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白鵬の内弟子炎鵬が巡業初参加「いい形で来られた」

ぶつかり稽古で安美錦(右)に胸を借りる白鵬の内弟子の炎鵬(撮影・佐々木隆史)


 大相撲の秋巡業が14日、金沢市で行われ、ご当所で横綱白鵬の内弟子の三段目炎鵬(22=宮城野)が、巡業に初参加した。

 今春に金沢学院大を卒業するまで金沢で育った炎鵬は「半年前まで自分が見てた場所に、今こうやっているとは思わなかった。3場所連続優勝もしていい形で来られた」と感動した。

 朝稽古では、幕下以下の力士らによる申し合い稽古に参加したが「初めは緊張した。(関取らへの)あいさつとかもあってあまり身に入らなかった」と浮足立っていたという。しかし、序ノ口デビューした夏場所から3場所連続で優勝した実力を買われ、小結玉鷲、十両安美錦にぶつかり稽古で指名されるなど注目度は高い。さらに関脇嘉風から「『お前とやりたいからすぐに上がってこい』と言われた。憧れの存在なのでうれしい」と目を輝かせた。

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幕内最年長確実の安美錦が若い力士に負けないもの

十両の優勝決定戦に進出し笑顔を見せる安美錦(2017年9月24日撮影)


 大相撲秋場所で10勝を挙げ、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で昭和以降最年長の再入幕が確実な十両安美錦(伊勢ケ浜)は3日で39歳を迎える。

 38歳最後の日の2日、東京・両国国技館で全日本力士選士権に出場し、ずっと十両で過ごした38歳の1年間を「大変だったよね」と、しみじみと振り返った。

 37歳だった夏場所で左アキレス腱(けん)を断裂し、十両に落ちた。だが、相撲をあきらめず、幕内で取ることをあきらめず、たった4カ月で復帰。決して万全ではない中で、今年の初場所こそ負け越したが、それ以外は全て勝ち越してきた。

 39歳は、幕内から始まる。ただ、幕内に戻ることが今の目標ではない。「通過点としか思っていない。まだ上(三役)もあるしね」。

 39歳の1年間の目標は? 「変わらずにまた、相撲をやっていればいい。やることをやれる年に。しっかり稽古して、巡業に出て、場所に出て…。それの積み重ねしかないかな」。

 再び幕内最年長力士となる。だが、やっていることは、相撲に対する考えは、若い力士にまるで負けていない。

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稀勢の里が力士選士権2連覇「横綱として勝て光栄」


 日本最古の大相撲トーナメント「第76回全日本力士選士権」が2日、東京・両国国技館で行われ、左上腕付近のけがで秋場所を全休していた横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が大会2連覇を果たした。

 初戦から千代の国、大栄翔、正代、朝乃山を左四つから寄り切ると、決勝戦ではベテラン豪風に右で張り、左を固めて、右を抱える形で前進。あえなく寄り切り、4年前の日馬富士以来、史上8人目の連覇を達成した。「体をつくってきたことが出た感じです。鍛えた下半身もそうだし、全身を使いました。(大関だった昨年と違って)横綱としてトーナメントで勝てたことは非常に光栄。これをきっかけにして行きたい」と振り返った。

 久しぶりの関取との相撲には、これまでの「なす紺」から新たに、青みがかった「紫」の締め込みに替えて臨んだ。まだならしの段階だが、心機一転の意味合いも込められていただろうか。「非常に楽しかったというか、良かったです」と、土俵に上がって相撲を取れる喜びが、体からあふれていた。

 3月の春場所で負傷し、5月の夏場所と7月の名古屋場所は途中休場、9月の秋場所は全休と3場所連続で休場した。苦しい土俵が続いているが「いいきっかけになるようにやっていきたい。こういうチャンスを生かしたい」と、5日から始まる秋巡業での稽古を見据えていた。

稀勢の里(右)は豪風を寄り切り連覇を決める(撮影・滝沢徹郎)

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若乃島17年半の土俵人生に別れ「やり切った感じ」


 右膝痛のため大相撲秋場所を最後に現役を引退した、元十両若乃島(33=芝田山、本名・再田史也)の断髪式が9月30日、東京・両国国技館で行われた。

 若乃島は00年春場所、放駒部屋から初土俵を踏み、師匠だった先代放駒親方(元大関魁傑)の定年に伴い、13年2月に芝田山部屋へ移籍。得意は突き、押しで14年あまりをかけ、14年名古屋場所で新十両昇進を果たした。最高位は15年秋場所の西十両7枚目。十両は通算7場所務め、現役最後の秋場所は東幕下43枚目(4勝3敗)だった。

 断髪式には、荒磯親方(元前頭玉飛鳥)、君ケ浜親方(元前頭宝智山)、前頭琴奨菊(佐渡ケ嶽)、阿武咲(阿武松)ら一門の親方、関取衆はじめ関係者約250人が出席。最後に師匠の芝田山親方(54=元横綱大乃国)が留めばさみを入れ、17年半の土俵人生に別れを告げた。その後、両国国技館内で行われたパーティーでは、親交があり同じ鹿児島・奄美出身で歌手の元ちとせ(38)、中孝介(37)が前途を祝し、美声を披露した。

 「やり切った感じで、すがすがしい気持ちだった。いろいろな人に来てもらったから笑顔を見せないと」と、涙を流すことはなかった。ただ、さまざまな思いが頭の中を巡る中「やっぱり先代の親方のことを考えてました。何と言ってくれるか…。『頑張ったな』と言ってくれると思います」と、しんみり話した。

 一番の思い出は、初土俵から約14年で新十両昇進を決めた14年夏場所。その場所中に先代が急死したこともあり「突然すぎて本当に信じられなかった。絶対に忘れられない場所」と振り返った。何度も引退しようと思ったことがあったが、先代から口酸っぱく言われた「あきらめるな」「我慢しろ」の言葉が押しとどめてくれた。「自分は出会いに恵まれた。すごい偉大な親方2人に出会えました」と感謝した。

 第2の人生は、11月から東京・世田谷区内にある、しゃぶしゃぶ店でスタートする。見習いの身だが、将来的には「自分の店を出したい。勝負するなら都内で」と目を輝かせた。

同じ二所ノ関一門の阿武咲に、はさみを入れられる若乃島
断髪式を終え同郷で歌手の元ちとせ(右)にネクタイを直してもらう若乃島

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日本相撲協会が1000万円寄付、九州北部豪雨支援

豪雨に襲われた福岡県朝倉市(7月29日撮影)


 日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、九州北部豪雨の被災地支援として福岡県に1000万円の寄付を決めた。

 夏巡業などで集めた募金も合わせ九州場所(11月12日初日・福岡国際センター)前の前夜祭で贈呈予定で、春日野広報部長(元関脇栃乃和歌)によれば同場所に被災者を招待するという。同協会は昨年の熊本地震の際も同額を寄付している。また、来年夏場所の番付発表日の変更(4月26日→30日)や、呼び出し富士夫(伊勢ケ浜、幕下格→十枚目格)ら行司、呼び出し、床山の昇進(いずれも来年初場所)を承認した。

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舛の勝改め隆の勝、新十両昇進「ドキドキしていた」

新十両に昇進した舛の勝改め隆の勝(右、たかのしょう)。左は師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)(撮影・今村健人)


 大相撲九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で新十両に昇進した舛の勝改め隆の勝(たかのしょう、22=千賀ノ浦)が27日、東京・両国国技館で会見し「もしかしたら上がれないんじゃないかと、ドキドキしていた。夢みたいでうれしい」と喜びを語った。

 中学卒業と同時に入門し、12年夏場所では17歳で幕下に昇進した。だが、それから5年もかかった。1年半前に部屋を継承した現師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「いいものがあるなとすぐに感じたが、17歳で幕下に上がって、20歳でもまだ幕下でいる。『お前はバカか』と、飲むたびに言っていた。欲がない。必死でいかないと強くなれない。稽古をバンバンさせました」。

 隆の勝は、師匠から叱咤(しった)を受けた当時を振り返り「本当にバカだと思いました。まだまだ稽古が足りなくて、未熟者だった。必死に上がるために稽古しようと思った」。貴乃花一門の部屋へ積極的に出稽古し、関取衆に胸を借りる。食事の量も増やして、17歳のときに120キロ弱だった体重は、今では153キロに。少しずつ力をたくわえて、5場所連続で勝ち越して十両昇進を決めた。

 新しいしこ名は、秋場所千秋楽で言われたという。千賀ノ浦親方は「私(隆三杉)は、隆の里関と2代目の若乃花関につけていただいた。その『隆』の字をどうしてもつけたいと夢というか、希望があった」と明かした。師匠の願いのこもったしこ名を背負う隆の勝は「この名前で、一生懸命頑張っていきたい」と誓った。

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日馬富士V一夜明け「優勝は優勝なので喜びは一緒」


 大相撲秋場所で9度目の優勝を果たした横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が25日、東京・墨田区の部屋で一夜明け会見を行った。

 16年名古屋場所以来で、史上初の金星4個配給からの優勝となったが「優勝は優勝なので喜びは一緒ですよ」と、これまでの8回の優勝と比べて特別な思いはなく、素直に喜んだ。

 1918年(大7)夏場所以来99年ぶりの3横綱2大関休場という緊急事態となった秋場所で、1人横綱として最後まで土俵に立ち続けた。「大変とかはない。ただ、負けると言い訳できないし、そういう意味では大変だった。初めて1人横綱で出て、本当にいろいろ経験させていただいた」と感謝した。

 3日目から3日連続で金星を配給して10日目には4個目の金星配給で、トップだった豪栄道とは3差離れていた。「優勝とかは意識することはなかった。気持ちだけでも負けないように。そう思いました」と自然体で臨んでいたという。諦めずに相撲を取り続けた結果、賜杯を抱いた。「終わってみれば1日1日の戦いが優勝につながった。ほっとしている。本当によかった」と笑顔。そして「2桁取りたいと思う。目標の1つでもある。稽古に精進して目標に向かって頑張ります」と、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で10度目の優勝への挑戦に意欲を見せた。

大相撲秋場所優勝の一夜明け会見に臨み笑顔を見せる日馬富士(撮影・小沢裕)
大相撲秋場所優勝の一夜明け会見に臨み笑顔を見せる日馬富士(撮影・小沢裕)

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炎鵬が三段目3場所連続V、初土俵から21連勝

三段目優勝の炎鵬(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 三段目は炎鵬(えんほう、22=宮城野)が7戦全勝で優勝した。

 優勝決定戦で満津田を押し倒しで下して、序ノ口だった夏場所、序二段だった名古屋場所に続いて3場所連続で優勝した。名古屋場所でも優勝決定戦に進んでいたが「両国の雰囲気は違いました」と緊張したが快勝。史上5位の初土俵からの21連勝を「伸ばせるものなら伸ばしたい」と意気込んだ。

 ◆炎鵬 西18枚目。本名・中村友哉。石川県金沢市出身。17年春場所初土俵。169センチ、94キロ。左四つ、下手投げ。

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世代交代印象づけた阿武咲、白鵬超えの強さの理由は

阿武咲(右)は押し出しで貴ノ岩を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 最後に届かせた。東前頭3枚目の阿武咲(21=阿武松)が貴ノ岩を押し出して、新入幕から3場所連続の2桁勝利を果たした。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、過去6人が挑み、初代横綱若乃花も白鵬も、誰も成し得なかった快挙。「最後にいい勝ち方で終われて良かった。(連続2桁は)そんなに意識はない。土俵の上で思い出しました。『そういえば』と」と結果よりも内容を喜んだ。

 「世代交代」の象徴となった今場所、闘志を隠さない姿で魅了した。土俵では相手に、殺意すら抱いて臨む。「勝ったモンが強い。男らしい、勝負の世界にいられるのがいいんです」。だから、初めての上位戦も全く臆さなかった。5日目まで1横綱1大関2関脇1小結をなぎ倒した。「強い人とやれてうれしかった。独特な緊張感があったし、これからに生きる」と次の九州場所も楽しみにした。

 その来場所は新三役が濃厚。だが「番付は関係ない。強くなることだけが目標。強くなることを追求していく」と言い切った。2度目の敢闘賞に輝き「うれしい」と喜んだが、それまで。最初のトロフィーは手元にない。「そのまま送って(青森の)恩師にあげました。過去の物は持っていても仕方ない。懸賞袋もあげちゃう。思い出に浸らない」。2度目もすぐに過去の物になる。

 同学年の貴景勝も殊勲賞を獲得し、相撲教習所で一緒だった阿炎も十両優勝を飾った。若い世代同士の“刺激”は数多くある。その中で先頭に立つ-。「その気持ちはあります」と力強く宣言した。【今村健人】

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日馬富士1人横綱の責任全う、逆転Vを支えたものは

日馬富士(左)は寄り切りで豪栄道を下し優勝決定戦へ持ち込んだ(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、16年名古屋場所以来、7場所ぶり9度目の優勝を飾った。本割で大関豪栄道を寄り切って11勝4敗で並び、優勝決定戦でも寄り切った。千秋楽の直接対決から1差逆転優勝は今年春場所の横綱稀勢の里以来。1918年(大7)夏場所以来99年ぶりの3横綱2大関休場という異常事態となった場所を“1人横綱”が締めた。

 支度部屋は熱気に包まれていた。待ち構えていた大勢の関係者から浴びせられる「横綱」コール。日馬富士は表情を緩めて万歳三唱で喜びを分かち合った。風呂に入り汗を流し終えると、やっと一息ついた。「土俵の神様が味方してくれた」と感慨にふけった。

 1差で迎えた豪栄道との直接対決。立ち合いは受け止められ押し込まれたが、頭を体につけて前みつを取りにいき、体勢を入れ替えて寄り切った。賜杯の行方は優勝決定戦へ。支度部屋では弟弟子の十両照強を立たせて、立ち合いを確認。花道に向かう途中も繰り返し、イメージは仕上がった。頭からぶつかって右を差すと、一気に寄り切った。「命を懸けて全身全霊で相撲を取りました」。7場所ぶりの賜杯を手にした。

 この日朝、数種類の生野菜などを絞って作るコールドプレスジュースの大阪の専門店「B.up」(ビー・アップ)から直接、ジュースが届けられた。春場所前から愛飲し「体調が全く違う。傷口の治りが早い」という。時間の経過とともに栄養素が失われることから、目の前で絞る必要がある。そのため、今場所は大阪から材料を持参した担当者から、作りたてを数回、提供してもらった。「土俵の上では1人に見えても、支えてくれる人がいるから土俵に上がれる」と感謝した。

 10日目終了時点では、豪栄道と3差あった。そこからの逆転は1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。満足に伸ばせない左肘をはじめ、多くのケガに悩まされてきたが、土俵に上がり続けた。優勝ラインは21年ぶりの11勝に下がり、金星を4個配給しての優勝は初めて。それでも喜びは変わらない。「ホッとしている」。全ての重圧から解放されたかのように、低い声で絞り出した。満身創痍(そうい)の体で“1人横綱”を全うした。【佐々木隆史】

 ◆日馬富士のけがとの闘い 今年の初場所5日目の隠岐の海戦で右太ももを肉離れして途中休場。迎えた春場所は左目付近を負傷するなどケガが絶えず、春巡業では「全身が痛い」と漏らすほど。特に古傷の左肘の炎症は重症で夏巡業も前半は休場していた。手術の選択もあったが長期離脱を避けるために回避。整体、電気治療器具、栄養ジュースなどさまざまな治療法を試みている。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 日馬富士は本割でいい相撲を取っただけに決定戦も「真っすぐ行っても勝てる」と迷いがなかった。あの3連敗から気持ちを折らず、よくやってくれた。情けない気持ちからグッとこらえて取り続けた。そこは偉い。豪栄道は立ち合いで負け引かざるをえなかった。

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阿武咲が快挙達成 新入幕から3場所続けて2桁白星

阿武咲(右)は押し出しで貴ノ岩を下し引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 立ち合いから圧倒した。2本差して、前に、前に。最後は貴ノ岩を押し出して、気迫の表情。

 東前頭3枚目の阿武咲(21=阿武松)が記念すべき10勝目を挙げた。「最後にいい勝ち方で終われて良かった。しっかり当たって、反応できた」と自画自賛した。

 今年夏場所の新入幕から3場所続けての2桁白星。1場所15日制が定着した49年夏場所以降、初めての快挙だった。過去に挑んだ初代横綱若乃花ら6人は、いずれも撃沈。3場所目で勝ち越した力士すら、白鵬ただ1人だった。ただ、そんな歴史を塗り替える白星にも「うれしいけど、そんなに意識はない。あくまで結果なので。土俵の上で思い出しました。『そういえば』と」。“結果”については務めて冷静だった。

 初めての上位戦となった今場所。1横綱1大関に加えて2関脇と1小結も倒した。2度目の敢闘賞も受賞した。「素直にうれしいです。全体的に落ち着いていた。内容よりも、強い人とやれてうれしかった。上位の独特な緊張感があったし、これからに生きる大事な場所になった」と振り返った。

 次の九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)は、新三役が濃厚。だが、それにも「番付は関係ない。強くなることだけが目標なので、強くなることを追求していく」と意に介さない。頼もしい若手が台頭した。

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炎鵬3場所連続V 初土俵から史上5位の21連勝

三段目優勝を果たし笑顔を見せる炎鵬(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 西三段目18枚目炎鵬(22=宮城野)が、東三段目82枚目満津多(まつだ、23=峰崎)を優勝決定戦で下して優勝した。

 序の口だった春場所、序二段だった夏場所に続き、3場所連続で優勝した。

 立ち合いから低い姿勢で、何度も懐に潜り込んだ。それを嫌った相手に後ろに引かれたが、足を運んで懸命についていき押し出した。名古屋場所でも優勝決定戦を経験していて「両国ですので雰囲気は違いましたね。緊張はしたけど先場所よりは落ち着けました」と気持ちに余裕があった。

 今場所は、初土俵からの連勝を史上5位の21連勝にまで伸ばした。「伸ばせるものなら伸ばしたい」と、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)でさらに星を積み重ねる。

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矢後「気迫だけ」7勝目で来場所の十両残留濃厚

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇両国国技館


 幕下付け出しデビューから所要2場所のスピード出世を果たした西十両13枚目の矢後(23=尾車)が、今場所最後の一番で大きな白星を手にした。

 6勝8敗で迎えた一番は、西幕下3枚目の木崎(24=木瀬)と対戦。執念の押し出しで破り、7勝8敗と1点の負け越しにとどめた。矢後の番付が、十両最下位(14枚目)まで1枚を残すため、幕下陥落を免れる来場所の十両残留が濃厚となった。

 前日には負け越しが決まったが、ある意味、それ以上の重要性を持った一番に「変なことは考えずに気迫だけで行きました。(負ければ幕下陥落は)チラッとは考えたけど、土俵に上がったら腹を決めていくだけでした」と開き直って臨んだ。

 1学年上の木崎(日大)とは、中大時代に何度か対戦。初土俵だった5月の夏場所でも対戦し、勝っていた。手の内は頭に入っていたが「自分にとって嫌な相撲を取るタイプ。相手の形にさせないよう我慢しました」と言う。懐に飛び込ませまいと突き放し、機を見てまわしを取るイメージだったが、途中で切り替えて「対応しました。そんな相撲も(自分は)取れるので」と、まわしにはこだわらず突き押しに徹した。

 初体験の1場所15日取る関取としてのデビュー場所は終えた。「これから疲れが出るでしょう」と安堵(あんど)の表情。一方で十両2場所目に向けても「もっと自分の形になれるようにすること。勉強になりました」と目を向けていた。

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琴奨菊「何でやろうね?いいハリしてるハッハッハ」

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 大栄翔を下し9勝目をあげ、昨年夏場所以来の2桁勝利に迫った琴奨菊のコメント。

 「(立ち合いで力をセーブした)昨日の反省が生きた。(足がよくついてきていることに)何でやろね? 体調? いいハリしてるよ、ハッハッハ」。

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横綱、大関が休場した場所は大関以上が優勝/データ

豪栄道(左)は1敗差で追う日馬富士の勝利を土俵下で見届け支度部屋へ引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、逆転優勝へ望みをつないだ。1差で追いかける大関豪栄道が勝ったため、負ければ優勝を譲ってしまう結びの一番で関脇御嶽海を下した。並走していた平幕の朝乃山が黒星を喫し、優勝は日馬富士と豪栄道に絞られた。春場所の稀勢の里以来11例目となる、千秋楽直接対決から1差逆転優勝へ向けて全身全霊で戦う。

 ◆横綱、大関が4人以上休場した場所の優勝力士 3横綱2大関の5人が休場したのは1918年(大7)夏場所以来99年ぶりだったが、当時は大錦、西ノ海、鳳の3横綱と九州山と伊勢ノ浜の2大関が休場したものの結局、1人横綱の栃木山が優勝を飾った。4人の休場も昭和以降7例あるが、44年秋は大関前田山、53年初は大関鏡里、99年春は大関武蔵丸、02年名古屋は大関千代大海、同年九州と03年初は大関朝青龍が優勝。関脇以下が優勝をもぎ取ったのは01年秋の平幕琴光喜だけで、今回もまた、大関以上の優勝になった。

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1場所15日制の11勝4敗優勝は過去2例/データ

96年11月、九州場所千秋楽で史上初の5人による優勝決定戦となり、くじを引く曙と、順番を待つ左から魁皇、貴ノ浪、武蔵丸、若乃花

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、逆転優勝へ望みをつないだ。1差で追いかける大関豪栄道が勝ったため、負ければ優勝を譲ってしまう結びの一番で関脇御嶽海を下した。並走していた平幕の朝乃山が黒星を喫し、優勝は日馬富士と豪栄道に絞られた。春場所の稀勢の里以来11例目となる、千秋楽直接対決から1差逆転優勝へ向けて全身全霊で戦う。

<11勝4敗の優勝>

 1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、最少勝利数での優勝は11勝4敗で2回しかない。

 ◆72年初場所 4敗で3人が並んで千秋楽へ。琴桜と福の花が敗れ、勝った平幕の栃東が初優勝。栃東も敗れていれば8人による優勝決定戦に持ち込まれるところだった。

 ◆96年九州場所 3敗の若乃花と武蔵丸が敗れ4敗の曙、貴ノ浪、魁皇が勝ったため史上初の5人による優勝決定戦に。大関武蔵丸が2度目の優勝を決めた。

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豪栄道-日馬富士、千秋楽の1差直接対決は72例目

豪栄道(右)は日馬富士から水付けを受ける(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関豪栄道(31=境川)が、優勝に王手をかけた。東前頭9枚目貴ノ岩に執念の渡し込みを決め、11勝3敗とした。千秋楽は1差で追う横綱日馬富士との大一番。勝てば、昨年秋場所以来2度目の優勝だ。前日までの2連敗で、残り2日で16力士に優勝の可能性が残る混戦を招いたが、3横綱2大関休場の場所は大関-横綱決戦で締めくくられる。

 ◆千秋楽の1差直接対決 「一方が勝てば優勝、他方が勝てば優勝決定戦」のケースは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、72例目。過去71例のうち本割の勝敗は、豪栄道のような「勝てば優勝」が40勝31敗と分が良い。決定戦に持ち込まれた31度でも、逆転優勝できたのは17年春場所の稀勢の里ら10度だけ。圧倒的に優位に立つ。ただ、今回のように大関が逃げて横綱が追う展開は13度で、大関の本割は8勝5敗だが、決定戦になった5度は、4度も優勝を逃している。

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朝乃山敗れ103年ぶり新入幕優勝の可能性消える

朝乃山(左)は阿武咲に押し出しで敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 新入幕の東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)は5敗目を喫して、1914年(大3)夏場所の両国以来、103年ぶりの新入幕優勝の可能性が消えた。

 東前頭3枚目の阿武咲(21=阿武松)の激しい当たりに上体を起こされて、防戦一方で押し出された。この時点ではまだ優勝の望みも残っていたが、大関豪栄道が3敗を守った時点で消滅した。普段は支度部屋の外で取材を受けるホープも、この日は立ち止まることなく、千秋楽に向けて「自分の相撲を取り切るだけです」とだけ話して、足早に国技館を後にした。

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日馬富士に自力V復活「1人横綱」覚悟が呼び込んだ

嘉風(右)を破る日馬富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)に自力優勝が復活した。2差で単独トップの大関豪栄道が敗れ、その後の一番で関脇嘉風を下し1差と迫った。千秋楽では豪栄道との直接対決が確実で、16年名古屋場所以来9度目の賜杯が視野に入ってきた。5敗力士までの16人に優勝の可能性が残る、荒れる秋場所を“1人横綱”が締める。

 日馬富士に賜杯が近づいた。前日の黒星で2差に縮まった豪栄道が目の前で連敗。「自分の立ち合いでいこうと思った」と肩の力は抜けていた。結びの一番は今場所一の低く鋭い踏み込みで、嘉風に頭からぶつかった。左を差して右上手を取り、相手に何もさせずに一気に寄り切った。1差に迫り、支度部屋で優勝を狙うかと報道陣に問われると「もちろん」と即答した。

 土俵に上がり続けてきたからこそ、チャンスは回ってきた。3日目から3連敗すると10日目に今場所4個目の金星を配給。武蔵丸以来16年ぶりの屈辱だった。11日目の朝、部屋での稽古を終えて「何と言ったらいいか…」と迎えの車のドアに寄りかかり悲愴(ひそう)感を漂わせていた。それでも休場の選択肢は選ばなかった。「言い訳はできない。相撲を続けることが大事」と決意した。その後3連勝で踏ん張ると、最大3差だったトップとの差が縮まっていた。

 昭和以降初の3横綱が初日から休場となった今場所は、さらに2大関も休場する緊急事態。だからこそ“1人横綱”の覚悟がある。「続けることが大事。一番一番に対する気持ちは変わらない。勝負ごとなので1人が勝って1人が負ける。何があるか分からない」。今日23日に勝てば、優勝争いは千秋楽で対戦が確実な豪栄道との直接対決にもつれ込む。最後まで勝ち続ければ優勝が手に入る。【佐々木隆史】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)の話 豪栄道は張り差しに行った分、当たりが弱くなった。引いては駄目と意識するほどそうなる。1差になり追い詰められたのでは。こうなれば開き直るだけ。優勝争いとしては面白い。朝乃山も最後まで勝ってほしい。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 豪栄道は悪い相撲で勝った癖が、ここ一番で出ている。星は有利だが連敗で気持ちは五分では。日馬富士は大逆転の芽が出てきて息を吹き返した。朝乃山の新入幕優勝もないわけではない。

 ◆低レベル優勝 1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、最少勝利数での優勝は11勝4敗で2回しかない。72年初場所の前頭栃東と96年九州場所の大関武蔵丸が記録。なお豪栄道が残り2番●●で5敗になった場合、現時点で5敗までの16人に優勝の可能性がある。ただ、13日目終了時点で2差からの逆転優勝例はなく、データでは豪栄道と4敗の2人の3人に優勝は絞られる。

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トップ豪栄道2敗、19年ぶり大混戦演出しちゃった

豪栄道(左)ははたき込みで松鳳山に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館


 優勝争いトップを走る大関豪栄道(31=境川)が、大混戦を演出してしまった。東前頭4枚目松鳳山にはたき込まれ、2敗目を喫した。自力優勝には「残り3日で2勝」と優位さに変わりはないが、4敗は現在10人。3横綱2大関休場の秋場所が、最後にまた荒れ始めた。

 朝乃山、貴ノ岩、千代大龍の3敗力士3人がそろって負けた。一時は後続との差が2差から3差に開いたが、豪栄道も負けた。松鳳山戦。立ち合いが2度合わず、3度目で立つと、激しい突き押しの応酬になった。左ほおを2度張られ、はたきにいったが、最後は逆にはたき込まれた。

 勝てば、あと1勝で優勝と絶対的優位に立てた一番だった。支度部屋で、右肘に血をにじませながら、言葉少なだった。「う~ん、しっかり当たらないとダメやね」。後手に回ったかと問われて「そうですね」とつぶやいた。八角理事長(元横綱北勝海)は「安全に、勝ちたい気持ちが強すぎたかな。勝てば(優勝が)ほとんど決まりの一番だから、余計に大事と思ったんだろう」と心中を推察した。

 残り3日、後続とは2差のままで、2勝すれば自力優勝できる。ただ2敗すれば、話は別。2差の4敗力士は10人もおり、今後の展開次第で大逆転Vへ、息を吹き返す。新入幕の朝乃山、前半に走った阿武咲、人気者の遠藤、元大関琴奨菊、4連敗から8連勝の嘉風、横綱日馬富士らのうち、千秋楽まで4敗を守った力士による優勝決定戦に巻き込まれる。

 この日は通算出場1000回の節目だった。「そういうのは、今は別にどうでもいい」。残り3日に向けた心境を問われ「気にせず自分の相撲をとることだけを心掛けていきます」と、ほぼ同じフレーズを繰り返し、帰りの車に乗り込む間際に一言こぼした。「攻める気持ちが大事やね」。自分のせいで生まれた混戦模様は、自分の力で制するしかない。【加藤裕一】

 ◆12日目終了時点 単独トップの力士が後続に2差をつけたのは、平成以降で今回が31例目。過去30例のうち、逆転されたのは05年秋の琴欧州(優勝は朝青龍)と99年初場所の若乃花(優勝は千代大海)の2例だけ。データでは豪栄道の優勝確率は93%となる。

 ◆12日目終了時点の混戦 1場所15日制になった49年(昭24)夏場所以降、優勝争いでトップと後続が11人以上いたのは、今場所で6例目。そのうち5例は複数人がトップに立ち、後続との差は1。今場所のように単独トップ-後続と2差の例とピタリ合うのが1例だけある。98年初場所で大関武蔵丸が10勝2敗で単独トップ。後続は4敗の横綱貴乃花ら10人。武蔵丸は14日目に敗れたが1差の12勝3敗で逃げ切った。

 ◆幕内後半戦の山科審判長(元小結大錦)の話 豪栄道は立ちづらそうだった。松鳳山のようなタイプは嫌なんだろう。今後の優勝争いの展開? 分かりません。

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引退しない!アミラー安美錦が最年長再入幕へ大前進

勝ち越しに笑顔の安美錦(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館


 関取最年長の東十両2枚目安美錦(38=伊勢ケ浜)が、同14枚目大成道を下して勝ち越しを決め、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)での再入幕に大きく前進した。10月3日には39度目の誕生日を迎え、幕内返り咲きとなれば、昭和以降最年長記録。トップタイで先頭を走る優勝争いを制すれば、戦後最年長の十両優勝となる。前日に引退疑惑をかけられたが、まだまだ現役で突っ走る。

 安美錦が4場所連続の勝ち越しを決めた。7勝同士の対戦となった相手は、新十両の大成道。勢いに乗っている24歳だが「あんまり考えてもしょうがない」と正面からぶつかった。距離を取られたが、頭を下げて低い姿勢を保ちながら食らいつき、土俵際で体を開いて突き落とした。「若いのに負けないように、盛り上げていこうと思った」というベテラン魂。昨年名古屋場所以来となる幕内に返り咲けば、昭和以降の最年長記録になる。最年長十両優勝も視野に入ってきたが「その時の状況だからね。残り3日間全力でやるだけ」と意識はしなかった。

 前日20日に、周囲から引退疑惑をかけられていた。携帯でネットニュースを見ていると「アム…アミ…俺?」と驚いた。知人からも「引退するの?」と連絡があったという。実は、歌手安室奈美恵(40)が、来年で引退すると発表したニュースを見てのこと。安室の名前には、しこ名と同じ「安」と「美」が入っていて、それが勘違いを招いた。騒ぐ周囲だったが「まだまだやるよ」と笑った。昨年夏場所での左アキレスけん断裂からの復活を狙う38歳が、アラフォーの底力を見せる。【佐々木隆史】

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朝乃山103年ぶり新入幕Vへ2差「恩師と戦う」

<大相撲秋場所>◇11日目◇20日◇東京・両国国技館


 新入幕の東前頭16枚目朝乃山(23=高砂)が平幕の魁聖を寄り切り、デビューから10場所連続の勝ち越しを決めた。富山県出身力士の幕内勝ち越しは、94年夏場所の琴ケ梅以来。00年春場所の貴闘力以来となる幕尻優勝の可能性をわずかに残した。

 会心の相撲だった。朝乃山は魁聖と右の相四つでがっぷり胸を合わせた。「自分は下手だから」と小細工はせず、正面から頭でぶつかって、右を差して寄り切った。勝ち越しを報告したい人がいるかと問われ「やっぱり先生です。ずっと土俵の上で見守ってくれたと思う」としみじみ言った。

 頭に浮かんだのは、富山商高相撲部監督の浦山英樹さん。朝乃山が幕下優勝と関取の座を確定させた初場所13日目、恩師は40歳の若さで、がんのために死去した。その2日後の葬儀で遺族から「横綱になるのは大変だけど頑張れ」と書かれた遺言を渡されて涙を流した。あれから8カ月。この日は25人の報道陣に囲まれた。デビューから10場所連続で勝ち越して、注目度は横綱級だ。

 しこ名には、今の相撲の型を教えてくれた恩師に思いをはせて「英樹」をつけている。化粧まわしは、浦山さんの知人から贈られたものを着用。「闘虎」と書かれていて「先生と一緒に戦います。千秋楽まで着けます」と誓った。

 初日は両親が富山から応援に駆けつけ、千秋楽には地元からの応援ツアーが組まれているという。千秋楽パーティーにも参加予定で三賞や優勝の報告ができれば最高だが「(意識は)ないです」と冷静に言った。先を見ることなく「次は9番勝つこと。9、10ですね」と引き締めた。

 上位に休場者が相次いだ今場所。豪栄道との2差を残り4日間で詰めるのは容易ではないが、幕内で最も番付が低い幕尻の男が優勝争いに食らいついている。【佐々木隆史】

 ◆朝乃山優勝なら 平幕では12年夏場所の旭天鵬以来で、幕尻なら00年春場所の貴闘力以来2人目。新入幕なら1914年(大3)夏場所の両国以来103年ぶり。富山県出身では1916年(大5)夏場所の横綱太刀山以来101年ぶり。

上位4人の残り対戦予想

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今場所まで10場所連続勝ち越し中/朝乃山アラカルト

朝乃山アラカルト

<大相撲秋場所>◇11日目◇20日◇東京・両国国技館


 新入幕の東前頭16枚目朝乃山(23=高砂)が平幕の魁聖を寄り切り、デビューから10場所連続の勝ち越しを決めた。富山県出身力士の幕内勝ち越しは、94年夏場所の琴ケ梅以来。00年春場所の貴闘力以来となる幕尻優勝の可能性をわずかに残した。

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貴源治が再十両濃厚「頑張りたい」若手活躍に刺激

木崎(左)を寄り切りで破る貴源治(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇20日◇両国国技館


 東幕下筆頭の貴源治(20=貴乃花)が、西幕下3枚目木崎(24=木瀬)を下して勝ち越しを決めて、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)での再十両が濃厚となった。

 3勝2敗同士の一番だったが、気負うことなく鋭い出足から、左上手を狙って取った。勢いそのままに寄り切って勝ち越しを決めてが「来場所に向けてもう一番。終わっても稽古があるし、目標は十両じゃない」と最後の一番まで、全力で取る姿勢を見せた。

 新十両だった夏場所は4勝11敗で、1場所で幕下に陥落した。再十両を目指している間に、平幕の貴景勝(21=貴乃花)や阿武咲(21=阿武松)らが幕内で活躍するのを見て刺激を受けていた。「まだ十両ですけど、もうそろそろ世代交代だと思う。自分は十両に行って頑張りたい」と力を込めた。

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水戸龍「頑張ってきたことを出す」新十両昇進に王手

<大相撲秋場所>◇11日目◇20日◇両国国技館


 一昨年のアマ横綱が、所要3場所での新十両昇進に王手をかけた。東幕下14枚目の水戸龍(23=錦戸)が、全勝同士の対戦で、同20枚目の栃丸(25=春日野)と対戦。会心の押し相撲で6戦全勝とした。

 幕下15枚目以内で7戦全勝なら、十両昇進への優先権を得られる。13日目の取組が有力な7番相撲の相手は、2人だけ残された6戦全勝同士の鏡桜(29=鏡山、西幕下49枚目)戦。幕内経験のある同じモンゴル出身の中堅相手の一番に、念願の関取の座をかける。

 初土俵から通算20番目の相撲で、おそらく最短の時間で勝負を決めた。「立ち合いで、つかまえなきゃと思って」(水戸龍)右を差すと一気の出足で猛進。右をハズに当てたまま、一気に押し出した。

 「右が入ったから出られました」と水戸龍。今年夏場所の幕下15枚目格付け出しデビューから、緊張で本来の相撲を取りきれないでいた。今場所も、白星を積み重ねるごとに遠いところにある関取の座が、近づき「だんだん緊張してきました。意識してきています」と正直な胸の内を明かした。ただ、以前なら「負けて緊張していた」のが、今は「勝って緊張する。ただ、緊張はしても前みたいに頭が真っ白になることはない」と場慣れしてきたことは確かだ。

 勝てば14枚目から一気のごぼう抜きで十両へ、負けても幕下1桁台には上がるが、十両昇進にはやはり全勝が求められそう。ここは一気に決めたいところと心得ているのか「ここまで来たら最後、今まで頑張ってきたことを出すしかない」と力を込めた。

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朝乃山4連勝で勝ち越し王手「ここから辛抱の一番」

上手投げで錦木(下)を破る朝乃山(撮影・江口和貴)

<大相撲秋場所>◇10日目◇19日◇両国国技館


 新入幕で東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)が7勝目を挙げ、待望の勝ち越しに王手をかけた。

 同13枚目で、けんか四つの錦木(27=伊勢ノ海)と対戦。差し手争いに勝ち、自分得意の右四つに。圧力をかけられ出られたが、左の上手が命綱だった。強烈に引きつけ、下がりながらも上手投げで豪快に仕留めた。

 「前に出られれば、もっと良かったけど」と反省点を挙げつつ「先に突っ張って(こじ入れた右の)かいなを返して上手を取らせないで、じっくり相手をよく見ながらの投げ」(朝乃山)と自己解説した。前日の千代丸に続き、十両だった今年5月の夏場所で「右四つで力負けした」という錦木に、連日のリベンジを果たした。

 「自分は挑戦者なので何でも思い切って行こうと思っている」という気持ちが相撲に表れ、組んで良し、離れて良しの攻撃相撲が続く。初日から白星、黒星が交互に続く「ぬけぬけ」を8日目に脱出。4連勝で給金直しに王手をかけ「ここからが辛抱の一番」という終盤戦に臨む。「ぬけぬけ」のジンクス同様、前日まで勝った6番は東の支度部屋、負けた3番は西の支度部屋という「何か怪しい」(朝乃山)と魔物に取りつかれたような? ジンクスもこの日、西から出陣しての勝利で打破。「西で勝っちゃった、と終わって気付いた」という無心さで、残る5番にも挑む。

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朝乃山押して良し3連勝!夏場所苦杯の千代丸に雪辱

<大相撲秋場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館


 新入幕で東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)が、3連勝で波に乗った。この日は、十両時代の夏場所で引き落とされた西前頭11枚目の千代丸(26=九重)と対戦。押し出しで破り6勝3敗とした。

 「1回やれば(相手の手の内は)分かる。体ごと行けば回り込まれるから、下から下から、と思った。足も出ていた」と納得する、突き押しで終始、攻め立てた。最後は、太鼓腹の千代丸の腹をドンと押しての快勝。得意の四つ身(右四つ)だけでなく、突き押しでも主導権を握れる万能タイプの一面をのぞかせた。アマ時代(富山商、近大)の指導者や、師匠の高砂親方(元大関朝潮)からも「四つだけでは駄目。手も長いから突き放す相撲も覚えるように」とアドバイスされてきた。その声を実践し「自然と手が伸びた。押し切れた達成感があります」と充実した表情で振り返った。

 目標の勝ち越しに、残り2勝。10日目は錦木(伊勢ノ海)との一番だが、気になるジンクス打破をかけた一番にもなる。今場所は東西の支度部屋で、東が6戦全勝、西なら3連敗。錦木戦は西からの出陣となるとあり「ジンクスがあるから(打破へ)明日も頑張ります」と笑いながら引き揚げた。

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いじられ大栄翔6勝首位も懸賞2本「本当にやめて」

大栄翔(左)ははたき込みで佐田の海を下す(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇7日目◇16日◇両国国技館


 地味~な男から脱却だ! 東前頭11枚目の大栄翔(23=追手風)が佐田の海をはたき込みで下して1敗を守った。今場所は6勝しながら、手にした懸賞はわずか2本(手取り6万円)。角界の“いじられキャラ”は知名度を上げるべく、ひっそりと首位を並走している。1敗はほかに大関豪栄道と平幕阿武咲、そして大栄翔と同部屋の平幕大翔丸も1敗を守った。

 今場所6度目の勝ち名乗りを受けた。だが、またしても懸賞はなかった。大栄翔は結構、気にしていた。出番前には御嶽海に指摘されて「本当にやめて。言わないで」と懇願した。目立たない男。それでいて、いじられる男。それが7日目まで首位を並走している。

 佐田の海をはたきこみ、多くの報道陣に囲まれた支度部屋。今度は埼玉栄高の3年後輩の貴景勝が寄ってきた。「今日はどこが良かったか」「好調の要因は」。報道陣に交じって、矢継ぎ早に問いただされた。

 「いいから!」と遮るも、結局しっかり答えてしまう人の良さ。「良い相撲だったよ。会心の相撲だよ!」「巡業中の貴景勝関との稽古が良かったからです!」。そんな愛すべき後輩が去った後は「一緒に上でやりたいですね」と、小さな声で望んでいた。

 高校総体個人3位をひっさげて、12年初場所初土俵。だが、目立たない。「よく声が小さいと言われて、店員に何回も聞き返される。自分では普通に話しているつもりなのに…」。同い年で大卒の豊山、朝乃山らに話題は先行されていた。

 それは力士らしからぬ優しさの裏返しでもあった。小1から相撲を始め、中学は相撲道場に通うかたわら、園芸部に所属した。「キュウリやナス、ゴーヤーにアジサイも育てた。特にヒマワリが大好きでした」。ヒマワリの花言葉は、あなただけを見つめる-。「自分も相撲にいちずです」。

 そんな男が同部屋の大翔丸らと首位を並走する。「意識は全くないです。一番一番です」。8日目の隠岐の海戦には、懸賞が3本懸かっている。【今村健人】

 ◆大栄翔勇人(だいえいしょう・はやと)本名・高西勇人。1993年(平5)11月10日生まれ、埼玉県朝霞市出身。朝霞第四小1年から相撲を始める。埼玉栄高3年時に高校総体団体2位、個人3位。昔から千代大海(現九重親方)のファンで、埼玉栄高の山田道紀監督の紹介で現在の部屋に入門。12年初場所初土俵、14年名古屋場所新十両、15年夏場所で新入幕に昇進。家族は母、兄。血液型B。通算216勝174敗。

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アマ横綱の目覚め!水戸龍4戦全勝、先輩常幸龍破る

<大相撲秋場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館


 一昨年のアマ横綱が“お目覚め”のストレート勝ち越しを決めた。幕下付け出しデビューから3場所目を迎えた東幕下14枚目の水戸龍(23=錦戸)が、全勝同士の対戦で日大の6学年先輩にあたる元小結で東幕下9枚目の常幸龍(29=木瀬)と対戦。押し倒しで破り4戦全勝とした。

 「大学の先輩だから、めっちゃ緊張しました。勝つなんて気はなくて、先輩だから思い切ってやろうと思っていた」と水戸龍。十分な踏み込みで立ち合いで圧力をかけ、突き押しで攻勢。その威力で常幸龍がバランスを崩し体が泳ぐところを押し倒した。

 期待されながら幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んだ今年夏場所は、3勝4敗でよもやの負け越し。先場所は5勝2敗と勝ち越して、再び7戦全勝なら十両昇進が確実となる幕下15枚目以内の番付に上がった。残り3戦全勝なら関取の座をものにできる。そう言われて「めっちゃ緊張します。残り3番も挑戦者の気持ちでやります」。プロの土俵も3場所目。「初めての場所(今年夏場所)より全然、緊張感は違います」と余計な肩の力を抜きながら、白星街道をひた走る。

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豊山苦しみ2勝 押し込まれヒヤリも連敗4で止めた

佐田の海(左)を小手投げで破る豊山(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇6日目◇15日◇東京・両国国技館


 西前頭15枚目の豊山(23=時津風)が佐田の海(30)を小手投げで下し、連敗を4で止めた。初日白星スタートも、連敗中は土俵際での詰めを欠いていたが、故障明けの相手に苦しみながらも何とか勝利。5月の夏場所では初日白星の後に8連敗を喫し、幕内から一場所で十両に陥落しているだけに、ひとまず連敗脱出を喜んだ。

 ゆっくりとシャワーを浴びた豊山は、ホッとした表情で支度部屋に戻ってきた。報道陣に囲まれると開口一番、「ダメダメ、負けてもしょうがない内容だった」と真っ先に反省の言葉が出たが、次第に頬が緩んでいった。「昨日は焼き肉を食べてパワーをつけた。(勝ち方は)すっきりしないけど、勝ったことは大きい。気分転換にもなった」と、ホッとした様子だった。

 夏場所は新入幕初日に白星を挙げながら、そこから泥沼の8連敗。4勝11敗に終わり、一場所で十両に陥落した。返り入幕の今場所もいやな流れだった。初日は前に出ていく豊山らしい相撲でスタートを切ったが、2日目から4連敗。得意の突き押し相撲で相手を土俵際まで追い詰めるが、あと1歩で詰めを欠き、白星を逃す日々が続いていた。それだけに、白星がいい良薬になった。

 「(4連敗中は)負けてもいい相撲だと言っていたけど、やっぱり負けちゃダメ。どんな相撲でも勝たなければ」と、自らに言い聞かせるように話した。この日対戦した佐田の海は初日から休場し、ようやく復帰できた故障明け最初の一番で、取りこぼしは許されなかった。しかし、押し込まれる場面もあってヒヤリとしたが、最後は右腕を取っての小手投げで何とか勝利をつかんだ。「絶対に勝たなければいけないのに、押し込まれて。ダメ、ダメ、ダメ。でも、とにかく勝つことが大事。いい相撲をとって負けたら何にもならない」と、今場所2つ目の白星に笑顔がのぞいた。【内山泰志】

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