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山中慎介氏「プレッシャーに打ち勝つ」特別レッスン

山中慎介氏と東京五輪代表内定選手らによるオンライン講座の様子。2段目左から2人目が山中氏

ボクシングの東京五輪日本代表らが23日、元WBC世界バンタム級王者の山中慎介氏(37)から特別講義を受けた。「プレッシャーに打ち勝つ」をテーマにしたオンライン講座で、経験を基にしたトップ選手ならではの試合への心身の臨み方、独自のコンディションの計り方などが語られた。

同氏は日本歴代2位の12連続防衛記録を持ち、「神の左」と呼ばれた左ストレートでもリングで光り輝いた。アマチュア時代は専大で突出した結果は残せなかったが、プロ入り後に類い希なストレート系のパンチに威力を発揮し、数々のKOシーンを生んできた。講座ではその技術についても触れられるなど、選手にとってはかけがいのない時間となった。

ウエルター級の岡沢セオンは「名チャンピオンからのとても貴重なお話を聞くことができて勉強になりました。特に、良いイメージだけでなく悪いイメージもしておくことが平常心につながると言うお話を聞き、自分も取り入れようと思いました」、女子フライ級の並木月海は「1人1人戦い方も違ければ試合前のメンタルも違う。でも、なにより自分のルーティンや、やって来た事。周りで応援してくれている方々への感謝などでプレッシャーに打ち勝つ事は出来るという事が分かりました」と感謝した。

オンライン講義はコロナウイルスによる自粛期間に日本ボクシング連盟が企画し、今回が6回目。先月の初回ではWBA世界ミドル級王者の村田諒太が講師を務めた。

ロマチェンコ恐ろしく芸術的な軽打/岩佐亮佑の一撃

ロマチェンコ(2019年12月5日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~19>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。IBF世界スーパーバンタム級暫定王者岩佐亮佑(30=セレス)があげたのは、現ライト級3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)の「心を折る軽打」。世界が注目した「五輪2大会連続金メダリスト対決」で、ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)を翻弄(ほんろう)した戦いを語りました。(取材・構成=奥山将志)

◇     ◇    ◇

▼試合VTR 17年12月9日、米ニューヨークで、08年北京五輪、12年ロンドン五輪金メダルのWBO世界スーパーフェザー級王者ロマチェンコが、00年シドニー五輪、04年アテネ五輪金メダルのリゴンドーの挑戦を受けた。高い技術戦が期待されたビッグマッチだったが、「ハイテク」の異名を取るロマチェンコが、その強さを見せつける展開となった。ジャブの差し合いで早々にペースを握ると、2回以降は手数を重視した軽いパンチと、出入りのスピードでリゴンドーを圧倒。一方的な展開で迎えた6回終了時に「キューバの英雄」が棄権を申し出た。これにより、ロマチェンコは、4試合連続で相手の棄権によるTKO勝ち。相手に何もできない絶望感を与える、その強さが際立つ一戦となった。

◇     ◇    ◇

相手の頭を触るような「パチ、パチ、パチ」という軽いパンチが、見ていて恐ろしく、芸術的とさえ感じました。あのリゴンドーに何もさせなかった。すごい試合でした。

ロマチェンコの特徴は、一発の強さはないですが、すべての種類のパンチを打てること。そして、相手の周りをぐるぐる回りながら、常に相手を触り続ける。一般受けする選手ではないかもしれませんが、対戦相手からすると、崩しにくい、本当に戦いにくい選手だと思います。

選手目線で見れば、学ぶべきところが多いですね。たとえばメイウェザーやハメドの動きはまねできませんが、ロマチェンコはできる。

ベースにあるのは運動量で、どれだけ動くんだというぐらい徹底して足を動かし、出入りのボクシングでペースをつかむ。防御も、ガードをしっかりして、上体の動き、膝の沈め方でパンチをかわす。ナチュラルな「天才」というより、基本を忠実に追い求め、努力でつくりあげた「天才」だと思います。

アマチュアのような戦いで、プロでも新たな形をつくりだしたロマチェンコ。学ぶべきところは多いですし、少しでも自分のものにしていきたいですね。

◆岩佐亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日、千葉・柏生まれ。地元のセレスジム開設に合わせ、中2で入門。習志野高3年で3冠。アマ戦績60勝(42KO)6敗。08年プロデビュー。11年に日本バンタム級王者山中慎介に挑戦も失敗。2戦後に日本同級王座、13年に東洋太平洋同級王座獲得。15年に英国でIBF世界同級暫定王座決定戦での世界初挑戦は失敗。17年9月にIBF世界スーパーバンタム級王者小国を破り王座獲得。19年12月にIBF同級暫定王座を獲得し、王座返り咲きに成功。171・5センチの左ボクサーファイター。家族は両親と姉。

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フィリピンの英雄パッキャオの左/山中慎介の一撃

マニー・パッキャオ

<ボクシング、忘れられない一撃~5>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。日本歴代2位となる12度の防衛を果たした元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏(37)が選んだ一撃は、「ハットンをKOしたパッキャオの左」です。(取材・構成=奥山将志)

  ◇    ◇    ◇

▼試合VTR 08年12月にオスカー・デラホーヤとのビッグマッチを制したマニー・パッキャオ(フィリピン)が、09年5月2日、米ラスベガスのMGMグランド・ガーデン・アリーナで、スーパーライト級全勝を誇る強打のリッキー・ハットン(英国)と対戦した。

フライ級からキャリアをスタートさせ、4階級制覇を達成していたパッキャオ。この試合は、スーパーライト級での試合経験などから、パッキャオ不利を予想するも声少なくなかったが、「フィリピンの英雄」はゴング直後にそんな不安をかき消した。スピードと的確なパンチですぐにペースをつかむと、カウンターの右フックでダウンを先取。同回終了間際にも再びダウンを奪うなど、完璧な立ち上がりを見せた。

山中氏が選んだパンチは、2回終了間際。ダメージが隠せない相手と、リング中央で対峙(たいじ)すると、小さなモーションから左ストレートを顔面に打ち込んだ。ハットンはキャンバスに大の字となり、そのままKOで試合を決めた。

  ◇    ◇    ◇

パッキャオは同じサウスポーということもあり、現役時代、参考にしていた選手です。数々の印象的なパンチがありますが、このハットン戦での一撃を選んだのは、「こういう打ち方もできるんだ」という驚きが強かったからです。

パッキャオ=踏み込みという印象を持っている人は多いと思います。僕自身も、パッキャオのように、下半身で生み出したパワーを上半身に伝える踏み込みを意識していました。ただ、同じようなパンチで倒し続けていると、相手も警戒してきますし、当てにくくなるものです。

ハットン戦のパッキャオは、出来がとにかく良かったですし、パンチも合っていた。最後のストレートは、右に小さくフェイントを入れた直後、いつものように大きく踏み込まず、上半身を少し開き、ややフック気味に打っています。

当時の僕はまだ日本王者になる前。テレビを見ていて、相手に研究される立場に立たされたパッキャオの工夫と、引き出しの多さを感じたのを覚えています。

アジアから世界の頂点に駆け上がったパッキャオ。ハットン戦の頃は、すごく勢いもありましたし、パワー、スピードはもちろん、相手に向かっていく勇気もずばぬけていたと思います。踏み込んで打つのは勇気が必要です。技術に加え、メンタルの強さもパッキャオの魅力だと思います。

◆山中慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀・湖南市生まれ。南京都高1年でボクシングを始め、3年時の国体で優勝。専大ボクシング部で主将。06年1月プロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座、11年11月にWBC世界バンタム級王座を獲得し、12度防衛。18年3月に引退を発表。家族は妻と1男1女。身長171センチの左ボクサーファイター。

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山中慎介「神の左」ロハス病院送り/三浦隆司の一撃

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 山中慎介対トマス・ロハス 7回、左ストレートでトマス・ロハス(右)をKOした山中慎介(2012年11月3日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~3>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。強打を武器に、米国でも活躍した元WBC世界スーパーフェザー級王者三浦隆司氏(35)は、同じ帝拳ジムに所属した山中慎介氏の「ロハス戦の左ストレート」を挙げました。(取材・構成=奥山将志)

    ◇    ◇

▼試合VTR 11年11月にWBC世界バンタム級王座を獲得した山中慎介が、2度目の防衛戦(12年11月、ゼビオアリーナ仙台)で、元WBCスーパーフライ級王者トマス・ロハス(メキシコ)を迎え撃った。7回36秒、山中が連打で距離を詰めると、最後はロハスの顎に、至近距離からねじこむような左を打ち抜いた。意識を失ったロハスは、前のめりにキャンバスに倒れこみ、ダメージの大きさから、試合後の取材もキャンセル。病院に直行した。この試合から5試合連続でKO防衛を果たすことになる山中。日本歴代2位のV12を果たした名王者が、「神の左」の威力を存分に見せつける一戦となった。

    ◇    ◇

あれは、本当にすごいパンチでした。ロハスが人形のように前に崩れ落ち、ファンがどっと沸いたかと思えば、ピクリとも動かない姿に、少しずつ会場が静まりかえっていったのを覚えています。

山中さんといえば、ワンツー。フィニッシュのほとんどがワンツーからの左ストレートでした。ただ、この試合は、めずらしく、コンビネーション4発で仕留めました。力みのないパンチで警戒を散らし、最後は左。ディフェンスに追われたロハスは、最後のパンチはまったく見えていなかったと思います。

僕も同じサウスポーでしたが、山中さんのパンチは特別でした。ダメージを与えるのではなく、下半身の力を上半身に伝え、一発で相手の意識を断ち切るパンチです。だからこそ、見る人が「当たれば倒せる」というワクワク感を感じていたんだと思います。

あの当時、僕は世界初挑戦(内山高志戦)に失敗し、帝拳ジムに移籍して再びチャンスがくるのを待っていたころです。山中さんとは練習時間も同じでしたし、山中さんの背中を追いかければ、僕もいつか世界王者になれると思っていました。練習中は、どんなメニューをやっているのか、どんなパンチを打っているのかを横目で見ていました。

左ストレートだけで勝ち続けた山中さん。多くの印象的なKOパンチがありましたが、あらためて考えても、あのロハス戦の一撃は恐ろしいですね。

◆三浦隆司(みうら・たかし)1984年(昭59)5月14日、秋田・三種町生まれ。金足農時代に国体優勝。横浜光ジムに所属し、03年7月プロデビュー。11年1月、内山高志戦で世界初挑戦。同年に帝拳ジムへ移籍。13年4月にWBC世界スーパーフェザー級王座を獲得し、4度防衛。17年に現役を引退し、現在は秋田県体育協会テクニカルアドバイザーとして高校生などを指導している。プロ37戦31勝(24KO)2分け4敗。169センチの左ファイター。家族は彩美夫人と1男1女。強打から、愛称はボンバーレフト。

WBC世界バンタム級タイトルマッチ 山中慎介対トマス・ロハス 7R、山中慎介(右)はトマス・ロハスに左ストレートを放ちKO勝ちする(2012年11月3日撮影)
三浦隆司氏

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バンタム級賞金トーナメントは中嶋一輝が優勝

山中慎介氏(左)から副賞の高級腕時計を贈呈された中嶋一輝

<ボクシング山中慎介Presents GOD’S LEFTバンタム級トーナメント決勝8回戦>◇28日◇東京・後楽園ホール

中嶋一輝(26=大橋)が際どく優勝を飾った。強打では上回るも、堤聖也(24=角海老宝石)にかき回される。判定に持ち込まれると採点は1-0で引き分け。引き分けのジャッジ2人の優勢点は1-1で、中嶋が勝者扱いでの優勝となった。優勝賞金100万円に、アンバサダーの山中慎介氏からGOD’S LEFT賞として高級腕時計ロレックスが贈られた。

中嶋は8勝(7KO)、堤は5勝(4KO)と無敗の大卒経験者対決。中嶋は2試合連続1回KOで勝ち上がり。本来は1階級下の堤は1回戦シード、準決勝は相手がケガで棄権し、昨年4月以来の試合だった。中嶋優位と見られたが堤が健闘。中嶋は6回には右フックでまぶたをカットした。「ドローなんで悔しい。この悔しさをバネにしたい。まずは日本、東洋太平洋のベルトをとって、世界に近づきたい」と話した。

宮尾綾香(左)と多田悦子(右)の元世界王者対決は引き分けた

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中嶋一輝「減量もバッチリ」会長から3連続KO指令

計量をクリアした中嶋一輝(左)と堤聖也

ボクシング元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏がアンバサダーを務めるGOD’S LEFT同級トーナメント決勝が、28日に東京・後楽園ホールで行われる。27日に都内で前日計量があり、中嶋一輝(26=大橋)、堤聖也(24=角海老宝石)ともに一発でクリアした。中嶋は8勝(7KO)、堤は5勝(4KO)と無敗の大卒経験者対決で、優勝賞金100万円をかけて激闘する。

中嶋は2試合連続1回KOで勝ち上がってきた。大橋会長から3連続KO指令も「たまたま続いただけ。たまたま行った方がきれいに決まる」とニヤリ。「減量もバッチリ。相手の対策は特にしていない。自分のスタイルを磨くだけ」とここは通過点と見ている。

堤は1回戦シード、準決勝は相手がケガで棄権し、昨年4月以来の試合となる。この間に石原トレーナーを追いかけてワタナベジムから移籍した。「準決勝は誤算。中嶋が一番強いと思うが、それを超える。倒されても、最後にリングに立っているのはボク」と気合十分だった。

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井上尚弥、ネリは「ボクシング界から追放でいい」

2019年11月7日、ドネアに勝利しアリ・トロフィーを掲げる井上尚弥(撮影・鈴木みどり)

ボクシング元WBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(24=メキシコ)が、またも体重超過の失態を犯した。

23日(日本時間24日)に米ラスベガスで前IBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)とのWBC世界同級挑戦者決定戦を控え、22日(同23日)に同地で前日計量に臨んだが、リミットより400グラム上回る53・9キロで計量に失敗した。

ネリ陣営は再計量せず、ロドリゲス陣営に罰金を支払う形での試合成立を働きかけたものの、拒否されて試合もキャンセルとなった。ネリは18年3月、山中慎介との再戦で体重超過し、WBC世界同級王座を剥奪。WBCに6カ月の資格停止処分を受けていた。2度目の体重超過を受け、同階級で2団体統一王者となった井上尚弥(26=大橋)はツイッターで「ネリどうしようもねぇな、、また計量失格。こんな奴にゴタゴタ言われたくない。ボクシング界から追放でいい」とつづった。

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ネリ、山中戦に続きまた体重超過 試合はキャンセル

ルイス・ネリ(18年3月撮影)

ボクシング元WBC世界バンタム級王者で現WBC同級1位のルイス・ネリ(24=メキシコ)が、またも体重超過の失態を犯した。

23日(日本時間24日)に米ネバダ州ラスベガスのMGMグランドで元IBF世界同級王者エマヌエル・ロドリゲス(26=プエルトリコ)とのWBC世界同級挑戦者決定戦に向けた前日計量が22日(同23日)、同地で開かれ、ネリはリミットの118ポンド(53・5キロ)を1ポンド(約400グラム)上回る119ポンド(約53・9キロ)で計量失敗した。

米メディアによると、再計量の意思を示さず、ネリの1ポンド超過が確定。このため、ロドリゲス陣営は金銭的なペナルティーを科しての試合を拒否。試合キャンセルが決まった。今年5月のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ準決勝で現2団体統一同級王者井上尚弥に2回TKO負けしたロドリゲスの再起戦でもあった。

ネリは18年3月、山中慎介との再戦で体重超過してWBC世界バンタム級王座をはく奪。WBCから6カ月の資格停止処分を受けていた。また17年8月、WBC世界同級王者だった山中への挑戦後、禁止薬物の陽性反応が出て物議を醸した。

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PFP3位の井上尚弥 選考段階では1位に推す声も

2019年11月7日、ドネアに勝利しアリ・トロフィーを掲げる井上尚弥(撮影・鈴木みどり)

ボクシング2団体統一バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)が、1922年創刊の米老舗専門誌「ザ・リング」選定のパウンド・フォー・パウンド(全階級を通じた最強ランキング)で日本人初のトップ3入りを果たした。16日(日本時間17日)に最新ランクが更新され、井上が4位から3位に浮上した。今月7日、5階級制覇王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)とのワールド・ボクシング・スーパーシリーズ決勝で、2回に右眼窩(がんか)底など2カ所の骨折を抱えながら判定勝ちした結果を反映させた。

「ザ・リング」公式サイトによると選定に関して長い議論が続き、意見も割れたものの、選考者数人が「100%の主導権を握れない時に井上がどう対応するかの疑問に答えた。負傷と厳しい相手を勝ち抜いて優勝した。井上が最高だ」と1位に推す声もあったという。

◆パウンド・フォー・パウンド(PFP) ボクシングの全階級を通じた最強ランキング。1944~60年代にミドル級などで活躍し、日本で「拳聖」と呼ばれるシュガー・レイ・ロビンソン(米国)をたたえる造語として誕生。その後89年にPFPランクを導入した。日本人では元WBC世界バンタム級王者山中慎介や元WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志もトップ10入りしている。現在はESPNやボクシング専門サイトなども独自のPFPランクを選定する。

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下田昭文氏「丁寧に楽しい指導を」アマジムを開設

自身のジムのプレオープンに集まった新旧世界王者らと記念撮影する元WBA世界スーパーバンタム級王者下田氏(最前列左から3番目)

ボクシング元WBA世界スーパーバンタム級王者下田昭文氏(35)が、埼玉県さいたま市浦和区にアマチュアジム「シュガーフィット・ボクシングジム」を開設した。

17日には報道陣、関係者向けのプレオープンのイベントが開かれ、新旧世界王者らが集結。帝拳ジムで指導を受けた浜田剛史代表(元WBC世界スーパーライト級王者)をはじめ、同門の元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏、元WBC世界ライトフライ級王者木村悠氏、世界2階級制覇王者粟生隆寛、他ジム勢からも元WBA世界スーパーフェザー級王者内山高志氏、元2団体統一ライトフライ級王者田口良一、WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人のワタナベジム勢や前WBO世界スーパーフェザー級王者伊藤雅雪(横浜光)らが集まった。

引退後は帝拳ジムで練習生を指導し、2年前から「シモサイズ」と名付けたボクシングフィットネス教室も開催するなど指導者として活動していた下田氏は「1年前ぐらいから(アマチュア)ジムを考えていた。丁寧に楽しい指導をしていきたい」と抱負を口にした。JR北浦和駅から徒歩数分という立地にジムを構え「以前からこの周辺でボクシング教室を開いていたこともあったのでこの場所にしました」と経緯を説明。3週間前にジム近くに自宅の引っ越しも終え、11月20日夕方から正式オープンする予定だ。

「夢はいずれプロのボクシングジムをやること」と掲げている下田氏は「まずは、ちゃんと自分でジムを運営し、経営も勉強していきたい。筋トレをやるだけでも良いのでうちのジムに来て欲しいですね」と意欲を示した。このプレオープンでは、伊藤とIBF世界スーパーフェザー級3位尾川堅一(帝拳)によるマスボクシング、下田代表自らがミットを持ち、京口や元東洋太平洋ウエルター級王者亀海喜寛氏のパンチを受け、出席者から大きな拍手を受けていた。

◆シュガーフィット・ボクシングジム 所在地=埼玉県さいたま市浦和区北浦和3-8-2メリア北浦和1階。電話=048・749・1955

WBA世界ライトフライ級スーパー王者京口(右)のパンチをミットで受ける元WBA世界スーパーバンタム級王者下田氏
帝拳ジムの浜田代表(右端)、元WBC世界バンタム級王者山中氏(左端)とジムのプレオープンで乾杯する元WBA世界スーパーバンタム級王者下田氏

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拳四朗が山中慎介氏ら所属マネジメント会社と契約 

コモンズ2とマネジメント契約を結んだWBC世界ライトフライ級王者拳四朗

ボクシングWBC世界ライトフライ級王者拳四朗(27=BMB)がマネジメント会社「コモンズ2」と契約を結んだと11日、発表された。同社は元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏らも所属する。

拳四朗は現役王者では最多となる6度目の防衛に成功中。12月23日には横浜アリーナで7度目の防衛戦となるIBF世界同級王者フェリックス・アルバラード(30=ニカラグア)との2団体統一戦を控えている。

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中嶋一輝、連続1回TKO「全部KOで優勝する」

1回TKO勝ちで決勝進出した中嶋一輝(右)と山中慎介氏(中央)をはさんで対戦する堤聖也

<ボクシング山中慎介presents GOD’S LEFT バンタム級準決勝8回戦>◇9日◇東京・後楽園ホール

日本バンタム級13位中嶋一輝(26=大橋)が連続1回TKOで決勝に進出した。日本同級8位南出仁(24=セレス)との全勝サウスポー対決。

初回2分すぎに右フックでダウンを奪い、立ち上がってきたが再び右フックで2度目のダウン。即座にレフェリーがストップし、1回2分34秒TKO勝ちを収めた。

もう1試合は同級7位山下賢哉(23=JB)が棄権したため中止になり、同級18位堤聖也(23=角海老宝石)が不戦勝で進出となった。決勝は来年1月の予定。

中嶋は芦屋大時代に国体で優勝し、プロでは8連勝(7KO)となった。南出も駒大で全日本準優勝し、プロ4連勝中(3KO)だった。2人は高校で2回、大学で1回と過去3回対戦し、中嶋が2勝1敗と勝ち越していた。「最初から出てきたので、こっちも最初から打ち合おうと思っていた」としてやったり。1回戦も1回TKO勝ち。「全部KOで勝って優勝する」と力強く宣言した。

堤は1回戦はシードで、戦わずしての決勝進出となった。試合の代わりに、東洋太平洋スーパーバンタム級王者勅使河原弘昌(29=輪島)と3回のスパーリングを披露した。こちらも平成国際大出身の経験者でプロ5連勝中(4KO)。目の前で電撃KOを見せられたが「挑戦者の気持ちでいく。勢いに乗っている相手だが、勝って実力を示す」と話した。

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井上尚弥の最強3傑入りを「ザ・リング」編集長示唆

5回、ドネア(手前)を激しく攻める井上尚(撮影・横山健太)

<プロボクシング:ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)バンタム級決勝>◇7日◇さいたまスーパーアリーナ

WBA世界バンタム級王者井上尚弥(26=大橋)がWBA世界同級スーパー王者ノニト・ドネア(36=フィリピン)を下し、日本人初となるパウンド・フォー・パウンド(PFP)トップ3入りする可能性が高まった。1922年創刊の米老舗ボクシング誌「ザ・リング」のダグラス・フィッシャー編集長(49)が7日までに日刊スポーツの取材に応じ、現在PFP4位井上尚のさらなるランクアップを示唆した。

   ◇   ◇   ◇

ザ・リングは世界最古のボクシング専門誌として編集委員会に各国記者らを加えたメンバーで毎月独自に各階級、PFPの世界10位までのランキングを決めている。ESPNなど独自のPFPランクを発表しているが、最初に始めたのはザ・リング。世界のファンからもっとも信頼されているランキングだ。

その責任者となるフィッシャー編集長は、まず井上尚が高く評価されていることを力説した。「多くのメディア関係者、ランキング委員会メンバーは、既にPFPランキング上位に井上尚の名があることに対して異論がない」。現在のPFPは1位にアルバレス、2位にロマチェンコ、3位にはクロフォードというビッグネームが並んでいる。「ドネア戦での試合の勝ち方によります」と前置きした上で「トップとの対戦がここ数年ないクロフォードよりも井上尚が上位にランクされる可能性は十分にあると思います」と解説した。

今年に入ってザ・リングは2度も井上尚を表紙に選択した。単独表紙は日本人ボクサーとして初めての名誉だった。同編集長は「ボクシングマニアからの反応は井上尚が飾ったどちらの表紙も絶大な反応を受けて好評でした。SNSなどの反応はお祭り騒ぎのようで何週間も続いた」と反響の大きさに驚いたという。

5月のWBSS準決勝にはザ・リング認定ベルトが懸けられ、井上尚が勝利してつかんだ。実力と人気を兼ね備えたモンスターに、同編集長は「少なくとも25~30年さかのぼっても、井上尚は日本から出てきたもっとも才能があり、有望な選手。一番重要であるリング内で戦う上での頭の良さも持ち合わせている」と分析。来年から米本格進出を果たす井上尚に向け「世界レベルとの対戦を続けてほしい。今後、米国の一般スポーツファンの間でも名の知られる初の日本人ボクサーになれるでしょう。階級を上げていけば(6階級制覇王者)パッキャオのような存在になれる逸材」と大きな期待を寄せていた。

◆ザ・リング 米国で1922年の創刊当初からボクシングのみを基本線に扱う月刊専門誌。毎月、ボクサーのランキングを独自の基準で選定するなど、ボクシング界では最も歴史と権威ある雑誌とされ「ボクシングの聖書」とも呼ばれる。同誌編集委員会に各国記者らを加えたメンバーで毎月独自に各階級、パウンド・フォー・パウンドで世界10位までランキングを発表。設立当初から独自に認定した王者にチャンピオンベルトも授与。02年より本格的に各階級ごとのベルト授与も開始。また年間最優秀選手など表彰も行う。

◆パウンド・フォー・パウンド 異なる階級の選手を体重差がなかったとして比較した場合の最強王者を示す称号。過去にはマイク・タイソン、ロイ・ジョーンズ、近年ではマニー・パッキャオやフロイド・メイウェザーがPFPの評価を受けた。「ザ・リング」でトップ10入りした日本人は井上以外では元WBCバンタム級王者の山中慎介、元WBA世界スーパーフェザー級スーパー王者の内山高志がいる。

井上尚はWBSS優勝を果たしアリ・トロフィーをファンに披露する(撮影・足立雅史)

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井上拓真 ウバーリ戦勝てばネリ戦の可能性も

井上拓真

ボクシングWBC世界バンタム級暫定王者井上拓真(大橋)が前WBC世界同級王者ルイス・ネリ(メキシコ)と対戦する可能性が出てきた。

23日(日本時間24日)にメキシコ・カンクンで第57回WBC年次総会が開かれ、ランキング会議で同階級の指名試合ついて決定した。バンタム級では11月7日、さいたまスーパーアリーナで開催される井上拓-正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)の勝者が、11月23日に米国で予定される同級1位ネリ-同級5位エマヌエル・ロドリゲス(プエルトリコ)の勝者と指名試合を行うことを決めた。

ネリは18年3月、山中慎介との試合前日の計量で、体重超過して王座を剥奪。WBCによる6カ月の出場停止処分が解除された後に再起4連勝を挙げているものの、現在も日本ボクシングコミッションからは日本での活動について永久停止の処分を受けている。井上拓が所属する大橋ジムの大橋秀行会長は「まずは11月7日の王座統一戦に集中しています。勝ってから考えます」と説明した。

ネリと対戦するロドリゲスは5月のワールド・ボクシング・スーパーシリーズ準決勝で井上拓の兄尚弥に2回TKO負けを喫し、IBF王座から陥落。井上拓が王座統一に成功すれば、ネリかロドリゲスという日本人ボクサーに縁のある世界王者経験者との防衛戦が待ちかまえることになる。

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田中恒成「力ついたかな」井岡標的に4階級制覇狙う

WBO世界フライ級タイトルマッチ ジョナサン・ゴンサレス(左)から、このラウンド三度目のダウンを奪いTKO勝利にガッツポーズをする田中恒成(右)(撮影・森本幸一)

<プロボクシング:WBO世界フライ級タイトルマッチ12回戦>◇24日◇愛知・武田テバオーシャンアリーナ

世界最速3階級覇者のWBO世界フライ級王者田中恒成(24=畑中)が2度目の防衛に成功した。

同級1位ジョナサン・ゴンサレスにポイントでリードされる中、7回に3度のダウンを奪って2分49秒、逆転TKO勝ちを決めた。畑中清詞会長(52)は年内のV3戦で同級の卒業を明言。来春にも世界4階級覇者のWBOスーパーフライ級王者井岡一翔をターゲットに、日本勢2人目の4階級制覇を狙うプランを明かした。

   ◇   ◇   ◇

左ボディーで体をくの字に折り曲げたゴンサレスの腹に、田中が右アッパーを3発ねじ込み、マットに沈めた。7回2分49秒。レフェリーが試合を止め、3戦ぶりのTKO勝ちが決まった。この回は怒濤(どとう)の攻め。右ボディーで1分23秒と1分55秒に、そして最後を含めて計3度のダウン。3回も1度倒しており、計4度のダウンを奪って会場を沸かせた。

勝利者インタビューで「母校にあやかりました~」と喜んだ。今夏の甲子園で7回にビッグイニングを連発し、4強入りした中京学院大中京を引き合いに出し、笑いを誘ったが、本音も出た。「(最後は)倒すつもりだった。KOできて良かった。内容は最悪ですけど」。

序盤から手数を許してポイントを奪われた。4回にはダメージこそなかったが、バランスを崩してダウンも喫した。「体が思うように動かなくて、リズムも悪かった」。6回までのジャッジの採点は0-2でリードを許していた。

苦戦の予感はあった。フライ級王座を奪った木村戦、田口とのV1戦が「もうフライ級に興味のある相手はいない」というほどの激闘。今回は指名試合でも“勝って当然”だった。「相手が強い時はいい試合ができるけど。課題ですね」と反省が口を突いた。

アマチュアで東京五輪を狙う兄亮明(25)が、サウスポー対策でスパーリングの相手をしてくれた。勝利のリングでは、7月8日に他界した祖父水野高尋さん(享年78)の遺影を掲げた。周囲の思い、期待を力に変えた。反省はしても前向きだ。「今日がうまくいかなかっただけ。全然負けるとは思わなかったし、これぐらいの勝ち方ができた。力がついたのかなと思う」。世界4階級、5階級制覇へ。立ち止まっている暇はない。【加藤裕一】

▽元WBC世界バンタム級王者山中慎介氏 7回のボディーはさすがだった。スピードを生かしたくても生かせない、本人は納得できない試合かもしれない。

WBO世界フライ級タイトルマッチ 7R、TKO勝利に笑顔でリングを降りる田中恒成(撮影・森本幸一)
試合後、山中慎介氏(左)から祝福を受ける田中(撮影・森本幸一)

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内山高志氏の異名を冠に KO必至の賞金マッチ開催

賞金トーナメントのアンバサダーとなった内山高志氏

ボクシング内山高志presents KNOCK OUT DYNAMITE賞金マッチトーナメントの開催が、29日に都内で発表された。元WBA世界スーパーフェザー級王者内山氏をアンバサダーに迎え、53、56、60、65キロの4階級でA級4人による5回戦でのトーナメント。優勝50万円に加え、KOには1回20万円、2回15万円、3回10万円、4回5万円、5回3万円の賞金も出る。この日から参加選手を募集し、10月19日に東京・後楽園ホールで準決勝、来年1月に決勝となる。

内山氏の異名を冠にし、ボーナスをつけた5回戦で、ボクシングの真髄、KO決着を増やす狙いだ。内山氏は「10回だと見合う時間が多いが、5回だと手数は多くなり、フルパワーでいけ、KO率は高くなる。パンチに自信のある、KO率の高い選手に出てもらいたい。初めて見た人でも面白い、記憶に残る試合を」と期待した。「3カ月も練習すれば。オレも出ようかなと思うくらい」とも話し、副賞の賞品を「何か考えます」と約束した。

主催するDANGAN瀬端幸男会長は「お客さんはKOを見たい。見て面白いかどうか。他の格闘技も短いラウンド勝負で盛り上がっている。3回では物足りない。5回なら判定でも決着がつく」と説明した。「カジノの解禁も見込んで」とも話した。

5階級制覇王者フロイド・メイウェーザーの日本窓口TMT JAPANもスポンサー集めなどで協力し、集まり次第では賞金の上乗せもあるという。大柴代表は「日本を盛り上げ、底上げのために組んで協力していきたい」と話した。

来年11月には5回戦の賞金ワンマッチを並べたビッグイベントも計画している。瀬端会長は「アマ上がりのB級でも、重い階級などに強い選手も多い。KO率60%以上のタイ、中国などの外国人選手も呼びたい」と話す。メイウェザーやマニー・パッキャオの支配下の選手らが、将来的に参加や協力の可能性も期待した。

DANGANは23日に開幕した山中慎介prezents GOD’S LEFT バンタム級、11月に開幕する漫画「はじめの一歩」連載30周年記念フェザー級トーナメントも主催する。ボクシングの活性化を狙った3つ目のA級賞金トーナメントとなる。

賞金トーナメントを発表した、左からTMT JAPAN大柴哲代表、アンバサダー内山高志氏、主催のDANGAN瀬端幸男会長

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山中慎介氏冠大会「次も楽しみ」中嶋一輝ら4強進出

出場した7選手と開会宣言した山中慎介氏(左から4人目)

<ボクシング山中慎介prezents GOD’S LEFT バンタム級トーナメント1回戦>◇23日◇東京・後楽園ホール

初の大会が開幕して1回戦3試合が行われ、初回TKOの中嶋一輝(26=大橋)らがベスト4に進出した。

11月9日の準決勝(8回戦)は中嶋-南出仁(24=セレス)、山下賢哉(22=JB)-シード堤聖也(23=ワタナベ)と決まった。

中嶋は最初の左ストレートから切れよく圧倒し、渡辺健一(32=ドリーム)をぐらつかせた。右フックからの連打でダウンを奪うとレフェリーが即座に止め、1回2分2秒TKO勝ちした。「初回から狙ったわけではないが、のびのびできた」と満面の笑み。芦屋大で国体優勝し、プロでは7連勝(6KO)となった。

南出は出場選手最上位の日本8位荒木哲(24=斉藤)と激戦の末に勝利した。初回から積極的に攻めたが3回に右目上をカットして反撃を浴びた。最終回はダウンを奪うもバッティングでスリップと判断されたが、3-0で判定勝ちした。「初のメインで気持ちもよかった。倒せずに反省だらけ」と話した。

南出も駒大で全日本準優勝し、プロ4連勝(3KO)となった。中嶋とは高校で2回、大学で1回と3回対戦。中嶋はアマで2勝1敗に「絶対優勝するので負けるわけにいかない」と言えば、南出陣営の小林会長は「プロではオレが勝たせる」と宣言した。

山下は左カウンターで相川学己(25=三迫)からダウンを奪い、10カウントで2回2分10秒KO勝ちを収めた。全日本新人王で元日本ユース王者の実績を見せつけた。「自分はパンチある。向こうはびびっていた」と自画自賛した。

準決勝で対戦する堤もリングに上がり、こちらは平成国際大出身でアマ経験は豊富。一緒に練習したこともある仲だが、堤は「酒場のケンカみたい。力でも技術でも上を証明してみせる」。挑発を受けた山下は「酒場のケンカもしたいことないのに。絶対倒してやる」と応酬した。

大会は近年マッチメークが難しく、特にアマ経験ある選手は敬遠されることから、元世界王者山中慎介の名を冠して開催された。山中氏は「めちゃ面白くて、期待以上。優勝の予想がつかない激戦で次も楽しみ。ボクもうれしい」と喜んでいた。

試合前には7選手がリングに上がり、山中氏が開会宣言した。両選手が観客席の最上段から入場するなどショーアップも図られた。決勝は来年1月中旬の予定。優勝者には賞金100万円、スポンサーの東京上野クリニックから副賞に、山中氏からGOD’S LEFT賞の高級腕時計が贈られる。

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王者ネリがパヤノKO 再起4連勝で通算30勝飾る

ルイス・ネリ(18年3月撮影)

<プロボクシング:WBCシルバー・バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇20日(日本時間21日)◇米ラスベガス・MGMグランド・ガーデンアリーナ

前WBC世界同級王者となる王者ルイス・ネリ(24=メキシコ)が再起4連勝、区切りのプロ30勝目を飾った。

昨年10月にWBA・IBF王者井上尚弥(大橋)に1回KO負けを喫した元WBAスーパー王者フアンカルロス・パヤノ(35=ドミニカ共和国)との「元世界王者」対決。持ち前のパワフルさを押しだし、手数のパンチで攻め込んだ。接近戦となると、ロープ際やコーナーに追い詰めた。9回に入るとダメージで鼻血を出し始めたパヤノを再びコーナーに追い込んで左ボディーでダウンを奪取。9回1分43秒、KO勝利を挙げた。ネリの通算戦績は30勝(24KO)無敗、パヤノは21勝(9KO)3敗となった。

これでネリはWBC次期挑戦者の権利を得た。なお年内に予定されるWBC正規王者ノルディーヌ・ウバーリ(フランス)-同暫定王者井上拓真(大橋)の勝者と対戦する見通し。

ネリは18年3月、山中慎介(帝拳)との試合前日の計量で、体重超過して王座を剥奪。6カ月の出場停止処分を受けた。同年10月に再起戦を行い、3回KO勝ち。同12月にもノンタイトル戦で7回TKO勝ちを収めた後、米プロモート大手のPBC(プレミア・ボクシング・チャンピオンズ)と契約を結び、3月には元IBF世界スーパーフライ級王者マクジョー・アローヨ(プエルトリコ)を4回終了TKOで下していた。

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拳四朗V6田口良一以来15人目 現役国内王者最長

ジョナサン・タコニン対拳四朗 1回、タコニン(左)に右ストレートを見舞う拳四朗(撮影・上田博志)

<プロボクシング:WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪◇観衆6500人

王者拳四朗(27=BMB)が、挑戦者の同級1位ジョナサン・タコニン(32=フィリピン)を4回TKOで下し、6度目の防衛に成功した。

元WBA同級王者具志堅用高の持つ日本記録(13連続防衛)更新を夢見る男は、V5後「ボクサーになってきた」と自らの覚醒を認識。現役の国内ジム所属王者中最長の防衛数を更新した。

◆国内ジム所属世界王者の6連続防衛 WBA世界ライトフライ級王者田口良一(7連続防衛後の昨年5月20日に陥落)以来15人目で12位タイ。最長記録は元WBAライトフライ級王者具志堅用高の13連続で、2桁以上は12連続の元WBCバンタム級王者山中慎介、11連続のWBAスーパーフェザー級王者内山高志、WBCバンタム級王者長谷川穂積を含め4人だけ。

◆拳四朗(けん・しろう)本名寺地拳四朗で、漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウから命名。1992年(平4)1月6日、京都府城陽市生まれ。東城陽中3年時、高校のスポーツ推薦入学を狙い、ボクシングを開始。奈良朱雀高3年でインターハイ準優勝、関大4年で国体優勝。一時はボートレーサーを志すが、試験に2度失敗。14年8月にプロデビュー。趣味はオシャレ、食べ&飲み歩き。家族は両親、兄。右ボクサーファイター。164センチ。

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 拳四朗ージョナサン・タコリン 1R、ジョナサン・タコリン(左)と接近戦を行う拳四朗(撮影・加藤哉)

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拳四朗V6「ボクサーになってきた」覚醒の第2章へ

拳四朗対タコリン 4回、タコリンにTKO勝ちし笑顔で両手を広げる拳四朗(撮影・加藤哉)

<プロボクシング:WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ12回戦>◇12日◇エディオンアリーナ大阪◇観衆6500人

王者拳四朗(27=BMB)が、挑戦者の同級1位ジョナサン・タコニン(32=フィリピン)を4回1分0秒TKOで下し、6度目の防衛に成功した。元WBA同級王者具志堅用高の持つ日本記録「13連続防衛」の更新を夢見る京都出身の27歳。7度目の世界戦にして初の地元関西の試合で、現役の国内ジム所属王者で最長の防衛数を更新した。王者は16戦全勝(9KO)。

   ◇   ◇   ◇

リングで互いの体が交錯し、タコニンがよろけて倒れた。拳四朗の右ショート。計算ずくのカウンター。「練習通り。左を空振りさせての右」。4回1分ジャストで決着させた会心の一撃を「抜けたような感じ」と振り返った。

V6を決めた勝利インタビューで絶対王者らしさを見せた。「目標は具志堅さん。まだ半分。スタート地点に立ったぐらい」と言った後で「強い人、どんどん挑戦してきてください!」。リングサイドで観戦したWBAスーパー王者京口に呼びかけるように、笑顔で言い放った。

世界王座連続防衛の日本記録「13」更新へ。夢のシナリオは第2章に入った。「これからは強い相手とやりたい」。京口との統一戦など他団体のベルトに興味がある。V5までは違った。楽に勝てるならと、むしろ弱者を歓迎した。

「ボクサーになってきたんですかね」と自己分析する。ファイトマネーも人気もまだ足りない。左で距離を支配するスタイルに自信を深め、この日は距離の取りづらい左の強打者に完勝。相打ち覚悟で捨て身の32歳を退けた。自信は確信に変わりつつある。

強くなりたいから、姿勢も変わった。V6戦に向け、拠点の東京から日帰りで5度、大阪を訪れた。父の寺地永会長の現役時も担当した篠原茂清トレーナー主宰のジムへ、Tシャツ、短パンで新幹線に乗って訪れ、約2時間鍛えて東京に帰る。篠原トレーナーは「具志堅さんの記録にはあと3年は絶対かかるから、うまくいって30歳。ここからが大事で“落ちてきた”と気づいた時は、遅い。それを分かっている」。3年先を見据え、脈拍数を上げて負荷をかけるメニューをこなし始めた。

地元関西の世界戦は7度目で初めて。「ヤジなかったですか? やったー!」。スマイル・アサシン(笑顔の狙撃手)は、どんどん強くなる。【加藤裕一】

◆国内ジム所属世界王者の6連続防衛 WBA世界ライトフライ級王者田口良一(7連続防衛後の昨年5月20日に陥落)以来15人目で12位タイ。最長記録は元WBAライトフライ級王者具志堅用高の13連続で、2桁以上は12連続の元WBCバンタム級王者山中慎介、11連続のWBAスーパーフェザー級王者内山高志、WBCバンタム級王者長谷川穂積を含め4人だけ。

◆拳四朗(けん・しろう)本名寺地拳四朗で、漫画「北斗の拳」の主人公ケンシロウから命名。1992年(平4)1月6日、京都府城陽市生まれ。東城陽中3年時、高校のスポーツ推薦入学を狙い、ボクシングを開始。奈良朱雀高3年でインターハイ準優勝、関大4年で国体優勝。一時はボートレーサーを志すが、試験に2度失敗。14年8月にプロデビュー。趣味はオシャレ、食べ&飲み歩き。家族は両親、兄。右ボクサーファイター。164センチ。

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 拳四朗ージョナサン・タコリン 4R、タコリン(右)にTKO勝ちした拳四朗(撮影・加藤哉)

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