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引退の貴ノ富士、自ら電話し千賀ノ浦親方に謝罪

朝稽古で力士を指導する千賀ノ浦親方

大相撲の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)が、2度の暴力を振るって引退した弟子の十両貴ノ富士(22)から謝罪を受けたことを明かした。

貴ノ富士の引退届が提出、受理された前日11日から一夜明けた12日、都内の部屋で稽古を指導後「昨日の夜7時ごろ、貴ノ富士から電話がありました。『引退届を出しました』という連絡と『ご迷惑をおかけしました。電話などに出ず、すみませんでした』と言っていました」と説明した。これを受けて、同親方は「引退届を出して、よかったと思っているよ。また電話するからな」などと返し、2、3分ほど会話したという。

貴ノ富士は昨年3月の春場所中に続き、今年8月31日にも別の付け人に暴力を振るい、日本相撲協会から自主引退を促されていた。これに対し、師匠に無断で開いた会見で「受け入れられません」と主張。その後は師匠からの電話に出ず、代理人弁護士を通じて連絡を入れないよう要望し、師弟の意思疎通はなかった。引退は避けられないと感じていた千賀ノ浦親方は、常々、退職金などが支払われる自主引退を受け入れ、懲戒解雇にならない道を希望していた。

貴ノ富士が滞在しているマンションを訪れても会えず、心配していた同親方は「連絡がきて安心した。よかった」と話した。2度目の暴力で被害に遭った序二段力士を含む、巡業に付け人として同行していない若い衆を集め、前夜に引退届が提出されたことも説明したという。断髪式については、前夜の電話で貴ノ富士とは話していないといい「いろいろ話を聞いてみて」と、本人の意向次第で実施する可能性を否定しなかった。第2の人生に向けては「きちっと考える時間も必要」と、慌てずに決めることを望んでいた。

今後については「A(被害者力士)も元気にやっている。とにかく見ていかないと。これからは、みんなで話し合う回数を増やして『何かないか』とか、1人1人まめに聞いていかないといけない」と話し、再発防止への決意も新たにしていた。

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個人への厳罰はガバナンス欠如/貴ノ富士意見書要旨

日本相撲協会の事実上の引退勧告に対して行った会見に臨む貴ノ富士。右は鈴木利広弁護士(19年9月27日、撮影・小沢裕)

日本相撲協会は11日、付け人への2度目の暴力や差別的な発言で、自主引退を促していた十両貴ノ富士(22=千賀ノ浦)の引退を発表した。貴ノ富士の代理人弁護士から郵送で、11日付の引退届と意見書が都内の相撲協会に届いた。協会を訪れていた師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が、その場で正式な書式の引退届を書き、受理された。退職金などは規定通りに支払われることも決まった。

<貴ノ富士の代理人弁護士の意見書要旨>

スポーツ庁および内閣府にも提出予定とされ、A4用紙8枚を相撲協会に提出。引退を決意した心境としては「今回の協会の対応を見て、協会の将来に失望しました」などと記された。続いて「協会におけるガバナンスの欠如が個人の厳罰化をもたらしている」と題した項目で、不祥事が絶えない現状を指摘しつつ「個人の厳罰化は対外的なアピールにはなるかもしれませんが、コンプライアンス・ガバナンスの向上には役立たないのではないかと懸念します」と、組織の未熟さを追及した。

他にも「相撲部屋制度における人権の抑圧」と題した項目では「生活や稽古を共にする場で閉鎖的空間となっているため独自の文化(風潮)が醸成されやすいのではないでしょうか」と疑問を投げかけている。ただ協会側は「事実関係等を精査の上、協会の認識と見解を近くまとめる」とし、貴ノ富士側の代理人弁護士にも回答予定だという。

朝稽古後、神棚に手を合わせる千賀ノ浦親方

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一転引退の貴ノ富士に親方安堵「どの子もわが子」

貴ノ富士(左)と千賀ノ浦親方

日本相撲協会は11日、付け人への2度目の暴力や差別的な発言で、自主引退を促していた十両貴ノ富士(22=千賀ノ浦)の引退を発表した。

貴ノ富士の代理人弁護士から郵送で、11日付の引退届と意見書が都内の相撲協会に届いた。協会を訪れていた師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が、その場で正式な書式の引退届を書き、受理された。退職金などは規定通りに支払われることも決まった。

   ◇   ◇   ◇

現役続行を強く希望していた貴ノ富士が一転、引退届を提出した。9月26日の相撲協会の理事会で、自主引退を促すことが決議されたが、翌27日に会見を開いて「受け入れられません」と主張。弁護士を立てるなど、法廷闘争も視野に入れた姿勢を見せていたが、世論を味方に付けるに至らず、この日付の引退届と弁護士2人の名で意見書が協会に郵送で届いた。

謹慎中に師匠に無断で開いた会見から2週間、意見書では「協会とのやりとりに疲れ果てましたので、引退することを決意しました」と心境がつづられた。一方の相撲協会は芝田山広報部長(元横綱大乃国)が「相手は被害者ではなく加害者。理由も、やむを得ない加害者ではない」と反論した。

繰り返しの暴力と悪質な言動があったが、退職金などが支払われる自主引退を促された。それを受け入れた形となり、千賀ノ浦親方は「よかったと思う」と安堵(あんど)感を見せた。

同親方が、退職した貴乃花親方(当時=元横綱)から預かった弟子としては、昨年の前頭貴ノ岩に続き、2人目の暴力での引退となった。今回の件で自身にも「6カ月間、20%の報酬減額」の懲戒処分。それでも「どの子もわが子」と愛情を持って接してきた姿勢には「変わりません。かわいいし、弟子を強くさせるのが僕の仕事」と親心を見せた。貴ノ富士とはずっと連絡が取れないが、断髪式なども「本人と話してみないと」と否定的ではない。

協会は今月中に臨時理事会を開き、再発防止策の強化を進める。コンプライアンス委員会による千賀ノ浦部屋の視察も予定。千賀ノ浦親方は「暴力は絶対にダメということ」と、今度こそと再発防止を誓った。

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貴ノ富士が現役引退発表「協会とのやりとり疲れた」

貴ノ富士関(2019年9月27日撮影)

日本相撲協会は11日、付け人への暴力問題で協会から自主引退を促されていた十両貴ノ富士(22=千賀ノ浦)の引退届を受理した。

貴ノ富士は代理人弁護士を通じて協会にA4用紙8枚の意見書を提出。引退を決意した心境について「今回の協会の対応を見て、協会の将来に失望しました。仮に今回の処分の不当性が公に認められたとしても、今の協会内、相撲部屋内に私が戻るところはないでしょう。相撲を愛する者として、相撲を続けたいという気持ちに変わりはありませんが、この間の協会とのやりとりに疲れ果てましたので、引退することを決意しました」と記した。

書面では主に代理人弁護士の意見が掲載されており、近年相撲界で起きた不祥事を挙げ、再発防止策が効力を発揮していないことを主張した。付け人制度における教育的責任の所在、制度の妥当性にも言及。さらに「協会理事および千賀ノ浦親方は『なぜ弁護士をつけたのか』『記者会見をするな』などと貴ノ富士に圧力をかけた。協会は言論・表現の自由を否定しているとすら言える」と、協会や師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)による“パワハラ”を指摘した。

協会側は「退職金、功労金、養老金などの支給に関する規定」に従い、退職金などの支給を行う。今月内に臨時理事会を開き、八角理事長(元横綱北勝海)からコンプライアンス委員会に再発防止策についての検討を委嘱し、再発防止策の強化を進める方針を示した。

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千賀ノ浦親方 貴ノ富士に関し「いろいろと心配」

土俵脇で稽古を指導する千賀ノ浦親方

日本相撲協会から自主引退を促されている、十両貴ノ富士(22)の師匠の千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)が8日、東京・台東区の部屋で稽古を指導後、報道陣に対応した。

協会の理事会が自主引退を促すことで決議したのが9月26日。翌27日に貴ノ富士は会見で決議に対して「受け入れられません」と話し、その後は膠着(こうちゃく)状態が続いている。

千賀ノ浦親方はこの日、師匠の判断で引退届を提出する可能性について「まだ、それは考えていない。話し合って、自分から出す方向に持っていってあげたい」と、あくまで退職金などを受け取ることができる、自主引退を自らの意思で選択するよう説得したい考えを語った。

前日7日に協会はこれまでの経過を発表した。千賀ノ浦親方の電話に、貴ノ富士が出ないなどの状況が明かされ、貴ノ富士側の弁護士は今月11日までに意向を文書で回答するとしている。

千賀ノ浦親方は「まだ私の弟子ですから。いろいろと心配です。電話で話すことではない。顔を合わせて、面と向かって話さないと。弟子と師匠ですから。何で会ってはいけないのか」と、最近住むようになったという貴ノ富士のマンションを何度訪れても対面がかなわず、さみしそうな表情を見せていた。

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千賀ノ浦親方涙、貴ノ富士と「顔合わせて話したい」

理事会に向かうため部屋を出る千賀ノ浦親方(2019年9月26日撮影)

日本相撲協会は7日、付け人への暴行や差別的発言を繰り返したため9月26日の理事会で自主引退を促す決議をした西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)に関する、これまでの経過を説明した。

部屋での謹慎を伝えられた貴ノ富士は先月27日以降、部屋には戻らず30日以降は音信不通の状態が続いているという。

貴ノ富士の師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は部屋を不在にし続けている貴ノ富士について「何かあったらと不安にもなる。本当に心配。顔を合わせて話をしたい」と涙を浮かべた。同親方によると都内のマンションに滞在しているという。貴ノ富士の居場所を複数回訪れたが、全く応答がないと説明した。

一連の暴行騒動に対する日本相撲協会の事実上の引退勧告に対して行った会見を終え、大勢のカメラに囲まれながら引き揚げる貴ノ富士(2019年9月27日撮影)

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貴ノ富士謹慎も部屋に戻らず 親方の電話にも出ない

一連の暴行騒動に対する日本相撲協会の事実上の引退勧告に対して会見を行った貴ノ富士(左)と鈴木利広弁護士(2019年9月27日撮影)

日本相撲協会は7日、先月9月26日の理事会で、付け人の序二段力士に対し暴行を振り、差別的発言を繰り返したため自主的な引退を促す決議をした西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)に関する、これまでの経過を公表した。

それによると、理事会翌日に都内の文部科学省で記者会見を開き、理事会決議を受け入れられず現役続行の意思を示した貴ノ富士側は、代理人弁護士と連絡を取り合うよう同協会側に要望があったという。その上で双方が日程をすり合わせ、10月3日に弁護士同席で貴ノ富士の意思確認の面談を行うことが決まった。

その面談に先立ち、弁護士側から同協会に対し、再発防止策について現状の考え方を回答するよう要望があった。面談予定前日の2日に協会側は要望書に答える形で、再発防止策などについて文書で回答。だが、面談予定の3日午後3時半の約1時間半前に、弁護士側からファクシミリで「要望書に対する回答になっていない」と断りの連絡が入り、面談は実現しなかった。

ただ弁護士側は、貴ノ富士の意向については、10月11日までに文書で回答する旨の連絡があったという。同協会側は「現在は11日までに送られてくるという文書を待っている状況」と静観の構えでいる。

またこの日、同協会広報部が発表した報告では、先月26日の理事会でのやりとり、その後の経過についても説明している。理事会では自主引退を促す決議を、八角理事長(元横綱北勝海)が念押しするように「自主的に引退することを受け入れるか、師匠にも相談して、しっかりと考えてください。その間は、師匠の支持で部屋での謹慎を続けてください」と確認。貴ノ富士は「はい」と答えたものの、27日以降、千賀ノ浦部屋に戻っておらず、30日以降は師匠からの電話にも出ない状況が続いているという。これについて芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「組織の一員として社会通念上、決まり事は守らなければならない」と述べた。

また貴ノ富士の意思を確認する目的で「30日午後2時に師匠と貴ノ富士がそろって協会へ来るように」と千賀ノ浦親方に前日の29日伝えた。だが貴ノ富士は同親方に携帯電話のショートメールで「弁護士が対応するから自分は行かない」旨の通知をしたため、その面談も実現には至らなかったという。担当する2人の弁護士から代理人受任通知などの文書が同協会へファクシミリで送られてきたのは、9月30日だったという。

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貴ノ富士、謹慎中なのに部屋にいない 連絡も取れず

貴ノ富士

稽古後、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は、十両貴ノ富士は部屋に不在であることを明かした。

付け人への2度目の暴力などで、貴ノ富士が自主引退を促された相撲協会理事会から7日目。謹慎中の現在は本来、部屋にいるべきだが、千賀ノ浦親方は「いないです。報道されているようになかなか、ねえ…」と、連絡が取れていない様子。貴ノ富士は9月27日に会見を開き、自主引退について「受け入れられません」と反論していた。

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左大胸筋負傷の貴景勝「出たい」九州場所出場に意欲

九州場所に向けた部屋の稽古始めで稽古場に下りた貴景勝(撮影・佐藤礼征)

大相撲の秋場所千秋楽での優勝決定戦で左大胸筋を負傷した貴景勝(23=千賀ノ浦)が、大関に復帰する九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)出場の意欲を示した。

1日、都内の部屋で稽古を再開。上半身にはほとんど負荷をかけず、四股やスクワットで下半身中心に体を動かした。負傷した千秋楽から9日。左胸付近は広い範囲で内出血しており、この日は左腕を軽く動かす程度の運動にとどめた。「少しは良くなっていると思う。治療に専念してきて、今の色もひどいけど(前は)もっとひどかったから」と説明。場所後は患部を冷やすなどして安静に努め、日に日に「出血も治まってきた」という。

負傷した場面については、御嶽海との決定戦で「立ち合いで自分が突いたとき」と改めて明かした。「いつもと変わった突き方で、いつもより外側からいってしまった。御嶽海関も強くて圧があるし、自分の押し方が悪い。自分に原因がある」と、言い訳はしなかった。「けがに対する残念はすごくあるけど、このけがが8日目とかだったら大関に戻れなかった。けがした中でも15日間取れて良かった」。23歳の若き大関は、腐らずに前を向いた。

九州場所は昨年初優勝を遂げた場所。「自分のターニングポイントになった場所。無理して出るつもりはないけど、できるだけ出たい」。5日から石川・七尾市で始まる秋巡業は初日から休場するが「巡業にも出られたら出たい。しっかり巡業の空気に入ることが大事。(千賀ノ浦)親方と相談して決める」と、途中合流の可能性も示唆。「来場所に向けて始まっている。番付発表前が大事」と力を込めた。

一方、秋場所後の理事会で暴行問題を起こした兄弟子の十両貴ノ富士が、協会から引退を促された。部屋を巡る騒がしさが収まらない中、部屋頭としての意気込みを問われると「とにかく一生懸命やることが大事。自分もけがを治してやるしかないと思っている」と話した。

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貴源治「やめた方がいい」貴ノ富士会見制止も実らず

貴源治

前頭貴源治が、日本相撲協会から自主引退を促されている、双子の兄の十両貴ノ富士(ともに22=千賀ノ浦)の会見を、止めようとしていたことを明かした。この日、両国国技館で行われた佐ノ山親方の襲名披露大相撲に参加。前日27日の貴ノ富士の会見は「見ました」という。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)の反対を押し切ったと明かされていたが、貴源治は「会見を開くと報道で知り『やめた方がいい』と言いました。それから連絡が取れなくなりました」と、さらなる強行だったと明かした。

付け人への2度目の暴力を謝罪、差別的な発言も認めており「兄貴もうすうす戻れないと思っているのでは」と推測した。その上で自身も若い衆への理不尽な言動でけん責処分を受けたことには「申し訳ない気持ち。受け止めて、ゼロというよりマイナスからのスタート」と再出発を誓った。

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貴ノ富士、引退は嫌!暴力反省も協会の対策が不十分

一連の暴行騒動に対する日本相撲協会の事実上の引退勧告に対し会見に臨む貴ノ富士(撮影・小沢裕)

大相撲の西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)が、自主引退を促す通達を受けた日本相撲協会の理事会から一夜明けた27日、東京・千代田区の文部科学省で会見を行った。

事実上の引退勧告を「受け入れられません」とし、現役続行を希望した。差別発言などについては認める一方、協会の暴力根絶への取り組みは不十分だと指摘した。法的手段については明言を避け、問題が長期化する可能性が出てきた。

   ◇   ◇   ◇

自主引退を促されても、会見を開いた理由は単純明快だった。現役続行と相撲協会の組織改善、どちらを強く求めるかという質問。貴ノ富士は「もちろん土俵に戻りたい気持ちが強い」と即答した。理事会で自主引退を促され、それを受けなければ引退勧告や懲戒解雇が濃厚。引退以外の道を模索していた。「今回の処分はあまりにも重く、受け入れられません」。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)に止められても強行した会見の冒頭で力説した。

付け人の序二段力士への暴力は認め「自分としては自覚が足りなかった。ゲンコツなら、という甘い考えでいた」と反省した。被害者力士の実家に謝罪したい意向も示した。ただし「もちろん重く、強くたたいたつもりはない」という。暴力直後に部屋のおかみさんが確認した際の言葉として「赤くなっていなければ、たんこぶもできていなかった」とし「額にこぶができ数日間痛みが残った」という協会発表に反論した。

差別的な発言も認めた。これも「言い過ぎたと思っている」としながら、兄弟子から踏襲した言葉と明かした。昨年春場所中の付け人への最初の暴力が契機でもある、研修など暴力問題対策は「正直(協会員に)伝わっていない」。さらに「手を出さない代わりに、どういう風に指導していくか教えてもらっていない」と指摘した。

法廷闘争の可能性については協会次第だとして出方を見るという。一方の相撲協会の芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「(自主引退を)受け入れるのか受け入れないのか、意思は本人から言うべき」と話した。問題は当面、停滞しそうな気配だ。

一連の暴行騒動に対する日本相撲協会の事実上の引退勧告に対して行った会見を終え、深々と頭を下げる貴ノ富士(撮影・小沢裕)

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協会は自主引退促すも不服の貴ノ富士は27日会見へ

理事会に招集された貴ノ富士(撮影・中島郁夫)

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で理事会を開き、西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)に、自主引退を促すことを決議した。事実上の引退勧告となる。貴ノ富士は8月31日に付け人の序二段力士に暴力を振るっただけでなく、5~7月にかけて若い衆に差別的発言を繰り返していたことも明らかになった。決議に同意しなければ、協会コンプライアンス委員会の追加答申を受け、臨時理事会で処分を決定する。貴ノ富士は27日に会見する。

   ◇   ◇   ◇

貴ノ富士への処分は出なかった。コンプライアンス委員会から処分案として引退勧告を答申された理事会は「引退やむなしとの意見でまとまった」。しかし、日本相撲協会が発表した文書によれば「貴ノ富士が22歳と若く、今後の人生が長いことを考慮し、懲戒処分の引退勧告ではなく、貴ノ富士に自主引退を促すことを決議した」。事実上の引退勧告で、同意しない場合は、コンプライアンス委に追加答申を委嘱。引退勧告、懲戒解雇といったより重い処分を科すとみられる。

理事会には貴ノ富士、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)、双子の弟で幕内力士の貴源治が呼ばれた。自主引退を促されると貴ノ富士は「考えます」と答えたという。25日に理人弁護士を通じてスポーツ庁に、24日は相撲協会に書面で寛大な処分などを求めた。現役続行を模索しているとみられる。

相撲協会によると、貴ノ富士は5~7月ごろ、千賀ノ浦部屋の弟弟子4人(序二段3人、序ノ口1人)に差別的な発言などを繰り返した。それぞれ「ニワトリ」「ヒヨコ」「地鶏」とあだ名を付け「おい、ニワトリ」と声をかけた際に「はい」と返事をすると「はいじゃない。コケと言え」と強要。8月31日の稽古総見後、付け人が自分よりも先に風呂に入り「先に風呂に入って『お先ごっつぁんです』もないのか」と右手の拳で額を1回殴打。殴られた付け人は額にこぶができ、数日間痛みが残った。

昨年3月に付け人を殴って1場所出場停止処分を受けた貴ノ富士は同年12月、再び暴力を振るった場合は引退する旨の誓約書を師匠に提出していた。退職金が減額される懲戒処分を科さなかったことについて、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「理事会として1つの温情を出した」と話した。協会は謹慎が継続中と認識する中、貴ノ富士は27日に会見を予定。貴ノ富士の代理人は「到底納得できる処分ではない。法的視点から処分の不当性を訴える」とのコメントを発表した。

理事会に向かうため部屋を出る貴ノ富士(撮影・佐藤礼征)

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貴源治と千賀ノ浦親方処分 新弟子に「理不尽」行動

理事会に招集された貴源治(撮影・中島郁夫)

日本相撲協会は26日、東京・両国国技館で理事会を開き、東前頭17枚目の貴源治(22=千賀ノ浦)にけん責、千賀ノ浦親方(58=元小結隆三杉)に10月から6カ月間、20%の報酬減額とする懲戒処分を決めた。

相撲協会の発表によると、貴源治は今年5~7月ごろの間、都内の千賀ノ浦部屋や名古屋場所の稽古場などにおいて、同部屋の新弟子4人に、暴力は振るっていないが、暴言や新弟子4人が「理不尽」と考える行動を取っていた。新弟子4人が言いつけられた仕事を忘れたり、あいさつの仕方が悪かったりしたことに対する罰として「腕立て伏せ、罰金、外出禁止のどれかを選べ」などと命じて、腕立て伏せをさせていた。新弟子の誰かが失敗すると連帯責任として、4人全員に腕立て伏せ30回を2セット行うよう命じる行為が、複数回にわたって実行された。

名古屋場所中には、新弟子の1人が言いつけられたことをすぐ忘れるとして、他の力士がいる前で、片腕を頭上に挙げる格好をさせた上で「自分は頭が悪いです」と言うように命じて発言させた。さらに、その様子をスマートフォンで録画する動作もした。これらの行為に対する処分で、コンプライアンス委員会は「貴源治の行為は、失敗した当事者か否かにかかわらず、連帯責任として新弟子4人に腕立て伏せを命じた理不尽なものであり、指導の範囲を逸脱している」「新弟子の1人に『自分は頭が悪いんです』と言わせた行為も悪質である」との見解を示した。ただし、付け人への2度目の暴力で自主引退を促された、双子の兄で西十両5枚目の貴ノ富士とは違い、過去に懲戒、指導歴がなく、おおむね事実関係を認めて現在は反省し、二度とこのような言動を行わない旨誓約しているため、けん責処分にとどまった。

千賀ノ浦親方は、昨年12月に、元前頭貴ノ岩のよる付け人への暴力の際にけん責処分を受けながら、今回の貴ノ富士と貴源治の悪質な言動を止められなかったとして、減俸処分となった。芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「重い処分」と話した。

理事会に招集された千賀ノ浦親方(撮影・中島郁夫)

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貴ノ富士の上申書 スポーツ庁は静観する立場示す

貴ノ富士

付け人の序二段力士に暴力を振るい、大相撲秋場所を謹慎休場した、西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)が25日、適切な措置を求めてスポーツ庁に上申書を提出した。暴力は8月31日に起きたもので「貴公俊」のしこ名だった、昨年3月の春場所中に次いで2度目。日本相撲協会のコンプライアンス委員会や師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)から引退を勧告されているとし、24日には同協会に寛大な処分を求める要望書を提出していた。処分が決まる26日の理事会を前に慌ただしくなってきた。

貴ノ富士の弁護士から上申書を受け取ったスポーツ庁の担当者は「国がどうこうするものではない」と話し、静観する立場を示した。各スポーツ団体内における決定事項について、同庁が直接的に内容の変更を指示する権限はない。一方で、同庁が6月に策定したスポーツ団体ガバナンス(組織統治)コードでは選手、指導者間などで紛争が起きた場合、競技団体側が処分対象者に対し、スポーツ仲裁機構を利用できる旨を伝えるよう求めている。

貴ノ富士の暴行と謹慎経緯

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序二段「ざあす」で頭に拳骨/貴ノ富士の暴行経緯

貴ノ富士

付け人の序二段力士に暴力を振るい、大相撲秋場所を謹慎休場した、西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)が25日、適切な措置を求めてスポーツ庁に上申書を提出した。

   ◇   ◇   ◇

▽貴ノ富士が協会に行った暴行の経緯説明

(平成31年3月場所から再十両となり、付け人がつくことになった。千賀ノ浦親方から付け人に序二段力士(以下A)を指名されたが、「仕事ができないので、本場所にはつけない」との話があった)

「Aには、普段の身の回りのことをやってもらっていましたが、親方が心配した通り、『○○を掃除しておいて』と言っても、忘れてしまうのか、できないことが多かった」

(3月場所で負け越し、幕下転落。5月場所で幕下優勝したので、再び同じ付け人がついた)

「ひと場所空いて、Aはミスがなくなったが、付け人以外の仕事、例えば、ちゃんこ場での食事の準備や掃除ができていなかった。このような仕事は、若い2人の力士も担当していた。この3人は、他の兄弟子や関取衆に言われても返事が出来なかったので、名古屋へ行く前に『返事もできないのか』と言ったところ、すいませんと3人が謝ったので、『先輩たちはみんなお前らのために注意してくれているのだよ』と話しました」

「彼らは、聞こえていなくても、『はいはい』と返事ばかり言っているので、『言っていることを分かっていて返事をしているのか』と尋ねたら、『すみません、聞こえていませんでした』と言い訳をしたので、『それではだめだ』と言って、指導しました。名古屋場所前の2週間、このような同じことの繰り返しが毎日続きました」

「団体生活の中で、先輩から頼まれたことが終わったらこれをやっておいてと言っても、私の依頼を後回しにしたり忘れたりということが3、4日と続き、私も神経質となり、いらいらするようになりました」

「私は新弟子のころに、注意をされたくないから必死に覚えようと毎日努力していたので、Aはどうしたら気付いてくれるか、なんで覚えてくれないんだろうと思い、親方から指導を任されているのに、なかなかうまくいかないので、神経質になっていたところ、次の日のちゃんこ場で、また同じくやらなければならないことができていなかったりと、同じことの繰り返しで三歩歩いたら他のことを忘れている状況でした」

「(8月31日は)稽古総見が終わり部屋に帰った。その時に大体の人は風呂に入って髷も結い直して帰りを待ってくれていました。皆が『お先にお風呂ごっつぁんでした』と挨拶している中で、序二段力士は『ざあす』としか言いません。前から『若い衆が先に風呂に入ったときは、きちんと挨拶しなさい』と言ってあったにもかかわらずです。風呂場で背中を流してもらいながら、いつになったら挨拶するのかと待っていましたが、風呂をあがっても、とうとう挨拶をしません。そこで『挨拶くらいはちゃんとしなさい』と言って頭を拳骨でこつんとしました。決して拳骨で殴ったわけではありません。そもそも若い衆が風呂に先に入るのは当たり前なので、きちんと挨拶するのが礼儀です。部屋でも皆この礼儀を守っています」

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引退勧告の貴ノ富士「適切措置」スポーツ庁に上申書

貴ノ富士

付け人の序二段力士に暴力を振るい、大相撲秋場所を謹慎休場した、西十両5枚目の貴ノ富士(22=千賀ノ浦)が25日、適切な措置を求めてスポーツ庁に上申書を提出した。暴力は8月31日に起きたもので「貴公俊」のしこ名だった、昨年3月の春場所中に次いで2度目。日本相撲協会のコンプライアンス委員会や師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)から引退を勧告されているとし、24日には同協会に寛大な処分を求める要望書を提出していた。処分が決まる26日の理事会を前に慌ただしくなってきた。

   ◇   ◇   ◇

先代師匠の元貴乃花親方(元横綱)が協会退職を表明してから、この日がちょうど1年だった。今度は当時の弟子の貴ノ富士が、スポーツ庁に上申書を提出する、極めて珍しい行動に出た。上申書によると貴ノ富士は、付け人がしっかりとあいさつできなかったことなどを理由に、頭をげんこつでたたいたという。付け人への暴力は2度目。昨年10月に「暴力決別宣言」を発表して間もない協会からの厳罰は、避けられない情勢だった。処分を決める理事会を翌日に控え、監督官庁ではないが、弁護士を通じてスポーツ庁に訴えた。

上申書には「協会のコンプライアンス委員会及び現師匠の千賀ノ浦親方から、引退を勧告されている」と明記されている。その上で上申書では「適切な措置」を、24日に協会に提出したことが判明した要望書には「寛大な処分」を求めた。貴ノ富士の代理人弁護士は「処分を受けるのは覚悟しているが、少なくとも引退勧告や懲戒解雇は行き過ぎ」と述べた。厳しい処分が出た場合、27日にも弁護士同席で貴ノ富士に会見準備があることも判明した。

一方の協会担当者は、要望書が届いたことは認めたが「処分を決めるのは、あくまでも理事会。現時点で引退勧告していることはない」と、スポーツ庁への上申書の一部内容には否定した。協会の規定では、引退勧告を受け入れなかった場合、懲戒解雇となる。この日、貴ノ富士の行動が判明後に協会を訪れた千賀ノ浦親方は「今日は話せない。また明日」と、訪問理由を含めて何も話さなかった。

26日の理事会では、貴ノ富士が直接、処分を通達される見込みだ。処分を受け入れるか、突き返すか、それとも保留するのか-。処分を通達された場で、即座に回答を求められるかも未定。ただし、ある関係者は「貴ノ富士は(昨年春場所の)最初の暴行の際に『2度と暴力は振るわない』といった文書を一筆交わしている」と明かす。仮に法廷闘争となっても、処分を覆せるかどうかは、不透明な状態と言わざるを得ない。

○…貴ノ富士の弁護士から上申書を受け取ったスポーツ庁の担当者は「国がどうこうするものではない」と話し、静観する立場を示した。各スポーツ団体内における決定事項について、同庁が直接的に内容の変更を指示する権限はない。一方で、同庁が6月に策定したスポーツ団体ガバナンス(組織統治)コードでは選手、指導者間などで紛争が起きた場合、競技団体側が処分対象者に対し、スポーツ仲裁機構を利用できる旨を伝えるよう求めている。

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貴ノ富士、協会からの引退勧告でスポーツ庁に上申書

貴ノ富士

大相撲で付け人力士に暴力問題を起こした西十両5枚目の貴ノ富士関(22)=本名上山剛、栃木県出身、千賀ノ浦部屋=が25日、適切な措置を求めてスポーツ庁に上申書を提出した。日本相撲協会のコンプライアンス委員会や師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)から引退を勧告されているとし、24日には同協会に寛大な処分を求める要望書を提出した。

上申書によると、貴ノ富士関は付け人の序二段力士がしっかりとあいさつをしなかったことなどを理由に頭をげんこつでたたいたという。代理人弁護士は「処分を受けるのは覚悟しているが、少なくとも引退勧告や懲戒解雇は行き過ぎ」と述べた。処分は26日の相撲協会理事会で正式に決まる見通し。貴ノ富士関は同日に記者会見をする意向があるという。

貴ノ富士関は「貴公俊」のしこ名だった昨年春場所中(当時は貴乃花部屋に所属)に付け人を殴打し、1場所出場停止処分を受けている。(共同)

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貴景勝が九州場所危機「そっとして」左大胸筋肉離れ

千賀ノ浦部屋を出る貴景勝

大相撲の関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が、大関に復帰する九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の出場危機に陥った。

敗れた関脇御嶽海との優勝決定戦で負傷した、秋場所千秋楽から一夜明けた23日、都内の病院でMRI検査を受け「左大胸筋肉離れ」で、加療6週間と診断された。師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)が明かしたもので、手術はしない方針。大関陥落の原因となった右膝のケガに次いで、再び試練を迎えることになった。

   ◇   ◇   ◇

正午ごろに部屋を訪れた貴景勝の表情は、険しかった。約20分後に部屋を出た際も、報道陣の問いかけに「そっとしておいてください」とだけ答え、迎えの車に乗り込んだ。沈痛な面持ちが、事態の深刻さを物語っていた。一方で、1度去った後、用事を思い出したのか、数分して再び部屋の前に現れた際は、車の窓を開けて報道陣に手を振って引き揚げた。悔しさと、次を見据えた心境が混在していることを物語っていた。

前日22日の秋場所千秋楽は、本割で前頭隠岐の海を破って12勝3敗としたが、優勝決定戦で御嶽海に敗れた。優勝決定戦の立ち合いで、左胸を痛めたとみられる。取組後は呼吸を乱し、苦痛に顔をゆがめていた。この日、MRI検査を受け「左大胸筋肉離れ」で、加療6週間と診断された。

5月の夏場所で右膝を痛めて途中休場し、7月の名古屋場所は全休。大関から陥落も、秋場所は10勝以上の規定を12日目にクリアして1場所での返り咲きが決まっていた。千賀ノ浦親方は「一安心したところで、まさかこういうことになるとは」と、弟子の無念を代弁した。10月の秋巡業は全休の見通し。復帰が来年初場所ならかど番、春場所なら再び関脇に転落する。

千賀ノ浦親方は「手術はしない方向」と明かした。肉離れは筋肉の部分断裂。元横綱稀勢の里は左大胸筋断裂が完治せず、今年初場所で引退に追い込まれた。同親方は「下半身を鍛えることはできる」としながらも「時間が必要」と、劇的に復帰が早まる可能性は否定。力士生命にかかわるケガの可能性もある。それだけに九州場所出場について同親方は「それはまだ分からない」と慎重に話した。【高田文太】

22日、優勝決定戦で痛めた左胸を気にする貴景勝

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貴景勝「明日頑張る」高校先輩の豪栄道に屈し3敗

豪栄道(左)に上手投げで敗れた貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

貴景勝は埼玉栄高の先輩大関豪栄道に屈した。

横綱以外の取組では過去2番目に多い55本の懸賞数となった一番。踏み込みは低かったが圧力は伝わらず、上手を取られて振り回された。

師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)によるとこの日の朝、部屋関係者が優勝した際に使用するタイを発注。3敗目を喫して賜杯レースで並ばれたが「(敗因は)ちょっとしたことだと思う。また明日頑張る」と切り替えていた。

貴景勝(右)は豪栄道に上手投げで敗れる(撮影・小沢裕)
大勢のファンに囲まれながら引き揚げる貴景勝(右)(撮影・小沢裕)

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貴ノ富士が暴力問題弁明 処分決定は26日理事会へ

貴ノ富士(2019年5月15日撮影)

日本相撲協会のコンプライアンス委員会は19日、東京・両国国技館で会合を開き、付け人の序二段力士に暴力を振るった十両貴ノ富士(千賀ノ浦)の弁明を聞き、処分意見について協議した。

貴ノ富士は険しい表情のまま無言で引き揚げた。コンプライアンス委の青沼隆之委員長(元名古屋高検検事長)は「一定の意見は出た」と説明した。処分は26日の協会理事会で決まる見通し。コンプライアンス委には師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)と、貴ノ富士の双子の弟、平幕貴源治も呼ばれた。同親方は「(対応は協会)広報部に任している」と述べ、貴源治は「何も分からない」と話した。

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