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五輪開催予定で夏巡業中止、19年冬から中止続く

協会あいさつが行われる両国国技館(2021年1月10日撮影)

日本相撲協会は28日、東京・両国国技館で理事会を開き、東京五輪開催予定のため、今年の夏巡業を中止すると発表した。巡業開催は19年九州場所後の冬巡業が最後となっている。

そのほか行事の日程発表および変更があり、評議員会は3月29日の午後2時から両国国技館で行われ、7月22日の午後1時に行われる予定だった理事会は同月21日の午後3時に変更となった。

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来年3月場所後の春巡業も中止 今年は丸1年なし

日本相撲協会は1日、東京・両国国技館で理事会を開き、来年3月場所後の春巡業も新型コロナウイルス感染症の影響により中止することを決めた。今年は春巡業、秋巡業、冬巡業が同感染症の影響を受け中止。夏巡業も当初から、東京五輪・パラリンピック開催の予定があったため日程がなく丸1年、巡業がない。

また今年12月24日付で、行司6人、床山8人の昇進も承認した(来年1月の初場所から)。昇進者は以下の通り。

【行司】

木村錦太郎(三段目→幕下)

式守誠輔(序二段→三段目)

式守辰之助(序二段→三段目)

式守海之助(序二段→三段目)

木村龍之助(序ノ口「見習い」→序二段)

木村俊太(序ノ口「見習い」→序二段)

【床山】

床鶴(一等→特等)

床鳴(二等→一等)

床健(二等→一等)

床九(二等→一等)

床真(三等→二等)

床風(四等→三等)

床匠(五等→四等)

床響(五郎「見習い」→五等)

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冬巡業の中止決定、1年間未実施は八百長問題時以来

日本相撲協会は13日、東京・両国国技館で臨時理事会を開き、例年は11月の九州場所後に実施される冬巡業を、新型コロナウイルス感染拡大の影響で取りやめることを決めた。協会は書面にて「九州地域における広範囲の移動および長期滞在によるさまざまなリスク、直前中止の場合の勧進元様への影響などを鑑み、『冬巡業は中止』とさせていただくことになりました」とコメントした。

春巡業、秋巡業は中止、夏巡業は東京五輪が予定されていたため計画されておらず、今年は巡業が行われないことになった。

1年を通して巡業が実施されないのは、八百長問題が起きた11年以来となる。

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今も実感沸かぬ大横綱の死/記者が振り返るあの瞬間

元横綱千代の富士の九重親方死去を報じる16年8月1日付の本紙1面

<スポーツ担当記者 マイメモリーズ>(28)

政府の緊急事態宣言が延長され、スポーツ界も「自粛」状態が続いている。日刊スポーツの記者が自らの目で見て、耳で聞き、肌で感じた瞬間を紹介する「マイメモリーズ」。サッカー編に続いてオリンピック(五輪)、相撲、バトルなどを担当した記者がお届けする。

  ◇   ◇   ◇ 

暑く、長い夏の1日だった。16年7月31日。元横綱千代の富士の九重親方が亡くなった。その日は、夏巡業取材で大阪から岐阜市内へ日帰りで出張していた。仕事を終えて夕方の新幹線でのんびり帰阪していると、デスクから携帯電話に一報が入った。

「九重親方が亡くなったようだ。福井に行ってくれるか」

えっ…。しばし、絶句した。親方は都内の病院で亡くなったが、力士や親方衆一行は岐阜からバスで次の巡業先の福井市へ向かっていたため、そこで関係者を取材してほしいということだった。新大阪駅に着いたのは午後6時ごろ。自宅まで着替えを取りに行く時間などない。慌てて特急サンダーバードに乗り換え福井へ向かった。午後8時過ぎに着くと、駅前のホテル周辺で関係者を捜し回った。

取材していて、動悸(どうき)が収まらなかった。昭和49年生まれの記者にとって“大横綱”といえば、千代の富士だった。筋骨隆々の体で豪快につり出し、上手投げで勝ち続ける姿は、ヒーローそのもの。子供のころ、狭い家の中で父親と相撲を取る時は、ベルトを前みつ代わりに引きつけて頭をつけ、千代の富士になりきっていた。記者になってから関係者の紹介で食事をした際は「俺は日刊が嫌いなんだ!」と言われてビビリまくったが、マッコリをたくさん飲むと笑ってくれた。そして、ひとたび相撲の話になると現役時代のような鋭い眼光に戻り、言った。「三役が大関を、大関が横綱を目指すなら、もっともっと稽古をやらないと。『もっと』じゃないよ。もっともっと、だ」。少し前まで熱く語っていた“大横綱”が死ぬなんて、信じられなかった。

その夜は結局、午後11時過ぎまで取材を続け、元大関栃東の玉ノ井親方や、豪栄道らから思い出話を聞いた。翌8月1日は1~3面と芸能面で死を悼む記事が掲載されたが、紙面を見ても亡くなった実感は湧かなかった。4年の歳月が流れた今も同じだ。テレビで見た現役時の勇姿も、一緒に飲んだ時の笑顔も、「もっともっと、だ」と力を込めた険しい顔も、すぐによみがえってくる。心の中で生き続けるとは、こういうことなのか。横綱千代の富士が、教えてくれた気がする。【木村有三】

現役時代の横綱千代の富士

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夏場所中止に理事長「現況の終息願う」コメント全文

3月22日、大相撲春場所千秋楽で協会挨拶を行う八角理事長

日本相撲協会は4日、臨時理事会を開き、2週間延期して24日に初日を予定していた大相撲夏場所(東京・両国国技館)の中止を決定した。同時に7月の名古屋場所(7月19日初日)は会場を名古屋市のドルフィンズアリーナから東京・両国国技館に変更し、無観客開催を目指す方針も決めた。9月の秋場所後に予定していた秋巡業は中止する。新型コロナウイルス感染拡大の影響により、政府発令の6日期限の緊急事態宣言が、31日まで延長。これを受けて、通常開催を断念した。

    ◇    ◇    ◇

日本相撲協会が発表した八角理事長(元横綱北勝海)のコメントは以下の通り。

このたび、緊急事態宣言の延長が発令されたことを鑑み、ファンの皆様並びに関係者の皆様の健康と安全を確保するため、五月場所の開催中止を決定いたしました。

また、秋巡業につきましても、開催は10月ではございますが、開催できるかどうかの目処が立たない中で準備を進めさせていただくことは、主催者である勧進元様に多大なるご迷惑となることと判断し、中止を決定いたしました。

なお、夏巡業につきましては、東京オリンピックが予定されていたこともあり、すでに中止を決定しております。

一方で、七月の名古屋場所につきましては、大人数による東京から名古屋への移動・長期滞在を避けるために、特別開催としまして、7月19日から8月2日、東京で行うこととし、両国国技館での無観客開催を目指す所存です。

相撲観戦を楽しみにしていらっしゃるファンの皆様には、大相撲をお見せ出来る日が先になってしまい、大変残念に思いますが、力士を初めとする協会員一同、今後も国民の皆様と同様に、一生懸命、新型コロナウィルス感染症の感染予防に努めて参ります。そして、開催できた暁には、精一杯の迫力ある相撲をご覧いただけますよう、これからも取り組んで参ります。

一刻も早く現況が終息することを願うとともに、感染症により亡くなられた方とそのご遺族に心よりお悔やみを申し上げます。また、現在治療中の患者の皆様、ご家族の皆様に心よりお見舞いを申し上げます。そして、全国各地で感染症の治療・ケアにあたられている医療関係者の皆様に心から感謝するとともにエールを送らせていただきます。

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大相撲、10月の秋巡業も中止 冬巡業のみ開催予定

閑散とする両国国技館(撮影・鈴木正人)

日本相撲協会は4日、新型コロナウイルス感染拡大の影響により夏場所(24日初日、東京・両国国技館)の中止を発表するとともに、10月に開催する予定だった秋巡業の中止も発表した。

八角理事長(元横綱北勝海)は「秋巡業につきましても、開催は10月でございますが、開催できるかどうかめどが立たない中で準備を進めさせていただくことは、主催者である勧進元様に多大なるご迷惑となると判断し、中止を決定いたしました」とコメントした

夏巡業は東京五輪・パラリンピックの日程を考慮して、すでに昨年の8月に中止を発表していた。

年内の巡業は、11月の九州場所後に行われる冬巡業のみ開催が予定されている。12月11日予定の大阪・枚方市などをはじめ、春巡業の一部が冬巡業に組み込まれている。

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希代の横綱白鵬と歩む今後、大銀杏結う新床山も興奮

相撲情報 43回目の優勝を飾った白鵬は支度部屋で笑顔を見せる(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇14日目◇23日◇福岡国際センター

平成の大横綱が、令和の大相撲にも新たな1ページを刻んだ。横綱白鵬(34=宮城野)が史上最多を更新する43度目の優勝を飾った。

2差で追っていた平幕の正代が敗れ、小結朝乃山は3敗を守ったが、自身は関脇御嶽海を外掛けで下して13勝目として、勝利で決めた。新元号「令和」で、そして9月に日本国籍を取得後初めての優勝。34歳8カ月での優勝は、年6場所制となった58年以降では4位の年長記録となった。

   ◇   ◇   ◇

関取昇進時から白鵬の大銀杏(おおいちょう)を担当していた床蜂が8月に定年を迎え、秋場所から担当は床幸(とこゆき、51=友綱)に代わった。同じ伊勢ケ浜一門で、白鵬が大関だった08年の夏巡業に担当したことがあるが、横綱は初めて。8月の夏巡業で床蜂から任命された。「光栄です。床山みんなが目標にしていると思うので」。支度部屋での準備運動では張り詰めた雰囲気を醸し出す横綱は、普段の会話では「気さくな方」。会場を出る時間は2時間以上遅くなったが、それ以上の充実感があるという。

おじにあたる先々代大島親方の元大関旭国に誘われて、83年に入門した。床山生活で一番の思い出は、当時大銀杏を結っていた元関脇旭天鵬(現友綱親方)が、12年夏場所で史上最年長での優勝を果たしたとき。「あのときは感動した。これからも楽しみです」。史上最多の優勝回数を誇る希代の横綱と歩む今後に、胸を躍らせていた。

外掛けで御嶽海(下)を下す白鵬(撮影・小沢裕)

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豪栄道「リフレッシュすることもできた」秋巡業皆勤

朝稽古に参加した豪栄道(撮影・佐藤礼征)

大相撲の大関豪栄道(33=境川)が巡業を皆勤した。27日、広島・福山市で行われた秋巡業に参加。

三番稽古で平幕の大栄翔(25=追手風)を指名して、7番を全勝した。8月の夏巡業は右肩の負傷により休場。この日、初日から参加していた今巡業の最終日を迎えて「夏も休んだから出ずっぱりは久しぶりだった。久しぶりで1カ月長く感じたし疲れはあるけど、地元(大阪)で巡業があってリフレッシュすることもできた」と総括。最終日は埼玉栄高の後輩、大栄翔を寄せ付けず「(相手は)どんどん上位で活躍しているので、いい形で締めくくることができた。いいイメージで福岡に入ることができる」と、2週間後に迫った九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)に向けて納得の表情を見せた。

この日は打ち出し後、JR福山駅で新幹線に乗り込み、博多駅に出発した。「九州は食事がおいしいから楽しみ」と豪栄道。昨年の九州場所は8番勝ったものの、右上腕を負傷して途中休場した。「一生懸命頑張るだけ。(九州場所に向けて)出稽古も積極的に考えていきたい」と、気合を入れた。

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貴景勝半年ぶり巡業合流、九州場所「出る気持ちで」

土俵下で腕立て伏せをする貴景勝(撮影・佐藤礼征)

大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)で大関に復帰する貴景勝(23=千賀ノ浦)が16日、静岡・浜松市で秋巡業に合流した。

左大胸筋の肉離れにより、5日から始まった今巡業は初日から休場。巡業参加は新大関として迎えた4月の春巡業以来で「夏(巡業)も休んで、うれしいというか久しぶりという感覚」と、淡々と話した。

この日の朝稽古では四股やゴムチューブを使ったトレーニング、付け人を背負ったスクワットで下半身を重点に鍛えたほか、腕立て伏せで上半身にも負荷をかけた。痛がる素振りも見せず、本割でも相撲を取り、秋場所の優勝決定戦で敗れた関脇御嶽海を退け、回復ぶりをアピール。都内で稽古を再開した1日は左胸付近に赤黒い内出血が広がっていたが、きれいさっぱり消え去っていた。「(腕立て伏せなど上半身を鍛える運動は)少しずつです。無理をせず、再断裂をしたら意味がないので」と慎重な姿勢は崩さなかったが「内出血は治まって、痛みとしても大丈夫。(回復は)早いと思う」と、復活に向けて確かな手応えを感じていた。

九州場所に向けて出場可否の判断は現時点で下せないが、最善を尽くしていく覚悟だ。負傷した秋場所千秋楽から3週間余り。診断書では全治6週間と記載されていたが「それはあくまで目安。個人差だから何とでもなる」ととらわれない。負傷した左胸付近の筋肉は、まだ本来の状態とは遠く「周辺の組織が固まった状態だと負荷をかけると切れてしまうので、固まった組織をほぐすことが大事。時間をかけて動ける形に持っていきたい」と、当面は自身のペースで基礎運動をこなしていくつもりだ。「(九州場所へ)出る気持ちで日々過ごさないと治りも遅くなるし、自分でも気の緩みになる。治りが遅くて(九州場所に)出られなかったらしょうがない。切り替えて1月(初場所)に向けて一生懸命やっていくだけ」。協会の看板力士を担う23歳は、焦りも不安も一切見せず、現時点の課題だけを見据えた。

貴景勝(2019年10月1日撮影)

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鶴竜「最後に話したかった」井筒親方通夜で胸中語る

元関脇逆鉾の井筒親方(本名・福薗好昭)の時津風一門葬で亡くなった師匠への思いを語る鶴竜(撮影・小沢裕)

16日に膵臓(すいぞう)がんにより58歳で亡くなった、大相撲の元関脇逆鉾で井筒親方(本名・福薗好昭)の通夜が24日、東京・墨田区の井筒部屋で営まれた。

参列した弟子の横綱鶴竜は師匠の死後、初めて公の場で取材に対応し「突然だった。まだそこ(部屋)にいるんじゃないかと、信じられない気持ち。最後にちょっと話をしたかった」と胸の内を明かした。

最後に対面して会話したのは、優勝した名古屋場所の千秋楽。夏巡業の出発前にも電話でやり取りをしたという。「そこから会話できなかったのが悔い」と肩を落としたが「今思えばいい親孝行をした」と、最後に6度目の賜杯を抱く姿を見せ、静かに胸を張った。祭壇に飾られた遺影は勝負審判を務めている紋付き姿。鶴竜は「本当にいい写真ですね」と神妙な面持ちで話した。師匠の死去により、今後の所属先にも注目が集まるが「(今後は)正直今は分からない」と明言しなかった。通夜には鶴竜のほか時津風一門の親方衆、関取衆に加えて一門外から八角理事長(元横綱北勝海)や尾車理事(元大関琴風)、弟の錣山親方(元関脇寺尾)、横綱白鵬ら約600人が参列した。

井筒親方の時津風一門葬で焼香する鶴竜(撮影・小沢裕)

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貴景勝が史上最速の大関復帰、特例母校リハビリ実る

10勝目を挙げて大関復帰を決め、支度部屋で記者の質問に耳を傾ける貴景勝(撮影・加藤諒)

<大相撲秋場所>◇12日目◇19日◇東京・両国国技館

関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が、史上最速の大関復帰を果たした。平幕の妙義龍を突き落として10勝目。夏場所の栃ノ心以来、現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降では6人7例目となる1場所での復帰となった。

76年名古屋場所で13日目に10勝目を挙げた三重ノ海より1日速い最速記録。さらに史上初となる大関復帰と幕内優勝の同時実現に向けて、2敗を守って単独トップに浮上した。関脇御嶽海ら5人の3敗勢が追走する。

   ◇   ◇   ◇

大関貴景勝が戻ってくる。手放さざるを得なかった地位を、再びつかんだ。「ひとまず良かったとかじゃないが、クリアしたかなと思う」。10勝目がかかった妙義龍戦。当たって下から起こすと、体を開いて左から突き落とし。取組時間は1・2秒だった。

「出ずに陥落したことは本当に無念だった」。右膝を負傷しながら再出場して敗れた夏場所8日目から、この日がちょうど4カ月だった。かど番だった名古屋場所も夏巡業も全休し、基本は1人で治療とリハビリ。その間に「離れていく人もいた」と明かす。世の中の関心が薄まり、ある後援会の会員数は一時的に微減した。同時に「変わらず応援してくれる人に恩返ししたい」気持ちが強まった。

大関復帰に向けて、異例の調整を準備してくれたのが、かつての恩師と今の師匠だ。4カ月中の約1カ月半は、初心に戻ろうと母校の埼玉栄高で住み込みのリハビリ。7年前の高校入学直後に「一生付き合っていこう」と誓ってくれた相撲部の山田道紀監督(53)が、寝食そろう環境を用意してくれた。ただ、師弟関係を重んじる相撲界。本来なら部屋で稽古するのが通例だが、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「大関だから自分のやることを信じればいい」と特例を認めてくれた。「師匠も山田先生も自分のやり方を受け入れてくれる。1人ぼっちだなあって思う半面、自分のためにいろんなことをやってくれる人がいると気づいた」。

勝ってかぶとの緒を締める。あくまで来場所の番付が決まっただけ。「1つの区切り。ここで満足したら、終わってる」。2度目の天皇賜杯で、大関復帰に花を添える。【佐藤礼征】

◆かど番制度 69年名古屋場所から、大関は2場所連続で負け越すと関脇に陥落することが決まった。しかし、翌場所10勝以上した場合は大関に復帰できる。

引き揚げる貴景勝は子供の頭をなでなでする(撮影・柴田隆二)
妙義龍を下し2敗をキープする貴景勝(撮影・河田真司)
貴景勝(左)は突き落としで妙義龍を下す(撮影・加藤諒)

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朝乃山、鶴竜破る初金星「前に出て」幕内100勝

支度部屋を出発する朝乃山(撮影・中島郁夫)

<大相撲秋場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館

西前頭2枚目の朝乃山(25=高砂)が、無敗の横綱鶴竜を破り、初金星を挙げた。得意の右四つから寄り切る完勝で3勝2敗とした。

7月の名古屋場所で横綱に初挑戦したが白鵬、鶴竜に連敗。「三度目の正直」で、幕内通算100勝の節目の白星に花を添えた。5月の春場所で初優勝した大器が、来場所の新三役に向けて難関を突破した。全勝は関脇貴景勝と前頭隠岐の海の2人となった。

   ◇   ◇   ◇

初金星は完勝だった。最初から最後まで流れは朝乃山だった。立ち合いで右を差すと圧力をかけて前進。苦し紛れに打ってきた鶴竜の投げに乗じ、左上手をガッチリとつかんだ。土俵際で、再び投げに活路を見いだそうとした横綱を寄り切る、万全の取り口だった。今場所はすべて三役以上を相手に序盤戦を3勝2敗。夏場所では横綱と対戦がないまま初優勝したが、強さが本物であると証明した。

「金星というより、前に出て自分の相撲を取れて、横綱に勝てたことがうれしい」と、少しほほ笑んだ。初めて場内に、座布団を舞わせたことにも気付かないほど「緊張はした」と認める。それでも白鵬、鶴竜に連敗した横綱初挑戦の先場所よりは冷静。「思い切っていこうと決めていた」。ここ一番の時に繰り出す、頭からぶつかる立ち合いで自分にムチを入れていた。

今場所前は、初めて左脚の蜂窩(ほうか)織炎を発症するなど万全ではなかった。新番付が発表された8月26日以降、相撲を取る稽古ができたのは、わずか3日。稽古総見にも出稽古にも行けず、39度の発熱や歩くことさえままならない痛みに苦しんだ。「不安と焦りしかなかった」。そんな中、部屋のおかみさんが青森県から取り寄せた、炎症などに効果があると言われる黒ニンニクをもらった。周囲の支えと、夏巡業で稽古を続けてきた実績に後押しされた。負けた2番も、前に出て自信を取り戻していた。

今場所は同じ富山県出身の人気ユーチューバー「はじめしゃちょー」から、15日間通しで懸賞がかかる。ユーチューバーからの懸賞は相撲界初。新時代を切り開く人物に興味津々で「場所が終わったらぜひ会いたい」と話す。実現するなら初金星に加えて三賞、さらには来場所の新三役…。大量の手土産を持参し、角界の顔の一人として初対面するつもりだ。【高田文太】

鶴竜(右)を寄り切りで破る朝乃山(撮影・中島郁夫)
鶴竜を破り、懸賞金の束を手に土俵から引き揚げる朝乃山(撮影・河田真司)

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高安休場 親方、痛めた左肘「使えていない」

高安

日本相撲協会は6日、審判部が東京・両国国技館で、8日に初日を迎える大相撲秋場所(両国国技館)の取組編成会議を開き、初日と2日目の取組を決め、大関高安(29=田子ノ浦)の休場が発表された。

高安は7月の名古屋場所で、左肘の関節内側側副靱帯(じんたい)を断裂し途中休場。夏巡業も休み治療と同時に、秋場所出場へ調整を進めてきたが完治に至らず、休場を決めた。

師匠で、審判部としてこの日の取組編成会議に出席した田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は、前日7日に高安と話し合って決めたと説明。「場所前の稽古が全然、出来ていない。(左肘も)使えていないのでトレーニングはやっていても、相撲にはいろいろな角度からの攻めがある。いろいろなもの(動き)に耐えられるようにしないといけない」と現状を説明した。

高安の休場は6回目。同親方は秋場所の途中出場を「考えていない」と話すことから、11月の九州場所は昨年名古屋場所以来、3度目のカド番になりそうだ。場所後の秋巡業については「(秋)場所後までの様子を見て」決めるという。

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白鵬「勝利に尽きる」自ら重ねリーチ主将にエール

若い衆相手に受けの稽古をする白鵬

大相撲秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)で、3場所ぶり43度目の優勝を目指す横綱白鵬(34=宮城野)が29日、東京・墨田区内の部屋で、朝稽古に汗を流した。

この日は軽めの稽古に終始。稽古場に姿を現すと、10分ほどの柔軟で体をほぐした。土俵に入ると、三段目の若い衆相手に、立ち合いの踏み込みの確認を入念に7本繰り返し、受けの稽古も17本。18分ほどで土俵を離れ稽古場から引き揚げた。相撲を取る稽古は、16日の夏巡業を最後に行っていないが、ペース配分を考慮しながら秋場所に向け調整を続けるようだ。

部屋を引き揚げる際には、かねて親交があり、この日発表されたラグビーW杯代表で、2大会連続のキャプテンとして選出されたフランカーのリーチ・マイケルについて言及。「日本で開催されるW杯だから、日本中の人をわかすために活躍してほしい。何よりも勝つ。そのことに尽きる」とエールを送った。

リーチ・マイケルはラグビーの普及のためにモンゴルから、母校の北海道・札幌山の手高に留学生を招くプロジェクトに取り組んでおり、その際に白鵬が協力の手を差し伸べている。「リーチさんだからできる素晴らしい社会貢献」と、異国の地で活躍する同じ境遇にあるスポーツマンをたたえていた。

柔軟で体をほぐす白鵬
炎鵬(左)と石浦の三番稽古を凝視する白鵬

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白鵬ウエートトレ披露 29日にも相撲稽古再開へ

見学に訪れたモンゴル柔道協会の幹部らとウエートトレーニングしながら話す白鵬(後方左)

横綱白鵬は、基礎運動や器具を使ったウエートトレーニングで汗を流した。

相撲を取る稽古は、すでに14日と16日の夏巡業で行っているが、31日の稽古総見に向けて29日にも再開。この日は、世界選手権のために来日しているモンゴル柔道協会の幹部ら約10人が訪れ、稽古後に談笑。うち1人には土俵で胸も出した。「今の(バトトルガ)大統領にも胸を出しているんだよ」と明るく話していた。

稽古後、見学に訪れていたモンゴル柔道協会の幹部らと談笑する白鵬

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白鵬「いよいよ本場所だなと引き締まる」恒例綱打ち

若い衆に新調された綱を締めさせる白鵬(中央)

大相撲秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)で、3場所ぶり43度目の優勝を目指す横綱白鵬(34=宮城野)が27日、東京・墨田区内の部屋で、東京場所前恒例の綱打ちを行った。

すっかり恒例となった行事だが「いよいよ本場所だな、と締めてみると引き締まる。地方場所なら(場所前の)奉納土俵入り、東京ならこの綱打ち。(初日)直前になると、土俵祭でまた引き締まる」と柔和な表情の中にも、厳粛な気持ちを言葉で表現した。

夏巡業も皆勤。体調管理の難しい時期だが「東北、北海道から帰ってきた時には暑さの違いでビックリしたけど、少し涼しくなったかな」と乗り切った。7月の名古屋場所も皆勤。「無事に乗り越えたので、そこを思い出しながら臨めばいい」といい、懸念される右上腕部も「巡業の稽古でも痛みはなかったし、良くなっている」と、場所前の通院などでケアするものの、不安なしを強調した。

自身が休場した場所は、初優勝力士が続出。そんな流れに乗り「優勝を狙う」と堂々と公言する若手が台頭してきた。そんな時流には「そう言う(公言する)のが遅い。それなりに稽古して自信があるから言えるんだろう」と歓迎の様子。ただ、くぎを刺すことも忘れず「同年代が優勝したから自分も、というのはダメ」と単に流れに乗るのではなく「それなりに稽古したから自信になってるんだろうし(上位に)定着して自信になっているなら」と地力をつけることを説いた。

平成から令和になって3場所目。5月の夏場所は平幕の朝乃山、7月の名古屋場所は横綱鶴竜が賜杯を抱いた。「平成の大横綱」が狙うのは、令和初の優勝。「秋場所は去年、好成績を挙げている。縁起がいいからね」と、休場明けで全勝優勝した1年前を思い起こすように、力を込めた言葉で取材対応を締めくくった。

出来上がった新調された綱を見やる白鵬(左)

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鶴竜2場所連続Vへ自信 腰痛「まったく問題なし」

笑顔で報道陣の質問に応じる鶴竜(撮影・滝沢徹郎)

7月の名古屋場所で6度目の優勝を飾った横綱鶴竜は、2場所連続優勝への自信をのぞかせた。

都内の部屋で会見。名古屋場所前は腰痛に悩まされていたが「今はまったく問題ない。巡業中に体をつくって、動きも確かめてきた」と、約1カ月の夏巡業で状態は上向きだという。

8月に34歳となった際には2ケタ優勝を目標に掲げたが、この日も「そういう目標を立てないと、やっている意味がない」とあらためて誓った。

優勝を狙う鶴竜は右手を上げる(撮影・滝沢徹郎)

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鶴竜、「めっちゃキレイ」NBA八村からほめられる

優勝を狙う鶴竜は右手を上げる(撮影・滝沢徹郎)

大相撲の横綱鶴竜(34=井筒)が、秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)の新番付が発表された26日、都内の部屋で会見した。7月の名古屋場所では、14勝1敗で6度目の優勝。腰の痛みなどを抱えながら初日を迎えた先場所とは一転、7月末から1カ月近くにわたる夏巡業も皆勤し、体調面について「今はまったく問題ない。巡業中に体をつくって、動きも確かめてきた」と、2度目となる2場所連続優勝への自信をのぞかせた。

これまで6度の優勝は、14勝1敗が4度あるが、全勝優勝は1度もない。先場所も初顔合わせの平幕友風に不覚を取り、13日目に唯一の黒星を喫している。「自分としてはもったいなかった」と、冷静さに欠けていたと分析。全勝優勝したいか問われると「そうですね」と話したが、すぐに「ただ、最近はこだわりすぎないようにしている」と、重きを置いているわけではないという。「優勝という高い目標を置いて、その前にまず1勝、その次は勝ち越し。1つ1つ」と語った。

8月で34歳となったが「体はしっかりと動いている」と、大きな変化を感じているわけではない。その理由について「30歳を超えると、いろんなこと、技術とかが身に付いてくるけど、体力は落ちやすい。20代は体力勝負。技術を身に付けるために20代でやってきた。1度身に付いたものは離れない」と語る。体力で勝つ割合が高かった20代よりも、落ちてきた体力を補って余りある技術で勝ってきた30代の今の方が、円熟味を増している。

24日に観戦した、バスケットボール男子の日本代表強化試合ドイツ戦での試合前の“始球式”は「だいぶ、モンゴルでも騒がれているみたい」と、母国でも反響を呼んでいるという。華麗なフォームで3ポイントシュートを決めた動画は、母国でもインターネット上で拡散され、称賛されている。「相撲をやっていなかったら、バスケの選手として、こういうところに立てたのかなとも思った」と、1万8000人以上が集まった会場を思い返していた。また、その試合後には、日本代表でNBAウィザーズの八村塁からも「めっちゃキレイでした。すごいですね」と、シュートフォームをほめられたことも明かした。「楽しい1日でした」と、連続優勝に向け、大いに刺激を受けた経験を振り返っていた。

34歳の誕生日を迎えた際には、2ケタ優勝を目標に掲げたが「そういう目標を立てないと、やっている意味がない」と、あらためて誓った。今後は出稽古や時津風一門の連合稽古などで仕上げていく予定だ。

笑顔で報道陣の質問に応じる鶴竜(撮影・滝沢徹郎)
笑顔で報道陣の取材に応じる鶴竜(撮影・滝沢徹郎)

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白鵬、八村塁を絶賛「ダンクは王道。勢いづいた」

夏巡業全興行で土俵入りを行った白鵬

大相撲の横綱白鵬(34=宮城野)が25日、東京・千代田区の商業施設「KITTE」で行われた夏巡業に参加した。

前日24日にはバスケットボール男子日本代表の国際試合・日本-ドイツ戦を観戦し「昨日も言ったけど子どもの頃はバスケ選手が夢で、目指していた部分もあった。コートに立つのは夢の舞台の1つ。緊張はしたけどいい思い出だった」と、明るい表情で振り返った。

特に日本のエース八村塁(21)については、ダンクシュートを決めた場面を絶賛し「ダンクというのは王道。1つ、2つと決まると静まりますね。それでチームが勢いづいたと思う」と、勝因の1つとして挙げた。

この日で巡業の全日程が終了した。「今は元気だけど途中で少し(体調を)崩しかけた」と打ち明けたが、離脱することなく横綱鶴竜とともに皆勤。途中合流した栃ノ心を除いて3大関が休場する中、看板力士として各地を盛り上げた。「地方場所は本場所に来られない方もいるから、1日1日を大切にして頑張ってきた。地元力士が引っ張っていく、そういう稽古も見せられたと思う」と、納得の表情で巡業を締めくくった。

日本代表対チュニジア エントリーメンバーから外れた八村は、仲間のプレーにベンチを立ち上がる(撮影・丹羽敏通)
ダンクを決めるSF八村(2019年8月24日撮影)

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鶴竜「土俵に集中」夏巡業終え26日から本格稽古

夏巡業全興行で土俵入りを行った鶴竜

大相撲の夏巡業は25日、東京・千代田区のKITTEで行われ、22日間にわたる全日程を終えた。26日には秋場所(9月8日初日、東京・両国国技館)の新番付が発表され、各力士は本格的な稽古に突入する。

巡業での朝稽古は19日の北海道釧路市での巡業で打ち上げとなっており、横綱鶴竜(34=井筒)は「釧路での巡業が終わってから、家族とゆっくり過ごしていた」と明かした。この日で一区切りとあって「明日(26日)からもう1度、土俵に集中していきたい」と、気を引き締め直していた。

24日は、バスケットボール男子の日本代表強化試合ドイツ戦で、試合前に“始球式”を務めた。しなやかなフォームから、3ポイントシュートを放ち、1本目こそリングにはじかれたが、2本目で沈めて大歓声を受けた。その余韻が残っているのか、取組前、観衆の前に出る前の舞台裏では、シュートフォームを確認する動きを繰り返していた。その点を取組後、報道陣から突っ込まれると照れ笑いを浮かべながらも「本当に勝ってよかったですよ。前半は負けていましたからね。相手チームにも、よく知っているNBA選手が何人もいましたし」と、日本代表の逆転勝ちに、あらためて刺激を受けた様子だった。

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