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山中慎介「やるしかない」ネリ再戦へ村田流地獄トレ

合宿を開始した山中(左)とリナレス


 8月にWBC世界バンタム級王座から陥落した山中慎介(35=帝拳)が5日、千葉県内のゴルフ場で合宿に突入した。来春に見込む王者ルイス・ネリ(メキシコ)との再戦へ下半身強化が目的。「神の左」を打ち込む土台作りのための試合前恒例で、「面白いトレーニングではないが、強くなるために必要」と苦難に向き合うが、今回はさらにきつそう。「それ言うと、火が付きそう」と、メニューを組む中村フィジカルトレーナーに視線を送った。

 「それ」とはジムの後輩でWBA世界ミドル級王者村田の例。5月に敗れたエンダムとの10月の再戦前に同じような強化合宿を張り、同トレーナーから「(前回より)質も量も2~3割増し」と言い渡され、地獄のメニューをこなし、勝利につなげた。山中も同じく再戦。村田の過酷さは聞いており、「同じですけど…、やるしかないですね…」と覚悟を固めた。同トレーナーは「いつもは10キロなどの長い距離は1日1回ですが、様子を見て2回にすることも」と計画した。

 プロ初黒星を味わった悔しさは消えない。「走りできついときも、思い出せば頑張れる」と最高のカンフル剤になる。この日はさっそく、最後は暗くなるまで1時間足を動かし続け、充実の表情で汗をぬぐった。【阿部健吾】

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リナレス「寒い方が走りやすい」来年は3戦を熱望

西日を受けながら走り込む山中(右)とリナレス


 8月にWBC世界バンタム級王座から陥落した山中慎介(35=帝拳)が5日、千葉県内のゴルフ場で合宿に突入した。

 合宿に参加した同門のWBA世界ライト級王者リナレス(ベネズエラ)は1月27日に米国でIBF同級12位へスタ(フィリピン)との防衛戦が控える。前回は5月。「寒い方が走りやすい」と残り2カ月をきっての合宿で鍛え上げる。同級のライバル王者ガルシアとの統一戦はかなわなかったが、「残念だけど仕方がない。来年は3試合したい」と青写真を描いた。

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藤岡奈穂子、世界最多タイ5階級制覇「ホッとした」

藤岡奈穂子対ヨカスタ・バジェ 5階級制覇を達成した藤岡(上)は吉川晃司(右下)に担がれながら笑顔を見せる(撮影・鈴木みどり)

<女子ボクシング:WBO女子世界ライトフライ級王座決定10回戦>◇1日◇東京・後楽園ホール


 WBAフライ級王者藤岡奈穂子(42=竹原&畑山)が世界最多タイの5階級制覇を達成した。2階級制覇を狙うIBFアトム級王者ヨカスタ・バジェ(25=コスタリカ)との対戦。中盤からリズムをつかみ、終盤は倒しにいった。最後までダウンも奪えなかったが、2~8ポイント差の3-0の判定勝ちを収めた。

 藤岡は勝者のコールを受けると、歌手の吉川晃司と抱き合って喜びを爆発させた。「ホッとした。5階級を宣言してきて、難しいと思ったこともあった。2敗して引退も考えたが、大きな経験になってここまで続けられた」と安堵(あんど)した。前世界王者山中慎介も観戦。「男子にも認められてうれしい」と笑みを見せた。

 序盤は「距離が遠く迷った。穴が分からなかった」という。3回に左ボディーが当たりだし、左フックでのけ反らせ、その後は再三右ストレートでぐらつかせた。「ボディーが簡単に入り糸口になった。パターンを探せたのが勝因。引き出しがあった」とキャリアのさがあった。

 試合前はKO宣言したが「タフそうで自分にハッパを掛ける意味で。KOしないと格好悪い」とラッシュしていった。「2、3発目をもらってくれなかった」とKOはならなかったが、竹原会長は絶賛だった。「すごい。僕らの時代ならおばあちゃんの歳」と、42歳の女王をたたえた。

 元世界王者天海ツナミがWBOアジアパシフィック王者になって挑戦を希望し、試合前には東洋太平洋王者チャオズ箕輪から挑戦状も届いた。男子で最多の6階級制覇挑戦の夢も広がるが「長生きしたい」と笑わせた。「今は一段落。あとは気持ち次第。海外のメジャーな場所でもやってみたい」と意欲は衰えていない。

藤岡奈穂子対ヨカスタ・バジェ 8回、バジェ(左)にボディを浴びせる藤岡(撮影・鈴木みどり)

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山中慎介、息子も神頼み「ネリに勝てますように」

ネリへの雪辱に意欲をみせる山中(撮影・阿部健吾)


 「神の左」に雪辱機会が訪れる。ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が1日、現役続行を表明した。8月のタイトル戦で敗れたルイス・ネリ(メキシコ)のドーピング問題に対し、WBCはこの日に処分なしの裁定を下したが、同時に再戦指令も発表。復帰の意思を固めていた山中には願ってもない展開で、年明けにも国内での王者返り咲きを狙う。

<山中に聞く>

 -ネリとの再戦指令に

 山中 1歩進んだ。僕としてはうれしい。もう1度、戦いたいという気持ちが強い。再起する。

 -現役続行を決めたのは

 山中 はっきりとは覚えていないが、家族と過ごす時間が多くなる中で、あれ(敗戦)では終われないという思いが徐々に強まった。最近、神社にお参りに行くと子供たちも「ネリに勝てますように」と勝手に言ったりしている。

 -再戦が決まれば、どんな試合をしたいか

 山中 厳しい戦いになるのは覚悟している。自分たちにしか分からないものは、あの4ラウンドで十分、分かっている。どうやって変えていくか。

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牛肉食べ? ドーピング陽性反応/山中vsネリ経過

8月、山中慎介対ルイス・ネリ 4回、ロープ際に追い込まれネリ(左)の左ストレートを浴びる山中


 「神の左」に雪辱機会が訪れる。ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が1日、現役続行を表明した。8月のタイトル戦で敗れたルイス・ネリ(メキシコ)のドーピング問題に対し、WBCはこの日に処分なしの裁定を下したが、同時に再戦指令も発表。復帰の意思を固めていた山中には願ってもない展開で、年明けにも国内での王者返り咲きを狙う。

<世界タイトルマッチ経過>

 ◆8月15日 タイトル戦で13度目の防衛に挑んだ山中がネリに4回TKO負け。

 ◆23日 WBCがネリの禁止薬物陽性反応を発表。7月27日に拠点のメキシコ・ティファナでの検査で、筋肉増強剤に似た物質ジルパテロールを検知した。

 ◆10月3日 アゼルバイジャンで開かれたWBC総会で結論が先送りに。スライマン会長がより詳細な調査の必要性を説いた。

 ◆18日 ネリ陣営が処分の結論を待たずに11月4日にメキシコでノンタイトル戦を行うと発表。都内のイベントに出席した山中は「処分も出ていないのに、おかしな話」と不快感。

 ◆11月1日 WBCがネリの処分結果を発表。他競技の選手でも牛肉を食べて陽性反応が出ていること、ネリが日本で受けた3回の検査で陰性だったことなどを情状酌量の理由に処分なしとし、再戦を指令。

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山中慎介、因縁ネリ撃破に自信!現役続行決めたワケ

ネリへの雪辱に意欲をみせる山中(撮影・阿部健吾)


 「神の左」に雪辱機会が訪れる。ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が1日、現役続行を表明した。8月のタイトル戦で敗れたルイス・ネリ(メキシコ)のドーピング問題に対し、WBCはこの日に処分なしの裁定を下したが、同時に再戦指令も発表。復帰の意思を固めていた山中には願ってもない展開で、年明けにも国内での王者返り咲きを狙う。

 類いまれな左拳がリングに戻ってくる。「また神の左が見られますね」と話を振った報道陣に、「いまは右を練習してるんですけど」と返してしたり顔。山中のウイットに富んだ言動も帰ってきた。「もう1回、左は強いと思われるように勝ちたい」と続け、揺るがない自信も感じさせた。

 待ち続けた結論が出た。この日、WBCが新王者ネリのドーピング疑惑の裁定を発表した。試合後に、7月27日にメキシコで検査した検体に禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が発覚。家畜の成長促進剤で、ネリ側は牛肉に混入していたと主張していた。結果、WBCは過去の検査がすべて陰性で、意図的摂取の証拠もないとして、ベルト剥奪などの処分はなし。ただ同時に、山中との再戦交渉に入るように命じ、白黒つける道筋をつけた。

 薬物疑惑に「驚きしかなかった」という山中だが、「ネリとできるのはうれしい」と本音を隠さない。8月のプロ初黒星の悔しさから、9月中旬には復帰を決めて練習を再開した。「ネリ以外でも良かったですが、やはり再戦で借りを返したい」と気持ちは高ぶる。

 本田会長は「以前とまるっきり違う山中がいる」と目を細める。12度の防衛を重ね、守りに入っていた精神面が、挑む立場で攻めの心を取り戻したと見立てる。今後交渉に入り、「簡単ではないが、国内でやらせたい。来春までは待てない」と年明けを見込む。ネリが4日にメキシコで予定するノンタイトル戦は、変更なく行われる見通しだ。

 舞台は整う。「強い気持ちでやる。勝つ自信はある」と山中。きっぱりと断言する顔には、生気があふれていた。【阿部健吾】

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山中慎介が現役続行宣言「単純にネリと再戦したい」

ネリへの雪辱に意欲をみせる山中


 ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が1日、現役続行を宣言した。

 8月15日に京都で開催された世界タイトルマッチで4回TKOでルイス・ネリ(メキシコ)に敗れて、13度目の防衛に失敗していた。「8月の試合は悔いが残った。そのまま辞められないという思いが、日にちがたつにつれて大きくなった。もう1度戦うと決めました」と述べた。

 この日、WBCはタイトル戦後にドーピング検査で禁止薬物ジルパテロールに陽性反応を示したネリに対し、意図的摂取の証拠がないとして、山中との即時再戦を交渉に入るように命じる裁定を下したと発表した。一報を聞いた山中は、「単純にネリと再戦したいという気持ちを持っていた。ドーピング疑惑もありましたけど、借りを返したい、それだけですね。勝つ自信はあります」と雪辱を誓った。

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山中慎介との再戦指令 WBCが薬物陽性反応ネリに

8月15日、WBC世界バンタム級選手権 4回TKOでネリに敗れた山中(左)


 ボクシングのWBCは10月31日(日本時間11月1日)、8月15日に京都で開催された同団体の世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(35=帝拳)を下して新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)がドーピング検査で陽性反応を示した問題で、意図的摂取の証拠がないとして、山中との即時再戦を交渉に入るように命じる裁定を下したと発表した。

 反応が出た禁止薬物ジルパテロールは、筋肉増強剤クレンブテロールに似た性質を持っており、家畜の体重と筋肉を増やす成長促進剤で飼料に添加されるの動物用医薬品。人が摂取すれば心拍が速くなり、気管支拡張の作用があり、筋肉増量につながる。ネリ陣営では拠点とするメキシコ・ティファナで牛肉を食べた際に摂取したと無実を主張してきた。

 進退を保留してきた山中にとっては、雪辱の機会が準備されたことになる。

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山中慎介、進退は「まだ何も決まっていない」

イクメンオブザイヤーの授賞式に出席し、子供との写真を持って話す山中(中央)


 ボクシングの前WBC世界バンタム級王者山中慎介(35=帝拳)が18日、都内で行われた「イクメン オブ ザ イヤー」授賞式に登壇した。

 子育てに積極的に取り組む「イクメン」の認知向上に寄与したアスリート代表として受賞。2児の父ボクサーは、「試合が決まるとなかなか一緒にいるのは難しくなるんですが、日曜日はオフなので、最低でも公園に連れて行くようにしています。そこで自分も楽しめる。試合後は1カ月間は休みなので、そこでも家族といる時間を多く作るようにしています」と語った。

 8月15日に京都で行われた同級タイトル戦で、挑戦者ルイス・ネリ(メキシコ)に4回TKOでプロ初黒星を喫して13度目の防衛に失敗した。その後にネリのドーピング検査での薬物陽性が発覚し、WBCによる処分を待っている状況にある。

 壇上ではイクメンぶりが分かる写真として、勝利後のリングに2人が上がった1枚を見せ、「長男は5歳なんですが、半年の頃から10回リングに上がっているので、慣れすぎている。娘はまだですね」と解説した。

 進退については「まだ何も決まっていない」と述べた。「処分がどうなるかということもある。現役でも引退してもトレーニングは続けようと思うので、自分的に走ったりはしています」と近況を説明した。

 爆笑問題の田中裕二、野球解説者のマック鈴木さん、キャラクター部門でバカボンのパパ、特別部門で群馬県・群馬県保育協議会も受賞した。

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薬物陽性反応のネリ、WBC総会での処分決定先送り

8月15日、WBC世界バンタム級選手権 4回TKOでネリに敗れた山中(左)


 8月に京都で行われたボクシングのWBC世界バンタム級タイトル戦で新王者となったルイス・ネリ(25=メキシコ)の処分決定が先送りとなった。

 山中慎介(帝拳)の13度目の防衛を阻んだ後に、試合前のドーピング検査での禁止薬物ジルパテロールの陽性反応が発覚。米専門誌の報道ではその後行われたB検体の検査でも陽性反応が出たと報じられていた。当初は現在アゼルバイジャンで開かれているWBC総会で結論が出る見込みだったが、3日にスライマン会長からJBCの安河内本部事務局長に総会中に発表は行わない説明があった。同事務局長は「ネリ本人も含めて関係各所から資料を集めたり聴取しており、早く結論を出したいが、より慎重に対処する必要がある」と述べた。なお、山中は現在までに進退を明言していない。

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薬物検査2度の陽性もネリ側否定「肉を食べたため」

8月15日、WBC世界バンタム級選手権 4回TKOでネリに敗れた山中(左)


 ボクシングのWBC世界バンタム級王者ルイス・ネリ(22=メキシコ)のザンファー・プロモーションは28日、海外サイトの取材に応じ“無罪”を主張した。

 先月15日に京都で行われた同級タイトル戦で山中慎介(帝拳)を4回TKOで下したが、その後に試合前の薬物検査で陽性反応が発覚。Bサンプルでも同様の反応が出たと27日に報じられていた。違反とされるジルパテロールは牛肉に含まれることもあり、同プロモーションは「肉を食べたため」と主張した。

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山中慎介にベルト返還 新王者ネリB検体も陽性

8月、WBC世界バンタム級選手権で4回TKOでネリに敗れた山中(左)


 ボクシングの米老舗専門誌「リングマガジン」電子版は26日、前WBC世界バンタム級王者山中慎介(34=帝拳)に同誌選定のベルトを返還すると発表した。

 公式HPで、8月15日の同級タイトル戦で4回TKO勝ちした新王者ルイス・ネリ(メキシコ)のB検体の薬物検査が陽性だったと報じ、措置を決めた。ネリは山中のV13を阻んだが、8月下旬にWBCが禁止薬物に陽性反応を示したと発表していた。筋肉増強剤に似た性質を持つ物質ジルパテロールを検知したため、試合前に検査を終えたB検体の結果が待たれていた。同誌によればWBCは今週にも裁定を発表するとしている。

ルイス・ネリ(2017年8月13日撮影)

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井上尚弥いつかはWBCバンタム級、名王者継承憧れ

井上(左)は特製グッズを身につけた黒岩県知事とポーズ


 ボクシングのWBO世界スーパーフライ級王者井上尚弥(24)が「日本伝統のベルト」へのあこがれを口にした。21日、元東洋太平洋同級王者の弟拓真(21=ともに大橋)、父真吾トレーナーと神奈川県庁に黒岩県知事を表敬訪問し、米国デビュー戦をTKO勝利で飾った9日のV6戦を報告。今後の目標として、「バンタム級に上げるなら、WBCですね。日本人になじみがある。そこはいきたい」と奪取を誓った。

 すぐにではない。同ベルトは8月にV13戦に挑んだ山中慎介が敗れたばかり。その後、相手のネリに薬物陽性反応が出て、先行きが不透明となっている。あくまで「いつか」の話だが、2度王者となった辰吉、長期政権を築いた長谷川、山中の名前を挙げ、「名王者ばかり。そこに名前を残したい」と継承を志した。

 将来ではなく直近では年末に国内で試合を予定する。スーパーフライ級で「形を残したい」と統一戦を希望し、他団体の王者の動向をうかがうが、標的としたIBF王者アンカハスは11月に指名試合があることが判明。「(大橋)会長が猛烈に交渉してくれている」としながらも、年末は階級を上げない方向。「そこで体重を見て、いけるなら来春まで待つことも考えたい」と見込んだ。【阿部健吾】

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岩佐新王者!けんか「人生最大の危機」乗り越え栄冠

岩佐(右)は、小林会長と笑顔を見せる(撮影・加藤哉)

<プロボクシング:IBF世界スーパーバンタム級タイトルマッチ・12回戦>◇13日◇エディオンアリーナ大阪


 IBF世界スーパーバンタム級3位岩佐亮佑(27=セレス)が、2度目の挑戦で新王者となった。同級王者小国以載(29=角海老宝石)に2回までに3度ダウンを奪い、口の傷とダメージからのレフェリーストップで6回2分16秒TKO勝ちした。セレス小林のリングネームで活躍した元世界王者の小林昭司会長と二人三脚で15年。同じ再挑戦で師弟で世界王者の夢をかなえた。

 岩佐のカウンターの左ストレートが初回にさく裂した。小国が見事に尻もち。「あんなにきれいに当たるとは。びっくりした」。2回にも2度ダウンを奪い、さらに攻め立てると6回で決着。中学の卒業文集に「世界王者になりたい」と書いた夢を実現した。

 「うれしいけどホッとした。世界王者になれる人だったと確認できた」と再挑戦で悲願を実らせ、しみじみ。15年に英国での世界初挑戦は完全アウェーでの完敗に「あきらめかけたが、あの悔しさで頑張れた」。何度もあった挫折を会長と2人で乗り越えてきた。

 03年に地元の千葉・柏市にセレスジムができるとすぐに入門した。当時はけんかなどで度々問題を起こした。中3の冬にも悪さをし、父正利さんが「ボクシングもやめろ」と激怒した。「人生最大の危機」も、小林会長が「僕に任せてください」と説得してくれた。

 1つ上の小国とは、習志野高1年時の全国選抜で18-8と快勝していた。部活後もジムで練習を3年間続けて高校3冠でプロ転向。8連勝で日本王座初挑戦は山中慎介にはね返され、ようやく世界初挑戦も洗礼を浴びた。

 小林会長は「世界をとらせることができ、本当によかった」と、オープンから唯一残る愛弟子と目を合わせた。元世界王者が育てた男子世界王者は国内6ジム目で延べ9組目。岩佐は「教えてもらったことが世界に通用すると証明できた」と胸を張った。

 男子世界戦で35度目の日本人対決。統一戦と決定戦を除き、挑戦者が勝ったのは29戦で5度目。会長と同じく階級を上げた再挑戦で劣勢もはね返した。「やっとスタートライン。チャンピオンロードの第2章。有名になるより強くなりたい。リスクを恐れず海外で勝ちたい」。ラストチャンスと臨んだ岩佐は力強く言った。【河合香】

 ◆岩佐亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日、千葉・柏市生まれ。地元にセレスジムができると中2で入門。習志野高3年で選抜、全国高校総体、国体と3冠。アマ戦績60勝(42KO)6敗。08年プロデビューで5回TKO勝ち。11年に日本バンタム級王者山中慎介に挑戦も10回TKO負け。2戦後に日本同級王座、13年に東洋太平洋同級王座獲得。15年に英国でのIBF世界同級暫定王座戦で、世界初挑戦もハスキンスに6回TKO負け。171センチの左ボクサーファイター。家族は両親と姉。

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ネリ薬物故意か「牛1頭分食べないと検出されない」

ルイス・ネリ(17年8月14日撮影)

 【カーソン(米カリフォルニア州)25日(日本時間26日)=阿部健吾】直接再戦以外なら引退か。ボクシングの帝拳ジムの本田明彦会長(69)が、進退保留中の前WBC世界バンタム級王者山中慎介(34=帝拳)について、新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)との再戦以外に現役続行の選択肢はないと明言した。15日の王座戦で山中の日本記録に並ぶ13度目の防衛を阻んだネリは、その後に試合前のドーピング検査での陽性反応が判明。WBCの裁定次第では王座剥奪の可能性もあり、山中の進退に大きく影響する。

 「非常に限定される」。本田会長は、山中の現役続行の条件をそう述べた。ネリと再び戦うことだけが、現役続行の意味を生み出す。同じ帝拳ジム所属の亀海が戦うWBO世界スーパーウエルター級王座決定戦の計量後、「再戦じゃないと(現役は)やらない。山中もそう思っている」と代弁した。

 状況は不確定だ。WBCは23日、ネリが7月27日の薬物検査で、筋肉増強作用のあるジルパテロールに陽性反応を示したと発表した。残るB検体と試合直後の検体を検査し、結果次第で処分を下す段階にある。

 当該検査はWBCでなく、帝拳ジムがVADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)に要請したもの。契約条項に「数百万」の費用持ちで加えられ、「抑止力につながる」と実施した。本田会長は以前からメキシコ選手の疑惑のうわさを聞いていたという。対象の薬物は牛肉に含まれる医薬品だが、「医者からは牛1頭分食べないと検出されないと聞いた」と、故意を疑う見解を示した。

 昨年、WBCスーパーフェザー級王者バルガス(メキシコ)は、試合2カ月前にジルパテロールと同じ用途の薬物クレンブテロールに陽性反応を示した。陣営は故意ではないと主張しWBCは再検査の「陰性」を受け初防衛の実施を認めた。だが、本田会長は「前みたいに(処分が)ないということにはならないと思う」と、今回は状況が違うと見通した。

 とすればWBCからネリに処分が下るのは間違いないとみられる。王座剥奪、資格停止などが考えられるが、ネリが王者でなくなりノンタイトル戦となれば山中にとっては価値はなく、再戦の可能性は消える。ネリ以外なら王座決定戦となっても出場意思はない。現役続行の線は厳しくなる。

 WBCでは王座が敗れた元王者に戻ることは基本的にない。本田会長は「WBCがそういう判定をしてもウチは拒否する。負けたんだから」と述べ、「こういうのでなければ辞める方向が強かった。これでどう影響するか」とも明かした。裁定が下るのは2、3週後がめどになる。

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山中慎介、再戦以外は引退と会長「それだけが意義」

山中慎介

 世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチで敗れて王座から陥落し、進退について結論を保留している山中慎介について、所属する帝拳ジムの本田明彦会長は25日、新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)との再戦以外に現役続行の選択肢はないと明言した。米カリフォルニア州カーソンで取材に応じ「再戦じゃなかったら絶対にない。それだけがやる意義がある試合」と話した。

 34歳の山中は15日に、日本最多に並ぶ世界王座13連続防衛を逃した。WBCは23日、勝ったネリが7月のドーピング検査で筋肉増強作用のある禁止薬物ジルパテロールに陽性反応を示したと発表。同会長は、仮にタイトルが剥奪されてもネリ以外が相手となる空位の王座決定戦に山中が挑むことはないと説明した。WBCが試合の取り扱いなどを判断するまでに2、3週間かかるとの見通しを示し「それからこちらは結論を出す」と述べた。

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ネリ薬物陽性反応は「薬物汚染肉食べたせい」と主張

ルイス・ネリ(17年8月13日撮影)

 WBC世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)を破って新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)がドーピング検査で陽性反応が出たことについて、ネリの代理がスペイン語メディアHoyの取材に応じ「太らせるための注射で薬物汚染された牛肉をメキシコで食べたせい」と主張した。

 「検査は受けており、落ち着いている。肉を食べたのも試合を有利に運ぶためではないし、過去の検査も陰性だ」と説明している。

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無効試合なら「山中に最優先で王座決定戦」本田会長

15日、3回にネリ(右)に右フックを食らう山中

 WBC(世界ボクシング評議会)は23日、世界バンタム級タイトルマッチ(15日、島津アリーナ京都)で日本タイ記録の13度目の防衛戦となった山中慎介(34=帝拳)を4回TKOで破って新王者となったルイス・ネリ(22=メキシコ)が、禁止薬物に陽性反応を示したと発表した。

 帝拳ジムの本田明彦会長(69)は24日、山中の今後について「VADAの検査結果を受けて、WBCとJBC(日本ボクシングコミッション)が協議した裁定を受けてからになる。ネリの王座剥奪で無効試合となれば、山中に最優先で王座決定戦への出場権利がある」と話した。

 無効試合となれば山中の負けは消えることになり、一部には山中の防衛が継続し、V13に再挑戦できるという見方がある。だが、本田会長は「それはあり得ない。王座は空位になるだけ」とも話した。山中は試合後に進退は明言せずに「落ち着いて考えたい」と話し、現在は家族とすごしながら今後について思案している。本田会長は「あとは本人次第」と繰り返した。

 ボクサーは世界ランク入りするとドーピング検査は必須で、日常で予告なくVADAの職員が検査にくる。今回の世界戦での検査は契約書に盛り込まれ、試合前から複数の検査をプロモーターの帝拳ジムが経費を負担して依頼していた。WBCではアンチドーピングを強化しているが、世界戦すべてではないという。本田会長は「村田の時もやった。大きな試合では欠かしていない。相手も疑惑が多いメキシコだったので」と話した。

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粟生と対戦ベルトランが薬物使用/過去のトーピング

15日、4回TKO負けを喫した山中は囲み取材で納得の行かない表情を見せる

 WBC(世界ボクシング評議会)は23日、世界バンタム級タイトルマッチ(15日、島津アリーナ京都)で日本タイ記録の13度目の防衛戦となった山中慎介(34=帝拳)を4回TKOで破って新王者となったルイス・ネリ(22=メキシコ)が、禁止薬物に陽性反応を示したと発表した。

 <ボクシングとドーピング>

 ◆無効 15年5月に米ネバタ州で開催されたWBO世界ライト級王座決定戦で、粟生隆寛と対戦したベルトランが前日計量で体重超過。粟生は勝てば王座獲得という条件だったが、2回TKO負け。その後にベルトランの筋肉増強剤使用が発覚。同州コミッションから9カ月の資格停止と罰金2万5500ドルの処分を科され、無効試合に。

 ◆追加検査 WBC世界スーパーフェザー級王者フランシスコ・バルガスが、16年4月のドーピング検査でクレンブテロールに陽性反応。陣営の故意ではないという主張に対し、WBCは追加検査を要請。4月の検査が自ら望んだもの、追加も陰性だったことから、6月に初防衛戦を行った。

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山中はどうなるのか?WBCがネリの薬物陽性を発表

15日、3回にネリ(右)に右フックを食らう山中

 偉業を阻んだ男に疑惑が浮上した。WBC(世界ボクシング評議会)は23日、世界バンタム級タイトルマッチ(15日、島津アリーナ京都)で日本タイ記録の13度目の防衛戦となった山中慎介(34=帝拳)を4回TKOで破って新王者となったルイス・ネリ(22=メキシコ)が、禁止薬物に陽性反応を示したと発表した。試合前のドーピング検査で、筋肉増強剤に似た性質を持つ物質を検知した。今後調査を進め、結果を受けて裁定を下すことになる。

 古都京都に悲痛な声が響いたタイトル戦から8日。試合に影を落とすニュースが飛び込んできた。新王者となったネリの試合前ドーピング検査で、禁止薬物ジルパテロールに陽性反応があったとWBCが公式サイトで発表した。

 「VADA(ボランティア・アンチ・ドーピング協会)から陽性反応があったと通知があった。不利な調査結果は試合前の検査によって明らかになった」。

 検査はネリが居住地のメキシコ・ティファナ滞在時の7月27日に行われ、2つに分ける尿検体のうちA検体で反応があった。WBCはB検体、さらに試合直後の検体の結果を待ち、調査を継続する方針を示した。

 当該物質は筋肉増強剤クレンブテロールに似た性質を持つことも明記された。ジルパテロールは本来、家畜の体重と筋肉を増やす成長促進剤で飼料に添加される動物用医薬品。人が摂取すれば心拍が速くなり、気管支拡張の作用があり、筋肉増量につながる。

 同じ用途を持つクレンブテロールは昨年、WBC世界スーパーフェザー級王者バルガスが試合2カ月前の4月に陽性反応が出たが、陣営の故意ではないという主張、再検査で初防衛を行った経緯もある。WBCのスライマン会長は米メディアに対し、「ネリは米国に近いティファナ在住なので」と物質入りの牛肉を食べた可能性も言及した。

 WBCは近年、CBP(クリーン・ボクシング・プログラム)を遂行し、民間のVADAに検査を委託。世界王者らに抜き打ち検査への承諾を求めるなど改善に取り組んでいる。ネリもこれに該当したとみられる。検体の結果を受け、慎重な調査の末に裁定を決めそうだ。

 黒か白か。その結果でどんな処分が下るのか、無効試合になれば進退を保留している山中に王座が戻るのかなど、ケース・バイ・ケースで判断は決まりそうだ。具志堅用高が樹立した世界戦連続防衛の日本タイ記録がかかっていた大一番は、予想しない展開で続きがあった。【阿部健吾】

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JBC側「WBCは総合的に勘案し慎重に判断する」

15日、4回TKO負けを喫した山中は囲み取材で納得の行かない表情を見せる

 WBC(世界ボクシング評議会)は23日、世界バンタム級タイトルマッチ(15日、島津アリーナ京都)で日本タイ記録の13度目の防衛戦となった山中慎介(34=帝拳)を4回TKOで破って新王者となったルイス・ネリ(22=メキシコ)が、禁止薬物に陽性反応を示したと発表した。

 ネリが禁止薬物に陽性反応を示したことについて、日本ボクシングコミッション(JBC)は、B検体や試合後に採取した検体の検査結果を受けてWBCと対応を協議する方針だ。食肉に含まれていたなど悪質性が認められない場合は不問に付される可能性もあり、JBCの安河内剛事務局長は「WBCは総合的に勘案し慎重に判断すると思う」と語った。

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WBC、山中破ったネリの薬物陽性発表 調査進める

8月15日のWBC世界バンタム級選手権で、王者山中(左)を攻め込みふらつかせる挑戦者ネリ

 世界ボクシング評議会(WBC)は15日の世界バンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)を破って新王者となったルイス・ネリ(メキシコ)が試合前に行ったドーピング検査で禁止薬物ジルパテロールに陽性反応を示したと23日、公式サイトで発表した。筋肉増強剤クレンブテロールに似た性質を持つという。WBCは調査を進めるとしている。

 日本ボクシングコミッション(JBC)には既に連絡があり、B検体や試合後に採取した検体の検査結果を受けてWBCと対応を協議する方針。

 山中は4回TKO負けで王座から陥落し、具志堅用高の持つ日本記録の世界王座13連続防衛に失敗した。

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山中倒し新王者のネリ、薬物検査で陽性と米メディア

8月15日のWBC世界バンタム級選手権で、王者山中(左)を攻め込む挑戦者ネリ

 15日に京都・島津アリーナ行われたプロボクシングWBC世界バンタム級タイトルマッチで王者の山中慎介(34=帝拳)に4回TKO勝ちしたルイス・ネリ(22=メキシコ)が薬物検査の陽性反応を受けていたことが分かった。

 23日(日本時間24日)に米メディアが報じたもので、山中戦前に受けた検査で禁止薬物として指定される物質が検出されたという。WBCは、他のサンプルで再解析を行うという。

 ネリは山中の13度目の防衛戦の挑戦者として来日。日本タイ記録のかかる山中を倒し、新王者となっていた。

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村田諒太、山中慎介「進退保留は普通」心情察する

メイウェザーを真似たポーズをする村田(撮影・阿部健吾)

 ボクシングWBA世界ミドル級1位村田諒太(31=帝拳)が「山中先輩」の心情を察した。18日、元世界5階級王者フロイド・メイウェザー(40=米国)と総合格闘技団体UFCで2階級を制したコナー・マクレガー(28=アイルランド)がボクシングルールで戦うスーパーウエルター級12回戦(8月26日、米ラスベガス)を独占放映する「DAZN(ダ・ゾーン)」のPRイベントに都内で出席。

 WBC世界バンタム級タイトルマッチでの敗戦から一夜明けた16日に進退保留を宣言した前王者山中慎介(34=帝拳)について、「ゆっくり休んで下さい先輩、という感じです」と述べた。

 南京都高だけでなく、帝拳ジムでも先輩になる。日本記録がかかった13度目の防衛戦でプロ初黒星となったが、「進退保留は普通だと思う。すぐに、はい、やります、やりませんと言える世界ではない。揺れ動く感情があって当然ですよね」と言及した。

 自身は10月22日に、5月のWBAミドル級王座決定戦で判定負けした王者アッサン・エンダム(フランス)との直接再戦が待つ。「走り込みキャンプでいい状態になっている。少し疲れが残っていますが、抜けた後に次のステップにもっていければ」と見据えた。

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井上尚弥、米国でのV6へ早めの減量「不安はない」

取材中にさわやかな笑顔をみせる井上(撮影・阿部健吾)

 世界ボクシング機構(WBO)スーパーフライ級王者の24歳、井上尚弥(大橋)が17日、横浜市内の所属ジムで6度目の防衛戦(9月9日・米カリフォルニア州カーソン)に向けた練習を公開し、減量を通常より早いペースで行うことを明らかにした。

 渡米は挑戦者のアントニオ・ニエベス(米国)戦の1週間前を予定。通常はリミットまで3~4キロの時期だが、今回は1キロ強に減らしたいという。「現地は汗が出しづらいと聞いた。米国に行ったら軽い調整だけにしたい」と狙いを語った。

 ミット打ちでは重たい音を響かせ「不安はない」と笑顔。15日には世界ボクシング評議会(WBC)バンタム級タイトルマッチで山中慎介(帝拳)が13度目の防衛に失敗。新たに日本ボクシング界を引っ張る存在として期待される井上は注目の一戦へ「盛り上げていかないといけない。重要な一戦だと理解している」と覚悟をにじませた。

気迫のこもった表情でミットに打ち込む井上(撮影・阿部健吾)

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山中慎介揺れる胸中、「力出し切れていない」の本心

ネリ戦から一夜明け、会見で言葉を詰まらせる山中(撮影・鈴木みどり)

 ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチで日本記録に並ぶ13度目の防衛に4回TKO負けで失敗した前王者山中慎介(34=帝拳)が16日、京都市内で会見し、進退を保留した。敗戦から一夜明け、勝利した場合でも、満足いく内容であれば引退を考えていたと明かすなど、複雑な胸中を吐露。タオル投入の時期をめぐる議論には自分の責任だとして幕を引いた。今後、本田明彦会長は山中の決定を優先し、現役続行の場合はタイトルを奪われた王者ルイス・ネリ(メキシコ)との次戦での再戦交渉に入る方針を示した。

 5年9カ月守り抜いた緑のベルトが目の前にはなかった。傷のない、きれいな顔で会見場に姿を見せた山中は、言葉を選びながらゆっくりと胸の内を語った。30戦目でのプロ初黒星。34歳。前夜、明け方まで話し合った沙也乃夫人(31)からは「後悔のないようにしてほしい」とだけ言われた。注目の進退について質問が飛ぶと、下を向き、考えをまとめてから答えた。

 「何カ月も引っ張ることはないが、大事なことなので落ち着いて考えたい。長くないうちに決めたい」

 会見の最後には「納得のいく勝ち方が出来れば、それ(引退)でもいいのかなと思っていた」と、勝利しても引退する可能性があったと明かした。強い決意を持って上がったリング。それだけに、燃え尽きたと思えない感情が一夜明けても気持ちを揺るがせた。

 4回。ロープ際で連打を浴びたところでデビュー当時からコンビを組む大和トレーナーがタオルを投げ入れた。陣営から「早すぎる」と疑問の声が上がった場面。山中も「自分は大丈夫と思っていた」と語っていたが、一夜明けても「大和さんを責めることはないし、そう見せてしまったことが原因」とし、「映像を見たら、自分が思っていた以上に危なっかしかった」と自身に責任を求めた。

 だが、正反対の思いも隠さずに続けた。「まだやりたい気持ちもあったし、そこを乗り切っていればというのもあった。力を出し切れていないから悔しいという思いもある。それは確か。それも含めてもう少し考えたい」。行ったり来たりする言葉。それこそが現時点での本心だった。

 本田会長は今後について「やりたいと言えば、直接再戦しかない。向こう陣営も応じると言っているし、メキシコに行ってもいい」と次戦のサポートを約束した。KOを量産し、「神の左」と称された左拳で多くの伝説を作ってきた前王者。その決断に注目が集まる。【奥山将志】

 ◆山中-ネリ戦VTR

 初回は具志堅氏の持つ13度連続防衛の日本記録がかかる山中が優勢。切れのあるジャブでペースをつかみ、ボディーにも得意の左を打ち込む。2回から互いに距離を詰め、3回にネリが大振りのフックからの連打を決めて流れを奪い返した。4回にチャンスとみたネリがロープ際でラッシュ。山中も左を返すが、ダメージが深刻と判断した大和トレーナーがタオルとともにリングに入ったところでTKO負けとなった。

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山中慎介「負けて悔しいのは初めて」会見一問一答

15日、4回、ネリ(右)に攻め込まれふらつく山中

 ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチで日本記録に並ぶ13度目の防衛に4回TKO負けで失敗した前王者山中慎介(34=帝拳)が16日、京都市内で会見し、進退を保留した。

<山中慎介一問一答>

  -現在の気持ちは

 自分自身も悔しかったが、応援してくれた方に申し訳ない気持ちでいっぱい。

 -試合について

 負けて言うのは何だが、ネリはすべて想定内。それでも、荒々しく振ってきた時に焦りがあってガードが甘くなった。

 -試合終了の瞬間は

 映像を確認したら自分では効いている感覚はなかったが、実際ばたついていた。危なっかしく見えた。

 -ベルトを失った

 ベルトがないのは、すごく違和感がある。嫁と話していても、もう前チャンピオンなんだなって。勝って悔しかった経験はあるが、負けてタイトルを奪われて悔しいというのは初めて。昨夜からずっとつらかった。

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タオル論争に本田会長「優しさ出たが遅いより良い」

15日、敗れて手で顔を覆う山中(右)。上は歩み寄るネリ(撮影・渦原淳)

 ボクシングのWBC世界バンタム級タイトルマッチで日本記録に並ぶ13度目の防衛に4回TKO負けで失敗した前王者山中慎介(34=帝拳)が16日、京都市内で会見し、進退を保留した。敗戦から一夜明け、勝利した場合でも、満足いく内容であれば引退を考えていたと明かすなど、複雑な胸中を吐露。タオル投入の時期をめぐる議論には自分の責任だとして幕を引いた。今後、本田明彦会長は山中の決定を優先し、現役続行の場合はタイトルを奪われた王者ルイス・ネリ(メキシコ)との次戦での再戦交渉に入る方針を示した。

 本田会長は山中の進退について「13回もやってきたし、簡単には結論は出せないだろう。期待をされていたし、ショックも大きい。気持ちを整理するのは大変」と代弁した。大和トレーナーの判断については「止めたのは間違い」としつつも、山中と二人三脚で戦ってきた関係を強調。「大和も山中に謝っていた。トレーナーとして優しい部分が出てしまったが、遅いよりは良い。そこは責められない」とおもんぱかった。

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山中慎介が進退保留 トレーナー判断は「責めない」

ルイス・ネリ戦から一夜明け、会見で言葉を詰まらせる山中(撮影・鈴木みどり)

 15日に13度目の防衛に失敗し、王座から陥落した前WBC世界バンタム級王者山中慎介(34=帝拳)が16日、京都市内で会見し、進退を保留した。時折目を潤ませつつ、「大事なことなので落ち着いて考えたい。そんなに長くないうちに決めたい」と話した。また、「納得のいく勝ち方が出来れば、それ(引退)でもいいのかなと思っていた」と防衛成功後に引退する可能性があったことも明かした。

 試合は、挑戦者の同級1位ルイス・ネリ(メキシコ)に4回2分29秒TKO負け。ホテルに戻り試合映像を見たという山中は「自分では効いている感覚はなかったが、映像を見れば実際にばたついていた」。タオルを投入したトレーナーの判断については「責めることはないし、そう見せてしまったことが原因」と悔しさをにじませた。

 会見に同席した帝拳ジム代表の浜田剛史氏は「本人の気持ち次第。それを尊重したい」と話した。

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山中30戦目初黒星に涙、苦しみ悩み葛藤の防衛期間

4回、ネリ(左)の左ストレートを浴びる山中(撮影・鈴木みどり)

<プロボクシング:WBC世界バンタム級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇京都・島津アリーナ京都

 WBC世界バンタム級王者の山中慎介(34=帝拳)が金字塔を前にして散った。挑戦者で同級1位ルイス・ネリ(22=メキシコ)に4回2分29秒、TKO負けでプロ初黒星を喫し、世界戦連続防衛は12回でストップ。具志堅用高が80年に樹立した13回の日本記録に並ぶことはできなかった。「神の左」を武器に戦い続けた長い防衛ロードが終わりを告げた。戦績は30戦27勝(19KO)1敗2分けとなった。

 ロープを背負い、上体を必死に動かして、山中は左拳を握った。4回終盤。ネリの連打を浴びながら、1発、2発、3発、左ストレートを打ち返した。ただ、挑戦者を後退させることはなかった。「自分は大丈夫だと思っていたが、セコンドを心配させた。止まってしまった」。15秒もロープ際で耐えて立ち続けたが、赤コーナーからタオルが舞った。

 「いける」。リングで向き合った時、いつも通りの直感は走った。ジャブも切れた。左ストレートも打ち込めた。誤算は4回の一瞬の判断。戦略では足を使い連打をかわすはずが、ヒョウの愛称を持つネリの獲物を捕食するような素早い追い足で詰められた。「もう少し足を使ったら、心配させなかった」と悔やんだ。

 喜怒哀楽が詰まった長い防衛期間だった。「サラダを食べているみたいだ…」。11年11月から王座を保持してきたが、虚無感に襲われたのはV8サンティリャン戦後。格下のアルゼンチン人にKO勝ちも食べ応えがない。試合後のホテルのベッドで膝を抱え、「おれは何をやっているんだ」と深く沈んだこともあった。

 KO防衛を重ね、海外進出を描いた。強い相手、実力に伴うビッグマッチを求めた。ただ、状況が許さない。バンタム級は流動期。他団体にも絶対的王者がいない。「踏み台にできる選手がいなかった」。かつ、KO量産に対戦を避けられた。次戦の相手を聞いて、がっくりと肩を落とすこともあった。その極限がサンティリャン戦だった。

 苦悩の中、救われたのは、応援してくれる仲間がいたから。勝ち続け、故郷の滋賀と東京で後援会は大きくなった。会員は約1500人。日本最大級。「国内でこれだけ多くのお客さんが来てくれて、気持ちよくやらせてもらっている」。今回も約3300人が駆けつけた。ふくらむ期待感と使命感。いつしか海外の希望は消え、声援を背に戦う生きがいが満ちた。

 37年前の記録には届かなかった。涙はリングを下りて30分以上たってもこみ上げた。「多くの方の期待に応えられず…」。会見の最後、そう言うと目頭を押さえた。それだけ思いは大きかった。30戦目での初黒星。今後は分からない。「何も考えられない」とだけ言い、仲間があふれた会場を去った。【阿部健吾】

 ◆山中慎介(やまなか・しんすけ)1982年(昭57)10月11日、滋賀・湖南市生まれ。南京都高1年でボクシングを始め、3年時の国体で優勝。専大ボクシング部で主将。06年1月プロデビュー。10年6月に日本バンタム級王座、11年11月にWBC世界バンタム級王座獲得。家族は妻と1男1女。身長171センチの左ボクサーファイター。

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