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通算連続出場、玉鷲が1286回で歴代9位/新番付

玉鷲(2019年1月28日)

日本相撲協会は26日、開催地を通常の福岡から東京に変更して行う大相撲11月場所(11月8日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、7月場所と9月の秋場所は1日あたりの上限入場者数を約2500人に制限していたが、11月場所から約5000人に引き上げて開催される。

現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。

【通算勝利数】

既に横綱白鵬(35=宮城野)が1170勝で歴代トップに君臨。どこまで伸ばせるか注目だ。ちなみに現役2位は琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)の827勝。歴代10位の寺尾(元関脇=現錣山親方)まで33勝だ。

【幕内在位場所数】

今場所で白鵬が、高見山(元関脇=元東関親方)と安美錦(元関脇=現安治川親方)を抜き、歴代単独3位の98場所に浮上した。現役2位の琴奨菊は十両に陥落したため、歴代7位の92場所のまま。ちなみに歴代1位は元大関魁皇(現浅香山親方)の107場所。

【幕内出場回数】

琴奨菊が歴代6位の1332回まで伸ばしたが、今場所は十両陥落のため更新できない。白鵬が同8位の1265回。現役3位は鶴竜の1027回。なお歴代1位は、元関脇旭天鵬(現友綱親方)の1470回。

【幕内勝利数】

白鵬が1076勝で、2位の魁皇に197勝もの差をつけ歴代トップ。歴代6位に琴奨菊(718勝)が名を連ねる。同5位の元横綱大鵬までは、あと28勝で届く。十両の今場所で来場所の再入幕を果たし、さらに白星を積み重ねれば…。

【通算連続出場】

初土俵以来、無休の「鉄人記録」の歴代9位に1286回の玉鷲(35=片男波)が入っている。04年春場所の序ノ口デビューから足かけ17年の「皆勤賞」だ。

【金星獲得】

現役力士で歴代10傑入りは不在だが、今場所チャンスがあるとすれば現在7個の北勝富士(28=八角)。横綱2人を倒せば通算9個で10位タイに滑り込む。番付を2枚下げ、東前頭4枚目は番付上、ギリギリで上位総当たりとなりそう。果たしてどうなるか…。

なお8個で現役トップの逸ノ城(27=湊)は、西前頭13枚目。よほどの快進撃がなければ、横綱戦はなさそうだ。なお7個で追う遠藤は、西前頭7枚目まで番付を下げた。こちらも優勝争いに加わる快進撃で後半戦に横綱との一番が組まれるかというところだ。

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大鵬孫・納谷5勝目 初の大銀杏に「軽くて驚いた」

はじめて大銀杏を結った納谷は大翔鵬を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇26日◇東京・両国国技館

横綱大鵬の孫、西幕下4枚目納谷(20=大嶽)が、7番相撲に臨み5勝目を挙げた。

西十両12枚目大翔鵬(26=追手風)を、立ち合いから一方的に押し出した。

入門後初めてとなる、十両の土俵。「勝手が違った。水をもらう時に戸惑ったけど、それ以降は普段通りできた」と振り返った。大銀杏(おおいちょう)も初めて結い「うれしいですね。重いと思っていたけど、普通のまげより軽くて驚いた」と初々しさを見せた。

新十両昇進は、幕下上位や十両の成績次第で決まる。「周り(の成績)とか運とかもあるので何とも言えないけど、自分がやれることは限られる。やれることができれば勝てる」と十両昇進は意識しなかった。

納谷(左)の攻めに耐える大翔鵬(撮影・河田真司)     
はじめて大銀杏を結った納谷(右)は大翔鵬を押し出しで破る(撮影・小沢裕)
大翔鵬を破り、土俵下で呼吸を整える納谷(撮影・河田真司)     

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大鵬の孫・納谷が勝ち越し決定 貴景勝からはエール

琴太豪(右)を激しく攻める納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇23日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫、西幕下納谷(20=大嶽)が6番相撲に臨み、3場所連続の勝ち越しを決めた。

東幕下5枚目琴太豪を立ち合いから突き放し、二の矢の攻めも強烈だった。体勢を立て直す時間を与えずに押し出して4勝目。「調子はめちゃくちゃいい。いい相撲を取れて良かった」。幕下上位に定着して約1年になる大器は、確かな手応えを感じている。

今場所も同じ一門で、埼玉栄高の先輩でもある大関貴景勝の付け人を務めている。今場所初黒星を喫した3番相撲の後には、大関から「お前の相撲は取れているから、気にするな」と声をかけてもらった。

今場所最後の一番で星を伸ばせば、新十両昇進も近づく。「自分の相撲を変えず取ろうと思っている。自分ではだいぶ前から、勝てる力はあると思っていた」。積み重ねてきた自信を胸に7番相撲に臨む。

琴太豪(左)を破った納谷(撮影・丹羽敏通)
納谷(手前)は琴太豪を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

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大鵬孫の夢道鵬、初黒星喫し連勝は4でストップ

玉金剛(右)に突き落としで敗れる夢道鵬(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇9日目◇21日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男、東幕下55枚目夢道鵬(19=大嶽)が、西三段目7枚目玉金剛(25=片男波)に負けて今場所初黒星を喫した。

立ち合いは当たってすぐに左四つに組み止め、右でかかえながら前に出た。しかし、玉金剛に回られると足がついていかず、右のおっつけで突き落とされた。初日からの連勝は4でストップ。取組後は報道陣の取材に応じなかった。

玉金剛に敗れた夢道鵬(撮影・河田真司)     

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21歳琴勝峰1敗キープ、実家の居酒屋に活躍届ける

豊昇龍(右)を攻める琴勝峰(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館

21歳の東前頭12枚目琴勝峰(佐渡ケ嶽)が、台風の目になる。元横綱朝青龍のおいで新入幕の西前頭16枚目豊昇龍を突き落とし、出世を争う同学年のライバルを破って6勝1敗とした。

実家が経営する千葉県柏市の居酒屋が、コロナ禍で来店客が激減。応援する両親のためにも元気な姿を届ける。琴勝峰、大関貴景勝、新入幕の翔猿が1敗をキープ。大関昇進を目指す3関脇は総崩れとなった。

   ◇   ◇   ◇

幕内では初対戦となる好敵手の猛攻をしのいだ。琴勝峰は立ち合いで豊昇龍を突き放せず、右を差されて攻め込まれたが、191センチ、156キロの大きく柔らかい体には余裕があった。「差されて(体勢が)悪くなったけど、落ち着いていた」。土俵際で左から逆転の突き落としを決めた。2場所連続で1敗のまま中日に突入。まだ前半戦ながら、先頭集団に並んでいる。

同学年の新入幕に、幕内2場所目の貫禄を見せた。豊昇龍とはアマチュア時代の高校3年で対戦して敗れたものの、プロでは4戦4勝。「競い合いながらお互いを高め合える存在になりたい」。元横綱大鵬の孫、幕下納谷ら有望株がそろう1999年度生まれ。“黄金世代”の先頭は譲れない。

コロナ禍で苦しむ両親に勇姿を届けたい。実家は地元の柏市で大衆居酒屋「達磨(だるま)」を50年以上経営しているが「大人数でのお客さんがかなり減った」と店主で父の手計学さん(55)。緊急事態宣言の解除前の5月時点では、売り上げが昨年比で約6割減った。

新入幕で8勝を挙げた7月場所後、実家に戻って英気を養った。小さい頃からの好物というハマグリやアサリが入った辛口の鍋を食べて“海鮮パワー”を注入。その際、先場所獲得した懸賞を両親に1枚ずつ渡した。その懸賞袋は居酒屋の店内に飾られ、「お客さんも珍しがって喜んでくれる」と父学さん。親孝行を忘れない新進気鋭の21歳が、混戦場所を盛り上げている。【佐藤礼征】

豊昇龍(右)を突き落としで破る琴勝峰(撮影・河田真司)

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元貴闘力四男の夢道鵬、初幕下で勝ち越し「自信に」

碧天を破り勝ち名乗りを受ける夢道鵬(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇7日目◇19日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男、東幕下55枚目夢道鵬(18=大嶽)が、初めての幕下で無傷の4連勝で勝ち越しを決めた。

東幕下60枚目碧天(37=春日野)との3連勝同士の一番。立ち合いでしっかりと当たり、引いた相手に左をのぞかせながら足を運んで押し出した。幕下上位を経験したことのあるベテランを下して、序ノ口デビューの初場所から4場所連続で勝ち越しを決めた。

無心で土俵に上がるつもりが「勝ったら勝ち越しかと思うとちょっと緊張した」と初の幕下での勝ち越しが懸かった一番に、今までにない緊張感があったという。それでも危なげない相撲を披露。「稽古をしっかりとしてきて、やってることが合っているなと。自信になる」と安堵(あんど)した。

まだまだ満足はしない。残り3番に向けて「勝ちたいです」と率直な思いを吐き出した。結果はもちろんだが、相撲内容にもこだわりがある。「最初の一番から自信をつける相撲を取りたいと思っていた。土俵際で投げたりはたいたりしても勝ちは勝ちだけど、前に出て勝ちたい」と話した。

碧天(手前)を攻める夢道鵬(撮影・河田真司)
夢道鵬(左)は碧天を押し出す(撮影・山崎安昭)

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大鵬の孫夢道鵬18歳最後の日3連勝で勝ち越し王手

夢道鵬(右)は徳之武蔵を押し込む(撮影・山崎安昭)

<大相撲秋場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男、東幕下55枚目夢道鵬(18=大嶽)が、1番相撲から3連勝で勝ち越しに王手をかけた。

190センチを超える長身の西幕下56枚目徳之武蔵(20=武蔵川)を退けた。右四つから相手の巻き替えに乗じて、足を止めずに寄り切った。

3月に埼玉栄高を卒業した。アマチュア時代とは違い、プロの世界では1日一番。「(相手の)立ち合いの手の付き方とか、見てるのと見ていないのでは違う」と、対戦相手の研究にも余念がない。前日16日の夜には恩師で同校相撲部の山田道紀監督から電話があり「まわしを取られたらダメ。押していけよ」とアドバイスをもらい、周囲の助言も力に変えている。

18日が誕生日で、18歳最後の日を白星で飾った。兄の西幕下4枚目納谷(20=大嶽)を追うホープは、勝ち越しに向けて「大事な一番なのは(残り)3番変わらない。ホッとしてはいけない」と気を引き締めた。

徳之武藏(奥右)を下した夢道鵬(撮影・滝沢徹郎)

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豊昇龍幕内デビュー意欲、モンゴルでも「ニュース」

茨城県つくばみらい市の立浪部屋で相撲を取る豊昇龍(右)

大相撲秋場所(13日初日、東京・両国国技館)で新入幕を果たした西前頭16枚目豊昇龍(21=立浪)が、幕内デビューに向けて調整のペースを上げた。元横綱朝青龍をおじに持つサラブレッドは、番付発表から一夜明けた1日、茨城・つくばみらい市の部屋で関取衆や若い衆を相手に計8番相撲を取った。電話取材に応じ「番付発表の次の、初の稽古なので軽くトレーニングしたり、軽く相撲を取った」とコメント。3月の春場所、7月場所で不安を抱えていた腰の状態についても「大丈夫だと思う」と力強く話した。

新入幕の吉報は故郷モンゴルでも反響があり「(連絡は)ありました。『おめでとうございます』と。ニュースになっていると思う」と喜んだ。新十両昇進が決まった昨年10月に帰郷して以来、モンゴルに戻っていないため、寂しい思いは「します」と答えつつも「やっぱり目指していることがあるので、それのために頑張らないといけない」。いまは早期の出世に向けて相撲に打ち込む。

7月場所では同学年の東前頭12枚目琴勝峰(21=佐渡ケ嶽)が8勝7敗で勝ち越した。高校時代から対戦経験があり、大相撲では2戦2敗。「なんか熱くなってしまう。高校のときは勝てたけど大相撲では勝ったことがない」と特別視。99年度生まれの同世代では元横綱大鵬の孫、納谷も幕下上位で奮闘しており「強いのになんで上がってこないんだろうと思う」と、関取昇進を待ち望んでいた。

2週間を切った初日までに「できれば何キロでもいいから太りたい」と、現在131キロの体重を増やすことが目標だ。トマトなど「好き嫌いは多い」タイプだが、間食にお茶漬けなどをかき込んで食事量を増やしている。

今場所は幕内下位だが、将来的には横綱、大関との対戦も熱望している。「そのうち戦うんじゃないですか。フフフ」と不敵に笑った。【佐藤礼征】

茨城県つくばみらい市の立浪部屋で稽古に臨む豊昇龍

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北勝富士あと横綱2人 金星獲得10傑入り/新番付

北勝富士(2020年1月14日撮影)

日本相撲協会は8月31日、開催を目指す大相撲秋場所(9月13日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、開催の可否や開催形態は理事会で決定する見込み。

現役力士の今場所達成可能な歴代10傑入りなどの記録は以下の通り(在位したことで達成済みも含む)。

【通算勝利数】

既に横綱白鵬(35=宮城野)が1170勝で歴代トップに君臨。どこまで伸ばせるか注目だ。ちなみに現役2位は琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)の825勝。歴代10位の寺尾(元関脇=現錣山親方)まで35勝だ。

【幕内在位場所数】

今場所で白鵬が歴代5位の96場所。11月場所在位で高見山(元関脇=元東関親方)、安美錦(元関脇=現安治川親方)に並ぶ同3位に浮上する。琴奨菊は安芸乃島(元関脇=現高田川親方)に並ぶ同7位タイの91場所。現役3位は横綱鶴竜(34=陸奥)の81場所。ちなみに歴代1位は元大関魁皇(現浅香山親方)の107場所。

【幕内出場回数】

琴奨菊が歴代6位の1321回、白鵬が同8位の1265回。現役3位は鶴竜の1027回。なお歴代1位は、元関脇旭天鵬(現友綱親方)の1470回。

【幕内勝利数】

白鵬が1076勝で、2位の魁皇に197勝もの差をつけ歴代トップ。歴代6位に琴奨菊(716勝)が名を連ねる。同5位の元横綱大鵬までは、あと30勝で届く。

【通算連続出場】

初土俵以来、無休の「鉄人記録」の歴代9位に1271回の玉鷲(35=片男波)が入っている。04年春場所の序ノ口デビューから足かけ17年の「皆勤賞」だ。

【金星獲得】

現役力士で歴代10傑入りは不在だが、今場所チャンスがあるとすれば現在7個の北勝富士(28=八角)。横綱2人を倒せば通算9個で10位タイに滑り込む。東前頭2枚目まで番付を上げ、上位総当たりは確実だが果たして…。

なお8個で現役トップの逸ノ城(27=湊)は再入幕だが、上位とは当たらない幕尻の東前頭17枚目。ただ「幕尻の17枚目」といえば、今年1月の春場所で西の徳勝龍が、7月場所では東の照ノ富士が、アッと驚く幕尻優勝を果たしている。両者とも、両横綱が途中休場したため横綱戦はなかったが、大関戦は組まれた。もし逸ノ城が快進撃の末、優勝争いに加わり横綱対戦が実現すれば…。1つでも勝てば歴代10傑入りする。なお7個で追う遠藤は、返り三役のため金星のチャンスはない。

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三段目深井が大鵬孫の夢道鵬破りV、来場所は幕下も

深井(右)ははたき込みで夢道鵬を破り三段目優勝を飾る(撮影・小沢裕)

<大相撲7月場所>千秋楽◇2日◇東京・両国国技館

三段目は東67枚目の深井(22=高砂)が、優勝決定戦を制して優勝した。

相手は大横綱大鵬の孫、夢道鵬(18=大嶽)。「相手への意識はなかった」と動きを冷静に見て、最後ははたき込んだ。「内容はよくなかったが、勝ててよかった」と安堵(あんど)の表情を浮かべた。

東洋大では学生選手権8強で今年春場所、三段目100目格付け出しで初土俵を踏んだ。部屋の大関朝乃山と同じスタート。その場所は5勝2敗に終わったが、2場所目に力を発揮した。

大関からは「『緊張するな』と声をかけてもらった」という。稽古場でも胸を借りてきた。ひとつ恩返しの優勝となった。

来場所は一気に幕下の可能性もある。「自分の相撲を取りきって優勝できれば」。大関の背中を追いかけ、出世の階段を上がっていく。

夢道鵬(左)を破り三段目優勝の深井(撮影・鈴木正人)
三段目優勝の深井(撮影・鈴木正人)

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正代が照ノ富士撃破、リスク覚悟もろ差しで初V望み

土俵際の攻防 正代(手前)が照ノ富士を攻める(撮影・鈴木正人)

<大相撲7月場所>◇14日目◇1日◇東京・両国国技館

関脇正代(28=時津風)が「混沌(こんとん)の千秋楽」に持ち込んだ。単独トップだった元大関の照ノ富士を寄り切り、自身も初優勝の可能性をつないだ。同じ関脇の御嶽海も3敗を守り、結びで大関朝乃山が照強に敗れる波乱で4人が優勝争いに残った。正代か御嶽海が優勝すれば、13日目終了時点でトップとの2差を覆す史上初の大逆転劇となる。異例の場所で最後にドラマをもたらすか。

   ◇   ◇   ◇

興奮を抑えられない。照ノ富士を寄り切った正代はほえるように右の拳を振り上げた。「好調な相手だったんで、前の日の夜から気合が入っていた。そういうのが出てしまったと思います」。結果も内容も完璧な相撲に感情が爆発した。

「(対策は)いろいろ考えたけど、一番納得できる相撲は、自分は立ち合いなんで」。勝負をかけた立ち合いはもろ差し。左上手を許してもかまわず前に圧力をかけ、絶妙なタイミングの引き技でバランスを崩す。逃さず右を差し、最後は土俵下まで吹っ飛ばした。

もろ差しは照ノ富士に抱え込まれるリスクもあった。「きめられることも頭にあったが、中途半端に当たって持っていかれるなら、思い切って前に出ようと集中していた」。13勝を挙げた今年初場所、14日目に徳勝龍に土俵際で突き落とされ、星1つ差で賜杯を逃した。勝ちを意識して足が出ず、逆転された相撲を反省した。味わった悔しさがこの日の相撲につながった。

自ら可能性をつないだ。「(優勝は)意識しても硬くなる。頭の片隅に置いておくぐらいで」。可能性がある4人でただ1人、優勝の経験がない。追う立場でもあり、気持ちは楽に臨める。「千秋楽なんで、楽しめればいいかなと思います」。その千秋楽は結びで大関朝乃山に挑む。先に照ノ富士が敗れていれば、決定戦への生き残りをかけた一戦。そして賜杯が現実になれば、13日目終了時点で2差から初の逆転劇となる。

故郷の熊本・宇土市では毎場所、正代が勝つと3発の花火が打ち上がる。もちろんこの日も。豪雨被害に見舞われた熊本の人々は願っている。【実藤健一】

◆優勝争いの行方 千秋楽で照ノ富士が御嶽海に勝てば、その時点で照ノ富士の優勝が決まる。御嶽海が勝った場合は、照ノ富士、御嶽海、朝乃山-正代の勝者によるともえ戦(3人での優勝決定戦)となる。実現すれば幕内では94年春場所の曙、貴ノ浪、貴闘力以来7度目で、当時は曙が制した。

◆2差逆転優勝 1場所15日制が定着した49年夏場所以降、13日目終了時点で2差から逆転優勝した例はない。12日目終了時点からは4例、11日目終了時点からは8例、10日目終了時点からは5例ある。2差を追いつき優勝決定ともえ戦になったのは65年秋場所のみ。同場所は11日目終了時点で1敗の横綱大鵬を、2敗で平幕の明武谷、3敗の横綱柏戸らが追いかけ、千秋楽で横綱佐田の山、柏戸、明武谷が12勝3敗で並んだ。ともえ戦で連勝した柏戸が優勝した。

正代に寄り切りで敗れ座り込む照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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納谷勝ち越し、来場所で関取へ「絶対上がってやる」

宝香鵬(左)を押し出しで破る納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲7月場所>◇13日目◇31日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫、東幕下5枚目納谷(20=大嶽)が、自己最高位で勝ち越しを決めた。7番相撲で東幕下9枚目宝香鵬を押し出し。4勝3敗で場所を終えて「今場所一番緊張してなかった。開き直れたか分からないけど、大丈夫かなと思っていた」と堂々と語った。

来場所で関取の座をつかみ取りたい。「貪欲に、絶対上がってやるという強い気持ちで迎えられたらいい。自分自身チャンスに弱いと思っていない。しっかりやることをやってきたので」と力強く話した。

宝香鵬(左)を激しく攻める納谷(撮影・鈴木正人)

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貴闘力四男の夢道鵬、全勝で三段目優勝決定戦へ

夢道鵬(19年11月撮影)

<大相撲7月場所>◇13日目◇31日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男、西三段目84枚目夢道鵬(むどうほう、18=大嶽)が、7戦全勝で三段目の優勝決定戦に進んだ。

東序二段28枚目大飛翔との一番。左四つで力強く寄り切った。全勝が懸かる取組に「結構緊張しました。最初かましていこうと思ったけど、迷ってしまった。慌てずにできたので良かった」と胸をなで下ろした。

三男の幕下納谷、次男の序ノ口鵬山と大嶽部屋の3兄弟として注目を集めている。末っ子の夢道鵬は埼玉栄高を卒業したばかり。部屋の稽古では納谷と相撲を取ることもあるといい「勝てないんですけど…」と苦笑いを浮かべた。

千秋楽で東三段目67枚目深井との優勝決定戦に臨む。期待のサラブレッドは「思い切って当たって、悔いのないようにぶつかっていきたい」と、気持ちを高めていた。

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荒磯親方「早く抜いて」幕内勝利並んだ琴奨菊に期待

千代大龍(右)を寄り切りで破る琴奨菊(撮影・鈴木正人)

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

元横綱稀勢の里の荒磯親方が、自身の幕内通算714勝に並んだ東前頭14枚目琴奨菊(36=佐渡ケ嶽)にエールを送った。この日、NHK大相撲中継で解説を務め、琴奨菊の取組直前に同放送で「(自分の記録を)早く抜いてほしい」と期待した。

琴奨菊はこの日の千代大龍戦で白星を挙げ、幕内通算勝利数で歴代6位タイとなった。1位は横綱白鵬の1074勝(8日目の取組終了時点)で、歴代5位の元横綱大鵬が持つ746勝が次の目標となる。

荒磯親方は、琴奨菊の膝を伸ばした状態で手をつく立ち合いに注目し「この立ち合いがはまっていると思う」と評価した。

元横綱稀勢の里の荒磯親方(2019年9月29日撮影)

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琴奨菊が幕内通算714勝、歴代6位稀勢の里に並ぶ

千代大龍(左)を寄り切りで破る琴奨菊(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

大関経験者で東前頭14枚目の琴奨菊が、幕内通算白星で、歴代6位の元横綱稀勢の里に並ぶ714勝目を挙げた。

立ち合いから右上手を取り、左を差す得意の形から一直線に千代大龍を寄り切り。6勝2敗とし、来場所の幕内残留を決定的とした。「自分の立ち合いができた。1日1日、やり残しがないようにやっている。(稀勢の里の714勝は)1つの目標にしていたので、うれしいですね」と、落ち着いて話した。

幕内通算白星は、1位が横綱白鵬の1073勝(8日目取組前時点)で、歴代5位の元横綱大鵬が持つ746勝が次の目標となる。「先を見たらとてつもない。一番一番の積み重ねで、少しでも近づけるように頑張りたい」と、笑顔を見せながら話した。

千代大龍(右)を寄り切りで破る琴奨菊(撮影・鈴木正人)

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大鵬孫・納谷敗れ新十両昇進遠のく「勝ちきれない」

魁に破れ、浮かない表情で土俵から引き揚げる納谷(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫、東幕下5枚目納谷(20=大嶽)が、来場所の新十両昇進から遠ざかった。4番相撲で東幕下4枚目魁(34=芝田山)に上手投げで敗れ、1勝3敗。勝ち越しへ後がなくなった。

立ち合いは「突き放すというよりはじきにいった」と果敢に当たったが、相手の体勢を崩すには至らなかった。左四つで前に出るも、土俵際で回り込まれながら投げを食らった。

今場所は自己最高位に並んでいたが、白星を積み重ねられない状況が続く。この日勝ち越しを決めた弟の三段目夢道鵬に続きたいところだった。納谷は場所前の稽古も充実していたと振り返り「普通にやっていけば大丈夫だと思っているが、勝ちきれない」と声のトーンを落とした。

魁(右)に上手投げで敗れる納谷(撮影・鈴木正人)
魁(右)に上手投げで敗れた納谷(撮影・鈴木正人)
魁(手前)に上手投げで敗れる納谷(撮影・鈴木正人)

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琴勝峰、迷わずガムシャラに進め/大ちゃん大分析

松鳳山を破って新入幕で5連勝とした琴勝峰(撮影・丹羽敏通)

<大相撲7月場所>◇5日目◇23日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭15枚目琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が、無傷で序盤5日間を終えた。西前頭12枚目松鳳山を小手投げ。左差しで寄られたが、土俵際で冷静に対応した。新入幕の初日からの5連勝は、14年秋場所に13勝を挙げた逸ノ城以来、平成以降では10人目。

  ◇   ◇   ◇  

新入幕らしい新入幕を久しぶりに見た気がする。5連勝したから言うわけではない。琴勝峰には若さの勢いも感じるが必死に相撲を取っているというイメージが強い。松鳳山の張り手にも臆することなく深く差されて出られようが何とか打開しようという気持ちが、逆転の小手投げにつながった。あの勝った後の大たぶさの乱れは、ファンにとっては何ともいえない、たまらない魅力だろう。素晴らしい将来性を感じさせる力士だ。

高校の2年先輩で兄弟子の琴ノ若の存在も大きい。口には出さないだろうが心の中で「師匠の息子には負けない」という気持ちがあるんじゃないかな? 大鵬さんも北の湖さんも誰だって必ず壁にぶち当たる。琴勝峰も同じだろうが、それまで迷わずガムシャラに進めばいい。体の柔らかさも魅力だがケガにつながりかねない。そこは注意しながら成長を見てみたい。(高砂浦五郎=元大関朝潮・日刊スポーツ評論家)

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新入幕の琴勝峰5連勝 錦戸親方「久々の大器だ」

松鳳山を破って新入幕で5連勝とした琴勝峰(撮影・丹羽敏通)

<大相撲7月場所>◇5日目◇23日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭15枚目琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が、無傷で序盤5日間を終えた。西前頭12枚目松鳳山を小手投げ。

左差しで寄られたが、土俵際で冷静に対応した。新入幕の初日からの5連勝は、14年秋場所に13勝を挙げた逸ノ城以来、平成以降では10人目。関取最年少の大器が、4カ月ぶりの本場所で旋風を巻き起こす。琴勝峰を含め、横綱白鵬、新大関の朝乃山ら5人が初日から5連勝とした。

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土俵際まで攻め込まれたが、新入幕離れした余裕が琴勝峰にはあった。小柄ながら素早い松鳳山に左四つで寄られたものの、懐が深い。右から豪快に小手で振った。「立ち合いは悪かったけど、土俵をうまく使えたので良かった」。スケールの大きい相撲内容に、幕内後半の審判長を務めた錦戸親方(元関脇水戸泉)も「臆することがない。久々の大器だ」とうなった。

191センチ、165キロの恵まれた体格で、組んで良し、離れて良し。3年前の入門時から身長が3センチ伸びるなど、肉体的にも成長が止まらない。序盤5日間を勝ちっ放しで終えて「焦ることなく相撲が取れている」と、貫禄たっぷりにうなずいた。

秀才型の大器だ。学生時代は相撲だけでなく学業も優秀。中学時代は相撲に打ち込む一方でオール5を取ったこともあり、高校進学時には慶応義塾高から誘いを受けた。それでも埼玉栄高の山田道紀監督から熱心な勧誘を受け、高校相撲の名門校に入学すると、1年時からレギュラーに抜てき。17年九州場所に鳴り物入りで佐渡ケ嶽部屋に入門し、序ノ口デビューから所要14場所で幕内まで駆け上がった。

刺激し合える存在が身近にいる。2学年上の琴ノ若は相撲を始めた柏市相撲少年団、高校が同じで、プロ入り後も常に背中を追いかけてきた。その兄弟子は新入幕の春場所で勝ち越し。「すごく刺激をいただいている。ありがたいこと」。佐渡ケ嶽部屋の幕内力士は今場所5人。恵まれた環境で力を蓄えてきた。

新入幕の初日から5連勝は、14年秋場所で優勝争いに絡んだ逸ノ城以来。「(序盤5日を全勝で終える想像は)全然していなかった。勝ち負けというか、気持ちだけしっかり持って行こうと思っている」。未来の角界を背負う20歳が、堂々と連勝街道を突っ走る。【佐藤礼征】

◆琴勝峰吉成(ことしょうほう・よしなり)本名・手計(てばかり)富士紀。1999年(平11)8月26日、千葉県柏市生まれ。小1で地元柏市相撲少年団で相撲を始め、中3で全国都道府県優勝。埼玉栄高から17年九州場所に初土俵。19年九州場所が新十両。20年春場所で十両優勝し、同年7月場所が新入幕。得意は右四つ、寄り。191センチ、165キロ。血液型O。家族は両親と弟。実家は柏市で居酒屋「達磨(だるま)」を経営している。

◆新入幕の初日から5連勝 昭和以降では27人目、平成以降では10人目になる。今場所の琴勝峰は14年秋場所で13勝した逸ノ城以来。逸ノ城を含め、09年初場所の把瑠都、91年九州場所の貴ノ浪と大関経験者もいる。ちなみに1場所15日制が定着した49年夏場所以降では、60年初場所の大鵬の11連勝が最多。

琴勝峰(左)は松鳳山を小手投げで下す(撮影・小沢裕)

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朝乃山「大関は常に優勝争い」7月場所への自覚十分

リモート会見で取材に応じる朝乃山

4カ月ぶりの本土俵でも焦りはない。新大関朝乃山(26=高砂)が6日、リモート会見に臨んだ。本来ならこの日は、無観客開催を目指す7月場所(19日初日、東京・両国国技館)の番付発表日。新型コロナウイルスの感染拡大の影響で5月の夏場所が中止となり、番付は据え置きとなったため、番付発表は見送られた。そんな中、2週間後に迫った7月場所に向け、新大関が抱負や心境を語った。

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画面を通して報道陣の前に姿を現した朝乃山は、慣れない取材対応でも丁寧に自分の思いを口にした。3月の春場所以降、新型コロナの影響で自粛生活が続き、夏場所は中止に。6月に入り、ようやくぶつかり稽古や申し合い稽古を再開した。新大関として迎える場所が待ち遠しいはずだが「焦らずに本場所の土俵に立てればいい。とにかく焦らずにいこうという気持ちを持っています」とどっしりと構えた。

長く続く自粛生活の中で、ストレスをためないことは重要だ。アクション映画好きの朝乃山は、最近見た映画を問われ「『ジョン・ウィック』です」と即答。キアヌ・リーブス主演の殺し屋の復讐(ふくしゅう)劇が描かれた作品などを観賞し「気持ちを切らさずに高めている」という。

また大鵬や千代の富士、師匠(高砂親方)の朝潮ら歴代横綱、大関の現役時代の動画もチェックしている。「どうやったら右四つになれるか、右四つになれなかったらどうやって対処するのか」と、満足に稽古ができない状況下でも工夫を凝らしている。

大関に昇進して3カ月がたったが、土俵に立つ姿をまだお披露目できていない。満員の観客からの大関コールが待ち遠しいはずが「それはお客さんが一番望んでいる。僕は土俵の上から白星を届けるのが恩返しだと思う」と自覚は十分だ。さらに「大関という地位は常に優勝争いをしないといけない地位」。自分に言い聞かせるように決意を語った。【佐々木隆史】

角界初のリモート会見を行う新大関朝乃山

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新大関朝乃山7月場所へ「体を作るだけ、気合を」

角界初のリモート会見を行う新大関朝乃山

新大関の朝乃山(26=高砂)が6日、オンライン会議システム「Zoom」による、報道陣とのリモート取材に応じた。

本来なら、この日は開催を目指す大相撲7月場所(19日初日、両国国技館)の番付発表日。だが、新型コロナウイルスの感染拡大を受け5月の夏場所が中止されたため、番付は据え置きのまま。7月場所の新番付は作られず、番付発表は見送られた。

無観客開催だった3月の春場所で大関昇進を決め、お披露目するはずだった5月の夏場所は中止。仕切り直しとなる7月場所に向けての抱負や近況などを語った。

約2週間後に控えた初日に向けては「あとは初日に向け体を作るだけ。あと2週間、気合を入れます」と語った。6月に入り申し合いや、ぶつかり稽古を再開。当初は「立ち合いの動作とか鈍かったけど、修正してだいぶ戻りました」と回復。部屋の関取は朝乃山以外に再十両の朝弁慶しかいないが、幕下に力のある力士がおり、稽古には不自由していないようだ。出稽古で他の部屋の関取衆と申し合いなどで力を付けるのが、最近の調整法だった。それも出来ないが「不安はありません。大丈夫」と頼もしく語った。

自粛生活が続くが「ストレスをためるのは体によくない」と、映画観賞などでストレスを発散。キアヌ・リーヴス主演のアクション映画「ジョン・ウィック」などを鑑賞し「気持ちを切らさず高めている」という。また大鵬、北の湖、北天佑、師匠の朝潮ら歴代横綱、大関のビデオも見て「どうやったら右四つになれるか、右四つになれなかったらどうやって対処するか」と研究にも余念がなかったという。そんな中でも最も「すごいな」と印象に残っているのは「千代の富士さん」という。

Zoomによる会見形式の取材対応は「ひじょうにやりにくいです」と苦笑いしながらも、約30分にわたり1つ1つの質問に丁寧に対応。本場所で「大関朝乃山」とコールされることを熱望しているのでは…という問い掛けに「それを一番、望んでいるのはお客さん。土俵の上から白星を届けるのが恩返しだと思っています」とファンへのメッセージも忘れなかった。

朝乃山(2020年3月16日撮影)

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