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北の富士氏、夏場所は「中止でよかったと思った」

北の富士勝昭氏(19年撮影)

大相撲解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)が24日、NHKの「大相撲特別場所~テレビ桟敷へやようこそ~」に電話出演した。

本来ならこの日が初日予定だった夏場所が、新型コロナウイルスの影響で中止になったことについて持論を展開。「寂しいですけどね。大阪から帰ってきてもコロナがありましたから。でも力士も稽古不十分だったでしょう。(ファンらに)いい相撲を見せられないなと危惧していました。申し訳ないけど、本場所は中止でよかったと思った」と話した。

電話出演の前には1987年(昭62)放送の「燃える九重 名コンビ」の映像が紹介された。自身が九重親方だった頃に、弟子の横綱千代の富士と横綱北勝海(現八角理事長)との対談映像が流れた。千代の富士と北勝海によるぶつかり稽古の映像なども流れ「しかし稽古しましたね2人は。ぶつかり稽古見ましたか? 今の力士もやってもらいたいよね。やっぱりぶつかり稽古は大事ですよ」と現役力士に向けてぶつかり稽古の大切さを説いた。

しかし現在は新型コロナの感染防止のため、出稽古は禁止で、接触を伴う稽古は各師匠の判断となっている。これにはさすがに「よその部屋への出稽古は無理でしょうね。同じ部屋だったら同じ生活でしょうから、感染の危険性は少なくなるかもしれませんけど、外部に出ると分かりませんからね」と同情した。

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朝乃山、ぶつかり稽古「部屋ではボチボチやってる」

記者の質問に笑顔を見せる朝乃山(2020年3月30日代表撮影)

新大関の朝乃山(26=高砂)が24日、NHKに出演し近況などを語った。

NHKは同日午後3時15分から「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」を放送。中止になった夏場所にかわり、この日から毎週日曜日に、3週にわたり放送するもので、1回目のこの日は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や北勝海(現八角理事長)らを特集した87年放送の「燃える九重 名コンビ」の映像を前半に紹介。後半は朝青龍や白鵬らを特集した04年放送の「激闘 新たな夢へ」の映像などを元に、相撲解説者・北の富士勝昭氏が電話出演するなどして番組が編成された。

その番組冒頭で芝田山広報部長(元横綱大乃国)が、角界の現状や今後の見通しなどについて太田雅英アナウンサーの質問に答える形で説明。その後、朝乃山がリモート出演。同アナウンサーの問い掛けに答えた。

Q新大関として臨むはずだった夏場所が中止になって現在は

朝乃山 次の7月場所に向かって体を作っています。(夏場所中止は)協会が決断したこと。僕らはそれに従い(気持ちは)7月場所に切り替えています。

Q毎日の稽古は

朝乃山 基礎練習に自主練習、それに筋トレをして(あとは)自粛して生活しています。

Q接触する稽古は

朝乃山 部屋ではボチボチやっていて、人とぶつかるようにはしています。自分もぶつかり(稽古)で胸を出したりはしています。

Q感染への不安は

朝乃山 不安ですが、7月場所があると思って稽古していかなくてはいけませんから。

Q夏場所といえば1年前に優勝した

朝乃山 去年の5月場所の優勝で自信に変わったので、ここまで来れたと思う。自分の右四つの相撲ができるようになってから(大関に)結び付いた。

Q大関はどんな地位か

朝乃山 プロに入って大関、横綱を目指してやってきた。(ただ)ここまで来れたことは自分でも驚いている。

Qどんな大関になりたいか

朝乃山 下の子から尊敬、目標とされる大関になりたい。

Q次に横綱がある

朝乃山 そこはまだ気が早いけど(笑い)、ここまで来たら自分を信じて1つ上の番付を目指したい。

Q世代交代の声もある。次の時代は自分が…という気持ちは

朝乃山 それ(気持ち)はあるし、大関から落ちたくないという気持ちもある。上に立って角界を盛り上げたい。

Qあらためて7月場所に向けて

朝乃山 コロナは落ち着いてきたけど、見えない病気で油断はできない。(そんな中でも)自分はどこが弱いのか見直して稽古したい。

Qファンへ

朝乃山 7月場所もテレビの前で自分だけでなく、力士全員への応援をよろしくお願いします。

稽古で若い衆に胸を出す朝乃山(2020年4月1日撮影)

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貴景勝「調子いい方だと思う」新旧大関対決で好感触

高安(右)と激しい稽古をする貴景勝(撮影・鈴木正人)

大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)で2度目の優勝を目指す大関貴景勝(23=千賀ノ浦)が、新旧大関対決で、好感触をつかんだ。

8日、東京・江東区の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加。三番稽古で、大関から陥落した関脇高安を指名して7勝3敗だった。立ち合いの圧力で圧倒する場面が目立ち、相撲解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)からも絶賛された。

  ◇    ◇    ◇

一門の最高位力士として初めて臨んだ連合稽古で、貴景勝は持ち味を存分に発揮した。高安に対して鋭い踏み込みからの電車道、押し込めなくても反応良く突き落としを決めるなど、いきなり6連勝した。「足の運び、突き押し、体の反応、相撲勘を意識した」。普段は自身の状態について言及しない。「自分で調子いいとか悪いとかではない」と前置きはしたが、思わず本音がこぼれたのか「調子はいい方だと思う」と、珍しく仕上がりの良さを自らアピールした。

相撲解説者の北の富士氏と舞の海秀平氏(元小結)も、昨年に続く若き大関の活躍に期待を寄せた。北の富士氏は「元気じゃない? 貴景勝。貴景勝でしょう。あっ…言っちゃった」と、初場所の優勝候補の筆頭であることを示唆。舞の海氏も「元に戻っている。けがの影響を感じない。稽古場の力を出せれば優勝争いに絡める」と、昨年負傷した左胸の回復ぶりに舌を巻いた。

昨年の下半期は、けがに泣いたが「久々に不安なく迎えられる」と表情には自信がみなぎる。「最後の番付(=横綱)になるには、優勝しかありえない」。見据える先は、綱取りの起点だけだ。【佐藤礼征】

高安(手前右)と激しい稽古をする貴景勝。後方の関取は左から竜電、玉鷲、輝、阿武咲、琴ノ若(撮影・鈴木正人)
高安(後方右)と激しい稽古をする貴景勝(撮影・鈴木正人)

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高安、貴景勝と白熱稽古 舞の海氏も「馬力がある」

貴景勝(左)と激しい稽古をする高安(撮影・鈴木正人)

大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が8日、東京・江東区の尾車部屋で行われ、関脇高安(29=田子ノ浦)が関取衆で最多の番数となる19番を取るなど、1場所での大関返り咲きへ白熱した稽古を見せた。申し合いでは平幕の玉鷲、琴奨菊、阿武咲らと計9番取って6勝3敗。直後に行われた三番稽古では大関貴景勝の指名を受け、10番取って3勝7敗だった。敗れるたび「あー!」「くそー!」など声を発して感情をむき出しに。「自分から盛り上げて、いい相撲を取ろうと思っていた。番数もそれなりに取れて、相撲内容は悪いところもあったけど、全体的に見ればとても満足している」。大関復帰へ2桁白星が必要な初場所へ、濃密な稽古を終えて充実感に浸った。

貴景勝には、立ち合いの鋭い踏み込みに何度か圧倒されたが、豪快な体当たりで対抗した。“新旧大関”の真っ向勝負を終えて、高安は「大関がしっかり前に出る相撲を取ってくれたので、自分も思い切り当たることができた。とても充実していた」と、満足そうに振り返った。

相撲解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)も「(高安は)思ったよりいい。あれだけ番数をこなせる。吹っ切れていた」と、復活を予感。同じく相撲解説者の舞の海秀平氏(元小結)も「馬力がある。(三番稽古は3勝7敗も)貴景勝の調子が良かっただけで、高安が悪いわけじゃない」と好印象だった。

高安(左)と激しい稽古をする貴景勝(撮影・鈴木正人)

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貴景勝が高安圧倒 北の富士氏「優勝狙えるかな?」

高安(左)と激しい稽古をする貴景勝(撮影・鈴木正人)

大相撲初場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた二所ノ関一門の連合稽古が8日、東京・江東区の尾車部屋で行われ、大関貴景勝(23=千賀ノ浦)が“新旧大関”対決で存在感を放った。三番稽古で大関から関脇に陥落した高安(29=田子ノ浦)を指名して、10番取って7勝3敗だった。

鋭い踏み込みから電車道で持っていくなど、いきなり6連勝。後半は高安の体当たりで押し込めない場面もあったが、タイミング良く突き落としを決めるなど、反応の良さも光った。「足の運び、突き押し、体の反応、相撲勘を意識した」と貴景勝。「全然悪くない。調子はいい方だと思う」と、初場所に向けて好感触をつかんだ。

周囲の期待も高まっている。稽古を見守った相撲解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)は「元気じゃない、貴景勝。押し相撲、強いからね。優勝狙えるかな?」と、笑みが止まらなかった。同じく相撲解説者の舞の海秀平氏(元小結)も「元に戻っている。(左胸の)けがの影響も感じなかった。稽古場の力を出せれば優勝争いに絡める」と絶賛していた。

貴景勝(左)と激しい稽古をする高安(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里「一片の悔いも」/印象残った言葉・上半期

引退表明会見で涙ぐむ横綱稀勢の里(2019年1月16日撮影)

2019年が間もなく終わる。この1年、相撲界では、さまざまなことが起きた。角界での「印象に残った10の言葉」を、1月から順に紹介したい。まずは上半期から。【取材・構成=佐々木一郎】

(1)「私の…、土俵人生において、一片の悔いもございません」(稀勢の里、1月16日)

横綱稀勢の里が初場所中に引退。両国国技館での会見で、こうコメントした。元ネタは、漫画「北斗の拳」に登場するラオウの名ぜりふ「わが生涯に一片の悔いなし!!」。稀勢の里は荒磯親方となり、出版した自伝のタイトルは「我が相撲道に一片の悔いなし」。こんなにラオウが好きだったのかと驚かされた。親方になってから出演したNHK大相撲中継では、その解説が適切でわかりやすく、いかに考えて相撲を取っていたかがよく分かる。荒磯親方が解説を務める日の中継は、録画してでも見る価値がある。

(2)「ジャストミートだねえ」(北の富士勝昭、1月27日)

玉鷲が初場所で初優勝を果たした。優勝が決まった千秋楽、次男が生まれた。NHKの大相撲中継でこのエピソードが紹介されると、解説者の北の富士さんは「ジャストミートだねえ」と思わず口にした。北の富士さんの自由奔放な発言は、視聴者を少しハラハラさせつつも多くの支持を集めている。和装から赤レザージャケットまでファッションも注目されており、こんなにモテる77歳はまずいない。

(3)「武士道精神を重んじ…」(貴景勝、3月27日)

貴景勝が大関昇進を決め、伝達式で口上を述べた。「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝と思いやりの気持ちを忘れず、相撲道に精進してまいります」。あまり感情を表に出さず、伝統文化を重んじる貴景勝らしい言葉。その後、ケガに苦しんだが、土俵への姿勢に共感する相撲ファンは多い。

(4)「痛めてないですよ」(貴景勝、5月15日)

夏場所4日目、貴景勝は御嶽海を寄り切った際、右膝を痛めた。土俵上で一瞬動けなくなり、支度部屋では右膝をアイシング。うめき声を上げるなど、明らかに痛そうだった。ケガについて聞かれると「痛めてないですよ」とケガそのものを否定。取り囲んだ報道陣の多くは「いやいや、どう見ても痛めてるでしょ」と心の中で突っ込んだ。翌日から休場したが、弱音を吐かない貴景勝らしい一場面だった。

(5)「大統領に『センキュー』と言われました」(西岩親方、5月26日)

夏場所千秋楽、トランプ米大統領が観戦に訪れ、優勝した朝乃山に大統領杯を手渡した。表彰式の際、介添え役として大統領杯授与を手伝ったのが西岩親方(元関脇若の里)だ。本場所中に極秘で任命され、本場所終盤は打ち出し後、毎日のようにリハーサルを繰り返していたという。「控室で2度、『センキュー』と言われました。大統領から『センキュー』と言われる日本人はそう何人もいませんよ(笑い)」。日本相撲協会から信頼されるからこその大役。西岩親方にとって、名誉はもちろん、鉄板ネタができた。

(下半期に続く)

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元横綱稀勢の里「ありがとうという気持ちを」断髪式

散髪中の元横綱稀勢の里の荒磯親方(撮影・鈴木正人)

初場所で引退した元横綱稀勢の里の引退、年寄荒磯(33=田子ノ浦)の襲名披露大相撲が29日、東京・両国国技館で開催された。荒磯親方は「長年感謝の気持ちを伝えるために『ありがとう』という気持ちを伝えたかった」と話した。

断髪式には演歌歌手の細川たかし、プロ野球の横浜DeNAベイスターズ元監督の中畑清氏、競泳元日本代表の松田丈志氏ら約300人の関係者がはさみを入れた。細川は「夢を与えてくれた素晴らしい横綱だった」と現役引退を惜しみ、中畑氏は「かっこいい終わり方だった」と右手で親指を立てた。

協会関係者では兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)、同じ二所ノ関一門の芝田山広報部長(元横綱大乃国)、親交のある二子山親方(元大関雅山)、稲川親方(元小結普天王)、小野川親方(元前頭北太樹)、現役では白鵬、鶴竜の両横綱、弟弟子の大関高安、平幕の琴奨菊、豊ノ島、歴代横綱では北の富士勝昭氏、石山五郎氏(元三重ノ海)、花田虎上氏(3代目若ノ花)、元横綱日馬富士がはさみを入れた。最後に師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が止めばさみを入れた。大銀杏(おおいちょう)に別れを告げた荒磯親方は「あまり実感が湧かない。(大銀杏は)力士の象徴だと思う。力士を卒業してまた1歩だと思った」と力を込めた。断髪式後は審判部で整髪。新しいヘアスタイルでの生活を「想像もつかない」と苦笑いを浮かべた。

この日は8年前に亡くなった先代鳴戸親方(元横綱隆の里)の誕生日。「横綱の気持ち、精神力を僕が育ったように育ちたい」と、部屋付きの親方として後進の指導にあたる今後を見据えた。

散髪を終え笑顔を見せる元横綱稀勢の里の荒磯親方(撮影・鈴木正人)

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北の富士氏 貴景勝復調「まだまだ遠い」厳しい見方

ぶつかり稽古する貴景勝(下)と白鵬(撮影・鈴木正人)

横綱審議委員会による稽古総見を見守った、相撲解説者の北の富士勝昭氏(77=元横綱)が、関脇に陥落した貴景勝(23=千賀ノ浦)の復調ぶりについて「まだまだ遠い」と、厳しい見方を示した。右膝の負傷で5月の夏場所を途中休場、7月の名古屋場所を全休した貴景勝について「体がやっぱり(大関に)上がった時の、はち切れそうな感じではなく、緩んでいる」と分析。秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)まで約1週間の状態としては物足りなさを感じているようで「ちょっとなあ…。もう少し時間がほしいな。今日の稽古を見ると」と、計5番の稽古量にも注文を付けた。

とはいえ、秋場所は10勝以上で大関に返り咲くことができるが、その可能性がまったくないわけではないと感じている様子だ。「本場所だと(貴景勝のような)押し相撲は調子に乗ると良くなる。やっぱり前半戦でしょう」と、スタートダッシュに成功すれば、波に乗る展開も予想する。

最後は「押し相撲は、稽古が足りないと自信もつかないし、何とも言えない」と語って締めた。現状は、本調子に「まだまだ遠い」と見ている状況だが、残る約1週間で、どれだけ稽古を積むことができるか。スタートダッシュに成功するかどうかの明暗を分けるだけに、初日までの過ごし方の重要性を説いていた。

申し合い稽古する貴景勝(右)と碧山(撮影・鈴木正人)
申し合い稽古する貴景勝(左)と明生(撮影・鈴木正人)

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北の富士氏は喝!も、貴景勝「勝負より高める場」

横審の稽古総見を見学した北の富士勝昭氏(撮影・河田真司)

「角界のご意見番」が新大関に喝! 大相撲夏場所(12日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が6日、同所の相撲教習所内で行われ、新大関貴景勝(22=千賀ノ浦)は三役以上の申し合いで3勝8敗と存在感を示せなかった。

持ち前の当たりを組み止められる場面が目立ち、解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)にも活気の乏しさについて疑問符を打たれた。

   ◇   ◇   ◇

能あるタカは爪を隠す!? 申し合いで大きく負け越したものの、貴景勝は「立ち合いはいい感触。あとは勝負勘です」と気丈にふるまった。鋭い出足は影を潜め、立ち合いから突き放す展開はほとんどなかった。「組み止められましたね。簡単にはいかない」。11番中6番は鶴竜や豪栄道、高安と取り、わずか1勝。横綱、大関陣に圧倒される結果となったが、本人は意に介さない。あくまで本場所の結果が全て。「そこ(勝敗)はあまり気にしていない。勝負より自分を高める場。場所前のいい悪いは、何も参考にならない」と強調した。

角界の未来を背負う22歳に、期待の大きさゆえか、厳しい目も向けられた。稽古を見学した解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)は、貴景勝について「もっとねぇ~。時代も(令和に)変わったわけだから、もっと元気にいってほしかったな。朝稽古がコレじゃあなぁ…」と先が思いやられる様子。「オレだってヒマじゃないんだから。もっといい稽古が見たかった」と、がっくりと肩を落とした。横審の矢野弘典委員長も「まだ調子は十分じゃない。ときどきいい立ち合いもあったけど」と評価した。

当の貴景勝は、ハイレベルな稽古場で充実感を覚えた。新大関としては自身初となる横審の稽古総見。申し合い後のぶつかり稽古では、横綱白鵬の胸を借りた。「角界の1番強い人たちと肌を合わせられる。そういうことが脳に感覚が残る」。直近の稽古では、苦手意識を抱く四つに組まれる展開も想定。この日の申し合いで最後に行われた逸ノ城との一番では、まわしを切って押し出す場面もあった。初日まで残り6日。「区切りの場所。いいスタートを切りたい」。新元号「令和」として初めて迎える場所へ、最終調整に入る。【佐藤礼征】

鶴竜(中央左)と取組稽古をする貴景勝(同右)。後方左は八角理事長、同右は白鵬(撮影・河田真司)

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北の富士氏「ガックリ。お通夜だよ」令和ボヤキ連発

貴景勝(左)を支える白鵬(撮影・河田真司)

大相撲夏場所(12日初日、両国国技館)の開幕まで1週間を切った6日、横綱審議委員会による稽古総見が両国国技館で開かれた。やや活気に欠ける内容に「角界のご意見番」の相撲解説者・北の富士勝昭さん(77=元横綱北の富士)のボヤキ節は止まらなかった。

稽古の終盤は、三役以上による申し合い稽古。右上腕を負傷し、夏場所出場が微妙な横綱白鵬(34=宮城野)を除く8人が参加し、大関豪栄道(境川)が9勝2敗で勝率トップ、横綱鶴竜(井筒)が9勝3敗と、33歳の2人は奮闘したが、期待された新大関の貴景勝(22=千賀ノ浦)は3勝8敗と苦戦した。

稽古終了後、北の富士さんは目立った力士として「鶴竜と豪栄道かな」と2人の名前を挙げたが、あとはバッサリ。「あとは、ひと山いくらになっちゃったな」と最初のボヤキ。続けて貴景勝について「もっとねぇ~。時代も(令和に)変わったわけだから、もっと元気にいってほしかったな。朝稽古がコレじゃあなぁ…」と先が思いやられる様子。「オレだってヒマじゃないんだから。もっといい稽古が見たかった」と嘆いた。

稽古全体を通しても「質量ともに全体的に(実りは)ない。新しい年(元号)になって早々にグチャグチャ言いたくないけど、期待して来ただけにガックリだよ」とボヤキ節は止まらない。令和になり「今年は、おとなしくして、しゃべらないと思ったけど、最初からボヤキだな。生きていてもいいことないな。(稽古全体が)シーンとしてて、お通夜だよ。非常におとなしい」と活気のなさを嘆いた。

ウイットに富んだジョークも止まらない。大関高安が、初場所途中で引退した元横綱稀勢の里の荒磯親方と稽古を積んでいることも知っており「稀勢の里に1勝20敗とかだよね。稀勢の里が今場所出れば、おれは優勝候補の一番に挙げるよ」と言ってニヤリ。白鵬の出場については「今日はいいコーチだったね。白鵬が理事長みたい」と前置きした上で「見た感じ、出られないでしょう。でも分からんよ。出てきたら勝つ。1年に3回ぐらい出ればいいんじゃないの? それでも勝つんだから。どこが痛くてもね」と推察。ひとしきり嘆いた後に、あまりのボヤキ節の多さに「あした(日本相撲協会から)呼び出されたりしてな」と笑いながら国技館を引き揚げた。

横綱審議委員会稽古総見に臨む白鵬(撮影・河田真司)
横綱審議委員会稽古総見後に笑顔の北の富士氏(撮影・河田真司)

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元黒姫山の田中秀男さん出棺 師匠や孫らに見守られ

出棺で田中さんの棺を運ぶ大島親方(背中)、孫で三段目力士の田中山(右から2人目)

4月25日に肺炎のため70歳で死去した元関脇黒姫山の田中秀男(たなか・ひでお)さんの告別式が、令和最初の日となった5月1日、東京・両国の回向院で営まれた。

式には、田中さんの孫にあたる三段目力士の田中山(17)が所属する境川部屋の師匠・境川親方(元小結両国)や部屋付き親方、大関豪栄道ら関取衆が前日の通夜に続き参列。また、日本相撲協会理事の高島親方(元関脇高望山)、花籠親方(元関脇大寿山)井筒親方(元関脇逆鉾)の両副理事、常盤山親方(元関脇舛田山)、相撲解説者の北の富士勝昭さんら、故人にゆかりのある多数の関係者が参列した。

出棺前に、遺族を代表して田中さんの長男で元幕下力士の田中大介さん(44)が「父は曲がったことが大嫌いな人間でした。相撲同様、まっすぐな人で煙たがられることも多かったと思いますが(中略)本日はありがとうございました」とあいさつ。自分が興した武隈部屋消滅後、友綱部屋付きの親方として後進の指導にあたっていた際の、部屋の師匠だった大島親方(元関脇魁輝)や田中山らの手によって、田中さんが眠る棺は出棺された。戒名は「真行院武山秀道居士」。最後の年寄名跡(武隈)、しこ名(黒姫山)、本名の名前(秀男)から1字ずつが入れられた。

出棺で田中さんの棺を運ぶ大島親方(右から2人目)、孫で三段目力士の田中山(左から2人目)

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40歳安美錦5日目で初白星「思った通りに取れた」

明瀬山を寄り切りで破った安美錦(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇5日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪

西十両11枚目の安美錦(40=伊勢ケ浜)が、今場所初白星を挙げた。

同9枚目の明瀬山に、立ち合いで頭からぶつかると、そのまま頭をつけて右を差し、左前まわしを取って、寄り、外掛けと休まず攻め続けた。相手の上体を起こしたまま何もさせずに寄り切り。初日からの連敗を4で止めた。

「差させないように気を付けた。しっかりと当たって、前みつを取れたら、横の動きに気を付けながらと思っていた。思った通りに取れた」と、笑顔を交えて話した。

関取衆最年長で、先場所は3勝12敗と大きく負け越した。連日、両膝をガッチリとテーピングで固めて出場しているが「昔みたいに外掛けも、スッと足が出たし、反応してくれてよかった」と、また笑顔。

現役生活も23年目を迎え、肉体的な衰えも感じているというが、それ以上に、稽古で培った瞬時の反応を見せ、中盤戦以降の巻き返しの予感を漂わせた。

4日目の前日13日に、元横綱で相撲解説者の北の富士勝昭氏(76)と顔を合わせたことも明かした。「北の富士さんに『頑張れよ』と言ってもらった。『オレの元気を分けてやる』と言って、こうされたよ」と、体の前で何かをつかんで投げつけるジェスチャーを披露した。「(この日の取組は)元気だったしね。北の富士さんのおかげ」と笑った。

ホワイトデーのこの日にちなんで「300人ぐらいにお返ししないと」と、ジョークも交えるなど、終始明るい表情だった。

明瀬山を寄り切りで破り勝ち名乗りを受ける安美錦(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里が貴景勝に8勝1敗「自分を信じて」

二所ノ関一門連合稽古で貴景勝(下)に胸を貸す稀勢の里(撮影・河田真司)

大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が9日、都内の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古で関脇貴景勝を指名し、8勝1敗と大きく勝ち越した。

11月の九州場所では初日で顔を合わせて敗れた相手で、同場所はその流れで4連敗(不戦敗は除く)で途中休場。逆に勢いに乗った貴景勝は初優勝と対照的な成績だった。

進退問題が浮上する中、最も勢いのある相手を選んで取った三番稽古は、得意の左四つにこだわらず、突き、押しと、そこからの突き落としなどで白星を重ねた。途中、勝っても負けても「アーッ」と叫ぶ場面もあり、気力を前面に出して稽古した。

稽古後は「前に前に、しっかりと行けてよかった。あとは自分を信じて、1日1日しっかりと集中していきたい」と、13日に初日を迎える初場所(東京・両国国技館)を見据えた。

見守った解説者の元横綱北の富士勝昭氏も「ずいぶん良くなってきた。下半身がしっかりしてきた。思ったよりも状態はいい。少しは期待が持てる」と評価した。7日の稽古総見では、左太ももを俵に打って痛める不運もあり6番と稽古量は少なめで、横綱鶴竜、大関豪栄道に計3勝3敗で「15日間もたない」と、スタミナ不足などを指摘していた。

二所ノ関一門の親方衆も進退問題のクリアを期待する。芝田山親方(元横綱大乃国)は「頑張ってもらわないとね。(稽古総見の時よりも状態は)ちょっと上がったかな。半歩でも進もうと思ってやっているのだから」と話した。

尾車親方(元大関琴風)は「本人の表情も明るい。貴景勝を引っ張り出したことに、彼の気持ちが表れている。胸のつっかえが取れたのでは。下半身も、いなされても残していた。いい感触をつかめたのでは」と評価した。

「だいぶ体も動いているし、いい状態になっていると思う。非常にいい稽古になった。初日まで、しっかり調整して、ケガしないようにやっていきたい」。弟弟子の大関高安が、風邪のため、この日の連合稽古を不参加。10日も稽古を休む予定だけに、今後は出稽古などで調整していく可能性がある。

貴景勝(右)と三番稽古を取る稀勢の里(撮影・河田真司)

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暴行の貴公俊「貴ノ富士」に改名「再スタートを」

貴公俊

大相撲の幕下貴公俊(21=千賀ノ浦)が25日、この日発表された初場所の番付発表に合わせて、しこ名を「貴ノ富士」に改名することを発表した。

前師匠の元貴乃花親方(元横綱)が命名。解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)らから「名誉ある名前で伝統をつないでほしい」という意味を込められた。

「相撲人生を1回リセットしようと思った」。新十両として迎えた3月の春場所中、付け人に暴行をはたらき謹慎処分を受けた。「前のしこ名で良いことも悪いこともあった。再スタートを切りたい」と、心機一転で土俵に立つ。

来年1月の初場所は東幕下3枚目として迎え、十両復帰も近い。「やるからには全部勝ちたい。体づくりをして、しっかり調整して場所を迎えたい」と意気込んだ。

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北の富士氏「華があった横綱でした」輪島さん悼む

輪島さんの告別式に参列する北の富士氏(撮影・横山健太)

下咽頭がんと肺がんの影響による衰弱のため、8日に70歳で亡くなった、大相撲の元横綱で、プロレスラーやタレントとしても活躍した輪島大士さんの葬儀・告別式が15日、東京・青山葬儀所で営まれた。日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)、NHK解説者の北の富士勝昭氏、プロ野球巨人の原辰徳前監督、好角家のデーモン閣下ら約500人が参列した。

輪島さんと現役時代に対戦して通算7勝5敗と勝ち越した北の富士氏は「一番取りにくい力士でした」と振り返った。輪島さんの代名詞となった「黄金の左」の強さはもちろんのこと「右からのおっつけが効いた。あれは素晴らしかった。同じ左四つでこっちが十分になっても相手はもっと十分だった。足腰も強かった」と話した。

輪島さんは現役引退後に花籠部屋を継承するも、年寄名跡担保問題で相撲協会を退職。その後はプロレスラーに転向し、アメリカンフットボールの学生援護会総監督やタレント活動も行った。波瀾(はらん)万丈人生を送った輪島さんを、北の富士氏は「北の湖相手に14回も優勝するのはすごいこと。華があった横綱でした。いろいろあったけどそれも含めて話題性のあった力士でした」としのんだ。

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稀勢の里 豪栄道に3勝8敗も「いい稽古になった」

稽古を終え報道陣の質問に笑顔で答える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

8場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が4日、都内の尾車部屋で行われた二所ノ関一門の連合稽古に参加し、大関豪栄道に3勝8敗と大きく負け越した。

2日連続の連合稽古で、前日3日は小結玉鷲を9勝1敗と圧倒。だがこの日は、出稽古で訪れた出羽海一門の豪栄道の低く鋭い立ち合いに苦しんだ。立ち合いから押し込まれ、さらに生命線の左が封じられる取組が続き、何度も大声で「アーッ」と発した。悔しさを隠しきれずに天を仰ぐこともあった。最後も突き落とされて背中が砂まみれになった。

8月31日の稽古総見では、豪栄道とは激しい突き、押しの応酬の末に2勝2敗だった。その時と比べると勝敗も悪くなったが、稽古後の稀勢の里は「いい稽古になった。速さと強さを感じられた。またしっかりと、やることをやって、場所に臨んでいきたい」と、引き続き、秋場所(9日初日、東京・両国国技館)出場に前向きだった。

対する豪栄道は「順調ですね。いい稽古をさせていただいた」と、さらに仕上がりに自信を深めた様子だった。稽古を見守った解説者の北の富士勝昭氏は「今の(稀勢の里の)状態だと、相手が強すぎた。豪栄道のいいところばかり目立った。今の状態では非常に苦しい」は、これまで同様に厳しい評価だった。一方で尾車親方(元大関琴風)は、計11番取った中で、左のはず押しから快勝した最初の一番をほめた。同親方は「最初の相撲が彼の相撲。あれを忘れないようにしていけば。試練の場所になるが、乗り越えてくれると信じている」と話していた。

二所ノ関一門合同稽古で豪栄道(左)に敗れる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里が気迫の稽古 舞の海氏絶賛「希望持てる」

横審稽古総見で気合の入った表情を見せる稀勢の里(撮影・柴田隆二)

8場所連続休場中の大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が31日、東京・両国国技館で行われた横綱審議委員会(横審)稽古総見で、気迫のこもった稽古を披露した。申し合いで横綱鶴竜に1勝2敗、大関豪栄道に2勝2敗、大関栃ノ心に1勝の計4勝4敗。特に豪栄道とは激しい突き、押しの応酬で、負ければ「あー、くそっ」と叫び、勝っても「あーっ」と、ほえるなど感情を爆発、まげを振り乱しての取り口となった。

「久々にああいう相撲を取れてよかった」と、充実感を口にした。闘志あふれる表情については「いいことじゃないけど、顔を張られていたしね」と、無我夢中で取っていた心境を明かした。この日の稽古に、これまで休場していた8場所の間、それぞれの場所前に厳しい評価をしてきた解説者の舞の海秀平氏は「ずいぶん良くなったと思う。横綱、大関とあれだけできたのは驚き。このままなら、危機を脱出できるのではという希望を持てる稽古内容だった」と絶賛。秋場所(9月9日初日、東京・両国国技館)に出場すれば、進退を問われる状況だが、その危機を脱出できる力が戻ってきていると評した。

一方で同じく解説者の北の富士勝昭氏は「豪栄道との2、3番は気力も見えたけど、やっぱりまだまだ。まだバタバタ。質、量ともに物足りない」と、これまでと同様に厳しい意見だった。

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稀勢の里、稽古総見「あれでは無理」北の富士氏

横綱審議委員会稽古総見で鶴竜に押し出され厳しい表情の稀勢の里(撮影・滝沢徹郎)

 6場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)から強烈なダメ出しを受けた。夏場所(13日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が3日、両国国技館で行われ、稀勢の里は三役以上の申し合いで3勝5敗。北の富士氏から「あれでは無理だろう」「間に合わない」などと酷評され、復活に暗雲が漂い始めた。

 稀勢の里はいら立っていた。関脇栃ノ心には力比べで勝てず寄り切られ、横綱鶴竜にはスピードで劣り、突き落とされた。「あー、クソッ」とさけび、会場のファンを沸かせるどころか、静まり返らせた。

 そんな姿に、土俵脇で見守った北の富士氏は開口一番「出るのかあれで?」と、夏場所出場に疑問符を付けた。続けて「あれでは無理だろう。出るなら、あんな稽古では間に合わない。腰も高い。あと1週間、みっちりやっても足りない」と明言した。

 稀勢の里は1日から本格的な稽古を再開し、部屋では大関高安を2日合計で18勝2敗と圧倒していた。その良いイメージもあったためか、この日の稽古後は「課題も見つかった。いい稽古でした」と、復活の手応えも口にした。

 だが北の富士氏は「全然良くなっていない。休場慣れしてしまうとダメ。出るなら『死中に活』。イチかバチかのリスクをかけないと」。絶体絶命の状況から、わずかな生き残りの道を探る「死中に活を求める」という、ことわざまで用いて厳しく言った。

 師匠として2人の横綱を育てた元横綱の指摘は厳しいが、稀勢の里は「ここから1週間ちょっと。大事な1週間だと思っている」。稽古後は覚悟を決めたように、自分に言い聞かせていた。【高田文太】

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稀勢の里が八角部屋で出稽古 北勝富士に8勝4敗

北勝富士の下からの圧力をこらえる稀勢の里(撮影・加藤裕一)

 大相撲初場所(14日初日、両国国技館)に向け、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が10日、都内の八角部屋で出稽古を行った。八角理事長(元横綱北勝海)と解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)舞の海秀平氏(元小結)の前で、平幕の北勝富士と12番とって、8勝4敗だった。

 北勝富士は先場所優勝争いに加わり、自己最高位の東前頭筆頭に番付を上げた。稀勢の里も先場所初顔合わせで黒星を喫した。今最も勢いのある若手の1人に押され、引く場面もあった。得意の左を、厳しい右からのおっつけで封じられもした。それでも、最後は4連勝してみせた。

 稽古後、もう少し番数を取りたかったか、と問われて「いや~、十分です。(北勝富士は)力ありますよ」。時折笑顔を見せ、表情は明るく「突き押し相撲の力士とやると体が動いてくる。いい仕上がりになってます」と満足そうだった。4場所連続休場から復活を期す初場所へ。「また明日かな。行きますよ」と11日も出稽古を行うという。

 一方、北勝富士は12番の後、横綱に胸を借りるぶつかり稽古も行い、最後は完全に息が上がった。稀勢の里の出稽古を前日9日の昼すぎに聞いたという。「飯食った後でした。『絶望、ああ死んだな』と思った」と笑いを誘った。それでも、充実感を漂わせ「(先場所は)横綱の嫌がる相撲が取れました。今日も何番か嫌がる形にできた。横綱もいい感じで仕上がっているし、うれしい。自信になります」と話していた。

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白鵬“禁じ手”北の富士氏「横審にけんか売ってる」

稽古総見で正代(左)と汗を流す白鵬(撮影・鈴木正人)

 大相撲初場所(14日初日、東京・両国国技館)に向けた横綱審議委員会(横審)による稽古総見が5日、両国国技館で行われ、横綱白鵬(32=宮城野)が“禁じ手”を使ってしまった。昨年12月の臨時横審後に、苦言を呈されていた張り手を平幕正代との三番稽古(7番全勝)で見せた。八角理事長(元横綱北勝海)は厳しい表情を浮かべ、解説者の北の富士勝昭氏(元横綱)からも指摘されたが、白鵬は充実感を漂わせ、周囲との温度差が浮き彫りとなった。

 正代との6番目の取組。エンジンがかかった白鵬は立ち合いで右手が伸びてしまった。そして、正代の左ほお付近を軽くはたいた。本気の張り手ではない。ただ、八角理事長やその他理事、横審メンバーの表情はみるみる曇り、重苦しい雰囲気が漂った。

 横審の北村正任委員長は昨年12月20日の臨時会合後、立ち合いで相手に肘をぶつけるようなかち上げや激しい張り手を多用する白鵬の取り口について「横綱相撲とは到底言えない。美しくない」などの投書を引用し、異例の苦言を呈した。この日、稽古を見守った北の富士氏は、報道陣から張り手について聞かれると「不届き者だねぇ~。あれだけ注意されたのにね。けんか売ってるんじゃない、横審に」とチクリと刺した。

 周囲から厳しい目で見られたが、白鵬本人は満足していた。年末年始を沖縄・石垣島で過ごし、この日が18年の稽古始めとなった。「年明けでいきなり関取とやって、みなさんの前で良い汗かけました。体の張り、重さはこれからだけどスピードはあった」と自画自賛。初場所に向けては「今日より明日という感じで積み重ねていきたい」と、2場所連続41度目の優勝へ意気込んだ。【佐々木隆史】

稽古総見で体をほぐす白鵬(撮影・鈴木正人)

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