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独り暮らし蛇口から水…元小結板井さん急死だったか

大相撲の元小結板井の板井圭介さん


 大相撲の元小結で、引退後に八百長の存在を明言した板井圭介さんが14日、死去した。62歳だった。都内の自宅で倒れているところを発見され、その後、死亡が確認された。現在はない大鳴戸部屋で同部屋だった、元十両のプロレスラー維新力によると、第一発見者は板井さんの現役時代の付け人。維新力は「元付け人は引退後もずっと板井さんと交流があった。体を壊して働くことができず、独り暮らしだった板井さんの世話をしていて、病院に来るはずの時間に来なかったので、おかしいと思って見に行ったら、自宅で息を引き取っていたそうです」と説明した。

 死因は14日現在まで特定されておらず、元付け人が発見した時は、蛇口から水が出続けている状態で、急死の可能性が高いとみられる。板井さんは近年、糖尿病などで定期的に病院に通い、心臓にはペースメーカーも埋め込んでいた。一方で現役時代から膝を痛めていたが、愛犬の散歩が日課で自力で歩いていたという。維新力は「いろいろ言われた方ですが、稽古場では本当に強いし、自分が付け人をしていた時も偉そうにすることもなく、人格者だった」と話した。

 板井さんは78年秋場所で初土俵を踏むと、序ノ口から三段目まで3場所連続で優勝し、当時最多の26連勝を記録した。突き、押しを武器に、金星3個すべてを大乃国から獲得し「大乃国キラー」として知られた。東前頭14枚目だった91年名古屋場所で幕内4人目の15戦全敗。翌秋場所中に引退した。引退に際して「春日山」の年寄名跡を借りて相撲協会に残る話も出ていたが、立ち消えになった。00年に日本外国特派員協会の講演で、自らの体験を挙げて八百長を告発。同年、八百長の暴露本を出版した。08年には記事を巡る裁判に証人として出廷し、自らの八百長への関与を認めた。

 ◆板井圭介(いたい・けいすけ)1956年(昭31)3月21日、大分県臼杵市生まれ。大分水産高(現海洋科学高)から実業団の黒崎窯業を経て大鳴戸部屋入門。同年秋場所に前相撲で初土俵。序ノ口、序二段、三段目と3場所連続で優勝。序ノ口からの26連勝は当時最多。幕下も2場所で通過し、79年秋場所新十両、80年秋場所新入幕。89年夏場所で自己最高位となる小結に昇進。幕内に54場所在位し、通算成績は496勝515敗(前相撲3勝、不戦敗5含む)98休。金星3個。殊勲賞、技能賞各1回。91年秋場所限りで引退。

87年11月、新横綱大乃国(右)を破り初金星の板井

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若隆景巡業でハプニング、親方衆が「無理するな」

巡業で地元・福島に凱旋(がいせん)しインタビューを受ける若隆景


 十両力士の若隆景(23=荒汐)が10日、故郷の福島県に関取として凱旋(がいせん)した。

 大相撲の夏巡業は10日、福島県白河市で行われた。会場で一番の拍手を集めたのが、福島市出身の若隆景だった。関取衆の稽古で場内に響く「福島市出身、若隆景」のアナウンス、そして取組で巨漢の臥牙丸を寄り切ると、館内がわいた。

 朝稽古では申し合いの輪に加わり2番(1勝1敗)取り、しばらくして名古屋場所で初優勝した関脇御嶽海に胸を借りようとした。ところが、ここで土俵下の親方衆が“待った”。実は「(初めて参加した)巡業の疲れなのか、ここに…」と若隆景が指さした左のおでこに、腫れ物が…。「今朝、起きたらヘルペスができていて」。これに気付いた親方衆が「無理するな」とストップをかけた。

 そんなハプニングも、凱旋巡業に水を差されることはなく、取組後の花道奥ではサインや記念撮影に、気さくに応じていた。

 「やっぱり地元の声援を受けると、より一層、頑張ろうという気持ちになります。福島のなまりを聞いたら、懐かしい気持ちになりました」と若隆景。新十両だった5月の夏場所から2場所連続で勝ち越し中。着実にステップアップする。

巡業で地元・福島に凱旋(がいせん)し笑顔で花道を引き揚げる若隆景
巡業で地元・福島に凱旋(がいせん)した若隆景

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遠藤、凱旋で大忙し「懐かしかった」歓声は横綱並み

ぶつかり稽古で豊山に胸を借りる遠藤


 大相撲夏巡業は1日、石川・小松市で行われ、ご当地力士の遠藤は、大勢のファンからのサイン攻めや髪結い実演などで大忙しの1日となった。

 歓声も横綱、大関陣並みの人気。久しぶりの凱旋(がいせん)だったようで「飛び交う方言が懐かしかった」と笑顔を見せた。夏場所で痛めた右腕は完全には回復しておらず「もっとよくなってくれればと日々思っている。その延長で結果がついてくれれば」と願った。

囲み取材を受ける石川出身3人組。左から遠藤、輝、炎鵬

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貴乃花親方、貴ノ岩の十両Vにも「力強さが必要」

十両優勝した貴ノ岩(右)は師匠の貴乃花親方に報告する(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ


 復帰3場所目の貴ノ岩(28=貴乃花)が、13年以来2度目の十両優勝を果たした。本割の旭秀鵬戦で敗れ、2敗で並んだ隆の勝との優勝決定戦で、相手の押しに負けず引き落としで勝った。「肩の力を抜いて思い切りやれた」と胸をなで下ろした。29日から始まる夏巡業にも、昨年10月の秋巡業以来の参加予定だ。

 昨年10月に元横綱日馬富士関に酒席で暴行を受け、九州場所と初場所を休場した。相撲協会からの特別措置で、春場所は十両最下位格に据え置かれた。春場所は8勝7敗。夏場所は11勝4敗と、本来の状態へ上げてきた。

 休場以前から現在の体重の増減は2~3キロで「(休場前から状態は)ほとんど変わらない。場所前の稽古をしっかりやれた証拠」と、胸を張った。師匠の元横綱貴乃花親方は「結果は良かった」とうなずく一方で「以前の力強さは戻っていない。70%くらいですかね。28歳といい年なので今までにない力強さが必要」と注文を出した。

 秋場所で5場所ぶりの幕内復帰が確実となった。「基本の稽古を心掛けてきた。1枚でも上を目指して精進し、次は三役を目指して頑張る」と意気込んだ。【佐藤礼征】

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御嶽海、大関へあと11勝 阿武松部長は内容も重視

殊勲賞と技能賞を受賞した御嶽海(中央)は賜杯を掲げ敢闘賞の豊山(左)、朝乃山と三賞の記念撮影に臨む(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が、大関とりとなる秋場所(9月9日初日、東京・両国国技館)で大きな壁に挑む。優勝から一夜明けた千秋楽の一番で、平幕の豊山に負けて13勝2敗で今場所を終えた。大関昇進の目安の三役で3場所33勝以上まであと11勝。数字の壁を越えるのも必要だが、昇進をあずかる審判部の阿武松部長(元関脇益荒雄)は、内容も重視することを示唆した。

 意地と意地とのぶつかり合いだった。初優勝から一夜明けの、千秋楽での一番。優勝を争った豊山の強烈な立ち合いにも全くひるまなかった。右を差して一気に土俵際へ。勝負ありと思ったが粘られた。攻めから一転、激しい突きに引いた。それでもうまく逃げ回り、再び右を差した。盤石の体勢。一気に土俵際に運んだが、豊山の捨て身の掛け投げに土俵下に転げ落ちた。迫力ある一番に、会場内は大歓声に包まれた。

 支度部屋に戻ると、悔しさをあらわにした。同じく学生出身で1学年下の豊山に完敗。「今日の一番はしっかり勝ちたかった。最後の最後で勝って終わりたかった」とつぶやいた。

 初優勝を果たし13勝2敗で終えた今場所。夏場所の9勝を加えると合計22勝となり当然、秋場所での大関とりの声は挙がった。だが阿武松審判部長は「内容が大きく加味される。(今場所は)横綱が出ていないから、いろいろな意見があると思う。横綱とどれぐらい距離が縮まっているか。どういう相撲を取るか、そこを見たい」と慎重だった。

 支度部屋では悔しさをにじませたが、優勝インタビューでは「上を目指して稽古して励んでいきたいと思います」と、大関とりの来場所を見据えた。過去の横綱との対戦成績は相撲を取って7勝17敗。後半戦での対戦が濃厚なだけに連敗となれば印象は悪く、休場した3横綱が万全の状態で出てくれば高いハードルになりそうだ。

 自身3度目の殊勲賞と、2度目の技能賞を受賞。技能賞は、反応の早さや四つのうまさを評価されてのものだった。その四つをもってしても最後を締められなかったが「充実した場所だった」と15日間を振り返った。そして「ゆっくり休みたい」とポツリ。大関とりへ、今だけは羽を休める。【佐々木隆史】

 ◆御嶽海の母マルガリータさん (表彰式を見て)すごく感動した。なかなかもらえないと思うので。自分の息子を褒めることになるけれど、すごいな、うれしいと思いました。13日目と14日目はおなかが痛くなった。胃が痛くなった。こんなこと、こんな気持ちは初めてでした。

 ◆会場で観戦した御嶽海の父大道春男さん 運がいいのか、上位の力士がけがをされたりした中でだったけれど、こうして優勝させていただいた。(賜杯を受け取る姿を見て)良かった、よくやってくれたという気持ちでおります。力士みんなが目指すところ初優勝だけでなく、大関という次の夢があると思うので、またしっかりやってほしい。

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常幸龍が十両復帰濃厚、息子激励で3連敗から4勝目

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ


 三役経験者で東幕下5枚目の常幸龍(29=木瀬)が16年夏場所以来の十両復帰を濃厚にした。

 新十両を目指す極芯道と3勝3敗同士の7番相撲に勝って、4勝3敗とした。「最後に自分の相撲が取れました」と目を赤くした。3連勝し、3連敗した後の4勝目。「3連勝した時は少し気持ちが楽になりました」というが、幼稚園に通う長男に「あと4勝で優勝だね」と電話で励まされたといい「ほんと、そんな簡単に言うなよ」と苦笑いで、苦労の末の勝ち越しを振り返った。

 日大相撲部出身で2年の時に学生横綱に。プロでは11年名古屋場所の序ノ口デビューから27連勝を飾るなど、14年秋場所には小結として新三役。ところが、16年初場所で右膝を負傷、同年夏場所後に手術に踏みきり、2場所連続休場後に復帰した同年九州場所では西三段目23枚目まで番付を落とした。

 「手術した時は勇気がいったし“戻ってこれなかったら…”と不安でいっぱいでした。この2年間、きつかったですが、僕よりきつい人は社会にいくらでもいると思い、我慢してきた」。幕内土俵入りをテレビで見るなど悔しさを胸に刻み、復活の階段を上った。

 今年2月には次男日彩(ひいろ)君が誕生。守る家族が増えた。十両で迎えることが濃厚な来場所へ。「(関取が締める)白まわしを買いに行かないと。手術の後、験が悪いから捨てたんです」。15年名古屋場所では、今場所優勝の御嶽海を十両で破った男が、次は幕内復帰を目指していく。

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鏡桜が三段目優勝「奥さんや子供支え」関取復帰誓う

三段目優勝した鏡桜(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇22日◇ドルフィンズアリーナ


 7戦全勝同士による三段目の優勝決定戦が、十両の取組終了後に行われ、西11枚目で幕内経験もある鏡桜(30=鏡山、モンゴル出身)が、東91枚目の佐々木山(27=木瀬、秋田県大館市出身)を、土俵際の逆転の突き落としで破り、十両、幕下に続く3度目の各段優勝を飾った。

 16年夏場所以来の関取復帰を目指す鏡桜は、東幕下10枚目だった3月の春場所で、右膝を負傷し、先場所は全休したため、約9年ぶりに番付を三段目まで落とした。その再起の場所で優勝を決め「リハビリを4カ月、毎日頑張った結果がこうなった」と毎日のようにプールと四股を続けた成果を喜んだ。師匠の鏡山親方(元関脇多賀竜)からも「一生懸命やればチャンスは必ず来る」と励まされてきた。「奥さんや子供が支えだった。もう1回(関取で活躍できるように)頑張る」と早期の関取復帰を誓っていた。

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佐々木山が全勝キープ 鏡桜と三段目優勝決定戦へ

佐田ノ輝(左)を寄り切りで破る佐々木山(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇20日◇ドルフィンズアリーナ


 3人が6戦全勝で並んで迎えた三段目の優勝は、千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 最初に登場した東91枚目の佐々木山(27=木瀬)は、序二段で優勝争いする佐田ノ輝を寄り切りで破り、全勝をキープした。その24番後に、西11枚目の鏡桜(30=鏡山)と東47枚目の琴手計(18=佐渡ケ嶽)が全勝対決。鏡桜が押し倒しで勝ち7戦全勝とし、佐々木山との優勝決定戦進出を決めた。

 幕下常連だった佐々木山は、昨年秋場所の1番相撲で右足を脱臼骨折し、同場所の2番相撲から今年3月の春場所まで休場。5月の夏場所から復帰した。本割で7勝したことで、5場所ぶりの幕下復帰を決めていることもあり「最後もケガなく相撲を取って、勝ったら良かった、負けたら負けたで幕下には戻れるから」と肩の力を抜いて千秋楽の土俵に上がる。

 一方、前頭9枚目の実績がある鏡桜も、今年春場所の2番相撲で上手出し投げで勝った際、右膝の裏を負傷。先場所は全休しており、こちらも復帰場所で7連勝。2年前の名古屋場所を最後に、遠ざかっている関取の座へ近づきたいところ。「家族、子供が支えで、まだ力は落ちてない。7番勝つことが今場所の目標だった」と、優勝決定戦には気負わずに臨める。佐々木山とは幕下で2度対戦し2勝。約9年ぶりに落ちた三段目を1場所で通過し、再び上を目指す。

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津志田が序ノ口全勝V「集中して相撲が取れた」

浪満(左)を押し出しで下し序ノ口優勝を決めた津志田(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇20日◇ドルフィンズアリーナ


 6戦全勝同士による序ノ口の優勝争いは、東28枚目の津志田(19=時津風)が、5月の夏場所で初土俵を踏んだ同期生で西29枚目の浪満(17=立浪)を得意の相撲で押し出した。

 番付に初めてしこ名が載った“デビュー場所”での幸先いい力士人生のスタート。ただ津志田は、喜びを爆発させるわけでもなく、穏やかな表情で喜びをかみしめた。今場所を振り返り「7番とも、しっかり集中して相撲が取れました。今日は、なおさら1番勝負。集中して一発で決めようと思いました」。

 岩手・八幡平市出身。小2から相撲を始め6年時には、わんぱく相撲の全国大会でベスト8。西根一中2年時には全中で団体準優勝。平舘高2年時の高校総体では団体8強など、実績を携えての入門だった。「回りからは(優勝して)当然だ、みたいに思われていた。実際に勝ってみて、やっぱりうれしかった」と、少しだけ感情を表に出した。

 突き押し相撲で制したが「次からは四つ相撲に磨きをかけたい」と言い、将来的にも「両方ともできるように」という。また目標の力士についても「正直、あまりいません。誰かに似せていこうと思わないで、自分らしい相撲を取りたい」と意思は明確。入門時に「関取になるまでは、ふるさとに戻らない。そのつもりで稽古に励みたい」と話していた固い決意で力士人生を歩む。

序ノ口優勝の津志田(撮影・前岡正明)

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栃煌山、強いパパになる 御嶽海2差「ついていく」

千代大龍(手前)を押し出しで破る栃煌山(撮影・奥田泰也)

<大相撲名古屋場所>◇11日目◇18日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭13枚目栃煌山(31=春日野)が西同6枚目千代大龍を押し出しで破り、9勝2敗。この日、全勝を守った関脇御嶽海との2差を守った。現在の幕内力士で大関経験者を除き、最多25場所の三役経験を誇り、12年夏場所では優勝決定戦も戦った実力者だ。最高気温39・2度を記録した灼熱(しゃくねつ)の名古屋で悲願の初優勝へ-。休場した同部屋の新大関栃ノ心の分まで、V戦線を熱くする。朝乃山も2敗を守った。

 幕内屈指の当たりを誇る千代大龍を、栃煌山が立ち合いで止めた。引かれてできた微妙な距離にも、攻める気持ちを忘れず押し出した。「今日みたいな相手に当たり負けしなかった。(相撲は)よくなっている」。御嶽海と2差を守った。

 新大関栃ノ心を輩出した春日野部屋で栃ノ心より1年早く入門、何度も「大関候補」といわれた。三役25場所は、大関経験者を除き幕内力士最多。12年夏場所では賜杯を旭天鵬に譲ったが、優勝決定戦に進んだ。そんな実力者が初場所で左大胸筋肉離れ、先場所は東前頭15枚目、新入幕の07年春場所以降で自己ワーストタイまで番付を落とした。

 「四股、てっぽう、すり足をもっとやれ」-。夏場所後、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)に助言され、基礎を倍近くこなした。「数年前から“重さ”がなくなった感じがあった。今は尻から背中にいい張りがある」。場所前の出羽海部屋への出稽古では御嶽海を9勝1敗と圧倒した。

 猛暑の戦いの中、癒やしは連夜のテレビ電話だ。相手は妻せりさん、生後10カ月の長女禀(りん)ちゃん。「どこで覚えたんか、“ママ”と言ったんですよ」。残念ながら「パパ」はまだ。強い「パパ」と呼ばれたい。無念の休場となった栃ノ心のためにも頑張りたい。「この位置(トップと2差)にいるんでね。ついていきたいと思ってます」。残り4日。帰ってきた実力者は最後まで夢を追う。【加藤裕一】

2敗を守り、懸賞金を受ける栃煌山(撮影・岡本肇)

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北勝富士「悔しい思い」乗り越え今年初の勝ち越し

北勝富士(右)に突き落としで敗れる妙義龍(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇11日目◇18日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭16枚目北勝富士(26=八角)が今年4場所目で初の勝ち越しを決めた。

 東前頭9枚目妙義龍を突き落としで破った。「けががあって、いろいろ悔しい思いをしてきたけど、ようやく“北勝富士らしい相撲”をとれるようになってきました」。素直な喜びを口にした。

 夏場所は頸椎(けいつい)椎間板ヘルニア、右大腿(だいたい)四頭筋肉離れで途中休場。「悪霊に取り憑かれてるんじゃないか」と思い、今年も入門以来、名古屋場所前に欠かしたことがない熱田神宮に参拝。1万円で厄払いをしてもらったという。

 全勝の御嶽海は同学年、最大のライバル、目標だ。残り4日で3差は厳しいが「まだまだ優勝はわかんない。“御嶽海の援護射撃”とは言われてたくない。逆に僕が優勝をとってやるつもりでいきます」と鼻息は荒かった。

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貴ノ岩10勝目「緩めずに」来場所での再入幕濃厚に

貴ノ岩

<大相撲名古屋場所>◇11日目◇18日◇ドルフィンズアリーナ


 西十両3枚目貴ノ岩(28=貴乃花)が、西十両10枚目照強(23=伊勢ケ浜)を下して10勝目を挙げ、来場所での再入幕が濃厚となった。

 照強に中に潜られて足を取られかけたが、寸前で回避した。しかし、上体が起き上がると土俵際まで一気に運ばれた。ここで慌てないのが、貴ノ岩の強み。土俵際で踏ん張って体を落とし、左を差して有利な体勢を作ると、逆の土俵際まで一気に運んで寄り切りで下した。「足を取るとは頭になかった」と予想していなかったが、冷静に対処して白星をつかんだ。

 これで秋場所(9月9日、東京・両国国技館)での再入幕が濃厚となった。昨年10月の元横綱日馬富士関による傷害事件の被害で、同年九州、今年の初場所を全休。番付を十両下位まで落とした春場所で復帰して、夏場所に続き2場所連続の2桁白星を挙げた。再入幕となれば昨年九州場所以来だが「最後まで緩めずに頑張るだけです」と、目の前の一番に集中する。

 十両の優勝争いも1敗で単独トップで引っ張っている。「意識してもいいことないですよ」と自然体で、13年初場所以来2度目の十両優勝を狙う。

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御嶽海10連勝 理事長、来場所大関とり示唆

田中マルクス闘莉王(右)と握手を交わす御嶽海(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇10日目◇17日◇ドルフィンズアリーナ


 関脇御嶽海(25=出羽海)が大きな壁を越えた。平幕の輝を寄り切りで下して初日から10連勝した。三役での2桁白星は10場所目にして自身初。1差で迫っていた平幕の朝乃山が星を落とし、後続を2差離して優勝争いを単独トップで引っ張る。初優勝に向けて白星を上積みすれば、秋場所(9月9日初日、東京・両国国技館)での大関とりの可能性も出てくる。

 いつも支度部屋では感情を出さない御嶽海が、この日は違った。「めっちゃうれしいですよ。ようやくだから」。短い、簡単な言葉に喜びがにじみ出た。

 立ち合いでまわしが取れなくても焦らなかった。突き合いとなったが引かず、右を差してから左を差して、一気に土俵際まで運んだ。初顔合わせの相手だったが「今までの意地もありますしね。力の差を見せつけられたと思います」と、地力の差を見せつけた。

 場所前の悔しさが力になった。7月2日に栃ノ心、3日に豪栄道、高安、栃ノ心の大関陣らが自分の部屋に出稽古に来た。2日は栃ノ心に5勝16敗。3日は大関陣らの申し合い稽古に入れず、最後に栃ノ心と2番取ったが勝てなかった。番付は1つしか違わないが、それ以上の力の差を痛感。だが、師匠の出羽海親方(元前頭小城ノ花)は「気持ち的に成長した」と、場所前の経験が好調の要因と分析した。

 大関昇進のチャンスが巡ってくるかもしれない。協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「この後の星次第で来場所、大関の声も出てくるだろう。1番でも多く勝つこと」と、秋場所で大関とりになる可能性を示唆した。昇進の目安は、三役で直近3場所33勝以上。夏場所と合わせて現在19勝で、今場所さらに白星を上積みすれば可能性は十分にある。

 3横綱休場場所を、見事に単独トップで引っ張っている。今日11日目は、過去4戦4敗の平幕の魁聖。「苦手な相手だから」と漏らしたが「2桁乗ったから明日からクールダウン」と冗談を言う余裕があった。初優勝へ、運命の後半戦が始まる。【佐々木隆史】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 御嶽海は自分の相撲に自信をつけている。今日でも恐れずに行っている。気持ちが強い。今場所は何か1つ、つかんだという場所にしたいだろう。高安は痛い1敗。(両大関とも)ここに来ての(御嶽海との)3差は大きい。

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豊ノ島3勝「5番勝つ」関取復帰へ残り2番連勝目標

<大相撲名古屋場所>◇9日目◇16日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 関脇経験者で西幕下7枚目の豊ノ島(35=時津風)が、2勝2敗で迎えた今場所の5番相撲に登場した。

 十両と幕下上位に名を連ねる「大波3兄弟」の長男で、同10枚目の若隆元(26=荒汐)と対戦。押し倒しで勝った。今場所は1番相撲から、白星と黒星が交互に並ぶ、いわゆる“ヌケヌケ”が続き、再び白星先行の3勝2敗で3場所連続の勝ち越しに王手をかけた。

 5月の夏場所も寄り切りで勝っている相手に、立ち合いの踏み込みから圧力をかけた。「(相手は)軽量だから、横の動きだけには気をつけた」と話すように、右にいなし気味に動いた相手をよく見て追い詰め、反時計回りに回り込もうとする若隆元を最後は押し倒した。

 相手のいなしにも「食って負けたら負けたでしょうがない。開き直り勝ち」と迷わず前に出た。12年半も在位した、関取の座から幕下に陥落したのが2年前の九州場所。図らずも今場所と同じ西幕下7枚目の番付だった。その時は4勝3敗で1点の勝ち越しに終わったため、翌場所の番付は1枚しか上がらなかった。

 幕下は15枚目以内なら7戦全勝で十両昇進が確定するが、それ以外は通常、5枚目以内で勝ち越した力士が権利を得る。もちろん他力士の成績や、十両からの陥落力士数の兼ね合いもあるが、十両を目指す力士は当面、5枚目以内を確保したいところ。豊ノ島も「5枚目以内なら違うし、1つの大事なところ」と話すだけに「まずは(4勝目を挙げての)勝ち越しを目指すけど、5番勝って来場所につながるようにしたい。4勝なら5枚目に入らないかもしれないからね」と、残る2番で連勝を目標にする。

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栃ノ心、苦渋の休場 再出場に含みも状況は厳しく

朝稽古の途中、師匠の春日野親方(右)と話す栃ノ心(撮影・加藤裕一)

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇14日◇ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心が7日目から休場した。前日の玉鷲戦で右足親指付け根を痛め、日本相撲協会に「右母趾(ぼし)MP関節側副靱帯(じんたい)損傷で約1カ月の加療を要する見込み」との診断書を提出した。

 栃ノ心は朝稽古で四股を約70回踏み、最後まで出場の可能性を探った。苦渋の決断に「痛い。(足が)踏めない。靱帯が全部じゃないけど、ちょっと切れてる。名古屋のみなさんに申し訳ないです」。5勝のまま今場所を終えれば、来場所はかど番。栃ノ心は「出られるなら、やりたい」と言い、師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)も「症状が激変すれば」と再出場に含みを持たせたが、状況は厳しそうだ。

 ◆新大関の休場 現行のかど番制度となった69年名古屋以降、00年夏場所の武双山以来18年ぶり7人目。翌場所も負け越して大関陥落したのは、過去に武双山だけ。11年春場所で千代大海が休場、翌場所全休したが、公傷制度(当時)により陥落しなかった。

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3横綱不在、八角理事長「お客さんには申し訳ない」

鶴竜の休場で19年ぶりに3横綱が休場に(撮影・岡本肇)


 19年ぶりに3横綱全員が不在という異常事態に陥った。3場所連続優勝を目指していた横綱鶴竜(32=井筒)が、名古屋場所6日目の13日、日本相撲協会に「右肘関節炎で13日より2週間の安静休務を要する見込み」との診断書を提出して休場。初日からの稀勢の里、4日目からの白鵬に続き、3横綱が全員不在。1999年春場所で曙、若乃花、貴乃花が相次いで休場して以来、昭和以降5度目の事態となった。

 ファンにとっては、さびしい場所となった。午前7時30分ごろ、愛知・東浦町の部屋宿舎を出発した鶴竜は、名古屋市の病院経由で帰京した。師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)は「靱帯(じんたい)とか筋肉の炎症。だいぶ状態が悪く、力が入らないということだった。場所前から悪かった」と取組ではなく、6月下旬の名古屋入り後の負傷と明かした。今後は都内の病院で再検査を予定している。

 今年に入って稀勢の里は4場所すべて、白鵬は3場所休場。鶴竜は皆勤してきたが、今場所は4、5日目と平幕に連敗。3連覇が遠のいたタイミングで決断した。井筒親方は「先場所は晴天だったのに今回は嵐になってしまった。天国から地獄。つらいですな」と、無念の思いを代弁した。

 突如、結びの一番となって臨んだ新大関栃ノ心は初黒星を喫した上に、休場危機に陥った。阿武松審判部長(元関脇益荒雄)は「(横綱が)いなくなって初めて分かる」と、横綱不在が影響した可能性を指摘した。

 ファンからは厳しい声も上がった。静岡・浜松市から訪れた鈴木智久さん(59)は冗談半分ながら「ちょっとお金を返してほしいよね」と漏らした。「お金を払う以上、厳しい目で見ていきたい」(20代女性)という意見も多数あった。八角理事長(元横綱北勝海)は「お客さんには申し訳ない」と話し、力士の奮闘に期待した。

 若貴、曙以来19年ぶりの3横綱不在。横綱の本場所不在も、1人横綱の朝青龍が3日目から休んだ2006年夏場所以来になる。複数の横綱が全員不在となるのは、朝青龍と武蔵丸がともに途中休場した03年名古屋場所以来15年ぶりだ。昨年からの不祥事に続いて「本丸」の土俵が充実しなければ、再び相撲界は不遇の時代を迎えかねない。

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御嶽海“準ご当地”で大声援力に5連勝「ここから」

松鳳山(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 “準ご当地”の御嶽海が、初日から無傷の5連勝を飾った。立ち合いで松鳳山につっかけられて、1度目は待ったがかかった。「特に」と気にはせず、2度目の立ち合いは出遅れることなく正面からぶつかって一気に土俵際まで運んで押し出した。「うまく体が動いてくれました。ちゃんと相手を分析しながら相撲が取れている」と振り返った。2場所連続で負けていた相手を、ものともしない相撲で圧倒した。

 小結だった夏場所で勝ち越して、関脇返り咲きで挑む今場所。隣県の長野出身だけに連日送られる大声援を力に、8連勝した初場所以来の初日から5連勝だ。序盤戦とはいえ、優勝争いのトップを栃ノ心と並走している。「ここからじゃないですかね。辛抱強くやりたい。もう1回気持ちを切り替えたい」。2横綱休場場所を若い力が引っ張る。

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阿炎“心の師”鶴竜破り思わず涙「夢かないました」

鶴竜(左)を突き出しで破る阿炎(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇5日目◇12日◇ドルフィンズアリーナ


 東前頭3枚目の阿炎(あび、24=錣山)が“心の師”と仰ぐ横綱鶴竜を破る金星で、涙を流して喜んだ。立ち合いから、攻めに攻めて突き出す快勝。5月夏場所の横綱白鵬撃破に続く、2場所連続の金星となった。16年九州場所から約1年間、付け人を務める中で、今も尊敬してやまない存在となった鶴竜を2度目の対戦で破り、恩返しを果たした。

 わずか1年余り前まで、横綱と付け人の幕下力士という関係だった。それが結びの一番で、座布団を舞わせる強敵となって立ちはだかった。阿炎が、究極の下克上をやってのけた。「鶴竜関には感謝しかない」。取組後、鶴竜と土俵に向かって深々と頭を下げた。座布団の1枚が顔面を直撃したが、痛みなど感じている暇はなかった。金星は、すでに先場所で経験しているが格別だった。遠い存在を超え、こみ上げるものがあった。「人前では我慢したけど」と、花道を過ぎると涙をこらえられなかった。

 「とにかく攻めようと思っていた。攻めて負けたら仕方ない」。もろ手突きの立ち合いから突っ張り続けた。1度は押し込まれたが「夢中だった。(内容は)よく覚えていない。下は向かず、ずっと横綱だけを見ていた」と、構わず前に出続けた。付け人となってすぐに、鶴竜から1日300回の腕立て伏せを命じられ「300回も!?」と驚いたこともあったが、その成果をまざまざと見せつけた。

 十両から陥落し、幕下でくすぶっていた時に付け人を務めることが決まった。当時は負け越しが続き「オレなんか続けていても意味がない」と、実は知人を介して再就職先が内定していた。「師匠から勉強してこいと言われ『何が勉強だ』と思っていた」。だが人にあたることも、人のせいにすることもなく、黙々と努力を続ける鶴竜の人柄に触れて人生が変わった。鶴竜のようになりたい、認めてもらいたい、戦いたい。そして、勝ちたいという夢ができた。「あの時代がなかったら相撲をやめていたかもしれない」と振り返る。

 今場所前も部屋に稽古をつけに来てもらった。7番取って全敗と歯が立たなかったが、一番一番が勉強になった。いつも阿炎の成長の陰には鶴竜がいた。「1つの夢がかないました」。対戦できただけで満足だった初顔合わせの先場所。そこから大きな大きな1歩を踏み出した。【高田文太】

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勢「忘れられへんな~」鶴竜押し出し&婚約のW金星

鶴竜(右)を押し出しで破る勢(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇4日目◇11日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭2枚目勢(31=伊勢ノ海)が横綱鶴竜から金星を挙げた。白鵬休場により、急きょ結びとなった一番で、身長194センチの巨体をぶつけるように一気に押し出した。金星は昨年名古屋場所で稀勢の里から奪って以来5個目だが、今場所前に女子プロゴルファー比嘉真美子(24)との婚約を公表しており、角界屈指の男前が土俵内外で会心の“W金星”だ。4戦全勝は新大関栃ノ心、関脇御嶽海の2人だけとなった。

 大歓声の中、座布団が舞う。白鵬休場で結びとなった一番。勢が勝ち名乗りを受けた。懸賞を右手で力強くつかむ。「忘れられへんな~、押し切った感触…。座布団、久しぶりに飛んでたし」。横綱鶴竜を一気に押し出した。力強い踏み込みで前に出て、何もさせない。昨年名古屋場所5日目の稀勢の里戦以来、1年ぶり5個目の金星。「横綱相手にああいう相撲が取れたら自信になります」。男前な取り口に、きっとフィアンセもシビれたはずだ。

 今場所前も“金星”があった。女子プロゴルファー比嘉との婚約を明かした。15年夏場所で出会い、交際1年の昨夏に「僕だけの“マミちゃん”になってください」と真っ向勝負でハートを射止めた。当然、今場所中も連絡を取り合っているはずだが「企業秘密です」とけむに巻き「今はもう場所も始まっているし、相撲のことしか考えられませんから」。

 比嘉は今季賞金ランク4位のトッププロ。大事に思うからこそ、公私は分けている。勢は「力が入りすぎると、ヘッドが走らんでしょ?」と相撲をスイングにたとえるほどのゴルフ好きだ。しかし、1度も一緒にプレーしたことがない。「練習に付き合って」と言われ、ショット練習を見守ったことがあるだけだ。

 「お互いに頑張れば、お互いに刺激になる。うん。いいライバルですよ」。比嘉は8月2日開幕の海外メジャー・全英リコー女子オープンに出場する。「僕は毎場所通り、15日間相撲を取りきる。それだけです」。自分の、ファンの、彼女のために勢は土俵に全力を注ぐ。【加藤裕一】

鶴竜を破り、座布団が乱れ飛ぶ中で勝ち名乗りを受ける勢(撮影・岡本肇)
比嘉真美子(2018年5月10日撮影)
支度部屋で笑顔を見せる勢(撮影・鈴木正人)
鶴竜(左)を押し出しで破る勢(撮影・鈴木正人)

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栃ノ心141キロ引っこ抜き「先場所と同じだね」

松鳳山(左)にもろ差しを許した栃ノ心は、怪力で強引につり上げる(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇3日目◇10日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 栃ノ心が小結松鳳山を豪快につり出し、3連勝だ。

 もろ差しを許したが、左上手でまわしを引くと腰を落とし、右上手もグイッ。外四つで体重141キロの相手を引っこ抜いた。「先場所と同じだね」。夏場所は初日にほぼ同じ体勢から松鳳山をつった(決まり手は寄り切り)。「相撲は良くないけど、白星が一番」。先場所の15日間から続き、験担ぎで同じとんぼ柄の浴衣を着ていることを明かし「とんぼがいいのかな?」と上機嫌だった。

 幕内後半戦の阿武松審判長(元関脇益荒雄) 栃ノ心には長く強い力士でいてほしいから(ケガを誘発しかねない)あのつりは危ないが、今あれだけつれる力士はいない。高安は勝負がつくまでは攻め続けないといけない。甘さが出て、もったいない一番だった。

支度部屋で笑顔を見せる栃ノ心(撮影・上田博志)

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服部桜が勝ったぞ 連敗89で止め「うれしかった」

颯雅(手前)の腰砕けで白星を挙げた服部桜(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇3日目◇10日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東序ノ口34枚目服部桜(19=式秀)が、東序ノ口30枚目颯雅の腰砕けによって白星を挙げ、連敗を89で止めた。

 立ち合いは正面からぶつかり、右を差されたが抵抗しようと抱え込んだ瞬間に相手が崩れ落ちた。「うれしかった。自分の立ち合いをしようと思った」とほほえんだ。16年夏場所以来約2年ぶりの通算2勝目(111敗1休)に、午前8時半すぎで観客がまばらな館内は拍手に包まれた。師匠の式秀親方(元前頭北桜)は「これだけ負けて逃げ出したいこともあったと思う。こんなところで喜んでいる場合ではないのは分かっているけど、これをきっかけに3勝目、4勝目を目指して欲しい」と目を細めた。

 首を痛めて満足に当たれなかった時期もあったという。それでも服部桜は「いろいろあったけど、辞めようとは思わなかった。次は勝ち越しを目指す」と闘志を燃やした。

颯雅(手前)の腰砕けで白星を挙げた服部桜(撮影・鈴木正人)
颯雅の腰砕けで白星を挙げ、勝ち名乗りを受ける服部桜(撮影・鈴木正人)

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遠藤、声援に「力が入る」幕内で初!初日から3連勝

千代翔馬(右)を切り返しで破る遠藤(撮影・鈴木正人)

<大相撲名古屋場所>◇3日目◇10日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭6枚目の遠藤(27=追手風)が、幕内では初めて初日から3連勝を飾った。千代翔馬の立ち合い変化にも動じず切り返し。無傷の3連勝は、新十両の13年名古屋場所以来、5年ぶり2度目となった。新小結だった5月の夏場所では、右上腕二頭筋遠位部断裂で途中休場するなど3勝10敗2休。今場所は番付を落としたが、三役を経験して一皮むけた姿を見せている。

 三役のカベを1度越えた経験が、遠藤に余裕をもたらした。1度つっかけた後の2度目の立ち合いで、千代翔馬に右に変化された。だが慌てずにつかまえ、左足を相手の右膝裏にあてがい、ひねり倒した。遠藤にとって珍しい「切り返し」は13年九州場所の天鎧鵬戦以来、約5年ぶり2度目。初日からの3連勝は幕内では初めてだった。好発進に「いいんじゃないですか」と納得の様子。「しっかり反応できたのでよかった」と、自信を深めていた。

 審判長として土俵下から見ていた藤島親方(元大関武双山)は「人気先行から実力もついてきている。もっともっと化けてもらわないと。早く三役に復帰して活躍してもらいたい」と、評価。一段と声援も大きくなり、遠藤も「しっかりと声援に応えようという気持ちになるし、力が入るし、ありがたい」と感謝した。

 東西の前頭筆頭4度目の挑戦の末、先場所で新三役となった。だが先場所6日目に右肘に近い筋肉を断裂。10日目から再出場したが6連敗で、白星は積み重ねられなかった。それでも気落ちせず、毎日同じことを繰り返した。この日の朝稽古も、てっぽうを100回ぴったり打ち込み、立ち合いの確認。暑さ対策を問われても「食って、寝る」と、春夏秋冬変わらぬ回答。裏を返せば、変わらない日常を繰り返した先に結果が伴ってくる自信がある。幕内通算200勝にも王手をかけ、自信と連勝を伸ばす要素はさらに増えていく。【高田文太】

千代翔馬(手前)を切り返しで破り3連勝の遠藤(撮影・岡本肇)

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比嘉真美子と婚約の勢「足が地に着いてない」3連敗

豪栄道に寄り切りで敗れた勢(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇3日目◇10日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 東前頭2枚目勢(31=伊勢ノ海)が大関豪栄道に寄り切られ、3連敗となった。

 「足が地に着いてないですね。上体ばかりで相撲をとっている。負けるにしても内容が悪すぎます」。関脇だった16年夏場所以来の三役が視界に入る番付で、初日から大関栃ノ心、関脇御嶽海と来て、この日も大関豪栄道。当然、番付上位との対戦が続く。「横綱、大関と当たる位置ですから、ここで勝ち越せば三役。でも、もちろんそんなに簡単じゃないですからね」。

 場所前に女子プロゴルファー比嘉真美子との婚約を明かし、大きな話題を呼んだ。注目を集める場所で、苦闘が続いている。

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栃ノ心連勝 5年前同じ日けが千代の国に奇妙な縁

千代の国に強烈なかち上げを見舞う栃ノ心(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇2日目◇9日◇ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心(30=春日野)が自在の強さで2連勝だ。平幕の千代の国を圧倒的パワーで押し出した。絶対的な型の右四つにこだわらず、状況に応じた突き押し相撲を披露。栃ノ心は13年名古屋場所で、右膝靱帯(じんたい)を断裂したが、同じ場所、同じ5日目に、千代の国も左大腿(だいたい)二頭筋を損傷した“因縁”がある。栃ノ心はともに故障からはい上がってきた相手を退けた。

 真っ赤な顔で栃ノ心が押しまくった。千代の国のすばやさに、両手突きは空を切ったが、慌てない。左肘をかち上げのように持ち上げ、顔をのけ反らせ、最後は巨体を預けるように土俵の外へはじき出した。

 「体が起きたからね。でも、気合入ってたし、前に攻めてましたし。攻めないとね。このまま押していけると思った」。今や代名詞とも言える怪力「四つ相撲」。それを捨てた。夏場所で痛めた右手首を考え、稽古で控えていた「突き押し」を解禁した。

 名古屋で千代の国といえば、13年7月11日の5日目を思い出す。徳勝龍戦で右膝前十字及び内側側副靱帯を断裂したが、同じ日に千代の国も左大腿二頭筋損傷及び、血腫の大けがを負った。「2番後(本当は3番後)で千代の国関もね」。病院に救急搬送されると、直後に千代の国も運ばれてきた。「5分後ぐらい。先代の九重親方(元横綱千代の富士)に付き添われてた」という。

 当時西前頭11枚目だった自分は4場所連続休場、力士生命の危機に直面し、西幕下55枚目まで落ちた。西前頭10枚目だった千代の国も翌場所、十両に陥落した。同じ日に負傷し、復活を遂げた奇妙な縁を感じながらの2連勝だった。

 昨年の名古屋も思い出深い。部屋の同僚、碧山が大躍進し、13勝2敗で優勝次点となった。栃煌山も12勝3敗。ところが、自分は9勝6敗。トリオでの2ケタ白星を逃した。「俺が千秋楽で負けたからね」と苦笑いする。今場所も栃煌山が2連勝、碧山も1勝1敗と悪くない。「3人で優勝争い? 言い過ぎでしょ。でも、そうなればいいね」。1年たって、今度は自分が引っ張る立場。まわしを引かなくても強い新大関が、部屋頭として優勝戦線を突っ走る。【加藤裕一】

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大鵬の孫、納谷が白星発進「待った」で落ち着き

笑顔を見せる納谷(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇2日目◇9日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 元横綱大鵬の孫で、西三段目50枚目の納谷(18=大嶽)が、送り出しで東三段目51枚目の松山を破り、白星発進した。立ち合いは、相手ののど輪で一瞬、上体をのけぞらせたが、すぐに突いて前に出た。左のはず押しで相手を後ろ向きにすると、すぐに右で突いて土俵外に追いやった。立ち合いで1度合わず、つっかける形となったが「気持ちだけ前に出ていたかも。『待った』してから落ち着いた」と振り返った。上体をのけぞらせた場面も「慌てなければ大丈夫と思っていた」と、冷静に取り切った。

 160キロ台中盤の体重はほとんど変わっていないというが「服がきつくなってきた。首とか腕周りとか」と、筋肉量が増えたことを実感しているという。押し相撲だが「まわしを切る動きを見て、盗もうとしている。テレビでも見るけど、1番は生で見て、部屋の兄弟子に教えてもらっている」と、技術習得にも積極的に取り組んでいる。

 5月の夏場所では初めて黒星を喫し、場所中にせき込むなど、体調不良にも陥っていた。当時について「風邪ではないです。五月病かな」と冗談交じりに答えるなど、余裕ものぞかせるようになった。元横綱朝青龍のおいで、序ノ口デビューが同じ3月春場所のライバル豊昇龍が、初日に敗れたが「誰かが負けたらどう、とかではなく、しっかり自分が勝っていけばいい」と、気を引き締め直していた。

松山(左)に送り出しで勝つ納谷(撮影・上田博志)

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栃ノ心1勝ジョージア国旗染め抜きなど「大関仕様」

勢を寄り切りで下す栃ノ心(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇初日◇8日◇ドルフィンズアリーナ


 新大関栃ノ心(30=春日野)が白星発進した。平幕の勢を絶対的武器の左上手で捕まえ、寄り切った。師匠・春日野親方(元関脇栃乃和歌)からもらった3本目の締め込みをお披露目。場所入り時に着る染め抜きも新品で、背中に巨大な故郷ジョージア国旗をデザインした。大関仕様の栃ノ心が平成以降、02年初場所の栃東、06年夏場所の白鵬に次ぐ12年ぶり3人目の“新大関優勝”へ滑り出した。

 大好きな風呂で15分も勝利の余韻を味わい、栃ノ心は支度部屋に戻ってきた。新大関場所を白星発進。床山に髪を結ってもらいながら、何度も笑みがこぼれた。「気合は勝手に入るよ。気合入らないと勝てないからね。プレッシャーはあったけど、相撲をとってる間は忘れてるね」。

 女子プロゴルファー比嘉真美子との婚約を明かし、気合十分の勢にも危なげない。立ち合いは胸で当たって即、左上手でまわしを取った。「とれたらね」と絶対的な武器を離さず、右四つから寄り切った。腰には場所で初披露した紫の締め込み。稽古場でならし、初めて相撲で使った。

 師匠の春日野親方に譲り受けた3本目。5年前の名古屋で右膝靱帯(じんたい)を断裂後、復活を期し、1本目は紺、2本目はグレーのものをもらい、使ってきた。3本目は、6月12日に故郷ジョージア凱旋(がいせん)から再来日後にもらった。

 「もらうタイミングを(探して)ね。稽古場で締め込みの話になったから“チャンスだ”と」。師匠に「ごっちゃんです!」と頭を下げた。候補は数本あったが「一番きれい」と選んだのは、大関の夢破れ関脇止まりだった師匠が晩年に締めたものだった。

 夏場の場所入り時に着る、着物代わりの「染め抜き」も新品だった。ジョージア国旗を背中一面にあしらうデザインで、こちらも再来日後に注文した。「国旗、でかすぎたね。(もう1つ肝心な模様の)オオカミが帯に隠れちゃう」。だが、まんざらでもない。

 師匠の夢を身につけ、故郷の応援を背負う。「特別なことはしない。いつも通り」が口癖だが、姿はきっちり大関仕様。新しい栃ノ心が、力強い1歩を踏み出した。【加藤裕一】

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鶴竜が好発進「攻められた」絶好体勢で松鳳山に雪辱

松凰山(左)を突き出しで破る鶴竜(撮影・上田博志)

<大相撲名古屋場所>◇初日◇8日◇名古屋市・ドルフィンズアリーナ


 3場所連続優勝を目指す横綱鶴竜(32=井筒)は、小結松鳳山を突き出して破り、好発進した。

 立ち合いで低く当たると、相手にまわしを取らせず、懐にも入らせない絶好の体勢。慌てた相手が前に出てくると、いなして、最後は落ち着いて土俵外へと追いやった。

 14勝1敗で初の連覇を達成した鶴竜にとって、松鳳山は5月の夏場所で唯一、黒星を喫している相手だった。それだけに「立ち合いでしっかり、自分のタイミングで立てたので、あとは流れで攻められた。先場所は立ち遅れて、下がって引いて負けていたので」と、敗因を分析し、それを克服しての快勝に笑顔も見せていた。

松鳳山(左)を突き出しで破る鶴竜(撮影・岡本肇)
八角理事長(右)に賜杯を返還する鶴竜(撮影・上田博志)

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栃ノ心12年ぶり新大関優勝へ、抜けた「心」がカギ

栃ノ心の願いを込めた短冊の「優勝」の文字は心が抜けていた(撮影・岡本肇)


 大相撲の新大関栃ノ心(30=春日野)が七夕の7日、今日8日に初日を迎える名古屋場所(ドルフィンズアリーナ)の土俵祭に参加し、短冊に「優勝できますように」と願いを書いた。ジョージア出身とあって「優」の漢字の中にある「心」が抜ける誤字だったが笑い飛ばした。心技体の技と体は準備万全。何度も「気合」と繰り返し、あとは「心」を整え、平成以降では栃東、白鵬に続く3人目の新大関優勝を狙う。

 栃ノ心のしこ名にも入っている「心」がなかった。七夕に行われた土俵祭に合わせ、この日から会場の正面入り口には、関取衆の願いが書かれた短冊が飾られた。土俵祭前には関取衆を代表し、栃ノ心と御嶽海が並んで写真撮影に応じた。栃ノ心の手には「優勝できますように」と短い言葉の中に、力強い決意を表明した短冊。だが「優」の文字の中にあるはずの「心」が抜けていた。それを指摘された当の本人は「ワッハッハ」と笑い飛ばしていた。

 日常会話には支障のないジョージア出身の栃ノ心だが、特に「優」のように画数の多い漢字を書くのは、得意とはいえない。そこで所属する春日野部屋の部屋付きの岩友親方(元前頭木村山)が、要望に応じて手本を書いていた。岩友親方は胸を指すジェスチャーを交えて「本人が心はここにあると言っていた。短冊では足りなかった文字と合わせて優勝ということです」と、本人は知ってか知らずか、美談にまとめ上げた。

 大関として心技体が求められる地位となるが「(痛めていた右の)手首は良くなったし、体の状態もいいので、あとは気持ち。気合ですよ」と、残るは「心」と力説した。大関として初めて臨んだ土俵祭は「いつもと違ってドキドキした」と、まだ「心」に課題が残っていることは自覚。「集中して優勝するつもりでやる」。平成以降では02年初場所の栃東、06年夏場所の白鵬以来、12年ぶりの新大関優勝へのカギは「心」と知っている。【高田文太】

七夕の短冊に願いを込めて笹の木に結ぶ栃ノ心(撮影・岡本肇)

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貴乃花親方、稀勢の里に「どこまで耐えられるか」

瀬戸市役所を表敬訪問して伊藤保徳市長(右)と笑顔で握手を交わす貴乃花親方


 大相撲の貴乃花親方(元横綱)が2日、今年から名古屋場所(8日初日、ドルフィンズアリーナ)の宿舎を構える愛知・瀬戸市の市役所を表敬訪問した。現役時代から付き合いのある関係者の紹介で、昨年まで過ごしていた三重・桑名市から移転。「稽古場が涼しくて稽古がやりやすい環境。夏場は稽古も激しくなるので体調管理がしやすいです」と、伊藤保徳市長に感謝の言葉を述べた。

 伊藤市長からは力士の状態を問われた。十両貴ノ岩については「少しずつですけど上がっている。元気に出させたいと思っています」と報告。春場所中の付け人への暴力行為で夏場所出場停止処分を受けた幕下貴公俊については「精神的に落ち着いている。恩返しする気持ちでやってほしい」と願った。

 また横綱として現役時代の自身と並ぶ、最長の7場所連続休場中の稀勢の里については「精神的にどこまで耐えられるか。もう横綱になってますから、あんまり深く考えすぎずにやれたらいいと思う」と話した。

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照ノ富士が両膝の手術受けた 名古屋場所出場難しい

照ノ富士(2018年5月14日撮影)


 大相撲の元大関照ノ富士(26=伊勢ケ浜)が6月25日に都内の病院で両膝の手術を受けたことが30日、分かった。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)が明らかにした。

 名古屋場所出場については明言しなかったが、極めて難しい見通しだ。照ノ富士は左膝のけがのため、昨年11月の九州場所で大関から関脇に落ち、糖尿病も患って春場所から十両に転落した。夏場所では左膝負傷で4日目に休場し、11日目から再出場したものの9敗6休に終わった。幕内優勝経験者としては初の幕下転落となり、名古屋場所では東幕下6枚目まで番付を落とした。

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