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高安決めた中日勝ち越し 増量で「食べ頃というかジューシー」な体取り戻して荒れる春場所主役に

高安(右)は上手投げで若元春を破る(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇8日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪

東前頭7枚目高安(32=田子ノ浦)が、平幕の若元春を上手投げで下し、幕内唯一の中日勝ち越しを決めた。初日からの8連勝は、17年春場所以来5年ぶり。荒れる春場所も折り返しを迎え、大関経験者の高安が悲願の初優勝へ単独トップを守った。1敗の新大関御嶽海、新関脇若隆景、平幕の琴ノ若が追いかける。

    ◇    ◇    ◇

強い高安が帰ってきた。7日目まで2敗と好調の若元春との一番。立ち合いから一気に突き放すことはできず、左四つに組み合った。制止状態が続いたが焦らない。機を狙って前に出ると右上手が届き、力強く振り回して若元春を転がした。47秒9の長期戦で決着。「今日の相撲は相四つだったのでああいう形になったけど落ち着いて取れました」と納得の一番だった。

1月の初場所は部屋で新型コロナ感染者が出たため、全休の措置が取られた。自分と向き合う時間が増え体重増加に成功。一時は170キロ中盤まで落ちたが、筋力トレと食事トレに励み、大関時代と同じ183キロまで増加した。大相撲中継の解説を務めた間垣親方(元横綱白鵬)が「食べ頃というか、ジューシーというか。みずみずしさがある。張りがある」と評価するほど見た目も変化。高安本人も「目的を持って増やした。体調をしっかり整えてきた」と手応えを口にした。

17年春場所以来となる初日から8連勝を果たし「部屋の横綱(稀勢の里、現二所ノ関親方)と連勝していたのを思い出します」と当時を懐かしがった。その二所ノ関親方が引退後は、これ以上ない稽古相手になっていたが昨年8月に独立。今は部屋に関取が自分しかいないが言い訳にはしない。「力量の差はあるけどいろいろなタイプはいる。いろいろ考えて番数を増やしてやってきた」と質より量にこだわって稽古に励んできた結果が実を結びだした。

単独トップに立って荒れる春場所を折り返した。ただ今は「特に気持ちは変わらない」と1日一番に集中している。初優勝への期待も高まるが「今日の相撲が終わったので、またリラックスして気を引き締めていきたい」と多くは語らない。大関経験者が悲願達成に向けて突き進む。【佐々木隆史】

▼八角理事長(元横綱北勝海) 御嶽海は立ち合いがいいから、豊昇龍は何もできなかった。この立ち合いを15日間できるかが、今後の御嶽海の課題。前半戦の高安は自分から攻めている。正代は開き直って、思い切りが出てきた。

高安(左)は上手投げで若元春を破る(撮影・小沢裕)
高安が上手投げで若元春を下した(撮影・渦原淳)

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高安5連勝で唯一の土つかず「家族守っていかないと」妻・杜このみの第2子妊娠も発奮材料に

宝富士(左)を攻める高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇5日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

東前頭7枚目の高安(32=田子ノ浦)が、平幕の宝富士を突き落としで破って5連勝発進した。初日からの5連勝は大関だった18年秋場所以来。新大関の御嶽海が初黒星を喫したため、唯一の土つかずとなった。初場所は部屋からコロナ感染者が出たため休場措置を取られたが、復帰場所で三役復帰に向けて気を吐いている。かど番の大関正代が初日4連敗から脱出。平幕の玉鷲が、横綱照ノ富士を破って2場所連続の金星獲得となった。

大関経験者の高安が堂々の5連勝発進だ。鋭い立ち合いから、強烈なのど輪で宝富士を引かせた。相撲巧者の宝富士に土俵際で動かれて組まれたが焦らない。反対の土俵際に追い込まれたが、こちらもうまく回り込んだ。逆転の右の突き落としで白星。「立ち合いがよかったですね。攻めきれなかったけど体が動きました」と手応えを口にした。

1月の初場所は、部屋で新型コロナ感染者が出たため全休の措置が取られた。体の状態は良かったというが空いた時間を有効活用。「しっかり体を休めて作ってきましたし、場所中は取組を欠かさずに観て、いろいろ勉強させていただきました」と抜かりなかった。これまで長期戦が多かった宝富士を、この日は7秒9で料理。「毎回、拮抗(きっこう)した相撲になるけど、今日は速い相撲、厳しい相撲にこだわりました」と狙い通りの一番だった。

場所前には妻の杜このみが第2子の妊娠を発表するなど発奮材料は多い。「やはり家族を守っていかないといけない。より一層、相撲に今まで以上に身が入ります」と気合十分の今場所。昨年秋場所以来の三役復帰を狙う中で、18年秋場所以来の初日から5連勝と結果を出した。

新大関の御嶽海が初黒星を喫し、幕内唯一の5連勝と追い風も吹いている。それでも「引き続き厳しい相撲を取りたい。気を引き締めながらのびのびやりたいです」と締めた。上位陣が次々敗れる荒れる春場所で、実力者が存在感を示す。【佐々木隆史】

宝富士(右)を突き落としで破る高安(撮影・鈴木正人)
宝富士(右)を突き落としで破る高安(撮影・鈴木正人)

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かど番の大関正代ようやく初勝利 初日から4連敗も阿武咲にリベンジ、館内からは大きな拍手

正代が阿武咲を破る(撮影・渦原淳)

<大相撲春場所>◇5日目◇17日◇エディオンアリーナ大阪

かど番の大関正代(30=時津風)に、ようやく初日が出た。

先場所敗れた東前頭3枚目の阿武咲にリベンジした。右おっつけ、左のど輪で攻められたが、懸命に堪えて最後は左から上手投げ。かど番大関としてはワーストタイの初日から4連敗を喫していたが、待望の初勝利で、館内からは大きな拍手が起こった。

正代は今場所初めて取組後のリモート取材に姿を現し「とりあえずホッとしてます。相手の攻めをしのいだのが良かった。できれば寄り切りたかったのが本音です」と内容を振り返った。

現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降、かど番大関の初日からの連敗は、92年九州場所での霧島の4連敗が最長だった(8日目から途中休場で翌場所に陥落)。負ければ30年ぶりにワースト記録を更新する形となっていたが、意地を見せた。

白星が遠い4日間だった。「立ち合いの踏み込みは僕の中ではそんなに悪くないと思っていた。何かきっかけがあれば相撲になると思っていた。なかなか相撲にならなくて、モチベーションはだいぶ下がっていたと思います」と振り返る。

1月の初場所後に新型コロナウイルスに感染。発熱や味覚障害の症状に見舞われ、今場所前には調整遅れの不安を吐露していた。「(体の中で)ここが悪いというのが自分の中で分からないけど、これをきっかけに変わってくれたらと思っています」と顔を上げた。

今場所から「濃紺」の締め込みに新調した。「前のまわしが割と古くなっていたので、心機一転新しいものを用意しました」。かど番脱出へ残り10日間で7勝。険しい道になるが「とりあえず15日間取りきって、結果は後からついてくると思う。そこは考えないようにしている。今日みたいに思い切り圧力をかけて、前に攻められるような相撲取りたい」と意気込んだ。

阿武咲を破る正代(左)(撮影・渦原淳)

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かど番正代4連敗、長いトンネルから抜け出せず「気持ちと体がバラバラ」藤島審判長奮起促す

宇良(右)は送り出しで正代を破る(撮影・上田博志)

<大相撲春場所>◇4日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪

大関正代(30=時津風)が、かど番大関としてはワーストタイの初日から4連敗を喫した。同じく初日が出ていない西前頭筆頭の宇良に送り出された。現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降、かど番大関の初日からの4連敗は92年の霧島以来2人目で最長。3度目のかど番脱出に向けて立て直しが求められる。勝ちっ放しは新大関の御嶽海、平幕の高安の2人となった。

正代が長いトンネルから抜け出せない。初日から4連敗は昨年秋場所以来で、かど番大関としてはワーストタイ。立ち合いで左にずれた宇良をつかまえられず、腕をたぐられた勢いそのまま、土俵下に落ちた。うつむきながら引き揚げる花道。今場所、報道陣のリモート取材には1度も姿をみせていない。

1月の初場所後に新型コロナウイルスに感染し、発熱や味覚障害などの症状に苦しんだ。初日10日前の取材では、特にノドの不調を訴えており「(稽古で)息が上がるのが早い。(調整は)遅れている」と不安を吐露していた。

20年秋場所で大関昇進を果たし、在位9場所目。昇進前後は体格を生かした馬力で相手を吹っ飛ばし続けたが、今場所は立ち合いで踏み込めない。土俵下で取組を見守った幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)は「気持ちと体がバラバラに見えるが、精いっぱいやるしかない」と奮起を促した。

かど番大関の4連敗発進は、92年九州場所の霧島だけ。霧島は8日目から休場し、翌場所に関脇陥落した。険しい道のりになる中で、何とか巻き返しを図りたい。【佐藤礼征】

大相撲春場所4日目 宇良(右)は送り出しで正代を破る(撮影・上田博志)

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正代、かど番大関ワーストタイ初日から4連敗 場所前にはコロナ感染による調整遅れの不安を吐露

大相撲春場所4日目 宇良(右)は送り出しで正代を破る(撮影・上田博志)

<大相撲春場所>◇4日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪

大関正代(30=時津風)が、かど番大関としてはワーストの初日から4連敗を喫した。

同じく初日が出ていない西前頭筆頭の宇良に、翻弄(ほんろう)された。立ち合いで頭を下げながらやや左に動く相手をつかまえられず、たぐられて回り込まれた。体勢を立て直せず、送り出されて初日から4連敗となった。

現行のかど番制度となった69年名古屋場所以降、かど番大関の初日からの4連敗は、92年の霧島以来2人目で最長タイ。霧島は8日目から休場し、翌場所に関脇に陥落した。3連敗は昨年秋場所の貴景勝(かど番脱出)と、20年初場所の豪栄道(同場所限りで引退)がいる。

正代は1月の初場所後に新型コロナウイルスに感染。発熱や味覚障害の症状に見舞われ、今場所前には調整遅れの不安を吐露していた。

大相撲春場所4日目 宇良(右)は送り出しで正代を破る(撮影・上田博志)

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【若乃花の目】主役になれる若隆景 私の現役時代のビデオ見て研究、これからが楽しみ

 

<大相撲春場所>◇3日目◇15日◇エディオンアリーナ大阪

新関脇の2人が、大関とりの足掛かりになれば場所全体が盛り上がるなと、私なりに場所前、そう展望していました。

とりわけ若隆景の3日間の相撲は、荒れる大阪の主役になると予感させるもので、もしかしたら優勝も…と思わせる万全な相撲です。この日は明生に対して右を差した時点で足をそろえずに前に出ました。残られるところも腰を十分に落としてスキがありません。3日とも大事に大事に相撲を取りながら、前に攻め続けることで自信もつけています。まわしにこだわらず前に出る流れの中で、まわしに手が届けば取るという姿勢もいいです。

若隆景の最大の武器は、おっつけです。武器ではありますが、一連の流れの中の動作です。おっつけることで相手の力を利用しながら膝を使って相手の体勢を崩したり、時に切り返しながら投げで崩したりと、応用するものです。実は初場所後、一緒に出演したスポーツ番組の収録後、若隆景と話す機会があり、私の現役時代のビデオを見て研究しているそうです。自分の体と同じぐらいの力士を研究し参考にするのはいいことです。私もおっつけの相撲でしたが若秩父さん(元関脇)に「膝を使った方がいい」とアドバイスされ進化させました。まだ若隆景の相撲は完成形ではありませんが、研究熱心さが成長につながるはずで、これからが楽しみです。(元横綱若乃花 花田虎上・日刊スポーツ評論家)

明生を寄り切りで破った若隆景(撮影・鈴木正人)

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大栄翔“キラー”発揮 横綱照ノ富士から2個目金星「勝てるのは不思議」三役復帰へ連勝発進

照ノ富士(手前)を攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇2日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪

東前頭筆頭の大栄翔(28=追手風)が“照ノ富士キラー”っぷりを発揮した。強烈なのど輪とおっつけで横綱照ノ富士を送り出し、通算4個目の金星を獲得。昨年秋場所に昇進した照ノ富士から複数の金星奪取は唯一で、相性の良さを見せつけた。1場所での三役復帰に向けて、連勝発進に成功した。新大関の御嶽海が初日から2連勝で、正代、貴景勝のかど番2大関はともに敗れた。

大栄翔は、横綱の“粘り腰”を許さなかった。のど輪を軸に、まわしには指一本触れさせない。おっつけで横向きにさせると、後は直進するだけだった。

“天敵”になりつつある。照ノ富士が新横綱だった昨年秋場所も金星を獲得。しかし、翌場所以降も熱戦を演じたが、土俵際のもう一押しが足りずに連敗していた。土俵際での照ノ富士の粘りについて、場所前に大栄翔は「(他の力士と)断トツで違う。力を出しても勝てない」と脱帽。そんな横綱を押し切り、2個目の金星を奪った。「自分はできる限りの力を出して、胸を借りるつもりでやっているだけ。自分でも勝てるのは不思議というか、自信になります」。謙虚な姿勢を保ちつつ、確かな手応えが残った。

1月の初場所後には新型コロナウイルスに感染し、39度近い発熱にも苦しんだ。約10日間の隔離生活は不安な日々だったというが、場所休みを含めて3週間ぶりに稽古場に降りると、仲間の姿を見て安心したという。「寂しかったので、稽古場で(部屋の力士と)会えたときは幸せでしたね(笑い)」。初優勝した昨年初場所をほうふつとさせる連勝発進。心身ともに回復した28歳が、再び快進撃をみせる。【佐藤礼征】

照ノ富士(手前)を送り出しで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)
照ノ富士(右)を送り出しで破った大栄翔(撮影・鈴木正人)

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かど番大関正代2連敗 新型コロナ感染で場所前には調整遅れの不安吐露

隆の勝(左)に押し出しで敗れる正代(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇2日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪

かど番の大関正代(30=時津風)は連敗発進となった。

小結隆の勝に完敗を喫した。もろ差し狙いも下からのおっつけではね上げられ、出足の勢いそのまま押し出された。

大関在位9場所目の正代は、1月の初場所で6勝9敗と不振だった。同場所後には新型コロナウイルスに感染。発熱や味覚障害の症状に見舞われ、今場所前には調整遅れの不安を吐露していた。

取組後のリモート取材には応じなかった。

照ノ富士(右)を送り出しで破った大栄翔(撮影・鈴木正人)

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元横綱稀勢の里の“秘蔵っ子”花房、自慢のもろはずで電車道 会心の序ノ口白星デビュー

薩摩翔(左)を押し出しで破った花房(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇2日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪

二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)の“秘蔵っ子”で東序ノ口12枚目の花房(18=二所ノ関)が、会心の相撲で序ノ口デビューを飾った。

ともに先場所初土俵を踏んだ西序ノ口12枚目の薩摩翔(22=追手風)との1番相撲。日大出身で4学年上の相手に対して、立ち合いから自慢のもろはずで電車道。力強く押し出して、白星発進した。「自分のいい部分を出すことができて良かった。(前相撲と比べて)所作とかやることがあったので緊張しました」。

茨城・東洋大牛久高出身の花房は昨年6月に関東大会を制したホープで、同県出身の二所ノ関親方から熱烈なスカウトもあり角界入りを決意した。得意の左右は逆だが、師匠の現役時代と同じくおっつけが持ち味。1月の初場所で初土俵を踏み、今後の出世を目指している。

初めて番付にしこ名が載った今場所。「やっと力士になったんだなと思いました」と実感が湧いてきた。場所前には2月に閉鎖した尾車部屋から、幕内経験者で幕下の友風や中村親方(元関脇嘉風)らが二所ノ関部屋に転籍し、環境も一変。「稽古相手がいっぱいいて、毎日充実してます。(友風や中村親方の存在で)すごく勉強することが多いです。稽古に対する姿勢とか、すごい引っ張られる感じがして勉強になります。いろいろトレーニングを尾車(部屋)の人が教えてくれるので、やりがいがあります」と話した。

身長174センチで、体重は入門時から「5、6キロ」増えて130キロを超えたという。大阪を訪れたことは過去になく「ご飯がおいしくて、毎日たくさん食べてます」と初々しく話した。

薩摩翔(左)を押し出しで破った花房(撮影・鈴木正人)
薩摩翔(左)を押し出しで破り勝ち名乗りを受ける花房(撮影・鈴木正人)

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【若乃花の目】御嶽海の緊張は地位の重さを感じたから 責任感を背負う挑戦者になれ

 

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

さすがの御嶽海も肩に力が入ってました。立ち合いも当たりきれず相手を見てフワッと当たりました。もう少し当たってほしかったと思いますが、それもこれも緊張していた証しです。

実は初場所後に、スポーツ番組に御嶽海と一緒に出演しましたが、今時の若い力士は違うな、さすがラテン系の明るさだなと感じました。その御嶽海も緊張で落ち着いて相撲が取れなかった。マイナスのようにとられますが、それでいいと思います。緊張したのは、大関という地位の重さを感じている証しですから。

自分の新大関のことを思い出すと1ケタ勝利ではいけない、大関の勝ち越しは10勝と思って、優勝決定戦より緊張した記憶があります。三役までは番付発表から待遇が変わりますが、横綱と大関は昇進の使者を迎えた日から待遇が変わります。その待遇を受けてから1カ月以上たって上がる新大関の土俵ですから当然、責任感も背負います。それが緊張になるんです。御嶽海がそれを感じて本来の相撲を取れなかったのは当然のことで初日なら、なおさらです。ただ、いつまでも緊張して自分の相撲が取れないのではいけません。緊張がほぐれ先場所のような御嶽海らしい力強さに期待したい。もう1つ上の番付があります。責任感を背負うチャレンジャーでいてほしいです。(元横綱若乃花 花田虎上・日刊スポーツ評論家)

逸ノ城(左)を攻める御嶽海(撮影・鈴木正人)
土俵入りする御嶽海(撮影・鈴木正人)

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かど番大関正代は初日黒星と厳しいスタート、新関脇阿炎も黒星発進/初日写真特集

<大相撲初場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

新大関御嶽海が快勝で白星スタートを決めた。逸ノ城と対戦。立ち合いから冷静に突き放して、最後は押し出した。

かど番の大関貴景勝は業師の宇良を押し出して初日を飾った。一方、同じかど番の大関正代は、大栄翔に押し出されて初日黒星と厳しいスタートとなった。

横綱照ノ富士は新小結の豊昇龍を寄せ付けずに寄り切り、快勝した。

新関脇2人は明暗を分け、若隆景は快勝し、阿炎は阿武咲に押し出されて黒星発進となった。

大相撲春場所初日を写真で振り返ります。

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幕内

協会あいさつする八角理事長(中央)、前列左から正代、照ノ富士、貴景勝、御嶽海、後列左から隆の勝、若隆景、阿炎、豊昇龍(撮影・鈴木正人)

土俵入りする照ノ富士(撮影・鈴木正人)

輝(0勝1敗)寄り切り一山本(1勝0敗)

☆一山本「(春場所は)入門してから負け越していないのでいいイメージがある。(大阪は)たこ焼きがおいしいかなと。とりあえず幕内の尻にいるので早い段階で勝ち越せるように頑張りたい」

輝(左)を寄り切りで破る一山本(撮影・鈴木正人)


錦木(1勝0敗)押し出し荒篤山(0勝1敗)

☆錦木「(返り入幕の場所で)幕内で初日から1勝できたのはうれしい。緊張はしたけど、稽古した通りやれば大丈夫かなと思った。10場所ぶりなので、幕内ずっとキープして上位を目指せるように頑張ります」

★荒篤山「明日からもっと立ち合いで強く当たれるように頑張ります。(新入幕の)意識は特にはないですけど時間が読めなかった。また明日からしっかり切り替えてやっていきたい」

荒篤山(右)の攻めを耐える錦木(撮影・鈴木正人)


天空海(0勝1敗)押し倒し栃ノ心(1勝0敗)

天空海(左)を押し倒しで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)

天空海(左)を押し倒しで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)


豊山(1勝0敗)押し出し千代の国(0勝1敗)

☆豊山「(初場所後に新型コロナウイルスに感染)ちょっと不自由な生活が続いたけど、それはそれでしょうがない。とりあえず勝ち越したい。欲を出して、その上もいけたらいいと思っている」

千代の国(左)を押し出しで破る豊山(撮影・鈴木正人)


千代丸(0勝1敗)押し出し琴勝峰(1勝0敗)

千代丸を押し出す琴勝峰(撮影・渦原淳)


琴恵光(0勝1敗)吊り出し千代大龍(1勝0敗)

琴恵光をつり出す千代大龍(撮影・渦原淳)


妙義龍(0勝1敗)引き落とし照強(1勝0敗)

豪快に塩をまく照強(撮影・鈴木正人)

妙義龍(手前)を引き落としで破る照強(撮影・鈴木正人)


志摩ノ海(0勝1敗)寄り切り碧山(1勝0敗)

志摩ノ海(右)を寄り切りで破る碧山(撮影・鈴木正人)


翔猿(1勝0敗)押し倒し若元春(0勝1敗)

若元春(右)を押し倒しで破る翔猿(撮影・鈴木正人)


千代翔馬(1勝0敗)首投げ佐田の海

佐田の海(手前)を首投げで破る千代翔馬(撮影・鈴木正人)

佐田の海(左)を首投げで破る千代翔馬(撮影・鈴木正人)


高安(1勝0敗)上手投げ隠岐の海

隠岐の海(右)を上手投げで破る高安(撮影・鈴木正人)


北勝富士(0勝1敗)寄り切り琴ノ若(1勝0敗)

★北勝富士「立ち合い遅れて、相手のペースになってしまった。(相手の琴ノ若が)押しづらい。体が柔らかいので。もっと芯を押せるようにやっていかないといけない」

千代の国(左)を押し出しで破る豊山(撮影・鈴木正人)

北勝富士(手前)と攻め合う琴ノ若(撮影・鈴木正人)


宝富士(1勝0敗)はたき込み石浦(0勝1敗)

石浦(左)をはたき込みで破る宝富士(撮影・鈴木正人)


霧馬山(1勝0敗)寄り切り遠藤(0勝1敗)

遠藤(右)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・鈴木正人)


隆の勝(0勝1敗)突き落とし明生(1勝0敗)

☆明生「よかったと思います。(立ち合い)鋭くいこうと、気持ちでした」

隆の勝(後方)を上手出し投げで破る明生(撮影・鈴木正人)


阿武咲(1勝0敗)押し出し阿炎(0勝1敗)

★阿炎「立ち合いで下からこられて浮かされたのが一番の敗因。負けてしまったので明日から一から。落ち込んでいる暇はないんで」

阿炎(右)を押し出しで破った阿武咲(撮影・鈴木正人)


若隆景(1勝0敗)突き落とし玉鷲(0勝1敗)

☆若隆景「押し込まれたので、明日からも下から(攻める)って意識を持って頑張りたいと思います。(新関脇の場所だが)特にそういう意識はない。一番一番自分の相撲に集中したい」

玉鷲(左)を突き落としで破った若隆景(撮影・鈴木正人)


逸ノ城(0勝1敗)押し出し御嶽海(1勝0敗)

逸ノ城(左)を攻める御嶽海(撮影・鈴木正人)

逸ノ城を押し出す御嶽海 (撮影・渦原淳)


宇良(0勝1敗)押し出し貴景勝(1勝0敗)

★宇良「完敗ですね。(先場所と比較した貴景勝の印象は)分かるほどの余裕はなかった。(2年ぶりの大阪開催の春場所)元気な相撲を取りたい。15日間取り切れるようにしたい」

☆貴景勝「いつもと変わらず、全力を出すことしか考えていない」

宇良(右)を攻める貴景勝(撮影・鈴木正人)

宇良(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)


正代(0勝1敗)押し出し大栄翔(1勝0敗)

☆大栄翔「久々の大阪場所で緊張したが、いい相撲がとれてよかった」

正代(左)を激しく攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)

正代(左)を押し出しで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)


照ノ富士(1勝0敗)寄り切り豊昇龍(0勝1敗)

照ノ富士が豊昇龍を寄り切る(撮影・渦原淳)

懸賞金を受け取る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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初土俵から7年 新大関の御嶽海「7」の文字描かれた新化粧まわし披露しがっちり白星

土俵入りする御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

新大関の御嶽海(29=出羽海)が、東前頭2枚目逸ノ城を押し出しで下して白星発進した。大阪開催は2年ぶり、有観客開催は3年ぶりとなった春場所。部屋後援会の「大阪出羽海会」から贈られた新しい化粧まわしを締めて、会場に集まった大勢のファンの前で白星を挙げた。

    ◇    ◇    ◇

春場所開催を待ち望んでいた大阪のファンの目の前で、新大関の御嶽海が期待に応えた。立ち合いで巨漢の逸ノ城の当たりを受けて引いたが、うまく右に動いてかわした。体勢を低く立て直して前へ。はず押しで逸ノ城の動きを止めて押し出した。取組後は、オンライン取材には応じず。新大関場所に集中するかのように会場を後にした。

新大関に昇進したのを機に「大阪出羽海会」から新しい化粧まわしが贈られた。同後援会の七條雅一会長が取締役会長を務める「株式会社セブンズ」の会社ロゴがあしらわれた物で、白地に「7」の文字が描かれている。御嶽海は15年春場所で初土俵を踏み、ちょうど7年たって昇進。そして、3年ぶりの有観客開催となった春場所初日のこの日、土俵入りで縁起のいい化粧まわしを披露し、白星をがっちりとつかんだ。

3度目の優勝を果たした1月の初場所後に、新型コロナに感染して入院を余儀なくされた。稽古不足は否めなかったが、場所前には「不安はそんなにない」と口にしていた。入院期間中に体重は6、7キロほど落ちたが「落ちた、やった、みたいな感じです」とむしろ前向き。持ち前の明るい性格で感染を苦にせず、新大関場所を迎えていた。

難なく白星発進し、2日目はご当地力士の宇良と対戦する。業師だけに警戒は必要だが、過去2戦2勝と合口は悪くない。06年夏場所の白鵬以来、史上9人目の新大関優勝に向かって突き進む。【佐々木隆史】

逸ノ城(左)を攻める御嶽海(撮影・鈴木正人)
逸ノ城を押し出す御嶽海 (撮影・渦原淳)

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正代かど番脱出へ苦しい黒星スタート コロナ感染で場所前には調整遅れの不安吐露

大栄翔に押し出しで敗れた正代(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

大関正代(30=時津風)は、かど番脱出に向けて苦しい船出となった。

東前頭筆頭の大栄翔(28=追手風)に一方的に押し出されて黒星発進。立ち合いからのど輪中心の突っ張りに後退すると、のけ反った体勢を立て直せずに土俵を割った。

取組後のリモート取材には応じず会場を引き揚げた。

1月の初場所後に新型コロナウイルスに感染。発熱や味覚障害の症状に見舞われ、今場所前には調整遅れの不安を吐露していた。2日目以降の立て直しが求められる。

正代を押し出す大栄翔(撮影・渦原淳)

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照ノ富士が豊昇龍下し白星発進「そんなことはもういいんじゃ」コロナでの調整遅れ言及避ける

照ノ富士が豊昇龍を寄り切る(撮影・渦原淳)

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

2場所ぶりの優勝を目指す横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)が、新小結の挑戦を退けて白星発進した。

同じモンゴル出身で、元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏を叔父に持つ豊昇龍(22=立浪)に完勝した。立ち合い踏み込んで右を差すと、左上手を引きつけて盤石の形。難なく寄り切った。

初場所後に新型コロナウイルスに感染したが「そんなことはもういいんじゃないですか」と、症状などの言及は避けた。場所前の11日に報道陣の電話取材に応じた伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「(感染による隔離期間で稽古を)10日間休んでるので、そこは厳しい」と調整遅れを懸念。「何とか場所中にでもしっかり稽古して、どこまで回復するか」という師匠の言葉を受けて、照ノ富士は「師匠の言う通り、これからちょっとずつやっていきたいなと思ってます」と話した。

春場所の大阪開催は20年以来で、2年前は十両で相撲を取っていた。「大阪の方々に、横綱になっている姿を見せられて良かったと思います」。

先場所は11勝4敗。1919年の栃木山以来103年ぶりとなる、新横綱から3場所連続優勝を逃した。2場所ぶりの賜杯に向けて「毎場所毎場所、自分の中で戦いですから。今場所も集中して頑張っていきたい」と意気込んだ。

懸賞金を受け取る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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妻が第2子妊娠の高安が地力を見せ白星発進「今まで以上に身が入りました」

隠岐の海(右)を上手投げで破る高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

2場所ぶりに出場した大関経験者で東前頭7枚目の高安(32=田子ノ浦)が、地力を見せつける会心の相撲で滑り出した。

隠岐の海に対して左前みつ狙いで踏み込むと、左四つ、右上手。「自分のペースで取れました」。最後は豪快な上手投げで実力者を退けた。

高安は先場所、部屋から新型コロナウイルス感染者が出た影響で休場を余儀なくされた。「こればかりは仕方のないこと。プラスに考えて、しっかり体を休めてつくってきました。(初)場所中の取組も欠かさずにいろいろ勉強させていただきました」と、研究時間にあてた。

今月1日には妻で演歌歌手の杜このみが、自身のブログで第2子を妊娠したことを報告した。「本当に授かり物でありがたいもの。うれしかったですし、やはり家族を守っていかないといけないので、より一層相撲に、今まで以上に身が入りました」と話した。

隠岐の海を上手投げで破った高安(撮影・鈴木正人)
杜このみ(2019年3月撮影)

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関取復帰目指す幕下友風が白星、二所ノ関部屋に転籍後初取組で投げの打ち合い制す

藤青雲(右)を攻める友風(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇初日◇13日◇エディオンアリーナ大阪

幕内経験者で関取復帰を目指す東幕下8枚目の友風(27=二所ノ関)が、部屋を転籍して初めての取組で白星発進を飾った。

西幕下8枚目の藤青雲(24=藤島)と右四つに組み合い、投げの打ち合いを制した。物言いがつく際どい勝負となったが、行司軍配通り。すくい投げで気鋭の若手を下した。

友風は幕内だった19年九州場所2日目の取組で、土俵下に落下した際に右膝を負傷。右膝関節脱臼で7場所連続休場となったが、懸命なリハビリで昨年3月の春場所に西序二段55枚目で復帰した。

尾車部屋の閉鎖に伴って1月の初場所後に、中村親方(元関脇嘉風)らと二所ノ関親方(元横綱稀勢の里)が師匠を務める二所ノ関部屋に転籍した。「すごく環境も良くて(元)尾車部屋力士にもよくしていただいている。場所前も三番稽古で(二所ノ関親方に)胸を出してもらっていた。ためになることがいっぱい」と感謝していた。

藤青雲(左)を攻める友風(撮影・鈴木正人)
藤青雲(左)をすくい投げで破る友風(撮影・鈴木正人)

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小結陥落の隆の勝、同学年で関脇昇進若隆景と阿炎にメラッ「同世代で一番先に大関に上がりたい」

隆の勝(2021年9月19日撮影)

大相撲春場所(13日初日、エディオンアリーナ大阪)を翌日に控えた12日、関脇から小結に陥落した隆の勝(27=常盤山)が報道陣の電話取材に応じ、同学年の出世レースを制することを誓った。

今場所は同じ1994年度生まれの若隆景と阿炎が新関脇に昇進。「本当に悔しいし、負けられない。倒してやろうという気持ちにもなります。同世代で一番先に(大関に)上がりたいと思っています」とライバル心を燃やした。

関脇には通算5場所在位しているが、小結には初めて就く。序盤から横綱、大関と対戦する見通しだが「(心境に)そんな変わりないですね。肩書関係なく、自分の相撲に集中するしかない」と話した。

初場所後の2月2日に新型コロナウイルス感染が判明し、38度超の発熱やノドの痛み、味覚障害、嗅覚障害の症状に見舞われた。「(稽古は)10日以上はやってなかった。(感染中は)本当に何することもなく、結構つらかったので、ずっと寝てましたね。外にももちろん出られないし、ずっと家に隔離されているので精神的につらい部分はありました」。リフレッシュできるはずの食事も「味覚がなくなってからは、何も楽しみがなくなっちゃったので。ただ固形物を(口に)入れているっていう(感覚)だけで。びっくりしました」と振り返った。

療養期間で体重も約7キロ落ちたというが、下を向くことはなかった。「意外と焦ることもなく、落ち着いて、自分だけに集中して稽古できたかなと思います。これまで積み上げてきたものが、自信にもなってますし」。稽古に復帰すると、四股を中心に基礎運動で土台を整えた。2月28日の番付発表後には、同部屋の大関貴景勝(25)と相撲を取る稽古を開始。「結構長い間休んだので、体を戻すのに時間はかかった。でも稽古内容的に大きく変えることなく、いつも通り淡々とやっていましたね」。

春場所の大阪開催は20年以来で、2年前の同場所では東前頭9枚目で自己最多の12勝を挙げて、初めての敢闘賞も獲得した。「大阪は験のいい場所なので」と気持ちも乗っている。

目標は「2桁」と明確で、大関とりの足がかりにしたい。「自分の持ち味を生かした前に出る一気の相撲を見せられればいい」と意気込んだ。

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【春場所】新大関の御嶽海が指定懸賞本数トップ 初日に逸ノ城、2日目に宇良と対戦

御嶽海(2022年1月9日撮影)

日本相撲協会審判部は11日、エディオンアリーナ大阪で取組編成会議を開き、同所で開催される大相撲春場所(13日初日)の初日と2日目の取組を決めた。

初場所後に新大関に昇進した御嶽海(29=出羽海)は、初日に平幕の逸ノ城と、2日目は平幕の宇良と対戦。逸ノ城には13勝6敗、宇良には2勝0敗と合口はいい。伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)は「もう1つ上は横綱しかない。それを目指して頑張って欲しい」と新大関の奮闘を期待した。

大阪での開催は2年ぶり、有観客開催は3年ぶりとなる春場所。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、指定懸賞本数は御嶽海がトップだという。「新大関で周りの方々も期待しているのと、2年ぶりに開催される大阪場所ということもあって周りからの期待が大きいという証し」と推測。周囲からの期待を背に、御嶽海が土俵に上がる。

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コロナ感染した照ノ富士の調整遅れ懸念「10日間休んでる、そこは厳しい」伊勢ケ浜審判部長

日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(2021年11月13日撮影)

日本相撲協会審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)が、弟子の横綱照ノ富士(30=伊勢ケ浜)の調整遅れを懸念した。

大相撲春場所(13日初日、エディオンアリーナ大阪)を2日後に控えた11日、相撲協会審判部は同所で取組編成会議を開き、初日、2日目の取組を決めた。照ノ富士は初日に新小結の豊昇龍、2日目に平幕の大栄翔と対戦する。報道陣の電話取材に応じた伊勢ケ浜部長は「うちの関取衆は照強除いてコロナに感染した。10日間休んでますから、その間何もしていないので、そこは厳しいですよね」と不安を吐露した。1月の初場所後には幕内力士42人中、半数が2月までに新型コロナウイルスに感染。伊勢ケ浜部屋でも平幕の照強以外が感染し、照ノ富士も喉の痛みを訴えるなどの症状が出たという。

照ノ富士は1月の初場所で千秋楽まで優勝争いに絡んだものの、11勝4敗で新横綱から3場所連続の優勝を逃した。終盤には右かかとを負傷。「(場所)後半は力の入らない状態になっていましたよね。(今は)かかとは痛くないみたい」と状態を説明した。

伊勢ケ浜部長は「私の考えでは1日稽古休んだら3日遅れると思っているので、10日休んだら30日遅れますから」と持論を展開。「(今は)まず稽古できる状態に戻ったという感じですかね。何とか場所中にでもしっかり稽古して、どこまで回復するか、良くなるか。相撲だけはやってみないと分からない。休んでいたとはいえ、今までの稽古の貯金もあるし、こればかりはやってみないと分からない。予想はつかない」と続けた。

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【検証】土俵は危険な場所なのか 初場所で脳振とう状態の宇良はどうすべきだったか、現場の声は

正代に押し出しで破れ土俵下に落下する宇良(右)(2022年1月10日撮影)

大相撲春場所が13日に初日を迎える。本場所を前に、1月の初場所でヒヤリとした場面を振り返り、検証してみたい。【取材・構成=佐々木一郎】

    ◇    ◇    ◇

初場所2日目、東前頭2枚目の宇良が脳振とうのような症状になった。大関正代に押し出されそうになったところで、正代の左腕をたぐり、土俵下に落ちた。後頭部を強く打ち付け、衝撃音が響いた。

正代が手を貸そうとしたが、宇良は自力で土俵に戻った。しかし、足どりはフラフラ。宇良は呼び出し2人の手を借りて土俵を下り、車いすに乗って花道を引き揚げた。

当欄では以下の点について検証する。

(1)宇良を自力で土俵に戻したのはなぜか

(2)宇良の取り口は危ないのか

(3)土俵は危険な場所なのか

(4)安全対策は十分か

(5)改善策はあるのか

    ◇    ◇    ◇

(1)宇良を自力で土俵に戻したのはなぜか

宇良は土俵から落ちて後頭部を打ち、しばらく動けなかった。安全上、動かさない方がよさそうにも見えたが、宇良は自ら起き上がった。土俵に上がったが、フラフラしてまっすぐに立てなかった。映像を見る限りでは、なぜ止めなかったのか疑問に思えたが、事情を聴いて現場の様子が初めて分かった。

あの時、審判に入っていた親方の1人はこう証言した。

「藤島審判長(元大関武双山)が宇良に『動くな。そのまま、そのまま』と言ったけど、宇良が『大丈夫です』と言って土俵に上がってしまった。頑張らなくていいところなのですが、本能的に上がってしまい、審判の指示を振り切ってしまった。事情を知らない人には、審判が土俵に上げたように見えたかもしれませんが、現場はこういう事情だったのです」

映像を見直すと、確かに藤島審判長は宇良に声をかけている。また、呼び出しが駆けつけて、有事に備えていた。

審判部の別の親方は「あれだけ観客が入っている中、土俵に戻れなかったら恥ずかしいという心理も働いてしまう。幕内力士なら、自分の体は自分が分かる。幕内力士が『大丈夫です』というなら、信用するしかない」とした。

いずれにしても、宇良を無理に土俵に上げたわけでないという事情は分かった。

(2)宇良の取り口は危ないのか

宇良が頭を強打した後、八角理事長(元横綱北勝海)は「最後まであきらめないのが宇良だけど、最後に(正代に)しがみついたのは自分も相手も危ない」と指摘。さらに「ギリギリまで頑張るのが宇良の相撲だけにね」「自分だけじゃない。相手もケガにつながる。しぶといのはいいんだけどね」などと、宇良の敢闘精神をたたえつつも、ケガにつながりかねない危険性を口にした。

多くの親方衆も納得する意見だが、宇良に近いある親方は、こう反論する。

「勝負をあきらめろってことですか? 宇良はあそこからどうにかしようとしているんです。本人は(逆転)できると思ってやっている。ケガをして欲しくないという気持ちは分かりますし、そういう意見も必要ですが、考え方の違いですね」

ケガの危険性をはらむ取り口ではあるが、否定できるものではない。

(3)土俵は危険な場所なのか

あまり知られていないが、土俵下の審判が座っている辺りは、柔らかい素材のシートが敷かれていることを前置きしておく。柔らかいといっても、クッションほどではなく、歩くと足がやや沈み込む程度ではあるが、硬い床ではない。

また、土俵の高さが危険だという指摘は根強い。観客からの見やすさを優先しているためだ。土俵から落下する時にケガをするケースが多く、土俵の外側を広めにとってはどうかという意見も見聞きする。これなら見やすさと安全面を両立できるかもしれない。

ただし、実現するにはかなりの費用がかかるため、日本相撲協会で議論されるレベルに至っていない。様式美や伝統文化にかかわる問題でもある。両国国技館の場合、相撲以外のイベントでも使用できるように土俵が床下に収納される設計になっている。土俵の外側を広げれば、これができなくなる。さらに、たまり席が減る。コロナ禍で減収にある日本相撲協会にとって、力士の安全面への配慮が必要であることは分かっているものの、金がかかる施策は極めて提案しにくい状況にある。

(4)安全対策は十分か

少しずつではあるが、安全面への対策は進んでいる。昨年1月の初場所中、幕下力士が立ち合い成立前に相手とぶつかった際、脳振とうを起こした。その場所後、審判規定の一部を変更。「審判委員は、力士の立ち合いが成立する前に、相撲が取れる状態でないと認めた場合には、協議の上で当該力士を不戦敗とすることができる」とした。同年夏場所前には、首が固定できるストレッチャーが常備され、親方衆らを対象に「土俵上の応急対応処置講習会」を行った。今も本場所前は、警備の親方衆が研修会を行っているほか、本場所中でもストレッチャーの使い方を自主的に確認する親方もいる。

ただし、脳振とうが起きてしまった後のガイドラインは、日本相撲協会にはない。翌日以降の出場は、本人や師匠の判断に任せられている。今は公傷制度もない。前述した宇良に近い親方は「どうしたらいいか、難しい問題。(制度を)変えるのは、上の方の人たち。(脳振とうが)起きなければいいけど、起きた時にどうすればいいか対策はした方がいい」と漏らした。

(5)改善策はあるのか

現状では、妙案はない。力士は休場すればその分、番付が下がる。日々、頭をぶつけ合うため、力士は頭部への衝撃を常に受けている。競技の特性上、慎重な判断が必要になる。何人かの親方に意見を求めると「例えば、脳振とうになった場合、検査日など2日設けて、1勝1敗として換算してもらったらどうか。その場合、7勝6敗でも勝ち越しとみなしてもらうとか…」「ほかのスポーツなら、1週間休むこともあるんですよね? これからの課題ですね」などと歯切れは悪い。そんな中、「脳振とうのような症状の場合、『その場から動くな』と力士に事前に通達しておいてもいいかもしれません」という意見もあった。根本的な解決にはならなくとも、すぐにでも取り入れられる現実的な対策とも言える。

幸い、初場所の宇良は翌日から出場し、結果論かもしれないが勝ち越した。また、宇良の師匠である木瀬親方(元幕内肥後ノ海)はむちゃを強いるタイプでは決してないことも付記しておく。昨年初場所、弟子の十両美ノ海が13日目に脳振とうを起こし、師匠の判断により14日目から休場させた。あと1勝で勝ち越せたにもかかわらず、休むことを優先させた。当時「体が大事。出ないのも一つの勇気だ」と説明していた。

先場所の宇良の場合、現場で審判が無理を強いたわけではなく、協会としても思考が停止しているわけではない実情は分かってもらえただろうか。とはいえ、大相撲において、脳振とうへの対策はまだ不十分だ。やれることからでも手を付け、力士が思い切って相撲を取れる環境を整えてほしい。同時に、角界入りを目指す若者や、時に肩身の狭い思いをする好角家を安心させて欲しいとも思う。

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