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ちゃんこの味付けで大げんか/過去の不祥事引退力士

87年12月、失踪事件で廃業となり会見する双羽黒

日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、4日までに引退届を提出していた阿炎(26=錣山)について、引退届を未受理とし、出場停止3場所および5カ月50%の報酬減額の懲戒処分を決定し、本人に通知したことを発表した。

◆不祥事やトラブルで引退、廃業した力士

▽双羽黒(元横綱) ちゃんこの味付けをめぐり87年12月に師匠の立浪親方(元関脇安念山)と大げんか。仲裁に入ったおかみさんを突き飛ばし部屋を飛び出す。同親方は協会へ廃業届を提出。4日後の臨時理事会で双羽黒の廃業が決議。

▽朝青龍(元横綱) 10年初場所中に都内で泥酔して一般男性に暴行。示談になったが協会から翌2月に引退勧告を受け、引退届を提出。

▽琴光喜 10年5月に発覚した野球賭博問題で、大嶽親方(当時、元関脇貴闘力)とともに解雇処分。

▽日馬富士(元横綱) 17年10月の秋巡業中に鳥取市内で同じモンゴル出身の貴ノ岩の頭部を殴打。同年九州場所後、責任を取って処分決定前に引退届を提出。

▽貴ノ岩(元前頭) 18年12月の冬巡業中に付け人の頬を平手と拳で4、5発殴打。同日付で引退届が受理される。

▽貴ノ富士(元十両) 19年秋場所前に2度目の付け人への暴力と差別的発言が発覚。場所後、協会から自主的な引退を促されたが、1度は受け入れず、2週間後に代理人弁護士を通じて引退届を提出。

90年2月、元双羽黒はバンバン・ビガロ戦でド派手に登場
元貴ノ岩(中央)にはさみを入れ、あいさつを交わす元横綱日馬富士のダーワニャム・ビャンバドルジ氏(19年2月2日撮影)

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大嶽親方が元横綱大鵬誕生日に祈り「今は健康第一」

大鵬さん(2005年2月5日撮影)

大相撲の大嶽親方(元十両大竜)が29日、元師匠で昭和の大横綱に祈りをささげた。この日は、13年に死去した元横綱大鵬の80度目の誕生日。電話取材に応じた大嶽親方は、朝稽古後に弟子らと一緒に、都内の部屋に隣接する建物内にある仏壇に手を合わせたことを明かした。

墓参りも考えたというが、新型コロナウイルスの感染防止のために断念。「仏壇にお線香をあげるのも2人ずつ。密にならないようにね」と感染防止に努めた。本来ならば、仏壇の前で弟子らの成長を一番に願いたいところ。しかし今回は「今はこんな時だから相撲よりもまずは、『みんなが健康第一でありますように』と手を合わせました」と話した。

現在部屋には、元関脇貴闘力の次男で3月の春場所で初土俵を踏んだ鵬山、三男の幕下納谷、四男の三段目夢道鵬と、元横綱大鵬の孫が3人所属している。部屋での稽古は基礎運動が中心で、ぶつかり稽古などの接触を伴う稽古は行っていない。そんな状況下でも「夜に稽古場を見に行くと自主的に体を動かしているのが何人かいる。孫3人もそうだけど、つられて若い衆もやっている」と大横綱のDNAを引き継ぐ3人が部屋を盛り上げようとしている。

各師匠の判断となっている接触を伴う稽古は、6月から再開するという。日本相撲協会が無観客での実施を目指す7月場所(19日初日、東京・両国国技館)まで、時間はまだあり「いつでも相撲を取れる状態だけど、まずは軽く。今はケガをして病院に行くのが一番怖いからね」と慎重な構えを見せた。

4月以降、買い物などは「全部俺とおかみさんがやっている。ケガの治療とかでどうしても本人が病院に行かないといけないこと以外は、一切外に出していない」といい、部屋に届く郵便物などは全て受け取ってから消毒するなど、感染防止策を徹底している。だからこそ「何とか無事に7月場所を迎えたいですね」と切に願った。

【佐々木隆史】

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大嶽親方、怒りの平手打ち/記者が振り返るあの瞬間

06年7月15日、大相撲名古屋場所7日目で土俵下でにらみ合う千代大海(右)と露鵬

<スポーツ担当記者 マイメモリーズ>(36)

政府の緊急事態宣言が延長され、スポーツ界も「自粛」状態が続いている。

日刊スポーツの記者が自らの目で見て、耳で聞き、肌で感じた瞬間を紹介する「マイメモリーズ」。サッカー編に続いてオリンピック(五輪)、相撲、バトルなどを担当した記者がお届けする。

   ◇   ◇   ◇

はじめはよく見えなかった。大関千代大海の盛り上がった肩の筋肉から腹へ、細くて赤い筋が何本も流れていた。

06年名古屋場所。打ち出し後の役員室に怒髪天をつく形相の千代大海がバスタオル姿で入ってくる。目が慣れてきて分かった。上半身に小さいガラスの破片が数え切れないほど刺さっていた。粉々になったガラスを浴びたのだ。

すぐにロシア出身の平幕の露鵬も来る。師匠の大嶽親方(元関脇貴闘力)がこわばった顔で付き添う。本割で感情的になった2人が風呂場でもめ、露鵬がドアを破壊した。

帰り支度で騒がしかった役員室が無音になった。お互いにいつでも襲いかかりそうな殺気だ。北の湖理事長(元横綱)は事情を聴き「いつまでも遺恨を残すな。握手して仲直りしなさい」と言った。

露鵬が千代大海に「これからも頑張って」と言う。番付上位の先輩力士に対して、何より加害者としては間違った言葉遣いだった。

直後、大嶽親方が「お前は~」と怒鳴りながら顔面を平手で打った。すさまじかった。記者だったら失神、いや、脳振とうは免れない。張り手で千代の富士、小錦、曙に挑んだあの貴闘力の平手打ちだ。その一撃を受けても露鵬は顔をそむけず正面を向いたまま。映画のようだった。

この時、露鵬はフラッシュを嫌がり、カメラマンに暴力をふるい、出場停止処分になった。

後日、巡業先の体育館で寂しそうに座っていた。目があった。「カメラマンの人には悪いことをしました。大関にも悪い態度、反省しています」と言った。気まずい空気が流れ、話をつなごうと焦り「(平手打ち)ものすごかったね。痛かったでしょ」と聞いた。すると「あんなの痛くない。それよりも悔しかった。俺は強いんだって、みんなに分かってほしかった」。顔の前を太い右腕で振り払うようにした。よみがえった記憶を払いのけようとしているようだった。屈辱に顔はゆがんでいた。

番付が力を示す相撲社会を取材して、こんなきわどい瞬間にはほとんど出会えなかった。ただ、ケンカ沙汰はいたるところにあるとはうすうす感じていた。相撲界は時津風部屋での力士暴行死事件、元横綱日馬富士の暴行問題という不祥事から暴力追放を目指してきた。現在は暴力への問題意識も格段に広まっているだろう。記者が遭遇したあの瞬間は、もう過去のものであると信じている。【井上真】

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大鵬の孫納谷が20歳初白星、初の飲酒は「きつい」

千代の国(右)を寄り倒しで破る納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇4日目◇11日◇エディオンアリーナ大阪

元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の三男、西幕下8枚目納谷(大嶽)が20歳初白星を挙げた。2番相撲で幕内経験者の東幕下10枚目千代の国(29=九重)を寄り倒し、今場所初白星。「回り込むスピードがある相手。それに合わせたらダメなので、しっかり(突きを)当てるようにした」と振り返った。

先月14日の誕生日で20歳となった。その日は師匠の大嶽親方(元十両大竜)に連れられ都内のすし屋で食事をし、初めて飲酒。「何を飲んだかは思い出せないんですけど…アルコールのにおいがきつかったです」と、初々しい笑顔を見せた。

幕下15枚目以内に番付を上げて5場所目。念願の新十両昇進を目指す。

千代の国(右)を寄り倒しで破った納谷(撮影・鈴木正人)

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元関脇貴闘力の次男も角界挑戦「プロで勝負したい」

大嶽部屋に入門する元横綱大鵬の孫で元関脇貴闘力の次男、納谷幸林(撮影・佐藤礼征)

大相撲春場所(3月8日初日、エディオンアリーナ大阪)の新弟子検査を受検する中大4年の納谷幸林(たかもり、22)が10日、入門予定の都内の大嶽部屋で行われた稽古に参加した。元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の次男。長男でプロレスラーの幸男をのぞいて、三男の幕下納谷(幸之介)と四男の序ノ口夢道鵬(幸成)に続く角界挑戦となる。

大学時代から約2年間愛用している白まわしを締めた幸林は「顔じゃないですよね」と照れくさそうだった。稽古場で幕下以下が締める黒まわしは、まだ手元に届いていない。東京・日野市の大学寮から引っ越したのは7日。部屋の稽古に参加するのはこの日で3日目だった。申し合いには参加せず、四股、すり足、テッポウの基礎運動に終始。「(兄弟子は)スタミナがあって、しっかり稽古についていきたい」と汗をぬぐった。

プロ入りを諦めきれなかった。昨年10月の全日本学生選手権では「いろいろ考えているところ」と進路について明言しなかったが、心の底では決まっていたという。大学では団体戦のレギュラーではなく、個人戦でも目立った成績を残せなかったため大学関係者から「(活躍は)難しいからやめておけ」と反対を受けていた。それでも「アマチュアで悔いが残っている。プロで勝負してみたい」と決心した。

“弟の弟弟子”になる。大学に進学しなかった三男の納谷は18年初場所で、四男の夢道鵬は昨年九州場所で初土俵を踏んだ。相撲界では入門が早い方が兄弟子にあたるが、三男の納谷から「敬語じゃなくていい」と言われているため、弟2人を「幸之介」「幸成」と下の名前で呼んでいる。師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「(上下関係は)とやかく言うことじゃない。お互いが了承していればいい」と話した。

大横綱の遺伝子を継ぐ22歳は「祖父は本当に尊敬できる」と目を輝かせた。大鵬に負けない184センチ、150キロの堂々とした体格で、師匠も「見た目は岩みたい」と目を丸くする。得意は押し相撲。「一番一番集中していって番付を少しずつ上げたい」と、意気込みを語った。

部屋で稽古を行う三男の納谷(左)と次男の幸林(撮影・佐藤礼征)

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しこ名は夢道鵬、大鵬の孫納谷幸成が新弟子検査受検

新弟子検査で身長を測定する納谷幸成(中央)。右は錦戸親方、左は花籠親方(撮影・高田文太)

大相撲の元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男の納谷幸成(18=大嶽)が30日、福岡市内で行われた九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新弟子検査を受検した。

183センチ、135キロと測定され、体格基準は満たしており、内臓検査の結果を受けて、初日に合否が発表される。

合格となれば、九州場所の前相撲で初土俵を踏むが、しこ名を「夢道鵬(むどうほう)」と予定していることが判明した。同じしこ名の力士が同時に存在することはできず、元貴闘力の三男の兄幸之介が「納谷」の本名で幕下土俵に立つため「納谷」のしこ名は使えない。そのため、師匠の大嶽親方(元十両大竜)と相談して決めたという。納谷幸成は「『夢』はおじいちゃんが好きだった文字。『道』は尊敬する(母校の)埼玉栄の山田(道紀)先生(監督)から。『鵬』はおじいちゃんのしこ名からもらいました。まだ慣れないですね」と説明した。

現在は埼玉栄高3年として在学中で、今後は補習などで学校側の協力も得て、部屋で生活しながら出世と卒業を目指していく。27日から部屋に合流し、兄弟子となる兄の納谷幸之介には敬語で話しているが「高校でも先輩だったので」と、違和感はない。むしろ幼少から身に着けた覚えのない着物やげたに「まだ慣れない」と、苦笑いを浮かべる。

大鵬ゆかりの文字が2つも入るしこ名を予定しているとあって「大鵬の孫」と呼ばれ、注目されることも承知の上だ。「注目していただけるので、それに見合った活躍をして、自分を見ていただけるようにしたい。関取を目指していきたい」。一力士として人気、実力を身に付けたい意気込みをのぞかせた。

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納谷幸成「夢だった」、大鵬の孫2人目の角界入り

大嶽部屋への入門を発表し、大嶽親方(左)と握手を交わす納谷幸成

大相撲の元横綱大鵬の孫、元関脇貴闘力の四男で、埼玉栄高3年の納谷幸成(18)が、大嶽部屋への入門を発表した。さいたま市の埼玉栄高で16日、師匠の大嶽親方(元十両大竜)、同高の山田監督ら同席で会見。「一生懸命努力して、ゆっくりでもいいので関取を目指して頑張っていきたい」と力を込めた。九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の前相撲で初土俵を踏む予定だ。

高校での主な実績は、3年時の全国高校総体個人戦32強などだが、山田監督は「まだ体が小さいので、プロの体になれば化ける可能性がある」と、将来性に太鼓判を押す。現在は183センチ、135キロだが、身長もわずかながら成長中だという。突き、押しを武器に「山田先生や高校に恩返ししたい」と意気込む。

兄で元貴闘力の三男の幕下納谷に続き「大鵬の孫」として2人目の角界入りとなった。「大鵬の孫」と呼ばれることにも「注目していただけるのはありがたいこと。それに見合うように頑張って、応援していただきたい。おじいちゃんは…、普通のやさしいおじいちゃんでした。(5歳で)相撲をやり始めてから、すごい人なんだと思った」と、時折笑顔を見せて話していた。兄の納谷からは「高校と違って甘くないぞ」と言われ、山田監督からは大学進学も勧められた。それでも「小さいころからプロにいくのが夢だった。早く挑戦したいと思っていた」。「大鵬道場」の看板が今も掲げられる、元大鵬の弟子である大嶽親方の指導を受けることに迷いはなかったと決意を口にした。

大嶽親方(左)、埼玉栄高の山田道紀監督(右)とともに会見に臨んだ納谷幸成

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大鵬の孫・納谷が初白星、父貴闘力の助言に感謝

翠富士(左)を押し出しで破る納谷(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇6日目◇13日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で東幕下10枚目の納谷(19=大嶽)が、今場所初白星を挙げた。身長で15センチ以上、体重は約70キロも小さい東幕下4枚目の翠富士を押し出し。

立ち合いから突き放して押し込み、横に動く相手を慌てずに攻め続けた。「落ち着いて突いていけたのでよかった。自分の高さ、自分のペースで取ることを考えていた。失礼な言い方かもしれないけど、立ち合い、もろ手(突き)一発で決めるぐらいのイメージを持って臨んだ。理想通りではなかったけど、もろ手で当たって押し込めた」と、手応えを感じていた。

2連敗したことで、自分の相撲を繰り返し見て研究した。特に見たのが今場所取った2番と、先場所の最後の2番。「どこが悪かったか分からなかったから、今場所の2番。先場所の最後の2番は、自分の中ではいい相撲を取れたと思っていたから」。課題を見つけることと、良いイメージを思い出し、植え付けることを、毎夜就寝前に行ってきた。

場所前には父の元大嶽親方(元関脇貴闘力)から「肩を前にして取れ」とアドバイスも受けていた。納谷は「昔から、腰の位置を低くして、脇を締めようとすると思うと、手の位置が低くなることがあった。(父は)考えて取っていた人なので、まだ自分には難しいこともあるけど、肩を前にして相撲を取るのは意識している」と、この日の白星にも結びつき感謝。今後の巻き返しを誓っていた。

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“バリバリ現代っ子”親方に逆ギレ、後断たぬ不祥事

<平成とは・大相撲編(3)>

平成時代、大相撲は華やかな話題も豊富だった一方、多くの不祥事も起きた。

▽07年6月 17歳の序ノ口力士が、師匠と兄弟子に暴行されて死亡。

▽08年9月 幕内露鵬と十両白露山がドーピング検査で大麻に陽性反応を示して解雇。

▽10年2月 横綱朝青龍が酔って知人を殴り、責任を取って引退。

▽10年5月 大関琴光喜や大嶽親方(元関脇貴闘力)が野球賭博に関与していたことが発覚、解雇。

▽11年2月 八百長問題が発生。親方1人と力士19人に退職・引退勧告。

▽17年10月 横綱日馬富士が平幕貴ノ岩を暴行。責任を取って引退。

▽18年1月 十両大砂嵐が無免許運転で事故。引退勧告を受け、引退。

▽18年12月 貴ノ岩が付け人に暴行し、引退。

主なものだけでもこれだけある。暴力に限れば、問題が噴出する下地は、角界の仕組みにもある。

年齢、体格などをクリアし、新弟子検査に合格すれば、力士になれる。ごく一部がプロになれる野球やサッカーと違い、プロ入りするためのハードルは低い。ふるいにかけられてやっとプロ選手になれる他競技とは、意識が異なる。何より、痛みに耐えて体をぶつけ合うという競技特性上、暴力を防ぎにくい土壌がある。

大相撲はスポーツであり、伝統文化でもあり、神事の側面も備える。競技面だけに目を向けて合理性を優先すれば解決できる問題も多いが、それでは大相撲の魅力の多くが失われる。このバランスをいかに保つか-。角界は、いつの時代もこの問題に直面してきた。

不祥事が続いた要因について三役経験者のある親方は、こう指摘する。

「大相撲はもともと、15歳で入門して、力士はたたき上げで育ってきた。近年は、下積みのない関取衆が多い。相撲は強いが人間的に未熟な人が増えている。これは、楽をして関取衆を作ろうと、外国出身者など即戦力を入れてきた親方衆の責任でもある。昔は、15歳で相撲界に入れて、師匠がいろんなことを教えて関取にしてきた。それには時間が必要だった。ここは原点に戻り、強い師弟関係を築いていかないといけない。相撲界が元に戻れば、不祥事は減るのではないでしょうか」

自らの部屋でも不祥事を経験した、別のある親方はこう言った。

「大相撲は伝統文化で、国技館に1歩入れば江戸時代。単なる格闘技ではない。これは変わりようがないけど、相撲部屋のあり方が変わってきている。『伝統文化』『神事』と言っても、入門してくる子は、バリバリの現代っ子なんです。大部分は、そこのギャップから生まれた問題ではないでしょうか」

親方衆のほとんどが、現役時代はたたかれて殴られながら、指導を受けた経験を持つ。今や相撲部屋に竹刀や木刀を置くことは禁じており、日本相撲協会は暴力との決別を宣言している。恐怖で弟子を支配することはできない今、新たな指導が求められている。

幕内優勝も経験した、別の有名親方は「この前、若い衆に注意したら、逆ギレされちゃったよ」と苦笑いしていた。昭和の時代ではありえなかったことだ。親方衆がどう意識を変え、力士をどう育て、不祥事をなくしていくか。いくら調査委を立ち上げ、研修会を繰り返しても、親方や力士の意識が変わらない限りは、不祥事とは決別できない。

「相撲部屋のあり方が変わってきている」と言った前出の親方は「新しい挑戦だと思っています。これができなかったら、指導者としての敗北です」と、令和を見据えて決意を口にした。【佐々木一郎】

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大鵬孫の納谷2連勝 幕下連続勝ち越しへあと2勝 

千代嵐(左)を激しく攻める納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇4日目◇13日◇エディオンアリーナ大阪

元横綱大鵬の孫、東幕下51枚目納谷(19=大嶽)が初日から2連勝とした。

2番相撲で東50枚目千代嵐(27=九重)を突き出し。立ち合いから突き放し、左に回り込む相手を逃さずに突っ張った。1番相撲に続く好内容に「良かったと思う。手を出して足を出して、前に出ようという気持ちだった」と大きくうなずいた。

愚直に突き押しを磨く。場所前に行われた二所ノ関一門の連合稽古では、親方や関取衆に腰高を指摘された。19歳。課題は多いが「何個も一気には直せないので」と焦らない。「いろんなことができるようになると安心感が出るけど、今は四つをせずに押しを強くしたい」。まずは基本の押しを徹底的に磨く。

今場所の1番相撲で白星を挙げ、この日は師匠の大嶽親方(元十両大竜)に「思い切っていけ。お前自身が自分のことを一番分かっているから」と激励された。2場所連続の幕下での勝ち越しまであと2勝。先場所は初日の2連勝から3連敗を喫しただけに「まずは(星を)4にしたい」と、足元を見つめた。

報道陣の質問に答える納谷(撮影・鈴木正人)

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海洋・大場健太が大嶽部屋入門「まずは十両目指す」

大嶽親方(右)と握手する大場

角界入りする海洋高の大場健太(3年)が21日、入門する大嶽部屋の大嶽親方(58=元十両大竜)と同校で会見を開いた。フィリピン人を母に持つ173センチ、135キロの巨漢で、持ち味は突き押し相撲。3月2日に新弟子検査を受け、晴れて大相撲の世界に入る。同校では過去、中途退学して力士になった例はあるが、卒業生(予定者)が各界入りは初めて。

   ◇   ◇   ◇

学生服のボタンが飛び散りそうなほど、分厚く鍛え上げられた上半身。口元をきつく結んで、大場は言った。「空から見守っているお父さんに心から(角界入りを)伝えたい」。父富美雄さん(享年69)は、昨年9月に脳出血で亡くなった。大相撲が大好きで山潟中時代に相撲を強く勧めたのも父だった。「大相撲に行くことは、中学時代から自分の中では決まっていた」。

強い相撲に触れるために大場は相撲の強豪・海洋高に進学した。「遅れてきた選手」だった。というのは同校は隣接する能生中と合同練習している。有望選手は能生中に入学し、海洋高に進むのがパターンだった。中高6年間、一緒に寮生活しながら相撲に取り組んでいる。だからこそ3年間の“ブランク”がある大場には逆に伸びしろがたっぷり。「高校入学時は相撲を知らなかった。稽古次第では上位に上がれる」と村山智明監督(40)は期待した。

入学時は100キロ程度だったが、卒業を迎え、35キロ増量した。昨年8月の全国高校総体(インターハイ)では団体戦の決勝トーナメント進出に貢献。高岡向陵(富山)、野村(愛媛)、高千穂(宮崎)との予選で3戦全勝した。同決勝トーナメントと国体はメンバーから漏れたが173センチ、135キロの体を生かした突き、押しが武器。「入門したら頭から突っ込む稽古を積んで突き押しを徹底したい」と意気込んだ。

大嶽親方は大場との出会いを明かした。「海洋の稽古を見学した時に『声を掛けてくれ』という雰囲気を持っていた。『この子に声を掛けなければ』という気持ちになった」。普段の稽古から気迫を全身に充満させていた証明だ。「いつか強くなって、まずは十両を目指したい」。大場が土俵で第1歩をしるすのは、3月場所の前相撲になる。【涌井幹雄】

◆大場健太(おおば・けんた)2000年(平12)4月25日、新潟市生まれ。相撲は山潟中1年から新潟市相撲教室で始めた。中学では県大会重量級5位が最高成績。好きな力士は高安。173センチ、135キロ。血液型O。

▽海洋高からは過去、中途退学して角界入りした選手が3人(1人は引退)いる。錣山部屋の王輝(22=関川村出身、本名小池一毅・最高位幕下25枚目)と、境川部屋の三段目・田中山(17=東京都出身、本名田中虎之介)。田中山の祖父は新潟県出身の元関脇黒姫山。大場と同時に鳴戸部屋入門を予定していた丸山竜也(3年)は同部屋に暴力、いじめ問題が生じたため、角界入りが少し遅れる。

練習する大場

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大鵬さん七回忌に大嶽親方ら参加、弟子の不祥事謝罪

大嶽親方(2018年2月2日撮影)

大相撲の元横綱大鵬の納谷幸喜氏(享年72)の七回忌が23日、東京・江東区の妙久寺で営まれた。約30人の親族に加え、大嶽親方(元十両大竜)と部屋の力士、阿武松親方(元関脇益荒雄)らが出席した。

孫の納谷(18=大嶽)は大のおじいちゃん子。場所が終わるたびに墓前へ足を運ぶという。今年1月の初土俵以来、角界に身を置いて「おじいちゃんのすごさがより分かってきた」と、改めて祖父の偉大さを感じている。

大鵬部屋出身で10年7月に第17代大嶽を襲名し、部屋を継承した大嶽親方(元十両大竜)は、ここ1年間で起きた弟子の不祥事を墓前で謝罪した。「きっと天国で怒られていると思う」。今年1月には大嶽部屋に所属していた元前頭の大砂嵐が、無免許運転で衝突事故を起こすなどして、協会から引退勧告を受けて3月に引退。先月の九州場所前には当時の弟子が車を運転して事故を起こし、自身も監督責任として日本相撲協会から減給処分を受けた。「(弟子には)今まで以上に徹底して指導している。天国から『がんばれよ』と言われていると思うので、ポジティブに1年を過ごしたい」と19年への抱負を語った。

納谷(2018年11月13日撮影)

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大鵬の孫・納谷に壁…自発性が飛躍の鍵/取材ノート

納谷(2018年11月13日撮影)

<取材ノートから10 相撲納谷>

大相撲の納谷(18=大嶽)の1年が終わった。元横綱大鵬の孫で、父は元関脇貴闘力。今年1月の初土俵から順調に番付を上げたが、9月の秋場所で幕下の壁にぶち当たった。幕下復帰が濃厚な来年1月の初場所、そして2019年を飛躍の年にできるか。

幕下の壁は分厚い。この1年を振り返ると痛感させられる。幕下デビューとなった秋場所は3勝4敗、三段目に陥落した九州場所は4番取って何とか勝ち越した。春場所の序ノ口で全勝、続く序二段、三段目でともに6勝1敗。順調に滑り出していただけに、納谷は「納得はいっていないです。自分の中ではもっと上にいけたと思っているので」と不満顔だった。

膨らむ周囲の期待に、2人の師匠がくぎを刺す。「大鵬の孫」という代名詞に、全盛期の祖父を上回る188センチ、160キロ超の恵まれた体格。幕下以下の力士にもかかわらず、本場所中は取組ごとに報道陣に囲まれた。そんな中、納谷の恩師で埼玉栄高相撲部の山田道紀監督は「地道に努力できる子だけど、まだまだ体をつくっている段階。焦らなくていい」と話す。

師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「まだ基礎ができあがっていないし、なんたってまだ18歳だから。とことん悩めばいいと思う。今はそういう時期。僕からは一方的に言わないし、自主性に任せている」。

納谷も「師匠(大嶽親方)からは特に多くは言われない」と語る。今年1月に部屋に所属していた元前頭大砂嵐が、無免許運転で衝突事故を起こすなどして3月に引退したことを受け、大嶽親方も指導の価値観が変わった。

「違う国から来て、今までのように厳しく厳しくじゃ持たない。特に若い子は強く言われないで育っている。そういう時代なんだと思う。特に大砂嵐の一件があってから、弟子の自主性を大事にするようになった」。

納谷が高校3年間を過ごした埼玉栄高では、土俵上での稽古は1日1、2時間と少なく、それ以外の時間は生徒の自主性に任せる。似たような環境で飛躍のきっかけをつかめるか、注目したい。【佐藤礼征】

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元貴闘力が怒りの喝「付け人制度の即刻廃止」

角界へ「喝」を入れた元貴闘力の鎌苅忠茂氏

幕内力士・貴ノ岩(28=千賀ノ浦)が付け人の力士を暴行した事件に関して元関脇貴闘力の鎌苅忠茂氏(51)が大激白した。昨年10月には元横綱日馬富士から暴行を受けた貴ノ岩が加害者となった事態に対して「自覚不足、時代錯誤、付け人制度の即刻廃止」の持論を展開した。

またも角界を揺るがす暴力事件に元貴闘力が怒りの「喝」を下した。被害者が今度は加害者という異常事態に「自覚がない。それに尽きる。理由は何だろうが付け人だろうが、たたいたら問題になる。許される時代じゃないんだよ」。貴ノ岩の自覚欠如、時代錯誤を強い口調で一喝した。

元貴闘力が激白したのは角界引退後、東京都江東区清澄にオープンした焼き肉店「ドラゴ横綱通り店」だった。イタリア語で竜を意味する店名の命名は弟弟子の元横綱貴乃花。今も親交ある弟弟子の愛弟子は昨年10月の巡業中に元横綱日馬富士から暴行を受けた。師匠の貴乃花親方が日本相撲協会と対立。この暴力事件を引き金に貴乃花親方の角界引退という事態にまで発展した。

自身も波瀾(はらん)万丈だ。引退後は大嶽親方を襲名も現役時代から型破りなギャンブルマニア。それが災いし、野球賭博問題で日本相撲協会を解雇、昭和の大横綱・故大鵬親方の三女とも離婚、プロレス転向も不調に終わった。「そんなおれが言うのもなんだけどね。現役の時はたたかれても愛のむち、自分のためだと思っていた。今は時代が違う。協会からも親方衆からも厳しく言われているわけじゃないの。やったらどんなことになるのか、まるで分かってないよ」。

今も相撲界に育ててもらった感謝は尽きず、愛情をもって土俵の外から見つめ、応援している。「付け人も協会から預かっている力士なんだということが分かっていない。付け人制度をやめた方がいい」。現役時代は豪快な張り手で魅了。激震の角界に持論の張り手を放った。【大上悟】

◆鎌苅忠茂(かまかり・ただしげ)大相撲の元関脇貴闘力。1967年(昭42)9月28日、兵庫県神戸市出身。元大関初代貴ノ花の藤島部屋に入門、83年春場所初土俵。90年秋場所で新入幕。00年春場所で幕内初優勝。通算754勝703敗。180センチ、148キロ(現役当時)。

<スポーツ界の暴力アラカルト>

◆角界 昨年9月下旬から今年1月にかけて峰崎部屋で兄弟子が弟弟子に対して4回にわたり素手で殴るなどの暴力を振るった。

◆競泳 競泳男子で20年東京オリンピックのメダル候補の小関也朱篤(26=ミキハウス)が、昨年11月からのスペイン合宿中に同じ所属の男子選手(23)に暴力を振るったことが判明。

◆アメフト 5月に日本大対関西学院大の定期戦で日大守備選手が悪質なタックルをして相手クオーターバック(QB)を負傷させた。

◆高校野球 愛知・豊田大谷高校の野球部監督川上貴史容疑者(33=同県日進市)が7月31日、傷害の疑いで逮捕された。昨年7月、練習中に当時1年の男子部員の頭と頬を殴った上、肋骨(ろっこつ)を折る重傷を負わせた疑い。

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大嶽親方6カ月間20%減給 元幕下神嶽が車で事故

理事会に出席した大嶽親方(撮影・佐藤礼征)

日本相撲協会は29日、東京・両国国技館で理事会を開き、九州場所前に車を運転して事故を起こした元幕下神嶽(24)の監督責任として、師匠の大嶽親方(元十両大竜)に減給処分を課した。処分内容は12月から6カ月、20%の減給。

弁明のため理事会に呼ばれた大嶽親方は「寛大な処分をいただいた。ご迷惑をかけて申し訳ない」と謝罪した。今回の処分を発表した芝田山広報部長(元横綱大乃国)は「半年というのは重い処分だと思う」と話した。今年1月には大嶽部屋に所属していた元前頭の大砂嵐(26)が、無免許運転で衝突事故を起こすなどして、協会から引退勧告を受けて3月に引退。部屋内ではここ1年間で2度目の不祥事だけに、理事会の中で八角理事長(元横綱北勝海)から直々に「今後部屋での運営、指導をしっかりしてください」と注意を受けた。

事故を起こした神嶽は、28日までに引退届が協会に受理されているため、本人に対する処分は出なかった。荷物は都内の部屋内に残されており、大嶽親方は「もう本人の自由ですから」と、今後の退去については一任した。

神嶽は九州場所2日前の9日午前2時ごろ、九州場所宿舎近くの福岡市東区志賀島で、酒気を帯びた状態で軽トラックを運転しガードレールに衝突した疑いなどで15日に書類送検された。道交法違反(事故不申告)の罪で略式起訴され、既に福岡簡裁から罰金2万円の略式命令を受けて全額納付している。

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事故力士は罰金2万 相撲協会「再発防止取り組む」

芝田山親方(2018年1月13日撮影)

日本相撲協会は九州場所10日目の20日、場所前に交通事故を起こしていた大嶽部屋の幕下力士への、警察による処分が決まったと発表した。

処分は道路交通法違反(当て逃げ)で罰金2万円。ガードレールに運転していた車をぶつけたものの、事故を起こしたことを、警察に届け出ていなかったことが問題で、当初は疑いのあった酒気帯び運転については、罪には問われなかった。

九州場所の会場で、この件について発表した芝田山親方(元横綱大乃国)は「相撲協会としては厳粛に受け止め、再発防止に真摯(しんし)に取り組みます」と、相撲協会としの見解を示した。師匠の大嶽親方(元十両大竜)の監督責任、当該力士への相撲協会としての処分については、九州場所後に行われる同協会の理事会で話し合われる予定だ。

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弟子の事故で大嶽親方の監察職自粛の申し出を受理

大嶽親方(2018年2月2日撮影)

日本相撲協会は11日、大嶽親方(58=元十両大竜)からの監察職自粛の申し出を受理したと発表した。

前日10日に、大嶽部屋の幕下力士が交通事故を起こしたことが発表されており、当該力士には酒気帯び運転の可能性もあるため、現在も福岡県警の捜査が続いている。その対応などを優先するため、自粛を申し出た。九州場所初日のこの日から監察職を外れているが、替わりに別の親方らを充てる予定はないという。大嶽親方は引き続き、部屋では力士の指導を行っていく。

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大嶽部屋の幕下力士が車ぶつける事故 酒気帯びか

日本相撲協会は10日、大嶽部屋所属の幕下力士が車を運転し、事故を起こしたと発表した。芝田山広報部長(元横綱大乃国)によると、同力士は9日未明に福岡県内で酒気帯びの疑いで車を運転し、ガードレールに激突した。同乗者、けが人はいなかった。福岡県警東署は酒気帯び運転による事故の疑いで捜査を進めている。同力士は成人、運転免許は所持していたという。

同力士は当初、東署や、師匠の大嶽親方(元十両大竜)に「自分はぶつけていない」と話していたが、疑問を持った協会顧問が問い詰めると「ぶつけました」と話したため、同親方が同署に連絡。同日夜に事情聴取を受け、事故を認めた。

同力士は大嶽親方の判断で今日11日からの九州場所は休場。協会は捜査の結果などを待って処分を決める。

協会は現役力士の車の運転を認めていないが、今年1月には、元幕内の大砂嵐が無免許運転で略式起訴され、引退した。

芝田山広報部長は「協会では研修を行ったり、コンプライアンスの徹底をはかっているが、非常に残念な思い」と話した。

大嶽親方は、大砂嵐も部屋に所属していただけに「前回の大砂嵐の件もあって『ファンを落胆させるな、協会に迷惑をかけるな』と、本当に口を酸っぱくして注意してきた。まさかという気持ち。言葉がないほどショック。頭を下げるしかありません」と謝罪した。

同力士が運転していたのは同親方の知人の車で、運転免許を持っていることも知らなかった。「免許を持っているのは、昨日初めて聞いた。高卒ですぐ入門したので(免許を持っているとは)これっぽっちも頭になかった。知らなかった時点で(親方)失格です」と平身低頭だった。

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阿武松グループが二所ノ関一門合流へ 今場所後にも

審判長を務める阿武松親方(撮影・河田真司)

2月の役員候補選挙で阿武松親方(元関脇益荒雄)に投票した8人の親方が、二所ノ関一門に移籍の意向であることが19日、分かった。

阿武松親方を含む阿武松部屋の親方衆3人と、千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)大嶽親方(元十両大竜)の旧貴乃花一門5人に加え、無所属の錣山親方(元関脇寺尾)立田川親方(元小結豊真将)湊親方(元前頭湊富士)の3人。計8人は秋場所後にも二所ノ関一門の親方衆と接触し、加入を要請する見通しだ。

相撲協会は7月下旬の理事会で、全ての親方は五つある一門のいずれかに所属することを決めた。旧貴乃花一門は阿武松グループとして活動してきたが、所属するある親方は「グループは認められないので、元々いた二所ノ関一門に戻らせてもらおうとしているが、まだ認められたわけではない」と現状を明かした。時津風一門から無所属となった3人も行動を共にする。

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納谷が連敗止め2勝2敗、父や師匠にしかられ発奮

勝誠(左)に押し出しを仕掛ける納谷(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇7日目◇15日◇両国国技館

元横綱大鵬の孫、東幕下60枚目納谷(18=大嶽)が西幕下57枚目勝誠(32=境川)を押し出しで破り、連敗を2で止め、2勝2敗と星を五分に戻した。立ち合いから左を差されたものの、焦らず体勢を整えてから前に出た。「突き放していこうと思ったんですが…。しっかり我慢してできました」。

前日6日目に三番相撲で星を落として黒星が先行すると、取組後には初めて、父忠茂さん(元関脇貴闘力)から叱責(しっせき)の電話がかかってきたという。「見ていてイライラするじゃないですが“気の抜けた顔しやがって”と言われました」と苦笑い。また母校埼玉栄高相撲部の山田道紀監督からも電話があり「オマエの相撲じゃないよな」と言われ、師匠の大嶽親方(元十両大竜)にも「すぐ相手を振らず、前に出ろ」としかられた。

「おかげで“やったやる”という気持ちになりました。負けるなら、前に出て負けるぐらいで」。元関取、幕下上位力士がいる幕下で勝ち抜くことが簡単じゃないことはわかっている。「負けが先行することとかには、元からこだわっていません。しっかり4番勝つこと。ここからまたしっかり頑張ります」。残り3番でまず2勝を見据え、気を引き締め直していた。

支度部屋に引き揚げる納谷(撮影・鈴木正人)

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