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稀勢の里、横綱対決制し10勝目も千秋楽へ引き締め

支度部屋から引き揚げる稀勢の里(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇14日目◇22日◇東京・両国国技館


進退を懸けて出場している稀勢の里(32=田子ノ浦)が、鶴竜との横綱対決を制し、2ケタ白星を挙げた。

立ち合いで右から張って左を差したが、上体を起こされる苦しい体勢。一時、両者の動きが止まったが、稀勢の里が左からのすくい投げを打つと、鶴竜を土俵際に追い詰め、最後は休まず攻めて寄り切った。

新横綱だった昨年3月の春場所で横綱戦2連敗後、8場所連続休場を経て、前日13日目の白鵬戦でも敗れており、この日の鶴竜戦が横綱昇進後、初の横綱戦白星となった。

横綱を破っての10勝目で、進退問題解消に大きく前進。それでも、支度部屋では「明日(23日=千秋楽)まだありますから」と、気を引き締めていた。

鶴竜(右)を寄り切りで下す稀勢の里(撮影・河田真司)

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横綱白鵬「価値ある優勝」1000勝&41度目V

白鵬(左)に敗れ悔しい表情を浮かべる豪栄道(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇14日目◇22日◇東京・両国国技館


強い白鵬が復活-。横綱白鵬(33=宮城野)が、史上初の幕内1000勝&41度目優勝を同時達成した。

2敗の大関豪栄道(32=境川)を上手投げで下して、昨年九州以来、5場所ぶりに賜杯を勝ち取った。

横綱になって12年目。苦闘の年だった。初場所では左足親指を痛め、春場所も連続休場。2場所連続休場は初土俵から18年目で初だった。夏場所は皆勤も名古屋場所は4日目から途中休場。今度は右膝を痛めた。1年で3度休場するのも自身初だった。

テレビインタビューでは「無事に終えて優勝できてホッとしています。(今年初の優勝は)うれしいです。年とともにね、ケガも増えましたから。時間かかりましたけど、価値ある優勝だったのかな」と笑顔をみせた。

復活優勝にかけた今場所は8日目に、前人未踏となる横綱800勝、そしてこの日は幕内1000勝と、さまざまな記録で歴代1位を更新した。「場所前から(横綱)800勝、(幕内)1000勝を目標にのぞんだ。上出来。唯一1人の人間になったのだから」と満足げに続けた。

豪栄道(中央)を上手投げで下す白鵬(撮影・河田真司)

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横綱白鵬復活 幕内1000勝&41度目V同時達成

白鵬(左)に敗れ悔しい表情を浮かべる豪栄道(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇14日目◇22日◇東京・両国国技館


強い白鵬が復活-。横綱白鵬(33=宮城野)が、史上初の幕内1000勝&41度目優勝を同時達成した。

2敗の大関豪栄道(32=境川)を上手投げで下して、昨年九州以来、5場所ぶりに賜杯を勝ち取った。

横綱になって12年目。苦闘の年だった。初場所では左足親指を痛め、春場所も連続休場。2場所連続休場は初土俵から18年目で初だった。夏場所は皆勤も名古屋場所は4日目から途中休場。今度は右膝を痛めた。1年で3度休場するのも自身初だった。

ケガの苦しみだけではない。

4月には最愛の父ジジド・ムンフバトさん(享年76)が死去した。レスリング選手として64年東京大会からオリンピック(五輪)に5大会連続出場。68年メキシコ大会では87キロ級で銀メダルを獲得し、同国初の五輪メダリストになった。年に1度開催されるスポーツの祭典「ナーダム」では、モンゴル相撲で6度の優勝するなど、国民的英雄。尊敬する父だっただけにショックは大きかった。

苦しみを乗り越えて復活優勝にかけた今場所は8日目に、前人未踏となる横綱800勝、そしてこの日は幕内1000勝と、さまざまな記録で歴代1位を更新し、健在ぶりを示した。目標は20年東京五輪まで現役を続けること。5場所ぶりの復活優勝。まだまだ白鵬時代は続きそうだ。


豪栄道(中央)を上手投げで下す白鵬(撮影・河田真司)

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白鵬「気持ちよかった」稀勢の里との横綱初対決制す

全勝を守り支度部屋で笑顔を見せる白鵬(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)を寄り切りで下して全勝を守り、41度目の優勝と幕内1000勝に王手をかけた。

立ち合いで右で張って左を差して一気に前に出て、最後はもろ差しになって寄り切った。

対戦は負けた昨年初場所以来だが、稀勢の里が昨年春場所に横綱昇進してからは初めて。初めての綱横綱同士の対決を制して「いい緊張感で土俵を務めました。気持ちよかったです」と話した。

稀勢の里(右)を寄り切りで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里、悔しい…10場所ぶり白鵬との対戦は完敗

支度部屋で悔しそうな表情を見せる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館


稀勢の里(32=田子ノ浦)は、白鵬との横綱昇進後、初対戦で完敗した。

立ち合いで張られると、すぐに相手に左を差された。けんか四つの相手に、左は固めて差し手争いを展開したがねじ込まれ、もろ差しを許して寄り切られた。

昨年1月の初場所以来、1年8カ月、10場所ぶりの対戦。稀勢の里が横綱に昇進した昨年3月の春場所は、白鵬が休場しており、その後は稀勢の里が8場所連続休場。横綱同士としては初対戦となったが、見せ場なく7秒5で敗れた。支度部屋では、報道陣の質問に終始無言だった。

稀勢の里(左)を寄り切りで下す白鵬(撮影・河田真司)

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栃ノ心が敗北「クソッ」ジョージア語わめき怒り爆発

正代にすくい投げで敗れ悔しそうな表情を見せる栃ノ心(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇両国国技館


大関栃ノ心(30=春日野)が追い込まれた。かど番脱出にあと1勝で迎えた正代戦。

昨年初場所は5日目に負け、右膝を痛めて途中休場し、今年も春場所で負け、右肩を負傷、夏場所も負け、右手首を痛めた因縁の相手にすくい投げを食った。怪力を生かした右四つが得意だが、右下手を2度切られ、右を深く差されて、左上手をとらせてもらえず、最後は体が伸びて、土俵に落ちた。

自分への怒りからか、支度部屋に戻るや「クソーッ!」と絶叫。風呂場でも、ジョージア語らしき言葉でわめき、物がぶつかる音が聞こえた。かど番脱出へのプレッシャーに「ダメですね。もうダメですね」と弱音をはく。残り2番。14日目の阿炎戦、千秋楽で有力な高安戦。どちらかに勝てば、かど番脱出だが「やれるかどうかわからんよ」と、最後まで景気のいい言葉はなかった。

栃ノ心(左)はすくい投げで正代に敗れる(撮影・小沢裕)

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稀勢の里、横綱同士で初対戦の白鵬に完敗

稀勢の里(奥)を寄り切りで下す白鵬(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇東京・両国国技館


9場所ぶりの皆勤を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、横綱白鵬(33=宮城野)に寄り切られ、10勝目到達はお預けとなった。横綱に昇進した昨年3月の春場所から1年半、両者の対戦はなかった。横綱同士として初対戦。白鵬に貫禄を見せられた。

白鵬は13戦全勝と今年初となる41度目の優勝に前進した。

全勝を守った白鵬は懸賞を手にする(撮影・小沢裕)

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元横綱朝青龍のおい豊昇龍 大鵬孫納谷破り勝ち越し

納谷(左)をくび投げで下す豊昇龍(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇13日目◇21日◇両国国技館


元横綱朝青龍のおい、東幕下56枚目豊昇龍(19=立浪)が元横綱大鵬の孫、東下60枚目納谷から初白星を挙げ、7番相撲で勝ち越しを決めた。

「やっと勝ち越せました。うれしかった」と同学年のライバルには、初場所の前相撲、春場所の序ノ口と2戦2敗。3度目の“横綱DNA対決”も立ち合いから押し込まれたが、逆転の首投げで、納谷を豪快にひっくり返した。「下まわしをとろうと思ってとれなくて…。(首投げは)迷わずいきました。(危なかったけど)勝つという気持ちが強かったので」。

11日目に3連敗を喫し、3勝3敗で納谷と星が並んで時点で、この日の対決を予想していた。「場所でまだ勝ったことがないので、絶対に勝とうと思った。前相撲の時は『次は勝ちます』と言って、前負けた時は『次は絶対に勝ちます』と言いましたよね?」。予告通りの三度目の正直に声が弾む。来場所は幕下でさらに番付が上がる。「とりあえず、もうちょっと体をでかくして、がんばります」。115キロから増量し、持ち前のスピードに加え、パワーアップを目指す。

納谷にはじめて勝った豊昇龍は報道陣に囲まれて笑顔を見せる(撮影・小沢裕)

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292・6キロの大露羅引退 思い出の一番は白鵬戦

笑顔で締めくくる大露羅(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇12日目◇21日◇東京・両国国技館


秋場所限りで引退する歴代最重量力士の西序二段12枚目大露羅(35=山響)が、東三段87枚目樹龍を寄り切りで破って、相撲人生最後の一番を白星で締めくくった。

ロシアから来日し、00年春場所で初土俵を踏んでから18年。角界一の大食漢として知られ、体重で注目を浴びた。17年8月には、元大関小錦の255キロを超える288キロを計測して史上最重量力士となり、今年8月には自身の記録を更新する292・6キロを計測した。現在は、場所前に少し落としたといい「288キロぐらい。おにぎり食べなかったらすぐやせました」と言って報道陣を笑わせた。

最高位は11年の東幕下43枚目ながらも、先代師匠の故北の湖親方(元横綱)の付け人を務めた。入門当初は「『北の湖って誰?』って思っていた」という。ただ時間の経過とともに「こんなにすごい人なんだなと思った」と驚いた。そして「かわいがってもらった。どこに行くにも自分を連れて行ってくれた。お父さんみたいだった。自分が若い時に父を亡くして、その時に『おやじって呼んでいいですか』って聞いたら、小さい声で『いいぞ』って言ってくれて泣きそうになった」と思い出を明かした。

思い出の一番は、01年秋場所での白鵬戦だ。史上最多の幕内優勝40回を誇る白鵬も当時はまだ序二段で、小さかった白鵬を浴びせ倒しで下した。「あれは忘れない。細い体だったけど目は光っていた。細い体だったけど、何でこんなに力があるんだろうと思った。そしたら一瞬で力つけていきましたね」と振り返った。

引退後は、ロシアに帰国する。それでも「35歳までやって日本は第2の故郷。また来ます」と宣言。「日本人の若い人は、何で相撲をやらないんだろう。日本の文化なのに」と少し寂しそうに言った。

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稀勢の里きょう初 白鵬と綱対決 最も燃える相手

御嶽海(右)を寄り切りで下す稀勢の里(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


9場所ぶりの皆勤を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、先場所優勝の関脇御嶽海を破り、9勝目を挙げた。27秒3の大相撲の末、苦しみながらも寄り切った。元横綱日馬富士を抜き、歴代単独6位の幕内通算713勝目。今日13日目は横綱白鵬と対戦する。横綱に昇進した昨年3月の春場所から1年半、両者の対戦はなかった。両雄が横綱同士として初対戦する。

万全の形になるまで27秒3を要した。稀勢の里が左を差して右上手を引き、土俵際に追い詰めると、身動きの取れない御嶽海から一発逆転を狙う気力さえも奪った。観念したように静かに土俵を割らせた。7月の名古屋場所で初優勝した若手を、じっくりと攻めて、経験の差を見せつけた。今場所9勝目は日馬富士を超える幕内通算713勝目。先場所まで8場所連続休場だけに、疲労を問われたが「あと3日ですから」と意に介さず。落ち着いて取れたか尋ねられ「まあそうですね」と静かに語った。

これで9勝目。引退危機回避に近づいた。年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱で、6場所以上連続休場したのは過去4人。その中で、復帰場所の白星が最少だった柏戸の9勝に追いついた。柏戸は6場所連続休場後、3度優勝した実績があるだけに、名実共に復活に近づいた。

今日13日目は最も燃える相手、白鵬と対戦する。稀勢の里が昨年3月の春場所で昇進後、ともに横綱として対戦するのは初。新横綱場所は稀勢の里が優勝したが白鵬が休場。その後は稀勢の里が8場所連続休場していた。この日、白鵬戦について無言を貫いた本人に代わり、師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「横綱だから全力でいける」と真っ向勝負を誓っていた。

7月の名古屋場所前に出稽古先が重なり、三番稽古を行うなど2日連続で胸を合わせた。三番稽古は2勝8敗だったが「目覚めた感じがする」と、9場所ぶりに勝ち越した今場所の足がかりとなった。初対戦から足かけ13年。現在は3連勝中の好敵手との取組が、稀勢の里をもう1段階、復活へ近づける。【高田文太】

御嶽海を下し、大量の懸賞金を抱えて引き揚げる稀勢の里(撮影・河野匠)

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稀勢の里が日馬富士超え713勝、慌てず御嶽海下す

御嶽海(左)を寄り切って下した稀勢の里(撮影・河野匠)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、先場所優勝の関脇御嶽海を破り、9勝目を挙げた。立ち合いは右で張った。だが頭をつけて右上手を引きながら左回りに動き続ける御嶽海に、上体を起こされた。不利な体勢に、稀勢の里は左からのすくい投げを連発。徐々に体勢を整え、勝機を待った。万全の形になるまで27秒3を要した。最後は左を差して右上手を引き、土俵際に追い詰めると、身動きが取れず観念したような御嶽海を、静かに寄り切った。

日馬富士を超える幕内通算713勝目。落ち着いて取れたか問われると「まあそうですね」と静かに語った。2ケタ白星をかけて、13日目は全勝の横綱白鵬と対戦。昨年3月の春場所で稀勢の里が横綱に昇進し、優勝したが、同場所は白鵬が休場。横綱同士で初めて対戦することになる。

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かど番栃ノ心5敗…因縁の正代戦へ「大事な3日間」

白鵬に敗れた栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇12日目◇20日◇東京・両国国技館


大関栃ノ心(30=春日野)が横綱白鵬にすくい投げで敗れ、7勝5敗。かど番脱出を決められなかった。立ち合いから左でまわしを引いたが、前に出た瞬間を狙われ、土俵に落ちた。

「左でいいとこ、とれたんだけどな」と残念そうだ。

それでも、残り3日で1勝すれば勝ち越しが決まる。13日目は正代戦。因縁の相手だ。合口は5勝4敗1不戦敗とほぼ五分で、昨年初場所は5日目に負け、右膝を痛めて途中休場した。今年も春場所で負け、右肩を負傷。夏場所も負け、右手首を痛めた。「大事な3日間です」。死力を尽くし、白星を取りに行く。

白鵬(左)にすくい投げで敗れる栃ノ心(撮影・河田真司)
栃ノ心(手前)をすくい投げで下す白鵬(撮影・河野匠)

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白鵬全勝、単独トップ「綱総崩れ」阻止

立ち合いで白鵬(右)の指が目に入る高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇11日目◇19日◇東京・両国国技館


横綱白鵬(33=宮城野)が、1敗の大関高安を押し倒しで下して全勝を守り、単独トップに立った。前の一番で全勝の鶴竜、2敗の稀勢の里が負けたため、自身が負ければ84年春場所以来となる3横綱総崩れを、結びの一番で阻止。今年初の優勝、残り3勝に迫った幕内1000勝へ突き進む態勢は整った。

異様な雰囲気が結びの一番を包み込んだ。前の取組で2横綱が連敗。負ければ84年春場所以来34年ぶりの3横綱総崩れだっただけに、白鵬にかかる重圧は大きかった。1度目の立ち合いは高安につっかけられて、2度目の立ち合いは呼吸が合わず、互いに手を着けられないでいると自ら嫌った。3度目の立ち合いは成立。右の張り手は高安の顔をかすめたが、動きが止まった相手を両腕でかち上げるようにして一押しで押し倒した。

土俵の上での雰囲気を引きずるかのように、支度部屋では口数が少なかった。質問に対して「そんな感じ」「かなぁ」と相づちを打つ返事ばかり。モヤモヤしたか? と問われると「まぁ、勝ちは勝ちですから」と声を振り絞るように言った。

浮かない白鵬だったが、世界的ストライカーが元気づけてくれた。帰り際、観戦に訪れたサッカーJ1神戸の元ドイツ代表FWポドルスキと談笑した。昨年10月の大阪巡業で初対面して以来2度目の対面で「神戸牛はいっぱい食べた?」などと笑顔で質問するなど、終始穏やかな表情。サイン入りのドイツ代表のセカンドユニホームをもらうと、がっちり握手を交わした。約5分間の談笑後には「(今日は)良いところを見せられたな」と満足感たっぷりの表情だった。

秋場所は15年途中休場、16、17年は全休で「暑いのが苦手」と、名古屋場所での疲れと残暑に毎年苦労した。それでも今場所は「先場所途中休場の勢いがあるから」と力が有り余っているという。それだけに昨年九州場所以来、今年初の優勝へ闘志を燃やす。唯一の全勝横綱は「一番一番、今度は引っ張っていくだけです」と責任感を口にした。【佐々木隆史】

観戦に訪れた神戸FWポドルスキ(右)からユニホームをプレゼントされ笑顔を見せる白鵬(撮影・河野匠)

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稀勢の里、勝ち越しは最低ライン「これから」師匠

遠藤(右)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しを決めた。西前頭3枚目の遠藤と3度立ち合いが合わなかったが、今場所最短2秒3で寄り切り快勝。元横綱日馬富士と並ぶ、歴代6位タイの幕内通算712勝目を挙げた。年6場所制となった1958年(昭33)以降の横綱では、歴代最長の8場所連続休場から進退を懸けて出場した場所で、引退危機回避へ最低ラインは死守した。

立ち合い不成立が3度も続き、緊張感は極限に達していた。4度目の立ち合いで、稀勢の里は不成立の3度目に続いて右で張って前に出た。遠藤の出足を鈍らせると、すかさず左を差して胸を合わせ、一気に寄った。相手に何もさせず、わずか2秒3で快勝。1年半ぶりの勝ち越しを決めた勝ち名乗りは、口を真一文字に結んでかみしめた。

取組後は遠藤とともに審判部に呼ばれ、手つき不十分な立ち合いについて口頭で注意された。立ち合いのたびに緊張感が増す状況にも「集中して、しっかりと相撲を取ろうと思っていました」と振り返った。5連勝した序盤戦は逆転での辛勝が多かったが、大関栃ノ心に快勝した前日9日目に続き、内容も伴ってきた。

15歳で入門後、間もなく付け人を務めた兄弟子の西岩親方(元関脇若の里)から、休場中にかけられた言葉を胸に復活を目指してきた。「稽古場でかっこつけたらダメだ。横綱でも泥だらけになって、頭をぐちゃぐちゃにして稽古するのが一番かっこいいんだ」。夏巡業、今場所前の出稽古などで、時にはボロボロになりながら精力的に上位と相撲を取った。その間、関取衆と203番(156勝47敗)。大関豪栄道に3勝8敗など、不安を残す日もあった。それでも初日の3日前に「しっかり準備ができた」と言い訳せず、退路を断って出場を表明した。

西岩親方は故人の先代鳴戸親方(元横綱隆の里)の言葉を思い出していた。入門当初、稀勢の里について師匠は「あれは将来、大物になる。お前が稽古をつけてやれ」と語ったという。当時の西岩親方はその後、約3年も三役に定着。西岩親方は「三役と新弟子だから力の差は歴然。その中で1日100番近く、泣きながら稽古しても絶対に弱音を吐かなかった」と振り返る。苦しくても黙って耐えて逃げ出さない。進退を懸けると明言して出場した今場所の姿と重なっていた。

これで日馬富士と並ぶ幕内通算712勝目。終盤戦5連敗などでなければ引退危機は回避といえる状況となった。師匠の田子ノ浦親方(元前頭隆の鶴)は「まだまだこれから。勝ち越しが目標じゃないので」と、口数の少ない本人の思いを代弁した。引退危機の完全消滅へ、さらに勝ち続けるつもりだ。【高田文太】

取組後、審判部に呼ばれ藤島親方を待つ稀勢の里(左)と遠藤(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里9場所ぶり給金、鶴竜、白鵬ダメ押し全勝 

逸ノ城(後方)を寄り切りで破る白鵬(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


進退を懸けている横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、9場所ぶり勝ち越しを決めた。

前頭3枚目遠藤(27=追手風)を右張り差しから左四つに組み止めて寄り切り8勝目を挙げた。勝ち越しは、2度目の優勝を果たしながら8場所連続休場の原因となったケガをした昨年春場所以来となる。遠藤は9敗目となった。

横綱白鵬(33=宮城野)は関脇逸ノ城(25=湊)を寄り切って10連勝を飾った。勝負決定後、右手で押してダメを押した。

横綱鶴竜(33=井筒)も関脇御嶽海(25=出羽海)を寄り切って連勝を10に伸ばした。御嶽海は4敗目で、大関とりへ負けられない状況となった。

1敗の大関対決は高安(28=田子ノ浦)が豪栄道(32=境川)をかいなひねりで制した。かど番の大関栃ノ心(30=春日野)は前頭筆頭の魁聖(31=友綱)を寄り切って6勝4敗とした。

10日目を終わって勝ちっ放しは白鵬、鶴竜、1敗で高安、2敗で稀勢の里、豪栄道、前頭13枚目竜雷(27=高田川)同13枚目貴ノ岩(28=貴乃花)が追っている。

逸ノ城(後方)を寄り切りで破る白鵬(撮影・狩俣裕三)
鶴竜(左)に寄り切られる御嶽海(撮影・狩俣裕三)
遠藤(右)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

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稀勢の里8勝で窮地脱出「しっかり相撲を取ろうと」

支度部屋で記者の質問をじっと聞く稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりに勝ち越しを決めた。

西前頭3枚目の遠藤との立ち合いは、手つき不十分などで3度続けて不成立。4度目の立ち合いは右で張って左を差し、一気に寄り切った。左大胸筋痛などで、先場所まで8場所連続休場から、今場所は進退を懸けて出場し、最低限の目標をクリアした。

支度部屋で、これまでと変わらず口数の少なかった稀勢の里は「集中して、しっかりと相撲を取ろうと思っていました」と、立ち合いを振り返っていた。

全取組終了後に審判部に呼び出された稀勢の里は口をとがらせながら支度部屋に戻る(撮影・河野匠)
遠藤(左)と稀勢の里は3度目の立ち合い不成立で仕切り直しとなる(撮影・河野匠)

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進退懸けた横綱稀勢の里、9場所ぶり勝ち越し

遠藤(右)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・狩俣裕三)

<大相撲秋場所>◇10日目◇18日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、前頭3枚目の遠藤を寄り切って勝ち越しを決めた。

2場所連続優勝を飾った昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの給金となった。

立ち合い3度の仕切り直しとなったが、立ち合いから左を差して右で相手の左手を抱えて一気の寄り。危なげない取り口で幕内712勝目を挙げ、元横綱日馬富士と並び史上6位で現役2位となった。

進退を懸けて臨んだ秋場所で、まずは第一関門をクリアした。

稀勢の里(手前)に一方的に寄り切られる遠藤(撮影・河野匠)

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稀勢の里、貴乃花親方が絶賛「今場所一番の気迫」

栃ノ心(左)を寄り切りで破った稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しに王手をかけた。同場所から1年半遠ざかっていた大関戦で栃ノ心を寄り切り。得意の左四つに持ち込むと、怪力相手にも力勝負で負けなかった。負ければ今場所初の連敗となる危機を脱し、7勝2敗とした。

今できるすべてを出し切って、稀勢の里が勝った。3横綱の先陣を切って組まれた大関戦は、今場所最多50本の懸賞がついた結びの一番で行われた。見せ場なく敗れた、中日の玉鷲戦ではできなかった、頭からぶつかる立ち合いで先手を取った。けんか四つの栃ノ心に、左をねじ込むと右上手を引いた。互いに左下手を取ると、怪力大関に何度も下手投げを打たれたが腰を落として我慢した。焦らず、じわじわと土俵際に追い詰めて寄り切り。9日目にして、攻守一体となった本来の勝ち方で勝った。

取組前から落ち着いていた。玉鷲戦は、立ち合いに圧力のある相手を意識しすぎ、1度目は突っかけた。だが、立ち合いの低さ、鋭さなら負けない栃ノ心には、思い切り頭からぶちかました。支度部屋では「頭から当たって良い流れだったが」という報道陣の質問に「うん」と言って、うなずいた。納得の内容だった。審判として土俵下から見守った貴乃花親方(元横綱)も「表情も落ち着いていて頼もしい。今場所一番の気迫だった。左を差して自分の形。攻められても慌てない。とにかく威力、実力がある」と絶賛した。

3連敗中と得意とはいえない栃ノ心に、真っ向勝負を仕掛けた。直近は昨年名古屋場所で、当時平幕の相手に金星を配給した。5月の夏場所前は、稽古総見で勝てずに2連敗。翌日に出稽古に訪れたが2勝9敗と返り討ちにあい、夏場所休場を決める要因となった。得意の形に持ち込んでの快勝は最高の雪辱となった。

今日10日目は平幕遠藤の挑戦を受ける。「やるべきことを、しっかりとやっていきたい」。7日目まで逆転に次ぐ逆転で白星を拾ってきた稀勢の里に、先手、先手のパターンも戻った。勝ち越した先が、少しずつ見えてきた。【高田文太】

栃ノ心(左)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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八角理事長「あれが効いた」稀勢の里の勝因を分析

栃ノ心(左)を寄り切りで破る稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しに王手をかけた。同場所から1年半遠ざかっていた大関戦で栃ノ心を寄り切り。得意の左四つに持ち込むと、怪力相手にも力勝負で負けなかった。負ければ今場所初の連敗となる危機を脱し、7勝2敗とした。

八角理事長(元横綱北勝海)のコメント 稀勢の里は下手を取ったのが大きい。あれが効いた。焦った栃ノ心は下手投げを連発して寄られるきっかけを作ってしまった。御嶽海は立ち合いからまわしを取られたのが敗因。(3敗目で大関昇進に)苦しくなった。

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稀勢の里9場所ぶり勝ち越しへ「やるべきことやる」

2敗を守った稀勢の里は懸賞の束を受け取る(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、大関栃ノ心を寄り切り、優勝した昨年3月の春場所以来、9場所ぶりの勝ち越しまで、あと1勝とした。

立ち合いで頭からぶつかると右の上手、左の下手を取る得意の形に持ち込んだ。相手の繰り返しの下手投げは、腰を落とし、胸を合わせて威力を半減。焦らず、じっくりと攻めきった。関脇以上に休場者が出なければ、10日目は最後の平幕との対戦となる西前頭3枚目の遠藤が相手。「やるべきことを、しっかりとやっていきたい」と、快勝にも気を引き締め直していた。

支度部屋を引き揚げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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元朝青龍おい豊昇龍2連敗も「大丈夫です」

一木(右)に寄り倒しで敗れる豊昇龍(撮影・河田真司)

<大相撲秋場所>◇9日目◇17日◇両国国技館


元横綱朝青龍のおい、東幕下56枚目豊昇龍(19=立浪)が2連敗し、3勝2敗となった。西幕下52枚目一木(24=玉ノ井)を立ち合いから押し込んだが、残され、土俵際で体を預けられて寄り倒された。

立ち合いは悪くなかったようで「当たってそのまま行きたかったけど、残されちゃいました」。一瞬、はたきが入り、引いたように見えたが「引いてないです」。2敗、また連敗は序ノ口デビューした春場所から4場所目にして初めて。「大丈夫です。切り替えて、次の相撲に集中しますから」とハキハキとした調子で話し、落ち込んだ様子はなかった。

一木(後方)に寄り倒しで敗れた豊昇龍(撮影・鈴木正人)
寄り倒しで一木に敗れた豊昇龍(撮影・小沢裕)

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高安「体が動いている」昨年の春場所以来の7戦全勝

懸賞金の束を手に土俵を引き揚げる高安(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇7日目◇15日◇東京・両国国技館


大関高安(28=田子ノ浦)が無敗を守った。

全敗の小結玉鷲(33=片男波)との一番。立ち合いでかち上げ、右を差してまわしに手が届いたが、玉鷲が右へ回り込んで手が離れた。下から突っ込んできた相手を左にかわしてはたき込み。内容を問われると「どういう形だったか覚えていないけど、圧力はかけられた」とうなずいた。

全勝で中日を迎えるのは昨年の春場所以来4回目。兄弟子の横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が進退を懸ける場所として注目される中、好調を維持している。「体が動いている。場所前からしたらいいんじゃないですか」と淡々と語って支度部屋を後にした。

高安ははたき込みで玉鷲を下す(撮影・小沢裕)

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炎鵬が十両で初の連勝、体重増で「全然疲れがない」

<大相撲秋場所>◇7日目◇15日◇両国国技館


人気小兵力士の炎鵬(23=宮城野)が十両で初の連勝を決めた。左足捻挫で3日目から休場、この日から途中出場の青狼に対し、慎重に距離をとりながら、押し出した。「相手が休場明けで見てくるだろうと。中に入りたかったけど、入れずに…。うまく対応できました」。4勝3敗と、白星先行も十両で初だ。

新十両の春場所は4勝11敗で幕下に陥落した。3場所ぶりの再十両は、ひと味違う。体重は春場所時の94キロから「ご飯を食べた後は100キロ超えて、土俵に上がる時はアンダー100という感じ」にまで増えた。「前はこの時点(7日目)でもうヘロヘロでしたけど、全然疲れがない。慣れもあるでしょうし、日に日にパワーアップしている感じ」と胸を張れるほど、コンディションは段違いだ。

前回は関取ならではの締め込みにも苦労した。幕下までの木綿の黒まわしから、絹製へ。フィット感の良さが小兵力士には仇(あだ)になり、締め方次第で呼吸が苦しくなったり、動きにくくなったり。「最後まで位置が決まらなかった」。一時は巻き方を4周から3周にするか悩んだ。しかし、結局4周のままにして「ようやく慣れました。後は相手の締め込みへの対応だけ」と話した。

残り8日。「今度は初の3連勝? どんどん行きたいですね」。勝ち越して、十両に止まる。当面の、最低限の目標クリアへ、全力を尽くす。

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豊山が休場、稀勢の里戦で敗れ左肘を負傷

11日、稀勢の里(右)に投げを仕掛ける豊山


大相撲の東前頭2枚目、豊山(24=時津風)が秋場所5日目の13日、休場した。師匠の時津風親方(元幕内時津海)によると、3日目(11日)の横綱稀勢の里戦で敗れた際に左肘を負傷したという。同親方は「本人は数日間で痛みが治まれば再出場したいと言っている」と述べた。

4日目まで全敗の豊山の休場は、2016年春場所の三段目最下位格付け出しでの初土俵以来初めて。5日目の対戦相手、大関豪栄道は不戦勝。

東農大出身でホープの豊山は先場所12勝を挙げ、今場所で自己最高位に躍進した。今場所の十両以上の休場は3人目となった。

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稀勢の里、流血のち笑った 3横綱29年ぶり4連勝

魁聖との取組で鼻血を流す稀勢の里(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇4日目◇12日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、流血しながらも無傷の4連勝を飾った。西前頭筆頭の207キロ魁聖を、得意の左四つで寄り切った。魁聖戦は12戦全勝となった合口の良さに後押しされ、幕内で2番目に重い相手を撃破。支度部屋では今場所初めて、一瞬ながら表情を緩めた。鶴竜、白鵬を含め3横綱が4連勝。89年春場所で北勝海、千代の富士、大乃国が11連勝して以来、29年ぶりに3横綱が初日から4連勝とした。

我慢、我慢の土俵人生を象徴するように、稀勢の里はじっくりと勝機を探っていた。立ち合いですぐに左をねじ込み、胸を合わせて前に出た。だが相手は207キロの魁聖。簡単には寄り切れない。相手の攻めをしのぎつつ力を蓄え、右上手を引くと、一気に寄り切った。相手の胸にうずめていた顔を上げると、鼻と口から出血していた。58秒8に及んだ大相撲を制し、紅潮した顔と体、流血で体中が真っ赤になっていた。

多くの親方衆や解説者らが、序盤5日間でどれだけ白星を拾えるかをカギとして挙げていた。ふたを開けてみれば4連勝。「1つ1つ、やっていきたいと思います」などと、初日から変わらず少ない口数の中に、翌日以降の決意を込めた。ただ、これまでと違ったのは報道陣への対応を終えた後だった。付け人らと話すと一瞬、笑顔を見せた。「1日一番、しっかり集中して、明日やっていきたい」と気の緩みはない。だが自然に安堵(あんど)の思いが表情に出た。

約2年ぶりの対戦となった魁聖には、これで12戦全勝となった。今場所、対戦が予想される力士で、初顔合わせを除けば唯一、無敗の相手。負ければ周囲から衰えを指摘されやすいだけに、かえって重圧のかかる状況だった。とはいえ長く幕内最重量の座に就く、今場所227キロの関脇逸ノ城には2連敗中。稀勢の里が200キロ超に勝つのは、昨年1月21日の初場所14日目に逸ノ城を破って以来、599日ぶりだった。その逸ノ城戦は、初優勝を決めた思い出の一番でもあった。

何度もはね返された末に、初めて賜杯の重みを感じた日から今日5日目で600日。その時に匹敵する重い相手を破り、他2人の横綱と賜杯を争う舞台に立ちたい思いが湧いても不思議ではない。【高田文太】

魁聖(左)を寄り切る稀勢の里(撮影・河野匠)

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3横綱初日から4年ぶり3連勝、4連勝は89年以来

勢(手前)を上手出し投げで破る白鵬(撮影・鈴木正人)

<大相撲秋場所>◇3日目◇11日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を目指す横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、連日の大逆転で3連勝を飾った。横綱鶴竜、白鵬も3連勝した。

3横綱が初日から3連勝するのは14年秋場所の白鵬、鶴竜、日馬富士以来4年ぶり。先場所は途中休場を含め、3人全員が休場したが、ここまでは最高位の責任を果たしている。この日、横綱1番手で登場した白鵬は魁聖を下手投げで仕留め「(他の横綱から)時には刺激をもらい、今日は先に土俵に上がったので落とさないぞという思いだった。お客さんが喜んでいるのでは」と納得の口調。鶴竜は「まだまだ始まったばかり」と気を引き締めた。3横綱が初日から4連勝となれば11連勝した89年春場所の北勝海、千代の富士、大乃国以来29年ぶりとなるが、結果やいかに。

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稀勢の里2連勝「集中…」支度部屋で繰り返した呪文

貴景勝(右)を突き落としで下す稀勢の里(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇2日目◇10日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から復活を狙う、横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、小結貴景勝を突き落としで破り、初日から2連勝を飾った。

立ち合いから防戦一方の展開。押し込まれ、いなされて前のめりになったが、俵に右足をかけて半身で受け止めてしのぐと、左のど輪をはらった流れで、前のめりに両手をつかせた。

優勝した昨年3月の春場所以来の連勝発進。場内の大歓声にも冷静さを失わず、支度部屋では「集中してやりました」と繰り返した。3日目は東前頭2枚目の豊山との初顔合わせを控えるが「またしっかり集中してやります」と、少ない言葉の中に、集中力を重視している様子をうかがわせた。

貴景勝(右)を突き落としで下す稀勢の里(撮影・小沢裕)
支度部屋を引き揚げる稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里、父助言の断食で肉体改造 237日ぶりの白星

初日を白星で飾った稀勢の里は懸賞を手にほっとした表情を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


8場所連続休場から、進退を懸けて臨んだ横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、白星発進した。左を差す得意の形で、東前頭筆頭の勢を寄り切る完勝。本場所の白星は1月の初場所2日目で北勝富士に勝って以来、237日ぶり。4連敗中と鬼門だった初日としては、休場前最後の皆勤で、優勝した昨年3月の春場所以来、実に546日ぶりだった。断食による肉体改造などにも着手し、復活への道を探り続けている。

進退の懸かる場所で、稀勢の里は歯を食いしばって前に出続けた。立ち合いは左胸に、勢に頭からぶつかられた。8場所連続休場の主な要因は左大胸筋損傷。左胸に力が入らず、生命線の左が生きなかった。だがこの日は、全身でぶつかってきた勢に押されない。むしろ左を差してまわしを取り、相手もろとも土俵下まで落ちるほど、鋭い出足で一気に寄り切った。間違いなく稀勢の里は強かった。

割れんばかりの大歓声が両国国技館を包んだ。それでも目を閉じ、静かに勝ち名乗りを受けた。支度部屋に戻っても、笑顔すら見せなかった。「まあ、集中してやりました。やることをしっかりやって、自分の力を出すだけです」。朝稽古は完全非公開。勢とは取組前まで15勝1敗ながら、最後に対戦した昨年7月の名古屋場所では敗れ、その後、途中休場に追い込まれた。何より横綱昇進後、最初の場所となった昨年春場所で勝って以降、4連敗中と苦手の初日。過度な緊張を避け、平常心を保つことだけを取組前も取組後も努めた。

肉体も改造した。左大胸筋の損傷について、父貞彦さんは「当初は30%の力も出なかった。今は70%ぐらいには戻った」と明かす。筋力を戻すために、取り入れたのが断食だった。元アマチュアボクサーの貞彦さんは「けがを治すには強い細胞が必要。細胞から生まれ変わるには断食が最適」と、本などを使って科学的な根拠を示し、稀勢の里に断食の必要性を説いた。体を大きくするのが仕事の力士には珍しく、約1カ月に1日、ほぼ何も食べない日をつくり、その後も段階的に食事量を戻す手法を取り入れた。体重増による体への負担増の解消も兼ねた。8場所連続休場が始まった昨年5月の夏場所で184キロだった体重を、じわじわと176キロまで落とした。

けがに強い、回復力のある体を土台に、7月末から約1カ月続いた巡業を昨秋以来、完走した。復活できる下地はあった。それでも稀勢の里は「今日は今日で明日は明日」と浮かれない。年6場所制となった1958年以降の横綱として、歴代最長の休場明け。奇跡の復活へ、大きな第1歩が刻まれた。【高田文太】

勢(右)の攻めを耐える稀勢の里(撮影・鈴木正人)

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栃ノ心400勝発進「怖さない」踏み込み不安も解消

初日を白星で飾り懸賞を手にする栃ノ心(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


大関栃ノ心(30=春日野)が、かど番脱出へ幕内通算400勝目でスタートした。

西前頭2枚目千代大龍(29=九重)から得意の左四つを奪い、一方的につり出し。「だいぶよかったね」と内容にも好感触だった。

先場所7日目の玉鷲戦で小手投げを食らった際に、右足親指付け根を負傷して8日目以降を休場。夏巡業や1週間前の稽古では踏み込みに不安を感じていたが、この日は「怖さがなくなった」と力強さを取り戻した。

現行のかど番制度となった1969年(昭44)名古屋以降、大関2場所目でかど番を迎えるのは00年秋場所の元大関雅山(現二子山親方)以来18年ぶり8人目。翌場所も負け越して大関から陥落したのは、過去には元大関武双山(現藤島親方)だけ。11年春場所で千代大海が休場、翌場所全休したが、公傷制度(当時)によって陥落しなかった。

千代大龍(左)をつり出しで破る栃ノ心(撮影・鈴木正人)

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稀勢の里、白星発進も「今日は今日で明日は明日」

初日を白星で飾った稀勢の里は懸賞を手にほっとした表情を見せる(撮影・小沢裕)

<大相撲秋場所>◇初日◇9日◇東京・両国国技館


横綱稀勢の里(32=田子ノ浦)が、東前頭筆頭の勢を寄り切りで破り、1月の初場所2日目の北勝富士戦以来、237日ぶりに本場所で白星を挙げた。

立ち合いから左を差すと、右を抱えて一気に寄った。相手もろとも土俵下まで落ちる、気迫を前面に出した取り口で、4連敗中と苦手の初日を飾った。

支度部屋に戻っても笑顔はなく「まあ、集中してやりました」と静かに話し、汗をぬぐった。勢にはこれで通算16勝1敗。2日目は過去1勝2敗と、得意とはいえない小結貴景勝の挑戦を受ける。「今日は今日で明日は明日」と切り替え、新横綱として優勝した、昨年3月の春場所以来となる連勝発進へと視線を向けていた。

初日を白星で飾った稀勢の里(左)は支度部屋で大勢の報道陣に囲まれる(撮影・小沢裕)

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