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押し相撲を貫いた初V大栄翔は立派/大ちゃん大分析

大栄翔(左)は隠岐の海を突き出しで破り幕内優勝を決める(撮影・小沢裕)

<大相撲初場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館

見事な大栄翔の優勝だ。立派としか言いようがないな。小細工しない隠岐の海が相手とはいえ、重圧がかかる中、迷いなく突き放す相撲が取れたのは、精神的にも揺らぎがなかったということ。ムラがありがちな押し相撲で15日間、自分の相撲を貫き通せたのは本当に立派だ。今場所は三役以上が全員、勝ち越した。ある意味、レベルが高い場所で、平幕の優勝は価値がある。

大栄翔の優勝にケチをつけるつもりは全くないが、一方で横綱不在の影響が浮き彫りになったともいえるだろう。初場所は6年連続らしいが、初優勝が多すぎる。優勝者の顔ぶれがコロコロ変わるのは本来、最上位である横綱がドッシリ構えて、にらみを利かせていないからだ。出場しないようでは話にならない。日替わりならぬ“場所替わりヒーロー”が出るのは、番付社会で本来、あるべき姿ではないと思う。やっぱり横綱には壁になってほしい。その横綱を脅かす大関陣の中からも、早く次代の横綱が誕生してほしい。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

八角理事長(手前)から内閣総理大臣杯を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)
優勝インタビューを終え、しばらく天を仰ぐ大栄翔(撮影・河田真司)

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衰え知らぬ大栄翔の押し、結果自ず/大ちゃん大分析

玉鷲(左)を勢いよく攻める大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇14日日◇23日◇東京・両国国技館

あの玉鷲を慌てさせた大栄翔の押しの強さは、衰え知らずで千秋楽を迎えそうだ。

土俵際まで押し込んだ後、引いて呼び込んだが悪い引きではない。流れの中の引きで、逆に玉鷲は上体だけの反撃だから足が十分に送れず、押し込んでいた分、大栄翔には後ろの土俵に余裕があった。引き足も弾むような運びで体が動いている証拠だ。優勝争い最終盤で体がガチガチになっている様子もない。

一方の正代は悪い癖があだとなったな。照ノ富士相手に引いては、終盤で見せた神懸かり的な逆転勝利は無理だ。立ち合いも高く起きているし、中に入って攻めきれなかった。というより照ノ富士の執念が見事だった。

単独トップで千秋楽を迎える大栄翔の相手は隠岐の海。同じ左四つの宝富士に負けている。そこの攻防もポイントになるが、変に意識して右を固めて…などと思わないことだ。ここまで貫いた突き押しに徹すれば自ずと結果はついてくる。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

懸賞金を受け取る大栄翔(撮影・鈴木正人)

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神懸かり的な正代は実力がある証拠/大ちゃん大分析

隆の勝(左)をはたき込みで破る正代(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館

4日間で4番も物言いがつく相撲を取るのも珍しいな。それでも相撲に負けて勝負には全部勝っている。正代の神懸かり的な相撲だが、それだけ実力がある証拠で勝つべくして勝っているとみている。隆の勝戦も確かに大関として褒められた内容ではない。最近の悪い癖で押し相撲相手に、はたいてしまった。それでも俵までの距離は頭に入っていて、土俵際で勝負を決められるという計算があるんだろう。勝ち方に異論はあるだろうが、横綱不在の場所で責任を果たしている。

大栄翔も役力士を連破した前半戦のような相撲を久しぶりに見せた。番付下位相手に、役力士と対戦した時のような攻めの姿勢で臨めるかが問題だったが、2敗したことで逆に、その気持ちを取り戻したと思う。2敗で並ぶ両者の優勝争いは正代次第ではないか。やはり残る照ノ富士、朝乃山は難敵だ。ここは何としても最後まで楽しませてほしい。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

隆の勝(後方)をはたき込みで破る正代(撮影・鈴木正人)

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肩の力抜けた朝乃山は本来の姿に/大ちゃん大分析

隆の勝(手前)をはたき込みで破った朝乃山(撮影・江口和貴)

<大相撲初場所>◇11日目◇20日◇東京・両国国技館

師匠の座を譲って、これほど肩の力を抜いて朝乃山の相撲が見られるとは思わなかった(笑い)。だから気持ちも、くみ取れる。自分も経験したが、初めてのかど番は8番勝って大関の地位を守らないといけないという気負いで、肩に力が入り自分の相撲の流れに持ち込めない。前半の朝乃山はそうだったろう。3つ負けて、ようやく本来の姿に戻った。押しの強い隆の勝に、右から振られ肩越しの左上手を切られても、圧力をかけ続けたから体勢を崩すことができた。

正代とともに番付最上位として、曲がりなりにも優勝争いに加わった。かど番脱出でホッとしたいところだが、大関としては最後まで優勝争いに加わらなければダメだ。千秋楽結びの一番まで可能性を残すためにも、12日目の照ノ富士戦が重要だ。ここは中に入って二本入れるぐらいの気持ちで行ってもいいんじゃないかな。いかん、また肩に力が入ってしまった。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

かど番を脱出した朝乃山は控えで目をつむりながらホッとした表情を見せる(撮影・小沢裕)

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大栄翔初黒星、叩き込みにバッタリ/9日目写真特集

<大相撲初場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館

全勝力士が消えた。初日から8連勝で単独トップを走ってきた西前頭筆頭の大栄翔は、宝富士のはたき込みに敗れ、初黒星を喫した。

大関正代は玉鷲を押し出し、7勝目でかど番脱出に王手をかけた。ただ1人2敗を守って、大栄翔に1差と迫った。大関貴景勝は遠藤に引き落とされて7敗目。綱とり場所が一転、負け越しのピンチとなった。大関朝乃山は高安を寄り切って3連勝で6勝目。3敗力士は朝乃山ら10人と混戦になってきた。

9日目の熱戦を写真で振り返ります。


朝乃山(6勝3敗)寄り切り高 安(5勝4敗)

☆朝乃山「自分の形になったので、引きつけて足を運べたと思います。右四つになっても負けている相撲もある。落ち着いてとれたと思います」

高安(右)を寄り切りで破る朝乃山(撮影・河田真司)


貴景勝(2勝7敗)引き落とし遠 藤(5勝4敗)

★貴景勝「勝たなきゃ意味ないんで。(取り口は)勉強していかないといけない。(7敗目に)1日一番で頑張るしかない」

☆遠藤「今できることを精いっぱいやるだけでした。明日からも、明日できることを精いっぱいやるだけです」

貴景勝(右)を引き落としで破る遠藤(撮影・中島郁夫)

貴景勝(左)は遠藤に引き落としで敗れる(撮影・小沢裕)

遠藤(左)に引き落としで敗れた貴景勝(撮影・河田真司)

遠藤に引き落としで敗れ、土俵下で浮かない表情を見せる貴景勝(撮影・河田真司)


玉 鷲(5勝4敗)押し出し正 代(7勝2敗)

☆正代「体がよく反応できたので、おっつけながら相手の腕をはねあげられたのはよかった。まだ優勝争いとか、そういうのは気にしていないので、何とも言えないですけど、星が離れないように維持できたらなと思います」

玉鷲(左)を押し出しで破る正代(撮影・河田真司)

玉鷲を押し出しで破り、懸賞金の束を手に土俵から引き揚げる正代(撮影・河田真司)


照ノ富士(6勝3敗)寄り切り竜 電(3勝6敗)

☆照ノ富士「落ち着いてとれたんでよかったです。思い通りの相撲ではないけれど、勝ったからよかった」

竜電(左)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)


輝(4勝5敗)小手投げ隆の勝(5勝4敗)

☆輝「前に出る意識はあった。自分の強い体勢を崩さない、土俵際の詰めをしっかりやることが大事かな」

隆の勝(下)を小手投げで破る輝(撮影・中島郁夫)


北勝富士(2勝7敗)押し出し御嶽海(4勝5敗)

☆御嶽海「少し立ち遅れましたが、良かったと思います。当たってすぐに前に出ること、引かないことを意識してやりました」

★北勝富士「2歩目、3歩目が出てくれない。いい時は自然に出るが、出ない時は考えすぎている。まだ終わってないんで戻せるようにやっていきたい」

御嶽海(左)は北勝富士を押し出しで破る(撮影・小沢裕)


宝富士(5勝4敗)叩き込み大栄翔(8勝1敗)

★大栄翔「あまりに勝ち急ぎました。攻めは良かったと思うんですが、無理に攻めすぎました。ショックを受けていたら15日間取れないので、しっかり切り替えていきたいと思います」

☆宝富士「(全勝の大栄翔を止め)昨日(8日目)ふがいない相撲だったんで立ち合いから集中していけたのがよかった。自分なりに踏み込めた」

大栄翔(手前)ののど輪に耐える宝富士(撮影・河田真司)

宝富士(右)は大栄翔をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

宝富士(右)にはたき込みで敗れる大栄翔(撮影・河田真司)

大栄翔(右)をはたき込みで破る宝富士(撮影・中島郁夫)

1敗を喫し花道を引き揚げる大栄翔(撮影・小沢裕)


琴勝峰(0勝9敗)押し出し阿武咲(6勝3敗)

☆阿武咲「終始、落ち着いて相撲が取れてよかったです。体力は全然大丈夫です」

琴勝峰(左)を押し出しで破る阿武咲(撮影・河田真司)


栃ノ心(3勝6敗)上手出し投げ明 生(6勝3敗)

☆栃ノ心「中に入れないよう突き放していった。何とか勝ててよかった」

明生(下)を突き落としで破る栃ノ心(撮影・中島郁夫)


徳勝龍(2勝7敗)突き落とし隠岐の海(5勝4敗)

徳勝龍(右)を突き落としで破る隠岐の海(撮影・河田真司)


天空海(1勝8敗)叩き込み翔 猿(4勝5敗)

天空海(左)をはたき込みで破る翔猿(撮影・中島郁夫)


逸ノ城(6勝3敗)寄り切り霧馬山(6勝3敗)

霧馬山(右)を寄り切りで破る逸ノ城(撮影・中島郁夫)


琴ノ若(6勝3敗)突き落とし妙義龍(5勝4敗)

☆琴ノ若「内容はよくないが、しっかり構えて相撲がとれた。星数より明日また、切り替えていい相撲をとれるようにしたい」

琴ノ若は妙義龍(右)を突き落としで破る(撮影・小沢裕)


志摩ノ海(6勝3敗)押し出し佐田の海(4勝5敗)

☆志摩ノ海「師匠(木瀬親方)に言われていることが土俵で出せてよかった。土俵際のはたきに残れるのは、いい稽古ができているからだと思う」

佐田の海(左)を押し出しで破る志摩ノ海(撮影・河田真司)


明瀬山(6勝3敗)押し倒し碧 山(5勝4敗)

★明瀬山「小手、きめられましたね。(振られて)足が流れた感じ。(3連敗にメンタルは)大丈夫ですよ」

碧山は明瀬山(左)を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)


翠富士(5勝4敗)押し出し琴恵光(3勝6敗)

★翠富士「もろ差し狙いでいったが差せず、癖で肩すかしにいった。前に出ればよかった。うまくやられたッスね」

☆琴恵光「受けることなく自分の相撲でいけた。(翠富士の肩すかしは)頭にあったけど体がうまく反応しました。落ち着いて取れました」

琴恵光(左)は翠富士を押し出しで破る(撮影・小沢裕)


豊昇龍(4勝5敗)突き落とし照 強(3勝6敗)

☆豊昇龍「朝、師匠(立浪親方)から「立ち合いに気をつけていけ」と言われて、立ち合いに気をつけていった。落ち着いてたんでよかったと思います」

豊昇龍(左)を照強を突き落としで破る(撮影・小沢裕)


豊 山(6勝3敗)寄り切り松鳳山(3勝6敗)

☆豊山「立ち合いで先手を取られてしまった。張られて体がフワフワして、気づいたら土俵際にいた。何かしたというより、しがみついていた。終わったら勝っていた感じですね」

豊山(右)は寄り切りで松鳳山を破る(撮影・小沢裕)

松鳳山(右)を寄り切りで破った豊山(撮影・河田真司)

十両

剣翔(9勝0敗)押し出し宇良(6勝3敗)

剣翔(左)に押し出しで敗れる宇良(撮影・河田真司)

剣翔に押し出しで敗れ、険しい表情を浮かべる宇良(撮影・河田真司)

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勢い消えた大栄翔、優勝3敗までか/大ちゃん大分析

連勝がストップし天を仰ぐ大栄翔(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇9日目◇18日◇東京・両国国技館

7日目までの勢いが消えた大栄翔の相撲だった。

勝ったものの8日目の輝戦に続いて、この日も当たってから押してない。踏み込んで突き放すはずが、踏み込めていないから当たりが弱い。だから、どうしても相手を見ながらの押しになってしまう。その後の流れが悪くなるのは押し相撲の宿命だろう。逆に宝富士はうまく取った。左足を前に出して、やや半身になりながら大栄翔にとっての「的」を小さくした。腰の重さ、体の柔らかさも生かして押させない、突かせない体勢をうまく取った。大栄翔に3連勝中という合口の良さも味方したと思う。

2敗が続々と負ける中、最後のとりでとなった正代が勝って1差につけた。あれだけアゴが上がり体が反っても勝てるのは正代の強み。かど番を抜ければ気も楽になって、追う身の強さで優勝争いが面白くなる。大栄翔が再び連勝を続けるのは考えにくく優勝ラインは3敗まで可能性がある。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

大栄翔(右)の突き押しをこらえる宝富士(撮影・小沢裕)
宝富士(右)は大栄翔をはたき込みで破る(撮影・小沢裕)

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阿武咲飛んだ…押し出され升席まで/7日目写真特集

<大相撲初場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館

西前頭筆頭の大栄翔(27=追手風)が、初日から7連勝とした。

関脇隆の勝に何もさせず、一直線に押し出し。出場している役力士、3大関2関脇2小結を総なめにした。6日目まで負けなしだった西前頭16枚目の明瀬山は、東前頭12枚目の逸ノ城に引き落とされ、今場所初黒星を喫した。大関正代は西前頭3枚目の阿武咲を押し出して1敗をキープ。6日目まで1敗だった明生は遠藤、琴ノ若は翠富士にそれぞれ敗れ、2敗に後退した。優勝争いは、勝ちっ放しの大栄翔を、1敗の正代、明瀬山、2敗の明生、霧馬山、逸ノ城、翠富士、琴ノ若が追う展開となった。

7日目の熱戦を写真で振り返ります。

幕内

貴景勝(2勝5敗)押し出し栃ノ心(2勝5敗)

☆貴景勝「調子がいい、調子が悪いとはあまり決めないようにしている。あまり考えずに、できることは準備。そこを怠ったらダメなんで、しっかり準備していきたいです」

貴景勝(右)は栃ノ心を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

土俵に一礼する貴景勝(撮影・中島郁夫)


阿武咲(4勝3敗)押し出し正 代(6勝1敗)

★阿武咲「下からグイグイこられて、(体が)浮いちゃいましたね。体の状態は悪くないんで、明日から一番一番集中して頑張りたいです」

正代(上)は阿武咲を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

正代(上)は阿武咲を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

正代に押し出しで敗れ、升席まで飛んでいった阿武咲(撮影・中島郁夫)


朝乃山(4勝3敗)寄り倒し琴勝峰(0勝7敗)

☆朝乃山「期待の若手と聞いていますし、自分は受けるつもりで土俵に立ちました。相撲を取れば、先に自分が攻めていけてよかった」

琴勝峰(右)を寄り倒しで破る朝乃山(撮影・中島郁夫)

朝乃山(右)は琴勝峰を寄り倒しで破る(撮影・柴田隆二)


照ノ富士(4勝3敗)寄り切り御嶽海(2勝5敗)

☆照ノ富士「立ち合いに勝って(まわしを)取れたんでよかったです。大関になるには、内容も大事なんで、(まわしを)取ったら安心というか…。今日は良かったです」

御嶽海(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・中島郁夫)

御嶽海(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)


大栄翔(7勝0敗)押し出し隆の勝(4勝3敗)

取り組み前に気合が入る大栄翔(撮影・柴田隆二)

大栄翔(右)は隆の勝を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

隆の勝(右)を攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)


高 安(4勝3敗)突き落とし北勝富士(2勝5敗)

☆高安「しっかり腰を落として相撲を取ることができてよかったです。立ち合いもよかった。そのあとの流れも」

★北勝富士「肩に力が入りすぎている。上半身と下半身のバランス。修正できることをして、集中していきたい」

高安(左)は北勝富士を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)


宝富士(4勝3敗)上手投げ玉 鷲(4勝3敗)

☆宝富士「自分から攻めて攻めていったんで、内容もよかったんじゃないですか」

玉鷲(右)を上手投げで破る宝富士(撮影・中島郁夫)


遠 藤(4勝3敗)寄り切り明 生(5勝2敗)

遠藤(右)に寄り切りで敗れる明生(撮影・鈴木正人)


翔 猿(2勝5敗)押し出し隠岐の海(4勝3敗)

☆翔猿「前に出られてよかったです。久々に元気出ました」

翔猿(右)は隠岐の海を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)


竜 電(2勝5敗)上手出し投げ徳勝龍(2勝5敗)

竜電(右)は徳勝龍を上手出し投げで破る(撮影・柴田隆二)


妙義龍(4勝3敗)寄り切り輝(3勝4敗)

☆妙義龍(輝は)「あんまり得意なタイプではない。今日は強引に出た感があるけど、ああいう流れになった」

輝(右)を寄り切りで破る妙義龍(撮影・中島郁夫)


碧 山(4勝3敗)突き落とし霧馬山(5勝2敗)

☆霧馬山「最後まで我慢できてよかった。体はよく動いている」

碧山(左)を突き落としで破る霧馬山(撮影・中島郁夫)


志摩ノ海(4勝3敗)突き落とし天空海(1勝6敗)

★天空海「ちょっとバタバタしてしまっている。地に足をつけるよう、明日から頑張りたい」

天空海(左)を突き落としで破る志摩ノ海(撮影・中島郁夫)


豊昇龍(2勝5敗)上手投げ琴恵光(2勝5敗)

☆豊昇龍「相撲は思った通り完璧じゃなかった。相手も強い。(おじの朝青龍がSNSでゲキを飛ばす)ツイッターを見て「やっぱりそう(朝青龍の言う通り)だな」と思って。気持ちを入れ替えて頑張りました」

琴恵光(下)を上手投げで破る豊昇龍(撮影・中島郁夫)


逸ノ城(5勝2敗)引き落とし明瀬山(6勝1敗)

★明瀬山(初黒星は)「特には気にしていない。うれしいですよ。いい成績だと思います」

逸ノ城(後方)に引き落としで敗れる明瀬山(撮影・鈴木正人)

逸ノ城(左)に引き落としで敗れた明瀬山(撮影・鈴木正人)


豊 山(4勝3敗)とったり照 強(3勝4敗)

豊山(右)をとったりで破る照強(撮影・中島郁夫)


琴ノ若(5勝2敗)肩透かし翠富士(5勝2敗)

★琴ノ若「つかまえたかったけど先に動かれて、相手のペースになってしまった。しっかり引きずらないように切り替えていきたい」

琴ノ若(手前)を肩すかしで破る翠富士(撮影・鈴木正人)

翠富士に肩すかしで敗れた琴ノ若(撮影・鈴木正人)


佐田の海(3勝4敗)押し出し美ノ海(4勝3敗)

佐田の海(左)を押し出しで破る美ノ海(撮影・中島郁夫)

十両

宇良(5勝2敗)とったり矢後(3勝4敗)

矢後(手前)をとったりで破る宇良(撮影・鈴木正人)

矢後(手前)をとったりで破る宇良(撮影・鈴木正人)

矢後(手前)をとったりで破る宇良(撮影・鈴木正人)

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大栄翔の相撲は非の打ちどころなし/大ちゃん大分析

大栄翔(右)は隆の勝を押し出しで破る(撮影・柴田隆二)

<大相撲初場所>◇7日目◇16日◇東京・両国国技館

非の打ちどころがないとは、大栄翔の相撲を指すのだろう。役力士全員に勝つのも立派だが、何より内容がいい。

6連勝中も「今場所一番の相撲」というのが何番もあったが、それにも増してこの日の相撲がベストの内容だった。踏み込んでから隆の勝の体を根こそぎ起こすような突き放し、回転のいい突っ張り、足も休まず前に出ている。15戦全勝もあるぞ、と思わせる快進撃だ。

残りの対戦相手をみると、あとは相手というより、自分自身との闘いになるだろう。8日目以降、番付で格下と当たっても7日目までと同じ気持ちで臨むことだ。気持ちが受けに回らないこと。優勝争いの経験がないだけに、そこは一抹の不安だが、今のところは何も考えなくても体が自然と動いている。1日1番、毎日を一生懸命に取って終わってみたら結果が出た-という自然体で行けば、おのずと初優勝は見えてくる。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

隆の勝(右)を攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)
取り組み前に気合が入る大栄翔(撮影・柴田隆二)

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豊昇龍と錦木が顔と顔つき合わせ/6日目写真特集

<大相撲初場所>◇6日目◇15日◇東京・両国国技館

28場所ぶりに再入幕を果たした西前頭16枚目明瀬山(35=木瀬)が、照強を破って初日から6連勝した。初日から3大関、2小結撃破の西前頭筆頭大栄翔(27=追手風)は、関脇照ノ富士を破って無傷を守った。初日から5連勝中の明生は、ベテラン隠岐の海に敗れて今場所初黒星。初日からの勝ちっ放しは、大栄翔と明瀬山の平幕2人となった。

今場所綱とりに臨むも初日から4連敗した大関貴景勝は、連勝を狙った一番で阿武咲に負けて5敗目を喫した。かど番の大関正代は、栃ノ心を下して5勝目。もう1人のかど番の大関朝乃山は、宝富士に負けて3勝3敗となった。

6日目の取組模様を写真で振り返ります。

【幕内】

豊昇龍すくい投げ錦 木

錦木(左)をすくい投げで破った豊昇龍(撮影・野上伸悟)

豊昇龍 (今場所初白星)この5日間自分の相撲が取れなかった。ずっと勝ちたい、勝ちたいと思っていた。昨日(立浪)親方に「明日が初日と思って切り替えろ」と言われた。本当に今日勝って良かった。


佐田の海押し出し翠富士

佐田の海(左)を押し出しで破った翠富士(撮影・野上伸悟)


逸ノ城寄り切り琴ノ若

逸ノ城(右)は琴ノ若に寄り切りで敗れる(撮影・柴田隆二)

琴ノ若 止まったり、組んだりしたら重い相手なので、先に攻めることができてよかった。(幕内初の5連勝について)そういうのは考えない。難しいことは考えずに1日一番やるだけ。それが結果になればいい。


明瀬山突き落とし照 強

明瀬山(上)は照強を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)

明瀬山(上)は照強を突き落としで破る(撮影・柴田隆二)

明瀬山 (初日から6連勝)たまたまじゃないか。(気持ちの変化は)ないっすよ。まあ、素直にうれしい。6連勝したことないので。しかも、幕内なので。(周囲から連絡などは)まあまあ…連絡きますね。でも、だってまだ前半も終わってないから…。 


豊 山押し出し琴恵光

琴恵光(右)を押し出しで破る豊山(撮影・野上伸悟)

豊山 今日は左(おっつけ)が生命線だったと思う。外したら負けだと思っていたから良かった。


天空海はたき込み碧 山

天空海(右)をはたき込みで破る碧山(撮影・野上伸悟)


志摩ノ海送り出し翔 猿

翔猿(右)を送り出しで破る志摩ノ海(撮影・野上伸悟)

志摩ノ海 揺さぶられたけど落ち着いていけた。しっかり我慢、我慢で一生懸命取りました。


竜 電引き落とし妙義龍

妙義龍(左)は竜電を引き落としで破る(撮影・柴田隆二)


霧馬山はたき込み

霧馬山(右)は輝をはたき込みで破る(撮影・柴田隆二)


遠 藤寄り切り徳勝龍

徳勝龍(左)を寄り切りで破る遠藤(撮影・野上伸悟)


明 生突き落とし隠岐の海

明生(左)は隠岐の海に引き落としで敗れる(撮影・柴田隆二)

隠岐の海に突き落としで敗れた明生(撮影・鈴木正人)

明生 立ち合いが悪かった。下からいきたかったけど、うまく間があけられた。そこがちょっと敗因。懐も深いしそこをうまくやられた。(連勝ストップ)連勝という意識はしていない。自分の相撲に取ることに集中して、これからもやっていきます。


北勝富士寄り倒し琴勝峰

琴勝峰(手前)を寄り倒しで破る北勝富士(撮影・野上伸悟)

北勝富士と琴勝峰の取り組みは物言いがつき協議する審判団(撮影・柴田隆二)

北勝富士 (行司軍配差し違えで2勝目)軍配はあっちで同体かもと思って、ヒヤヒヤした。ドキドキはしていた。(相手の)勢いに負けないように、自分から自分からと思ってやった。


高 安寄り切り御嶽海

御嶽海(手前)を寄り切りで破った高安(撮影・野上伸悟)

高安 慌てずに組み止めることができた。立ち合いが良かったですね。しっかり当たれたので。自分の左を絞られたけど、起こして左が引けた。(星が五分に)相撲内容は悪くないと思っている。きっかけにしたい。


照ノ富士押し出し大栄翔

照ノ富士(左)を押し出しで破った大栄翔(撮影・野上伸悟)

大栄翔 しっかり前に出ることができたんでよかったと思う。(実力者の照ノ富士に完勝で)また自信になる相撲になった。気持ちよくこの後もいけると思います。


玉 鷲突き出し隆の勝

隆の勝(右)を突き出しで破る玉鷲(撮影・鈴木正人)


栃ノ心押し出し正 代

押し出しで栃ノ心(右)を破った正代(撮影・野上伸悟)

正代 立ち合いからもろ差しになれたのと、その後の対応も落ち着いてできた。


貴景勝押し出し阿武咲

貴景勝(左)を押し出しで破る阿武咲(撮影・野上伸悟)

阿武咲に押し出しで敗れ悔しそうな表情を見せる貴景勝(撮影・鈴木正人)

阿武咲 (大関貴景勝に快勝で)しっかり勝つつもりで思い切りいきました。少し押し込まれたが、しっかり反応できた。


朝乃山上手投げ宝富士

宝富士(右)に上手投げで敗れる朝乃山(撮影・鈴木正人)

朝乃山は宝富士に上手投げで敗れがっくりする(撮影・柴田隆二)

宝富士 (朝乃山に勝ち2大関から白星)左四つになりたかったが、大関の圧力で右四つになってしまった。体が動いてよかった。(上手投げは)投げしかないと思った。体がうまく開いた。

【十両】

宇 良上手出し投げ竜 虎

竜虎(後方)に上手出し投げで敗れる宇良(撮影・鈴木正人)

竜虎(左)に上手出し投げで敗れる宇良(撮影・鈴木正人)

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全くスキない大栄翔が優勝候補筆頭/大ちゃん大分析

高安(右)と張り合う大栄翔(撮影・野上伸悟)

<大相撲初場所>◇5日目◇14日◇東京・両国国技館

断言はできないが、現時点で大栄翔は優勝候補筆頭だろう。足も出る、手も出るで全くすきがない。

2勝7敗の対戦成績がうそのように高安を圧倒した。足で押すのが押し相撲の理想だが、この5日間は申し分ない。同じ押し相撲でも貴景勝は突いて押して前に出てのリズムで取るタイプなのに対し、大栄翔はとにかく突っ張って猛進するタイプだ。1つリズムが狂うとかみ合わない今場所の貴景勝に対し、大栄翔は迷いがない。上背もそれほど高くなく懐も深そうにないから、力のある四つ相撲の力士に差されるのが難点だが、今の迷いのない相撲を取り続ければ鬼に金棒だろう。問題は残る役力士との対戦が関脇2人で、あとは番付同等か下位が相手。

ここまでのように、負けて元々という姿勢で臨めるかだ。気持ちが受け身になり、歯車が狂うと大崩れしかねない難しさが押し相撲にはある。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

高安(手前)を押し出しで破る大栄翔(撮影・野上伸悟)

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朝乃山受けの格好は一蹴されて当然/大ちゃん大分析

御嶽海に敗れ、浮かない表情で土俵から引き揚げる朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇3日目◇12日◇東京・両国国技館

大関陣総崩れのトリを朝乃山が取ってしまった。半歩、先に踏み込んでいるが当たっていない。胸が反って体が起きた状態で立っている。攻めの形でなく受けの格好では、押しのはまった御嶽海に一蹴されるのも当然だ。先場所、途中休場の影響でなく自分の相撲が取り切れていない。その極みが貴景勝だろう。

出稽古も出来ないのは厳しい。いくら合同稽古をやっても一番、調子が良かった白鵬が休場しているのも皮肉だ。コロナ禍という特殊な状況下、難しい土俵が続くだろう。ただ土俵に上がれば、そんなこと言ってられない。いかに自分を戒めて、厳しくやってきたかが問われている。コロナ禍に置かれても、それに打ち勝ち、コツコツと稽古をしてきた力士が芽を出す。今場所は大関も三役も前頭も関係ない。荒れた場所になるだろうが、最後は精神力の差で結果が出るだろう。(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

朝乃山(右)を押し出しで破る御嶽海(撮影・菅敏)

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墓穴掘った貴景勝、心の立て直しも/大ちゃん大分析

御嶽海(左)に押し出しで敗れる貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲初場所>◇初日◇10日◇東京・両国国技館

綱とりに挑む大関貴景勝(24=常盤山)にいきなり土がついた。小結御嶽海との押し合いに屈して黒星発進。本割での対戦成績が9勝8敗と伯仲している実力者に、痛い敗戦を喫した。今場所から定年による名跡交換により、高砂親方から錦島親方(元大関朝潮)として、引き続き評論します。

  ◇   ◇   ◇

貴景勝が引いて墓穴を掘ってしまった。立ち合いから距離を取り押す形を作って、突っ張りの回転も悪くなかった。一見、流れは貴景勝ペースのように見える。ただ、相手にダメージを与えるほど押し込んでいなかった。御嶽海の辛抱強さや潜在的な柔軟性などもあるが押しが利いてない。御嶽海の引きに乗じて出たが、あれは流れの中で御嶽海が体勢を立て直そうとして引いたもの。実際に回り込んで立て直された一方、その後の貴景勝の引きは直線的だったし、密着されていたから残れなかった。

コロナ禍で条件はみな同じとは言え、いつもの押しではなかった。実力者に勝ってスタートすれば乗れるリズムに乗り損ねたが、今場所も優勝ラインは13勝あたりだろう。綱とり場所だが、力がなかったらやり直せばいい、というぐらいの気持ちで2日目に臨めるか。精神力も含め立て直しが試される。

(元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

貴景勝(左)を攻める御嶽海(撮影・河田真司)
協会あいさつに臨む、前列左から朝乃山、貴景勝、八角理事長、正代、隆の勝、後列左から高安、照ノ富士、御嶽海(撮影・河田真司)

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貴景勝、決定戦で押しの神髄見せた/大ちゃん大分析

幕内優勝決定戦で照ノ富士(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

優勝決定戦の貴景勝は、押しの神髄のような相撲を取った。本割で負けたことで、一番大事な自分の相撲を貫き通すんだという原点に戻れたんだろう。

本割でこの相撲を取ってほしかったが、大関として勝たなければ、負けちゃいかんという雑念が頭に入っていたと思う。立ち合いで当たれていないし、上から手を出しに行って相撲が硬かった。優勝決定戦までの短い時間で、よく切り替えられた。今場所は初日から横綱が不在で大関も1人抜け2人抜けとなる中だけに、3年ぶりの大関優勝は余計に価値がある。来場所は綱とりだが、やはり横綱に勝って、最低でも今場所ぐらいの高いレベルの優勝がほしい。

今年は5場所全てで優勝力士の顔触れが違った。新大関が2人も誕生しているのに、そんな現象が起こるのは、それだけ戦国時代ということ。来年は新横綱が誕生して上位陣が安定してくれることを願いたい。その意味では3大関の中で24歳と一番若い貴景勝に、その実現性は高いだろう。

最後に、私事ですが高砂浦五郎としてはこの評論が最後になります。相撲人生はついてたなと思いますが正直、まだピンときません。場所前から「これが最後、これが最後」と何度も言われましたが、これで死ぬわけじゃないから(笑い)。来年、名前が変わっても相撲には変わらぬ情熱でかかわりたいと思っているので引き続き、よろしくお願いします。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

11月場所後の定年に伴うリモート会見に出席した高砂親方

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照ノ富士の我慢、貴景勝に通じるか/大ちゃん大分析

11月場所14日目、照ノ富士(左)は志摩ノ海を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>14日日◇21日◇東京・両国国技館

貴景勝の相撲は、千秋楽の予行演習のような一番だったな。「最後までこの相撲を貫きます」という気持ちがこもった押しで、手の回転もいいし迷いなく足もよく出ていた。過去に何度も苦い思いをさせられた御嶽海に何もさせなかった。

千秋楽は照ノ富士が、貴景勝の当たりと突き押しを止められるかどうか。立ち合いに全てがかかっている。ただ止めて、つかまえられたとしても貴景勝は差さないから、引っ張り込めないタイプじゃないかな。逆に中に入られて押されかねない。今場所の照ノ富士は、強引さを抑えて考えて取る相撲が目立つ。13日目の竜電戦にしてもこの日の志摩ノ海戦にしても、まわしを取るまではしっかり我慢して勝負をつけている。それが貴景勝に通じるかだ。優勝争いは、照ノ富士の膝の不安を考えれば貴景勝が有利。決定戦を含めた逆転の2連勝は、照ノ富士の体調を考えれば難しいだろう。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

11月場所14日目、貴景勝(右)は突き出しで御嶽海を破る(撮影・小沢裕)

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貴景勝と志摩ノ海、力の差は歴然/大ちゃん大分析

志摩ノ海(左)を押し出しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲11月場所>◇13日目◇20日◇東京・両国国技館

幕尻で優勝争いに加わる志摩ノ海は、よく辛抱して押しに徹したが、いかんせん力の差は歴然だった。12日目まで平幕下位と当たっていたのが、いきなり結びの大関戦だ。力の差は仕方ないが敢闘精神はほめていい。その幕尻相手に貴景勝は、やや立ち合いの当たりが弱かった。押してくる相手とはいえ稽古でも胸を合わせない相手に、やはり不気味さはある。だから、どうしても見てしまう。

ただ、9日目に負けた翔猿戦の同じ轍(てつ)を踏むまいと、突いて押して前に持っていきながらの流れは作った。最後のいなしも十分に距離を取っていたから出来た。常に自分のペースで決して苦戦には見えなかった。これで単独トップ。優勝争いで有利になったのは間違いない。千秋楽は照ノ富士戦だろう。このまま1差でいければ大一番になる。照ノ富士とすれば、まわしを…。展開を予想するのは明日にしよう。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

1敗を死守した貴景勝は懸賞の束を手にする(撮影・小沢裕)

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有望の琴勝峰もそう甘くはなかった/大ちゃん大分析

貴景勝(左)は琴勝峰を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>◇11日目◇18日◇東京・両国国技館

有望株と番付最上位の結びの一番は、あっけなく勝負が決まった。

大関戦も結びも初体験の琴勝峰は、やはり経験値の差を見せつけられた。きっぷのいい力士らしく、頭でぶつかり長い手を生かして突き放してもいた。ただ押し込むまでには至らず逆に、うまく貴景勝に距離を取られた。大関からすればあとはタイミングを見計らうだけ。出るところを左から突いて勝負あり。琴勝峰からすれば、突き押しの攻防から懐の深さを生かし、いなして攻めようとしたのだろうが、そうは甘くなかった。

ただ、負けたとはいえ立ち合いの当たりも良かったし、体の柔らかさ、懐の深さ、前に出る力など将来楽しみな逸材であることには違いない。注文するとすれば、懐の深さで引き技も多用するようだが、単に勝つために小手先に頼ることはせず、内容を伴った相撲を積み重ねること。それが将来、必ず生きる。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

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精神的にも崩れた貴景勝押すリズム/大ちゃん大分析

翔猿にはたき込みで敗れた貴景勝(奥)(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇9日目◇16日◇東京・両国国技館

立ち合いから貴景勝のリズムではなかった。

翔猿相手に立ち合い変化も頭にあって当たりが弱い。だから突きも押しも威力がなく、流れの中で引いた。それも上から押しつぶすような引きならまだしも、翔猿の身長もないから中途半端。押し相撲の力士が引くというのは勝ちたい意識が働くからだ。これで精神的にも押すリズムが崩れ、自分の体勢まで乱した。最後は足がそろってしまい前のめりに倒された。突き落としたり、いなしたりするのは横の動きだからいいが、押し相撲が直線的な「引き」の動きに出ると墓穴を掘ることになる。今場所の貴景勝らしからぬ相撲だった。ただ、大関の引きを誘ったのは翔猿の粘りだ。1歩も下がらず前に前にという、優勝争いした先場所のような攻めの姿勢が貴景勝の迷いを誘発した。今場所、軽量力士が苦しんでいるのは、やはり押す力がないから。翔猿はこの一番が自信になるだろう。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

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強引な照ノ富士、慎重さ忘れるな/大ちゃん大分析

若隆景(左)の攻めに耐える照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲11月場所>◇7日目◇14日◇東京・両国国技館

全勝の照ノ富士が、危うく引いて墓穴を掘りそうになった。油断ではないだろうが、つかまえれば大丈夫と思って行ったものの、うまく中に入られ強引に引いてしまった

。相手が軽量であることから土俵際は余裕もあったし、最後はつかまえて差せたから圧力差で勝負をつけた。膝に古傷を抱えているだけに強引な相撲は致命傷になりかねない。慎重さを常に持ち合わせて取ることだろう。負けた若隆景は立ち合い、当たって右に動いて考えた相撲だった。惜しまれるのは自分の背丈を考えなかったこと。もう少し頭をつけて出るべきだった。もしくは横について押し込むなり、善戦はしたが工夫がほしかった。逆に照ノ富士に付け入るすきがあるとすれば、貴景勝や御嶽海のように真っ正面から押すか、横について動かしながら攻めるか。力通りの7連勝だが優勝は、そう簡単ではない。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

若隆景(下)をすくい投げで破る照ノ富士(撮影・中島郁夫)

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立ち合い決まる貴景勝の好調さ/大ちゃん大分析

貴景勝(右)は大栄翔を突き出しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>◇5日目◇12日◇東京・両国国技館

貴景勝の立ち合いがピタッと決まった。的の大きくない同じ押し相撲の大栄翔相手に、この立ち合いが出来るあたりに今場所の貴景勝の好調さがうかがえる。丸い体で相手の懐に入れれば貴景勝の相撲。押し切れなかったり距離が空いたりすると、いなしや引きなど相手に反撃の糸口を与えてしまうが、その隙が全くない。

3日目の霧馬山戦で苦戦した以外、今場所の貴景勝は終始、自分の相撲を取り切れている。豪快にして繊細さが求められる押し相撲は15日間、同じようには取れない。その確率を高められれば、自然と白星は積み重なるだろう。照ノ富士のように圧力が伝わりにくい相手や四つの強い相手には、動きを止めないで横から攻めるなどの工夫が必要だが、それは本人も分かっているはずだ。横綱、大関陣で1人だけ土俵に残された。本来、看板を背負うのは横綱の役目。重責はあるだろうが、過度に背負い込まずに臨んでほしい。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

大栄翔(奥)を突き出しで破った貴景勝(撮影・河田真司)

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正代白星へ「負けられない」執念/大ちゃん大分析

貴景勝(左)は霧馬山を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲11月場所>◇3日目◇10日◇東京・両国国技館

大関経験者の高安相手に正代が、苦戦を強いられた。辛抱が必要な場面で引いたりいなしたりと、圧力のある相手を2度も3度も呼び込んでしまっては、館内を沸かす熱戦になるのも仕方ない。正代がはたく相撲を最近は見ていない。大関として今まで以上に、勝ちたい気持ちが強いんだろう。大関という地位に精神的に慣れるまで1場所や2場所はかかると思う。

それでも最後は必死な姿勢が白星を呼び込んだ。勝ちたい、勝つんだという気持ちから劣勢になったが、一方で大関として負けちゃいけない、という頑張りが土俵際の逆転を生んだ。勝ち運とは少し違う、大関としての執念だろう。両横綱が休場し、3大関の1人も途中休場。何とか場所を引っ張らなければ、という気持ちは貴景勝ほどは持てないかもしれないが、ここまでの3日間は新大関として立派に土俵を務めている。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

正代(右)は高安を突き落としで破る(撮影・小沢裕)

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