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シュッとした稀勢の里、真っ正面から貴重ショット

稀勢の里に「正面から撮って」と頼まれてパシャリ。珍しいショットになった(撮影・今村健人)

 大相撲の夏巡業は18日、北海道恵庭市で行われ、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が“ダイエット”に成功した。

 巡業中も食事に気を使い、体がシュッと変化。夏場所前は自己最高の184キロを計測したが「自然と良い感じにしぼれてきた。まわしが長くなっちゃったので切りました」と笑いながら明かした。この日は土俵で四股を踏んだ後、花道で立ち合いの仕切りを20度ほど繰り返し、記者が撮影した画像で確認して微調整する場面もあった。「もう土俵でできると思いますが、焦らずしっかり体をつくることを優先したい。体づくりです」と話した。

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阿武咲が大関高安圧倒7番全勝で存在感「良かった」

大関高安(右)を押し込む阿武咲

 青森県中泊町出身の幕内阿武咲(21=阿武松)が16日、凱旋(がいせん)した同県板柳町の夏巡業で存在感を見せつけた。稽古で大関高安に指名されると、力強い立ち合いで圧倒。7番取って全勝した。新入幕から2場所連続の2桁勝利を挙げて、秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)では初めての上位戦を迎えるが「楽しみしかない」とうそぶいた。

 大関との稽古で際立ったのは、阿武咲の力強さだけだった。「中泊町出身」の場内アナウンスに、惜しみない拍手と大声援が送られた津軽りんご市場の会場。ホームと化した土俵で高安に全力で挑んだ立ち合いが、ことごとく通じた。突っ張り合いでも負けない。懐に入れば、低く鋭い圧力で前に出られる。7番取って全勝に「うれしかったです。足も良く動いていた。良かったですね」と喜んだ。

 実家にほど近い板柳町での巡業は、まさに凱旋(がいせん)だった。新入幕だった夏場所に続いて名古屋場所でも10勝した。新入幕からの連続2桁は、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、7人目の快挙。過去の6人には横綱の初代若乃花や白鵬の名前もある。そんな快挙をひっさげてのご当所場所だけに「うれしいっすよ」と喜んだ。

 稽古後は、前日の青森市に続いて子どもとの稽古に登場して盛り上げた。自身もかつて、青森市巡業で元小結の高見盛らに胸を出してもらったことがあった。プロに胸を借りたのはそれが初めて。今も記憶に残る。今度は自分が子どもたちに思い出をつくってあげたい。「その思いがあります」と恩返しも兼ねていた。

 再会した恩師らからは「もっと上を目指せ」と言葉をかけられた。「そういう気持ちでやりたい」。秋場所は初めての横綱、大関戦を迎えるが「昔から、強い人とやるのが好きでした。楽しみしかないです」。将来有望な若武者は早くも武者震いが止まらなかった。【今村健人】

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阿武咲が高安に7戦全勝「足も良く動いていた」

大関高安(右)を押し込む阿武咲(撮影・今村健人)

 大相撲の夏巡業は16日、青森県板柳町で行われ、同県中泊町出身の幕内阿武咲(21=阿武松)が存在感を際立たせた。

 大関高安に指名された稽古では、立ち合いで圧倒して7戦全勝。ぶつかり稽古では青森の先輩安美錦に胸を借り、子どもとの稽古でも豪快に転がってみせた。

 高安との稽古を「うれしかったです。足も良く動いていた。良かったですね」と振り返った阿武咲。新入幕だった夏場所から2場所連続で2桁勝利を挙げている若武者は「課題はいっぱいあります。でも、それは言わない。秋場所も一番一番です」と勝負師らしい言葉を残していた。

子どもとの稽古で、強さを見せる阿武咲(撮影・今村健人)

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元十両出羽鳳が引退、名古屋場所は西三段目で全休

新十両の出羽鳳は、笑顔のガッツポーズ(2006年3月29日撮影)

 日本相撲協会は10日、元十両出羽鳳(31)の引退を発表した。9日に引退届が提出されていた。

 04年春場所初土俵の出羽鳳は、2年後の夏場所で新十両に昇進。十両を3場所務めた後、幕下に陥落。関取復帰を目指していたが、ケガなども重なり、かなわなかった。今年の名古屋場所は西三段目10枚目で全休していた。

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稀勢の里が10日地元巡業で復帰、治療終え体作りへ

7月、名古屋場所5日目、勢に敗れ厳しい表情を見せる稀勢の里

 左足首などの負傷で大相撲名古屋場所を途中休場し、夏巡業も休場中の横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)が、10日に地元の茨城県日立市で行われる巡業から復帰する予定でいることが7日、分かった。関係者が明かした。東日本大震災からの復興を祈願して、14日に岩手県釜石市で行われる「復興土俵入り」にも、横綱白鵬とともに参加するという。稀勢の里の巡業参加は横綱昇進後、初めてとなる。

 師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は巡業先の埼玉県本庄市で「今日帰って、様子を見ながら話をする」と言及は避けたが「関取衆と肌を合わせるのも大事だし、見ることも大事。見取り稽古というのもある」と前向きな考えを示した。

 稀勢の里は3月の春場所で左上腕付近を負傷し、夏場所は途中休場。さらに名古屋で左足首も痛めて6日目から休場した。横綱審議委員会には万全の状態での復帰を求められ、そうでなければ9月の秋場所の休場も容認されたほどだった。

 現在は東京都江戸川区の部屋で基本運動などで汗を流しており、非公開での稽古再開時には「まだまだです。(巡業参加は)しっかり稽古をしてから」と話していた。親方は「足の方は大丈夫。今はもう治療の段階ではない。体をつくり直すことが必要。筋力を戻さないといけない」として巡業での体づくりを選んだ。

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稀勢の里、秋場所へ向け稽古開始「まだまだです」

 大相撲名古屋場所で2場所連続休場した横綱稀勢の里が31日、東京都江戸川区の田子ノ浦部屋で秋場所(9月10日初日・両国国技館)に向けて稽古を非公開で開始した。部屋関係者によると、まわし姿になり、軽めの運動で汗を流したという。

 3月の春場所で左上腕などにけがを負った稀勢の里は、武器の左おっつけが影を潜め、5月の夏場所を途中休場。名古屋場所では5日目の勢戦で左足首を痛めて休場した。

 横綱審議委員会からは、万全の状態での復帰を求められている。帰途に就く際に取材に応じた稀勢の里は「まだまだです」と述べるにとどめた。

 30日から夏巡業が始まった。玉ノ井巡業部副部長(元大関栃東)が「途中から来るとは聞いている」と話すように、稀勢の里は合流する可能性がある。横綱は「(巡業参加は)しっかり稽古をしてから。頑張ります」と具体的な言及はしなかった。

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高安「こんな集まるとは」祝賀会人数多く2度鏡開き

出身の茨城・土浦で行われた大関昇進祝賀会で鏡開きに臨む、左から田子の浦親方、高安、高安土浦後援会会長の中川土浦市長(撮影・小沢裕)

 大相撲の大関高安(27=田子ノ浦)の大関昇進祝賀会が27日、地元茨城県土浦市で行われ、約800人が詰めかけた。会場のホテルでは人数が多すぎて、1部屋では収まりきらず、1階と2階に分けて開かれた。そこで2度、鏡開きを行った高安は「これまで地元で激励会をしていただいてきましたが、今までで1番の人数に集まっていただきました。こんなに集まるとは思っていなかったので、感謝しかないです」と頭を下げた。2度目のあいさつ中には、別会場の音声が入ってきたため、まさかの“取り直し”。仕切り直しで3度目のあいさつをするハプニングもあった。

 夏場所後に大関に昇進。新大関で迎えた名古屋場所は優勝を目標に掲げて臨んだが、9勝にとどまり、2桁には届かなかった。地元の後援会から新しい化粧まわしも贈られることになり「(地元には)結果を残して気持ちよく帰ってこられる。これからもまた、いい報告をしに帰ってきたい」と恩返しを誓っていた。

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日馬富士は左肘の炎症、照ノ富士は入院で巡業全休へ

横綱日馬富士

 大相撲の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は27日、30日に始まる夏巡業を休場する横綱日馬富士について「左肘の炎症で肘が伸びない。炎症が治まり次第、巡業には合流する」と説明した。ただ、状況によっては手術する可能性もあり、その場合は秋場所(9月10日初日・両国国技館)に「間に合わない」と明かした。

 夏場所後に手術した左膝の回復が思わしくなく、名古屋場所を途中休場した大関照ノ富士は入院中で、夏巡業は全休の見通し。5度目のかど番となる秋場所に向け、治療に専念するという。

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目標は稀勢の里、愛称「ヤゴちゃん」/矢後略歴

新十両昇進を決めガッツポーズする矢後

 日本相撲協会は26日、愛知県体育館で大相撲秋場所(9月10日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議を開き、7戦全勝で名古屋場所の幕下優勝を果たした昨年のアマ横綱・矢後(23=尾車)の新十両昇進が決まった。改名はせず矢後のまま秋場所に臨む。

 ◆矢後太規(やご・たかのり)1994年(平6)7月8日、横綱大乃国と同郷の北海道芽室町生まれ。本人によれば矢後姓のルーツは富山県にあるという。芽室西小5年から相撲を始め埼玉栄-中大を経て尾車部屋入門。初土俵は夏場所幕下15枚目格付け出しでデビュー(5勝2敗)。目標は同じ左四つの稀勢の里。両親と兄、妹の5人家族。愛称は「ヤゴちゃん」。

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矢後が新十両 鍛錬しヤゴからトンボになったら改名

新十両昇進を決め師匠の尾車親方(右)とガッチリ握手をかわす矢後

 日本相撲協会は26日、愛知県体育館で大相撲秋場所(9月10日初日・両国国技館)の番付編成会議を開き、昨年のアマチュア横綱で、東幕下11枚目で臨んだ名古屋場所を7戦全勝で制した矢後(23=尾車)の新十両昇進が決まった。矢後は5月の夏場所で、幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んだ。15年名古屋場所で新十両昇進を果たした御嶽海(出羽海)以来12人目となる、所要2場所の最速記録で関取の座を射止めた。また中大出身では、03年夏場所の魁道以来、14年ぶりの関取誕生となった。

 新十両昇進決定後、矢後は師匠の尾車親方(元大関琴風)同席の元、愛知・瀬戸市内に宿舎を構える尾車部屋で会見した。尾車部屋では代々、関取になると師匠の現役時代のしこ名の1文字をとって「風」をつけている。現役では幕内の嘉風、豪風、十両の天風がいるが、矢後は当面、本名を通すことになった。関取の座を確実にした後、尾車親方と中大の先輩にあたる豪風を交えしこ名について話し合ったところ「まだこの世界に入って2場所。まだヤゴじゃないか。トンボになって羽ばたいたら改名しよう。(出身の)北海道の人に『矢後』の名を広めれば親孝行にもなる。慌ててトンボになる必要もない。羽根を温めて、羽ばたいたら改名すればいい」(尾車)の結論に至ったという。幼虫のヤゴから成虫のトンボになるまで、鍛錬を積む。

 横綱大乃国と同郷の北海道芽室町出身の矢後は「北海道から最近、関取が出ていない(現役は十両旭大星のみ)。活躍して頑張っている姿を見せたい。前に出る力をもっと磨いて、目標は稀勢の里関。まずは勝ち越しを目指したい」と秋場所での抱負を語った。また大関豪栄道(境川)、西前頭筆頭の貴景勝(貴乃花)ら多くの関取を輩出している、同じ埼玉栄高出身の力士も「負けたくない」と、追いつけ追い越せの姿勢で稽古に精進する。

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魁心鵬が引退 入門前の窃盗の疑いで夏場所後に逮捕

 日本相撲協会は26日、入門前の窃盗の疑いで5月の夏場所後に逮捕された魁心鵬ら7人の引退を発表した。

 引退力士は次の通り。かっこ内は部屋。

 因幡城(境川)栃天翔(春日野)久司(入間川)磐梯山(式秀)貴神龍(貴乃花)魁心鵬(友綱)矢田(尾上)

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横審、稀勢の里へ「しっかり治して」も鶴竜には苦言

東京・両国国技館で開かれた横綱審議委員会

 大相撲の横綱審議委員会が24日、東京・両国国技館で開かれた。名古屋場所では2横綱1大関がけがで途中休場したこともあって、けがの話題が大半を締めたという。

 その中で、2場所連続で途中休場した横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)について、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「しっかり体を治して、万全の態勢で出てきてほしい。そうならない場合は休場でいい。大多数はそうでした」と万全な状態で出場するように求めた。

 夏場所後の横審でも同様の意見が出ていたが「前回以上にそういう意見が強く出た」と言い「横綱として出て全うできるという判断が、ちょっと甘かった。ファンの期待に応える責任感に押されて(判断が)甘くなった気がする」と話した。

 同じく2場所連続で途中休場するなど今年は3月の春場所しか皆勤出場がなく、師匠の井筒親方(元関脇逆鉾)が次の出場に進退を懸けることを明かしている横綱鶴竜(31=井筒)については「これだけ休んでしまうのはマズイ」と苦言を呈した。都倉俊一委員(作曲家)も「けがをしてふがいない状態になる方が、相撲ファンはがっかりする」と出場する以上は万全の体調を求めた上で、鶴竜について「次に出る場所が勝負。そこで休場などしたら意見は申し上げないといけない」と表情は険しかった。

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豪栄道千秋楽で負け越し…来場所かど番「稽古しか」

高安のはたき込みに敗れた豪栄道(撮影・渦原淳)

<大相撲名古屋場所>◇千秋楽◇23日◇愛知県体育館

 7勝7敗で迎えた大関豪栄道(31=境川)は、大関高安(27=田子ノ浦)に敗れて負け越した。

 立ち合いで相手の強烈なかち上げに体が起きて、最後ははたき込みに落ちた。「食いつきたかったけど…」と悔しそうに唇をかみしめた。

 千秋楽を7勝7敗で迎えるのは昨年の名古屋以来。当時は稀勢の里に敗れて負け越した。今年は同じ田子ノ浦部屋の弟弟子に屈した。9月の秋場所は、夏場所に続いて自身6度目のかど番となるが、昨年の秋場所はかど番優勝を果たしただけに「稽古しかないですね」と言葉少なに決意した。

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碧山が敢闘賞、逆転Vなら殊勲賞も 御嶽海は殊勲賞

碧山(右)(写真は2015年4月5日)

 大相撲名古屋場所場所千秋楽の23日、愛知県体育館で三賞選考委員会が開かれ、各賞の受賞者が決まった。

 殊勲賞は、新関脇で白鵬、稀勢の里の2横綱を倒した御嶽海(24=出羽海)が夏場所に続く2度目の受賞。

 敢闘賞は優勝争いを演じている東前頭8枚目の碧山(31=春日野)が、新入幕だった11年九州場所以来2度目の受賞に決まった。

 また、各賞には「条件付き」で候補者が上がり、碧山が逆転優勝を果たせば、初めて殊勲賞に輝くほか、敢闘賞候補では、西前頭2枚目の北勝富士(24=八角)が小結琴奨菊に勝てば初めて、同6枚目の阿武咲(21=阿武松)は御嶽海に勝てば2場所連続2度目の受賞となる。

 また、小結嘉風(35=尾車)は千秋楽で碧山に勝てば、2場所連続4度目の技能賞となる。

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碧山自己最多12勝で夢つないだ、新妻もドキドキ

豪風を押し出しで破る碧山(撮影・渦原淳)

<大相撲名古屋場所>◇14日目◇22日◇愛知県体育館

 東前頭8枚目の碧山(31=春日野)が、12年夏場所旭天鵬以来の平幕優勝に夢をつないだ。幕内最年長の豪風を押し出し、自己最多の12勝目を挙げ、2敗を守った。今日23日の千秋楽で嘉風に勝ち、1敗の横綱白鵬が日馬富士に敗れれば、優勝決定戦へ。鳴戸親方(元大関琴欧洲)に次ぐ2人目のブルガリア人力士として来日。14年九州、15年初場所では関脇だった実力者が、番狂わせを狙う。

 左上手をがっちり引いて、碧山が前に出た。豪風を191センチ、195キロの巨体で抱え込み、体を預けて押し出した。「よかった。膝をしっかり曲げて、前に出られたし」。幕内35場所目で初の12勝を挙げ、優勝争いに残った。「久しぶりに緊張した」。たどたどしい日本語に実感がこもる。

 8年前のデビューから将来を嘱望されながら、左膝、腰などの負傷で伸び悩んだ。今場所の快進撃は地道な稽古のおかげだ。場所中の朝稽古でも栃煌山、栃ノ心と関取3人で相撲を取る。ただ当初は1人約10番とっていたが、前日は6番、この日は4番。内容も1勝3敗と圧倒された。夜7時間、昼2時間も寝ているが、疲れはピーク。この日の取組後は「早く布団に入りたい」とこぼした。

 それでも、まだ頑張れる。今年2月に挙式した同郷のビオレタ夫人が東京の自宅で祈っている。物言いの末に白星を手にした前日の夜は、テレビ電話で「ドキドキした」とこぼされた。「1人で待っているからね。ドキドキして倒れられたら、大変だよ」。元気な相撲で安心させたい。

 東前頭8枚目とあって、三役以上と1度も当たらず、星を重ねた。「10日目ぐらいに横綱戦を組まれるんじゃないかと思ったけどね。関脇経験者に失礼だけど、凡人にはそういうの(運)も必要」と春日野親方(元関脇栃乃和歌)。八角理事長は「碧山がいなかったら大変だったよ」と2横綱1大関が休場した場所の“立役者”に感謝する。

 千秋楽に白鵬が勝てば優勝は消滅するが、やるしかない。12年2月に急逝したかつての師匠、先代田子ノ浦親方(元前頭久島海)が「白鵬に勝てる力士に育てたい」とほれた逸材ももう31歳。「とりあえず明日の一番に集中して、勝ったらいいな…」。最後の力を振り絞る。【加藤裕一】

 ◆碧山亘右(あおいやま・こうすけ)本名ダニエル・イバノフ。1986年6月19日、ブルガリア生まれ。レスリングに打ち込みながら、クラブの用心棒などをしていたが、鳴戸親方(元大関琴欧洲)に次ぐ史上2人目のブルガリア人力士として田子ノ浦部屋入門。09年7月初土俵。11年九州場所で新入幕。最高位は関脇。12年2月の先代田子ノ浦親方(元幕内久島海)の死去に伴い、同年春場所から春日野部屋へ。家族はビオレタ夫人。191センチ、195キロ。

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阿武咲、新入幕から2場所連続2桁勝利 史上7人目

勝ち名乗りを受けて誇らしげな表情を見せる阿武咲(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇14日目◇22日◇愛知県体育館

 西前頭6枚目の阿武咲(21=阿武松)が2場所連続の2桁勝利を飾った。

 小結嘉風(35=尾車)と本来の突き、押しではなく組む形になったが「中には入れさせなかったので、そこが良かった。体がしっかり対応してくれた」。構わず前に寄って、寄り切った。

 先場所の新入幕から、連続2桁。これは1場所15日制が定着した49年夏場所以降、04年九州の露鵬以来7人目の快挙だった。過去の6人には横綱の初代若乃花や白鵬の名前も。ただ、2桁については「全然、意識もしていなかった」と気にせず、それよりも「楽しいっすね。テレビで見ている人とやれて。先場所よりも明らかに強い人たち。めちゃくちゃ楽しい」。21歳の若武者は強者と相撲が取れることを、何物にも代えがたい喜びと感じていた。

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碧山ドタバタ2敗死守、場内アナ間違え思わず苦笑い

物言いの末、軍配通りはたき込みで勝った碧山(右)(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 碧山は右足だけで俵上に残り、輝をはたき込みで破った。物言いの末、勝敗は軍配通りとなったが、場内アナウンスは「かかとが残っていたので、輝の勝ち」と間違えた。「一瞬、体が止まったよ」とドタバタの2敗キープに苦笑いした。

 前夜は同じ部屋の栃煌山、栃ノ心とステーキをたらふく食べた。「おなかの調子が悪いから、よく焼いてもらった。それでも、朝はだいぶ危なかったよ」。12年夏場所の旭天鵬以来となる平幕優勝へ、元関脇の実力者が奮闘中だ。

 ◆物言いがつくも覆らず碧山に敗れた輝のコメント 審判の方々がしっかり見たと思う。それについて自分の判断はない。

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優勝狙う碧山は薄氷星、愛妻の「笑顔で力」2敗守る

碧山(右)は輝よりも先に土俵に足が付いたように見えるも審判団が協議の末にはたき込みで勝った(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 平幕優勝を狙う碧山(31=春日野)がひやひやの白星で、白鵬と1差の2敗を守った。

 輝と土俵際でもつれ合い、右足だけで俵上に残り、輝が倒れ込んだ。微妙なタイミングで物言いとなったが、協議の結果は軍配通り。ところが、肝を冷やすハプニングがあった。

 「どうかなと思ってた。相手が落ちたけど、僕も(左)足が外に出た。それに(協議後)最後の説明もちょっと分からなかったから。『…かかとが残っていたので、輝の勝ち』と言われて(体が)止まったよ」

 大きな1勝だ。11勝は、新入幕で東前頭16枚目だった11年九州場所、西前頭6枚目だった12年夏場所に続く3度目の自己最多勝ち星。12年夏場所は12勝同士の優勝決定戦で旭天鵬が栃煌山を破り、平幕優勝を飾った。それ以来、平幕優勝はない。

 「疲れてなかったら、ウソ」という終盤戦、原動力は最愛の妻ビオレタさんの存在だ。連日、1時間のテレビ電話で顔を楽しんでいる。「昨日は喜んでたね。笑顔でね。その笑顔を見て、僕は元気になった。今晩も笑顔で力をもらうよ」。夕飯は同じ部屋の栃煌山、栃ノ心と関取3人で後援者に特上ステーキをごちそうになった。「ブロックの肉をどーんと鉄板に置かれた。すごくおいしくて、どれだけ食べたか分からない」。ちなみに焼き加減はウエルダン。「おなかの調子が悪いから、よく焼いてもらった。それでも、今朝はだいぶ危なかった」。14日目はベテラン豪風戦。疲れと緊張の中でもちゃめっ気を漂わせ、元関脇が白鵬の背中を追いかける。

碧山対輝戦に物言いを付けて協議する審判団(撮影・小沢裕)

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白鵬1048勝!節目の勝利を振り返り/写真特集

通算300勝 白鵬(右)は右差しから万全の寄りで時天空に完勝(写真は2007年9月10日)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 横綱白鵬(32=宮城野)が、新大関高安(27=田子ノ浦)を押し倒して12勝1敗とし、最多タイで並んでいた元大関魁皇を抜き単独1位となる1048勝目を挙げた。

<通算300勝>2007年大相撲秋場所2日目 白鵬(右)は右差しから万全の寄りで時天空に完勝

通算300勝 白鵬(右)は右差しから万全の寄りで時天空に完勝(写真は2007年9月10日)

<通算500勝>2010年大相撲初場所14日目琴欧洲を上手投げで破る白鵬

通算500勝 琴欧洲を上手投げで破る白鵬(写真は2010年01月23日)

<通算670勝で横綱朝青龍の記録を抜く>2012年大相撲夏場所5日目、押し出しで豊真将(右)を破った白鵬

通算670勝 押し出しで豊真将(右)を破った白鵬(写真は2012年5月10日)

<通算700勝>2012年大相撲秋場所11日目 豪栄道を下し笑顔で引き揚げる白鵬

通算700勝 2012年大相撲秋場所11日目 豪栄道を下し笑顔で引き揚げる白鵬(写真は2012年9月19日)

<通算800勝>2014年大相撲初場所 初日、栃煌山(左)を押し出し通算800勝を挙げた白鵬

通算800勝 栃煌山(左)を押し出し通算800勝を挙げた白鵬(写真は2014年1月12日)

<通算873勝で横綱大鵬の記録を抜く>2014年大相撲九州場所8日目 照ノ富士(右)を寄り切りで破り土俵下まで追い込み突き飛ばした白鵬

通算873勝で横綱大鵬の記録を抜く 照ノ富士(右)を寄り切りで破り土俵下まで追い込み突き飛ばした白鵬(写真は2014年11月16日)

<通算900勝>2015年大相撲春場所5日目、宝富士(下)をすくい投げで破った白鵬は、勢い余って体の上に膝から落下

通算900勝 宝富士(下)をすくい投げで破った白鵬は、勢い余って体の上に膝から落下(写真は2015年3月12日)

<通算1000勝>2016年大相撲九州場所3日目、魁聖を上手投げで破った白鵬

通算1000勝を達成した白鵬は、扇子と「白鵬メーター」を手に満面の笑顔(撮影・岡本肇)

白鵬は寄り切りで玉鷲を破る(撮影・渦原淳)

<通算1047勝>2017年大相撲名古屋場所12日目、寄り切りで玉鷲を破った白鵬

歴代通算1位タイとなる1047勝目を挙げた白鵬は「白鵬メーター」を手に笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

白鵬(左)は高安を押し倒しで下し、歴代通算勝利で単独1位となる1048勝目を挙げた(撮影・小沢裕)

<通算1048勝>2017年大相撲名古屋場所13日目、押し倒しで高安を破った白鵬

白鵬(右)は高安を押し倒しで下し、歴代通算勝利で単独1位となる1048勝目を挙げた(撮影・小沢裕)

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アマ横綱矢後が幕下優勝「ホッとした」関取射止め涙

矢後(左)は竜勢を寄り切りに破り幕下優勝を飾る(撮影・渦原淳)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 所要2場所で関取の座を射止め、涙が止まらなかった。

 幕下の優勝が決まる、6戦全勝同士による矢後(23=尾車)-竜勢(31=鏡山)の一番は、立ち合いの攻防から左を深く差した矢後が寄り切りで勝ち、全勝優勝を決めた。

 幕下15枚目以内の7戦全勝で、来場所の新十両昇進を確実にした。

 横綱大乃国(現芝田山親方)と同郷の北海道芽室町出身。埼玉栄高に相撲留学し、大学は中大に進学。4年時の昨年12月の全日本を制し、アマ横綱に就いた。規定により幕下15枚目格付け出しでデビュー。本来なら3月の春場所がデビューとなるが、持病の腰痛が癒えるのと、プロの世界に慣れるため、デビューは1場所遅らせ、5月の夏場所で初土俵を踏んだ。その夏場所は5勝2敗で勝ち越し、番付を上げて今場所に臨んでいた。

 これほどの緊張感を味わったのは「去年のアマチュア選手権(アマ横綱に就いた全日本選手権)と似たような緊張」と言い「悪いことも想像したりして」前夜は眠りにつけなかったという。「ここまで来たら、やるしかない」と覚悟を決めて場所入りしたが、緊張感は解けない。涙を流したのは、やはり昨年の全日本以来で「緊張がとれてホッとした涙です」と話した。

 「先場所は緊張で自分の相撲を取れなかった。今場所は周りもよく見えて、集中できたのが勝ちにつながった」と勝因を分析。関脇御嶽海以来の所要2場所での新十両昇進は「想像していなかった」という。師匠の尾車親方(元大関琴風)も「順調に成長してくれてホッとしています。先場所はぎこちなかったけど、今場所はプロの雰囲気に慣れた」と勝因を挙げた。同じ左四つの横綱稀勢の里を目標に、また一人、スケールの大きな関取が誕生する。

幕下優勝を決め感極まる矢後(撮影・小沢裕)

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五輪までは現役で!白鵬部屋創設へ日本国籍取得考え

白鵬(中央)は玉鷲を寄り切りで下し、歴代通算1位タイとなる1047勝目を挙げた。右は浅香山親方(元大関魁皇)(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が関脇玉鷲を寄り切り、通算勝利歴代1位となる魁皇の1047勝に並んだ。01年春場所の初土俵から、魁皇より42場所早く達成。唯一の1敗を守り、早ければ明日14日目に2場所連続39度目の優勝が決まる。モンゴル出身の大横綱は近い将来、日本国籍を取得する考えを持っていることが、関係者の話で分かった。日本国籍を取得できれば、引退後は親方として日本相撲協会に残る見通しが立つ。

 ついにこの瞬間が訪れた。土俵下には元大関魁皇の浅香山審判員が座っていた。白鵬は「見えたけど下向いてた」と振り返るほど落ち着いていた。ただ「落とせない気持ちだった」。激しい右のかち上げに、力いっぱい左右の張り手。前日の負けを拭い去るように寄り切った。「言葉に言い表せられない。去年1年間苦しいものがあった。それが大記録につながった。一味も二味も味がおいしい。すんなりきたら、ここまではなかった」。表情は穏やかだった。

 角界のトップを走り続け、すでに将来を見越しているようだ。白鵬は公の場で明言していないが、関係者によると近い将来、日本国籍を取得する意向だという。父ムンフバト氏は、モンゴル初の五輪メダリストで国民的英雄ということもあり、息子の国籍変更は同国では想像以上の大問題。モンゴル国籍のままでは親方になれず、大相撲への思い入れが強い白鵬は悩み続けてきた。

 取得すれば、年寄名跡を取得するために必要な条件で唯一、満たしていなかった「日本国籍を有する者」をクリアする。すでに史上1位となる38回の幕内優勝を果たしており、日本人になれば日本相撲協会から「一代年寄」を贈られる可能性は高い。著しい功績があった横綱だけに与えられるもので、引退後も現役時代のしこ名のまま「白鵬親方」として弟子を指導できる。

 すでに平幕石浦、十両山口、序二段炎鵬を内弟子として抱えている。「白鵬部屋」創設となれば、3人とともに現在の宮城野部屋から独立する。「銀座に部屋を持ちたい」と、語ったこともあった。師匠の宮城野親方(元前頭竹葉山)も、白鵬の思いを察している。「横綱が今後目指すべき目標は?」と聞かれると「若手を育てたいという気持ちがあると思う」と話した。

 今日13日目の高安戦では、通算勝利数の新記録に挑む。今場所を制すれば、優勝40回に王手がかかる。「東京五輪までは現役でいたい」と常々口にする。まずは大横綱として、さらに相撲道を究めていく。【佐々木隆史】

 ◆一代年寄 日本相撲協会に以前から登録された105の年寄名跡(俗称親方株)のほかに、著しい貢献のあった横綱の功績をたたえて贈られる名跡。幕内優勝20回が目安とされ、個人1代限りにおいて年寄として待遇される。68年8月に大鵬、85年1月に北の湖、03年1月に貴乃花に贈られた。89年9月に千代の富士も理事会で提案されたが、本人が辞退した。年寄名跡の襲名資格には、「日本国籍を有する者など」の条件がある。

<主な外国出身力士の日本国籍取得>

 ◆一般的に、年寄名跡の取得を見越して、現役中に手続きを行う。

 ◆第1号関取 初の外国人関取になった、ハワイ出身の元関脇高見山は80年に取得。84年夏場所で引退後、年寄「東関」を襲名して86年に部屋を創設。横綱曙、小結高見盛らを育てて、09年6月に定年退職した。

 ◆養子 元関脇旭天鵬は05年6月にモンゴル人力士として初めて取得し、当時師匠だった大島親方(元大関旭国)の養子になった。15年名古屋場所で引退して「大島」を襲名。今年の夏場所後に「友綱」を継承して、モンゴル出身力士で初の師匠(部屋持ち親方)になった。

 ◆欧州初 14年に元大関琴欧洲が、欧州出身力士として初めて取得。15年に年寄「鳴戸」を襲名した。部屋付きの親方として、佐渡ケ嶽部屋に所属していたが、独立して4月1日付で鳴戸部屋を新設した。

白鵬の通算勝利記録

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序二段は舛乃山、炎鵬が千秋楽で優勝決定戦

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 序二段の優勝争いは、7戦全勝同士による千秋楽の優勝決定戦に持ち越された。

 6戦全勝同士の対戦で舛乃山(千賀ノ浦)が前田に勝利。もう1人の6戦全勝だった炎鵬(宮城野)も三段目の将豊竜(時津風)に勝ち、この2人が優勝決定戦に進んだ。

 前頭4枚目まで経験した舛乃山は、右膝の重傷からの復活を目指す。十両時代の14年8月に1回目、翌15年5月に2度目の手術をした。それでも「痛みがとれなかった」と昨年11月の九州場所後に、3度目の手術に踏み切った。今年は初、春場所と全休し、夏場所途中から本場所の土俵に復帰。今場所は心機一転、06年名古屋場所の初土俵からのしこ名「舛ノ山」を「舛乃山」に改名して臨んでいる。10年九州場所でともに新十両昇進を果たした大関高安(田子ノ浦)を「いい刺激にしたい。優勝決定戦は自分のゴールでなく、上に(関取に)上がるのが目標。一喜一憂しないでやりたい」と話した。

 一方の炎鵬は、引退後に部屋を持つ意向があるとされる、横綱白鵬の内弟子として入門し、5月の夏場所で序ノ口デビュー。7戦全勝し、今場所も含め土つかずの14連勝をマークした。「チャレンジャーの気持ちでぶつかるだけ。お客さんも多いと思うので、お客さんが喜ぶような相撲を取りたい」と優勝決定戦に思いをはせた。大けがからの再起を目指し押し相撲を貫く177キロの舛乃山と、95キロの業師・炎鵬。千秋楽に楽しみな取組が出来た。

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ピアノ力士友風が序ノ口優勝「沸かせて勝つ相撲を」

序の口優勝を決めた友風(撮影・小沢裕)

<大相撲名古屋場所>◇13日目◇21日◇愛知県体育館

 序ノ口は、日体大を卒業し5月の夏場所で初土俵を踏んだ友風(ともかぜ、22=尾車)が、7戦全勝で優勝を決めた。

 ただ1人、6戦全勝で迎えた7番相撲で、相手は序二段の朝塩本(高砂)。183センチ、168キロの恵まれた体を生かした。もろ手で当たった次の瞬間、相手がバランスを崩したのが見えた。迷わず「相手の腰が落ちたので、反射的に引いた」と友風。いとも簡単に相手を土俵をはわせ、優勝が決まった。

 川崎市川崎区出身の友風は、小学生時代からピアノを習った。リチャード・クレイダーマンを好み、音大への勧めもある中で「お相撲さんは格好良いなと思った」とプロ入りを選んだ。あこがれは大学の先輩の嘉風。「体や気持ちの持って行き方などすごい。先輩の背中を見てついて行けば間違いない。ファンを沸かせて勝つ相撲を目指したい」。関取の座は、嘉風が果たした所要8場所での昇進が目標だ。付け出し資格はなく、序ノ口からのスタートだが、それも「いろいろ経験できるとプラス思考でいます。焦らず徐々に」と番付アップを目指す。

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白鵬母モンゴルで「日本国民が注目してくれたお陰」

歴代最多勝に並び、懸賞金を掲げる白鵬(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が関脇玉鷲を寄り切り、通算勝利歴代1位となる魁皇の1047勝に並んだ。01年春場所の初土俵から、魁皇より42場所早く達成。

 白鵬の母タミルさん(69)はウランバートル市内のホテルでテレビ観戦し、緊張した様子で食い入るように取組を見守った。勝利を見届けると「非常にうれしい。日本国民が注目してくれているおかげで、息子はこんなに成功して相撲を取っている」と喜んだ。ここ数年、白鵬がけがに苦しめられたことを心配していたという。「けがをした時も周りの人が治療のことを気遣ってくれたので早く治った。経験もあるしこの数場所はよく戦っている」と、新記録樹立への期待も示した。

 ◆白鵬翔(はくほう・しょう)本名ムンフバト・ダヴァジャルガル。1985年3月11日、モンゴル生まれ。元小結旭鷲山の紹介で00年10月に15歳で来日。04年夏場所で、昭和以降4番目の若さ19歳1カ月で新入幕。大関昇進した06年夏場所に歴代4位の21歳4カ月で初優勝。07年名古屋場所で第69代横綱に昇進。10年初場所14日目から九州場所初日にかけ歴代2位の63連勝。15年初場所で大鵬の持つ最多優勝記録を更新するなど、さまざまな史上1位の記録を持つ。得意は右四つ、寄り。家族は紗代子夫人と1男3女。192センチ、160キロ。血液型A。

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元関脇高見山が1号/日本国籍取得した外国出身力士

歴代最多勝に並び、懸賞金を掲げる白鵬(撮影・岡本肇)

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 大相撲の横綱白鵬(32=宮城野)が関脇玉鷲を寄り切り、通算勝利歴代1位となる魁皇の1047勝に並んだ。

 01年春場所の初土俵から、魁皇より42場所早く達成。唯一の1敗を守り、早ければ14日目に2場所連続39度目の優勝が決まる。モンゴル出身の大横綱は近い将来、日本国籍を取得する考えを持っていることが、関係者の話で分かった。日本国籍を取得できれば、引退後は親方として日本相撲協会に残る見通しが立つ。

 ◆主な外国出身力士の日本国籍取得 一般的に、年寄名跡の取得を見越して、現役中に手続きを行う。

 ▽第1号関取 初の外国人関取になった、ハワイ出身の元関脇高見山は80年に取得。84年夏場所で引退後、年寄「東関」を襲名して86年に部屋を創設。横綱曙、小結高見盛らを育てて、09年6月に定年退職した。

 ▽養子 元関脇旭天鵬は05年6月にモンゴル人力士として初めて取得し、当時師匠だった大島親方(元大関旭国)の養子になった。15年名古屋場所で引退して「大島」を襲名。今年の夏場所後に「友綱」を継承して、モンゴル出身力士で初の師匠(部屋持ち親方)になった。

 ▽欧州初 14年に元大関琴欧洲が、欧州出身力士として初めて取得。15年に年寄「鳴戸」を襲名した。部屋付きの親方として、佐渡ケ嶽部屋に所属していたが、独立して4月1日付で鳴戸部屋を新設した。

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白鵬入門時思い「あんな小さな子が」宮城野親方感慨

04年、新入幕当時の白鵬(左)と宮城野親方

<大相撲名古屋場所>◇12日目◇20日◇愛知県体育館

 横綱白鵬関の師匠、宮城野親方(元幕内竹葉山)は20日、弟子の大記録到達に「あんなに小さな子が、ここまで勝てるとは」と、体重68キロだった入門当時を振り返った。

 白鵬関は力士を目指して来日したものの、なかなか相撲部屋が見つからなかった。モンゴルに帰国寸前で迎え入れたのが宮城野親方。思い出に残る最高の白星に、新大関として初優勝を決めた2006年夏場所の優勝決定戦を挙げた。関脇雅山を寄り切り「左前まわしを取った鋭さ、激しさ、うまさが忘れられない。まるで羽ばたくようだった」と述懐する。

 通算最多勝利記録の更新は確実。今後の白鵬関に「若手を引っ張り上げ、伸ばしてほしい。それが自分のためになるから」とエールを送った。

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幕下の水戸龍が4番相撲に勝って星を五分に戻す

<大相撲名古屋場所>◇7日目◇15日◇愛知県体育館

 プロデビューから2場所目を迎えた西幕下23枚目の水戸龍(23=錦戸)が、4番相撲に勝って2勝2敗と星を五分に戻した。

 同25枚目の勝誠(31=境川)と対戦。右を浅くのぞかせ下手を引き、左は相手の肩越しに取った。潜り込もうとする相手の体勢が徐々に下がり、自分の右脇で相手の頭を挟み付けるような体勢になった。約1分半の長い一番。最後は勝誠が出るところを、引きずり込むように左からの上手出し投げで破った。

 日大2年時から腰痛を抱えるだけに、長い相撲に「途中で腰が痛かった」そうだが「しっかり両まわしを取れていた。中に(懐に)入られてどうしよう、と思ったけど結果的に止まったのがよかった。バタバタするより止まった方が落ち着くから」と結果オーライの一番だったようだ。

 日大4年時の学生横綱の実績から、夏場所は幕下15枚目格付け出しで初土俵を踏んだが、3勝4敗で負け越してしまった。今場所も白星発進から連敗と、一進一退の土俵になりそう。「暑さは苦手」とこの日、35度を記録した猛暑も難敵になりそうだが、そこはアマ横綱にもなったプライドにかけても乗り越える。

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稀勢の里は秋場所もこだわらず、田子ノ浦親方が慎重

13日、稀勢の里は勢に敗れ引き揚げる(撮影・加藤哉)

 稀勢の里は前日の左足首の負傷で2場所連続の途中休場が決まった。

 無念さは察するに余りある。だが、それでも遅い決断だった。5日目の勢戦で敗れた際に左足首を痛めた稀勢の里(31=田子ノ浦)は名古屋場所6日目の14日、「左足関節靱帯(じんたい)損傷で約3週間の安静加療を要する」との診断書を提出した。2場所連続の途中休場。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「『相撲が取れる状態ではない』と。葛藤(かっとう)もあったと思うが、なかなか思うような相撲が取れなく、けがもしてしまったので」と説明した。

 春場所で左上腕付近を負傷し、強行出場した夏場所は途中休場。痛みこそなくなりテーピングも消えたものの、今場所も代名詞のおっつけは出ず、万全にはほど遠かった。負けが込み、さらに足首も負傷。「けがは100%完治はないと思うが、痛みはない。土俵の砂でけがを治すという言葉もあるし、本人も必死だった」と師匠は代弁したが、土俵勘は戻らず、結果として強行出場は失敗だった。

 出場に強い責任感を覚える稀勢の里だが、横綱の使命は勝つこと。今後は万全な姿で戻ることが求められる。師匠も復帰時期について「全治3週間だが、体重もあるし、相撲を取るのはもう少しかかる。相撲が取れる状態になることが一番」とし、9月の秋場所にこだわらない考えを示した。

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照ノ富士も休場、左膝半月板損傷で約7週間休業加療

照ノ富士の休場で正代の不戦勝が決まる(撮影・岡本肇)

 東大関照ノ富士(25=伊勢ケ浜)も14日、「左膝半月板損傷で約7週間の休業加療を要する」との診断書を提出して休場した。

 夏場所後の6月上旬に左膝の遊離軟骨を除去する内視鏡手術を受け、5日目まで1勝4敗と不振だった。再出場しない方針で、秋場所はかど番となる。休場は昨年初場所以来2度目で、6日目に対戦が組まれていた正代は不戦勝。照ノ富士関の師匠、伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)は「力が入らないと本人が言うからね。(夏巡業の出場は)無理でしょう」と話した。

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幕下矢後、前に出て3連勝「1番に集中できている」

<大相撲名古屋場所>◇6日目◇14日◇愛知県体育館

 昨年のアマチュア横綱でデビュー2場所目を迎えた、東幕下11枚目の矢後(23=尾車)が、この日も勝って無傷を守った。同13枚目の出羽疾風(28=出羽海)と対戦。終始、突き押しで攻め立て押し出した。

 3連勝の矢後は「相手は嫌なタイプだったけど、自分の相撲を取れて良かった。前に出ることが出来ました」と快勝に満足そうだった。

 幕下15枚目格付け出しで初土俵となった5月の夏場所は、5勝2敗で勝ち越し。それでも「何が何だか分からず頭が真っ白だった」と振り返る。プロの土俵を1場所経験し「今場所は周りが見えている。1番に集中できている」と好調の要因を口にした。

 残り4番。このまま全勝で乗り切り7戦全勝なら、15年名古屋場所で新十両昇進を果たした御嶽海(出羽海)以来となる、所要2場所で関取の座を射止めることが確実となる。残り4番に、周囲の期待も高まる。

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