上へ戻る

au版ニッカン★バトル

記事検索

正代しこ名「変えるつもりない」大関昇進へ本名貫く

オンラインによる一夜明け会見に参加する秋場所で初優勝した正代

正代は「正代」を貫く。大相撲秋場所で13勝2敗で初優勝し、大関昇進を確実にした関脇正代(28=時津風)が28日、東京都内の部屋からリモートで一夜明け会見に臨んだ。本名のしこ名は大関昇進後も「変えるつもりはない」と明言。5人目の「本名大関」となる。口上は稀勢の里(現・荒磯親方)にならい、シンプルな言葉で決意を伝える考えを示した。

   ◇   ◇   ◇   ◇

重圧から解き放たれた正代は熟睡した。千秋楽前夜は明け方5時すぎまで眠れず、睡眠時間は2時間程度だった。「緊張感から解放された感じですね。だいぶグッスリ眠れたと思う」。心地よい眠りに落ちた。

しかし、新たな緊張が押し寄せる。30日に大関昇進を諮る臨時理事会が開催され、伝達式が行われる運び。注目の口上について「いろいろ考えてますけど、まだ決めかねてます。いくつかの候補の中から、どれが自分に当てはまるか」。その上で、心に残る口上に元横綱稀勢の里を挙げた。

稀勢の里は大関、横綱昇進時ともに「精進します」の簡潔な言葉で決意を伝えた。その印象が強いという。「稀勢の里関の『精進』はすごくシンプルで大事な言葉だなと自分の中で感じました」。場所前はなかった昇進の機運。初優勝で一気に高まり、現実となる。正代は「今まで以上に負けられない地位。責任が伴う。今まで以上に“精進”しないといけない」と言った。現状に甘んじることなく、さらに進む。その思いはピタリ合致する。

双葉山が創設した時津風部屋からの新大関は、63年春場所の豊山以来57年ぶりとなる。名門部屋ならではのしこ名もあるが、正代は「変えるつもりはないです」と本名を貫く。ある統計サイトによると、全国で約380人しかいない珍しい名字。その由来は「海賊」という説もある。父の巌さん(60)は「確かにそういう説はありますが、何とも分からない」と話し、真相は分からない。

正代も「珍しい名字。このしこ名で定着しているし、頑張っていけたら」と誇りを持つ。「本名大関」は5人目となるが、「本名横綱」は輪島だけ。さらに上について正代は「大関に上がって実績を積んでから。活躍するのが先」。ただ、大関に上がった瞬間から「横綱正代」への戦いは自然に始まる。【実藤健一】

○…正代の「初優勝&大関昇進」を祝す垂れ幕は、10月1日に故郷の熊本・宇土市役所に掲げられる予定だ。30日の昇進伝達式を受けて行う計画で、同市スポーツ振興係の担当者は「祝う形の文言を入れた垂れ幕の準備を進めています」。祝賀パレードも実施へ向けて動いているが、実現するかは微妙。「計画しようとしていますが、まだ出来るか分からない」と語った。

◆正代姓 名前や名字に特化したアプリなどを開発、運用するリクルーティングスタジオ(本社・千葉県市川市)のアプリ「名字由来net」によると、名字の全国ランキングで1万5001位で全国に約380人いる。正代の地元・熊本や隣県の福岡に多数みられるとしている。1位の「鈴木」は約187万人。

◆本名大関 過去に本名のまま大関に昇進したのは、輪島、北尾、出島、高安の4人。輪島は昇進目安の「三役で3場所33勝」を72年秋場所で達成して昇進。自身2度目の優勝を果たした73年夏場所後には、本名のまま横綱に昇進した。北尾は86年名古屋場所後に横綱昇進した際、立浪部屋の先輩横綱、双葉山と羽黒山にちなんで「双羽黒」に改名。出島は99年名古屋場所で初優勝して大関に昇進し、大関を12場所務めた後に平幕に陥落。高安は17年秋場所で昇進目安を達成して昇進。15場所務めたが、平幕に陥落した。

◆稀勢の里の口上 11年九州場所後に大関昇進。伝達式では「謹んでお受けします。大関の名を汚さぬよう精進します」と述べた。初優勝した17年初場所後に横綱昇進した際の伝達式では「謹んでお受けします。横綱の名を汚さぬよう精進します」と大関昇進時と同じく、簡潔な言葉に思いを込めた。

オンラインによる一夜明け会見に参加する秋場所で初優勝した正代
初優勝した秋場所千秋楽から一夜明けてリモートでの会見に出席した正代

関連するニュースを読む

学生出身10人目、東農大は初/正代初Vアラカルト

学生相撲出身力士の優勝

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇27日◇東京・両国国技館

関脇正代(28=時津風)がついに賜杯を手にした。新入幕の翔猿に攻められ、追い詰められた土俵際で逆転の突き落としを決めた。熊本県出身、東農大出身の優勝はともに初めて。

13勝2敗の好成績で審判部の伊勢ケ浜部長(元横綱旭富士)は八角理事長(元横綱北勝海)に大関昇進を諮る臨時理事会の招集を要請し、30日にも「大関正代」が誕生する。恵まれた体を「ネガティブ」と言われた弱気な性格で生かせなかった大器が目覚め、初優勝と大関の夢を一気にかなえて涙した。

<正代初Vアラカルト>

◆関脇の優勝 昨年秋場所の御嶽海以来29度目。

◆平成生まれ 照ノ富士、御嶽海、貴景勝、朝乃山と5人目。

◆学生出身 山錦、輪島、朝潮、出島、武双山、琴光喜、御嶽海、朝乃山、徳勝龍に続き10人目。東農大出身では初。

◆時津風部屋 1963年名古屋場所の北葉山以来。4度の鏡里、1度の北葉山に次ぎ3人目。部屋別トップは九重部屋の52度。

◆本名 本名をしこ名に入幕して優勝した力士は長谷川、輪島、保志、出島に次いで5人目。

東農大の化粧まわしを着けて土俵入りする正代(撮影・河田真司)     
1963年名古屋場所で優勝した北葉山

関連するニュースを読む

翔猿2敗堅守「ワクワク」106年ぶり新入幕V前進

2敗を死守し勝ち名乗りを受ける翔猿(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>13日日◇25日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭14枚目翔猿(28=追手風)が、平幕の隆の勝を破ってトップを守った。

大関貴景勝との2敗対決を制した関脇正代とともに、トップを並走。注目の14日目は、3敗に後退した大関貴景勝との対戦が決定した。新入幕の大関対戦は14年秋場所の逸ノ城以来、戦後13人目。結びの一番で埼玉栄高の後輩を破り、1914年(大3)夏場所の両国以来、106年ぶりの新入幕優勝へ、また1歩近づく。

   ◇   ◇   ◇

新入幕らしからぬ、強心臓ぶりを翔猿が見せた。初の幕内後半戦での取組を「ワクワクしていました。『後半で取っているな。幕内力士らしいな』と思った」と無邪気に振り返った。入門して以降、幕下と十両で過去5戦全敗だった隆の勝に、重圧がかかる中で初勝利。トップを死守した。

ふわっと、立ち上がってしまった立ち合い。先に力なく立ち「待ったかと思った」と立ち合い不成立と思ったという。しかし、行司からの「待った」の声は掛からず、隆の勝の鋭い立ち合いを受けた。たちまち土俵際に後退。のど輪も受けて上半身が起きてのけ反ったが、下半身は崩れず。しこ名の「猿」のごとく、素早く体を開きながらいなして送り出した。土俵上では少し驚いた表情。「勝っちゃった、みたいな感じでした。体は動いてますね」と明るい声で話した。

徹底した基礎運動が快進撃を支える。入門当初は、部屋の中でも四股やテッポウをこなす回数は多い方ではなかった。しかし、今では師匠の追手風親方(元前頭大翔山)が「一番する」と言うほど。転機は17年夏場所後に新十両に昇進し、巡業に参加するようになってから。日々の朝稽古で、誰よりも基礎運動をしていた横綱白鵬の姿に感化された。「強い人は基礎をたくさんやっているんだなと思った。自分も基礎をしっかりするようになってからケガをしなくなった」と基礎運動の大切さを身をもって経験。この日も、その成果を感じさせる軽やかな身のこなしで白星を挙げた。

優勝争いでトップに立ち、14日目は貴景勝との対戦が組まれた。新入幕の大関対戦は戦後13人目、快進撃しているからこその一番となり「思い切り、平常心で、挑戦者の気持ちでいくだけ」と待ち遠しそうに意気込んだ。幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)も「大関相手にどんな相撲を見せてくれるか。熱戦を期待したい」と注目した。

106年ぶり、史上2度目の新入幕優勝が迫っているが「本当に意識はない。思い切りいくだけ」。無心の先に、偉業達成が待っている。【佐々木隆史】

◆翔猿正也(とびざる・まさや)本名・岩崎正也。1992年(平4)4月24日、東京都江戸川区生まれ。小学1年の時に東京・葛飾区の葛飾白鳥相撲教室で相撲を始め、埼玉栄高では3年時に全日本ジュニア体重別で優勝。日大の2学年先輩である遠藤を追って追手風部屋に入門し、15年初場所に「岩崎」のしこ名で初土俵。17年名古屋場所の新十両昇進を機に「翔猿」と改名。20年秋場所新入幕。家族は両親、兄(十両英乃海)。175センチ、131キロ。血液型A型。得意は押し。

◆新入幕の大関戦 戦後では12人の新入幕力士が大関と対戦して7勝10敗。00年夏場所の栃乃花、14年秋場所の逸ノ城は2大関に連勝しており、2日連続で大関戦勝利は逸ノ城が初めて。95年名古屋場所の土佐ノ海は、先の夏場所で14勝1敗で十両優勝をしたことから、新入幕ながら西前頭7枚目。番付上の関係から、初日に大関若乃花、2日目に横綱貴乃花と対戦した。

◆106年前の新入幕優勝 1914年(大3)夏場所は、新入幕で東前頭14枚目の両国が9勝1休で優勝(10日間制)。初日から7連勝で8日目は相手の寒玉子が休場(不戦勝制度がなく、相手が休めば自分も休場扱い)、9日目以降も2連勝。2場所連続優勝中だった横綱太刀山も負けなしだったが、9日目の関脇朝潮戦が預かり(物言いがついて判定できない取組)となり8勝1休1預かりで、勝ち星1つ両国に及ばなかった。

▽八角理事長(元横綱北勝海) 翔猿はタイミングが合ってうまく対応した。勝っている時は動きがいい。28歳ということは若くしての新入幕ではない。高校、大学でここ一番の力の出し方も知っているだろう。これまでの経験があるし度胸もあるような気がする。

翔猿(左)は隆の勝を送り出しで破る(撮影・柴田隆二)

関連するニュースを読む

照ノ富士と千代大龍が休場 両横綱含め13人に

12日目の24日、阿武咲に敗れた照ノ富士は悔しそうな表情を見せる(撮影・柴田隆二)

東前頭筆頭照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が秋場所13日目の25日、日本相撲協会に「左変形性膝関節症により3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。11日目の妙義龍戦で勝ち越し、11月場所での三役返り咲きを確実にしていた。

また東前頭11枚目の千代大龍(31=九重)は「左腓腹筋(ひふくきん)筋膜炎、右足関節症で約3週間加療を必要とする見込み」との診断書を出して休場した。

今場所の十両以上の休場者は白鵬、鶴竜の両横綱や再出場した琴奨菊らを含め13人となった。13人の休場は、野球賭博関与の謹慎を含めて14人が休んだ10年名古屋場所以来の多さ。

関連するニュースを読む

先場所Vの照ノ富士が休場 千代大龍も、計13人に

阿武咲に敗れた照ノ富士は悔しそうな表情を見せる(撮影・柴田隆二)

大相撲の元大関で東前頭筆頭の照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が秋場所13日目の25日、日本相撲協会に「左変形性膝関節症で3週間の安静加療を要する見込み」との診断書を提出して休場した。11日目に勝ち越しを決めて三役復帰を確実にしたが、12日目は阿武咲に寄り倒され、8勝4敗だった。

先場所で幕尻優勝した照ノ富士の休場は、三段目だった昨年初場所以来11度目。13日目の対戦相手、若隆景は不戦勝。

東前頭11枚目の千代大龍(31=九重)は「左腓腹筋(ひふくきん)筋膜炎、右足関節症で約3週間加療を必要とする見込み」との診断書を出して休場した。12日目までに6連敗し、5勝7敗だった。休場は2015年名古屋場所以来7度目。13日目に対戦が組まれていた徳勝龍は不戦勝。

今場所の十両以上の休場者は白鵬、鶴竜の両横綱や再出場した琴奨菊らを含め13人となった。13人の休場は、野球賭博関与の謹慎を含めて14人が休んだ10年名古屋場所以来の多さ。(共同)

関連するニュースを読む

引かない翔猿V争いトップ「ワクワク強い」緊張なし

2敗力士同士の直接対決で若隆景(左)の攻めをこらえる翔猿(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇24日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭14枚目翔猿(28=追手風)が、西前頭8枚目若隆景との2敗対決を制し、10勝目を挙げた。

12日目を終えて新入幕がトップに立つのは57年夏場所の房錦、07年秋場所の豪栄道以来3人目。13日目は隆の勝との対戦が組まれた。しこ名も含め個性満点のイケメン小兵が1914年(大3)夏場所の両国以来、実に106年ぶり2人目の新入幕優勝へ突き進む。不戦勝の大関貴景勝、関脇正代が2敗でトップを並走している。

   ◇   ◇   ◇

翔猿のちゃめっ気たっぷりの明るい性格が、画面からもあふれ出た。2敗を守って向かったNHKのインタビュールーム。賜杯争いの先頭を走る心境を問われると「それは考えずに、あと3連勝ぐらいしたら考えます」と答えた。残りは3日間、つまり全勝宣言? 噴き出す汗も、乱れる呼吸も止まらなかったが、天然とも冗談とも取れる発言が、精神的な余裕をうかがわせた。

しこ名通り、機敏な動きが光った。立ち合いで左に変わった同じ2敗だった若隆景の動きも想定内。差し身のうまい相手に距離を取り続け、左に開いてはたき込んだ。「すぐに引かないで攻めることができた」。最注目の取組に懸かる懸賞「森永賞」も獲得。「(懸賞を)全然もらえてないのでうれしい。まだまだ人気ないですね」。こんな自虐発言とは裏腹に、存在感は増すばかりだ。

177センチ、131キロと幕内では小兵の部類だが、まともに引く場面はほとんどない。師匠の追手風親方(元前頭大翔山)によると、基本は押し相撲。日大時代に足首にボルトを入れるほどのけがをしている。それもあって、一時は立ち合いでの小細工が目立つようになったが「今は当たれている」と師匠。十両を3年以上抜け出せず「悔しい思いをしている。稽古場ではずっと体を動かしている。ここ1、2年で変わった」。師匠も認める努力が実を結びつつある。

初の優勝争いの中でも、師弟ともリラックスしている。コロナ禍で千秋楽はあらゆるセレモニーが中止となった。この日の朝には師匠から「パレードもないから、優勝してこいよ」と一風変わった激励が。翔猿本人も緊張とは無縁で「ワクワクの方が強い」という強心臓だ。横綱不在の大混戦で、優勝争いが混沌(こんとん)とする中、千秋楽は歌舞伎俳優が大活躍するTBS系の大人気ドラマ「半沢直樹」の最終回。歌舞伎役者似? で甘いマスクの翔猿にも、劇的なクライマックスが待っているかもしれない。【佐藤礼征】

▽幕内後半戦の伊勢ケ浜審判長(元横綱旭富士) 朝乃山は押し込まれても引かれてもついていけている。正代は立ち合いが高いが、前に出る相撲を続けている。翔猿は動きがいい。やったこともない相手ばかりだが、いい相撲を取っている。

◆106年前の新入幕優勝 1914年(大3)夏場所は新入幕で東前頭14枚目の両国が9勝1休で優勝(10日間制)。初日から7連勝で8日目は相手の寒玉子が休場(不戦勝制度がなく、相手が休めば自分も休場扱い)、9日目から2連勝。2場所連続優勝中だった横綱太刀山も負けなしだったが、9日目の関脇朝潮戦が預かり(物言いがついて判定できない取組)となり8勝1休1預かりで、勝ち星1つ両国に及ばなかった。

▽翔猿アラカルト

◆本名 岩崎正也(いわさき・まさや)

◆出身 1992年(平4)4月24日、東京都江戸川区。

◆相撲歴 小学1年の時に東京・葛飾区の葛飾白鳥相撲教室で始める。高校相撲の名門、埼玉栄高では3年時に全日本ジュニア体重別で優勝。高校の同級生に前頭北勝富士。日大では2年時に全日本相撲選手権16強。

◆入門の動機 大学4年時に角界入りを意識し、日大の2年先輩である遠藤を追って追手風部屋を選ぶ。初土俵は15年初場所、新十両は17年名古屋場所。

◆兄弟幕内 3学年上の兄で木瀬部屋の十両英乃海は幕内経験者で、兄弟幕内は史上11組目。

◆しこ名 自身の相撲が素早く逃げ回る猿のようで、干支(えと)も申(さる)年のため。

◆締め込み 青色。コロナ禍の最前線で戦う医療従事者への感謝の気持ちを込めている。

◆英語に関心 元々抱いていた興味と「外国の人に話しかけられることが多かった」ため、今年の自粛期間中にオンライン英会話などで語学力を強化。外国人から注目を浴びようと、土俵下で使う座布団に「flying monkey」と入れるか悩んだというが、見送った。

若隆景(右)の攻めに耐える翔猿(撮影・河田真司)     

関連するニュースを読む

栃ノ心が波乱呼ぶ 2敗9人、後半は東9人全員勝利

貴景勝(左)をはたき込みで破る栃ノ心(撮影・河田真司)     

<大相撲秋場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館

東前頭4枚目栃ノ心(32=春日野)が、波乱の展開を巻き起こした。

負ければ大関貴景勝が単独トップになる結びの一番。注目の立ち合いで頭から突っ込んできた貴景勝を、変化気味に右に動いてはたき込んだ。勝負は一瞬で決まり、結果、2敗が9人となった。立ち合いについて栃ノ心は「作戦じゃない。たまたまそうなった。いつも通りやってやろうという気持ちだった」と話した。

また栃ノ心が勝ったことで幕内後半の取組は、東方の力士9人全員が勝利するという珍事が起きた。若手の若隆景から始まり、先場所優勝の照ノ富士や好調の正代が順当に白星を挙げ、朝乃山は不戦勝。自身の取組までに東方の力士が全勝だったことについて栃ノ心は「知らなかった。全然意識してなかった」と驚いた様子だった。

◆記録メモ 8日目を終えてトップに9人が並ぶのは、2敗で10人(大関魁皇、千代大海、武双山、栃東、平幕の雅山、土佐ノ海、時津海、海鵬、春日錦、琴光喜)の2003年名古屋場所以来の多さ。2敗が首位で折り返すのは、1場所15日制が定着した1949年夏場所以降で、68年夏場所、75年名古屋場所と合わせて4度目。03年名古屋場所は朝青龍と武蔵丸の2横綱が序盤から負け込み、ともに途中休場したことも混戦のきっかけになった。最終的には魁皇が千代大海との千秋楽相星決戦を制し、12勝3敗で4度目の優勝を果たした。

貴景勝(右)をはたき込みで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)
貴景勝を破り、懸賞金の束を手にする栃ノ心(撮影・河田真司)     

関連するニュースを読む

新婚高安「子どものためにも」強い思いで2敗キープ

照強(手前)をはたき込みで破る高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇8日目◇20日◇東京・両国国技館

新婚パワーで大混戦場所から抜け出す。東前頭6枚目高安(30=田子ノ浦)が、照強をはたき込みで破って2敗をキープ。1敗の大関貴景勝と平幕の琴勝峰、翔猿の全員が負けたため、高安を含む9人がトップで並んだ。

8日目を終えて9人以上がトップに並ぶのは、2敗で10人が並んだ03年名古屋場所以来17年ぶり。中日折り返しで1敗力士不在も同年以来。横綱不在の混戦場所で、大関経験のある実力者が初賜杯を狙う。

   ◇   ◇   ◇

実力者の高安はどっしりと構えていた。「ボチボチですね。負けた相撲もしっかりと反省して明日に生かしたい」と言葉はシンプルだが声は明るい。自身の取組前に、翔猿と琴勝峰が2敗に後退したが「勝ち越すことだけを目指す」と他人の結果は気にしなかった。

相撲もどっしりしていた。初顔合わせの照強は、立ち合いで奇襲を仕掛けてくる不気味な相手。この日はまっすぐぶつかってきたが、中に潜り込まれそうになったり、腕をたぐられたりとあの手この手で攻められた。それでも慌てることなく丁寧に対処。最後は冷静にはたき込み「自分の体勢になるまで我慢しようと思った」と狙い通りだった。

二人三脚で混戦から抜け出す。昨年10月に婚約を発表した演歌歌手の杜このみ(31)と7月上旬に結婚。婚約後に大関から陥落し、ケガで休場が続く時もあった。そんな時に支えられ、先場所で1年ぶりに勝ち越した時は「本当に2人で喜んだ。いろいろ気を使ってもらっているけど、精神的なサポートはとても大きい」と感謝。来年には第1子が誕生予定。「妻の体調もサポートしないといけない。子どものためにも2人で力を合わせたい」と強い思いで土俵に上がっている。

賜杯の行方はまだまだ分からない。「1日一番。しっかりベストを尽くすだけ」と高安。無心で走り続けた先に、トップの景色が見えてくる。【佐々木隆史】

照強を破り、懸賞金の束を受け取る高安(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

正代1敗守る「好調です」初V意識し脱・ネガティブ

栃ノ心を破り勝ち名乗りを受ける正代。土俵下右は朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇6日目◇18日◇東京・両国国技館

脱・ネガティブで初賜杯を狙う。関脇正代(28=時津風)が、平幕の栃ノ心を下して5勝目を挙げた。

これまでネガティブ発言が多かったが、今場所は前向きなポジティブ発言を連発。昨年九州場所と今年の初場所で2場所連続優勝次点になり、7月場所では優勝争いに加わるなどし自信をつけている。横綱不在の場所で、存在感を発揮しつるある。勝ちっ放しだった平幕の阿武咲が負けて、全勝力士が消えた。

   ◇   ◇   ◇

正代はオンラインでの報道陣の質問に、頭を悩ませる様子もなく、明るい声で答えた。「好調ですし、体もよく動いている。よく攻められていると思う」。語尾まではっきり言い切ると、さっそうと会場を後にした。これまでは勝っても「何でかな…」などと言うことが多く、発言もネガティブだった。だが、今場所は一味違うようだ。

馬力のある栃ノ心に、立ち合いは正面からぶつかった。もろ差し狙いも引かれて捕まえられなかったが、すぐに体を寄せてもろ差しに。相手の引く勢いも利用して、一気に寄り切った。大関経験者を圧倒し「引きにも反応できて足が出た。立ち合いで圧力がかかっているから自分の相撲が取れている」と堂々とした口調で勝因を自己分析した。

ネガティブ発言が注目されてきた。15年名古屋場所後の新十両会見。「できればみんな当たりたくない」「対戦を想像すると緊張する。飯も食えない」などと発言して話題になった。その後も、ことあるごとに後ろ向きな発言を連発。しかし、今場所前には「優勝したい。結果を残したい」と賜杯を意識して前向きに言った。昨年九州場所と今年の初場所での優勝次点が転機となり「緊張との接し方も分かってきた」と自信をのぞかせる。

東農大では学生横綱に輝くなど、実力は十分ある。3場所連続で関脇を務めるなど安定感も増してきた。危なげない相撲が続いていて「今のところ、疲れは感じてない。このまま最後までいければいい」と前向きだ。ネガティブ発言とそんな自分を脱ぎ捨てて、横綱不在の好機を逃さず、初賜杯を狙う。【佐々木隆史】

正代は栃ノ心(手前)を押し込む(撮影・山崎安昭)

関連するニュースを読む

琴奨菊が秋場所休場 再出場なければ十両陥落危機

佐渡ケ嶽部屋の琴奨菊(2020年7月28日撮影)

大相撲の大関経験者、西前頭11枚目琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)が秋場所3日目の15日、日本相撲協会に「左下腿(かたい)肉離れにより全治2週間の見込み」との診断書を提出して休場した。

師匠の佐渡ケ嶽親方(元関脇琴ノ若)によると、初黒星を喫した2日目の明生戦で左ふくらはぎを痛めた。取組後に琴奨菊は「ブチッという音がした」と話したという。15日朝になっても痛みが引かず「足を(地面に)つけることができない」と訴えたため、休場を決めた。

関取最年長の琴奨菊の休場は18年名古屋場所以来7度目となった。3日目の対戦相手、千代大龍は不戦勝。再出場しなければ11月場所での十両転落が確実となる。師匠によると、琴奨菊は再出場に向けて意欲を示しているという。

今場所の十両以上の休場者は白鵬、鶴竜の両横綱や出場停止処分中の平幕阿炎、所属する玉ノ井部屋で新型コロナウイルスの集団感染が発生した十両の富士東、東龍らに次いで7人となった。

関連するニュースを読む

婚約貴景勝が白星発進、朝乃山は黒星/初日写真特集

<大相撲秋場所>◇初日◇13日◇東京・両国国技館

大関貴景勝が“新旧”大関対決を制した。7月場所を制した大関経験者の照ノ富士を一方的に押し出した。2人は17年名古屋場所で対戦しており、貴景勝が押し出しで勝利。当時は貴景勝が西前頭筆頭で、照ノ富士が大関と逆の立場だったが、3年ぶりの対戦も貴景勝に軍配が上がった。

貴景勝は先月8月30日に元大関北天佑の次女で元モデルの千葉有希奈さん(28)との婚約を発表。“婚約場所”を好発進した。先場所を12勝3敗で優勝を逃した大関朝乃山は、結びで小結遠藤にすくい投げで敗れた。白鵬、鶴竜の両横綱の休場で最高位力士として臨む両大関だが、明暗が分かれる結果となった。大関昇進を目指す3関脇は、正代、御嶽海が白星、大栄翔が黒星となった。元横綱朝青龍のおい、21歳の豊昇龍は逸ノ城を退けて新入幕1勝を挙げた。人気小兵の炎鵬は若隆景に敗れた。

初日の取組模様を写真で振り返ります。

協会あいさつに臨む、前列左から正代、朝乃山、八角理事長、貴景勝、御嶽海、後列左から隠岐の海、大栄翔、遠藤(撮影・小沢裕)


逸ノ城寄り切り豊昇龍

豊昇龍(左)は逸ノ城を寄り切りで破り新入幕初白星を挙げる(撮影・小沢裕)


炎鵬押し出し若隆景

炎鵬(左)を押し出しで破る若隆景(撮影・鈴木正人)


高安寄り切り宝富士

高安(左)はまわしを取らせまいと宝富士の左手をつかまえる(撮影・小沢裕)


霧馬山寄り切り栃ノ心

霧馬山(左)に寄り切りで敗れる栃ノ心(撮影・河田真司)


隠岐の海押し出し妙義龍

妙義龍(右)は押し出しで隠岐の海を破る(撮影・小沢裕)


大栄翔突き落とし玉鷲

大栄翔(右)の攻めに耐える玉鷲(撮影・河田真司)


北勝富士押し出し御嶽海

北勝富士(右)を攻める御嶽海(撮影・河田真司)


正代押し出し隆の勝

隆の勝(左)を攻める正代(撮影・河田真司)


照ノ富士押し出し貴景勝

照ノ富士(右)を攻める貴景勝(撮影・河田真司)


朝乃山すくい投げ遠藤

朝乃山(左)をすくい投げで破る遠藤(撮影・鈴木正人)

遠藤(上)にすくい投げで敗れた朝乃山(撮影・鈴木正人)

関連するニュースを読む

貴景勝が「婚約場所」白星発進、朝乃山は遠藤に苦杯

照ノ富士を破り、懸賞金の束を手に土俵から引き揚げる貴景勝(撮影・河田真司)  

<大相撲秋場所>◇初日◇13日◇東京・両国国技館

大関貴景勝が“新旧”大関対決を制した。7月場所を制した大関経験者の照ノ富士を一方的に押し出した。2人は17年名古屋場所で対戦しており、貴景勝が押し出しで勝利。当時は貴景勝が西前頭筆頭で、照ノ富士が大関と逆の立場だったが、3年ぶりの対戦も貴景勝に軍配が上がった。貴景勝は先月8月30日に元大関北天佑の次女で元モデルの千葉有希奈さん(28)との婚約を発表。“婚約場所”を好発進した。

先場所を12勝3敗で優勝を逃した大関朝乃山は、結びで小結遠藤にすくい投げで敗れた。白鵬、鶴竜の両横綱の休場で最高位力士として臨む両大関だが、明暗が分かれる結果となった。

大関昇進を目指す3関脇は、正代、御嶽海が白星、大栄翔が黒星となった。

元横綱朝青龍のおい、21歳の豊昇龍は逸ノ城を退けて新入幕1勝を挙げた。人気小兵の炎鵬は若隆景に敗れた。

先場所に続き、コロナ禍で出稽古が解禁されないまま迎えた今場所。先場所と同じく観客の上限を約2500人に設定するなど、新型コロナウイルスの感染対策を徹底して開催している。

朝乃山(下)をすくい投げで破る遠藤(撮影・河田真司)

関連するニュースを読む

貴景勝「いい成績残したい」“婚約場所”Vへ平常心

貴景勝(2019年9月19日)

大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が、婚約発表後初めての場所を最高位として引き締める。秋場所(13日初日、東京・両国国技館)を翌日に控えた12日、同所で恒例の土俵祭りが行われた。貴景勝は初日に、大関経験者で7月場所優勝の前頭照ノ富士と対戦する。両横綱の休場により、大関朝乃山とともに出場最高位力士として迎える今場所。2年ぶりの優勝を果たし、公私をますます充実させる。

  ◇    ◇    ◇

看板力士としての自覚は十分だった。電話取材に応じた貴景勝は「番付最上位が両大関なので自分たちが一番、一生懸命やって結果を残していかないといけない」と責任感を口にした。白鵬、鶴竜の両横綱が初日から休場。1年で2度の幕尻優勝が生まれるなど波乱続きの本場所を、最高位として静める役割が求められる。

初日は照ノ富士との“新旧”大関対決が組まれた。照ノ富士との対戦は17年名古屋場所の1度だけで、貴景勝が押し出しで勝利。当時は貴景勝が西前頭筆頭で、照ノ富士が大関と逆の立場だった。いきなり先場所覇者との顔合わせとなったが「自分が目指す相撲というのを取っていきたい。15日間どっかでやるんだから初日も何日も関係ない。やるか遅くやるかだけ」と、平常心を強調した。

“婚約場所”を飾りたい。先月8月30日に元大関北天佑の次女で元モデルの千葉有希奈さん(28)との婚約を発表。場所前には「1人の時も一生懸命やっているから特に変わることはないけど、いい成績を残したいと思うのはある」と意気込んでいた。2度目の優勝を果たせば、嫁取り直後の綱取りが待っている。【佐藤礼征】

大相撲秋場所の土俵祭に臨む協会関係者たち(撮影・小沢裕)

関連するニュースを読む

貴景勝「結果残さないと」横綱不在場所へ大関の自覚

貴景勝(2020年7月23日撮影)

大相撲の大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が12日、報道陣の電話取材に応じ、大関の自覚を見せた。秋場所(東京・両国国技館)初日前日のこの日は、両国国技館で土俵祭りが行われたが、新型コロナウイルス感染防止のため参加せず。電話取材で「自分ができることを精いっぱいやってきた」と調整に悔いはなさそうだった。

白鵬と鶴竜の両横綱が休場となったため「番付最上位が両大関なので自分たちが一生懸命やって結果を残していないといけないと思った」と大関の自覚を口にした。

初日は7月場所で優勝した東前頭筆頭の照ノ富士と対戦する。17年名古屋場所以来の対戦となるが「自分が目指す相撲を取っていきたい。15日間どこかでやるんだから、初日も何日も関係ないです」と言葉に力を込めた。

関連するニュースを読む

照ノ富士「やれることやるだけ」初日は大関貴景勝

照ノ富士(20年8月撮影)

大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)で2場所連続優勝を目指す東前頭筆頭照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、初日に大関貴景勝(24=千賀ノ浦)と対戦することが決まった。

2人の対戦は17年名古屋場所以来2度目。当時の番付は正反対で照ノ富士が大関、貴景勝が西前頭筆頭だった。3年ぶりの対戦に照ノ富士は「やれることやるだけなんで。別にどうこうってことは全くない」と多くは語らなかった。

照ノ富士が番付を下げている間に、貴景勝は大関まで駆け上がった。24歳の大関の印象を照ノ富士は「もともと地力もありましたし、よう稽古してましたし、上がるなっていうのは分かってた」。復活優勝を果たした先場所と違い、序盤から上位と当たる展開。「逆にどうせ当たる。いつ当たってもいいようにと思っている」と、不安は口にしなかった。

連続優勝が懸かる

「できるなら誰でも優勝したいと思ってますから。そのとき誰が一番頑張ったか、誰が一番調整できたかっていう人が優勝するんじゃないですか」

史上最大の復活劇を果たした大関経験者は、今場所も主役に名乗りを上げる。

関連するニュースを読む

玉ノ井部屋は秋場所全休 新型コロナ角界の主な動き

玉ノ井部屋の看板(東京都足立区)

日本相撲協会は10日、東京・足立区にある玉ノ井部屋の十両富士東と幕下以下の力士17人が新型コロナウイルスに感染したことを発表した。また同部屋に所属する玉ノ井親方(元大関栃東)と力士全員は秋場所(13日初日、東京・両国国技館)を全休し、外出禁止とすることも決めた。

◆新型コロナウイルスに関する角界の主な動き◆

▼3月1日 日本相撲協会は臨時理事会を開き、春場所の史上初の無観客開催を決定。

▼同8日 春場所初日。

▼同22日 感染者がゼロのまま千秋楽を迎える。

▼4月3日 夏場所と名古屋場所開催の2週間延期を決定。

▼同10日 角界では初となる、三段目力士の勝武士さんの新型コロナウイルス感染が判明。

▼同25日 協会が高田川親方(元関脇安芸乃島)、十両白鷹山ら6人の新型コロナ感染を発表。

▼5月4日 夏場所中止を決定。名古屋場所の会場を東京に変更し「7月場所」として開催する方針を示す。

▼同13日 勝武士さんが新型コロナ感染による多臓器不全で28歳の若さで死去。

▼同18日 協会が、希望する協会員を対象に、新型コロナの感染歴を調べる抗体検査を開始。

▼7月6日 抗体検査の結果、5人から抗体が見つかった。芝田山広報部長はウイルス陽性者なしの見解。

▼同13日 7月場所の開催を正式決定。1日あたりの観客数の上限を約2500人に設定。

▼同19日 7月場所初日。

▼8月2日 感染者がゼロのまま千秋楽を迎える。

▼同8日 協会が二所ノ関部屋付きの松ケ根親方(元前頭玉力道)の新型コロナ感染を発表。

▼同15日 協会が幕下以下の力士1人の新型コロナ感染を発表。

▼同31日 秋場所の開催を決定。7月場所同様に1日あたりの観客数の上限を約2500人に設定。

▼9月6日 協会が幕下以下の力士1人の新型コロナ感染を発表。

▼同10日 協会が新たに玉ノ井部屋の力士18人の新型コロナ感染を発表。

関連するニュースを読む

高安、子ども授かり妻杜このみと力合わせ三役復帰へ

高安(左)と妻の杜このみ(19年10月撮影)

大相撲の東前頭6枚目高安(30=田子ノ浦)が、一家の大黒柱として秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)に臨む。

5日、報道陣の電話取材に応じ、体調の好調ぶりをアピール。この日は相撲は取らずに基礎運動で汗を流したというが、番付発表後から前日までは連日、部屋付きの荒磯親方(元横綱稀勢の里)と三番稽古を行ってきたという。「やはり(荒磯親方の)左四つという形は強いですね。とても良い稽古になります。今は外に出られませんので、稽古相手になっていただいてとても感謝です」と充実ぶりを口にした。

妻のサポートを受けて、三役復帰を目指す。昨年10月に婚約を発表した演歌歌手の杜このみ(31)と、7月上旬に結婚。「脂肪がつくような食事をなるべくしないように。タイトな体になるように。脂質を抑えてタンパク質とか」と食事面での支えは大きいという。内臓脂肪も減ったといい「前よりも体の動きがよくなっている。相撲勘も戻ってきつつある」と効果を実感。「とても食事を勉強しているみたい。とてもおいしくいただいている。恩返しできるようにやりたい。三役に戻りたいですね」と結果での恩返しを誓った。

7月場所では大きな刺激があった。それは自身と同じ大関経験者の照ノ富士の優勝だった。「照ノ富士関が優勝して感化された。僕なんかよりつらい時期を経験しているお相撲さん。そういう人の優勝というのはとても励みになる。次は自分がという気持ち」と気合が入ったという。高安も昨年の名古屋場所から今年の7月場所までの6場所で、皆勤したのは2場所だけとケガに泣かされてきた。だからこそ「もう1回自分に厳しく頑張って上を目指して、応援してくれる方もいますので、稽古をやりたい」と意気込んだ。

子どもも授かり、父親となる高安。「来年の初めに生まれます。より一層、頑張らないといけない。子どものためにも2人で力を合わせてやっていきたい」と責任感を口にした。6日から再び、荒磯親方との三番稽古を開始するといい「ぬかりなくしっかり体をケアして鍛えて、また9月場所15日間、力強い相撲を取って支えてもらっている方々に恩返ししたいです」と誓った。

関連するニュースを読む

鶴竜が好きなスポーツ観戦“自粛” 子どもに配慮

鶴竜(19年8月撮影)

大相撲の横綱鶴竜(35=陸奥)が4日、子どもに配慮してスポーツ観戦を“自粛”していることを明かした。

都内の部屋での稽古後、電話取材に応じ、外出自粛により自宅での生活が続いていることについて「夜寝かしたりとか、そういうことやってます。とにかくお母さんが忙しいときは、なるべくやる」と説明。5月に3人目の子どもが誕生し、育児に費やす時間が増えたという。一方で国内外のスポーツが再開。角界きってのスポーツ観戦好きとして知られるが「(家で)全く見ていない状態。テレビをつけると、子どもが子どものやつ(番組)をずっと見たいとなってしまうので」と、趣味から遠ざかっていることも明かした。

休場明けとなる秋場所(13日初日、東京・両国国技館)まで10日を切ったが、まだ相撲を取る稽古は再開していない。「体をちょっとまだ戻さないとなという感じ。体を元気に元に戻して、いつも言っているけど出るからにはいい成績を残したいというのはある」。昨年名古屋場所以来7度目の優勝に向けて、焦らず調整を重ねる。

関連するニュースを読む

英語学ぶ翔猿「flying monkey」は断念

新調した青色の締め込みを着けて稽古する新入幕の翔猿

大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)を新入幕で迎える翔猿(28=追手風)が、国際派な一面を見せた。2日、埼玉・草加市の部屋で朝稽古を行い、相撲は取らずに基礎運動で汗を流した。「基礎運動をしっかりしてけがしない体を作っていけたらなと思っている。もうちょっとしたら(稽古で相撲を)取ろうと思っています」と話した。

最近は「気持ちしています」と英語の勉強をしているという。きっかけは「外国の人から話しかけられることが多かったんで。もともと、興味もあって自粛期間だったんでやってました」と明かした。参考書は購入するも「ちょっと開いて忘れちゃう」と効果は薄いようだが、「英会話が1番いい」と知人とオンラインで英会話をするなど実戦で学んでいるという。

外国人から注目を浴びようと「座布団に『flying monkey』って入れようか迷った」としこ名の「翔猿」を英語表記する案もあったというが断念。175センチ、131キロの小兵は「けたぐりや蹴返しが多いので、それを(本場所で)やりたい。外国人のハートをキャッチできたらいいですね」と土俵上で輝きを見せる。

◆翔猿正也(とびざる・まさや)本名・岩崎正也。1992年(平4)4月24日、東京都出身。埼玉栄高-日大から15年初場所で初土俵。17年名古屋場所で新十両、20年秋場所で新入幕。兄は木瀬部屋の十両英乃海(最高位は西前頭12枚目)。14年春場所の千代丸、千代鳳(ともに九重)以来史上11組目の兄弟幕内誕生。通算成績は197勝147敗。身長175センチ、体重131キロ。

関連するニュースを読む

新関脇の大栄翔「欲を出して頑張る」大関昇進も意欲

埼玉県草加市の追手風部屋で秋場所の番付表に記載されている自身のしこ名を指さす新関脇の大栄翔(右)と新入幕の翔猿

大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)で新関脇に昇進した大栄翔(26=追手風)が、大関昇進への意欲を示した。31日、埼玉・草加市の部屋からリモートでの会見に出席。東小結だった7月場所で11勝を挙げた成長株は「関脇を目標にしていたのでうれしい。常にこういう好成績を残せば上がれると思っていた」と笑みを浮かべた。

同年代で同じ関脇の正代、御嶽海との出世争いになる。3人とも7月場所で11勝を挙げ、大関とりの起点をつくった。「現役でいる以上はさらに上を目指して、欲を出して頑張っていきたい」と大栄翔。大関という地位について「違う世界、未知の世界になる。今の自分にとって最大の目標」と意識を隠さなかった。3関脇は17年九州場所(御嶽海、嘉風、照ノ富士)以来で、大関経験者不在の3関脇は11年秋場所(琴奨菊、稀勢の里、鶴竜)以来となった。ライバルの存在に「いい刺激になる。負けないように頑張りたい」と前向きにとらえた。

前日30日には同じ埼玉栄高出身で、仲のいい大関貴景勝(24=千賀ノ浦)が婚約を発表した。「自分も最近知った」と明かし「すごいおめでたいこと。(貴景勝にも)『おめでとうございます』と伝えた」と祝福した。自身の“嫁取り”については「相撲と一緒で徐々に頑張っていきたい」と控えめに話した。

追手風部屋からは2000年九州場所の追手海以来20年ぶりで、埼玉県出身では63年名古屋場所の若秩父以来、57年ぶり戦後2人目として迎える新関脇場所は、初日まで2週間を切っている。17日から新入幕の翔猿らの関取衆を相手に相撲を取る稽古を再開。「立ち合いをもっと厳しく、突き押しで取り切ることを課題にやっている」。秋場所の目標は「2桁勝ちたいが、まずは勝ち越し。ひとつずつ目標を増やしていけたら」と意気込んだ。【佐藤礼征】

埼玉県草加市の追手風部屋でリモートでの会見に臨む秋場所で新関脇昇進を果たした大栄翔

関連するニュースを読む