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貴乃花親方、貴ノ岩の十両Vにも「力強さが必要」

十両優勝した貴ノ岩(右)は師匠の貴乃花親方に報告する(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ


 復帰3場所目の貴ノ岩(28=貴乃花)が、13年以来2度目の十両優勝を果たした。本割の旭秀鵬戦で敗れ、2敗で並んだ隆の勝との優勝決定戦で、相手の押しに負けず引き落としで勝った。「肩の力を抜いて思い切りやれた」と胸をなで下ろした。29日から始まる夏巡業にも、昨年10月の秋巡業以来の参加予定だ。

 昨年10月に元横綱日馬富士関に酒席で暴行を受け、九州場所と初場所を休場した。相撲協会からの特別措置で、春場所は十両最下位格に据え置かれた。春場所は8勝7敗。夏場所は11勝4敗と、本来の状態へ上げてきた。

 休場以前から現在の体重の増減は2~3キロで「(休場前から状態は)ほとんど変わらない。場所前の稽古をしっかりやれた証拠」と、胸を張った。師匠の元横綱貴乃花親方は「結果は良かった」とうなずく一方で「以前の力強さは戻っていない。70%くらいですかね。28歳といい年なので今までにない力強さが必要」と注文を出した。

 秋場所で5場所ぶりの幕内復帰が確実となった。「基本の稽古を心掛けてきた。1枚でも上を目指して精進し、次は三役を目指して頑張る」と意気込んだ。【佐藤礼征】

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貴ノ岩、十両V王手に淡々「余計なことは考えずに」

水戸龍(右)をはたき込みで下す貴ノ岩(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇14日目◇21日◇ドルフィンズアリーナ


 西十両3枚目貴ノ岩(貴乃花)が復帰3場所目にして十両優勝を目前とした。

 14日目を終え13勝1敗。初日で敗れた隆の勝(千賀ノ浦)が1差で追うものの、千秋楽で勝てば自力優勝が決まる。昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件で負傷して同年九州、今年の初場所を全休。秋場所での幕内復帰をほぼ手中に収めているが「余計なことは考えずにやっている」と淡々と語った。

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栃煌山、強いパパになる 御嶽海2差「ついていく」

千代大龍(手前)を押し出しで破る栃煌山(撮影・奥田泰也)

<大相撲名古屋場所>◇11日目◇18日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭13枚目栃煌山(31=春日野)が西同6枚目千代大龍を押し出しで破り、9勝2敗。この日、全勝を守った関脇御嶽海との2差を守った。現在の幕内力士で大関経験者を除き、最多25場所の三役経験を誇り、12年夏場所では優勝決定戦も戦った実力者だ。最高気温39・2度を記録した灼熱(しゃくねつ)の名古屋で悲願の初優勝へ-。休場した同部屋の新大関栃ノ心の分まで、V戦線を熱くする。朝乃山も2敗を守った。

 幕内屈指の当たりを誇る千代大龍を、栃煌山が立ち合いで止めた。引かれてできた微妙な距離にも、攻める気持ちを忘れず押し出した。「今日みたいな相手に当たり負けしなかった。(相撲は)よくなっている」。御嶽海と2差を守った。

 新大関栃ノ心を輩出した春日野部屋で栃ノ心より1年早く入門、何度も「大関候補」といわれた。三役25場所は、大関経験者を除き幕内力士最多。12年夏場所では賜杯を旭天鵬に譲ったが、優勝決定戦に進んだ。そんな実力者が初場所で左大胸筋肉離れ、先場所は東前頭15枚目、新入幕の07年春場所以降で自己ワーストタイまで番付を落とした。

 「四股、てっぽう、すり足をもっとやれ」-。夏場所後、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)に助言され、基礎を倍近くこなした。「数年前から“重さ”がなくなった感じがあった。今は尻から背中にいい張りがある」。場所前の出羽海部屋への出稽古では御嶽海を9勝1敗と圧倒した。

 猛暑の戦いの中、癒やしは連夜のテレビ電話だ。相手は妻せりさん、生後10カ月の長女禀(りん)ちゃん。「どこで覚えたんか、“ママ”と言ったんですよ」。残念ながら「パパ」はまだ。強い「パパ」と呼ばれたい。無念の休場となった栃ノ心のためにも頑張りたい。「この位置(トップと2差)にいるんでね。ついていきたいと思ってます」。残り4日。帰ってきた実力者は最後まで夢を追う。【加藤裕一】

2敗を守り、懸賞金を受ける栃煌山(撮影・岡本肇)

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貴ノ岩10勝目「緩めずに」来場所での再入幕濃厚に

貴ノ岩

<大相撲名古屋場所>◇11日目◇18日◇ドルフィンズアリーナ


 西十両3枚目貴ノ岩(28=貴乃花)が、西十両10枚目照強(23=伊勢ケ浜)を下して10勝目を挙げ、来場所での再入幕が濃厚となった。

 照強に中に潜られて足を取られかけたが、寸前で回避した。しかし、上体が起き上がると土俵際まで一気に運ばれた。ここで慌てないのが、貴ノ岩の強み。土俵際で踏ん張って体を落とし、左を差して有利な体勢を作ると、逆の土俵際まで一気に運んで寄り切りで下した。「足を取るとは頭になかった」と予想していなかったが、冷静に対処して白星をつかんだ。

 これで秋場所(9月9日、東京・両国国技館)での再入幕が濃厚となった。昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件の被害で、同年九州、今年の初場所を全休。番付を十両下位まで落とした春場所で復帰して、夏場所に続き2場所連続の2桁白星を挙げた。再入幕となれば昨年九州場所以来だが「最後まで緩めずに頑張るだけです」と、目の前の一番に集中する。

 十両の優勝争いも1敗で単独トップで引っ張っている。「意識してもいいことないですよ」と自然体で、13年初場所以来2度目の十両優勝を狙う。

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御嶽海、単独トップ 初の中日勝ち越しも満足せず

御嶽海(左)は千代の国を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇8日目◇15日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が、西前頭2枚目千代の国(28=九重)を下して自身初の中日勝ち越しを決めた。

 立ち合いでまわしが取れずに距離ができ、突っ込んだところでうまくいなされた。体が泳いだがなんとか耐えて土俵際で残り、攻めに転じたところで再びいなされた。しかし次はその場で耐えると、すぐに体を密着させて右を差して一気に寄り切った。

 支度部屋に戻ると開口一番に「危なかった。足出なかったね」とつぶやいた。前に出る意識はあったというが、初の中日勝ち越しがかかっていただけに多少の緊張があった。「今日から初日という感じ。これからという気持ちだったけど、どうしても足が出なかった」と反省した。

 初場所は初日から7連勝したが、その後5連敗を喫し、終わってみれば8勝7敗とギリギリの勝ち越しだった。そのイメージがあるのか「やっぱり失速した、と言われたくないので」と、中日勝ち越しに満足するつもりは毛頭ない。

 単独トップに立っている優勝争い。1差で迫ってきている平幕力士への意識を問われると「全然。自分もいつ負けるか分からない」と気を引き締めた。

笑顔で引き揚げる御嶽海(撮影・前岡正明)

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御嶽海、攻め続け7連勝 好物うなぎで猛暑乗り切る

御嶽海(右)は琴奨菊を寄り切りで破る(撮影・前岡正明)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が西前頭筆頭琴奨菊を寄り切った。初日からの無傷7連勝は初場所以来、自己最長タイで、優勝争いの単独首位を守った。前夜は、好物のうなぎを食べてエネルギーを蓄えた。3横綱に加えて新大関栃ノ心までもが休場した主役不在の場所を、初優勝に向けて引っ張っている。

 狙った右差しが外れても、御嶽海は動じなかった。右上手を取り、相手十分の左四つになって土俵中央で止まった。だが寄ったのは御嶽海。右上手をがっちりと引き、大関経験者を力ずくで寄り切った。立ち合いこそ狙い通りではなかったが「前に出られたのに変わりはない。攻め続けることが大事」と勝因を分析した。

 上位陣が休場する中、元気な相撲で単独トップに立っている。今場所「先に体が動いている」と調子がいいのは、好物のうなぎのおかげだ。場所前からすでに5回ほど食べたといい、昨日に限っては朝、昼と2回も食べた。米は少なめで丼にはせず、うなぎと別々で食べるのがこだわりだとか。「うなぎのおかげですね」と名古屋名物で猛暑を乗り切っている。

 まずは今日、自身初の中日勝ち越しを目指す。そうすれば自然と優勝もちらつくはずだが、その意識を問われても「なし」と一刀両断。上位陣の中で唯一、安定している相撲を取る期待のホープに自然と注目されるが「じっくりいく」とかわした。主役不在となった今場所でじっくりではなく、うなぎ上りで一気に優勝を狙う。【佐々木隆史】

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御嶽海“準ご当地”で大声援力に5連勝「ここから」

松鳳山(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 “準ご当地”の御嶽海が、初日から無傷の5連勝を飾った。立ち合いで松鳳山につっかけられて、1度目は待ったがかかった。「特に」と気にはせず、2度目の立ち合いは出遅れることなく正面からぶつかって一気に土俵際まで運んで押し出した。「うまく体が動いてくれました。ちゃんと相手を分析しながら相撲が取れている」と振り返った。2場所連続で負けていた相手を、ものともしない相撲で圧倒した。

 小結だった夏場所で勝ち越して、関脇返り咲きで挑む今場所。隣県の長野出身だけに連日送られる大声援を力に、8連勝した初場所以来の初日から5連勝だ。序盤戦とはいえ、優勝争いのトップを栃ノ心と並走している。「ここからじゃないですかね。辛抱強くやりたい。もう1回気持ちを切り替えたい」。2横綱休場場所を若い力が引っ張る。

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鶴竜連敗に八角理事長「勝ちたい気持ちが強すぎた」

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 今年の初場所、春場所に続き再び「一人横綱」の重責を背負うことになった横綱鶴竜(32=井筒)が、悪癖の引きで墓穴を掘ってまさかの連敗。かつて自分の付け人を務めていた東前頭3枚目の阿炎(24=錣山)に金星を配給してしまった。協会幹部も本人の心中を察するように戦況を分析した。

 八角理事長(55=元横綱北勝海)は「(引きを)やってはいけないということは、本人がいちばん分かっているだろう」と鶴竜の胸中を察するように話した。前日の勢戦と同じ引いて墓穴を掘ったが「昨日の負けの影響が出たのか? 勝ちたい気持ちが強すぎたな」と分析。「相手がもろ手で来ることも、その後の攻めも分かっているはず。相手が引くぐらいに、ずっと突っ張らせておけば良かったのに、その余裕がなかった」と前日の負けが尾を引いていたと推察した。

 正面土俵下で審判長を務めた審判部の藤島副部長(元大関武双山)は、鶴竜の攻めが「(阿炎には)土俵際で突き落としとかがあるからか、ちゅうちょしながら出ていた。思っていたより攻めきれなかった」と中途半端だったと指摘。「最後は悪い癖が出ました」とし、その鶴竜の引きは「鶴竜の攻めをしのげば引いてくる、というのは全力士の頭にあるでしょう」と、今や共通認識の弱点とした。ただ、優勝争いについては「栃ノ心が軸になるでしょうが、まだ10日ある。2横綱が休場しているし、鶴竜にもまだチャンスはあると思います」と、立て直しに期待した。

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御嶽海「実力」の4連勝 大関栃ノ心に闘志むき出し

玉鷲(手前)を押し出しで下す御嶽海(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇4日目◇11日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 御嶽海は小結玉鷲の圧力をものともせず、力強く押し出した。

 会心の一番に見えるが「流れはいいけど、土俵際でもうちょっと腰を割ってね」と満足する様子はない。初場所以来の4連勝にも「ここまでは気持ちというより、実力」。白鵬休場、鶴竜黒星などで勝ちっ放しは栃ノ心と2人だけだ。「負けてられない。最初に土をつけたいからね」と、大関どりで先を越されたライバルに闘志をむき出しにした。

玉鷲(右)を押し出しで下す御嶽海(撮影・上田博志)

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御嶽海、貴景勝下し3連勝「しっかり相手が見えた」

貴景勝(左)を送り倒しで破った御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇3日目◇10日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が初場所以来の初日から3連勝を飾った。

過去2勝3敗と黒星が先行していた貴景勝の勢いを受け止め、左前まわしを引く。1枚まわしだったが、相手の動きを操るようにして、送り倒しを決めた。「ちゃんと自分の想像していた相撲が取れました。しっかり相手が見えてましたからね」。

 故郷長野から連日、大応援団が館内を埋める。「まだまだ本調子じゃない。これから調子を上げて、後半にバテないように、前半は気持ちで(相撲を)とっていきたいです」と話していた。

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けがで幕尻近く北勝富士2連勝「優勝狙うつもりで」

<大相撲名古屋場所>◇2日目◇9日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭16枚目北勝富士(25=八角)が2連勝と好発進した。

 西十両筆頭明瀬山(32=木瀬)にもろ差しを入れられ主導権を握られたが、粘って突き落とした。「負けたと思った。あんな状態では普通、勝てない。(結果オーライ)そういう部分はある」と振り返った。

 自己最高位は初場所の東前頭筆頭。先場所は11日目から「頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア、右大腿(だいたい)四頭筋肉離れにより休場を要する」との診断書を提出して休場し、新三役を目の前に大きく番付を落とした。幕尻近くの今場所は「完全復活したい」と意気込む。「自分がいた地位に(他の力士がいることが)悔しかった。この番付でも優勝を狙うつもりで頑張りたい」と高みを見据えた。

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栃ノ心が完勝、カスピ海パワー発揮し持ち前の力相撲

支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇初日◇8日◇ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心(30=春日野)が白星スタートを切った。平幕の勢から左上手でまわしを引いて、右四つとなり、持ち前の力相撲で寄り切った。

 「プレッシャーはあったけどね、相撲をとっている間は忘れるね」。取組後は約15分の長風呂を楽しみ、上機嫌で支度部屋へ。この日から使った紫の締め込みは、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)から譲り受けた3本目。「栃乃和歌後援会」と金の刺しゅうが入ったものだ。「師匠からもらったんだから、そりゃあ似合ってるでしょ?」とうれしそうだ。

 この日の朝稽古後、食品メーカー「フジッコ」からカスピ海ヨーグルトの激励の差し入れがあった。「ジョージアのヨーグルトと一緒で、粘りがあるんだよね」。初場所から同社が週30個、部屋に届けてくれており、毎日2個平らげている。この日は同社担当者が商品の特徴にひっかけ「ねばり勝ち」の文字を入れたセンスを持参していたが、粘る間もない完勝。「2ケタ白星」「優勝」へ、粘りが発揮されるのはこれからになりそうだ。

勢を寄り切りで破る栃ノ心(撮影・上田博志)
勢(右)を寄り切りで破った栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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39歳豪風、頭よぎる引退に親方そして白鵬の言葉

報道陣が用意した誕生日ケーキを手に笑顔の豪風


 大相撲のベテラン幕内力士の豪風(尾車部屋)が21日、39回目の誕生日を迎え、東京・墨田区の部屋で30代最後の一年への思いを語った。

 金足農高から中大に進学して、学生横綱に輝いた02年に角界の門をたたきはや16年。これまでの角界人生を振り返ると、さまざまな思いを胸に土俵に上がり続けていた。「22歳でこの世界に入って17年目になる。最初は自分のためだと思っていたけど、結婚して子どもが生まれたら家族のためにとやってきた。次にファンのためにとやってきた」と、年齢を重ねる事に周囲からの期待に応えようと土俵に上がっていたという。

 ただ最近になり、また気持ちが変化した。次は「協会のためにというのが強い」という。昨年末から角界で相次ぐ不祥事。その対応の悪さに、相撲協会が批判にさらされることもあった。それでも本場所が始まれば、多くのファンが会場へと足を運んでくれている。「協会のためにということなら、お客さんを引きつける相撲を取らないといけない。どんな相撲かと言えば攻撃的な相撲ですね。引いたりはたいたりではつまらない。攻める相撲で盛り上げたい」。172センチと決して恵まれた体形ではなく、年齢も39歳となったが若々しい気持ちを持っていた。

 どんなに若々しい気持ちを持っていようが、いつかは引退の時が訪れる。実は、負け越して十両陥落が濃厚となった1月の初場所後に、引退が頭をよぎったという。「自分と親方はやめる方向だった。親方から『自分のタイミングでいいぞ』と言われた」というやりとりがあったことを明かした。ただ「タイミングが分からなかった。それにいざとなると、これでいいのかという葛藤があった」と、悩みに悩んだ。

 そのタイミングで現れたのが、親交のある横綱白鵬だった。引退するのか、しないのか-。自問自答を繰り返していた時に「スッキリしたか?」と問われたという。短い言葉での問いかけだったが「それを聞いてやろうと思った。使命感みたいなものがあった」と、再び気持ちを奮い立たせて、土俵に上がることを選択した。

 今の目標は、白鵬の引退を現役力士として見届けることだ。20年東京五輪まで現役を続けることを公言している白鵬。「その時は自分は41歳なんですけどね」と高いハードルではあるが「自分が歳が上だけど現役として引退するのを見たい。幕下の時から話していたしね。俺も20年まで戦うぞという思い」と、誕生日に気持ちを新たにした。

天風(左)と矢後(右)から「39」のポーズ誕生日を祝福される豪風

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大相撲総選挙、白鵬撃破の阿炎が遠藤超えの2位躍進

白鵬(右)を押し出しで破る阿炎(撮影・鈴木正人) (2018年5月18日)


 今年1月の初場所で新入幕を果たした阿炎(24=錣山)が、初参戦で2位に入り、今回の1番のサプライズとなった。朗報に「やってやったぜ!」と、稽古後に高々と拳を突き上げた。

 3位遠藤とは、わずか10票差ながら「10票でも勝ちは勝ち」と胸を張った。続けて「もともと『2』っていう数字は好き。(白鵬撃破で)Yahoo! ニュースにも載ったし、2位は妥当なんじゃないッスか、なんつって。もちろんうれしいッスよ。でも勝負事で負けるのは嫌」と話し、稀勢の里に敗れたことすら悔しがるそぶりを見せた。

 そんな負けん気の強さを前面に、5月の夏場所では横綱白鵬に師匠譲りの回転の速い突っ張りから完勝した。初顔合わせで金星。NHKのインタビューで「お母さんに早く報告したいので帰っていいですか」などと答えた、自由すぎる言動と合わせてブレークした。

 かつて付け人を務め、尊敬する横綱鶴竜よりも順位を2つ上回った。だが「そういう細かいところを突っ込まれると、いつもの感じで答えにくいッス。横綱(鶴竜)より何かで上回っているなんて考えたことないから」と苦笑い。実は礼儀正しい好青年の一面ものぞかせた。

 「普通じゃつまらない。だって、普通だったら2位になってないでしょ? 名古屋場所は全勝を目指す。そりゃあ、負けることなんか考えないもん。優勝は狙ってますよ! みんなが思っても言わないことを口に出しているだけ」。取り口も言動も個性的な、次世代スター候補が誕生した。

左手で「2位」を表現するポーズをつくり、笑顔を見せる阿炎

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栃ノ心「あんなにすごいとは」ジョージアの熱烈歓迎

ジョージアから再来日した新大関の栃ノ心(撮影・渡辺佳彦)


 3日に日本を出発し、母国ジョージアに凱旋(がいせん)帰国していた新大関の栃ノ心(30=春日野)が12日夜、成田空港着の航空機で再来日した。

 母国での滞在は8日間。到着の首都トビリシの空港では、約100人のファンから熱烈な歓迎を受けた。また車に乗車中にも、信号待ちで止まると気付いた他の車のドライバーから「おめでとう!」の言葉を投げかけられるなど「どこへ行っても盛り上がった。あんなにすごいとは…」と本人も驚いた様子だった。

 公式行事では、初場所の初優勝をたたえられ名誉勲章を授与されたマルグベラシビリ大統領とも面会。日本でいうスポーツ庁にあたる政府機関からも勲章を授与されたり、日本大使公邸でも両国の友好親善に貢献したとして表彰されたという。

 1年ぶりの母国で、つかの間の休息…のはずだったが「疲れた。毎日、たいへんだった。あいさつ回りとか(大統領にも)2回会ったし。いろいろ(表彰とかで)もらいました」と、ややお疲れの様子。それでも熱狂的な歓迎には「あそこまで盛り上がるとは思わなかった」と感激の様子。

 休む間もなく、再来日翌日となる13日から、大相撲名古屋場所に向けて、稽古を再開する。滞在中はトレーニングする暇もなく「ちょっと、やせたかもしれない」と話すが、再び稽古の虫となって新大関Vを目指す。

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稀勢の里「お酒の飲み方ぐらい」小野川親方から学ぶ

断髪式で小野川親方(中央)に声をかける稀勢の里


 1月の初場所前に引退した元前頭北太樹(35=山響)の引退断髪式・年寄「小野川」襲名披露パーティーが3日、東京・両国国技館で行われた。

 小野川親方と現役時代から親交の深い横綱稀勢の里が、断髪式に参加して兄弟子への思いを語った。目はうっすらと潤んでいる様子で「お手本になる力士でした。寂しいですね」と感慨にふけったが、学んだことを問われ「お酒の飲み方ぐらい」と冗談交じりに言った。横綱として歴代最長タイの7場所連続休場中の自身の体調については「俺はいいから」とけむに巻いた。

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元北太樹「小野川」襲名「気持ち熱い力士育てたい」

断髪式で小野川親方(中央)に声をかける稀勢の里


 1月の初場所前に引退した元前頭北太樹(35=山響)の引退断髪式・年寄「小野川」襲名披露パーティーが3日、東京・両国国技館で行われた。

 元北太樹の小野川親方は、関係者ら約300人にはさみを入れてもらい、涙を流すことなくやりきった表情を浮かべた。現役時代を振り返ると、脳裏に浮かんだのは先代師匠の故北の湖親方(元横綱)。引退間際には「先代ならどういう目線で今の自分を見てくれたかな、とよく思っていた」。そんな先代の教えを引き継いで「気持ちの熱い力士を育てたい」と誓った。

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栃ノ心、母国に「土俵」造る夢 現状はマットで練習

成田空港から母国ジョージアに帰国する栃ノ心


 大関栃ノ心(30=春日野)が3日、母国に本土俵を造る夢を胸に成田空港からジョージアに一時帰国した。

 初優勝した初場所からここまでの活躍ぶりが母国でも広く知れ渡っているといい、相撲の知名度も高まっている。ただ土の土俵はなく、土俵を模したマットで練習しているのが現状。そこで5日にマルグベラシビリ大統領に会った際に「もちろんするよ」と、土の土俵を造ってもらうように直談判するという。

 12日に再来日予定だが、弟ラシャさんの結婚式出席やテレビ出演などで、毎日スケジュールが埋まっている。「大変ですよ。1日も休みがないから。眠いね」とすでに疲れ顔だが、それも時の人ならではのうれしい悩み。栃ノ心によると、現地の空港には大勢のファンが自身の帰国を待ち構えているとか。ジョージア出身力士初の大関昇進を手土産に、母国で英気を養う。

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元北太樹が断髪式、先代師匠北の湖親方の教えに感謝

断髪式で小野川親方(中央)に声をかける稀勢の里


 今年1月の初場所前に引退した元前頭北太樹(35=山響)の引退断髪式・年寄「小野川」襲名パーティーが3日、東京・両国国技館で行われた。断髪式では初めに、元北太樹の小野川親方が長男英慶くん(2)を抱っこして土俵入りを行った。本来ならばその後、英慶くんと引退相撲を取る予定だったが、泣かれてしまい急きょキャンセルになるプチハプニングが発生。それでもその後は無事に、約300人にはさみを入れてもらい、最後に師匠の山響親方(元前頭巌雄)に止めばさみを入れてもらった。

 現役時代を振り返ると思い出すのは、先代師匠の故北の湖親方(元横綱)だ。「先代じゃないと見えない目線もある。先代ならどういう目線で見てくれたかな、と思うときもあった」と引退間際にはよく、先代師匠のことが脳裏に浮かんできたという。さらに「基礎が一番大事というのを教えてもらった。毎日毎日の取組もそうだし、熱い思いで土俵に上がる力士を育てたい」と、先代師匠の教えを胸に親方としての道を歩む。

 断髪式には親交の深い、横綱稀勢の里も参加した。稀勢の里は「相撲に対して真面目でお手本になる力士でした。寂しいですね」としみじみ。年に1、2回は相撲について熱く語り合う時もあったといい「気持ちの部分とかで学ぶことがあった。これからも親方としていろいろとお話しできれば」と話した。

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セクハラ式守伊之助の辞職で24年ぶり立行司不在に

式守伊之助(2017年5月25日撮影)


 日本相撲協会は5月31日、セクハラ行為で初場所から謹慎している立行司の第40代式守伊之助(58=宮城野)の辞職願を28日付で受理し、5月いっぱいで辞職となることを発表した。

 行司の最高位でもある立行司の名跡は、他に木村庄之助があるが現在は空位となっている。謹慎中でも番付上は式守伊之助の行司名が残っていたが、名古屋場所、秋場所では94年初場所、春場所以来24年ぶりに立行司不在の番付となる。9月の秋場所後に行司の編成会議を行うが、4人いる三役行司の中から新たに立行司へ昇進させるかは不明だという。

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栃ノ心、異例の口上 こだわった「自分の気持ち」

大関昇進伝達式に臨む、左から春日野親方の紀子夫人、栃ノ心、春日野親方、使者の出羽海理事、大鳴戸委員(撮影・小沢裕)


 新大関栃ノ心(30=春日野)が誕生した。日本相撲協会は30日、東京・両国国技館で名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、栃ノ心の大関昇進を満場一致で承認。栃ノ心は伝達式で「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)への感謝を織り込む異例の口上で、決意を表現した。

 協会の使者、出羽海理事(元幕内小城ノ花)と大鳴戸審判委員(元大関出島)を前に、栃ノ心が頭を下げた。「親方の教えを守り、力士の手本となるように稽古に精進します」。春日野部屋として、62年夏の栃ノ海、栃光のダブル昇進以来となる56年ぶりの大関誕生。当時の床柱、掛け軸などを持ち込み、写真などを参考に極力、歴史を“再現”した伝達式で、異例の口上が際立った。

 文言に「親方」の2文字を入れた。「自分の気持ちが言いたかった」。故郷ジョージアから17歳で入門。相撲界どころか、日本語も全然わからない自分を導いてくれた感謝の思い。最初は反対し、折れた師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)は照れくさそうだ。2人で話して決めた中身。多くのキーワードを出し、日本語が苦手な栃ノ心が理解していない言葉を削除した。「言いたいことあるんです」とこだわったのが「親方」、そして「稽古」だ。

 同親方は「稽古に稽古を重ねてってことはなかなか言えないけど、栃ノ心はまさに稽古で上がってきた力士。ピッタリな言葉」と喜び、口上の出来に「最高だよ」と満点を与えた。

 初場所の初優勝から、とんとん拍子の昇進劇。真価はこれから問われる。同親方は「協会の看板の1人になる。さらに頑丈な体を作って、常に優勝戦線に残れる力士になって欲しい」と激励した。当の栃ノ心に浮かれた様子はない。「稽古に精進して、強い体を作って、力強い相撲をとりたい」-。今後は弟ラシャさんが7日に行う結婚式出席のため、ジョージアに1週間ほど帰国。再来日後に稽古を本格化させる。名古屋場所の目標は「まず2ケタ勝ちたい」と控えめに掲げた。マイペースを崩さず、怪力大関が、熱い7月場所に突入する。【加藤裕一】

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栃ノ心が大関昇進、満場一致 欧州出身では3人目

栃ノ心


 日本相撲協会は30日午前、東京・両国国技館で名古屋場所(7月8日初日、ドルフィンズアリーナ)の番付編成会議と臨時理事会を開き、関脇栃ノ心(30=春日野)の大関昇進を、満場一致で承認した。

 栃ノ心は今年1月の初場所で14勝1敗の好成績を収め優勝。3月の春場所は10勝、5月の夏場所は13勝を挙げた。大関昇進の目安とされる、直近3場所の合計33勝を大きく上回る37勝(8敗)をマーク。3場所前は平幕だったが、安定した力強さが評価され、異論はなかった。

 夏場所千秋楽の27日、審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)が八角理事長(元横綱北勝海)に、栃ノ心の大関昇進を諮る臨時理事会の招集を要請。これを受諾され、この日の臨時理事会の開催となった。

 栃ノ心はジョージア出身で、欧州出身の大関は琴欧洲、把瑠都に続き3人目。06年春場所初土俵で、08年初場所新十両。同年夏場所の新入幕で、新入幕から大関昇進までの所要場所数は、史上最スロータイで遅咲きの花を咲かせた。

 日本相撲協会は春日野部屋に、出羽海理事(元幕内小城ノ花)と大鳴戸審判委員(元大関出島)を使者として派遣し昇進を伝達する。伝達式では、栃ノ心が口上を述べる。

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阿武咲、十両V 1場所での幕内返り咲き確実に

十両優勝し、阿武松審判部長(右)から賞状を受け取る阿武咲(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館


 阿武咲(21=阿武松)が12勝3敗で十両優勝した。

 初の各段優勝を決めた。小結だった初場所で右膝後十字靱帯(じんたい)を損傷し、春場所も全休。十両での復帰場所で「初心に帰れた」と幕内の阿炎らに刺激を受け、1場所で幕内返り咲きを確実にした。土俵で師匠の阿武松親方に表彰状を渡された。「感謝の気持ちしかない」。来場所へ、さらに状態を上げる。

 ◆阿武咲(おうのしょう)西1枚目 本名・打越奎也。青森県中泊町出身。13年初場所初土俵。176センチ、155キロ。得意は突き、押し。

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鶴竜、綱の技で怪力栃ノ心制す 初連覇で完全復活だ

栃ノ心をすくい投げで下す鶴竜(撮影・野上伸悟)

<大相撲夏場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館


 横綱鶴竜(32=井筒)が今場所初めて単独トップに立ち、優勝に王手をかけた。1敗で並んでいた怪力の関脇栃ノ心に技術で対抗して力を発揮させず、最後はすくい投げで仕留めた。5日目から10連勝で13勝1敗。今日27日の千秋楽で白鵬との横綱対決を制し、4度目の優勝を果たした3月の春場所に続く、初の2場所連続優勝をつかみ取る。

 力でねじ伏せに来た相手を、鶴竜が技で制した。低く鋭く頭からぶつかると、すぐに間合いを詰めた。差し手争いに苦戦すると見るや、右で張って栃ノ心の上体をのけぞらせて右を差した。立て続けに右から下手投げを打つと、今度は相手を左右に動かし、左もねじ込みもろ差し。頭をつけると1度はつられそうになったが、腰を落として踏ん張った。上手は許したが、ひじを張って力を発揮させなかった。投げの打ち合いになったが、体勢は盤石。栃ノ心の上手を振りほどく格好で、鶴竜がすくい投げを決めて大一番を制した。

 12日目に白鵬を力勝負で破った力自慢の相手と、あえてまわしに手が届く距離で勝負を挑んだ。1歩間違えば相手の思うつぼ。それでも取組後は「がっぷりよりは、中に入った方が勝機があると思っていた」と明かした。相手得意の右四つの間合いを1度は乗り越えるかけに出て、懐に潜り込んで白星をつかんだ。

 栃ノ心との優勝争いは、1月の初場所に続いて2度目。「力は前から強かったけど、以前と違うのは上下のバランスが良くなったこと。強い下半身に、冬巡業のころから上半身もついてきた」。優勝を争う相手になることは、平幕だった昨年末から予感していた。

 さらに相手は正代に敗れて気迫十分のため「いつもよりも気合を入れた」と明かした。「顔に出ないから」と、気合が伝わりにくいことは自覚。今年になって精神的にオンとオフの切り替えを「(取組直前の)時間いっぱいのあの一瞬で最高に気合が入れられるようになった」と、ピンポイントでできるようになったという。この日も白鵬が敗れた取組を土俵下で見たが「誰が負けたとかは気にしない。今まで何度も何度もそれで失敗したから」と冷静だ。優勝した次の場所は過去3度、すべて2ケタ勝てないのも心の乱れと理解する。初場所まで進退もささやかれた崖っぷちから、初の連覇で完全復活を果たすつもりだ。【高田文太】

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パワフル栃ノ心!25戦全敗憧れ白鵬にやっと勝った

白鵬(左)を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬を寄り切り、12連勝を決めた。過去25戦全敗の天敵を自慢の右四つで攻めたて、悲願の初白星をもぎ取った。横綱を倒して、直近3場所の合計白星を「36」としたことで、昇進は事実上の当確。単独トップも守った。年6場所が定着した58年(昭33)以降初となる、昇進直近3場所で優勝2度の快挙も射程圏内に入った。

 力勝負だ。まわしをがっちり右四つで引き、全身の筋肉を総動員した。栃ノ心が、腰を落とす白鵬を持ち上げようと、何度も背伸びし、つま先立ちになった。最後は力ずくだ。右手でのど輪を決め、土俵外に押し出した。「最高ですね」。それしかない。08年九州場所の初顔合わせから10年。25戦25敗の天敵に勝った。白鵬を破り、最近3場所の合計白星は「36」。大関の座は、もう間違いない。

 師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)のおっつけを見習った。大横綱千代の富士の顔、体形、すべてが「かっこいい」と憧れた。多くの先輩力士を見習ってきたが、一番手本にした力士を問われて「白鵬関かな」と答える。「速い。スピードがある。『ああなりたいな』と思った」-。

 全敗の過去を「弱いから。弱いからだよ」と説明する。「最初の頃かな。1度、電車道で吹っ飛ばされたことがある。土俵下に審判で(師匠の春日野)親方がいてね」。何番か惜しい取組はあった。同じ右四つ。得意の左上手で何度もまわしを引いたが、負けた。「白鵬関は上手切るのうまいから」。この日は違った。立ち合いから左上手でまわしを引いた。工夫した。切られにくい、浅めの位置を守った。2度切られかけ、耐え抜いた。

 前夜はうなぎのひつまぶし2人前、いくら、うに、かに入りの海鮮丼、宅配ピザのMサイズにマンゴーアイスをペロリと平らげ、ただ1人勝ちっ放しの12連勝。残り3日。白鵬を2差に突き放し、1敗は鶴竜だけ。初場所に続く2度目の優勝も射程圏内に入った。「あと3日あるからね」と平静を装うが、初優勝後の口癖は「もう1回、優勝したいな。できるかな」-。歴史を変えた白星から、歓喜のゴールへ一直線だ。【加藤裕一】

全勝を守った栃ノ心は支度部屋で笑顔(撮影・小沢裕)

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栃ノ心が大関「当確」大一番で白鵬を力づく撃破

白鵬(左)を寄り切りで下す栃ノ心。右下は鶴竜(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬から、26度目の対戦で初白星を挙げた。立ち合いは1度、白鵬が突っかける形で待ったがかかり、2度目は栃ノ心が先に仕切った。同じ右四つとあって、早々に得意の左上手でまわしを引いた。時間をかけ、最後は右手をまわしから離し、のど輪を決めて力ずくで寄り切った。

 08年九州場所での初顔合わせから10年。栃ノ心は「最高ですね」と上気した表情を見せ「何年もね…。惜しいのあったけど…」と勝利の味をかみしめた。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で計33勝以上」とされる。栃ノ心は2場所前、優勝した初場所が平幕だったため、条件的に微妙な要素があったが、横綱を破り白星数を「36勝」まで伸ばした。事実上の当確ランプがともったといえそうだ。

 優勝争いでも全勝でトップを守った。残り3日で1敗は鶴竜だけ。「残り3日あるからね、1日1番です」と慎重だったが、2場所ぶり2度目の優勝も一気に近づいてきた。

全勝を守った栃ノ心は支度部屋で厳しい表情を見せる(撮影・小沢裕)

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栃ノ心11連勝 過去25戦全敗の白鵬破って大関当確へ

全勝を守った栃ノ心は小雨が降るなか傘をさしながら引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関昇進を目指す関脇栃ノ心(30=春日野)が11連勝で、トップを守った。平幕の琴奨菊のがぶり寄りを受け止め、左上手まわしを引くと左手1本だけで投げ飛ばした。直近3場所の合計勝ち星は「35」となり、限りなく昇進に接近。今日12日目は、いよいよ横綱白鵬との大一番だ。過去25戦全敗の天敵を破れば、有無を言わせぬ“大関当確”になる。白鵬とともに、横綱鶴竜も1敗をキープした。

 栃ノ心が押し込まれた。立ち合いで琴奨菊に左前まわしをとられ、右を差され、がぶられた。そこから、強かった。元大関の代名詞を受け止める。右下手で投げを打って崩し、左上手でまわしをつかんだ。「左でつかまえたら、もう大丈夫だからね」。堂々と豪快な上手投げ。左腕だけで勝負を決めた。過去の合口は7勝24敗だが、今の栃ノ心はもう、昔の栃ノ心ではない。

 勝ちっ放しの11連勝。大関昇進の目安とされる「直近3場所を三役で計33勝以上」の勝ち星を、計35勝で2つも上回った。昇進をはかる審判部トップの阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は前日「濃厚」と話し、この日は「昨日以上の言葉はありません」としながら、その勝ちっぷりに「強いね」とうなった。

 大関昇進、2場所ぶりの優勝ムードが高まる中、今日12日目はついに大一番。白鵬とぶつかる。10年前の08年九州場所の初顔合わせから、25戦全敗-。寄り切り14度、上手投げ8度、下手投げ1度、すくい投げ1度、はたき込み1度。全く歯が立たず、たたきのめされてきた。

 なぜ勝てない? 春場所中に問われると、首をかしげて話した。

 「優勝40回でしょ? 信じられないよ。どうやったら、そんなに勝てるのか? 横綱は力が強い。それでいて柔らかいんだよ。そんな筋肉に見えないのにね。低く当たられて、いつも先に引いちゃう。(次やるときは)勝っても負けても、先に攻めたいね」

 昨年名古屋場所の最後の対戦から、初場所の初優勝があった。「勝つイメージしかない」というほどの自信を手にした。「気合入ってますよ。(今までと)ちょっと違うかもしれない。やってやるっていう気持ちですね」。天敵を倒せば、有無を言わせぬ大関昇進。2度目の優勝へも加速する。【加藤裕一】

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栃ノ心11連勝!過去25戦全敗の白鵬戦へ「気合」

琴奨菊(右)を上手投げで下す栃ノ心(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)が11連勝を飾り、大関昇進に限りなく近づいた。対戦成績7勝24敗と分の悪かった元大関の琴奨菊に左前まわしをとられ、がぶられたが、どっしり受け止め、左上手でまわしを引くと、豪快な投げを決めた。大関昇進の目安は「直近3場所を三役で、合計33勝以上」とされるが、初場所14勝、春場所10勝に11勝を加え、35勝となった。

 「立ち合いでちょっと迷った。差すか、まわしをとるか。でも、左(上手でまわし)を捕まえたら、もう大丈夫」。口調には絶対的な自信が漂う。12日目には、いよいよ横綱白鵬と激突。過去25戦全敗と1勝もしていない天敵だが、直近の対戦は昨年の名古屋場所。その後に初場所で初優勝を飾るなど、これまでと状況は違う。

 「今日はまだ考えたくない。明日のことは明日考える」と言いながら「気合入ってますよ。(今までの気合とは)ちょっと違うかもしれない。大事なのは“やってやる”という気持ちじゃないですか」と大一番への抱負を口にした。

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栃ノ心大関濃厚 師匠誕生日に10勝、託された思い

支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇10日目◇22日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)が大関昇進に大前進だ。平幕の千代大龍の両まわしをつかまえ、2度つり上げる怪力相撲で寄り切った。勝ちっ放しの10連勝で単独トップを守り、直近3場所の合計白星は34まで伸びた。昇進をはかる審判部トップの阿武松審判部長(元関脇益荒雄)からは「濃厚」の言葉まで飛び出した。残り5日、もう一押しで夢をつかみ取る。

 勝利の方程式は、揺るがない。千代大龍のかち上げを受け止めると、栃ノ心が右、左と両上手でまわしを引いた。190キロの巨体を固定した。周囲が右46センチ、左45センチ。丸太のような両腕でぐいっ、ぐいっと2度つり上げて寄り切った。大関を夢見て届かなかった師匠・春日野親方(元関脇栃乃和歌)の56歳の誕生日に決めた、自身初の10連勝。最高のプレゼントだ。「気持ちいいね」と照れくさそうに笑った。

 入門から12年過ぎても、師匠を「怖い」という。「ウチに調整なんてないよ」と言う師匠の率いる春日野部屋は、場所中も朝稽古の量がほとんど落ちない。師匠からゲキが飛ぶと背筋を伸ばし「ハイ」と返事をする。「オレは37歳まで(現役を)やったんだから、オマエは40歳までやれ」と言われる。それは「無理」と苦笑いするが、託された思いはわかっている。

 「直近3場所を三役で計33勝以上」とされる大関昇進の目安の白星数を計34勝で上回った。初場所14勝、春場所10勝に次ぎ3場所連続の2ケタ勝利という安定感。大関昇進について、阿武松審判部長の口から「濃厚ですね」という“お墨付き”も飛び出した。ただ初場所は平幕。両横綱との対戦を残す終盤5日間で、もう一押しが欲しい。

 初場所の初優勝で、何かが変わった。13年名古屋場所で右膝前十字、内側側副靱帯(じんたい)を断裂。「ケガする前は(大関なんて)全然思わなかった。今は、頑張ればできるんじゃないかって」-。取組後、花道を引き揚げる際、女性ファンから花束が渡された。「ビックリした。引退でも、優勝でもないのにね」。国技館を出ると、群衆から「大関!」「おめでとう!」と声が掛かった。「目標は2ケタ(白星)だったけどこれからもっと大事だね」。栃ノ心が目前に迫った夢を、つかみにいく。【加藤裕一】

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栃ノ心、親方誕生日に白星!大関&賜杯W吉報も視野

千代大龍(右)を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・中島郁夫)

<大相撲夏場所>◇10日目◇22日◇東京・両国国技館


 関脇栃ノ心(30=春日野)が10連勝で単独トップをキープ、大関昇進に大きく前進した。

 体重190キロ、千代大龍の巨体を受け止め、両上手でまわしを引いて寄り切った。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)の56歳の誕生日に白星を送り「昨年の誕生日も勝ってると思うよ」と笑顔を見せた。

 大関昇進の目安は「直近3場所を三役で、合計33勝以上」とされるが、初場所14勝、春場所10勝に10勝を上積みして、34勝に。大関昇進をはかる審判部トップの阿武松審判部長は「濃厚ですね。決定じゃないですよ。濃厚ですよ」と発言。残り5日での“ダメ押し”を求めたが、もう夢は目の前だ。栃ノ心は「目標は2ケタ(勝利)だったけど、これからが大事ですね」と気を抜く様子はない。初場所以来、2度目の賜杯まで見据えて、ラストスパートをかける。

支度部屋を引き揚げる栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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