時だけで1・5リットルも飲んでいた。何よりも「赤ちゃんのころから飲んでいて、哺乳瓶にコーラが入っていた。本当だよ、写真が残っているんだから!」と熱弁。「国によって砂糖が違うから味が少し変わる。コカ・コーラマニアだよ」などと、朝稽古後は話が止まらなかった。

 連勝中は毎日、会場に向かう車中で「験担ぎ」と、1日1本を堪能する。「優勝は狙ってないけど懸賞がつくなら頑張らないと」。懸賞は企業の方針によるがコカ・コーラへの愛情が、優勝へと近づけているのは間違いない。【高田文太】

大栄翔(左)を押し出しで破る魁聖(撮影・鈴木正人)

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1人横綱鶴竜、無傷6連勝「これを続けていきたい」

琴奨菊(手前)を突き落としで破る鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇6日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪


 横綱鶴竜(32=井筒)が、東前頭3枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を下して、初日から無傷の6連勝を挙げた。

 鋭く踏み込んできた琴奨菊の立ち合いを正面から受けた。右脇を差されて右上手が取れなかったが「うまく回り込めた」と、前に突っ込んでくる勢いを利用して右に回り込んで突き落とした。

 6日目を終えて全勝は平幕の魁聖と2人だけ。白鵬、稀勢の里が初日から休場で、1人横綱として土俵上を締めている。安定した相撲内容が続いていて「これを続けていきたいと思います」と淡々と話した。初場所で負傷した右手の指も「大丈夫ですよ」と不安視しなかった。

6連勝も支度部屋で指を気にする鶴竜(撮影・岡本肇)

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鶴竜と魁聖が無傷6連勝、十両貴ノ岩3敗目 春場所

<大相撲春場所>◇6日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)が、前頭3枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を右から突き落として6連勝を飾った。

 連敗発進だった大関高安(27=田子ノ浦)は、前頭2枚目宝富士(32=伊勢ケ浜)を右からの上手投げで下して4連勝と安定してきた。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)も、初日から5連勝していた前頭4枚目松鳳山(34=二所ノ関)を引き落としで下し4勝目を挙げた。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は、人気力士の前頭筆頭遠藤(27=追手風)を右からの小手投げで下し4勝2敗とした。遠藤は3勝3敗の五分となった。

 関脇御嶽海(=25=出羽海)は前頭3貴景勝(21=貴乃花)に押し出され2敗目を喫した。

 逸ノ城(24=湊)は千代大龍(29=九重)との小結対決を寄り切りで制し5勝目を挙げた。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、幕下3枚目栃飛龍(30=春日野)に突き落とされて3勝3敗となった。大関経験者としては4人目の十両陥落力士となった十両5枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)も、同8枚目琴恵光(26=佐渡ケ嶽)に寄り切られて3敗目を喫した。

 6日目を終わって勝ちっ放しは鶴竜、前頭6枚目魁聖(31=友綱)の2人となった。

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豊ノ島がお手本電車道で連勝「前に出れば結果出る」

<大相撲春場所>◇6日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪


 関脇経験者で西幕下35枚目の豊ノ島(34=時津風)が、今場所3番相撲に登場。同37枚目の朝日龍(22=朝日山)を難なく寄り切りで破り、連勝で今場所の星を2勝1敗とした。

 モンゴル人力士で、まわしを与えると手を焼きそうな朝日龍に対し、お手本のような相撲だった。立ち合い、低い出足で二本を差すと、そのまま低い前傾で寄り立る。相手に反撃のいとまも与えず、5秒もかからない電車道で勝負を決めた。

 初場所で痛めた左ふくらはぎの影響は「全然、大丈夫」と話すように、全く問題なさそう。むしろ本人が口にするように、緊張で自分の立ち合いが出来ず、本来の相撲を取れないことが悩みの種。今場所3番相撲も「緊張した」というが「緊張しても思い切って、考えすぎないで、自分の立ち合いをしっかりやって前に出ればいい。2、3番目の相撲を取れれば、自ずと結果もついてくるからね」。相撲同様、滑らかな口調で意気込みを語っていた。

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鶴竜が無傷5連勝 両大関、栃ノ心も勝利 春場所

宝富士(左)を押し出し全勝を守った鶴竜(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇5日目◇15日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)が、前頭2枚目宝富士(31=伊勢ケ浜)を取り直しの末に下し、無傷の5連勝を飾った。

 大関高安(27=田子ノ浦)は前頭3枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)をすくい投げで下し3勝2敗。地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)も前頭3枚目貴景勝(21=貴乃花)を押し出して3勝2敗とした。

 2大関を撃破するなど好調の前頭筆頭遠藤(27=追手風)は2分近い長い相撲の末、小結逸ノ城(24=湊)に寄り切られ3勝2敗となった。逸ノ城は4勝1敗。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は小結千代大龍(29=九重)を送り出して3勝2敗とした。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は同14枚目炎鵬(23=宮城野)を寄り切り3勝2敗。大関経験者としては4人目の十両陥落力士となった十両5枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)は同6枚目隆の勝(23=千賀ノ浦)に押し出され3勝2敗となった。

宝富士との一番で同体となった鶴竜(撮影・岡本肇)

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横綱鶴竜4連勝、ご当地大関豪栄道は早くも2敗目

<大相撲春場所>◇4日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪


 1人横綱で臨んでいる鶴竜(32=井筒)が、前頭2枚目荒鷲(31=峰崎)を立ち合いから一気に押し出して4連勝を飾った。

 大関高安(27=田子ノ浦)は前頭筆頭玉鷲(33=片男波)をはたき込んで2勝目を挙げた。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)は、前頭筆頭の遠藤(27=追手風)に左から突き落とされ2敗目を喫した。遠藤は3勝1敗となった。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は、前頭3貴景勝(21=貴乃花)との激しい突き押し合戦の末にはたき込まれ、早くも2敗目を喫した。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同13枚目明瀬山(32=木瀬)に突き落とされて連敗を喫し2勝2敗となった。大関経験者としては4人目の十両陥落力士となった十両5枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)は、同6枚目千代ノ皇(26=九重)に上手投げで勝ち3連勝とした。

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豊ノ島「開き直って思い切って」会心の一番で初勝利

<大相撲春場所>◇4日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪


 初場所で左ふくらはぎを痛め、番付を西幕下35枚目まで落とした関脇経験者の豊ノ島(34=時津風)が、今場所2番相撲の土俵に上がり、今場所初勝利を挙げた。

 東幕下37枚目の朝興貴(27=高砂)と対戦。もろ手突きで来る相手に、立ち合いから鋭い踏み込みで左をスパッと差し、右もおっつけ気味に前進。相手に相撲を取らせる間もなく寄り切った。

 「今日は開き直って思い切って立ち合い、踏み込んでいきました」と会心の一番を振り返った。「関取衆のころからメンタルは弱かった」と自己分析する。だから初日も「緊張で、どうしても気持ちが乗りきれなかった」と反省。それを踏まえての「開き直り」だった。

 痛めた左ふくらはぎは「全然、大丈夫」という。返すがえすも悔やまれる、初場所のケガ。あれさえなく、ギリギリ勝ち越しの4勝でも関取復帰があった。それを悔いても仕方ない。「運も実力のうち。勝ち越せなかったんだから」と出直しを自分に言い聞かせる。「相撲人生も、あと10年やるわけではない。目いっぱい、しっかり気持ちを強くもってやりますよ」と笑みを浮かべながら場所を後にした。

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鶴竜頭脳戦、3連敗中と苦手玉鷲の得意技封じ3連勝

声援を受けながら引き揚げる鶴竜(撮影・岡本肇)

<大相撲春場所>◇3日目◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 横綱鶴竜(32=井筒)が“鬼門”を突破して3連勝を飾った。過去3連敗中だった西前頭筆頭の玉鷲をはたき込みで破った。仕切りで間合いを詰め、相手が得意とする突き、押しを封じる作戦勝ち。中指、薬指、小指と右手の3本の指を痛めながらも、思い入れの強い大阪での出場にこだわり白鵬、稀勢の里が休場する中、1人横綱として存在感を見せた。

 仕切りの段階で「勝負あり」だった。大学教授を父に持つ角界きっての頭脳派の鶴竜は、過去の敗戦から勝利の方程式を導き出していた。立ち合いの圧力からペースを乱され、3連敗中だった教訓から、仕切りで間合いを詰めた。助走が短い分、相手の圧力を軽減させ、腕の長さを生かしたのど輪や突きも繰り出させない。胸元に潜り込んで押し込み、慌てた玉鷲が前に出たところをタイミング良くはたき込み。「立ち合いが良かったから、その後の流れも良かった」と、完勝に笑顔を隠しきれなかった。

 玉鷲に勝ったのは、最後に優勝した一昨年11月の九州場所以来、1年4カ月ぶりだった。1月の初場所は10連勝で対戦したが敗れ、そこから4連敗。優勝争いから脱落するきっかけの一番となった。そもそも03年に、夏休みを利用して来日していた玉鷲と井筒部屋の前で偶然会い、角界入りを仲介してあげた縁がある。さまざまな因縁もあり、最善策で隙を与えなかった。

 初場所千秋楽で右手薬指を脱臼し、その後、前後2本の指も痛めた。まわしをつかむのも一苦労。出場か休場か判断するリミットギリギリの8日夜に決断した。「簡単に『休場します』とは言いたくなかった。何もしないで休んでもつらい。一番はファンのことを考えた。大阪は年に1度だけ。自分も大阪で大関、横綱の昇進を決めた思い入れもある。可能性があるなら懸けてみようと思った」。体が悪ければ頭を使う。2場所連続の1人横綱。今場所こそ優勝をつかむつもりだ。【高田文太】

 ◆対鶴竜4連勝での金星奪取に失敗した玉鷲 相手のペースに巻き込まれた。(鶴竜の)仕切りがすごく近くて、それがわかったのに手をついちゃって…。むっちゃ後悔ですよ。

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鶴竜3連勝、高安初日、豪栄道、栃ノ心2勝 春場所

<大相撲春場所>◇3日目◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 右手指に負傷を抱えながら1人横綱で臨む鶴竜(32=井筒)が3連勝を飾った。前頭筆頭玉鷲(33=片男波)をはたき込んだ。

 連敗スタートの大関高安(27=田子ノ浦)は、前頭2枚目荒鷲(31=峰崎)を押し出して初日を出した。

 地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)は、小結千代大龍(29=九重)を左から突き落として2連勝とした。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は、前頭3枚目琴奨菊(34=佐渡ケ嶽)を右四つに組み止めて寄り切り、連敗を免れて2勝1敗とした。

 人気力士の前頭筆頭遠藤(27=追手風)は、関脇御嶽海(25=出羽海)をはたき込んで2勝1敗とした。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同12枚目照強(21=伊勢ケ浜)に寄り切られて1敗目を喫した。大関経験者としては4人目の十両陥落力士となった十両5枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)は、同7枚目天風(26=尾車)を寄り倒して2連勝とし、白星を先行させた。

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納谷“横綱相撲”突き2発、奇策動じずウルトラ撃破

宇瑠寅(左)を押し倒しで破る納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇2日目◇12日◇エディオンアリーナ大阪


 元横綱大鵬(故人)の孫、納谷(18=大嶽)が、初めて番付に載った序ノ口で白星デビューを飾った。東18枚目で登場。188センチ、170キロの巨体で、164センチ、67キロの小兵、西16枚目宇瑠寅(うるとら、28=式秀)を圧倒。強烈な突き2発で押し倒した。大横綱のDNAで“ウルトラマン”をやっつけ、力強い1歩を踏み出した。

 たった2発の突きで勝負を決めた。納谷は重々しい四股の後、170キロの巨体でどっしり仕切る。67キロと体重が半分以下の宇瑠寅が土俵際に近い、後ろで仕切った。明らかな奇策狙いだが、動じない。突っ込んでくる相手をねじ伏せた。

 見た目は“横綱相撲”の豪快デビューだが、心境は違った。「ほっとしたのが1番です。高校の時と全然違う。めちゃくちゃ緊張しました。小学校の時以来ですかね」。3戦全勝だった初場所の前相撲とも違った。「控え(で土俵下)に入ったくらいから、気持ちが高ぶって…」と首をかしげた。大横綱の孫が、18歳の素顔をのぞかせた。

 旅立ちの時だ。5日は埼玉栄高の卒業式。はち切れそうな制服で出席し、相撲部の山田道紀監督に「自信を持ってしっかりやれ」と送り出され、同級生に激励を受けた。サインもねだられたが、関取以上しか許されない角界の慣例を守り「まだできないから」と断った。

 「前に出る」-。相撲の鉄則を磨くため、大嶽部屋で稽古を重ねる。「前に出ようと思うと、引かれて落ちちゃう。だから、しっかり足を出すように」。前相撲から体重は4キロ増え、さらにスケールが大きくなった。部屋では電話番などの雑用もこなすが「兄弟子もやってくれるので」と苦にならない。「高校も寮だったので。でも“また下から始まるんだ”という気持ちです」。今場所残り6番。全勝優勝を目指し、着実に白星を重ねるつもりだ。【加藤裕一】

 ◆第48代横綱大鵬は57年初場所初日に西序ノ口23枚目で白星。同場所は7勝1敗だった。

宇瑠寅を押し倒しで破り、勝ち名乗りを受ける納谷(撮影・鈴木正人)

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1人横綱の鶴竜が連勝、連覇狙う栃ノ心は早くも土 春場所

遠藤(右)を、はたき込みで破る鶴竜(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇2日目◇12日◇エディオンアリーナ大阪


 右手指に負傷を抱えながら1人横綱で臨む鶴竜(32=井筒)が2連勝を飾った。前頭筆頭遠藤(27=追手風)に押し込まれたが、右へ回り込んではたき込んだ。遠藤は1勝1敗となった。

 大関高安(27=田子ノ浦)は小結逸ノ城(23=湊)にはたき込まれて2連敗となった。逸ノ城は2連勝。地元大阪出身の大関豪栄道(31=境川)は、前頭2枚目荒鷲(31=峰崎)をもろ差しから寄り切って初日を出した。

 初場所で6年ぶりの平幕優勝を飾った関脇栃ノ心(30=春日野)は、前頭筆頭玉鷲(33=片男波)にはたき込まれて土がついた。

 元横綱日馬富士関による傷害事件の被害者で3場所ぶりに出場の十両12枚目貴ノ岩(28=貴乃花)は、同11枚目志摩ノ海(27=木瀬)を押し出して2連勝を飾った。大関経験者としては4人目の十両陥落力士となった十両5枚目照ノ富士(26=伊勢ケ浜)は、同5枚目臥牙丸(31=木瀬)に上手投げで勝ち1勝1敗とした。

玉鷲(左)に、はたき込みで敗れ、悔しそうな表情を見せる栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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元関脇の幕下豊ノ島、関取復帰へ意地の相撲続く

豊ノ島

<大相撲春場所>◇2日目◇12日◇エディオンアリーナ大阪


 初場所で左ふくらはぎを痛め番付を西幕下35枚目まで落とした関脇経験者の豊ノ島(34=時津風)が、今場所1番相撲の土俵に上がったが、黒星発進となった。

 東幕下36枚目の蓮台山(30=木瀬)と対戦。立ち合いは、ケガ不安を感じさせない踏み込みで立ったが、圧力をかけきれず逆に押し込まれ防戦。たまらず引いて呼び込んでしまい、向正面の土俵際へ。何とか応戦しようとしたが、上体が完全に浮いてしまい押し出された。

 初場所は東幕下5枚目まで番付を上げ、関取復帰にあと1歩と迫っていた。ところが1番相撲で明瀬山に寄り切りで敗れた際、左ふくらはぎを負傷。治療とリハビリで2番を休んだ後に土俵復帰。だが、復帰戦で敗れその後も休場。結局、全敗扱いで番付を30枚も落としてしまった。

 その初場所では、大量7人もが十両から幕下へ陥落。豊ノ島より番付が1枚下で4勝の炎鵬、2枚下で5勝の貴公俊も新十両昇進を果たした。終わってみれば、勝ち越してさえいれば再十両だっただけに、何とも悔やまれるケガだった。後悔しても始まらない。再び復活の土俵でベテランが意地の相撲を取る。

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