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白鵬全勝、単独トップ「綱総崩れ」阻止

立ち合いで白鵬(右)の指が目に入る高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、1敗の大関高安を押し倒しで下して全勝を守り、単独トップに立った。前の一番で全勝の鶴竜、2敗の稀勢の里が負けたため、自身が負ければ84年春場所以来となる3横綱総崩れを、結びの一番で阻止。今年初の優勝、残り3勝に迫った幕内1000勝へ突き進む態勢は整った。

異様な雰囲気が結びの一番を包み込んだ。前の取組で2横綱が連敗。負ければ84年春場所以来34年ぶりの3横綱総崩れだっただけに、白鵬にかかる重圧は大きかった。1度目の立ち合いは高安につっかけられて、2度目の立ち合いは呼吸が合わず、互いに手を着けられないでいると自ら嫌った。3度目の立ち合いは成立。右の張り手は高安の顔をかすめたが、動きが止まった相手を両腕でかち上げるようにして一押しで押し倒した。

土俵の上での雰囲気を引きずるかのように、支度部屋では口数が少なかった。質問に対して「そんな感じ」「かなぁ」と相づちを打つ返事ばかり。モヤモヤしたか? と問われると「まぁ、勝ちは勝ちですから」と声を振り絞るように言った。

浮かない白鵬だったが、世界的ストライカーが元気づけてくれた。帰り際、観戦に訪れたサッカーJ1神戸の元ドイツ代表FWポドルスキと談笑した。昨年10月の大阪巡業で初対面して以来2度目の対面で「神戸牛はいっぱい食べた?」などと笑顔で質問するなど、終始穏やかな表情。サイン入りのドイツ代表のセカンドユニホームをもらうと、がっちり握手を交わした。約5分間の談笑後には「(今日は)良いところを見せられたな」と満足感たっぷりの表情だった。

秋場所は15年途中休場、16、17年は全休で「暑いのが苦手」と、名古屋場所での疲れと残暑に毎年苦労した。それでも今場所は「先場所途中休場の勢いがあるから」と力が有り余っているという。それだけに昨年九州場所以来、今年初の優勝へ闘志を燃やす。唯一の全勝横綱は「一番一番、今度は引っ張っていくだけです」と責任感を口にした。【佐々木隆史】

観戦に訪れた神戸FWポドルスキ(右)からユニホームをプレゼントされ笑顔を見せる白鵬(撮影・河野匠)

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かど番栃ノ心7勝「もう1丁だな」怪力で鶴竜撃破

鶴竜(左)を持ち上げて寄り切る栃ノ心(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇両国国技館


大関栃ノ心(30=春日野)が豪快な相撲で、全勝だった鶴竜に土をつけ、かど番脱出に王手をかけた。

過去の対戦2勝22敗という合口最悪の横綱に、得意の右四つを許してもらえず、逆に両差しを許した。

「でも、まわしは取れたからね。もう出るしかないでしょう」

深々と両上手でまわしをつかむと、土俵中央で強引につり上げ、土俵際へ。両腕にこん身の力を込め、左が勇み足になりかけるほど勢いよく、寄り切った。

7勝4敗。残り4日で、1勝すれば、大関残留が決まる。まだ「緊張するよ」と言いつつも「もう1丁だな。あと4番でね」と表情は明るい。

名古屋場所は新大関として5連勝で迎えた6日目、初黒星を喫した玉鷲戦で右脚親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷し、休場を余儀なくされた。体調が万全でないまま迎えた今場所も苦しみ抜いてきたが、ようやくトンネルの出口が見えてきた。

鶴竜(左)を寄り切りで破った栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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白鵬、終盤戦へ引き締め 稀勢勝ち越しには安心笑み

全勝を守った白鵬は支度部屋で笑顔を見せる(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、関脇逸ノ城(25=湊)を下して初日からの無敗を守って10連勝した。

直近の対戦となった夏場所では、左上手を与えて上手投げをもらって黒星を喫していた。その反省を生かして、今回は左上手を与えないように右腕をうまく使った。自身は左上手を取りながら右を差して、最後こそ左上手を与えたが、その瞬間に一気に前に出て寄り切った。

名古屋場所を途中休場しながらも、今場所はここまで横綱鶴竜とともに無敗。8日目には横綱800勝を達成するなど波に乗っている。それでも明日11日目からの終盤戦について聞かれると「明日から上位戦ですからね。引き締めていきたい」と話した。勝ち越した横綱稀勢の里については「安心しましたよ」と笑みを浮かべた。

逸ノ城を下して全勝を守った白鵬はどうだと言わんばかりの表情を見せる(撮影・河野匠)

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稀勢の里、貴乃花親方が絶賛「今場所一番の気迫」

栃ノ心(左)を寄り切りで破った稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しに王手をかけた。同場所から1年半遠ざかっていた大関戦で栃ノ心を寄り切り。得意の左四つに持ち込むと、怪力相手にも力勝負で負けなかった。負ければ今場所初の連敗となる危機を脱し、7勝2敗とした。

今できるすべてを出し切って、稀勢の里が勝った。3横綱の先陣を切って組まれた大関戦は、今場所最多50本の懸賞がついた結びの一番で行われた。見せ場なく敗れた、中日の玉鷲戦ではできなかった、頭からぶつかる立ち合いで先手を取った。けんか四つの栃ノ心に、左をねじ込むと右上手を引いた。互いに左下手を取ると、怪力大関に何度も下手投げを打たれたが腰を落として我慢した。焦らず、じわじわと土俵際に追い詰めて寄り切り。9日目にして、攻守一体となった本来の勝ち方で勝った。

取組前から落ち着いていた。玉鷲戦は、立ち合いに圧力のある相手を意識しすぎ、1度目は突っかけた。だが、立ち合いの低さ、鋭さなら負けない栃ノ心には、思い切り頭からぶちかました。支度部屋では「頭から当たって良い流れだったが」という報道陣の質問に「うん」と言って、うなずいた。納得の内容だった。審判として土俵下から見守った貴乃花親方(元横綱)も「表情も落ち着いていて頼もしい。今場所一番の気迫だった。左を差して自分の形。攻められても慌てない。とにかく威力、実力がある」と絶賛した。

3連敗中と得意とはいえない栃ノ心に、真っ向勝負を仕掛けた。直近は昨年名古屋場所で、当時平幕の相手に金星を配給した。5月の夏場所前は、稽古総見で勝てずに2連敗。翌日に出稽古に訪れたが2勝9敗と返り討ちにあい、夏場所休場を決める要因となった。得意の形に持ち込んでの快勝は最高の雪辱となった。

今日10日目は平幕遠藤の挑戦を受ける。「やるべきことを、しっかりとやっていきたい」。7日目まで逆転に次ぐ逆転で白星を拾ってきた稀勢の里に、先手、先手のパターンも戻った。勝ち越した先が、少しずつ見えてきた。【高田文太】

栃ノ心(左)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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御嶽海、大関とりピンチ「あーくそー」取材にも無言

御嶽海(左)は白鵬に寄り切りで敗れ3敗目を喫した(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇東京・両国国技館


大関とりの関脇御嶽海は、横綱白鵬に敗れ3敗目を喫した。

今場所初の連敗で御嶽海の大関昇進が遠のいた。白星を挙げた昨年名古屋場所以来となった横綱白鵬戦。立ち合いで右を差して左上手を取って、送り出し投げを狙うも不発。それでも左上手を切らさず、左脇を差されながら土俵中央で止まった。15秒制止するも先に仕掛けて土俵際に寄ったが決めきれず、再び土俵中央へ。制止すること50秒。今度は白鵬に先に動かれて体勢を崩すと、のど輪で起こされて寄り切られた。

花道を引き揚げる際には、「あー! くそ!」と叫んで、珍しく感情を爆発させた。風呂から出ると上がり座敷に上がって、報道陣に背を向けながら帰り支度をして質問をシャットアウト。支度が済んでも、気持ちの整理をするかのように背を向けたままその場に座り込んだ。昇進に向けてあと1敗しか許されない状況で、今日10日目は今場所全勝中の横綱鶴竜に挑む。

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白鵬横綱800勝“若手の壁に”幕内1000勝M6

豊山(手前)を上手投げで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇8日目◇16日◇東京・両国国技館


白鵬(33=宮城野)が、前人未到の横綱800勝に到達した。この日から再出場した東前頭2枚目豊山を上手投げで下して、昨年九州場所以来の中日勝ち越し。いくつもの記録を作ってきた横綱は、幕内1000勝と今年初となる41度目の優勝を視野に入れた。

手負いの豊山が目の前にいても、白鵬は横綱の厳しさを見せつけた。立ち合い左で張ってから左上手を取り、左手一本で182キロの巨漢を投げ飛ばした。支度部屋で、報道陣から横綱800勝目を祝福されて「ありがとうございます。こういうものはうれしいですね」と無邪気に笑った。

通算勝利数や幕内優勝回数など、さまざまな記録で歴代1位を更新してきた。それだけに、モチベーションを維持するのが難しかった。今回の800勝も、既に自身が歴代1位の記録を伸ばしただけにすぎない。「新記録なのか大台なのか分からない。まぁ、大台か」。強者ゆえの悩み。それでも20年東京オリンピックまで現役を続ける意向のある白鵬にとっては「ささやかな数字が今の私の原動力」とモチベーションにしている。

将来有望な力士のためにも記録を伸ばし続ける。「若者は記録が大きければ大きいほど燃えますからね」。かつての自分がそうだった。だからこそ、自らが壁となり目標になるために土俵に上がり続けている。

次のささやかな数字は、あと6勝で達成する「幕内1000勝」だ。加えて昨年九州場所以来の今年初優勝も「いきたいと思う」と狙っている。07年名古屋場所で昇進してから横綱12年目。大なり小なりケガも増え、加齢とともに体も少しずつだが衰えてきた。それでも気持ちだけは落とさない。「先場所休んで勢い余ってるから、それをしっかり出したい」。大台到達も、まだまだ歩みは止めない。【佐々木隆史】

横綱800勝を達成した白鵬はお祝いのケーキと白鵬メーターを手に祝福する付け人たちを背に笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

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白鵬が横綱800勝「中日でできるとは」しみじみ

横綱800勝を達成した白鵬はお祝いのケーキと白鵬メーターを手に祝福する付け人たちを背に笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇8日目◇16日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、この日から再出場した東前頭2枚目豊山(24=時津風)を下して、横綱800勝目を挙げた。立ち合い左で張って左上手を取って、体を開きながら流れるように左上手投げを決めた。「場所前、巡業から考えてたけど、中日でできるとは思わなかった。うれしいね」としみじみと話した。

名古屋場所休場明けながらも、気が付けば中日勝ち越し。「一つクリアしたという安堵(あんど)と、先場所休んで勢い余ってるからそれをしっかり出していきたい」と、昨年九州場所以来41度目の優勝を狙う。

報道陣から贈られたケーキをつまみ食いする白鵬(撮影・河田真司)
豊山(手前)を上手投げで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

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千代大龍金星、親方らと焼き肉「僕持ちですかね」

稀勢の里(右)を押し出しで破る千代大龍(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇6日目◇14日◇東京・両国国技館


千代大龍は立ち合いから真っすぐ当たっても稀勢の里を押せなかったが、いなして体勢を崩して今場所初白星を挙げた。

13年名古屋場所以来3個目の金星獲得に「たまたまです。でも素直にうれしい」と笑顔。この日夜、師匠の九重親方(元大関千代大海)と部屋の関取衆らと焼き肉に行くと言い「お金は全部僕持ちですかね」と懸賞41本(手取り123万円)を目の前にうれしい悩みだ。

稀勢の里から金星を挙げ、多くの懸賞金を手に笑顔を見せる千代大龍(撮影・狩俣裕三)

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千代大龍「たまたまです」稀勢の里破り3個目の金星

稀勢の里に金星を挙げ、多くの懸賞金を手に笑顔を見せる千代大龍(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇6日目◇14日◇東京・両国国技館


西前頭2枚目千代大龍(29=九重)が、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)に今場所初めて土をつけた。立ち合いでまっすぐぶつかった。「そのまま行こうと思ったけど横綱を押せなかった」と軌道修正。押せないと分かると左にいなして体勢を崩してから、右のおっつけで押し出した。

支度部屋に戻ると「白星は白星なので素直にうれしいですね」と興奮気味に話した。さらに「豊山も貴景勝もいい相撲を取っていた。たまたまいなしたら横綱が横を向いたから押しただけ。たまたまですよ」とまたも興奮気味に話ながらも謙遜した。

今場所初白星が13年名古屋場所以来3個目の金星で、懸賞41本(手取り123万円)を獲得した。この日夜に、師匠の九重親方(元大関千代大海)と部屋の関取衆らと焼き肉に行く予定だといい「お金は全部僕持ちですかね」とうれしい悩み。「残りは子どものために貯金します」と終始笑顔で話した。

稀勢の里を下し支度部屋で満面の笑みを浮かべる千代大龍(撮影・河田真司)
千代大龍(右)に押し出しで破れる土俵から落ちる稀勢の里(撮影・河田真司)

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豊ノ島「嫁と娘に感謝」再十両へ「確信」のうれし涙

常幸龍を下し目に涙を浮かべながら花道を歩く豊ノ島(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇6日目◇14日◇両国国技館


無給生活からオサラバする日が近づいてきた。関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、6日目にして早くも、今場所の4番相撲に十両の土俵で登場。三役経験者同士の対戦で、東十両14枚目の常幸龍(30=木瀬)を上手投げで破り4連勝。再十両の座を有力にした。

最初の取組では寄り立てて体を預けたが、相手も必死に突き落としで逆転を狙った。軍配は豊ノ島に上がったが、物言いが付き協議の結果は取り直し。その一番は、左をのぞかせ突進した豊ノ島が、最後は上手にかかったその左からの豪快な投げで、常幸龍を裏返し。大きな4勝目を手にした。

花道を引き揚げて支度部屋に入る直前、通路の壁にタオルをあて大粒の涙を流した。「(昇進は)まだ分からない」とその後の取材対応で話したが、無給生活が続いた2年間の幕下生活が、脳裏をのぎったのだろう。本人にすれば「確信」の涙だった。

涙を流した理由を問われると「泣くつもりはなかったけどホッとして…。体が急にそうなった。ケガをして2年間、必ず(関取として)戻って、うれし涙を流したいという思いだったので良かった」と気持ちを込めて話した。取り直しとなり塩を取った白房下。そこで西の花道奥を見ると、同郷の後輩で十両の千代の海(25=九重)が、胸にこぶしを何度もぶつけ、自分を鼓舞してくれているように見えた。「自分にやってくれたのかな、と思って」と発奮材料にした。取組後、その千代の海に意図を確認。やはり先輩を励ますものだったと聞いた。「本当なら自分の部屋(時津風部屋)に入れたかったぐらい付き合いはある」という後輩に後押しされての白星でもあった。

場所前には、勝負の神さまとして知られる茨城・鹿島神宮を参拝。先場所前、沙帆夫人が必勝祈願に訪れたため、勝ち越しの報告と今場所の勝ち越しを祈った。「ふだんは照れくさくて言えないけど、嫁と娘に感謝です。ケガで何度もやめようと思った。1人だったら(現役は)続かなかったと思います」と、この日ばかりは勝負師の一面から、一家の主に表情を変えて話した。

2年前の7月、名古屋場所前の稽古で左アキレス腱(けん)を皮下断裂。関取の座は翌秋場所の東十両8枚目を最後に、以後は2年間、幕下生活が続いた。「正直、こんなに時間がかかるとは思わなかった。やめようと思うたびに、娘に『相撲をやめないで』といわれた」と6歳の長女希歩ちゃんにも感謝した。

十両への昇格は、現状では確定していない。今後の十両からの陥落者数、幕下上位の成績次第で、見通しが立つのは場所の後半になる。ただ、この日の4勝目で再十両に大きく前進したことは間違いない。

常幸龍(左)を上手投げで破る豊ノ島(撮影・狩俣裕三)

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嘉風「数年前なら自滅してる」5年ぶり無傷5連勝

千代丸(右)を押し出しで破る嘉風(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇5日目◇13日◇東京・両国国技館


西前頭15枚目嘉風(36=尾車)が、序盤を無傷の5連勝で駆け抜けた。立ち合いから流れをつかみ、千代丸を押し出した。「何が良かったかよくわからないけど、勝った時は全部良かったということで」。

大関昇進の夢を抱き続ける三役経験者が、西前頭5枚目だった名古屋場所で初日からまさかの13連敗を喫した。それがウソのような快進撃だ。「『この番付なら3連勝は…』とか『ここまで落ちたら4連勝は…』とか、ね。でも、周りにそう言ってもらえるのは、実力が認められていればこそ、と思うんです」。

13年秋場所以来となる序盤5連勝。「今日は緊張した。力が入って。それ(連勝中)もあってでしょうね。数年前なら自滅してるでしょうが、いろんな経験を積んで来てるのでね」。まだまだ白星ラッシュを続けるつもりだ。

押し出しで破った嘉風(左)は、土俵を落ちそうになった千代丸の腕を取る(撮影・狩俣裕三)

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元大錦の山科親方が定年会見「自分なりに満足」

笑顔で花束を受け取る山科親方(撮影・河田真司)


11日に65歳の誕生日を迎え、大相撲秋場所限りで定年退職する山科親方(元小結大錦)が13日、東京・両国国技館で会見を行った。

68年夏場所で初土俵を踏み、ここまでの50年間を振り返って「本当にさっぱりしてます。自分なりに満足してます。病気やケガもあったけど勉強になったと今は思います」とすがすがしい表情を浮かべた。

元横綱北の湖、2代目若乃花、元関脇麒麟児らと「花のニッパチ組(昭和28年生まれ)」と呼ばれた。新入幕の73年秋場所では、横綱琴桜から金星を挙げての11勝で優勝次点の活躍ぶりを見せた。それでも相撲人生を振り返ると「関取に上がった時に待遇が変わったこと。絶対に(幕下に)落ちないようにと思った」と新入幕の時ではなく、新十両に昇進した時の思い出が強かった。

現役引退後は、出羽海部屋の部屋付き親方として後進の指導に当たった。そして今場所は、関脇御嶽海(25=出羽海)が大関とりへ奮闘している。「先場所よりも悪い。先場所はもっと攻めてた」と、この日まで4連勝中ながらも厳しめに評価。御嶽海が名古屋場所で初優勝した際に「千秋楽に『いい餞別(せんべつ)になった』と言ったんだけど」というやりとりがあったことを明かし「今回はどういう風に言えばいいか」と、定年退職に大関昇進で花を添えられた際にかける言葉に頭を悩ました。

今後の人生については「いろいろ考えている。旅行に行くとか。でも猫1匹飼ってるからどうしようか」などと話した。大好きな酒やゴルフについては「体が言うことさえ聞いてくれれば」と明るく笑った。

相撲生活の思い出を笑顔で語る山科親方(撮影・河田真司)

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3連勝の嘉風、取組時間変わって「中継ぎから先発」

琴勇輝(左)を引き落としで破る嘉風(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇3日目◇11日◇東京・両国国技館


西前頭15枚目嘉風(36=尾車)が、昨年の名古屋場所以来となる初日から3連勝を挙げた。

東前頭16枚目琴勇輝(27=佐渡ケ嶽)との一番。立ち合いはもろ手突きでぶつかり、腰が引けた相手を引き落とした。「立ち合いだけじゃなく全部が良かった」と自画自賛した。

先場所は13連敗後の2連勝で、今場所を含めると5連勝。番付を10枚落としたため、自身の取組が終わる時間、帰宅する時間が早まった。終盤の取組をテレビ観戦することも増えたという。「相撲を観ていて面白いなと改めて思った。相撲はいいなと、それに尽きる」。タイムスケジュールの変化に関しては「中継ぎから先発になったみたい」と野球に例えた。

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稀勢の里、苦手10歳下の攻めしのぎ、悲鳴から歓声へ

貴景勝(右)の攻めを耐える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇2日目◇10日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、連勝発進した。22歳の小結貴景勝の攻めを、しのぎ続けて逆転の突き落とし。取組前まで連敗中で、通算1勝2敗と苦手としていた新鋭を退けた。元横綱武蔵丸(現武蔵川親方)と並ぶ、歴代7位タイの幕内通算706勝目となった。横綱、大関は今場所初の安泰となった。

場内は悲鳴に次ぐ悲鳴で騒然となった。稀勢の里は立ち合いから、貴景勝の突き、押しで押し込まれた。直後にいなされ、前のめりになると、すかさず貴景勝ののど輪を受けた。だが膝を曲げ、腰を落としていた分、二の矢、三の矢にも動じない。半身になって右足を俵にかけ、10歳下の攻めをしのぐと、相手の左のど輪をはらい、そのままの流れで突き落とした。割れんばかりの歓声の中、1人涼しい顔で勝ち名乗りを受けた。

9秒3の取組は、ほとんどの時間が攻められた。それでも「集中してやりました」と、冷静に対応した。瞬時の対応の連続は、懸念された相撲勘の衰えへの不安を、自信に変えられる内容。下半身にも粘りが出てきた。何よりも進退を懸ける場所で、世代交代を印象づける黒星を喫することなく、若手の壁となる力が健在だと示す白星だった。

この日の白星は、武蔵丸と並ぶ幕内通算706勝目だった。武蔵丸が引退した03年11月の九州場所から1年後。入れ替わるように、04年九州場所で新入幕したのが稀勢の里だった。交わりそうで交わらなかった先輩横綱に追いついた。元武蔵丸の武蔵川親方は「稀勢の里についてはノーコメント」と話すだけ。同親方自身も6場所連続休場後、進退をかけて出場した場所中に、現在の稀勢の里と同じ32歳で引退。周囲の声に、振り回されてほしくない思いは誰よりも知っている。そんな期待も、土俵際、最後の最後に背中を押した。

3日目は7月の名古屋場所で優勝次点だった、24歳豊山の挑戦を受ける。初顔合わせの若手だが「しっかりと集中してやります」。まだ、世代交代は許さないつもりだ。【高田文太】

貴景勝(右)を突き落としで下す稀勢の里(撮影・小沢裕)

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稀勢の里、父助言の断食で肉体改造 237日ぶりの白星

初日を白星で飾った稀勢の里は懸賞を手にほっとした表情を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から、進退を懸けて臨んだ横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、白星発進した。左を差す得意の形で、東前頭筆頭の勢を寄り切る完勝。本場所の白星は1月の初場所2日目で北勝富士に勝って以来、237日ぶり。4連敗中と鬼門だった初日としては、休場前最後の皆勤で、優勝した昨年3月の春場所以来、実に546日ぶりだった。断食による肉体改造などにも着手し、復活への道を探り続けている。

進退の懸かる場所で、稀勢の里は歯を食いしばって前に出続けた。立ち合いは左胸に、勢に頭からぶつかられた。8場所連続休場の主な要因は左大胸筋損傷。左胸に力が入らず、生命線の左が生きなかった。だがこの日は、全身でぶつかってきた勢に押されない。むしろ左を差してまわしを取り、相手もろとも土俵下まで落ちるほど、鋭い出足で一気に寄り切った。間違いなく稀勢の里は強かった。

割れんばかりの大歓声が両国国技館を包んだ。それでも目を閉じ、静かに勝ち名乗りを受けた。支度部屋に戻っても、笑顔すら見せなかった。「まあ、集中してやりました。やることをしっかりやって、自分の力を出すだけです」。朝稽古は完全非公開。勢とは取組前まで15勝1敗ながら、最後に対戦した昨年7月の名古屋場所では敗れ、その後、途中休場に追い込まれた。何より横綱昇進後、最初の場所となった昨年春場所で勝って以降、4連敗中と苦手の初日。過度な緊張を避け、平常心を保つことだけを取組前も取組後も努めた。

肉体も改造した。左大胸筋の損傷について、父貞彦さんは「当初は30%の力も出なかった。今は70%ぐらいには戻った」と明かす。筋力を戻すために、取り入れたのが断食だった。元アマチュアボクサーの貞彦さんは「けがを治すには強い細胞が必要。細胞から生まれ変わるには断食が最適」と、本などを使って科学的な根拠を示し、稀勢の里に断食の必要性を説いた。体を大きくするのが仕事の力士には珍しく、約1カ月に1日、ほぼ何も食べない日をつくり、その後も段階的に食事量を戻す手法を取り入れた。体重増による体への負担増の解消も兼ねた。8場所連続休場が始まった昨年5月の夏場所で184キロだった体重を、じわじわと176キロまで落とした。

けがに強い、回復力のある体を土台に、7月末から約1カ月続いた巡業を昨秋以来、完走した。復活できる下地はあった。それでも稀勢の里は「今日は今日で明日は明日」と浮かれない。年6場所制となった1958年以降の横綱として、歴代最長の休場明け。奇跡の復活へ、大きな第1歩が刻まれた。【高田文太】

勢(右)の攻めを耐える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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白鵬白星発進 稀勢初日に「しびれたというか感動」

支度部屋で笑顔を見せる白鵬(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


名古屋場所を途中休場した横綱白鵬(33=宮城野)が、小結玉鷲(33=片男波)を寄り切りで下して白星発進した。立ち合いは左で張って玉鷲の勢いと止めて、左を差して一気に土俵外へ運んだ。

風呂から上がり髪を結ってもらう時に、支度部屋に集まった報道陣を見て「向こうに行った方がいいよ」と、8場所連続休場明けで白星を挙げた横綱稀勢の里のところに取材に行くように、冗談めかしながら促した。

その稀勢の里の相撲について「しびれたというか感動したというか。いい相撲でした」とほめた。自分自身の相撲については「いい相撲でした」と自画自賛した。

懸賞を受け取る白鵬(撮影・河田真司)

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横綱稀勢の里、進退懸けた場所初日237日ぶり白星

勢(右)の攻めを耐える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、東前頭筆頭の勢(31=伊勢ノ海)を寄り切りで下して初日白星を飾った。8場所連続休場中に出場した4場所はいずれも初日黒星で、その後に途中休場した。進退を懸けて臨む今場所でまずは幸先の良いスタートを切った。

初日前日の8日は、土俵祭りの後、田子ノ浦部屋へ戻ると稽古場へ直行した。本場所で使用する紺色のまわしを締め、四股などの基本運動で約30分間にわたって汗を流した。異例ともいえる稽古で場所前最後の調整を終了。1月の初場所以来となる初日を控え、心身の準備は整っていた。

白星発進が、復活への鍵だった。横綱昇進後、出場した5場所で初日白星だったのは、優勝した17年春場所だけ。残る4場所は初日からの連敗はないものの、途中休場を余儀なくされている。初日に対戦する勢には15勝1敗と合口は良いものの、最後に対戦した昨年名古屋場所で黒星を喫していた。10日の2日目は小結貴景勝(22=貴乃花)と対戦する。昨年九州場所4日目、今年初場所初日と連敗中。通算1勝2敗と負け越しているだけに、2日目も大事な一番になる。

勢(右)を寄り切りで破った稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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豊ノ島が白星発進 関取復帰へ「想像でなく現実に」

希善龍(左)に鋭い立ち合いで攻める豊ノ島(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇両国国技館


幕内優勝争いを演じたベテランが、再び大銀杏(おおいちょう)を結う大チャンスを迎えた。関脇経験者で西幕下筆頭の豊ノ島(35=時津風)が、今場所の1番相撲に登場。東幕下筆頭の希善龍(33=木瀬)を突き出しで破り白星発進した。

圧力が戻ってきた。立ち合い、左胸からガツンと当たっただけで、相手が後退した。のけ反りながら時計回りに何とか回り込もうとする希善龍を、なおも冷静に押し込み、最後は左脇あたりを押し込んで土俵外へ飛ばした。

2年前の7月、名古屋場所前の稽古で左アキレス腱(けん)を皮下断裂。無給の幕下生活も丸2年、12場所目を迎えた。一時は番付を35枚目まで下げたが、そこから6勝1敗、5勝2敗、5勝2敗と3場所連続勝ち越し。幕下では最上位の番付で今場所を迎えた。

会心の相撲に「初日に、いい波を作れるような相撲を取れるといいな、と思っていたけど、その思うような相撲を取れた」と振り返った。直前の相撲で、やはり関取復帰を目指す東幕下3枚目の豊響(33=境川)が会心の押し相撲で勝ったことも「目の前でいい相撲を取っていたから手本にしようと思っていた」と刺激にしていたようだ。

過去2度の幕下上位(5枚目まで)の場所は、いずれも場所直前や場所中のケガで大きな負け越しを余儀なくされていた。そんな苦い経験も踏まえ、万全を期して場所を迎えた。この番付なら、4番勝って勝ち越せば再十両が濃厚になる。ただ、そんな小さなことは考えず「せっかくここまできて(関取に)戻れるチャンス」と意識しつつも「7番勝って気持ちよく戻りたい」と1番1番の白星の積み重ねを目指す。「(関取に)戻ったことを想像すると涙が出てくる」と言ってすぐに、その言葉を打ち消すように「想像でなく現実にしたい。(幕下上位の番付で)ここまで戻ってきた、と思っちゃ駄目」と自分に言い聞かせるように話した。

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御嶽海、大関とり場所も目標は「勝ち越しでいい」

優勝額贈呈式に臨む御嶽海(撮影・小沢裕)


関脇御嶽海が、マイペースで大関とりに挑む。

土俵祭り終了後、自身初の優勝額贈呈式に出席。国技館の天井四方に飾られる巨大な優勝額を前に「ニヤニヤしました」と、あらためて名古屋場所での初優勝を実感した。その名古屋場所では13勝、前の夏場所では9勝を挙げたため、今場所で11勝以上を挙げれば大関とりの条件となる三役で3場所33勝以上を達成する。気合が入る場所になるのは間違いないが、自信を問われると「ないです」とおどけてみせて「(目標は)勝ち越しでいいんじゃない。8番も10番も一緒」と御嶽海節をさく裂させた。大関とりへ数字の達成も必要だが、重要になる横綱からの白星については「倒さないといけない」と言葉に力を込めた。

優勝額贈呈式に臨む御嶽海(左)と鶴竜(撮影・小沢裕)

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稀勢9場所ぶり鬼門初日白星へとにかく「しっかり」

大相撲秋場所の土俵祭りに臨む、右から高安、稀勢の里、鶴竜、白鵬、豪栄道、栃ノ心(撮影・小沢裕)


8場所連続休場からの復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、鬼門の初日に挑む。大相撲秋場所初日を翌日に控えた8日、東京・両国国技館で行われた土俵祭りに4場所ぶりに出席。8場所連続休場中に出場した4場所はいずれも初日黒星で、その後に途中休場した。進退を懸けて臨む今場所でまずは東前頭筆頭の勢を下し、9場所ぶりの白星発進で勢いに乗る。

淡い紫色の羽織をまとった稀勢の里が、本土俵と向かい合った。予定開始時刻より3分早く始まった土俵祭り。正面のたまり席に用意されたパイプ椅子に座り、真剣な表情で土俵を清める神事を見守った。会場を後にする際には、一般公開で集まった観客から「信じてるぞ! 稀勢の里!」「稀勢関、頑張って!」などの声援が飛んだ。

進退を懸けた秋場所だ。「いよいよ始まるという感じ。特に気負いもなく、いい状態で稽古ができた。1日一番しっかり集中してやりたい」。いつも通り、淡々と話した。

だが、はやる気持ちを抑えられなかったのか。田子ノ浦部屋へ戻ると稽古場へ直行した。本場所で使用する紺色のまわしを締め、四股などの基本運動で約30分間にわたって汗を流した。異例ともいえる稽古で場所前最後の調整を終了。1月の初場所以来となる初日を控え、心身の準備は整った。

白星発進が、復活への鍵となる。横綱昇進後、出場した5場所で初日白星だったのは、優勝した17年春場所だけ。残る4場所は初日からの連敗はないものの、途中休場を余儀なくされている。初日に対戦する勢には15勝1敗と合口は良いものの、最後に対戦した昨年名古屋場所で黒星を喫している。さらに3場所連続の全休明けで、少なからず不安は抱えているはずだ。

「しっかりやってきたことをしっかりやるだけ。やるべきことをしっかりやってきましたから、それをやるだけです」と自らに言い聞かせるように話した。約8カ月ぶりに出場する本場所。さまざまな思いを背負って、15日間を全うする。【佐々木隆史】

稀勢の里(2018年2月4日撮影)

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稀勢の里、復活劇へ「いよいよ始まるという感じ」

大相撲秋場所の土俵祭りに臨む稀勢の里(撮影・河田真司)


大相撲秋場所(東京・両国国技館)初日前日の8日、両国国技館で土俵祭りが行われ、8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が意気込みを語った。

約30分行われた土俵祭り後に、報道陣の囲み取材に対応。いよいよ始まる進退を懸ける秋場所に向けて「状態は良い状態にきました。1日一番しっかり集中してやりたい」と話した。土俵祭り後に会場を後にする際には、観客から「信じてるぞ稀勢の里!」などと声をかけられた。それだけ周囲も待ち望んでいる復活劇。「いよいよ始まるという感じ」と、自身も待ち遠しそうにした。

初日は東前頭筆頭勢、2日目は小結貴景勝と対戦する。勢との対戦は黒星を喫した昨年名古屋場所以来で、貴景勝には昨年九州、今年初場所で黒星を喫している。良いイメージはないが「しっかりやってきたことをやるだけ。やるべきことはしっかりやりましたから、それを出すだけです」と相手を気にすることはなかった。

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御嶽海おどけて大関とりの自信は「ないです」

優勝額贈呈式に臨む御嶽海(撮影・小沢裕)


大相撲秋場所(東京・両国国技館)初日前日の8日、両国国技館で土俵祭りが行われ、大関とりの関脇御嶽海(25=出羽海)がマイペースぶりを見せた。

夏場所で9勝、初優勝した名古屋場所で13勝を挙げて大関とりにリーチをかけた御嶽海。大関とりへ今場所は11勝以上が必要となり、さらに横綱戦での白星も重要になる。気合が入る場所になるのは間違いないが、自信を問われると「ないです」とおどけた。目標を問われても「勝ち越しでいいんじゃないですか。8番も10番も一緒」と相変わらずのマイペースぶりを披露した。

土俵祭り後には、初めて優勝額の贈呈式に参加した。国技館の天井四方に飾られる巨大な優勝額を前に記念撮影を行い「緊張しました。汗が止まらない」と初々しかった。

最近は「これが食べたいというのがない。優柔不断になっている」と食欲はあるが、食へのこだわりが薄くなっているのが悩みだとか。それでも相撲の話になると「前に出て押していきたい」と明確な狙いがすぱっと出た。

優勝額贈呈式に臨む御嶽海(撮影・小沢裕)

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稀勢の里ピリピリ完全非公開 初日は“因縁”の勢

稽古を終え、タクシーに乗って部屋を引き揚げる稀勢の里


大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、試練の序盤戦に向け、非公開で進退の懸かる秋場所(9日初日、東京・両国国技館)前の稽古を打ち上げた。7日、都内の部屋で最終調整。関係者によると四股、すり足などで汗を流したという。稽古後、帰宅の際には、若い衆が乗り込むタクシーに報道陣を近づけず、無言で引き揚げた。夏巡業後、稽古の完全非公開もノーコメントも初。9場所ぶり皆勤へ緊張感を漂わせた。

この日は取組編成会議が行われ、初日が東前頭筆頭の勢、2日目が西小結の貴景勝と対戦することが決まった。勢には過去15勝1敗だが、最後に対戦した昨年名古屋場所5日目は黒星。翌6日目から休場に追い込まれた。貴景勝には昨年九州場所4日目、今年初場所初日と連敗中。通算1勝2敗と負け越している。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「序盤が大事。後半になれば力を出すタイプなので」と話す。現在は横綱として歴代最長の8場所連続休場中。序盤で土をつけられた苦い記憶の残る2人との対戦が決まり、一気に臨戦態勢となっていた。

審判部長で、前日6日に出稽古で稀勢の里が部屋を訪れていた阿武松親方(元関脇益荒雄)も「誰も経験したことのない場所。初日と2日目をどう乗り越えるか」と話した。前日に「しっかり準備できた」と話した稀勢の里。夏巡業から関取衆相手に203番で156勝47敗。稽古通りの力を発揮できるか。復活への挑戦が始まる。【高田文太】

18年9月6日、稽古の後、笑顔を見せる稀勢の里(撮影・柴田隆二)

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稀勢の里秋場所出る 気合の稽古、師匠「一番いい」

阿武咲(手前)に胸を貸す稀勢の里(撮影・柴田隆二)


大相撲の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、234日ぶりに本場所の土俵に立つ。6日、千葉・習志野市の阿武松部屋に出稽古後、秋場所(9日初日、東京・両国国技館)へ出場の意向を表明。その後、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)と話し合い、出場が決まった。年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、貴乃花の7場所を抜いて歴代最長の8場所連続休場中。復活で、不名誉な記録に終止符を打つ。

覚悟を決めた稀勢の里の表情は晴れやかだった。出稽古で訪れた阿武松部屋での、最後のぶつかり稽古。阿武咲、隆の勝の幕内2人に立て続けに胸を出し「さあ来い!」「どうした!」などと何度も大声で若手を鼓舞した。砂まみれの相手を計7分間も受け止め続け、自身の体も砂で汚れたが笑顔。心地よかった。稽古後は「やるべきことは、やってきた。しっかり準備ができたので」と、秋場所出場の意向を示した。

1月18日の初場所5日目で前頭嘉風に敗れて以降、すべて全休した。最後に皆勤した昨年3月の春場所で左大胸筋を痛め、生命線の左に力が伝わらなかった。本場所での対戦が予想される上位陣との稽古を避けてきたが、今場所は違った。夏巡業から上位陣を稽古に指名した。この1カ月で横綱鶴竜をはじめ、3大関全員、関脇御嶽海、小結玉鷲らと胸を合わせてきた。その稽古は「良かったり悪かったりというのが、逆に良かったと思う。1日1日が濃かった」という。悔しい日もあったからこそ課題を見つけ、成長につなげた。

この日は「一番いい稽古ができたから」と2日に続き、伸び盛りの阿武咲を稽古相手に選んだ。10勝4敗と大きく勝ち越したが、従来とは違い、右で前まわしを引きつける取組が目立った。激しく突いてくる阿武咲の動きを、右でおさえてから左を差して万全の寄り切り。見守った審判部長の阿武松親方(元関脇益荒雄)は「今までにない相撲。素晴らしい武器になる」と、以前の状態に戻すどころか進化していると指摘。師匠の田子ノ浦親方も、8場所連続休場中のこれまでと比べて「一番いい」と話す。

7月、名古屋場所休場を表明した際に「来場所、すべてをかけて頑張っていきたい」と、進退を懸ける覚悟を重い口調で語った。だがこの日は「しっかり鍛えてきた。本場所と稽古場は違うので、しっかりと集中して臨みたい」。復活を信じ、自信に満ちた表情が戻っていた。【高田文太】

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白鵬12勝1敗「痛みはない」と即答、優勝へ調整

魁聖と相撲を取る白鵬


名古屋場所を途中休場した横綱白鵬が、都内の友綱部屋で行われた伊勢ケ浜一門連合稽古で好調ぶりを見せた。

平幕の魁聖、宝富士、十両旭秀鵬、照強と13番取って12勝。負傷している右膝、左足首にテーピングもなく「痛みはない」と即答。残り8勝に迫った横綱800勝と14勝に迫った幕内1000勝が「目標でありモチベーション」だといい、昨年九州場所以来の優勝へ調整を進める。

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栃ノ心26番で15勝11敗「よくなってるよな」

出羽海部屋との連合稽古で汗を流す栃ノ心(撮影・加藤裕一)


大相撲秋場所(9日初日、両国国技館)をかど番で迎える大関栃ノ心(30=春日野)が4日、出稽古に来た関脇御嶽海、同じ部屋の栃煌山、碧山相手に相撲を26番とった。名古屋場所6日目の玉鷲戦で右足親指付け根の靱帯(じんたい)を損傷。ケガから復帰し、本格的に稽古を再開した8月29日にも26番とっているが、相手は三段目、幕下。関取相手では再開後最多の番数となった。

患部の不安を忘れるぐらい、無我夢中だった。「え? 26番もやった? 18、19番ぐらいと思ったけど…。途中から力入ったからなあ」。内訳は15勝11敗。相撲再開後1週間と下半身に疲れがたまりだしたこともあってか、この日は立ち合い負けが多かった。「あ~っ、くそっ!」と何度も叫び、納得いかない相撲に、仕切りに入ろうとした御嶽海、碧山を押しのけ、強引にもう一丁をお願いする場面が3度もあった。

だが、26番もとれるのは、右足親指の不安が薄くなっているからこそ。「負けてもいいけど、もうちょっと気持ちよく相撲とりたいな」。1週間前とは、求めるレベルが格段に上がった。「そうだよな。よくなってるよな」とうれしそうだった。

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栃ノ心が山田孝之と対面 出稽古で調子上向き強調

缶コーヒー「ジョージア グラン微糖」の発表会で俳優山田孝之(右)に手形をプレゼントする大関栃ノ心(撮影・加藤裕一)


大関栃ノ心(30=春日野)が3日、都内でコカ・コーラの缶コーヒー「ジョージア グラン微糖」発表会に出席。ジョージア缶コーヒーのCMに出演する俳優山田孝之(34)と対面した。山田について「テレビ、映画でよく見ているので初対面という気がしない」と言いつつ「男前ですね」とイケメンぶりに感心した。

今回のイベントに声がかかったのは、故郷ジョージアと同じ名前の同コーヒーが「飲んで本当においしかった」と同コーヒーのファンであることを公言するようになったためだ。栃ノ心が故郷なら、山田は缶コーヒーと、ともに“ジョージアの顔”として新商品をPRしてみせた。

栃ノ心はイベント前に、出羽海部屋へ出稽古を行った。かど番で迎える秋場所(9日初日、両国国技館)に向け、御嶽海、栃煌山、碧山と11番連続を含めて13番相撲をとって7勝6敗。名古屋場所で痛めた右足親指の不安、稽古不足に連動したスタミナ不足を解消すべく、精力的な姿勢が目立った。相撲を取り始めた8月29日の時は「怖かった」という状態が「ちょっとずつ良くなってる」と上向いていることを強調。「やっぱり稽古しないとね。稽古でしか、状態はよくならないから」。手応えを感じつつあるからか、表情は明るかった。

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秋場所をかど番で迎える栃ノ心「心を大切に、努力」

大関昇進披露パーティーで小川直也氏(右)から花束を贈呈される栃ノ心


大相撲秋場所(9日初日、両国国技館)をかど番で迎える栃ノ心(30=春日野)の大関昇進披露パーティーが1日、都内のホテルで約1300人を集めて開かれた。

八角理事長(元横綱北勝海)ら親方衆、鶴竜はじめ現役3横綱や大関、一門の関取衆、後援者らが出席。壇上で栃ノ心は「日本の心、ジョージアの心、相撲の心、春日野部屋の心を大切に、さらに上を目指して稽古に精進、努力します」と謝意を示した。新大関の名古屋場所で痛めた右足親指は完治していないが「プレッシャーもあるけど番付も番付だし、頑張らないといけない。大丈夫」と気丈に話した。

大関昇進披露パーティーであいさつする栃ノ心

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栃ノ心が大関昇進披露会「番付も番付…」患部大丈夫

大関昇進披露パーティーで小川直也氏(右)から花束を贈呈される栃ノ心


今年5月の夏場所後に昇進を果たした栃ノ心(30=春日野)の大関昇進披露パーティーが1日、東京・文京区の東京ドームホテルに、関係者約1300人を集めて盛大に開かれた。

パーティーには八角理事長(元横綱北勝海)ら親方衆、力士では鶴竜(33=井筒)、白鵬(33=宮城野)、稀勢の里(32=田子ノ浦)の3横綱、豪栄道(32=境川)と高安(28=田子ノ浦)の両大関らが出席。八角理事長らがあいさつした後、栃ノ心が壇上に立ち「お疲れさんでございます」の発声の後、感謝のあいさつ。「日本の心、(出身地)ジョージアの心、相撲の心、春日野部屋の心を大切に、日本とジョージアのみなさんのために、さらに上を目指して稽古に精進、努力します」と謝意を示した。

鏡開きでは、先代春日野親方(元横綱栃ノ海)の花田茂広氏と八角理事長にはさまれて、豪快に木槌を振り下ろし、たるのふたを割った。また乾杯の後には、同じ明大出身で師匠と親交のある、92年バルセロナ五輪柔道男子95キロ超級銀メダリストで小川道場の小川直也道場長から花束を贈呈された。

大勢の関係者の前で晴れの席に臨んだ栃ノ心だが、新大関の名古屋場所では右足親指を負傷し途中休場。8日後に初日を迎える大相撲秋場所(両国国技館)は、負け越せば関脇陥落のかど番で迎える。パーティー前に取材に応じた栃ノ心は「プレッシャーもあるけど番付も番付だし、頑張らないといけない。3、4日前に申し合い(稽古)も始めたし、しっかり場所が始まるまで稽古して今場所を迎えたい。(患部は)それほど痛くはないし、稽古できないわけじゃない。大丈夫、頑張るしかない」と気丈に話した。披露パーティーには「こんなにたくさんの人が集まるとは思わなかった。すごくうれしい。もっともっと頑張らないといけない」と奮起を誓った。

大関昇進披露パーティーで鏡割りする栃ノ心(中央)と八角理事長(右)
大関昇進披露パーティーであいさつする栃ノ心

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白鵬、稽古総見で外から再戦促し稀勢の里にハッパ

横審総見で稽古する白鵬(右)と御嶽海(撮影・柴田隆二)


名古屋場所を途中休場した横綱白鵬(33=宮城野)が31日、東京・両国国技館で行われた横綱審議委員会(横審)による稽古総見で、8場所連続休場中の横綱稀勢の里にハッパを掛けた。

稀勢の里が大関豪栄道に負けて土俵から離れようとした時に、土俵外から「勝負、勝負」と声をかけて再戦を促した。その次の一番で稀勢の里は豪栄道を押し出して雪辱した。白鵬は「最初は遠慮気味かなと思った。途中からは吹っ切れたようないい内容だった。見てても緊張感があった。ハッパを掛けたのが良かった。ギリギリのところで大関に負けたら気持ち的にね。勝てば乗っていきますから」と意図を説明した。

自身は右膝、左足首の負傷で夏巡業では満足した稽古ができなかったにも関わらず、関脇御嶽海、平幕正代らを相手に9番取って全勝と強さを見せた。「関取衆との稽古は久しぶりでいい緊張感があった。(初日まで)1日1日大事にしてやっていきたい」と話した。

横審総見で白鵬(右)は御嶽海に稽古をつける(撮影・柴田隆二)

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