<大相撲11月場所>◇初日◇8日◇東京・両国国技館
新大関の正代が、何とか白星をつかんだ。初顔合わせの若隆景に下からおっつけられると、上体が起き上がりもろ差しを許した。防戦一方となり、土俵際に追い込まれるも、逆転の突き落とし。同時に土俵の外に落ち、軍配は正代に上がるも物言いがついた。際どい一番だったが、協議の結果、軍配通り。勝ち名乗りを受けて土俵から下りた際には、息を大きく吐いて安堵(あんど)の表情を浮かべた。
大関朝乃山は、霧馬山を得意の右四つからの寄り切りで圧倒。結びの一番に登場した大関貴景勝は、三役復帰を果たした小結高安を立ち合いから圧倒して白星発進した。白鵬と鶴竜の2横綱が休場する中、大関陣が初日を締めた。
新関脇の隆の勝は、新三役の緊張感があったといい、思うように体が動かずに大栄翔に負けて黒星。3場所連続関脇の御嶽海は、阿武咲との同体取り直しの一番を制して、4場所連続で初日白星とした。
16場所ぶりに関取に復帰した東十両13枚目の宇良は、錦富士を送り投げで下して白星スタート。9月の秋場所前に新型コロナウイルスの集団感染が発生して休場となった、玉ノ井部屋の東十両14枚目富士東は黒星、西十両7枚目東龍は白星スタートとなった。
初日の取組模様を写真で振り返ります。

- 令和2年11月場所の御免札板、番付、櫓(撮影・鈴木正人)

- 協会あいさつを行う八角理事長と三役力士(撮影・野上伸悟)
幕内

- 国技館に掲げられた照ノ富士の優勝額(撮影・鈴木正人)

- 国技館に掲げられた正代の優勝額(撮影・鈴木正人)

- 幕内土俵入り(撮影・鈴木正人)

- 天空海(下)を下手投げで破る千代翔馬(撮影・鈴木正人)
▼千代翔馬(昨年夏場所以来の幕内復帰)「やっぱり十両とは違う。先場所が終わって(10月1日に)腰の(ヘルニアの)手術したんで、まずは15日間取り切りたい思いです」
▼天空海「先場所も2連敗から始まったので、星は気にせずにここから連勝したい。最低でも勝ち越して来場所につなげたい」

- 千代大龍(左)を肩すかしで破る琴ノ若(撮影・鈴木正人)
▼琴ノ若「よく相手を見て自分のペースで相撲が取れた。(再入幕は)あまり深く考えずに、余計なことは考えずにいけました」

- 魁聖(右)を下手投げで破る豊昇龍(撮影・野上伸悟)

- 炎鵬(下)を押し倒しで破る豊山(撮影・鈴木正人)

- 炎鵬(右下)を押し倒しで破る豊山(撮影・鈴木正人)
▼豊山(炎鵬に5戦5勝)「力で負けることはない相手なんで。出てきたところに体を預ける、いい反応ができた。(部屋の新)大関(正代)に負けないよう、頑張ります」
▼炎鵬「先場所よりはいい相撲を取りたい。お客さんも増えているので盛り上がるような、喜んでもらえるような相撲が取りたい」

- 遠藤は碧山(左)を押し出しで破る(撮影・小沢裕)

- 栃ノ心(手前)を押し出しで破る玉鷲(撮影・鈴木正人)

- 玉鷲(右)の突っ張りを受ける栃ノ心(撮影・野上伸悟)

- 琴勝峰(下)を押し倒しで破る宝富士(撮影・鈴木正人)

- 琴勝峰(右)を押し倒しで破る宝富士(撮影・野上伸悟)

- 妙義龍(右)を押し出しで破る北勝富士(撮影・鈴木正人)
▼北勝富士「しっかり踏み込めたし、そこからの攻めも落ち着いて、下から下からいけた。(観客が増えた影響)前と同じような雰囲気を感じた。土俵入りの時はうれしかった」

- 翔猿(左)を押し出しで破る隠岐の海(撮影・鈴木正人)
▼隠岐の海「お客さんも増えて最高ですよ。頑張っていい所を見せたい」
▼翔猿「攻められたけど、最後引いてしまった。(大活躍した先場所との違いは)特に感じていない。思い切り集中していきたい」

- 輝(右)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)
▼照ノ富士「左が入ったから出るしかなかった。(三役復帰だが)特に何も考えていない。(観客が2500人から5000人に増えて)盛り上がるんじゃないですか」

- 隆の勝(右)を突き落としで破る大栄翔(撮影・野上伸悟)
▼大栄翔「立ち合いが良かった。流れが良かった。(隆の勝は)本当に圧力のある相手、自分から先に攻めたかった」

- 御嶽海(下)と阿武咲の一番は物言いが付き体が落ちるのが同時として取り直しとなる(撮影・小沢裕)

- 御嶽海と阿武咲の一番は物言いが付き土俵上で協議する審判団(撮影・小沢裕)

- 取り直しの一番で阿武咲(手前)を寄り切りで破る御嶽海(撮影・野上伸悟)
▼御嶽海「(最初の一番は)同体だったのかなと、取っていても思いました。(取り直しの一番は)引かないように前に出ることを意識して、まわしを取って前に出られた。(合同稽古に参加した効果は)大きいと思う。圧力受け止めて前に出られた。成果が出ていると思う。しっかり生かしていきたい」

- 若隆景(手前)を激しく攻める正代(撮影・鈴木正人)

- 若隆景(右)を突き落としで破る正代(撮影・鈴木正人)

- 若隆景(右)を突き落としで破った正代(撮影・鈴木正人)

- 正代と若隆景の一番で物言いが付き協議する審判団(撮影・小沢裕)
▼若隆景「流れで前に出た。突き落としをくらったのは最後の詰めが甘いなと思う」

- 朝乃山(右)は寄り切りで霧馬山を破る(撮影・小沢裕)
▼朝乃山「しっかりと立ち合い負けしないように。組んだらしぶとい相手なので。(霧馬山の)右差しを左を締めておっつけながら寄り切ることができた。これが自分の相撲だと思う」

- 高安(右)を押し出しで破る貴景勝(撮影・野上伸悟)

- 高安(左)を押し出しで破った貴景勝(撮影・鈴木正人)
打ち出し後

- 打ち出し後、お楽しみ抽選会する安治川親方(左から2人目)(撮影・鈴木正人)