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宇良、東龍を押し出して勝ち越し ご当所場所の大声援「最後の一番もしっかり頑張りたい」

花道を引き揚げる宇良(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇14日目◇25日◇エディオンアリーナ大阪

人気力士、西前頭8枚目の宇良(30=木瀬)が、東龍を押し出して勝ち越しを決めた。

低い姿勢で攻め続け、相手の引きに乗じて一気に出た。取組内容はいつものように「分からないです」としたが、勝ち越しには「うれしいです」と素直な思いを口にした。

ご当所場所でひときわ大きな声援がそそがれる。「自分の中で一生懸命やっている。最後の一番もしっかり頑張りたいと思います」と気持ちを入れた。

東龍(左)を押し出しで破る宇良(撮影・和賀正仁)
宇良は東龍(右)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

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翠富士9連勝単独トップ「気合は入っても緊張はない、いいバランス」八角理事長、精神面充実を推測

翠富士(右)は宇良を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)

<大相撲春場所>◇9日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪

幕内最軽量力士の連勝が9に伸びた。西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が、ご当所で随一の人気を誇る宇良(30=木瀬)を押し倒しで下し、初日から無傷の9連勝。優勝争いで単独トップの座を守った。

得意の右差しを宇良のおっつけで封じられたが、構わず圧力をかけ続けた。根負けしたように宇良が左から引いたところを逃さず、右を浅くのぞかせ迷わず走り、豪快に押し倒した。

報道陣のリモート取材に応じた日本相撲協会の八角理事長(元横綱北勝海)は「右の差し方が良かった。(劣勢を)打開しようとして宇良が引いてしまった」と微妙な勝負のあやを解説した。今場所の主役になりつつある伏兵の活躍に、同理事長は「いい緊張感があるんじゃないかな。それだけ気が強いような気がする。(相撲を)楽しんでいるような、それぐらいでちょうどいい」と心境を推察。今後については「本人は(優勝の意識はなく)動けても周りが意識してしまうことがある。それまで勝っていくことが大事」と、後続に星の差をつけて最終盤を迎える必要性を説いた。

ただ、翠富士本人には「気合は入っているけど緊張はしていないという、いいバランスじゃないか。小さい人は気合が入らないと相撲を取れないから」と精神的にも充実していることを感じ取っていた。

翠富士(右)は宇良を押し倒しで破る(撮影・小沢裕)
翠富士(右)は押し倒しで宇良を破る(撮影・石井愛子
翠富士(左)は押し倒しで宇良を破る(撮影・石井愛子

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翠富士9連勝で単独トップ守る 1敗で大栄翔追う 琴ノ若は正代との2敗対決制す 春場所9日目

翠富士(左)は押し倒しで宇良を破る(撮影・石井愛子

<大相撲春場所>◇9日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪

西前頭5枚目・翠富士が連勝を9に伸ばして単独トップを守った。業師の宇良と対戦。立ち合いから押し込み、相手に引かせた流れで一気に出て最後は押し倒した。

1敗で追う小結大栄翔は玉鷲を破り、勝ち越しを決めた。

小結琴ノ若は正代との2敗対決を制した。

出場力士で番付最上位の関脇陣は、豊昇龍が立ち合い変化の小結翔猿の動きをよく見てはたき込み。霧馬山は竜電を寄り切り、ともに3敗を守った。初日から5連敗だった若隆景は明生を押し倒し、4連勝で星を戻してきた。

大栄翔(左)は突き倒しで玉鷲を破る(撮影・石井愛子)
琴ノ若(右)は押し倒しで正代を破る(撮影・石井愛子)
若隆景(左)は押し倒しで明生を破る(撮影・石井愛子

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翠富士9連勝 単独トップ守った一方…不眠に悩む「オールでそのまま稽古って感じ」ストレス実感

翠富士(右)は押し倒しで宇良を破る(撮影・石井愛子

<大相撲春場所>◇9日目◇20日◇エディオンアリーナ大阪

幕内最軽量117キロ、西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が、9連勝で単独トップを守った。

業師の宇良との一番。前日から「イヤな感じがする」と話していたが、「ずっとイヤな感じはありましたね」。しかし、相撲は立ち合いから攻め込み、相手が引いてきたところを一気に出て押し倒した。

「引かれても対応できている。体がよく動いていると思います」

一方で、不眠に悩む。前夜も「一睡もできなかった」と明かす。「夜の11時には寝床に入ったけど、眠れない。目はつぶってましたけど、オールでそのまま稽古って感じでした」。明るい表情だが、じわじわ重圧は忍び寄っている。「これがストレスなのか」と実感したという。

10日目は小結翔猿との対戦が組まれた。静岡県出身力士初の幕内優勝も現実味を帯びる中、翠富士は「しっかり寝たいです」と切実に願った。

翠富士(左)は押し倒しで宇良を破る(撮影・石井愛子

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宇良、寄り切って5勝目「力出し切れた」場所中の息抜きはドライブ「行きより帰りの方が楽しい」

隆の勝(左)を寄り切りで破る宇良(撮影・和賀正仁)

<大相撲春場所>◇8日目◇19日◇エディオンアリーナ大阪

西前頭8枚目の宇良(30=木瀬)が隆の勝を寄り切り、5勝目を挙げた。

隆の勝の突きを素早くかわし左上手を取ると、右ハズをあてがいながら体を寄せて土俵を割らせた。過去3連敗中の相手にも動じなかった。「たまたまです。力を出し切れて良かったです」と声を弾ませた。

連日の激しい取組に疲れはたまるが、会場に来るまでの他愛のない会話が息抜きになっているという。

「場所に来るまでのドライブが一番楽しいです。行きより、帰りの方が楽しいです」

話題になるのはおいしかったおはぎの話や格闘技の話など事欠かない。白星先行で折り返して後半戦へ。ドライブ中の会話も盛り上がりそうだ。

隆の勝(左)を寄り切りで破る宇良(撮影・和賀正仁)
隆の勝(左)を寄り切りで破る宇良(撮影・和賀正仁)

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幕内最小兵翠富士「やっぱうれしい」初のストレート給金 体重差72キロ碧山を撃破

碧山(左)を寄り切りで破る翠富士(撮影・和賀正仁)

<大相撲春場所>◇8日目◇19日◇エディオンアリーナ大阪

幕内最小兵の勢いが止まらない。西前頭5枚目の翠富士(26=伊勢ケ浜)が、体重差72キロの碧山を寄り切って8連勝、初のストレート勝ち越しを決めた。

取組後、NHKのインタビュー室ではニコニコ笑顔で受け答えした。それを指摘されると「ちょっと恥ずかしいですね」とほほ笑み、「やっぱうれしいですね」。柔らかい表情の裏に勝ち続けているプレッシャーは忍び寄っている。「(連勝は)意識していないつもりだけど、寝てもすぐに起きてしまう。心の中で緊張しているかもしれません」と言った。

171センチ、117キロ。小さい力士の意地がある。「体が小さいから中学、高校で(相撲を)辞めてしまう人もいると聞く。小さくても勝てるところを見せたいと思う」。

9日目は業師宇良との対戦が組まれた。「イヤなところですね。頑張りたいと思います」。夢の賜杯を現実に引き寄せる戦いは、後半戦に突入する。

碧山(左)を寄り切りで破る翠富士(撮影・和賀正仁)

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人気力士の宇良、連敗3でストップ「今日は土曜日なんで知り合いもたくさん。勝ててよかった」

錦富士(右)を攻める宇良(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇7日目◇18日◇エディオンアリーナ大阪

人気力士の西前頭8枚目宇良(30=木瀬)が錦富士を押し出し、連敗を3で止めた。

「たまたまです」と振り返るが、初日から5連勝していた好調な相手に低い立ち合いから攻め続けた快勝。3連勝スタートも、その後に3連敗で「このままズルズル(連敗が)続いてしまうんじゃないかと、心の片隅にあったのでよかったです」と言った。

大阪・寝屋川市出身で、兵庫県の関学大相撲部出身だけに他の場所と比べて応援のボリュームも違う。「今日は土曜日なんで知り合いもたくさん来てくれていた。大学の友人や相撲部のOB。その前で元気な相撲をとりたかった。勝ててよかったです」。

4勝3敗と白星を先行させて残り8日間。「まだまだ先は長いんで、しっかりやっていきたいです」と引き締めた。

錦富士(右)を押し出しで破る宇良(撮影・鈴木正人)
錦富士(手前)を押し出しで破る宇良(撮影・和賀正仁)
懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる宇良(撮影・鈴木正人)

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【若乃花の目】高安の5連勝は内容も伴う 優勝を待つファンのためにも壁を打ち破ってほしい

「若乃花の目」

これまでの経験や力量から、高安の5連勝という数字は当然と言えば当然ですが、内容も伴っています。

左を差すような相撲だと宇良に懐に入られる、と考えて最後まで突き切ったのが勝因でしょう。あの低い宇良を突き切るのは難しいけど徹底しました。その宇良が耐え切ってやっと差せると出たところで、頭を押さえての突き落とし。突っ張りの回転も速いし、相手をよく見て、どこを攻めればいいのかも分かった落ち着いた攻めでした。序盤5日間の相撲を貫いてほしい高安ですが、問題は10日目を過ぎたあたりからの体力と精神力でしょう。迷いも出てくるかもしれませんが、最後まで激しい突っ張りと、ぶちかましで思い切り取ればいいと思います。

昨年は3場所も優勝争いに絡み、ちょうど1年前はあと1歩、いや半歩のところで優勝を逃しました。全勝の4人の中で経験値は一番、その中には悔しい経験も数知れずしています。これを乗り越えるのは本人次第で、誰も助けてはくれません。優勝経験があるか、ないかで引退した後の第2の人生の、心の持ちようも大きく違ってきます。賜杯を抱く姿を、首を長くして待っている高安ファンのためにも、何とか壁を打ち破ってほしいところです。(日刊スポーツ評論家)

宇良(左)を攻める高安(撮影・鈴木正人)
宇良(左)を突き落としで破る高安(撮影・鈴木正人)
宇良(左)を突き落としで破る高安(撮影・鈴木正人)
宇良(右)を突き落としで破る高安(撮影・和賀正仁)
宇良(右)を突き落としで破る高安(撮影・和賀正仁)
宇良(右)を突き落としで破る高安(撮影・和賀正仁)

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3連勝と好調だった宇良「奇跡的な連勝」妙義龍にはたき込まれて初黒星も落ち込まず

宇良(手前)をはたき込みで破る妙義龍(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇4日目◇15日◇エディオンアリーナ大阪

初日から3連勝と好調だった西前頭8枚目の宇良(30=木瀬)が、妙義龍にはたき込まれて初黒星を喫した。

この日は母校・関学大相撲部の監督、後輩らが観戦に訪れていた。「応援に来てくれていたんで、いいところ見せたかったんですけど…。今日に限って負けてしまった」と苦笑いしかなかった。

連勝ストップも落ち込む要素はない。「奇跡的な連勝だったんで。(連勝に)こだわっていない。今は力を出し切ることだけ考えています」と言った。

妙義龍(右)は宇良をはたき込みで破る(撮影・前岡正明)

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宇良8場所ぶりに初日から3連勝「そうなって良かった」段ボール1箱チョコのホワイトデーお返し

平戸海(右)を押し出しで破る宇良(撮影・鈴木正人)

<大相撲春場所>◇3日目◇14日◇エディオンアリーナ大阪

西前頭8枚目の宇良(30=木瀬)が、21年九州場所以来8場所ぶりに初日から3連勝を飾った。初顔の平戸海の猛攻を動き回ってしのぎ、チャンスを逃さず押し出した。ご当地場所でひときわ大きな歓声を受け、その期待に応える活躍を見せている。綱とりに挑む大関貴景勝は、正代を下して2勝目をつかみ白星先行。関脇豊昇龍は琴ノ若を下して初白星を挙げた。同じ関脇の若隆景は3連敗を喫した。

   ◇   ◇   ◇

好機と見るや、宇良が一気に攻めた。平戸海の攻めを素早くかいくぐり、バランスを崩したところを見逃さなかった。頭をつけながら左を差して組み合い、渾身(こんしん)のもろ手突きで押し出した。初日から3連勝は技能賞を獲得した21年九州場所以来8場所ぶり。経験に裏打ちされた、まさに会心の攻めだった。

ファンを魅了する業師。その人気はうなぎ上りだ。今年2月14日のバレンタインデーには、部屋に段ボール1箱分のチョコレートが届いたという。「50個くらい。30歳にして過去最大です」と驚きつつ、チョコと一緒に受け取った温かいメッセージの数々に感謝していた。

この日はホワイトデー。1カ月前のお返しと言わんばかりに、ファンが待ち望む白星を届けた。宇良は「今言われて、初めてホワイトデーだと知りました。結果的にそう(バレンタインデーのお返しに)なって良かったです」と喜んだ。

大阪・寝屋川市出身でご当地場所。「今までどこの場所でも変わらないですよと言っていましたけど、この声援を受けるのは自分の想像以上です」。勝利の瞬間は拍手喝采。地元の大声援に後押しされるように無敗を守ったが「たまたまです。まだ3日しかやってないんで」と冷静だ。4日目以降も「元気の良い相撲を取りたいです」。4年ぶりに通常開催となった土俵で応援を力に変え、さらに白星を伸ばす。【平山連】

平戸海(右)を押し出しで破る宇良(撮影・鈴木正人)
平戸海(右)を攻める宇良(撮影・鈴木正人)
平戸海を押し出しで破った宇良(撮影・鈴木正人)
平戸海を押し出しで破った宇良(撮影・鈴木正人)

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宇良2連勝「この声援を受けるのは自分の想像以上」ご当地場所で自身も驚く大きな声援を力に

押し出しで碧山(奥)を破る宇良(撮影・岩下翔太)

<大相撲春場所>◇2日目◇13日◇エディオンアリーナ大阪

西前頭8枚目の宇良(30=木瀬)が、碧山(春日野)を押し出して2連勝とした。

大阪・寝屋川市出身として臨むご当地場所で、本人も驚く大きな声援を力に変えている。「自分の器では厳しいな(笑い)」と恐縮しつつ、「今までどこの場所でも変わらないですよと言っていましたけど、この声援を受けるのは自分の想像以上。今までもあんまり経験がないです。(期待に)応えたいという気持ちは十分にある。うれしいですし、本当に力を出し切れるようにやっていきたい」と誓った。

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ご当地場所で声援受けた宇良、一山本との熱戦はたき込みで制す 21年九州場所以来の白星発進

一山本(左)を叩き込みで破る宇良(撮影・和賀正仁)

<大相撲春場所>◇初日◇12日◇エディオンアリーナ大阪

西前頭8枚目の宇良(30=木瀬)が、一山本(放駒)をはたき込みで下して白星発進した。初日に勝利を収めたのは21年九州場所以来(対玉鷲戦)8場所ぶりで、ご当地場所で受けた声援を力に変えた。

熱戦を制した。一山本の突っ張りに思わずのけ反り土俵際に追い詰められるも、ひらりとかわして逆転のはたき込みを決めた。変幻自在の業師ならではなのかろやかな身のこなしにも「たまたまです」と、いつも“宇良節”だった。

大阪・寝屋川市出身として臨むご当地場所。地元の声援の大きさについて「感じました」ときっぱり言った。先場所は7勝8敗と惜しくも負け越して「もっち力を付けないといけないと思っています」と話し、幸先よいスタートを切った今場所について「勝ち負けよりも力を出し切れる方が大事だと思っているんで、しっかり頑張っていきたいです」と話していた。

一山本(左)を叩き込みで破る宇良(撮影・和賀正仁)
一山本(右)を叩き込みで破る宇良(撮影・和賀正仁)
一山本(右)を叩き込みで破る宇良(撮影・和賀正仁)
一山本(手前)をはたき込みで破る宇良(撮影・鈴木正人)
一山本(手前)をはたき込みで破る宇良(撮影・鈴木正人)
一山本(手前)をはたき込みで破る宇良(撮影・鈴木正人)
一山本(左)をはたき込みで破る宇良(撮影・鈴木正人)
一山本(左)をはたき込みで破る宇良(撮影・鈴木正人)

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【改定版】令和になってから幕内で1度もない大相撲の決まり手を一覧表にまとめてみた

【イラスト】令和になってから1度もない決まり手

大相撲の珍しい決まり手をあらためて編集した。2022年9月の秋場所前に「令和になってから幕内で1度もない決まり手」をまとめたところ、27手あった。決まり手ではない「勝負結果」の踏み出しも令和になってから1度もない。ところが、秋場所では、この27手のうちの1手、同年11月の九州場所では2手(かわず掛け、合掌ひねり)が飛び出した。今年1月の初場所では、さらに1手が出た。

初場所5日目、翠富士が妙義龍に内無双を決めた。これは2015年初場所で、栃ノ心が逸ノ城に決めて以来8年ぶりだった。

これらをリストから外し、「令和になってから幕内で1度もない決まり手」を再編集した(添付した画像を参照ください)。

現在、大相撲の決まり手は82手あり、「掛け反り」「撞木(しゅもく)反り」「外たすき反り」の3手は、十両以上の取組で1度も決まったことがない。日本相撲協会は1955年に68手を発表し、1960年1月には河津掛けを切り返しから独立させ、出し投げの上手と下手を分けて70手とした。2001年初場所からは、決まり手12を追加。決まり手ではない「勇み足」「腰砕け」の勝負結果には「つき手」「つきひざ」「踏み出し」の3つを追加した。「掛け反り」「撞木反り」「外たすき反り」は、当初の68手に含まれていたため、この3手は67年間も生まれていない「幻の技」とも言える。

「たすき反り」「つかみ投げ」「大股」は、1950年代から1度も出ていない(たすき反りは2017年に宇良が十両で決めた)。

令和になってから幕内で1度も出ていない技は23手。この記事についている一覧表が手元にあれば、本場所で決まった直後、「いつどの場所の何日目の誰以来」なのかが瞬時に分かる。ぜひ観戦のお供に利用していただきたい。【佐々木一郎】

翠富士(下)をかわず掛けで破った豊昇龍(2022年11月17日撮影)
佐田の海(奥)をかわず掛けで破る隆の山(2011年7月14日撮影)
合掌ひねりで宇良を破る玉鷲(2022年11月21日撮影)
【居反り】十両の取組で、旭秀鵬(左)を居反りで破る宇良(2020年11月12日撮影)
【内無双】旭天鵬(右)を内無双で下した朝青龍(2005年1月18日撮影)
【腰投げ】若の里(左)は海鵬を34年ぶりの秘技?腰投げで下す(2003年1月21日撮影)
【裾取り】碧山を裾取りで押し込む日馬富士(2015年11月10日撮影)
【頭捻り】十両の取組で、常幸龍(右)を頭捻り(ずぶねり)で破る翠富士(2020年11月20日撮影)
【外無双】旭鷲山(下)は、北勝鬨を鮮やかな外無双で一回転させた(1997年1月24日撮影)
【たすき反り】三段目で東里をたすき反りで下す福山(2018年5月26日撮影)
【丁斧掛け】時天空(右)は丁斧掛けで和歌乃山を破る(2004年5月21日撮影)
【つかみ投げ】大相撲トーナメントで、白鵬はつかみ投げで隆の山を破る(2012年2月5日撮影)
【吊り落とし】朝青龍(左)は北勝力を相手に大技吊り落としを豪快に決める(2003年9月12日撮影)
【二丁投げ】普天王(右)を二丁投げで下した春日王(2007年9月20日撮影)
【二枚蹴り】二枚蹴りで宝智山を豪快に宙に飛ばす時天空(2003年9月16日撮影)
【櫓投げ】朝青龍(左)は日馬富士を34年ぶりの大技やぐら投げで下す(2009年7月24日撮影)
【呼び戻し】16年半ぶりの大技呼び戻しで宝富士(後方)を下す白鵬(2013年9月22日撮影)
【割り出し】武双山(左)は海鵬を割り出しで倒す(2002年1月19日撮影)
【小褄取り】白馬(左)は高見盛の右足を持って決める小褄取りで高見盛を降した(2010年3月22日撮影)
【大逆手】安美錦(右)は土俵際の大逆手で高見盛を逆転する(2005年11月20日撮影)
【小手捻り】碧山(手前)を小手捻りで下す荒鷲(2018年5月27日撮影)
【踏み出し】幕下の取組で、先に倒れた倒れたものの、芳東に踏み出しで勝った青馬(奥)(2009年1月15日撮影)

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貴景勝の春場所2日目は玉鷲戦、大関足場固めの霧馬山は正代と対戦/幕内2日目取組

2月27日、横綱昇進が懸かる春場所に向けて意気込みを語る貴景勝

日本相撲協会審判部は10日、エディオンアリーナ大阪で取組編成会議を開き、同所で開催される大相撲春場所(12日初日)の初日と2日目の取組を決めた。

昨年10月に両膝の内視鏡手術を受け3場所連続休場中だった横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)は、同協会に「両変形性膝関節症、糖尿病の疾患にて加療を要するため23年3月31日までの休場を要する見込み」との診断書を提出。万全な状態で臨むことが出来ず今場所も休場が決まった。4場所連続16度目の休場(初日からの休場は3場所連続7度目)で、横綱昇進後は在位10場所で5度目の休場。

このため、出場する力士の中の番付最上位で、ただ一人の大関として臨む貴景勝(26=常盤山)が、今場所も結びの一番を務めることになる。先場所は3度目の優勝を飾り、綱とりとして臨む今場所の2日目は、玉鷲(38=片男波)の挑戦を受ける。

他の2日目の幕内取組では、東西の関脇を維持し続けている若隆景(28=荒汐)は小結復帰の大栄翔(29=追手風)と、豊昇龍(23=立浪)は阿炎(28=錣山)と、それぞれ対戦する。大関昇進への足場固めにしたい新関脇の霧馬山(26=陸奥)は正代(31=時津風)戦に臨む。

先場所、貴景勝と千秋楽で優勝を争った琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)は三役から陥落した明生(27=立浪)と対戦。新入幕同士の対戦で武将山(27=藤島)-北青鵬(21=宮城野)戦が組まれ、同じく新入幕の金峰山(25=木瀬)は王鵬(23=大嶽)と対戦する。

十両以上の関取衆の休場は横綱照ノ富士だけで、幕内21番、十両14番が組まれた。

2日目の幕内取組は以下の通り(左が西)。

水戸龍 - 千代翔馬

剣翔 - 東白龍

王鵬 - 金峰山

武将山 - 北青鵬

琴恵光 - 輝

宝富士 - 大翔鵬

隆の勝 - 妙義龍

錦富士 - 東龍

平戸海 - 一山本

宇良 - 碧山

高安 - 遠藤

佐田の海 - 北勝富士

翠富士 - 阿武咲

明生 - 琴勝峰

錦木 - 若元春

翔猿 - 御嶽海

琴ノ若 - 竜電

大栄翔 - 若隆景

正代 - 霧馬山

豊昇龍 - 阿炎

貴景勝 - 玉鷲

2月27日、新関脇に昇進し、自身のしこ名を指さして笑顔を見せる霧馬山

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春場所初日に十両筆頭・朝乃山が幕内土俵へ 照ノ富士休場で幕内力士数が奇数のため/幕内取組

稽古で胸を出す朝乃山

日本相撲協会審判部は10日、エディオンアリーナ大阪で取組編成会議を開き、同所で開催される大相撲春場所(12日初日)の初日と2日目の取組を決めた。

昨年10月に両膝の内視鏡手術を受け3場所連続休場中だった横綱照ノ富士(31=伊勢ケ浜)は、万全な状態で臨むことが出来ず今場所も休場。4場所連続16度目の休場(初日からの休場は3場所連続7度目)で、横綱昇進後は在位10場所で5度目の休場となった。

このため、出場する力士の中の番付最上位で、ただ1人の大関として臨む貴景勝(26=常盤山)が、今場所も結びの一番を務めることになる。先場所は3度目の優勝を飾り、綱とりとして臨む今場所の初日は、小結に復帰した翔猿(30=追手風)と対戦する。

東西の関脇を維持し続けている若隆景(28=荒汐)は玉鷲(38=片男波)と、豊昇龍(23=立浪)は正代(31=時津風)と、それぞれ初日に対戦。大関昇進への足場固めにしたい新関脇の霧馬山(26=陸奥)は阿炎(28=錣山)戦に臨む。

先場所、貴景勝と千秋楽で優勝を争った琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)は翠富士(26=伊勢ケ浜)と対戦。新入幕同士の対戦で金峰山(25=木瀬)-武将山(27=藤島)戦が組まれ、同じく新入幕の北青鵬(21=宮城野)は王鵬(23=大嶽)と対戦する。

また、照ノ富士の休場で初日の幕内出場力士数が奇数(41人)になったため、幕内最初の取組の土俵に東十両筆頭の朝乃山(29=高砂)が上がることになり、幕尻で東前頭17枚目の水戸龍(28=錦戸)と対戦することになった。朝乃山が幕内の土俵に上がるのは、21年夏場所11日目以来となる。

十両以上の関取衆の休場は横綱照ノ富士だけで、幕内21番、十両14番が組まれた。

初日の幕内取組は以下の通り(左が東)。

水戸龍 - 朝乃山

千代翔馬 - 剣翔

北青鵬 - 王鵬

金峰山 - 武将山

大翔鵬 - 琴恵光

輝 - 宝富士

東龍 - 隆の勝

妙義龍 - 錦富士

碧山 - 平戸海

一山本 - 宇良

北勝富士 - 高安

遠藤 - 佐田の海

琴勝峰 - 翠富士

阿武咲 - 明生

大栄翔 - 錦木

御嶽海 - 琴ノ若 

若元春 - 竜電

霧馬山 - 阿炎

正代 - 豊昇龍 

若隆景 - 玉鷲

翔猿 - 貴景勝

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【春場所新番付】朝乃山あと1歩で再入幕逃す…フレッシュな新入幕一挙3人も/平幕以下関取編

朝乃山(23年1月)

日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。平幕以下の関取衆の番付をみてみよう。

大関から陥落し、復帰のチャンスがあった先場所の関脇でも6勝9敗と負け越した正代(31=時津風)は、20年初場所以来となる平幕に降格し、西前頭筆頭から再起を目指す。先場所、大関貴景勝(26=常盤山)と千秋楽で優勝を争った琴勝峰(23=佐渡ケ嶽)は東前頭5枚目と番付を8枚上げた。途中休場し1勝5敗9休だった高安(32=田子ノ浦)は、関脇から西前頭7枚目に降下した。ガイドライン違反で全休した逸ノ城(29=湊)は、20年7月場所以来となる十両(東3枚目)の土俵から再起の道を歩む。

幕内の座を初めて射止めた新入幕は、3人も名を連ねた。カザフスタン出身で東前頭14枚目の金峰山(25=木瀬)は、木瀬部屋からは19年夏場所の志摩ノ海以来の新入幕で、カザフスタン出身では初めて。外国出身は昨年秋場所の水戸龍以来、戦後52人目の新入幕力士誕生となった。なお日大出身では水戸龍以来40人の幕内力士輩出となった。

西前頭14枚目の武将山(27=藤島)は、藤島部屋からは現師匠(元大関武双山)の部屋創設以降、11年九州場所の剣武以来、2人目の幕内力士誕生だが、藤島部屋として初土俵を踏んだ力士としては初めてだ(剣武の初土俵は武蔵川部屋)。また茨城県出身では20年11月場所の天空海以来、戦後14人目となった。

東前頭15枚目の北青鵬(21=宮城野)は、宮城野部屋からは現師匠(元横綱白鵬)が部屋継承後では初めての幕内力士誕生だ。なお宮城野部屋としては19年夏場所の炎鵬以来となる。北海道出身では21年名古屋場所の一山本以来、戦後54人目の幕内力士輩出となった。

なお、同一場所で新入幕が3人以上誕生したのは、19年春場所(友風、照強、大翔鵬)以来となった。東前頭13枚目の大翔鵬(28=追手風)は、19年九州場所以来となる19場所ぶりの幕内復帰を果たした。

また、大関経験者で、先場所は14勝1敗で十両優勝を果たした朝乃山(28=高砂)は東十両筆頭と、幕内復帰をあと1歩で逃した。幕内の枠は4つあったが、他に成績優秀者がおり5番手候補だったようだ。今場所は勝ち越せば幕内復帰が確実な位置につけており、大勝ちすれば幕内中位までの復帰も望めそうだ。

既に発表されている十両昇進は4人。念願の関取の座を初めて手にした新十両は2人が顔をそろえた。

玉正鳳(29=片男波)は、片男波部屋からは現師匠(元関脇玉春日)が継承後では初めての関取誕生。片男波部屋としては、08年初場所の玉鷲以来となる。モンゴル出身では昨年名古屋場所の欧勝馬以来37人目で、外国出身では昨年九州場所の狼雅以来、戦後72人目となる。また所要68場所での新十両は、外国出身としては史上2位のスロー昇進(1位は鬼嵐の71場所)となった。

もう一人の新十両の落合(19=宮城野)は、宮城野部屋からは現師匠の部屋継承後では初の新十両。宮城野部屋としては、21年秋場所の北青鵬以来となる。鳥取県出身では元横綱琴桜、石浦に続き戦後3人目の新十両。初土俵の翌場所で新十両昇進は、00年9月の幕下付け出し基準の変更後では初のケースとなる。

再十両は友風(28=二所ノ関)と徳勝龍(36=木瀬)の2人。友風は20年春場所以来、17場所ぶりの十両復帰で、幕内経験者が序二段に降格後、再十両を果たしたのは照ノ富士、宇良に続き史上3人目の復活劇となった。徳勝龍は昨年九州場所以来、2場所ぶりの十両復帰で、36歳6カ月での再十両は戦後4位の高齢昇進(1位は大潮の39歳5カ月)となった。

先場所、西前頭11枚目で途中休場(2勝3敗10休)した栃ノ心(35=春日野)は西十両2枚目に番付を落とした。大関経験者の十両陥落は大受、雅山、把瑠都、照ノ富士、琴奨菊、朝乃山に続き7人目となった。

大相撲春場所は、3月10日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。12日の初日を迎える。

【イラスト】23年春場所新番付(幕内・十両)

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【春場所新番付】先場所大健闘の琴勝峰は8枚ジャンプアップ朝乃山は十両最上位/幕内十両昇降表

琴勝峰(2022年11月20日撮影)

日本相撲協会は27日、大相撲春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)の新番付を発表した。十両以上の番付は以下の通り。

<東>  <西> 

 【横  綱】   

照ノ富士    

 【大  関】

      貴景勝 

 【関  脇】   

若隆景     豊昇龍 

霧馬山         

 【小  結】

若元春     琴ノ若 

大栄翔     翔猿

 【前  頭】   

玉鷲   <1>  正代

阿炎   <2>  竜電

御嶽海  <3>  錦木

阿武咲  <4>  明生

琴勝峰  <5>  翠富士 

遠藤   <6>  佐田の海

北勝富士 <7>  高安

一山本  <8>  宇良

碧山   <9>  平戸海 

妙義龍  <10>  錦富士 

東龍   <11>  隆の勝 

輝    <12>  宝富士 

大翔鵬  <13>  琴恵光 

金峰山  <14>  武将山 

北青鵬  <15>  王鵬

千代翔馬 <16>  剣翔

水戸龍  <17>      

 【十  両】   

朝乃山  <1>  東白龍 

千代の国 <2>  栃ノ心 

逸ノ城  <3>  湘南乃海

千代丸  <4>  欧勝馬 

狼雅   <5>  炎鵬

豪ノ山  <6>  大奄美 

天空海  <7>  島津海 

英乃海  <8>  熱海富士

対馬洋  <9>  白鷹山 

荒篤山  <10>  美ノ海 

志摩ノ海 <11>  北の若 

栃武蔵  <12>  貴健斗 

玉正鳳  <13>  友風

徳勝龍  <14>  落合

朝乃山(2023年1月21日撮影)
【イラスト】23年春場所新番付(幕内・十両)

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朝乃山が出稽古に来た霧馬山らに8勝5敗「番付上がれば増える」バレンタインチョコは20個余り

高砂部屋に出稽古に訪れた霧馬山(撮影・平山連)

大相撲初場所で十両優勝した大関経験者の朝乃山(28=高砂)が15日、都内の部屋で、出稽古に来た小結霧馬山、平幕の竜電、同部屋の幕下石崎と計13番取り8勝5敗と確かな実力を示した。このうち霧馬山には持ち味の前に出る相撲で5勝1敗と圧倒した。

一方で三役経験者の竜電には土俵際まで押し込むも粘られて反撃に遭う場面が目についた。「(竜電は)簡単には負けない。執念を感じました。1年間ずっと部屋で稽古していたので、昨日から久々に幕内の人たちと相撲が取れて良い稽古ができています」と振り返った。

前日の14日には関脇の若隆景、小結の若元春、霧馬山などが部屋に集まり、申し合い稽古を重ねた。連日にわたって続くハードメニューもきっちりこなし、春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて順調に調整を積んでいる。

前日の14日はバレンタインデー。地元富山に届けられたのも合わせるとチョコレートが20個余りもらったという。人気業師の平幕の宇良(50個)には及ばなかったが、「番付が上がれば、チョコの数も自然と増えてくるはずと思っています」と前向きだ。来年のバレンタインデーはどの地位で迎えるか。もらった数とともに注目だ。【平山連】

朝乃山に胸を出す竜電(撮影・平山連)
稽古を見つめる高砂親方(撮影・平山連)
竜電に胸を出す朝乃山(撮影・平山連)
高砂部屋に出稽古に訪れた竜電(撮影・平山連)
霧馬山と相撲を取る朝乃山(撮影・平山連)
朝乃山と霧馬山の相撲を見つめる竜電(左)(撮影・平山連)
高砂部屋に出稽古に訪れた霧馬山(左)と竜電(撮影・平山連)
高砂部屋に出稽古に訪れた霧馬山(撮影・平山連)
高砂部屋に出稽古に訪れた竜電(撮影・平山連)
高砂部屋に出稽古に訪れた霧馬山(撮影・平山連)
胸を出す霧馬山(撮影・平山連)
胸を出す朝乃山(撮影・平山連)

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宇良「30歳にして過去最大です」部屋に届いたバレンタインチョコ「50個くらい」にニンマリ

稽古に参加した宇良(撮影・平山連)

大相撲の平幕の宇良(30=木瀬)がバレンタインデーの14日、都内の部屋で稽古し、今年は過去最多のチョコレートをもらったことを明かした。今年のチョコレートの数を尋ねると、「部屋に結構届いています。50個くらい。30歳にして過去最大です」とほくほく顔だった。チョコと一緒に受け取った温かいファンからのメッセージにも感謝した。

例年よりも多いチョコレートは段ボール1箱分に相当するという。宇良は「甘い物は好きですけど、全部食べきれるかな。しっかり日持ちするものもありそうです」。手紙を同封するファンも少なくないようで、「いろいろといただいて、どれもうれしいことです」と感謝した。

チョコの数の多さは、まさしくファンからの期待の表れ。日本相撲協会が観客や公式アプリの有料会員に行っているアンケート「敢闘精神あふれる力士」では昨年、ここ数年1位に君臨していた大関貴景勝を破って年間最上位者(日刊スポーツ独自集計)に輝いた。膝の大ケガで一時は序二段まで落ちたこともある苦労人。いまや人気業師として場所を盛り上げる存在だ。

先場所7勝8敗という結果に「よくできました。実力以上の結果です」と冷静に受け止め、次の春場所(3月12日初日、エディオンアリーナ大阪)に向けて調整に励んでいる。大阪・寝屋川市出身としてご当地の場所であるが、気持ちは変わらない。「いつも通り、しっかり頑張りたいです」と誓った。【平山連】

稽古に参加した宇良(撮影・平山連)
若い衆の稽古を見つめる宇良(中央)と徳勝龍(撮影・平山連)

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貴景勝が相星決戦で意地の3度目V、高校の後輩琴勝峰を豪快に投げる/初場所千秋楽写真特集

<大相撲初場所>◇千秋楽◇22日◇東京・両国国技館

「1人大関」として場所を守り抜いた貴景勝が3度目の優勝を飾った。

埼玉栄高の後輩、琴勝峰と3敗で並んだ相星決戦。立ち合いで突き放してから、圧力をかけながら左を差し、すかさずのすくい投げで勝負を決めた。

小結霧馬山は竜電を寄り切り、11勝まで星を伸ばして来場所の新関脇を濃厚にした。7勝7敗で千秋楽を迎えた関脇豊昇龍は阿武咲との一番で相撲は完敗も物言い。「まげつかみ」の反則で白星を拾い、勝ち越しを決めた。

千秋楽の取組の模様を写真とコメントで振り返ります。 

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十両

北青鵬(9勝6敗)上手投げ朝乃山(14勝1敗)

朝乃山(右)は北青鵬を上手投げで破る(撮影・足立雅史)

十両優勝し、表彰される朝乃山(撮影・狩俣裕三)

大相撲初場所 千秋楽 十両優勝の朝乃山(代表撮影)

幕内

大奄美(5勝10敗)引き落とし千代丸(4勝11敗)

☆千代丸 今場所は精神的にきつい場所でした。来場所は自分の間で相撲をとれるようもっと稽古したいです。

大奄美(手前)を引き落としで破る千代丸(撮影・狩俣裕三)


輝(7勝8敗)寄り切り王鵬(4勝11敗)

★輝 最後までしっかり攻めきれなかった。もっと中に入って攻めたかったけど、それができていなかった。明日からまた考えてやっていくしかない。(15日間を振り返ると)いい内容も、悪い内容もあった。1番1番、分析して、また次の場所に生かせるようにやっていきます。

輝(右)を寄り切りで破る王鵬(撮影・足立雅史)


東龍(9勝6敗)押し出し宇良(7勝8敗)

☆宇良 よく頑張ったと思います。(取組は)何も狙ってないです。何も考えてないです。勝ち越したい気持ちで臨んだので負け越しは残念だが、自分の力は出し切った。それほど悲観する内容ではなかったと思う。

宇良(左)に押し出しで敗れる東龍(撮影・狩俣裕三)


千代翔馬(5勝10敗)寄り切り佐田の海(6勝9敗)

☆佐田の海 最後に白星で飾れてよかった。体の調子はよかった。来場所は自分らしい相撲をとりたい。

佐田の海(左)は千代翔馬を寄り切りで破る(撮影・小沢裕)


錦富士(4勝11敗)はたき込み一山本(10勝5敗)

☆一山本 相手がしっかり見えていた。勝てたんでよかったかと思います。場所前はけがの影響であまり稽古できずどうなるかと思っていた。来場所はしっかり稽古して備えたい。(2桁勝利は)ここで10番勝てたのは来場所、しっかり稽古すればいいと考えている。

錦富士(手前)をはたき込みで破る一山本(撮影・狩俣裕三)


水戸龍(7勝8敗)はたき込み翠富士(6勝9敗)

★翠富士 後半は燃え尽きたじゃないですけど、ダメだったッスね。何があったとかじゃなく、力が入っていなかった。稽古が足りていなかったと思うので、また稽古を頑張って、来場所に臨みたいです。

水戸龍(右)ははたき込みで翠富士を破る(撮影・小沢裕)


阿炎(8勝7敗)突き出し剣翔(7勝8敗)

★剣翔 最後勝ちたかったけど、しょうがないです。引かないように考えていたが、悔いの残る一番になった。来場所も幕内で相撲がとれると思うので、悪いところを直して全力で挑みたい。

阿炎(右)は剣翔を突き出しで破る(撮影・足立雅史)


平戸海(8勝7敗)押し出し玉鷲(9勝6敗)

平戸海(右)を押し出しで破る玉鷲(撮影・狩俣裕三)


御嶽海(7勝8敗)押し出し宝富士(8勝7敗)

★宝富士 見られてとられたので、出られなかった。しょうがないですね。負け越すと十両に落ちてしまうので緊張したが、自分の相撲がとれたので来場所につなげたい。

御嶽海(右)は宝富士を押し出しで破る(撮影・足立雅史)


碧山(8勝7敗)押し出し大栄翔(10勝5敗)

☆大栄翔 しっかり2桁(白星)で終われたことはよかった。内容もよく、相撲がとれたと思う。変わったことはしていないが、場所に入ってからの流れがよかったのかなと思う。来場所以降も変わらず自分の相撲がとれるよう稽古して臨みたいと思います。

☆碧山 無事に終わってよかった。ケガなく、勝ち越すこともできたし。勝てた相撲は前に出ていた。とにかく前に前に出るという気持ちだった。毎日はできなかったけど、結果につながった。(来場所は)今のままでやっていきたいです。

碧山(右)を押し出しで破る大栄翔(撮影・足立雅史)


翔猿(8勝7敗)突き出し琴恵光(7勝8敗)

☆翔猿 何も考えずに思い切りいきました。(三役復帰の可能性も高まり)よかったです。自信になってます。(今場所は)集中して後半は一番一番できたので。どんどん自分の前に出る相撲を意識して勝ち越したのでよかったです。(埼玉栄高の後輩同士での優勝争いに)すごいなと思います。(終盤戦から)勝ちたいという気持ちではなく、自分の相撲を取るように変えました。前に出て、それで負けてもいいやという気持ちで、どんどん攻めて。それが白星につながったと思います。追い詰められてから。(7勝7敗で千秋楽だったが)何も考えずにやっていた。いつも通りに。

★琴恵光 自分の流れで相撲をとることができなかった。そこが勝敗の流れかなと思う。勝ち越しとか意識せず思い切りいこうと思った結果。悔しいけどしょうがないです。

翔猿(右)は琴恵光を突き出しで破る(撮影・足立雅史)


遠藤(9勝6敗)寄り切り若元春(9勝6敗)

☆若元春 落ち着いて自分の相撲をしっかりとれたと思います。止まらず前に圧力をかけていこうと思った。(手応えは)分からないですね。1日、必死にとっているので分からない。小結も意識せず、関脇も特に意識はしていない。(地位が)どうであろうと自分の相撲をとっていきたい。

遠藤(右)を寄り切りで破る若元春(撮影・足立雅史)


明生(5勝10敗)送り出し隆の勝(6勝9敗)

明生(右)は送り出しで隆の勝を破る(撮影・足立雅史)


北勝富士(7勝8敗)寄り切り琴ノ若(8勝7敗)

☆琴ノ若 (勝ち越しに)うれしいです。いつも通りですけど、ここで勝ち越せたのは自信になったと思います。特にやることは変わらず、悪い相撲だけ見つめ直して徹底してやってきたのがよかった。

北勝富士(左)を寄り切りで破る琴ノ若(撮影・狩俣裕三)


霧馬山(11勝4敗)寄り切り竜電(9勝6敗)

☆霧馬山 (11勝は)ビックリというよりも、場所前も場所中も、しっかりとやっていたので、その結果だと思います。今場所は攻める相撲がよかったと思います。15日間、1日一番。(次の場所へ)もっと稽古して、力をつけて、来場所、頑張りたいと思います。(大関への思いを問われ)頑張ります。(技能賞は)初めてだし、うれしいです。頑張るしかない。体の調子もよかったし、場所前の稽古も、場所中の稽古もよかった。

竜電(左)を寄り切りで破る霧馬山(撮影・狩俣裕三)


妙義龍(6勝9敗)寄り切り正代(6勝9敗)

妙義龍(右)は正代を寄り切りで破る(撮影・足立雅史)


阿武咲(10勝5敗)反則豊昇龍(8勝7敗)

豊昇龍(右)のまげをつかみ反則負けとなる阿武咲(撮影・狩俣裕三)


若隆景(9勝6敗)はたき込み錦木(9勝6敗)

若隆景(左)は錦木をはたき込みで破る(撮影・足立雅史)

★錦木 勝ちたい気持ちもあったが、しゃあないです。勝負なんで。しっかり稽古して大阪場所でも勝ち越せるようにしたい。


琴勝峰(11勝4敗)すくい投げ貴景勝(12勝3敗)

立ち会いで貴景勝(右)を果敢に攻める琴勝峰(撮影・狩俣裕三)

琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(撮影・狩俣裕三)

琴勝峰(後方)をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝(撮影・足立雅史)

琴勝峰(右)をすくい投げで破り、優勝を決める貴景勝(撮影・狩俣裕三)

琴勝峰(左)をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝(撮影・足立雅史)

琴勝峰をすくい投げで破り優勝を決めた貴景勝は大量の懸賞を手にする(撮影・足立雅史)

優勝し賜杯を手にする貴景勝(撮影・足立雅史)

優勝インタビューに答える貴景勝(撮影・狩俣裕三)

☆琴勝峰 いつもやってきた取組とは、雰囲気は違って感じました。(優勝への意識は)挑むだけだったので、気持ち的には楽だったと思います。取組は全然。実力不足だなと感じました。(11勝は)体がよく動いていて、肩の力も抜けていた。もっと地力をつけて、安定して、こういう相撲が取れるようにしていきたい。(千秋楽で結びで取ったのは)光栄だなと思います。(敢闘賞を受賞)うれしいです。立ち合いで肩の力が抜けて、体がよく動いていたのがよかったと思います。(理想は)差して、まわし取りたかったです。(相手が差してきたところ)立ち合い当たってから、勝手に動いていたので焦っていたのかなという感じです。覚えていないですけど。(この経験は)精神的な部分がデカいと思ったので、しっかり気持ちをつくって場所に臨めるようにしたい。もちろん地力も全然足りていないので、もっと鍛えて、もっと強くなりたい。(優勝を)最後まで争えたのは、いい経験だと思います。そこで最後に取るとなると、自分の実力ではまだ足りないかなと感じました。(貴景勝に)気持ちの強さを出された取組だと思ったので、もっと自分で強くしていかなくてはいけないなという意味では、ちょっと悔しいところもあった。今日の取組自体は本当に反省点しかない。優勝を意識するというよりは、1日1日の積み重ねの結果で優勝争いをしていたと思うので、そこは変わらず1日を大事にしてやっていきたい。

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