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九州場所で企画 特別大入り袋プレゼントなど

九州場所の来場者に配られる大入り袋

日本相撲協会は26日、九州場所(11月11日初日、福岡国際センター)での企画概要などを発表した。

(1)来場者全員に特別仕様の大入り袋をプレゼントする。

(2)ビッグマカロンや懸賞旗を持って撮影できる記念撮影コーナーを設置。場所は2階正面西側。

(3)九州限定フレームなど、力士フレームで記念撮影できる撮影コーナーを設置。2階正面東側。

(4)キッチンカーが会場前広場に6店出店予定。

(5)没後50年を迎えた双葉山のパネル展を1階升席下通路で実施。

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逆転のすくい投げ/白鵬vs稀勢の里名勝負

10年11月、九州場所2日目 白鵬は稀勢の里に寄り切りで敗れる

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館

横綱対決は白鵬(33=宮城野)に軍配が上がった。稀勢の里を寄り切って13戦全勝とした。昨年初場所で敗れて以来の対戦で、力の差を見せつけた。14日目に白鵬が大関豪栄道に勝てば、5場所ぶり41度目の優勝と史上初の幕内通算1000勝が決まる。

<白鵬vs稀勢の里名勝負>

◆10年九州場所

東前頭筆頭の稀勢の里と、63連勝中の白鵬が対決。稀勢の里は立ち合いで右から張り手を浴びてもひるまず、突き放しで横綱を慌てさせ、寄り切って大金星。双葉山が持つ69連勝の記録に迫っていた白鵬の夢を打ち砕いた。

◆15年初場所

白鵬は勝てば史上最多33度目の優勝が決まる一番。土俵際で小手投げを食らい、ほぼ同時に倒れた。軍配は白鵬に上がったが物言いが付き、協議の末「両者落ちるのが同時とみて取り直し」。取り直しの一番で勝って優勝を決めたが「子どもが見ても分かる相撲」と審判部を批判。北の湖理事長(元横綱)と伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士)から師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)を通じて厳重注意を受けた。

◆17年初場所

千秋楽結びの一番で、すでに14日目に初優勝を達成した稀勢の里に対して、白鵬は立ち合い右で張って左を差して一気に土俵際まで寄る厳しい攻めを見せた。しかし土俵際でこらえた稀勢の里が、逆転のすくい投げで白鵬を破る。98年の3代目若乃花以来、日本出身力士19年ぶりの横綱昇進を確実にした。

15年1月、初場所13日目、取り直しの末、稀勢の里(手前)を破った白鵬
17年1月、初場所千秋楽、白鵬(右)をすくい投げで破る稀勢の里

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白鵬かち上げ、張り手封印「ホッとした」白星発進

阿武咲(左)を突き落とす白鵬(撮影・河野匠)

<大相撲初場所>◇初日◇14日◇東京・両国国技館

 横綱白鵬(32=宮城野)が張り手、かち上げなしで初日を突破した。元横綱日馬富士関による暴行事件、立行司の式守伊之助によるセクハラ行為と、相次ぐ不祥事の末に迎えた初場所は初日で小結阿武咲(21=阿武松)を突き落とした。取り口に苦言を呈していた横綱審議委員会(横審)からも合格点をつけられた。それでも右足親指を負傷したこともあり、若手に土俵際まで追い込まれるなど、不安も露呈した。

 歴代最長タイの横綱在位63場所目を迎えた白鵬の取り口に、かつてないほど注目が集まった。相手は立ち合いの圧力に定評がある阿武咲。これまでなら張り手などで勢いをそぐことも視野に入れる相手だが、グッとこらえた。立ち合いで狙った右差しは不発。左上手もつかまえきれず気付けば土俵際だった。さらに突進を続ける阿武咲を、最後は闘牛士のようにヒラリとかわしつつ右腕をたぐり、土俵外へと突き落とした。

 初場所初日は横審の本場所総見とあって、観戦した北村委員長は「今日も張ったりするのかと(横審メンバーで)言っていたので、みんなホッとした。ちょっとは気にしているのかな」と合格点を付けた。これを伝え聞いた白鵬も「私もホッとしましたよ。まあ、いいスタートが切れたのではないかな」と笑顔だった。

 昨年12月20日に、横審から苦言を呈された。張り手やかち上げの多さに「美しくない」「見たくない」といった投書が相次いだといい、横審の委員も次々と同調。「待ったなし」で立ち合いの改善が必要だった。

 張り手やかち上げは、意図的に繰り出すばかりではなく、癖になって無意識に出ることもある。だからこそ今場所前は稽古の様子をビデオ撮影し、修正に努めた。5日の横審稽古総見でも、張り手が飛び出して不穏な空気となったが、改善に取り組み続けた。

 初日こそ突破したが、阿武咲に押し込まれ、張り手、かち上げなしでは付け入る隙を与えることも露呈した。しかも報道陣に非公開だったこの日の朝稽古では古傷の右足親指を負傷。腫れた患部を氷水で冷やし、部屋関係者によると両国国技館内の相撲診療所で痛み止めの注射も打った。今後の不安要素は重なり、初場所中に張り手やかち上げを繰り出す可能性は高い。

 元日馬富士関の暴行事件は酒席に同席し、式守伊之助は同部屋と、一連の不祥事で白鵬は常に“震源地”の近くにいた。それだけに「お客さんが来てくれることがありがたい。残り14日間、それに応えていきたい」と神妙な表情。横審の北村委員長は、歴代最長69連勝の記録を持つ横綱双葉山が得意とした、受けて立ちつつ先手を取る「後の先」を引き合いに「そういう相撲を見たい」と、新たな宿題を課した。取り口よりも白星を追求した立ち合いに変えるのか、今後がさらに注目される。【高田文太】

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白鵬が双葉山に思い馳せる、5年ぶりの大分・宇佐市

巡業中の稽古で土俵下で体を動かす白鵬

 横綱白鵬が、史上最長69連勝の記録を持つ元横綱双葉山に思いをはせた。5年ぶりに巡業を行った宇佐市は双葉山の出身地。敷地内に銅像が立つ会場で、子どもと相撲を取るなど地元市民と交流した。

 10年九州場所2日目に、現在は横綱の稀勢の里に63連勝で止められた当時を思い出し「大記録に挑んで7年たつ。子どもと稽古もでき、良い思い出に残る巡業になった」としみじみ話した。

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白鵬「懐かしい感じ」双葉山の出身地、宇佐市で巡業

巡業中の稽古で土俵下で体を動かす白鵬

 大相撲の冬巡業は7日、大分・宇佐市で行われた。同市は史上最長69連勝の記録を持つ、元横綱双葉山の出身地。会場の敷地内には銅像も建っており、巡業に参加した力士はこぞって銅像を撮影していた。

 10年九州場所で69連勝超えを期待されたものの、2日目に稀勢の里に敗れて歴代2位の63連勝で止まった横綱白鵬も「戦後は大鵬、戦前は双葉山といいますからね」と、大横綱に敬意を表し、特別な場所ととらえている様子だった。

 途中、子どもと相撲を取るなど、積極的に地元市民とも交流した。宇佐市を約5年ぶりに訪れた白鵬は「久しぶりだし、懐かしい感じですね。大記録に挑んでもう7年経つ。子どもと稽古もでき、良い思い出に残る巡業になった」と、満足そうに振り返っていた。

大分・宇佐市にある元横綱双葉山の銅像

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稀勢の里に復活の兆し、聖徳太子色で5人倒して優勝

稀勢の里(右)は豪風を寄り切り、連覇を決める(撮影・滝沢徹郎)

<大相撲:第76回全日本力士選手権>◇2日◇両国国技館

 復活劇はここから-。日本最古の大相撲トーナメント「第76回全日本力士選士権」が2日、両国国技館で行われ、3場所連続休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、双葉山や北の湖らに並ぶ史上8人目の2連覇を飾った。報道陣の多さに「花相撲とは思えない」と苦笑いしつつ「昨年以上に、横綱としてトーナメントで勝てたことは非常に光栄。これをきっかけにしていきたい」とうなずいた。

 たかが花相撲、されど花相撲-。出場した2横綱が初戦で退く中、千代の国、大栄翔、正代、朝乃山、豪風の5人を次々に寄り切った。昨年はこの大会での初優勝をきっかけに壁を破り、横綱に上り詰めた。今再び、左上腕付近のけがという悩みの種があるが、復活への転機はどこにあるか分からない。だからこそ「胸を借りるつもりでいきました」と力は抜かなかった。

 名古屋場所5日目以来、約3カ月ぶりに着けた締め込みは新しい、青みがかった「紫」だった。「ああいう色は好きですから」。しばらくは慣らすだけだが、聖徳太子が「冠位十二階」で定めた最高位の高貴な色は、綱の威厳を思い出させた。「非常に楽しかったというか、良かった。いいきっかけになるようにやっていきたい。こういうチャンスを生かしたい」。稀勢の里が再スタートを切った。【今村健人】

優勝した稀勢の里は選士権章を腕に記念撮影する(撮影・滝沢徹郎)

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白鵬“70戦無敗”上杉謙信に対抗?「自分は69」

新しい化粧まわしを締めて奉納土俵入りを行った白鵬(中央)。左から2人目は太刀持ちの千代翔馬。右から2人目は露払いの大栄翔

 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が3日、夏巡業が行われた新潟・新発田市の諏訪神社で、新しい化粧まわしを締めて奉納土俵入りを行った。

 後援会と相談しながら、自身の化粧まわしには「翔」の文字が描かれ、太刀持ちには毘沙門天とトキ、露払いには上杉謙信と稲をデザインした。「新潟のものを取り入れた素晴らしいデザイン」と自画自賛。報道陣から「一説によると上杉謙信は70戦無敗だった」と問われると「とてつもない数字」と驚いた。そして「双葉山は69連勝。自分は第69代横綱。『69』は何か縁がありますね。残りの相撲人生で頑張りたい」と63で途切れた連勝記録に再び闘志を燃やした。

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白鵬の横綱在位60場所は2位、1位北の湖へ3場所

歴代通算1位タイとなる1047勝目を挙げた白鵬(右)はファンから祝福の花束とキスのプレゼントを受ける(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 史上最多の優勝38回など、白鵬は記録の面では“歴代最高”の力士と言っても過言ではない。

 12日目に達成した通算1047勝の他に幕内953勝、横綱として759勝、2009、10年と2度にわたって年間86勝、年間最多勝9回など勝利数の分野ではトップを占める。全勝優勝13回、8日目でのストレート勝ち越し43回、大関時代の07年初場所から始まった51場所連続2桁勝利など、圧倒的な強さと安定感が数字に表れている。

 07年名古屋場所で新横綱となり、15年秋場所で途中休場するまで最高位として休むことなく土俵を務めてきた。横綱出場858回、横綱連続出場722回は責任を果たしてきた誇るべき記録。現在、横綱在位60場所は史上2位で、来年1月の初場所で北の湖に並ぶ1位の63場所に届く。

 惜しくも到達できなかったのは、不世出の大横綱双葉山が戦前にマークした69連勝。白鵬は10年に破竹の勢いで白星を重ねたが同年九州場所2日目に稀勢の里に敗れて史上2位の63連勝で止まった。13年も勝利を続けたが、またもや稀勢の里に屈して43連勝でストップした。

立ち会いで玉鷲(右)と激しく張り合う白鵬(撮影・小沢裕)

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稀勢の里読まれていた…V3絶望3敗目に深いため息

栃煌山(左)に寄り切られ、悔しそうな表情で土俵から落ちそうになる稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

<大相撲夏場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が痛い3敗目を喫した。東前頭4枚目の栃煌山に立ち合いでもろ差しを許して、あっけなく寄り切られた。日馬富士、白鵬の両横綱が全勝を守ったため、首位とは3差。37年夏場所の双葉山以来80年ぶりの初優勝からの3連覇は、絶望的となった。

 花道をとぼとぼと引き揚げる背中は寂しげだった。付け人に力なくタオルを放るのは、らしからぬ姿。左腕を曲げて、患部の上腕から胸の辺りを気にするしぐさもあった。深いため息の中で、稀勢の里は2個目の金星を許した。3連覇が大きく遠のく3敗目だった。

 立ち合いが全てだった。前日の碧山と同じく右から張って左差しにいった。だが、この日は差し身のうまい栃煌山。勝手が違った。協会幹部の言葉が厳しい。

 八角理事長(元横綱北勝海) 張り差しが読まれていた。気持ちが張り手の方にばかりいっていた。もったいない。

 審判長を務めた藤島審判部副部長(元大関武双山) 今日は左が甘すぎた。脇が甘いのは悪い癖。もろ差しになってくださいと言わんばかりだった。

 張り手の右を意識するあまり、差し手の左が弱く、差し負けた。もろ差しを許して防戦一方。左から突き落とそうとするも、けがの影響もあってか、弱い。あえなく寄り切られた。

 9日目までの3敗は、16年初場所以来1年半ぶり。2横綱とは3差がついた。3連覇はもはや絶望的。支度部屋で無言を貫いた稀勢の里に、理事長は「(優勝の可能性が)数字上、残っている以上、頑張らないといけない。明日からきっちり勝つのが横綱の務め」と促した。【今村健人】

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稀勢の里、3敗目で3連覇絶望的 支度部屋でも無言

栃煌山に寄り切られ土俵上でがっくりとした表情を見せる稀勢の里(撮影・河野匠)

<大相撲夏場所>◇9日目◇22日◇東京・両国国技館

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が3連覇を目指す上で痛い3敗目を喫した。

 東前頭4枚目の栃煌山(30=春日野)に右から張って左を差しにいくも、差し負けてもろ差しを許す。上体も起き上がってそのまま後退。粘りなく土俵を割って2個目の金星を配給となった。

 白鵬、日馬富士の両横綱が全勝を守り、その差は「3」。37年夏場所の双葉山以来となる初優勝からの3連覇は絶望的となり、支度部屋ではあらゆる問いかけに無言のまま、国技館を後にした。

栃煌山に敗れ、支度部屋で無言を貫く稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

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稀勢の里辛抱の土俵、揺さぶられるたびに会場は悲鳴

千代翔馬を寄り倒しで下す稀勢の里(撮影・丹羽敏通)

<大相撲夏場所>◇5日目◇18日◇東京・両国国技館

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が西前頭2枚目千代翔馬(25=九重)を寄り倒し、連敗を逃れた。負ければ98年名古屋場所の3代目若乃花以来7人目となる初金星から連日配給となったが、30秒3と時間をかけて踏みとどまり、序盤戦を2敗で終えた。

 稀勢の里は、初顔合わせの千代翔馬に苦戦させられた。立ち合い直後、負傷している左側にまわられて上手を取られた。後手に回り、外掛けや下手投げで揺さぶられた。その度に会場から悲鳴が沸き起こり、辛抱しては歓声が上がった。流れでやっとつかんだ右上手をつかみ、胸を合わせて寄り倒した。執念だった。

 連敗は逃れたが、内容に満足できない。「相手の仕掛けに落ち着けたか?」という問いに「そうですね」とだけ答えて、他の質問には無言を貫いた。取組を見守った横綱審議委員会の北村委員長は「言われたほどひどくなくて安心している」と左上腕付近のケガの具合について前向きに言った。しかし「だんだん良くなると思ったけど完全ではない。ただファンも全て勝って欲しいとは思っていない。歓声はめちゃくちゃすごいね」と指摘した。

 横綱鶴竜の休場が決まったこの日の朝。稽古後に、綱の責任感を問われると「変わらない。今日に集中してやるだけですよ」と気持ちにぶれはなかった。37年夏場所の双葉山以来80年ぶりとなる初優勝から3連覇は容易でない。辛抱の土俵が続いている。【佐々木隆史】

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稀勢の里、初の無言…墓穴堀り2敗でV3黄信号

遠藤に押し出される稀勢の里(左)(撮影・鈴木正人)

<大相撲夏場所>◇4日目◇17日◇東京・両国国技館

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が初金星を配給した。西前頭筆頭の遠藤が足を滑らせたところではたきに動き、まともに呼び込んで押し出された。平幕力士11人目で初めて金星を与え、早くも2敗目。37年夏場所の双葉山以来80年ぶりの初優勝からの3連覇が険しくなった。遠藤は自身3個目の金星。

 横綱昇進から11人目にして、とうとう平幕力士に負けた。初めて許した金星とあまりに悔しい内容に、支度部屋では生返事と無言だけ。稀勢の里は今場所初めて、言葉を発しなかった。

 つい、体が反応してしまった。突き押しの応酬の中、右手で強烈な張り手を見舞った。すると、下がった右足が仕切り線で滑ったのか、遠藤の体がガクッと落ちた。一瞬の間が生まれた。反応がわずかに遅れた。

 八角理事長(元横綱北勝海)は「『アレ?』って感じだろう。頭が下にいっちゃったから、つい押さえにいったんじゃないか」。思わず出てしまった引き技。だが、遠藤は既に体勢を戻していた。まともに呼び込み、一方的に押し出された。理事長は「『何やってんだ、オレは』という感じだろう。負けた気がしないんじゃないのか」と察した。

 鬼門なのか「横綱2場所目の4日目」は昭和以降、先代師匠の隆の里ら4人も初金星を配給していた。5人目の屈辱。平幕力士11人目で初めて与えた金星は苦い。ただ、日馬富士は「横綱だって人間ですから。(配給の少ない)白鵬関らと比べちゃうけど…」。横綱誰もが通る道だと話した。

 朝、新しい反物が部屋に届いていた。しこ名に、横綱だけが許される「綱」の絵柄が染め抜かれていた。「『綱』は横綱にならないと入れられない。一番(綱の)白に合う」と選んだ紺色の品は、周囲に配る物。先代師匠は言っていた。「自分のしこ名が入った浴衣を自分で着るのは粋じゃない。人に着てもらってこそ意味がある」。痛い2敗目だが、大勢に喜んで着てもらうためにも、止まってはいられない。【今村健人】

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稀勢の里の平常心、週刊誌カメラマンに「大変だね」

土俵から落ちてきた照ノ富士(左)が、稀勢の里の左腕にぶつかる(写真=上)。下は左を差し、隠岐の海(右)を寄り切る稀勢の里(撮影・神戸崇利)

<大相撲夏場所>◇2日目◇15日◇東京・両国国技館

 伝家の宝刀が出た。左上腕付近にけがを抱える横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が、東前頭2枚目の隠岐の海を得意の左おっつけから寄り切り、初日を出した。優勝制度が確立された1909年(明42)夏場所以降、初日から連敗しての優勝は皆無。負ければ37年夏の双葉山以来80年ぶりの初優勝から3連覇が絶望的になっていた。ハプニングを笑い飛ばす切り替えの力で、横綱として国技館初白星を手にした。

 誰もが待ち望んだ瞬間だった。満員札止めの館内で拍手が鳴りやまなかった。勝ち名乗りを受けて41本の懸賞を手にすると、歓声はひときわ、とどろいた。両国国技館で横綱として初めて勝ち取った白星。稀勢の里は「いいんじゃないですか」と静かに息をついた。

 伝家の宝刀を抜いた。テーピングをした左を固めてぶつかった立ち合い。左脇を締めて、隠岐の海の右差しを殺そうとする。得意のおっつけの形だった。相手を横向きにするだけの威力はまだない。それでも初日は見せられなかった形で、何よりも攻めに出た。巻き替えて左を差す。かいなを返せば、後は寄るだけ。8秒2の相撲には光が見えた。その左のおっつけに「まあ、いつも通りじゃない? 問題ないですよ」と強がってみせた。

 横綱として初めて横綱以外に敗れた初日。一夜明けた稽古場では、これまで以上に引きずらない姿があった。結果に一喜一憂すれば、かえって身動きは取れなくなる。「仕切り直してやるだけ。(東の正位を守るという)執着もないし、力みもない」。昇進後に増えた言葉は「平常心」。その“証拠”を見せる出来事がこの日、2つあった。

 朝稽古のために到着した部屋の前で、写真週刊誌のカメラマンが待っていた。大関時代はなかった光景。初日に負けただけで注目を浴びる横綱の宿命だが「大変だね。オレを載せても面白くないのに」と笑い飛ばす余裕があった。

 土俵下の控えに座っていた出番前、押し出された照ノ富士が落ちてきた。187キロの体が左腕にぶつかり、左足も踏まれた。思わずしかめた顔が周囲を心配させたが、その後のたたずまいは平然としていた。「いいんじゃないの? 気が紛れて」と再び笑い、患部も「大丈夫ですよ」と問題なしを強調した。“ハプニング”もいなせる心。横綱として身につけた力で、初日黒星から乗り越えた。

 優勝制度が確立された1909年夏以降、連敗発進の力士が優勝した例はない。負ければ80年ぶりの初優勝からの3連覇が遠のいた一番で踏みとどまり、八角理事長(元横綱北勝海)は「1つ勝ってホッとするんじゃないか」と心情を察した。それでも「今日は今日で、明日は明日。しっかり集中してやります」。負けを引きずらず、勝っても浮かれず-。稀勢の里はやはり、素早く気持ちを切り替えていた。【今村健人】

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稀勢の里「ふー」左腕使えず完敗…3連覇へ不安発進

稀勢の里(後方)は嘉風に、押し出しで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲夏場所>◇初日◇14日◇東京・両国国技館

 大相撲夏場所で注目の初日、左上腕付近にけがを抱える横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が一方的に敗れた。患部にテーピングをして臨んだ結びの一番で、小結嘉風の右おっつけに上体が浮き、なすすべなく押し出された。稀勢の里フィーバーで始まった今場所、満員札止めの館内に初めて座布団を舞わせてしまい、3連覇に向けて苦しい出だしとなった。

 「ふ~~~」最高位に就く者だけが座ることを許される東の支度部屋の最奥。初めてそこに位置した稀勢の里の口から長く、深いため息が出た。「(左は)悪くないけど、相手が強いから負けたんじゃないですか。相手が上回ったのではないですか」。

 春場所の逆転優勝から49日。左腕の回復具合に注目が集まった結び。結果は防戦一方だった。分厚いテーピングを施した左から得意のおっつけは出ず、差そうとするも、反対に嘉風のおっつけで体が浮いた。右の上手も引けずに後退。苦し紛れの右からの突き落としも決まらず、あえなく押し出された。目の前を座布団が舞う。「我慢してできれば…」。皇太子ご夫妻を迎え、満員札止めの館内からもため息が漏れた。

 この49日のうち、1カ月半はけがを治す期間だった。本格的に関取衆と相撲を取ったのは初日の8日前から。1週間前には二所ノ関一門の連合稽古があった。実は「そこでどう取れるかで判断すると話していた」と関係者は言う。結果、琴奨菊の圧力を受け止められたことで出場に傾いた。出番前、左腕で付け人を突き倒す姿にも迫力があった。「本当にけがしているのかと思った」と、付け人が驚くほどだった。

 だが、相撲勘は戻りきらなかった。異例の5日連続出稽古で状態を上げようとしたが、稽古で下地をつくる横綱にとって不足は否めなかった。八角理事長(元横綱北勝海)は「よほど踏み込まないと今場所は苦しくなる。不安を払拭(ふっしょく)するまでの稽古はできなかったのかな」と心配した。稀勢の里も稽古場と本場所の違いを聞かれて「それはあると思います」と認めざるを得なかった。

 双葉山以来80年ぶりとなる初優勝からの3連覇が懸かる。挑んだ力士は過去6人で、序盤に黒星を喫した3人は失敗した。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「下半身を鍛えているんだから、自分に自信を持って。まだ初日なので」と鼓舞した。賜杯返還や優勝額除幕式など、初日独特のリズムがあったのも事実。稀勢の里は「また明日、切り替えてやるだけ。集中してやりたい」と言った。試練の場所は覚悟の上。立て直せるか。【今村健人】

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稀勢の里2枚の優勝額前に「力んでもしょうがない」

優勝額贈呈式で両手を広げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

 大相撲の夏場所は今日14日、東京・両国国技館で初日を迎える。37年夏の双葉山以来80年ぶりに初優勝からの3連覇に挑む横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)は13日、優勝額贈呈式に初めて出席した。1人で大関と横綱という、違う姿が2枚並ぶ式は、62年初場所前の大鵬以来55年ぶり。07年初場所前に消えた貴乃花以来、日本出身横綱の額が10年ぶりに国技館内に飾られる夏場所へ、意を決して臨む。

 化粧まわしだけのシンプルな姿と、綱を締め、左手で太刀をつかんだ堂々たる姿。1人の男が、格好の異なる2枚の優勝額を並べた風景は壮観だった。大関時代の初優勝と、新横綱優勝の偉業を記した額。2枚の前に1人で立った稀勢の里は「うれしいです。こんな立派な優勝額を頂いて、ありがたい」と感謝した。

 掲額制度の始まりは1910年(明43)。56年春場所から地方場所の優勝力士も飾られ始めた。東京場所前恒例の贈呈式は、直近の東京と地方の優勝力士が額になる。そこで大関と新横綱で連続優勝を飾り、異なるいでたちの絵が並んだのは、62年初場所前の大鵬だけ。大関、新横綱で連続優勝を果たした先代師匠の隆の里と貴乃花も地方→東京の優勝で、贈呈式で2枚同時に並びはしなかった。「また頂けるように、しっかりやりたい」と誓った。

 春場所で負った左上腕付近のけがは完治していない。だが、出ると決めた以上、八角理事長(元横綱北勝海)は「横綱の立場だから、けがは理由にできない」とした。稀勢の里も受け止める。並んだ2枚の額は格好こそ異なるが、いずれも前を向く。「なるべく正面を向きたいと思った」。その思いで、土俵に上がる。

 07年初場所前に消えた貴乃花以来、10年ぶりに日本出身横綱の額が戻る国技館。「稀勢さま~」の声が飛び、拝むファンもいた。そんな熱気を帯びる周囲をよそに「力んでもしょうがない。今から硬くなっても、熱くなっても意味がない」。稀勢の里は、落ち着き払っていた。【今村健人】

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稀勢の里懸賞数ぶっちぎり608本 白鵬超え見えた

奉納土俵入りを終え、記念写真に納まる稀勢の里(代表撮影)

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が12日、東京・墨田区の野見宿禰(のみのすくね)神社で奉納土俵入りを行った。明日14日に初日を迎える夏場所(東京・両国国技館)は、37年夏場所の双葉山以来80年ぶりとなる初優勝から3連覇がかかる。人気のバロメーターの1つとなる、今場所の指定懸賞数は608本。15年初場所で白鵬が獲得した545本を超えて史上最多となる可能性が出てきた。

 春場所千秋楽とはまるで違う稀勢の里だった。太刀持ちに高安、露払いに松鳳山を従え、土俵入りを披露。負傷した左上腕付近にテーピングはない。「バチン」と響きわたるかしわ手と「ドスン」と鳴る力強い四股を踏んだ。夏場所出場の決断理由を聞かれると「ま、力士ですから」と一言。「腕は2本あるからね。少しでも力が入れば相撲になる。それ以上に良くなっていますから。あとは自信を持って」と自らの口で決意を語った。

 注目度も高い。今場所の稀勢の里への指定懸賞数は、300本だった春場所の2倍以上となる608本に上ったことが分かった。平均すれば1日約40本で、相手を含めた取組次第で懸賞は50本近くになる。現在最多の15年初場所の白鵬の545本、自己最高だった春場所の424本を更新する可能性がある。今場所15日間の全取組への懸賞は過去最高の合計2219本で、稀勢の里への指定懸賞だけで3割近く占める。

 現在、1つの取組への懸賞数の上限は60本。しかし初日の稀勢の里の一番には、本人への指定と「結びの一番」への指定だけで、当初は65本になった。そのため、複数出しているものを減らしたり、他の取組に移すなどして53本に調整したという。相撲協会関係者も「こんな数字は見たことがない」と驚いた。

 初日に小結嘉風、2日目に平幕隠岐の海との対戦が決まった。「平常心でやるだけですよ」と落ち着いている。「不安は不安でありますけど、それを払拭(ふっしょく)するためにも稽古するしかないですから。その分、場所前にいい稽古ができましたから。あとは本場所やるだけです」。世間の期待を追い風に、双葉山以来80年ぶりの偉業を成し遂げる。【佐々木隆史】

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1本手取り3万円 本数1位は白鵬/指定懸賞メモ

1場所の懸賞獲得本数10傑

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が12日、東京・墨田区の野見宿禰(のみのすくね)神社で奉納土俵入りを行った。明日14日に初日を迎える夏場所(東京・両国国技館)は、37年夏場所の双葉山以来80年ぶりとなる初優勝から3連覇がかかる。人気のバロメーターの1つとなる、今場所の指定懸賞数は608本。15年初場所で白鵬が獲得した545本を超えて史上最多となる可能性が出てきた。

 ◆指定懸賞 企業や後援団体が、指定した力士や「結びの一番」など条件付きでかける懸賞で1本6万2000円。勝ち力士は事務経費を除いた5万6700円を受け取るが納税充当金として2万6700円は相撲協会預かり。土俵上で渡されるのし袋は1つに現金3万円が入る。初日の稀勢の里と嘉風の結びの一番には50本以上の指定懸賞がかけられ、勝った力士は150万円以上の獲得になる。

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稀勢の里間に合った!出稽古で自信、3連覇に挑む夏

稀勢の里(2014年11月19日撮影)

 左上腕付近に負傷を抱え、急ピッチで調整してきた大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が11日、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の出場を決めた。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が明らかにした。出場を後押しするように、北斗の拳の化粧まわしを贈ったコアミックスから北斗3兄弟の懸賞がつくことも分かった。37年夏の双葉山以来80年ぶりの初優勝から3場所連続優勝に挑む。

 短い言葉に決意がこもった。朝、田子ノ浦親方から電話を受けた稀勢の里は答えた。「大丈夫です。やれます」。その意を受けた師匠が出場を宣言した。

 「出場します。休場しません。『大丈夫か』と聞いたら『大丈夫です』と。病院にも行っているし、相撲が取れている。取れないなら場所には出させられないし、出ない。今までずっとやってきているから、やってくれると思います」

 何とか間に合った。巡業を全休して懸命な治療と下半身強化に取り組んできた。番付発表後も非公開で調整。そして、初めて5日も連続で出稽古を行った。十両や軽量力士から始め、元大関琴奨菊の馬力を受け止められるまでになった。差すだけだった左も、生命線のおっつけを出せるまでに至った。前日の出稽古後に「十分にいい仕上がりになった」。自信を得て、出場を決めた。この日はようやく休養して疲れを抜いた。

 もちろん、だからといって万全になったわけではない。ただ「元々、相撲に対して一生懸命。真摯(しんし)に横綱の立場を受け止めてやってくれると思う」と師匠は期待を込める。その姿を、ラオウら北斗3兄弟がさらに後押しする。

 北斗の拳の化粧まわしを贈ったコアミックスから懸賞も、15日間通しでつくことになった。懸賞幕のデザインは北斗3兄弟。初日こそ全体の本数が多いため自らのラオウのみだが、2日目以降は太刀持ちと露払いがそれぞれ着けるケンシロウとトキもつく。横綱の計らいで、太刀持ちと露払いを務める力士にも1本ずつ懸賞が掛けられるという。「着けているだけで見えない力が湧いてくる」と感じた三つぞろいに加えて懸賞も、背中を押してくれる。

 優勝争いに絡むことが横綱の使命と言ってきた。双葉山以来80年ぶりの初優勝から3連覇に挑む夏。「世紀末覇者」を名乗ったラオウのように膝などつかず、試練の土俵を戦い抜く。【今村健人】

ラオウの懸賞幕
ケンシロウの懸賞幕
トキの懸賞幕
6日の「稀勢の里 横綱昇進披露宴」で北斗の拳ラオウの化粧まわしの後ろに立つ稀勢の里

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 左上腕付近に負傷を抱え、急ピッチで調整してきた大相撲の横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が11日、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)の出場を決めた。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)が明らかにした。出場を後押しするように、北斗の拳の化粧まわしを贈ったコアミックスから北斗3兄弟の懸賞がつくことも分かった。

 37年夏の双葉山以来80年ぶりの初優勝から3場所連続優勝に挑む。

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稀勢の里、左のおっつけ解禁「だいぶいい」と好感触

けがを抱える左上腕付近の状態を確かめる稀勢の里

 横綱稀勢の里(30=田子ノ浦)が10日、東京・墨田区の時津風部屋に初めて出稽古して、夏場所(14日初日、東京・両国国技館)への出場に強い意欲を示した。左上腕付近のけがで封印していた、左のおっつけも解禁。稽古中に笑みが出るなど、心も体も準備は整った。

 稽古相手に指名したのは元関脇で若手の平幕正代だった。もろ差しが得意の相手に脇をがっちりと固め、左四つで攻め立てた。15番取って全勝。後半には封印していた左のおっつけで、もろ差しを封じるなど持ち味も出た。左胸から腕にかけて分厚いテーピングを施しているが「(おっつけは)だいぶ良いと思う」と好感触。夏場所は37年夏場所の双葉山以来、80年ぶりの初優勝から3連覇がかかる。出場について「状態はかなり上がっている。自分の中では十分にいい仕上がりになった。精神的にも落ち着いている。自信を持ってやる」と前向きだった。

 春場所2日目に対戦して押し出された正代は「圧力、力ともに先場所と大差ないと思います」と脱帽した。日に日に状態は上がっているが「明日もう1度様子を見て」。今日11日にも出場への最終判断を下すつもりだ。【佐々木隆史】

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