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珍し3横綱新幹線移動 日馬富士、稀勢の里、鶴竜

次の巡業地の浜松市に出発した横綱稀勢の里


 大相撲の日馬富士(33)稀勢の里(31)鶴竜(32)の3横綱ら力士一行が10日、東京駅から東海道新幹線に乗って、秋巡業が行われる浜松市に移動した。

 浜松駅への到着時に花束贈呈などが行われるためで、各自で移動することが多い横綱には珍しく、3横綱そろっての新幹線移動となった。

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日馬富士3連敗から逆転V秋場所の疲れ「抜けない」

横綱日馬富士(17年9月22日撮影)


 大相撲の秋巡業は7日、さいたま市で行われた。

 横綱日馬富士が、巡業の完走へ強い意欲を見せた。「(序盤で)3連敗した後も土俵に立たないといけなかった。そういう疲れがあった。まだ抜けていない」と逆転優勝した秋場所の疲労から、朝稽古を休んだ。左肘の負傷も抱えており、本調子とは程遠いが、巡業先に専属のトレーナーを呼び、参加している。「治しながら最後までやっていく」と横綱としての責任感を口にした。

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5力士なぎ倒し日馬富士に絶妙ツッコミ「最初から」


 20年東京五輪・パラリンピックの機運醸成を目的にしたイベント「大相撲beyond2020場所」が4日、東京・両国国技館で2年連続で行われた。

 幼稚園児や外国人、障がい者ら約4000人を招待して、手話や英語の館内放送などを交え取組などを披露。横綱1人が下位力士5人と勝負する「横綱五人掛かり」が、01年の貴乃花以来16年ぶりに国技館で行われ、大役を務めた日馬富士(33=伊勢ケ浜)は「誰もが感動する相撲を取りたい。世界中の人に見てもらいたい」とPRした。5人の力士を次々と倒す姿に「こんなに強かったら最初から勝って下さい」と観客から言われたそうで「(普通は)5番も取らないから」と苦笑いを浮かべた。日馬富士は秋場所で史上初めて金星4個を配給して優勝した。

横綱五人掛かりを披露した日馬富士(右から3人目)の石浦戦(撮影・鈴木正人)
横綱五人掛かりを披露した日馬富士(中央奥)の千代の国戦(撮影・鈴木正人)
横綱五人掛かりを披露した日馬富士(中央手前)の輝戦(撮影・鈴木正人)
横綱五人掛かりを披露した日馬富士(中央奥)の北勝富士戦(撮影・鈴木正人)
横綱五人掛かりを披露した日馬富士(左)の御嶽海戦(撮影・鈴木正人)

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白鵬&稀勢の里、4000人前で堂々「三段構え」


 20年東京五輪・パラリンピックの機運醸成を目的にしたイベント「大相撲beyond2020場所」が4日、東京・両国国技館で2年連続で行われ、横綱白鵬(32=宮城野)が「三段構え」を、横綱稀勢の里(31=田子ノ浦)と披露した。

 招待された外国人や障がい者ら約4000人の前で、上段(気迫)中段(攻撃)下段(防御)の3つの型を堂々とつくった。

 東京五輪・パラリンピックに常々、関心を持っている白鵬は「東京五輪を世界に発信するのは素晴らしい考え」とあらためて実感。本大会まであと3年と迫り「それまでは4横綱で元気にできれば」と日馬富士、稀勢の里、鶴竜の3横綱と一緒に20年まで現役を続けることを願った。

三段構えの中段をする白鵬(左)と稀勢の里(撮影・鈴木正人)
三段構えの下段をする白鵬(左)と稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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日馬富士16年ぶり「横綱五人掛かり」の大役務める

横綱五人掛かりを披露した日馬富士(右から3人目)の石浦戦(撮影・鈴木正人)


 20年東京五輪・パラリンピックの機運醸成を目的にしたイベント「大相撲beyond2020場所」が4日、東京・両国国技館で2年連続で行われた。

 横綱1人が下位力士5人と勝負する「横綱五人掛かり」が、01年の横綱貴乃花以来16年ぶりに国技館で行われ、横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が大役を務めた。

 関脇御嶽海、平幕の北勝富士、輝、千代の国、石浦を次々と投げ倒し、招待された外国人や障がい者ら約4000人から、大きな歓声を拍手を受けた。「とてもいい経験になりました」と笑顔で話し「外国人に興味を持ってもらうのは大事なこと。世界中の人に見てもらいたいと思います」とPRした。

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日馬富士、左肘痛も秋巡業参加へ「恩返し出来れば」

明治神宮で横綱土俵入りを披露する日馬富士。太刀持ちは宝富士、露払いは大翔丸


 大相撲秋場所で逆転優勝した横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、秋巡業の参加へ強い意志を見せた。

 2日、第76回全日本力士選士権(東京・両国国技館)に参加し、1回戦で輝に敗れた。秋場所千秋楽から約1週間が経過したが「疲れが抜けない」と元気はなかった。16年名古屋場所以来の優勝ということもあり、この1週間はお世話になった人へのあいさつ回りなどで多忙を極めたからだ。

 だが、その合間を縫いながら、左肘の治療は毎日欠かさずに行ったという。「治るものではないですよ。職業病みたいなもの。まずは炎症を防いで、また新しく鍛え直していく」と、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)に向けて体を一から作る。

 秋巡業への参加についても「巡業先にも病院の先生に来ていただいて治療しながらやる。支えてもらった人に恩返しが出来ればいい」と、皆勤を目指す。土俵の上に立ち続けることにこだわりを持つ、日馬富士らしさを見せた。

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鶴竜3年越し挙式、昨年V九州場所で復活目指し順調

披露宴でケーキ入刀する横綱鶴竜(左)とムンフザヤ夫人(撮影・鈴木みどり)


 大相撲秋場所を右足首負傷で全休した横綱鶴竜(32=井筒)が1日、都内のホテルで同郷のムンフザヤ夫人(26)と挙式、披露宴を行った。既に15年2月に婚姻届を提出し、1男1女を授かっているが「これからも僕の支えになってくれると思う。誰が見ても幸せな家族を築きたい」と話した。

 負傷している右足首については「明日からでも(相撲を)取りたいぐらいに回復している」と良好。進退がかかる九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)に向けて「巡業でも準備して11月でいい結果を出したい」と昨年優勝した縁起の良い場所で復活を目指す。横綱白鵬、日馬富士ら500人が出席した。

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川崎大師で北の湖像除幕、夫人「親方の姿見られる」


 一昨年11月に死去した北の湖前理事長(元横綱)の銅像が完成し1日、川崎大師で除幕式が行われた。

 八角理事長(元横綱北勝海)や貴乃花(元横綱)、春日野(元関脇栃乃和歌)、山響(元前頭巌雄)ら各理事はじめ親方衆、横綱日馬富士ら約300人が列席。台座を含め高さ約3メートル、重さ約900キロの理事長時代をイメージした銅像を前に、故人のとみ子夫人は「(川崎)大師様がある限り、100年も1000年も親方の姿を見られる。最高の喜び、感謝でいっぱいです」と感無量の表情で話した。除幕式後には三回忌法要も営まれ故人をしのんだ。

北の湖前理事長(2015年1月26日撮影)

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鶴竜が同郷夫人と披露宴「これからも僕の支えに」


 大相撲秋場所を右足首の負傷で全休した横綱鶴竜(32=井筒)が1日、都内のホテルで同郷のムンフザヤ夫人(26)と挙式、披露宴を行った。

 既に15年2月に婚姻届を提出し、1男1女を授かっているが「人生のパートナーとしてこれからも僕の支えになってくれると思う」と新鮮な気持ちになった。

 全休した秋場所は、横綱陣で唯一出場した日馬富士の逆転優勝で幕を閉じた。「やっぱり最後は横綱が勝たないといけないとあらためて思った」と、日馬富士が奮闘した姿に刺激をもらった。右足首の状況については「明日からでも(相撲を)取りたいぐらい回復している」と良好をアピールした。

 出場すれば、進退がかかる九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)に向けては「ケガも本当に回復している。巡業でも準備して11月で良い結果を出したいと思います」と意気込み、昨年優勝した縁起の良い場所で復活を目指す。「落ち込んだ時に常に明るく接してくれるので、それにつられて明るくなる」というムンフザヤ夫人のためにも、土俵の上で恩返しをする。

挙式後、結婚指輪を見せ笑顔の横綱鶴竜(撮影・鈴木みどり)

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阿武咲ら相撲三賞力士、赤い羽根共同募金運動に参加

「赤い羽根共同募金運動」に参加する左から、貴景勝、阿武咲、朝乃山


 大相撲秋場所で三賞を受賞した平幕の阿武咲(21=阿武松)、貴景勝(21=貴乃花)、朝乃山(23=高砂)が1日、東京・大台東区の浅草寺で行われた「赤い羽根共同募金運動」に参加した。

 史上初の新入幕から3場所連続2桁白星を挙げて、敢闘賞を受賞した阿武咲は「『また頑張って下さい』とか『三賞おめでとうございます』という言葉でまた頑張ろうと思った」と募金者からかけてもらった言葉に刺激を受けた。同世代の3人が三賞を受賞して、3人で同じイベントに参加。「これから何十回とやる相手。互いに高めあっていきたい」とライバル意識を持った。

 横綱日馬富士から初金星を挙げて殊勲賞を受賞した貴景勝は「一番一番大切にもっと集中力を高めて相撲を取りたい。優勝が(日馬富士の)11勝で自分は9勝。1つの星がすごく大事だとあらためて思った」と反省。新入幕で10勝を挙げて、優勝争いにも絡み敢闘賞を受賞した朝乃山は「三賞を取ったからこそ参加できる。いい経験をさせていただいています」と感謝した。

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横審委員長、日馬富士の気力◎…豪栄道はふがいない

横綱審議委員会で会見する北村正任委員長(左)と春日野広報部長


 日本相撲協会の諮問機関である横綱審議委員会の定例会が25日、東京・両国国技館で開かれ、前日の大相撲秋場所千秋楽で逆転優勝した、横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)を評価する声が上がった。

 3横綱が休場する異常事態の中、始まった場所で日馬富士は序盤、3連敗を喫し金星を4個も配給した。優勝ラインも21年ぶり3度目の11勝4敗まで下がった。この数字には「必ずしも褒められたものではない」と前置きした上で、北村正任委員長(毎日新聞社名誉顧問)は「4人目の横綱も危ないなと思ったし、気力が(最後まで)ちゃんと持つか心配だったが、見事に気力を持続して、落ち着くところに落ち着いて良かったと思う。敬意を表さなければならない」と評価した。宮田亮平委員(文化庁長官)も「他の横綱が不在の中、横綱の強さを見せてくれた」と最高位として面目を保った日馬富士を褒めた。

 休場した3横綱について北村委員長は「早くケガを克服して来場所以降、復帰してもらいたい」と希望した。ただし「横綱だから出る責任がある、というだけでは困る」とし「横綱らしい結果を出せると思って出てほしい」と、出場を判断する際は、万全の状態で復帰することを望んだ。

 また千秋楽で日馬富士に本割、優勝決定戦で敗れ11勝4敗で優勝次点の大関豪栄道(31=境川)については「精神的な問題なのか、ちょっとふがいない」と個人的な感想を述べた。11月の九州場所が綱取りになるかの認識については「それは、どの委員も思っていないと思います。全勝すれば考えるかもしれませんが(優勝)同点といっても11勝。締めくくりの印象が良くないので」と述べた。

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日馬富士V一夜明け「優勝は優勝なので喜びは一緒」


 大相撲秋場所で9度目の優勝を果たした横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が25日、東京・墨田区の部屋で一夜明け会見を行った。

 16年名古屋場所以来で、史上初の金星4個配給からの優勝となったが「優勝は優勝なので喜びは一緒ですよ」と、これまでの8回の優勝と比べて特別な思いはなく、素直に喜んだ。

 1918年(大7)夏場所以来99年ぶりの3横綱2大関休場という緊急事態となった秋場所で、1人横綱として最後まで土俵に立ち続けた。「大変とかはない。ただ、負けると言い訳できないし、そういう意味では大変だった。初めて1人横綱で出て、本当にいろいろ経験させていただいた」と感謝した。

 3日目から3日連続で金星を配給して10日目には4個目の金星配給で、トップだった豪栄道とは3差離れていた。「優勝とかは意識することはなかった。気持ちだけでも負けないように。そう思いました」と自然体で臨んでいたという。諦めずに相撲を取り続けた結果、賜杯を抱いた。「終わってみれば1日1日の戦いが優勝につながった。ほっとしている。本当によかった」と笑顔。そして「2桁取りたいと思う。目標の1つでもある。稽古に精進して目標に向かって頑張ります」と、九州場所(11月12日初日、福岡国際センター)で10度目の優勝への挑戦に意欲を見せた。

大相撲秋場所優勝の一夜明け会見に臨み笑顔を見せる日馬富士(撮影・小沢裕)
大相撲秋場所優勝の一夜明け会見に臨み笑顔を見せる日馬富士(撮影・小沢裕)

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豪栄道「この経験あったからと言える相撲人生に」

優勝決定戦で日馬富士(手前)に寄り切りで敗れた豪栄道(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、16年名古屋場所以来、7場所ぶり9度目の優勝を飾った。本割で大関豪栄道を寄り切って11勝4敗で並び、優勝決定戦でも寄り切った。

 日馬富士の優勝インタビューの音声が流れる支度部屋で、豪栄道ははっきり言った。「横綱が上でした。完敗です」。本割は両まわしを取られ、力で寄り切られた。優勝決定戦は瞬時に懐に入られ、なすすべなく土俵を割った。何もできなかった。

 昨年秋場所の涙の全勝初Vから1年。九州で初の綱とりに失敗、今年の春場所は右足関節外側靱帯(じんたい)損傷で途中休場した。復活へ、原点に戻った。巡業のない6月、毎週水曜日は母校・埼玉栄高に出向いた。トラックタイヤを2本つなげて100キロ、3本つなげて150キロにしたゴムのかたまりを土俵で押し込んだ。名古屋場所直後の7月末、大阪市で母真弓さん(61)と焼き肉を食べながら「どっか、痛いの?」と聞かれて「そら全身痛いよ」と笑った。31歳の体にむち打ち、休場から半年で戦える体を作った。

 相撲を始め、ずっと目指す日本一の夢。大関では満足しない。横綱を目指し続ける。「いつか、この経験があったから…と言える相撲人生にしたい」。屈辱の逆転負けを胸に刻み、再出発を誓った。【加藤裕一】

 ◆豪栄道の来場所綱とりについて否定的な二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)の話 2番とも相撲にならなかった。印象が悪いね。13勝と12勝の優勝でも違うし(それが)11勝(の優勝同点)ではね。まして横綱3人が休んでいる。今日の2番は痛い。

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日馬富士1人横綱の責任全う、逆転Vを支えたものは

日馬富士(左)は寄り切りで豪栄道を下し優勝決定戦へ持ち込んだ(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、16年名古屋場所以来、7場所ぶり9度目の優勝を飾った。本割で大関豪栄道を寄り切って11勝4敗で並び、優勝決定戦でも寄り切った。千秋楽の直接対決から1差逆転優勝は今年春場所の横綱稀勢の里以来。1918年(大7)夏場所以来99年ぶりの3横綱2大関休場という異常事態となった場所を“1人横綱”が締めた。

 支度部屋は熱気に包まれていた。待ち構えていた大勢の関係者から浴びせられる「横綱」コール。日馬富士は表情を緩めて万歳三唱で喜びを分かち合った。風呂に入り汗を流し終えると、やっと一息ついた。「土俵の神様が味方してくれた」と感慨にふけった。

 1差で迎えた豪栄道との直接対決。立ち合いは受け止められ押し込まれたが、頭を体につけて前みつを取りにいき、体勢を入れ替えて寄り切った。賜杯の行方は優勝決定戦へ。支度部屋では弟弟子の十両照強を立たせて、立ち合いを確認。花道に向かう途中も繰り返し、イメージは仕上がった。頭からぶつかって右を差すと、一気に寄り切った。「命を懸けて全身全霊で相撲を取りました」。7場所ぶりの賜杯を手にした。

 この日朝、数種類の生野菜などを絞って作るコールドプレスジュースの大阪の専門店「B.up」(ビー・アップ)から直接、ジュースが届けられた。春場所前から愛飲し「体調が全く違う。傷口の治りが早い」という。時間の経過とともに栄養素が失われることから、目の前で絞る必要がある。そのため、今場所は大阪から材料を持参した担当者から、作りたてを数回、提供してもらった。「土俵の上では1人に見えても、支えてくれる人がいるから土俵に上がれる」と感謝した。

 10日目終了時点では、豪栄道と3差あった。そこからの逆転は1場所15日制が定着した49年夏場所以降では初。満足に伸ばせない左肘をはじめ、多くのケガに悩まされてきたが、土俵に上がり続けた。優勝ラインは21年ぶりの11勝に下がり、金星を4個配給しての優勝は初めて。それでも喜びは変わらない。「ホッとしている」。全ての重圧から解放されたかのように、低い声で絞り出した。満身創痍(そうい)の体で“1人横綱”を全うした。【佐々木隆史】

 ◆日馬富士のけがとの闘い 今年の初場所5日目の隠岐の海戦で右太ももを肉離れして途中休場。迎えた春場所は左目付近を負傷するなどケガが絶えず、春巡業では「全身が痛い」と漏らすほど。特に古傷の左肘の炎症は重症で夏巡業も前半は休場していた。手術の選択もあったが長期離脱を避けるために回避。整体、電気治療器具、栄養ジュースなどさまざまな治療法を試みている。

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 日馬富士は本割でいい相撲を取っただけに決定戦も「真っすぐ行っても勝てる」と迷いがなかった。あの3連敗から気持ちを折らず、よくやってくれた。情けない気持ちからグッとこらえて取り続けた。そこは偉い。豪栄道は立ち合いで負け引かざるをえなかった。

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朝乃山が堂々押し出しで敢闘賞「幕内10勝は自信」

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇両国国技館


 新入幕の東前頭16枚目朝乃山(23=高砂)が敢闘賞を受賞した。

 勝てば、受賞という条件付きの一番。「今場所最後だったので、自分の相撲をとることだけを考えました」と、今場所の主役の1人だった千代大龍を堂々たる押し出しで破って10勝5敗とした。

 学生相撲の西の名門・近大から角界入り。昨年3月の初土俵(三段目)から負け越しがないまま、所要9場所で入幕した。「せめて勝ち越しを、と思っていて、こういう結果(10勝5敗の敢闘賞)は誰も思ってなかったと思う。自分が1番驚いていますから」。前日に阿武咲に敗れるまで、優勝した日馬富士と同じ4敗を守った。「ふがいない相撲で優勝争いから脱落した。部屋に帰ったら、師匠(高砂親方)に『何緊張してんだ。思い切っていけ』と言われました」と、気持ちを切り替え、千秋楽に臨んだ。

 三賞の賞金、懸賞金を手にした。「もらえるのは関取からですんで、ようやくプロになった感じがして、うれしいです。十両と違って、幕内での10勝は自信になります」。自信を深めた大器が、11月の九州場所でさらなる飛躍を狙う。

朝乃山(右)は押し出しで千代大龍を下す(撮影・小沢裕)

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日馬富士V 1人横綱苦悩も「心技体が整わなくて」

優勝インタビューで笑顔を見せる日馬富士(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇千秋楽◇24日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が大関豪栄道(31=境川)との優勝決定戦を制し、昨年名古屋場所以来9度目の優勝を決めた。3横綱、2大関が休場した場所で、1人横綱が意地を見せた。

 日馬富士は「素直にうれしいです。今日の一番にすべてをかけて、全身全霊で相撲を取りました。(決定戦は)悔いの残らない相撲を取ることとだけ考えてました。(1人横綱は)初めてのことなので、序盤は心技体が整わなくて、ただ前だけを見て頑張りました。下がるところはないので、頑張りました。余計なことは考えずに一番一番に集中していました。良い結果で終わって、本当に良かったです」と話した。

 1勝差を追う形で迎えた本割では豪栄道との直接対決に勝ち、ともに11勝4敗で並んで優勝決定戦に持ち込んでいた。

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貴景勝が初の殊勲賞 朝乃山は千秋楽に勝てば敢闘賞

秋場所10日目、懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる貴景勝(17年9月19日撮影)


 大相撲秋場所千秋楽の24日、東京・両国国技館で三賞選考委員会が開かれ、各賞の受賞者が決まった。

 殊勲賞は、千秋楽まで優勝争いを演じる横綱日馬富士と大関豪栄道の2人を倒した西前頭5枚目の貴景勝(21=貴乃花)が初めて受賞した。

 敢闘賞は、1横綱1大関と2関脇1小結を倒した東前頭3枚目の阿武咲(21=阿武松)が2度目の受賞。新入幕の東前頭16枚目の朝乃山(23=高砂)は「条件付き」で、千秋楽で千代大龍に勝って10勝に乗せれば初めて受賞する。

 また、関脇嘉風(35=尾車)が4度目の技能賞を獲得した。

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横綱、大関が休場した場所は大関以上が優勝/データ

豪栄道(左)は1敗差で追う日馬富士の勝利を土俵下で見届け支度部屋へ引き揚げる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、逆転優勝へ望みをつないだ。1差で追いかける大関豪栄道が勝ったため、負ければ優勝を譲ってしまう結びの一番で関脇御嶽海を下した。並走していた平幕の朝乃山が黒星を喫し、優勝は日馬富士と豪栄道に絞られた。春場所の稀勢の里以来11例目となる、千秋楽直接対決から1差逆転優勝へ向けて全身全霊で戦う。

 ◆横綱、大関が4人以上休場した場所の優勝力士 3横綱2大関の5人が休場したのは1918年(大7)夏場所以来99年ぶりだったが、当時は大錦、西ノ海、鳳の3横綱と九州山と伊勢ノ浜の2大関が休場したものの結局、1人横綱の栃木山が優勝を飾った。4人の休場も昭和以降7例あるが、44年秋は大関前田山、53年初は大関鏡里、99年春は大関武蔵丸、02年名古屋は大関千代大海、同年九州と03年初は大関朝青龍が優勝。関脇以下が優勝をもぎ取ったのは01年秋の平幕琴光喜だけで、今回もまた、大関以上の優勝になった。

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1場所15日制の11勝4敗優勝は過去2例/データ

96年11月、九州場所千秋楽で史上初の5人による優勝決定戦となり、くじを引く曙と、順番を待つ左から魁皇、貴ノ浪、武蔵丸、若乃花

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、逆転優勝へ望みをつないだ。1差で追いかける大関豪栄道が勝ったため、負ければ優勝を譲ってしまう結びの一番で関脇御嶽海を下した。並走していた平幕の朝乃山が黒星を喫し、優勝は日馬富士と豪栄道に絞られた。春場所の稀勢の里以来11例目となる、千秋楽直接対決から1差逆転優勝へ向けて全身全霊で戦う。

<11勝4敗の優勝>

 1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、最少勝利数での優勝は11勝4敗で2回しかない。

 ◆72年初場所 4敗で3人が並んで千秋楽へ。琴桜と福の花が敗れ、勝った平幕の栃東が初優勝。栃東も敗れていれば8人による優勝決定戦に持ち込まれるところだった。

 ◆96年九州場所 3敗の若乃花と武蔵丸が敗れ4敗の曙、貴ノ浪、魁皇が勝ったため史上初の5人による優勝決定戦に。大関武蔵丸が2度目の優勝を決めた。

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日馬富士「4個金星配給」での優勝なら史上初の珍事

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、逆転優勝へ望みをつないだ。1差で追いかける大関豪栄道が勝ったため、負ければ優勝を譲ってしまう結びの一番で関脇御嶽海を下した。並走していた平幕の朝乃山が黒星を喫し、優勝は日馬富士と豪栄道に絞られた。春場所の稀勢の里以来11例目となる、千秋楽直接対決から1差逆転優勝へ向けて全身全霊で戦う。

 日馬富士は、落ち着いていた。負ければ豪栄道の優勝が決まる結びの一番。御嶽海にもろ差しを許したが「落ち着いてさばけた」と外四つに組み、まわしを引きつけて寄り切った。千秋楽までもつれ込ませた優勝争い。「自分の相撲に集中して」と、自らに言い聞かせるように同じ言葉を繰り返した。

 誰がこの展開を予想しただろうか。今場所の4敗は全て金星配給。1場所で4個金星配給して、優勝した横綱は過去に1人もいない。師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)も3個目の金星を配給した翌6日目の朝、優勝争いについて「そこらへんは考えていない。どうしても左腕が使えないから。やれることをやるだけ」と、千秋楽まで土俵に上がり続けることだけを願った。しかし、気が付けば優勝争いをしている。「勝負事は予想できない」と日馬富士だけは、最後の最後まで諦めていなかった。

 千秋楽直接対決から1差逆転優勝は、過去に10度ある。日に日に高まる1人横綱への期待にも気負わない。「明日も一番残っているので、しっかりと務める。務めるというのは土俵に上がり続けることですよ」。今場所は何度も、土俵に上がり続ける大切さを口にしてきた。そして上がり続けた結果、最高の舞台が整った。16年名古屋場所以来9度目の賜杯は、手が届くところにある。【佐々木隆史】

千秋楽直接対決の1差逆転優勝

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豪栄道-日馬富士、千秋楽の1差直接対決は72例目

豪栄道(右)は日馬富士から水付けを受ける(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関豪栄道(31=境川)が、優勝に王手をかけた。東前頭9枚目貴ノ岩に執念の渡し込みを決め、11勝3敗とした。千秋楽は1差で追う横綱日馬富士との大一番。勝てば、昨年秋場所以来2度目の優勝だ。前日までの2連敗で、残り2日で16力士に優勝の可能性が残る混戦を招いたが、3横綱2大関休場の場所は大関-横綱決戦で締めくくられる。

 ◆千秋楽の1差直接対決 「一方が勝てば優勝、他方が勝てば優勝決定戦」のケースは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、72例目。過去71例のうち本割の勝敗は、豪栄道のような「勝てば優勝」が40勝31敗と分が良い。決定戦に持ち込まれた31度でも、逆転優勝できたのは17年春場所の稀勢の里ら10度だけ。圧倒的に優位に立つ。ただ、今回のように大関が逃げて横綱が追う展開は13度で、大関の本割は8勝5敗だが、決定戦になった5度は、4度も優勝を逃している。

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豪栄道「思い切りいくだけ」2度目優勝へ攻めの一心

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 大関豪栄道(31=境川)が、優勝に王手をかけた。東前頭9枚目貴ノ岩に執念の渡し込みを決め、11勝3敗とした。千秋楽は1差で追う横綱日馬富士との大一番。勝てば、昨年秋場所以来2度目の優勝だ。前日までの2連敗で、残り2日で16力士に優勝の可能性が残る混戦を招いたが、3横綱2大関休場の場所は大関-横綱決戦で締めくくられる。

 勝っても負けてもおかしくない、激しい相撲をものにした。豪栄道が勝った。「集中してやろうと思った。必死でした」。乱れたまげ、真っ赤な顔で語る言葉に実感がこもった。

 何度も我慢した。立ち合いは2度待ったがかかった。3度目で立つと、貴ノ岩の圧力に一瞬引いて、思いとどまった。突き押しの応酬で2度はたかれた。最初は踏ん張った。2度目はまわしにしがみついた。最後は右手でまわしを、左手で足をつかみ、倒れ込みながら渡し込みを決めた。

 悪夢の2連敗を乗り越えた。12日目の松鳳山戦、13日目の貴景勝戦。いずれも勝てば王手の一番を落とした。「自分でも何をしてるか、全く分からんかった」。2日目からの連勝が10で止まり、自分の中の何かが変わった。「(緊張は)出ないと思ってたけど、出てきたね。昨年は(優勝が)初めてで無我夢中やったけど…」。2度目の優勝ならではの泥沼。3横綱2大関が休場し、終盤戦も格下相手の取組が続くことも「(星が)落とせない気持ちになると、人間は弱い」と、マイナスに作用した。「開き直っていくしかない。根性決めてやるだけです」と崖っぷちになってようやく、腹が据わった。

 千秋楽は日馬富士と一騎打ちだ。今場所最初で最後の横綱戦。本割で勝てば優勝。負けても優勝決定戦に回れるが、そんなことは考えない。「幸せなことだと思う。思い切りいくだけです。最後は勝った方が強いわけやから」。攻めの一心。2度目の優勝は、その先にある。【加藤裕一】

日馬富士対大関昇進後の豪栄道の成績

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日馬富士4敗死守、逆転優勝へ豪栄道と千秋楽対決

御嶽海(左)を寄り切りで破る日馬富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、関脇御嶽海(24=出羽海)を下して逆転優勝へ望みをつないだ。

 平幕の朝乃山が5敗目を喫したため、優勝争いは3敗の大関豪栄道と4敗の日馬富士に絞られた。千秋楽での直接対決で、16年名古屋場所以来9度目の優勝を狙う。

 日馬富士は、負ければ豪栄道に優勝を許してしまう結びの一番でも、落ち着いていた。「自分の相撲に集中していました」と普段通りの、鋭い踏み込みで立ち合いはぶつかった。もろ差しは許したが外四つに組むと「あとは流れでした」と、まわしを引きつけて寄り切った。優勝争いは千秋楽にもつれ込み「あすの一番に集中して頑張ります」と、いつもの言葉で引き締めた。

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豪栄道、執念のV王手「最後の一番に思い切って」

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇両国国技館


 優勝争いのトップを走る大関豪栄道(31=境川)が執念で連敗を2で止め、11勝3敗とし、昨年秋場所以来2度目の優勝に王手をかけた。

 平幕の貴ノ岩との一番は、立ち合いで2度待ったがかかった。嫌なムードの中、3度目で立ち、一瞬引きかけたが思いとどまり、前に出た。突き押しの応酬の中で2度はたきこまれかけたが、何とか踏ん張り、最後は渡し込みで決めた。「集中してやろうと…。(3度目の立ち合いは)必死でした。(踏み込みは)昨日、一昨日より良かった」。支度部屋で激しく乱れたまげを直してもらいながら、真っ赤な顔で振り返った。

 松鳳山、貴景勝と平幕相手の2連敗で王手をかけ損ねた。「自分で何をやってるんかまったく分からんかった」。優勝争いのトップを走るプレッシャーで攻めの姿勢を忘れ、残り2日で5敗までの16力士に優勝の可能性が残る大混戦を招いた。しかし、土壇場で開き直り、優勝の行方を千秋楽の横綱日馬富士戦のみに持ち込んだ。最高の舞台を作り「幸せなことだと思う」とうなずき「最後の一番に思い切っていくだけです。最後は勝った方が強い訳やから」。3横綱2大関が休場する“大荒れの秋”を、こん身の相撲で締めくくる。

日馬富士(右)は取り組み前に豪栄道から水付けを受ける(撮影・小沢裕)

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理事長、豪栄道と日馬富士のV争い「2人とも立派」

支度部屋で着替えを終え豪栄道(右)より先に引き揚げる日馬富士。優勝は千秋楽の直接対決に持ち越された(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇14日目◇23日◇東京・両国国技館


 ドタバタ劇も収束-。この日、豪栄道と日馬富士が敗れれば、史上ワーストの10勝5敗での優勝の可能性もあり、そうなれば史上初となる朝乃山の新入幕幕尻優勝や、十両に敗れた遠藤にも優勝のチャンスがあった、大荒れの場所。優勝の行方は混沌(こんとん)としたが、終わってみれば落ち着くところに落ち着く結末となる。

 番付社会の大相撲。優勝の可能性が、今場所唯一の横綱-大関戦となり、千秋楽結びの一番を取る横綱日馬富士と大関豪栄道の2人に絞られたことに、協会幹部も胸をなで下ろした様子だ。もちろん若手の活躍は土俵を沸かす要因だが、やはり締めるのは番付上位の横綱、大関陣。3横綱2大関が休場した中、残された2人が優勝をかける状況に、協会トップの八角理事長(元横綱北勝海)は「3敗、4敗と(星的には)悪いとはいえ、最後の最後まで頑張って責任を果たしている。休場者がたくさん出て、どうなるんだろうと、優勝争い(のライン)は下がるだろうとは思ったが、2人とも立派。務めを果たして責任感がある。特に日馬富士。番付通り、やはり力の差だ」と評価した。

 この日、幕内後半戦の審判長を務めた二所ノ関審判部長(元大関若嶋津)も「2人に(優勝争いが)絞られて千秋楽が面白くなってきた」と笑顔。豪栄道の相撲を「よく残した。執念だよ」とほめる一方で、日馬富士についても「1人横綱で、よくここまで頑張ってくれた。横綱の意地があるでしょう」と高く評価していた。

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豪栄道金縛り状態「う~ん」動けずまさかの連敗失速

貴景勝(後方)に、はたき込みで敗れた豪栄道(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館


 豪栄道が悪夢の2連敗で後続との差は1となった。

 押し相撲の貴景勝を立ち合い直後にはたき、後退しながらさらに2、3度はたいたが、逆にはたかれた。緊張の金縛りにあったような取り口に、納得いかない点を問われて「う~ん…全部」。前日の黒星の影響が「多少あったかもしれない」とこぼした。それでも、今日14日目に勝ち、日馬富士と朝乃山が負ければ優勝が決まる。「気合を入れて。悔いのないように」と声を絞り出した。

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日馬富士に自力V復活「1人横綱」覚悟が呼び込んだ

嘉風(右)を破る日馬富士(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館


 横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)に自力優勝が復活した。2差で単独トップの大関豪栄道が敗れ、その後の一番で関脇嘉風を下し1差と迫った。千秋楽では豪栄道との直接対決が確実で、16年名古屋場所以来9度目の賜杯が視野に入ってきた。5敗力士までの16人に優勝の可能性が残る、荒れる秋場所を“1人横綱”が締める。

 日馬富士に賜杯が近づいた。前日の黒星で2差に縮まった豪栄道が目の前で連敗。「自分の立ち合いでいこうと思った」と肩の力は抜けていた。結びの一番は今場所一の低く鋭い踏み込みで、嘉風に頭からぶつかった。左を差して右上手を取り、相手に何もさせずに一気に寄り切った。1差に迫り、支度部屋で優勝を狙うかと報道陣に問われると「もちろん」と即答した。

 土俵に上がり続けてきたからこそ、チャンスは回ってきた。3日目から3連敗すると10日目に今場所4個目の金星を配給。武蔵丸以来16年ぶりの屈辱だった。11日目の朝、部屋での稽古を終えて「何と言ったらいいか…」と迎えの車のドアに寄りかかり悲愴(ひそう)感を漂わせていた。それでも休場の選択肢は選ばなかった。「言い訳はできない。相撲を続けることが大事」と決意した。その後3連勝で踏ん張ると、最大3差だったトップとの差が縮まっていた。

 昭和以降初の3横綱が初日から休場となった今場所は、さらに2大関も休場する緊急事態。だからこそ“1人横綱”の覚悟がある。「続けることが大事。一番一番に対する気持ちは変わらない。勝負ごとなので1人が勝って1人が負ける。何があるか分からない」。今日23日に勝てば、優勝争いは千秋楽で対戦が確実な豪栄道との直接対決にもつれ込む。最後まで勝ち続ければ優勝が手に入る。【佐々木隆史】

 ◆八角理事長(元横綱北勝海)の話 豪栄道は張り差しに行った分、当たりが弱くなった。引いては駄目と意識するほどそうなる。1差になり追い詰められたのでは。こうなれば開き直るだけ。優勝争いとしては面白い。朝乃山も最後まで勝ってほしい。

 ◆幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山)の話 豪栄道は悪い相撲で勝った癖が、ここ一番で出ている。星は有利だが連敗で気持ちは五分では。日馬富士は大逆転の芽が出てきて息を吹き返した。朝乃山の新入幕優勝もないわけではない。

 ◆低レベル優勝 1場所15日制が定着した49年(昭24)夏場所以降、最少勝利数での優勝は11勝4敗で2回しかない。72年初場所の前頭栃東と96年九州場所の大関武蔵丸が記録。なお豪栄道が残り2番●●で5敗になった場合、現時点で5敗までの16人に優勝の可能性がある。ただ、13日目終了時点で2差からの逆転優勝例はなく、データでは豪栄道と4敗の2人の3人に優勝は絞られる。

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豪栄道ばったり3敗「う~ん全部」10歳後輩に完敗

貴景勝(後方)に、はたき込みで敗れる豪栄道(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館


 優勝争いのトップを走る大関豪栄道(31=境川)が急失速した。貴景勝に敗れ、2連敗。残り2日でリードが2差から1差に縮まってしまった。

 取り口は最悪だった。強烈な立ち合いが売り物の、埼玉栄高の10歳後輩を、立ち合いで当たった直後にはたきに行った。その後は逃げるように後退し、必死ではたき続けたが、最後は逆にはたかれ、土俵にばったり両手をついた。何もかもうまくいかない完敗に、土俵上で首をひねった。

 納得いかない点を「う~ん、全部」とこぼした。取り口の硬さを「そうすね」と認めた。12日目に松鳳山に敗れ、2日目からの連勝が10で止まった影響も「多少あったかもしれない」とこぼした。自分の出番前に、後続の4敗力士10人中、7人も負けた。圧倒的な追い風を受けながら、それに乗れないもどかしさがある。

 残り2日で16人に優勝の可能性が残る異常事態。それでも、14日目、貴ノ岩戦に勝ち、11勝3敗とし、4敗の1差で自分を追う2人、横綱日馬富士と新入幕の朝乃山が負ければ、優勝が決まる。優位さを感じさせないムードが漂う中で「気合を入れて、悔いのないように」と自分に言い聞かせるように話していた。

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豪栄道が3敗目、1差に日馬富士と朝乃山 秋場所

<大相撲秋場所>◇13日目◇22日◇東京・両国国技館


 単独トップの大関豪栄道(31=境川)が連敗で3敗目を喫した。前頭5枚目貴景勝(21=貴乃花)をはたいて呼び込んでしまいはたき込まれた。

 10人いた4敗力士は、4敗同士の対戦を制した2人だけが生き残った。横綱日馬富士(33=伊勢ケ浜)が、関脇嘉風(35=尾車)の右上手を引いて一気に出て寄り切り、前頭16枚目朝乃山(23=高砂)は同11枚目大栄翔(23=追手風)を浴びせ倒してともに4敗を守った。

 人気力士の前頭10枚目石浦(27=宮城野)は、同15枚目徳勝龍(31=木瀬)にはたき込まれて3勝10敗とした。前頭14枚目遠藤(26=追手風)は、同8枚目宝富士(30=伊勢ケ浜)に押し出されて5敗目を喫した。

 13日目を終わって3敗は豪栄道、4敗で日馬富士、朝乃山の2人が追い、5敗に嘉風、琴奨菊、阿武咲、千代大龍、貴景勝、宝富士、貴ノ岩、荒鷲、大栄翔、千代丸、大翔丸、魁聖、遠藤の13人が続く大混戦になった。

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる日馬富士(撮影・鈴木正人)

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トップ豪栄道2敗、19年ぶり大混戦演出しちゃった

豪栄道(左)ははたき込みで松鳳山に敗れる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館


 優勝争いトップを走る大関豪栄道(31=境川)が、大混戦を演出してしまった。東前頭4枚目松鳳山にはたき込まれ、2敗目を喫した。自力優勝には「残り3日で2勝」と優位さに変わりはないが、4敗は現在10人。3横綱2大関休場の秋場所が、最後にまた荒れ始めた。

 朝乃山、貴ノ岩、千代大龍の3敗力士3人がそろって負けた。一時は後続との差が2差から3差に開いたが、豪栄道も負けた。松鳳山戦。立ち合いが2度合わず、3度目で立つと、激しい突き押しの応酬になった。左ほおを2度張られ、はたきにいったが、最後は逆にはたき込まれた。

 勝てば、あと1勝で優勝と絶対的優位に立てた一番だった。支度部屋で、右肘に血をにじませながら、言葉少なだった。「う~ん、しっかり当たらないとダメやね」。後手に回ったかと問われて「そうですね」とつぶやいた。八角理事長(元横綱北勝海)は「安全に、勝ちたい気持ちが強すぎたかな。勝てば(優勝が)ほとんど決まりの一番だから、余計に大事と思ったんだろう」と心中を推察した。

 残り3日、後続とは2差のままで、2勝すれば自力優勝できる。ただ2敗すれば、話は別。2差の4敗力士は10人もおり、今後の展開次第で大逆転Vへ、息を吹き返す。新入幕の朝乃山、前半に走った阿武咲、人気者の遠藤、元大関琴奨菊、4連敗から8連勝の嘉風、横綱日馬富士らのうち、千秋楽まで4敗を守った力士による優勝決定戦に巻き込まれる。

 この日は通算出場1000回の節目だった。「そういうのは、今は別にどうでもいい」。残り3日に向けた心境を問われ「気にせず自分の相撲をとることだけを心掛けていきます」と、ほぼ同じフレーズを繰り返し、帰りの車に乗り込む間際に一言こぼした。「攻める気持ちが大事やね」。自分のせいで生まれた混戦模様は、自分の力で制するしかない。【加藤裕一】

 ◆12日目終了時点 単独トップの力士が後続に2差をつけたのは、平成以降で今回が31例目。過去30例のうち、逆転されたのは05年秋の琴欧州(優勝は朝青龍)と99年初場所の若乃花(優勝は千代大海)の2例だけ。データでは豪栄道の優勝確率は93%となる。

 ◆12日目終了時点の混戦 1場所15日制になった49年(昭24)夏場所以降、優勝争いでトップと後続が11人以上いたのは、今場所で6例目。そのうち5例は複数人がトップに立ち、後続との差は1。今場所のように単独トップ-後続と2差の例とピタリ合うのが1例だけある。98年初場所で大関武蔵丸が10勝2敗で単独トップ。後続は4敗の横綱貴乃花ら10人。武蔵丸は14日目に敗れたが1差の12勝3敗で逃げ切った。

 ◆幕内後半戦の山科審判長(元小結大錦)の話 豪栄道は立ちづらそうだった。松鳳山のようなタイプは嫌なんだろう。今後の優勝争いの展開? 分かりません。

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