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大鵬の孫夢道鵬18歳最後の日3連勝で勝ち越し王手

夢道鵬(右)は徳之武蔵を押し込む(撮影・山崎安昭)

<大相撲秋場所>◇5日目◇17日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男、東幕下55枚目夢道鵬(18=大嶽)が、1番相撲から3連勝で勝ち越しに王手をかけた。

190センチを超える長身の西幕下56枚目徳之武蔵(20=武蔵川)を退けた。右四つから相手の巻き替えに乗じて、足を止めずに寄り切った。

3月に埼玉栄高を卒業した。アマチュア時代とは違い、プロの世界では1日一番。「(相手の)立ち合いの手の付き方とか、見てるのと見ていないのでは違う」と、対戦相手の研究にも余念がない。前日16日の夜には恩師で同校相撲部の山田道紀監督から電話があり「まわしを取られたらダメ。押していけよ」とアドバイスをもらい、周囲の助言も力に変えている。

18日が誕生日で、18歳最後の日を白星で飾った。兄の西幕下4枚目納谷(20=大嶽)を追うホープは、勝ち越しに向けて「大事な一番なのは(残り)3番変わらない。ホッとしてはいけない」と気を引き締めた。

徳之武藏(奥右)を下した夢道鵬(撮影・滝沢徹郎)

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新入幕の琴勝峰5連勝 錦戸親方「久々の大器だ」

松鳳山を破って新入幕で5連勝とした琴勝峰(撮影・丹羽敏通)

<大相撲7月場所>◇5日目◇23日◇東京・両国国技館

新入幕の東前頭15枚目琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が、無傷で序盤5日間を終えた。西前頭12枚目松鳳山を小手投げ。

左差しで寄られたが、土俵際で冷静に対応した。新入幕の初日からの5連勝は、14年秋場所に13勝を挙げた逸ノ城以来、平成以降では10人目。関取最年少の大器が、4カ月ぶりの本場所で旋風を巻き起こす。琴勝峰を含め、横綱白鵬、新大関の朝乃山ら5人が初日から5連勝とした。

   ◇   ◇   ◇

土俵際まで攻め込まれたが、新入幕離れした余裕が琴勝峰にはあった。小柄ながら素早い松鳳山に左四つで寄られたものの、懐が深い。右から豪快に小手で振った。「立ち合いは悪かったけど、土俵をうまく使えたので良かった」。スケールの大きい相撲内容に、幕内後半の審判長を務めた錦戸親方(元関脇水戸泉)も「臆することがない。久々の大器だ」とうなった。

191センチ、165キロの恵まれた体格で、組んで良し、離れて良し。3年前の入門時から身長が3センチ伸びるなど、肉体的にも成長が止まらない。序盤5日間を勝ちっ放しで終えて「焦ることなく相撲が取れている」と、貫禄たっぷりにうなずいた。

秀才型の大器だ。学生時代は相撲だけでなく学業も優秀。中学時代は相撲に打ち込む一方でオール5を取ったこともあり、高校進学時には慶応義塾高から誘いを受けた。それでも埼玉栄高の山田道紀監督から熱心な勧誘を受け、高校相撲の名門校に入学すると、1年時からレギュラーに抜てき。17年九州場所に鳴り物入りで佐渡ケ嶽部屋に入門し、序ノ口デビューから所要14場所で幕内まで駆け上がった。

刺激し合える存在が身近にいる。2学年上の琴ノ若は相撲を始めた柏市相撲少年団、高校が同じで、プロ入り後も常に背中を追いかけてきた。その兄弟子は新入幕の春場所で勝ち越し。「すごく刺激をいただいている。ありがたいこと」。佐渡ケ嶽部屋の幕内力士は今場所5人。恵まれた環境で力を蓄えてきた。

新入幕の初日から5連勝は、14年秋場所で優勝争いに絡んだ逸ノ城以来。「(序盤5日を全勝で終える想像は)全然していなかった。勝ち負けというか、気持ちだけしっかり持って行こうと思っている」。未来の角界を背負う20歳が、堂々と連勝街道を突っ走る。【佐藤礼征】

◆琴勝峰吉成(ことしょうほう・よしなり)本名・手計(てばかり)富士紀。1999年(平11)8月26日、千葉県柏市生まれ。小1で地元柏市相撲少年団で相撲を始め、中3で全国都道府県優勝。埼玉栄高から17年九州場所に初土俵。19年九州場所が新十両。20年春場所で十両優勝し、同年7月場所が新入幕。得意は右四つ、寄り。191センチ、165キロ。血液型O。家族は両親と弟。実家は柏市で居酒屋「達磨(だるま)」を経営している。

◆新入幕の初日から5連勝 昭和以降では27人目、平成以降では10人目になる。今場所の琴勝峰は14年秋場所で13勝した逸ノ城以来。逸ノ城を含め、09年初場所の把瑠都、91年九州場所の貴ノ浪と大関経験者もいる。ちなみに1場所15日制が定着した49年夏場所以降では、60年初場所の大鵬の11連勝が最多。

琴勝峰(左)は松鳳山を小手投げで下す(撮影・小沢裕)

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豪栄道「落ちたら辞める」恩師に引き際明かしていた

支度部屋を引き揚げる豪栄道(2020年1月22日)

日本相撲協会は28日、大関豪栄道(33=境川)の現役引退、年寄「武隈」襲名を承認したと発表した。

かど番だった初場所で負け越して関脇陥落が決定。千秋楽翌日の27日までに、現役引退の意向を固めたことを協会に伝えていた。引退会見は29日に行う。大関のまま引退するのは11年名古屋場所の魁皇以来。春場所(3月8日初日、大阪・エディオンアリーナ)で大関は貴景勝だけとなり、1大関は1982年初場所の琴風以来38年ぶりとなる。

年始に豪栄道と会ったという埼玉栄高相撲部の山田道紀監督は「負け越して落ちたら辞めるつもりと聞いていた」と明かした。昨年九州場所で負傷した左足首の靱帯(じんたい)は切れていて、一時は歩くのも困難だったという。これまでケガに苦しみながらも、大関在位33場所は歴代10位。初めて大関となった教え子に対して「立派だと思う。ものすごい記録。治してもう1回挑戦するのもあったけど、引き際がすごいと思う」と思いやった。

今後は境川部屋付きの武隈親方として、後進の指導にあたる。2月3日に地元の大阪・寝屋川市の成田山大阪別院で行われる節分祭に、予定通りに参加する。

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しこ名は夢道鵬、大鵬の孫納谷幸成が新弟子検査受検

新弟子検査で身長を測定する納谷幸成(中央)。右は錦戸親方、左は花籠親方(撮影・高田文太)

大相撲の元横綱大鵬の孫で、元関脇貴闘力の四男の納谷幸成(18=大嶽)が30日、福岡市内で行われた九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)の新弟子検査を受検した。

183センチ、135キロと測定され、体格基準は満たしており、内臓検査の結果を受けて、初日に合否が発表される。

合格となれば、九州場所の前相撲で初土俵を踏むが、しこ名を「夢道鵬(むどうほう)」と予定していることが判明した。同じしこ名の力士が同時に存在することはできず、元貴闘力の三男の兄幸之介が「納谷」の本名で幕下土俵に立つため「納谷」のしこ名は使えない。そのため、師匠の大嶽親方(元十両大竜)と相談して決めたという。納谷幸成は「『夢』はおじいちゃんが好きだった文字。『道』は尊敬する(母校の)埼玉栄の山田(道紀)先生(監督)から。『鵬』はおじいちゃんのしこ名からもらいました。まだ慣れないですね」と説明した。

現在は埼玉栄高3年として在学中で、今後は補習などで学校側の協力も得て、部屋で生活しながら出世と卒業を目指していく。27日から部屋に合流し、兄弟子となる兄の納谷幸之介には敬語で話しているが「高校でも先輩だったので」と、違和感はない。むしろ幼少から身に着けた覚えのない着物やげたに「まだ慣れない」と、苦笑いを浮かべる。

大鵬ゆかりの文字が2つも入るしこ名を予定しているとあって「大鵬の孫」と呼ばれ、注目されることも承知の上だ。「注目していただけるので、それに見合った活躍をして、自分を見ていただけるようにしたい。関取を目指していきたい」。一力士として人気、実力を身に付けたい意気込みをのぞかせた。

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琴勝峰「かっこいい」母校埼玉栄高から化粧まわし

母校の埼玉栄高から化粧まわしを贈呈された琴勝峰(左)と、化粧まわしを贈呈した埼玉栄中の生徒会長の徳山賢悟君(中央)と埼玉栄高の生徒会長の在家虎仁朗君(右)(撮影・佐藤礼征)

大相撲九州場所(11月10日初日、福岡国際センター)で新十両に昇進する琴勝峰(20=佐渡ケ嶽)が、母校の埼玉栄高から化粧まわしを贈呈された。

25日、同校で行われた会見に出席。スクールカラーのオレンジ色を基調とした伝統の化粧まわしを手にした琴勝峰は「プロにいくときからこの化粧まわしをつけるのが目標だった。かっこいいです」と笑みを浮かべた。

スケールの大きい20歳は、高校相撲の名門校で過ごした3年間を振り返り「心も体も鍛えられた。プロになるための土台をつくってもらった」と感謝した。190センチ、160キロと体格に恵まれ、力強い突き、押しが武器。埼玉栄高OBでは名古屋場所で昇進した、兄弟子の琴ノ若に続く新十両で、大関豪栄道、貴景勝を筆頭に、同校OBの関取は現役だけでも11人となった。初土俵は17年九州場所。高校卒業から約2年での昇進に琴勝峰も「これからもっと精進して栄高校を代表する力士を目指したい」と、関取の自覚を口にした。

恩師も活躍に太鼓判を押す。会見に出席した同校相撲部の山田道紀監督は「高校でも1年からレギュラー。気持ちが優しい、おっとりした子で(出世に)時間がかかると思ったけど、本当に早く関取になった」と目尻を下げた。山田監督によると高校時代は学業も優秀。得意科目は国語で、1年時には全科目を通して学年600人中20番以内に入ったこともある。山田監督も「非常に真面目な子です」と勤勉さを評価。「ポテンシャルもすごい。豪栄道、貴景勝を追ってくれる存在」と期待を寄せた。

この日、化粧まわしを贈呈した埼玉栄高3年生で生徒会長の在家虎仁朗君からは「横綱を目指して頑張ってほしい」とエールを送られた。クールな琴勝峰も、その期待を真っ向から受け止める。「プロに入ったときから、目指すならテッペンと決めていた。何年以内に、というのはないけど、早く強くなりたい」。まずは半月後に迫った九州場所で、2桁白星を目指す。【佐藤礼征】

新十両昇進会見で琴手計から改名したしこ名を披露する琴勝峰

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貴景勝が史上最速の大関復帰、特例母校リハビリ実る

10勝目を挙げて大関復帰を決め、支度部屋で記者の質問に耳を傾ける貴景勝(撮影・加藤諒)

<大相撲秋場所>◇12日目◇19日◇東京・両国国技館

関脇貴景勝(23=千賀ノ浦)が、史上最速の大関復帰を果たした。平幕の妙義龍を突き落として10勝目。夏場所の栃ノ心以来、現行のかど番制度となった1969年名古屋場所以降では6人7例目となる1場所での復帰となった。

76年名古屋場所で13日目に10勝目を挙げた三重ノ海より1日速い最速記録。さらに史上初となる大関復帰と幕内優勝の同時実現に向けて、2敗を守って単独トップに浮上した。関脇御嶽海ら5人の3敗勢が追走する。

   ◇   ◇   ◇

大関貴景勝が戻ってくる。手放さざるを得なかった地位を、再びつかんだ。「ひとまず良かったとかじゃないが、クリアしたかなと思う」。10勝目がかかった妙義龍戦。当たって下から起こすと、体を開いて左から突き落とし。取組時間は1・2秒だった。

「出ずに陥落したことは本当に無念だった」。右膝を負傷しながら再出場して敗れた夏場所8日目から、この日がちょうど4カ月だった。かど番だった名古屋場所も夏巡業も全休し、基本は1人で治療とリハビリ。その間に「離れていく人もいた」と明かす。世の中の関心が薄まり、ある後援会の会員数は一時的に微減した。同時に「変わらず応援してくれる人に恩返ししたい」気持ちが強まった。

大関復帰に向けて、異例の調整を準備してくれたのが、かつての恩師と今の師匠だ。4カ月中の約1カ月半は、初心に戻ろうと母校の埼玉栄高で住み込みのリハビリ。7年前の高校入学直後に「一生付き合っていこう」と誓ってくれた相撲部の山田道紀監督(53)が、寝食そろう環境を用意してくれた。ただ、師弟関係を重んじる相撲界。本来なら部屋で稽古するのが通例だが、師匠の千賀ノ浦親方(元小結隆三杉)は「大関だから自分のやることを信じればいい」と特例を認めてくれた。「師匠も山田先生も自分のやり方を受け入れてくれる。1人ぼっちだなあって思う半面、自分のためにいろんなことをやってくれる人がいると気づいた」。

勝ってかぶとの緒を締める。あくまで来場所の番付が決まっただけ。「1つの区切り。ここで満足したら、終わってる」。2度目の天皇賜杯で、大関復帰に花を添える。【佐藤礼征】

◆かど番制度 69年名古屋場所から、大関は2場所連続で負け越すと関脇に陥落することが決まった。しかし、翌場所10勝以上した場合は大関に復帰できる。

引き揚げる貴景勝は子供の頭をなでなでする(撮影・柴田隆二)
妙義龍を下し2敗をキープする貴景勝(撮影・河田真司)
貴景勝(左)は突き落としで妙義龍を下す(撮影・加藤諒)

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新十両琴ノ若「目標だった」母校から化粧まわし贈呈

母校の埼玉栄高から化粧まわしを贈呈された新十両の琴ノ若(左)と相撲部の山田道紀監督(撮影・佐藤礼征)

祖父に元横綱琴桜、父に現師匠で元関脇琴ノ若の佐渡ケ嶽親方を持つ新十両の琴ノ若が、母校の埼玉栄高から化粧まわしを贈呈された。

愛知・一宮市の佐渡ケ嶽部屋で、相撲部の山田道紀監督からスクールカラーのオレンジ色を基調とした化粧まわしを受け取り「率直にうれしい」と笑顔。付属の中学から6年間通っていただけに母校愛も強く「プロを目指す上で目標の一つだった」と喜びをかみしめた。

山田監督によると、同校OBに贈呈した20本目の化粧まわしで「区切りがいい。(琴ノ若には)幕内、三役を目指してほしい」と激励した。

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貴景勝の恩師がエール 休場は「マイナスならない」

母校・埼玉栄の優勝パレードを終えて会見する貴景勝。右は山田相撲部監督(2018年12月17日)

大相撲名古屋場所(7日初日)の休場が決まった大関貴景勝(22=千賀ノ浦)の恩師で、埼玉栄高相撲部の山田道紀監督が、事実上の大関陥落となった教え子にエールを送った。

6日、同校OBで新十両の琴ノ若に化粧まわしを贈呈するため、埼玉から愛知・一宮市の佐渡ケ嶽部屋に来訪。右膝に不安を抱え、4日に名古屋場所の休場を明言した貴景勝について「15日間取れる精神力はなかったのでは。普通(膝のけがは完治までに)半年はかかるから」と山田監督。

「22歳で大関になってその後も順風満帆にいったら、社会のことが分からなくなるかもしれない。もし将来的に協会に残って親方になるとしたら、弟子の気持ちを考えられるようにならないといけないしね。(けがによる休場は)マイナスにはならないと思う」と、指導者目線で意見を述べ、この経験が糧になることを期待した。

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貴景勝に300万円の化粧まわし 右膝は回復順調

贈呈された化粧まわしを手に、写真に納まる貴景勝(撮影・河田真司)

大相撲の大関貴景勝(22=千賀ノ浦)の昇進披露宴が16日、都内のホテルで行われた。

新大関だった5月の夏場所で右膝を負傷。かど番となる名古屋場所(7月7日初日、ドルフィンズアリーナ)に向けて、現在は治療とリハビリに専念している。

晴れ舞台を迎えた22歳は「大関に昇進して頑張らないといけないという気持ち。先場所は大関としての責任を果たせなかった。今場所(名古屋場所)はますます大事になってくる」と、身を引き締めた。

披露宴には八角理事長(元横綱北勝海)らが出席。17年5月に行われた元横綱稀勢の里(現荒磯親方)の横綱昇進披露宴を約500人上回る2000人の関係者が訪れた。

若手の筆頭的存在として期待される22歳は「こんなに盛大にやっていただけるのは人生で初めて。皆さんのおかげで大関になった実感がある。(昇進の過程で)応援していただいて活力になった」と、晴れ舞台で感謝の言葉を並べた。

右膝の状態については「良くなっている。筋力が戻ってきた」と、回復傾向にあるという。

披露宴前には、建設機械を扱う企業から2台のクレーンがデザインされた化粧まわしを贈呈された。大関以上しか許されないつづれ織りが施され、値段は300万円相当。

新たな期待を背負った貴景勝は「うれしいです」と感謝した。名古屋場所までちょうど3週間。「大関とは何かを考え直して、勉強して、膝を治して7月(名古屋場所)いい成績を残したい」と意気込んだ。

昇進披露宴には同じ二所ノ関一門の芝田山広報部長(元横綱大乃国)や、白鵬、鶴竜の両横綱らが出席。両親や埼玉栄高の山田道紀監督、プロレスラーのオカダ・カズチカ(31)も駆け付けた。

記者の質問に答える大関貴景勝(撮影・河田真司)

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貴景勝は例に倣わない口上 自身変えた恩師の教えも

大関昇進の伝達式で口上を述べる貴景勝(撮影・清水貴仁)

大関貴景勝(22=千賀ノ浦)の誕生だ。日本相撲協会は27日、夏場所(5月12日初日、東京・両国国技館)の番付編成会議と臨時理事会を開き、貴景勝の大関昇進を満場一致で承認した。大阪市内のホテルで行われた伝達式では口上で「武士道精神」の言葉を使用。平成最後に生まれた新大関は、感情を表に出さず、和を持って大相撲の伝統を受け継ぐ覚悟を示した。

   ◇   ◇   ◇

両こぶしを赤いじゅうたんにつけた貴景勝が、協会からの使者に頭を下げた。使者から昇進決定を言い渡されると、平成最後となる口上を述べた。

「大関の名に恥じぬよう、武士道精神を重んじ、感謝と思いやりの気持ちを忘れず、相撲道に精進してまいります」

平成以降で大関昇進した25人のうち、半数近くが口上に四字熟語を使用していたが、26人目の新大関は例にならわなかった。強調したのは武士の心得。「義理人情、受けたものを必ず返す人間になりたい」。武将の上杉景勝からしこ名を取り、感情を表情に出さない22歳が、晴れ舞台で力強い意思表示をした。

常々口にする「勝っておごらず、負けて腐らず」の精神は、武士道から習得した。口上の「感謝と思いやりの気持ち」は、母校・埼玉栄での山田道紀監督(53)の教えから。伝達式を生中継で見ていた山田監督も「まさか(その言葉を)選んでくれるとは」と驚いた。春場所14日目で逸ノ城に敗れた夜、LINEで恩師から激励を受けた貴景勝は「感謝と思いやりの気持ちを持って頑張ります」と返信。寮生活だった高校時代、厳しい上下関係で礼儀を学んだ。貴景勝は「中学を卒業してくそ生意気だったけど、そこで指導していただいてすごく感謝している」と思いを語った。

土俵の上で魅了する精神を引き継ぐ。1月の初場所で元横綱稀勢の里(現荒磯親方)が引退。次世代の日本人横綱として期待が集まる。「あまりそういう考えはしたことがない」と淡々と答えるが、現役時代、言葉ではなく相撲で魅了した同親方と力士像は共通している。「力を出し切って、力士として土俵の上で何か感じてもらえればうれしい」。31日から春巡業に突入し、多忙を極めるが「2カ月で急に強くなるときと、強くならないときがある。日々の稽古をやっていくしかない」と新元号で迎える夏場所を見据えた。【佐藤礼征】

大関昇進の伝達式を終え会見を行う貴景勝(撮影・清水貴仁)

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父も驚く「あのお坊ちゃま」の成長/貴景勝連載

大相撲春場所の一夜明け会見で本紙を手に撮影に臨む貴景勝。右は千賀ノ浦親方(撮影・小沢裕)

<貴景勝の心技体 平成最後の新大関(上)>

関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)の大関昇進が、27日午前に開かれる日本相撲協会の夏場所(5月12日初日、両国国技館)番付編成会議と臨時理事会で正式決定する。連載「貴景勝の心技体 平成最後の新大関」では、22歳の若武者の原点や素顔などに迫る。

◇  ◇  ◇

いわゆる「お坊ちゃん」のイメージとは程遠い。高級住宅街で有名な兵庫県芦屋市出身。貴景勝(本名・佐藤貴信)は衣食住に困らない環境で育ったが、父一哉さん(57)は「正直、あのお坊ちゃんがよくあんな性格になったな」と振り返る。「負けん気が非常に強い。どれだけ練習させても大丈夫。へこたれなかったんです。これはちょっと、客観的に見ても伸びるかもしれないと思いましたね」。

3歳で芦屋大付属幼稚園に入ると、年長組ととっ組みあって暴れまくる問題児だった。空手経験のある父は、まだ幼稚園児だった1人息子に、極真空手を始めさせた。週に2、3回、道場に通わせて4時間ぶっ通しの稽古。家では毎日、近所の坂道約100メートルを何十本もダッシュさせる。サンドバッグを1時間たたかせ、最後の20秒は息を止めさせてパンチラッシュ。しかし、何をやらせても耐える。一哉さんは「体は小さいけど気持ちは強い。素質、あるな」とうなった。

一方で唯我独尊でもあった。貴景勝も「チームスポーツというよりは個人競技に向いてるかな」と自己分析する。父いわく、小学生の時はサッカーでも非凡な才能を発揮したというが、周囲を無視して1人でドリブル。指導者には怒られ、最終的にはGKに転向させられて即座に辞めた。

そんな性格は、埼玉栄高に進学して緩和された。貴景勝が「あの人がいなかったら今の自分はいない」と感謝するのが、相撲部の山田道紀監督(53)。恩師は毎日、部員約20人の弁当を準備し、上下関係や雑用を徹底して指導してくれた。高3で掲げた目標は、自分のことじゃなく、高校総体で団体優勝して、山田先生を胴上げすること。今も、何より大切にするのが応援してくれるファンの存在だ。「数ある力士の中でも自分を応援してくれる人のために勝ちたい」。支えてくれる人に対し、感謝の気持ちと思いやりを常に抱いている。【佐藤礼征】

小6の時に学習発表会で殿様役を演じた貴景勝(仁川学院小提供)

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貴景勝の母校埼玉栄監督が手記「一寸先は闇」大事に

埼玉栄高相撲部の山田道紀監督

<大相撲春場所>◇千秋楽◇24日◇エディオンアリーナ大阪

貴景勝の母校、埼玉栄高は高校相撲界の超名門。高校横綱の元前頭栃栄が93年初場所で初土俵を踏んで以降、角界には多くの力士を輩出してきた。現役力士だけで10人の関取がいる。教え子では2人目の大関輩出となった貴景勝の恩師、山田道紀・相撲部監督(53)が日刊スポーツに手記を寄せた。

 ◇  ◇  ◇

大関昇進おめでとう。サカエ(埼玉栄高)では豪栄道に続く大関。千秋楽は祈るような思いだった。1横綱2大関を倒して、白鵬関にもいい勝負をしていた。昇進に文句はないはず。今場所は前頭2枚目以上にOBが5人いて、普通ならこんなことはない。指導者として、本当に幸せなことだと思う。

インタビューでは感情を表に出さないけど、性格は明るくておしゃべりで、とても繊細。豪栄道も同じで、本当はそんなに強い子じゃない。今場所の後半は思うような相撲が取れなくて、苦しかったんじゃないかな。心身ともに疲労があったようにも見えた。中学横綱として高校に入学した時はやんちゃで、上級生に敬語も使えないような状態だった。はっきり言っておこちゃまだったね。寮の部屋は1部屋につき各学年が1人ずつ過ごす環境で、上下関係がしっかりしていた。そこであいさつはしっかりやるとか、食事を終えたら箸を置くとか、人間として芯となる部分を徹底させてきた。感謝の気持ちと思いやり。それが一番大事だから。

横綱が見える番付になるけど、まだ先のことを言える段階ではない。ただ、地位が人を育てるという言葉があるように、大関になったら一皮むけるはず。高校で教え続けてきた「一寸先は闇」という言葉を、これからも大事にしてほしい。(埼玉栄高相撲部監督)

囲み取材を受ける貴景勝(撮影・奥田泰也)

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貴景勝が平成最後の大関当確に涙!入れ替え戦制す

貴景勝に押し出される栃ノ心(左)(撮影・渦原淳)

<大相撲春場所>◇千秋楽◇24日◇エディオンアリーナ大阪

平成最後の大関が誕生する。関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が、事実上の大関昇進を決めた。

かど番脱出へあと1勝としていた大関栃ノ心を押し出しで破り、事実上の“入れ替え戦”を制して2桁白星。審判部が大関昇進を諮る臨時理事会の招集を八角理事長(元横綱北勝海)に要請して了承された。

27日の臨時理事会、夏場所の番付編成会議を経て正式決定する。年6場所制が定着した58年名古屋場所以降で初土俵を踏んだ力士では、史上9位の年少大関となる。

会心の押し出し。事実上の大関昇進を決めると貴景勝の右目から一筋の涙が流れた。

大関とりの重圧に打ち勝った。場所前は「プレッシャーがかかるのはしょうがない。むしろ、プレッシャーをかけないようにしている自分の方が精神的に弱い」と自らを奮い立たせていた。

しかし、14日目の逸ノ城戦では、低く鋭い出足が影を潜め、自身の持ち味を発揮できずに痛い5敗目を喫した。幕内最年少の22歳は、兵庫県出身で準ご当所。テレビで観戦していた高校時代の恩師、埼玉栄高の山田道紀監督も「15日間で心身ともに疲れがたまっていたのでは」と、計り知れない重圧を察した。それでも勝敗にかかわらず常に次戦へ切り替え、平常心を保つように努めてきた。

この一番を受け、八角理事長が臨時理事会の開催を明言。大関貴景勝の誕生が確実となった。

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貴景勝が大関とりへ 会心押し相撲で3人目OB狩り

大栄翔(左)を突き出しで破る貴景勝(撮影・河田真司)

<大相撲春場所>◇7日目◇16日◇エディオンアリーナ大阪

大関とりの関脇貴景勝(22=千賀ノ浦)が、再び連勝の波に乗った。

埼玉栄高の3学年先輩で、普段から仲のいい平幕大栄翔を突き出し。すでに2敗を喫し、昇進へ暗雲が垂れ込めていたが、会心の押し相撲を見せた。全勝は横綱白鵬と逸ノ城。横綱鶴竜、大関高安、豪栄道らが1敗を守った。

大関とりへ、文字通り1歩も引かない。突っ張り合いは互角も、貴景勝の腰が低かった。同じ押し相撲の大栄翔を下から起こし、最後まで下がらずに突き出し。2日目以来の連勝も「普通っす。気持ちで負けないようにするだけ」と、ぶぜんとしていた。

大の仲良しでも、土俵の上では勝負師の顔を見せた。大栄翔は3学年上だが、巡業では同じタオルにくるまって寝ころぶほどで、はたから見れば恋人だ。大栄翔が先場所Vの玉鷲に土をつけた2日目の11日。直前の取組で勝利した貴景勝は「効いたな~俺の力水」といじり倒した。ただ、勝負となれば話は別。支度部屋では「誰が相手でも関係ない」と、目を光らせた。

今場所、妙義龍と北勝富士に続く3人目となる“OB狩り”だ。貴景勝含め、今場所は前頭2枚目以上に埼玉栄高OBが5人。数いる教え子の中でも、相撲部の山田道紀監督は「人が見えないところで努力するタイプ」と振り返る。高校時代、稽古後のランニングでは同期よりも1時間早く走り始めて差をつけた。入学時は120キロ程度だったベンチプレスも、200キロ以上を記録して同校歴代1位。高い身体能力も持ち合わせ、当時140キロ以上の体重ながら体育の授業でハンドスプリング(転回)を決め、同級生を驚かせた。

平成に大関昇進した25人で、7日目までに3敗した力士は0。昇進目安の10勝以上へ、取りこぼせない一番を制し2敗を死守したが「星で勘定しないようにやっていく」と、22歳は足元を見つめていた。【佐藤礼征】

大栄翔(左)を力強く攻める貴景勝(撮影・河田真司)
大栄翔を突き出しで破り、安堵の表情を見せる貴景勝(撮影・河田真司)

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高校総体Vの斎藤大輔が八角部屋入門 50m6秒台

八角部屋入門会見を終え、握手を交わす埼玉栄高の斎藤大輔(左)と八角親方(撮影・佐藤礼征)

高校相撲で2018年の総体を制した埼玉栄高の斎藤大輔(18)が21日、さいたま市内の同校にて大相撲の八角部屋入門会見を行った。190センチ、135キロの高校相撲界屈指のホープは、春場所(3月10日初日、エディオンアリーナ大阪)前の3月2日の新弟子検査を受ける予定。

高校横綱が大相撲挑戦を表明した。師匠の八角親方(元横綱北勝海)、相撲部の山田道紀監督が同席する中、斎藤は「親方を信じてたくさん稽古をして、関取になりたい」と誓った。高校の同級生、栃神山(18)らがすでに大相撲入りする中、大学進学も選択肢に入れて卒業後の進路を熟考した。「(大学進学と)迷っていた時期もあったけど、山田先生に『将来的にどこにいきたいのか』と言われて、プロにいきたい気持ちがあった」。大関豪栄道、関脇貴景勝ら同校OBの力士は幕内だけで6人。「早く先輩たちに追いつきたい」と目を輝かせた。

八角部屋には高校の先輩で、春場所で新三役が確実視されている北勝富士(26)も在籍する。入門にいたったきっかけは小学校時代、わんぱく相撲に出場した際に部屋に宿泊させてもらったこと。当時、同じ山形県出身で元前頭大岩戸の上林義之氏など「(八角)部屋はいい人ばかりで優しくしてもらって、その時から気になっていた」と明かした。自身の強みを「突き押しからの左四つ」と自負する。「八角親方のような偉大な力士になりたい」と力を込めた。

恩師の山田監督は斎藤のアスリートとしての資質を高く評価した。「運動神経がすごい。50メートルを走れば6秒台。生まれ持ったものが高校生の中では飛び抜けていた」。期待の新弟子に八角親方も「うれしいのが率直な気持ち。これだけの逸材なので。気は優しくて力持ちな、立派な力士になってほしい」と期待を寄せた。

山形県酒田市出身の斎藤は小3で相撲を始め、小6でわんぱく相撲2位、中2で全中3位。高校進学と同時に山形を離れ、3年時に高校総体で団体、個人ともに優勝、世界ジュニアでも重量級を制するなど、輝かしい実績を収めた。

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元中学横綱の神山龍一「春日野部屋1本で」入門会見

稽古中の大関栃ノ心(左)と春日野部屋に入門した神山(撮影・佐藤礼征)

元中学横綱の神山龍一(17)が27日、都内の春日野部屋で入門会見を行った。埼玉・黒須中では中学横綱、埼玉栄高3年時に全国高校総体3位、国体少年2位と実績は抜群。初場所前の来年1月7日に新弟子検査を受ける。「栃神山」のしこ名を予定している178センチ、160キロのホープは「自分で決めた道。親方の言うことを聞いて日々精進したい」と意気込んだ。

迷いはなかった。「春日野部屋1本でした」。師匠の春日野親方(元関脇栃乃和歌)の明大での同級生、西澤正夫さん(56)が総監督を務める「入間少年相撲クラブ」出身。その縁で小学校2年時から春日野親方に目をかけられていた。中学時代には春日野部屋が埼玉・入間市で行った合宿で、稽古にも参加。当時平幕だった大関栃ノ心にも胸を出してもらったこともある。「部屋の関取衆を尊敬している」と憧れのまなざしを見せた。

小さい頃から見守ってきた春日野親方は「器用で相撲をよく知っている。ただ、今までの実績は役に立たない。全てを捨てるくらいの気持ちで、一から頑張ってほしい」と謙虚な姿勢を説いた。一方で「俺もインターハイは2位だった。あえて負けん気を出してほしい」と話した。

高校時代は山田道紀監督の方針のもと、稽古は四股やテッポウなど基礎運動が中心だった。左右で四つに組める器用さを備えるが、「まず押しを鍛えたい」と神山。師匠も焦らない。「相撲はよく知っている。あとは自分のスタイルをどれだけ早くつくれるか。まともになるには1、2年はかかる。部屋の関取を見て学んでやってほしい」。

3月5日の卒業式を待たずに、新弟子検査を経て初場所で前相撲を取る。「1年で幕下まで上がりたい」。笑顔にあどけなさの残る17歳は、堂々と目標を掲げた。

春日野部屋に入門した神山(撮影・佐藤礼征)
春日野部屋に入門した神山龍一(左)と握手を交わす師匠の春日野親方(撮影・佐藤礼征)

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大鵬の孫・納谷に壁…自発性が飛躍の鍵/取材ノート

納谷(2018年11月13日撮影)

<取材ノートから10 相撲納谷>

大相撲の納谷(18=大嶽)の1年が終わった。元横綱大鵬の孫で、父は元関脇貴闘力。今年1月の初土俵から順調に番付を上げたが、9月の秋場所で幕下の壁にぶち当たった。幕下復帰が濃厚な来年1月の初場所、そして2019年を飛躍の年にできるか。

幕下の壁は分厚い。この1年を振り返ると痛感させられる。幕下デビューとなった秋場所は3勝4敗、三段目に陥落した九州場所は4番取って何とか勝ち越した。春場所の序ノ口で全勝、続く序二段、三段目でともに6勝1敗。順調に滑り出していただけに、納谷は「納得はいっていないです。自分の中ではもっと上にいけたと思っているので」と不満顔だった。

膨らむ周囲の期待に、2人の師匠がくぎを刺す。「大鵬の孫」という代名詞に、全盛期の祖父を上回る188センチ、160キロ超の恵まれた体格。幕下以下の力士にもかかわらず、本場所中は取組ごとに報道陣に囲まれた。そんな中、納谷の恩師で埼玉栄高相撲部の山田道紀監督は「地道に努力できる子だけど、まだまだ体をつくっている段階。焦らなくていい」と話す。

師匠の大嶽親方(元十両大竜)は「まだ基礎ができあがっていないし、なんたってまだ18歳だから。とことん悩めばいいと思う。今はそういう時期。僕からは一方的に言わないし、自主性に任せている」。

納谷も「師匠(大嶽親方)からは特に多くは言われない」と語る。今年1月に部屋に所属していた元前頭大砂嵐が、無免許運転で衝突事故を起こすなどして3月に引退したことを受け、大嶽親方も指導の価値観が変わった。

「違う国から来て、今までのように厳しく厳しくじゃ持たない。特に若い子は強く言われないで育っている。そういう時代なんだと思う。特に大砂嵐の一件があってから、弟子の自主性を大事にするようになった」。

納谷が高校3年間を過ごした埼玉栄高では、土俵上での稽古は1日1、2時間と少なく、それ以外の時間は生徒の自主性に任せる。似たような環境で飛躍のきっかけをつかめるか、注目したい。【佐藤礼征】

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貴景勝「学んだ事は自分の財産」母校埼玉栄パレード

優勝パレードする貴景勝(中央右)。同左は佐藤栄学園・森山理事長(撮影・山崎安昭)

大相撲の九州場所で初優勝を飾った小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が17日、母校の埼玉栄高でパレードと優勝報告会を行った。最寄りのJR西大宮駅から同校までの約550メートルを白いオープンカーで走った。優勝報告会では埼玉栄中・高の生徒を前に「栄(母校)で学んだことは自分の財産」と、約3000人の後輩へ堂々と伝えた。

母校愛を示した。九州場所の土俵入りでは、15日間通して埼玉栄高から贈呈されたオレンジの化粧まわしを着用。同校の相撲部監督で、貴景勝の恩師でもある山田道紀監督(52)は「普通は付け替えたりするもの。験担ぎもあると思うけど、その気持ちがうれしい」と、教え子の母校愛に目を細めた。貴景勝は「自分の代ではインターハイを優勝できなかった。まだまだこれから、栄のためにできることを頑張りたい」と、恩返しを誓った。

優勝パレードを終えて会見する貴景勝。右は埼玉栄相撲部の山田監督(撮影・山崎安昭)

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貴景勝が母校・埼玉栄高に凱旋 生徒3000人拍手

西大宮駅から埼玉栄まで優勝パレードをする貴景勝(撮影・山崎安昭)

大相撲の九州場所で初優勝を飾った小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が17日、母校の埼玉栄高で会見を行った。同日行われたパレードと優勝報告会には、高校時代の恩師で相撲部の山田道紀監督(52)の姿もあった。

優勝報告会では約3000人の埼玉栄中・高の生徒に拍手で迎えられ「自分のためにたくさんの人に祝福していただき、本当にありがたい」と感謝した。

埼玉栄はインターハイの団体戦で10度の優勝回数を誇る相撲名門校。貴景勝も「高校の時は山田先生を胴上げしたい、恩返ししたい気持ちが強かった」というが、高校3年のインターハイは優勝を逃した。九州場所の優勝で恩返しになったか、と問われると「それは自分が決めることではない。もっと栄(母校)のためにできることを頑張りたい」と謙虚に話した。

一方で山田監督は「十分ですよ」と、弟子の偉業に目を細めた。

優勝した九州場所では、初日から千秋楽までの15日間、同校の化粧まわしを着用した。「普通は中日で替えたりもするんですけどね。験担ぎもあると思うけど、その気持ちがうれしいです」と山田監督。

化粧まわしは同校のスクールカラーのオレンジを基調とし、校訓「今日学べ」が刻まれている。埼玉栄高の町田弦校長(58)も「土俵入りの化粧まわしを見るたびに誇りに思う」と話した。

母校・埼玉栄での優勝報告会で花束を受け取る貴景勝(撮影・山崎安昭)

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大鵬孫の納谷が五分に戻す 恩師のげきで「気合」

隠岐の浜(右)に激しく攻める納谷(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館

元横綱大鵬の孫、東幕下60枚目納谷(18=大嶽)が六番相撲に臨み、押し出しで星を五分に戻した。

東三段目3枚目隠岐の浜(21=八角)を押し出しで下した。立ち合いで「弾くように突き放せなかった」と反省するが、一歩も引かず常に前へ出た。

五番相撲で敗れた夜、埼玉栄高の恩師、山田道紀監督から電話で「攻めきらなきゃ」とげきを飛ばされた。「気合が入った」と納谷。3勝3敗。七番相撲で勝ち越しを目指す。負け越せば三段目陥落が決まるが「しっかり気負うことなく自分の相撲を取れるようにしたい」と、番付は意識しなかった。

隠岐の浜を下し、記者に囲まれた納谷は笑顔を見せる(撮影・河野匠)

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