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中学横綱の序ノ口吉井、福山雅治から「虹を」で5勝

吉井

<大相撲夏場所>◇14日目◇25日◇東京・両国国技館

静岡・焼津港中で昨夏の全国中学校相撲選手権個人、団体2冠に輝いた東序ノ口14枚目の吉井(15=中川)が、序ノ口デビュー場所を5勝2敗で乗り切った。25日の7番相撲は、同東10枚目で小兵の柏葉(伊勢ノ海)との取組。立ち合いで潜り込まれそうになったが、冷静に左を差して頭を押さえながら、肩透かしで勝負を決めた。

「勝ち越しが決まっていたので、緊張することなく、思い切ってやれました」

序ノ口とはいえ、レベルの高さを感じた場所だった。大学、高校出身力士も名を連ね、5番相撲では、東農大出身の時栄に屈した。師匠の中川親方(元前頭旭里)からも「まだ15歳。体力差はあるから、今場所は4番勝てばいい」と言われていたが、本人は「中学を出てすぐに入った以上、年齢差は関係なくやっていくだけです」。その上で「疲れはしましたが、食事も睡眠も十分で体重(150キロ)が減ることはありませんでした」と充実した表情で振り返った。

頑張れる要因には、福山雅治(50)の存在もあった。今場所前、東京・蒲田在住の後援者から「今、福山さんがドラマ『集団左遷』のロケをしているから」と声を掛けられ、稽古後に出向くと、偶然にエレベーターで一緒になった。実は母親が福山の大ファン。吉井の名前、虹(こう)は、母が福山の楽曲「虹」から命名したほどだが、吉井は緊張で福山にそれを説明できなかった。千載一遇のチャンスを逃す形に…。しかし、5月18日放送の東京FM「福のラジオ」で、パーソナリティーの福山自身がこう明かした。

「中川部屋の序ノ口吉井が2連勝。吉井くんの名前は、虹と書いて『こう』。お母さまが私のファンだそうで、ありがとうございます。で、03年リリースの『虹』から命名されたそうですが、何と吉井くんが、『集団左遷』の現場にいて、一緒のエレベーターに乗っていたらしいんですよ。俺が支度場でメークと衣装替えを終えて、4階か3階かでエレベーターに乗ったら、2階で止まるとそこに力士がいたんです。その人が吉井虹くんだったんです。俺が『大きいね~。体重何キロ?』と聞くと、『150キロです』と答えるので、『大人2人分だね』と返しました。そうこうするうちに、エレベーターが開いたわけですが、もう、言いなよ~。『吉井です。吉井虹です』って。その話を聞いて驚いたのは、私ですよ。ということで、頑張ってね。頑張って君の虹つかんでください」

吉井は、放送を聴いて驚いた母から連絡を受けて声を弾ませた。

「もう、夢のようでした。憧れてきた福山さんが、僕のことを知っていて、ラジオで話してくださるなんて…。母も大喜びでした」

とはいえ、相撲人生は始まったばかり。この喜びを福山に直接伝える立場ではなく、再会するためには番付を上げて、その機会をうかがうしかない。

「母には今回のことで、少しの恩返しをできた気がしますが、まだ福山さんに会わしてあげられていないので、その夢が果たせるぐらいに力をつけていきたいです」

吉井はそんな虹をつかむべく、前に進む。【柳田通斉】

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高校横綱の斎藤大輔ら新弟子検査合格者40人発表

斎藤大輔

日本相撲協会は春場所初日の10日、昨年の高校横綱の斎藤大輔(18=八角)、中学横綱の吉井虹(15=中川)ら、今場所の新弟子検査合格者40人を発表した。

2日目から前相撲を取る。

新弟子検査をおこなった斎藤大輔(2019年3月2日撮影)

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“中学横綱”吉井虹が体格基準パス両親に恩返し誓う

大阪警察病院で新弟子検査をおこなう吉井虹(撮影・上田博志)

大相撲春場所(10日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査が2日、大阪市内の病院で行われ、40人が受検、全員が体格基準をクリアした。合格者は内臓検査の結果を待って、初日に発表される。

静岡・焼津港中で昨夏全国中学選手権団体・個人優勝の“中学横綱”吉井虹(こう、15=中川)は177センチ、150キロで体格基準をパスした。小4で地元のわんぱく相撲で優勝、小5で「中学を出てプロになる」と決めたといい「高校3年間より、プロの3年間の方が体を作る上で圧倒的に有利と思ったので」。母まゆみさん(47)が昨夏から体調を崩して入院、1週間前に手術を受け、1日に退院したばかり。「絶対に関取になって、お父さん、お母さん、地元の人たちに恩返しをしたいです」と決意を口にした。

大阪警察病院で新弟子検査をおこなった吉井虹は囲み取材を受ける(撮影・上田博志)

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静岡初の横綱へ!全国中学王者の吉井が春場所初土俵

春場所での初土俵に向け、得意の突っ張りのポーズで気合を前面に出す吉井

焼津港中で昨夏の全国中学校相撲選手権で、県勢初の個人、団体2冠に輝いた吉井虹(こう、15=中川)が、満を持して大相撲春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)で初土俵を踏む。

稽古合流から3日目となった2月28日、大阪・池田市の部屋で取材に応じた。2日には新弟子検査を受検。平成最後の本場所で“平成最後の大物”が、太もも回り80センチにも達する強靱(きょうじん)な足腰を武器に、相撲界の扉を開く。

    ◇    ◇    ◇

曽祖父も祖父も父も料理人の家系から誕生した吉井が、大物食いを目指して相撲界に飛び込む。

昨夏の全中では個人で県勢3人目、団体で初の優勝。もちろん2冠は県勢初の快挙で、高い将来性から、把握できないほどの数の部屋から誘われた。その中で、約2年前から熱心に誘いを受けてきた中川部屋を選んだ。すでに稽古を3日間経験。「熱気や雰囲気が、これまでと全然違う。親方や地元の期待に応えたい」と、将来の幕内、さらにその上を目指す。

178センチ、145キロの立派な体は発展途上ながら、太もも回りは80センチに到達している。幕内トップクラスの太ももの太さを誇る、身長191センチの大関栃ノ心が91センチ。身長差を考慮に入れれば、すでに幕内力士にも匹敵するほどの足腰を備えている。5歳で柔道を始め、焼津港小4年時に参加した、わんぱく相撲で優勝し、本格的に相撲の道を進み始めた。焼津港中では、週6日は土俵で3時間稽古し、残る1日は1周1キロの山を、約10キロの木材を持ちながら10周。「すり足の時もありました」と、徹底的に下半身を鍛えてきた。

師匠の中川親方(元前頭旭里)も「やはり、お相撲さんらしいドッシリとした下半身が一番の魅力。けがをしないように、じっくりと体をつくっていきたい」と期待する。現在は突き、押しも右四つも得意だが、同親方は「プロの世界では『これ』というものがないと上にはいけない。器用貧乏にならないよう、武器を身に付けさせたい」と1、2年は基礎運動とぶつかり稽古を中心に、方向性を見極めていく方針だという。

プロ意識も強い。小学5年時には中学卒業後のプロ入りを決意していた。「友だちの親には『高校に行った方が将来、安心だよ』と言われたけど、どうせプロになるなら高校に行くよりも3年間、体をつくった方が有利。高校に行けば楽しいかもしれないけど、夢がある人は何かを捨てないといけない」と力説。今後に支障が出ないよう、無呼吸症候群を誘発する危険性のあったへんとうは昨年末に手術して除去した。大相撲中継は毎日、幕内の取組を見て研究。豊富な運動量で格上や大柄な相手を次々と破る前頭嘉風が目標だ。

「趣味は相撲」と答えるほど、相撲漬けの毎日は歓迎だ。部屋の兄弟子は、ほとんど10歳以上年上とあって、すでに「コウくん」と呼ばれる人気者。母まゆみさんが歌手福山雅治の大ファンで、ヒット曲「虹」にちなみ名付けられたが、まるで違う道を選んだ。「クラスメートには『横綱になって』と言われます」。静岡県出身初の横綱の期待も心得ている。【高田文太】

◆吉井虹(よしい・こう)2003年(平15)8月1日、静岡市清水区生まれ。5歳から柔道、焼津港小4年から相撲を始める。同5年からは相撲一筋。わんぱく相撲静岡県大会を4、5年時に優勝。焼津港中3年時の昨年8月、全中で個人、団体の2冠。得意は突き、押し、右四つ。家族は両親と兄。178センチ、145キロ。血液型A。

昨年8月19日、全国中学相撲選手権大会個人戦決勝で大辻理紀(兵庫・報徳学園中)を突き落としで破り、優勝を飾った吉井
昨年8月19日、全国中学相撲選手権大会団体戦で優勝を飾った焼津港中の選手たち。中央が吉井

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