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元貴闘力が怒りの喝「付け人制度の即刻廃止」

角界へ「喝」を入れた元貴闘力の鎌苅忠茂氏

幕内力士・貴ノ岩(28=千賀ノ浦)が付け人の力士を暴行した事件に関して元関脇貴闘力の鎌苅忠茂氏(51)が大激白した。昨年10月には元横綱日馬富士から暴行を受けた貴ノ岩が加害者となった事態に対して「自覚不足、時代錯誤、付け人制度の即刻廃止」の持論を展開した。

またも角界を揺るがす暴力事件に元貴闘力が怒りの「喝」を下した。被害者が今度は加害者という異常事態に「自覚がない。それに尽きる。理由は何だろうが付け人だろうが、たたいたら問題になる。許される時代じゃないんだよ」。貴ノ岩の自覚欠如、時代錯誤を強い口調で一喝した。

元貴闘力が激白したのは角界引退後、東京都江東区清澄にオープンした焼き肉店「ドラゴ横綱通り店」だった。イタリア語で竜を意味する店名の命名は弟弟子の元横綱貴乃花。今も親交ある弟弟子の愛弟子は昨年10月の巡業中に元横綱日馬富士から暴行を受けた。師匠の貴乃花親方が日本相撲協会と対立。この暴力事件を引き金に貴乃花親方の角界引退という事態にまで発展した。

自身も波瀾(はらん)万丈だ。引退後は大嶽親方を襲名も現役時代から型破りなギャンブルマニア。それが災いし、野球賭博問題で日本相撲協会を解雇、昭和の大横綱・故大鵬親方の三女とも離婚、プロレス転向も不調に終わった。「そんなおれが言うのもなんだけどね。現役の時はたたかれても愛のむち、自分のためだと思っていた。今は時代が違う。協会からも親方衆からも厳しく言われているわけじゃないの。やったらどんなことになるのか、まるで分かってないよ」。

今も相撲界に育ててもらった感謝は尽きず、愛情をもって土俵の外から見つめ、応援している。「付け人も協会から預かっている力士なんだということが分かっていない。付け人制度をやめた方がいい」。現役時代は豪快な張り手で魅了。激震の角界に持論の張り手を放った。【大上悟】

◆鎌苅忠茂(かまかり・ただしげ)大相撲の元関脇貴闘力。1967年(昭42)9月28日、兵庫県神戸市出身。元大関初代貴ノ花の藤島部屋に入門、83年春場所初土俵。90年秋場所で新入幕。00年春場所で幕内初優勝。通算754勝703敗。180センチ、148キロ(現役当時)。

<スポーツ界の暴力アラカルト>

◆角界 昨年9月下旬から今年1月にかけて峰崎部屋で兄弟子が弟弟子に対して4回にわたり素手で殴るなどの暴力を振るった。

◆競泳 競泳男子で20年東京オリンピックのメダル候補の小関也朱篤(26=ミキハウス)が、昨年11月からのスペイン合宿中に同じ所属の男子選手(23)に暴力を振るったことが判明。

◆アメフト 5月に日本大対関西学院大の定期戦で日大守備選手が悪質なタックルをして相手クオーターバック(QB)を負傷させた。

◆高校野球 愛知・豊田大谷高校の野球部監督川上貴史容疑者(33=同県日進市)が7月31日、傷害の疑いで逮捕された。昨年7月、練習中に当時1年の男子部員の頭と頬を殴った上、肋骨(ろっこつ)を折る重傷を負わせた疑い。

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95年に結婚、18年9月に退職/元貴乃花親方略歴

元貴乃花親方(18年5月13日撮影)

元貴乃花親方の花田光司氏(46)が、花田景子夫人(54)と離婚したことが26日、分かった。先月25日に花田氏自らが離婚届を提出した。

花田氏は1995年に、元フジテレビアナウンサーで8歳年上の河野景子さんと婚約した。

◆貴乃花光司(たかのはな・こうじ)元65代横綱貴乃花。本名・花田光司。1972年(昭47)8月12日、東京都中野区出身。88年春場所初土俵、94年九州場所後に横綱昇進。95年5月に景子さんと結婚し、同年9月に長男が誕生した。03年初場所途中で引退。04年2月に貴乃花部屋として二子山部屋を継承した。通算794勝262敗201休、優勝22回。10年の理事選初当選から審判部長、大阪場所担当部長など歴任。18年1月に理事を解任され、2月の理事候補選挙で落選。3月に弟子の暴行問題などで年寄に降格し、9月場所後に日本相撲協会を退職した。

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小結V18年ぶり9度目、貴景勝優勝アラカルト

初土俵からのスピード初V

<大相撲九州場所>◇千秋楽◇25日◇福岡国際センター

小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が、悲願の初優勝を果たした。東前頭3枚目の錦木をはたき込みで下し、2敗で並んでいた大関高安が結びの一番で関脇御嶽海に敗れたため、優勝決定戦に持ち込まれる前に決まった。

【貴景勝優勝アラカルト】

▽小結優勝 00年夏場所の魁皇以来、9度目。

▽年少優勝 22歳3カ月は年6場所制となった58年以降初土俵で6位の若さ。1位は貴花田の19歳5カ月。

▽スピード優勝 初土俵から26場所は、年6場所制となった58年以降初土俵(幕下付け出しを除く)で曙と並び4位の速さ。1位は貴花田、朝青龍の24場所。新入幕から12場所は58年以降で朝青龍と並び10位。1位は佐田の山の3場所。

▽低身長優勝 平成(1989年)以降の初優勝力士は31人おり、平均身長は186・8センチ。175センチの貴景勝が最も低く、91年秋場所の177センチの琴錦を下回った。逆に最も高いのが92年夏場所の曙で204センチ。

▽平成生まれ 照ノ富士、御嶽海に続き3人目。

▽千賀ノ浦部屋 元貴乃花親方の日本相撲協会退職に伴い移籍。千賀ノ浦部屋からは初優勝。部屋別トップは九重部屋の52回。

▽兵庫出身 初代増位山、貴闘力に続き3人目。00年春場所の貴闘力以来、4度目。最多は北海道の120回。2位はモンゴルの82回。

▽埼玉栄高 相撲の強豪校出身では豪栄道以来、2人目。

年少優勝
歴代の小結優勝

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貴景勝が殊勲賞、敢闘賞のダブル受賞 相撲三賞

大相撲九州場所の三賞選考委員会が行われ、貴景勝が満票で殊勲賞受賞が決まった(撮影・小沢裕)

日本相撲協会は、大相撲九州場所千秋楽の25日、本場所会場の福岡国際センター内で三賞選考委員会を開き、14日目終了時点で12勝2敗と優勝争いでトップタイを走る小結貴景勝(22=千賀ノ浦)の殊勲賞、敢闘賞のダブル受賞が決まった。殊勲賞は昨年九州場所以来3回目、敢闘賞は昨年春場所に続き2回目の受賞となった。

敢闘賞は複数の候補が挙がったが、千秋楽で勝ち11勝目を挙げた場合のみ、東前頭13枚目阿武咲(22=阿武松)が受賞することになった。その千秋楽の土俵で豊山(25=時津風)を押し出しで破り、受賞が決まった。阿武咲の敢闘賞は、昨年秋場所に続き3回目(三賞通算も同じ)となった。

なお技能賞は、候補に名前が挙がらず受賞者なしだった。

九州場所 花道を引き揚げる貴景勝

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里山が涙の引退会見「最後までスタイル貫けた」

引退会見で感極まる里山(撮影・小沢裕)

今場所限りで引退した元前頭で西幕下9枚目里山(37=尾上、鹿児島県出身、本名・里山浩作)の引退会見が、九州場所千秋楽の25日、会場の福岡国際センターで行われた。

思わず涙がこぼれた。自身にとって最も思い出深いのは、07年春場所で十両優勝し、次場所で新入幕を果たしたこと。その年の1月に父・博昭さん(享年66)を亡くしていた。当時を思い出し「父が他界してすぐの場所だったので…」と感極まった。

04年3月に初土俵を踏み、最高位は前頭12枚目。最後の場所は3連敗からの4連勝で勝ち越した。「最後まで自分の相撲のスタイルを貫けたと思う」と、目を赤くしながら笑顔で語った。師匠の尾上親方(元小結浜ノ嶋)は「気持ちの強さがある力士だった。幕下で3年以上過ごす時期もあったけど、そこからはい上がった。家族の支えも大きかったと思う」と弟子に労いの言葉を贈った。

今後は年寄「佐ノ山」を襲名し、後進の育成に専念する。

引退会見に臨む里山。右は尾上親方(撮影・小沢裕)

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元前頭の里山が現役引退、 年寄「佐ノ山」を襲名

里山(2017年1月10日撮影)

日本相撲協会は九州場所13日目の23日、元前頭で西幕下9枚目の里山(37=尾上)の現役引退と年寄「佐ノ山」襲名を理事会で承認したことを発表した。

里山はこの日行われた今場所最後の7番相撲に登場。東幕下9枚目の琴鎌谷(21=佐渡ケ嶽)相手に左下手を取り、取られた右上手との投げの打ち合いの末、互いに土俵上に倒れる形となったが、脅威の粘りで残ったのは里山。3連敗からの4連勝で、現役最後の場所で勝ち越しを決めた。

04年春場所で初土俵を踏み、14年間の集大成を見せるかのような粘りの相撲に「自分でもびっくり。負けたと思った。まさか3連敗から4連勝するとは思わなかった。体に染みついたものが出た。体が自然と動いた」と安堵(あんど)の表情。白星で現役生活を終えて「白星はやっぱり気持ちいいね」とほおを緩めた。千秋楽の25日に、引退会見を行う予定。

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蒼国来、幕下Vで3場所ぶり十両へ「これで戻れる」

幕下優勝を決めた蒼国来(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇13日目◇23日◇福岡国際センター

全勝対決となった幕下の優勝争いは、幕内上位経験者で25場所在位した東5枚目の蒼国来(34=荒汐)が、十両1場所経験の高立(26=木瀬)を引き落としで下し、7戦全勝で貫禄の優勝を決めた。

今年3月の春場所で右足甲を骨折。5月の夏場所でも同じ部位を3カ所も骨折した。そのため9月の秋場所では約9年ぶりとなる幕下に陥落。その秋場所は4勝3敗で勝ち越し、そして今場所も「(回復具合は)6割ぐらい」という状態ながら、勝負どころを知るベテランならでは相撲で白星を7つ並べ続けた。

来年1月の初場所で、3場所ぶりに十両へ戻る。取組を終えると開口一番「これで戻れる」と口にした。「1場所でも早く戻りたい気持ちだった。今日は(優勝を)意識していた」と、文句なしに関取復帰を決めホッとした表情だった。

「序ノ口も去年の十両も九州」と話す験の良さを味方にした。初めて番付にしこ名が載り序ノ口デビューとなった03年にいきなり優勝。初めての幕下(04年)、新十両を決めた(10年)のも九州場所。昨年は十両優勝も果たした。「もう1回、幕内に戻ることを考えて、前に出る稽古をしたい」と、痛みが残る右足と相談しながら復活の道を歩む。

高立(右)を突き落としで破った蒼国来(撮影・鈴木正人)

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荒鷲が左膝痛め休場 来年1月初場所は十両転落確実

荒鷲(17年9月撮影)

東前頭16枚目の荒鷲(32=峰崎)が九州場所13日目の23日、休場した。

部屋関係者によると、左膝を痛めていた。休場は2017年春場所以来、9度目。13日目の対戦相手、千代の国は不戦勝となる。

荒鷲は2場所ぶりに幕内に復帰したが、12日目まで1勝11敗で来年1月の初場所は十両転落が確実。今場所の十両以上の休場者は3日目から途中出場の小結魁聖も含めて6人目となった。

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大栄翔「面積が大きくていい」手で一気9勝

大栄翔は輝(左)を押し出しで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲九州場所>◇11日目◇21日◇福岡国際センター

大栄翔は立ち合いから一気に輝を押し出す快勝で9勝目を挙げた。

「当たり負けず、先に下に入って攻められている。(優勝争いは)全く考えないことはないけど、そこはまだ」と冷静。幕内では昨年春場所以来、1年8カ月ぶり3度目の2ケタ白星に照準を定めた。中学2年で、サイズの合う手袋がなくなった大きな手を「面積が大きくていい」と、この日のように突きに生かして戦い続ける。

輝(左)を押し出しで下す大栄翔(撮影・栗木一考)

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逸ノ城の関脇陥落決定的…今年初負け越しに放心状態

高安(左)にはたき込みで敗れた逸ノ城の衝撃で土俵の一部が崩れ落ちた(撮影・小沢裕)

<大相撲九州場所>◇11日目◇21日◇福岡国際センター

関脇逸ノ城(25=湊)が大関高安(28=田子ノ浦)に敗れ、今年6場所の中で唯一の負け越しが決まった。小結貴景勝(22=千賀ノ浦)がすでに勝ち越しを決めているため、来場所の関脇からの陥落も決定的となった。

はさみで各所に施したテーピングを切り外す手が、たびたび止まった。支度部屋では放心状態。息を切らしながら「くそっ…」と小さく吐き捨てるように言った。高安を押し出す勢いだったが、土俵際ではたきを食らい、ともに土俵の外へ飛び出した。軍配は高安。同体と物言いがついたが、協議の結果、高安の足が残っており行司軍配通りとなった。どちらが先に出ていたかは「全然分からなかった。見えなかった」とぼうぜんとしながら語った。

今年唯一の負け越しとなった。小結だった初場所で9勝を挙げ、関脇に昇進した春場所から3場所連続で8勝。しかし今場所は2日目から5連敗を喫し、悪い流れを断ち切ることができなかった。土俵で打ち付けた左膝に関しては「大丈夫」と逸ノ城。放心状態のまま支度部屋を引き揚げた。

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貴景勝勝ち越し“稽古場”使えずも「気にならない」

栃ノ心(手前)を押し倒しで破る貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇9日目◇19日◇福岡国際センター

小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が、大関栃ノ心を押し倒しで破り、4場所連続の勝ち越しを決めた。9日目での勝ち越しは、幕内自己最速。日に日に期待が高まる初優勝に向けて単独トップを守った。3横綱不在の年納めの場所を、幕内最年少の貴景勝が先頭に立って引っ張る。

ぶれない強さを体現するような取り口だった。今場所2度目の大関戦でも、貴景勝が迷いなく押し倒した。立ち合いで前みつを取りにきた栃ノ心を一発ではじき返し、両手で栃ノ心の腹をふた突き。相手のお株を奪うような力強さを見せた。「あんまり覚えていない。胸を借りる気持ちでいきました」。幕内では自身最速となる9日目での勝ち越しをあっさり決めた。

場所前は宿舎から車で約5分の所にある、屋根付きの稽古場で汗を流した。だが場所中は時間の都合上、宿舎近くの空き地に作った仮設の稽古場で体を動かしているが、雨漏り対策は十分とは言えず。昨夜から朝方にかけて雨が降り、稽古場が使えなかったこの日朝は、宿舎前のコンクリート地面の上で軽く体を動かしただけだった。今場所2度目のトラブルだったが「何も気にならない。場所中に強くなるわけない。やるべきことは決まっている」と動揺することはなかった。

順風満帆な1年ではない。新小結で臨んだ初場所は5勝10敗で負け越し、春場所は右足負傷で途中休場。「上半期はよくないことばかりだった。その中で本場所に出られるありがたさを感じている」と実感を込める。師匠だった元貴乃花親方(元横綱)が日本相撲協会を退職し、千賀ノ浦部屋へ移籍して迎えた今場所。目標だった新関脇だけでなく初優勝への期待がどんどん膨らむ。

今場所も残り6日。優勝争いも佳境を迎えようとしている。それでも「15日間の戦いというのは10日目からだと思う。9日目終わっての成績はあてにならない」と緩みはない。荒れる九州場所で着実に前進する。【佐々木隆史】

1敗を守り花道を引き揚げる貴景勝(撮影・今浪浩三)

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栃ノ心が天敵貴景勝に完敗、股関節痛めた可能性も

貴景勝は立ち合いの鋭い突き押しで栃ノ心(右)を土俵際へ追い込み押し倒しで下す(撮影・小沢裕)

<大相撲九州場所>◇9日目◇19日◇福岡国際センター

大関栃ノ心(31=春日野)が何もできずに5敗目を喫した。優勝争いトップを走る小結貴景勝に、立ち合いで左前まわしを狙ったが、すさまじい当たりに触れただけ。一気に体勢を崩され、後退し、2発目の当たりで腰から崩れるように土俵を割った。

不振脱出へ。この日の朝稽古から内容を本来のスタイルに戻した。春場所から体調を考え、若い衆への胸出し中心だったが、同部屋の栃煌山、碧山との申し合いを再開した。場所中に相撲を取るのは4場所ぶりで、8番とって3勝5敗。本番さながらの激しさで、大汗をかいた。「本当は昨日からやるつもりだったけどね。チャレンジ。場所に入って、立ち合いで当たれていない。ぶつかり稽古で胸を出すのは、また(意図が)違うからね」と狙いを説明していたが、この日に限れば成果は出なかった。

対戦成績も1勝4敗と分が悪かった相手に完敗を喫した。支度部屋では「相手の当たりは低かったか?」との問いに「覚えていない」と答えたぐらいで、終始言葉少な。股関節を痛めた可能性もあり、左脚付け根を押さえ、顔をしかめる場面があった。4勝5敗で残り6番。豪栄道、高安の2大関との対戦が残るだけに、負け越しもちらつき出した。

5敗目を喫した栃ノ心は厳しい表情で引き揚げる(撮影・小沢裕)

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貴景勝1敗守る、結び直しハプニングまわし取らせず

妙義龍(手前)を引き落としで破る貴景勝(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇8日目◇18日◇福岡国際センター

小結貴景勝はハプニングに見舞われたが、1敗を守って再び単独トップに立った。

仕切りの途中で、時津風審判委員(元前頭時津海)が指示した呼び出しから、短い結び目を締め直された。普段からきつく締めているため、呼び出し2人でもなかなか締め直せず。締め直すのに約1分かかったが、相撲はまわしを取らせることなく1秒2で引き落としを決めた。締め込みを締め直されたことについては「それで精神がブレたらそこまで。影響はなかった」と涼しい顔。93年春場所の若花田以来となる8日目での小結単独トップも「まだ半分だから全く関係ない」と気にしなかった。

呼び出しに、まわしを締め直してもらう貴景勝(撮影・鈴木正人)

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中学までは柔道部、けがで一時は序の口に/竜電略歴

高安(右)を激しく攻める竜電(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇7日目◇17日◇福岡国際センター

西前頭3枚目竜電(28=高田川)が高安を寄り切り、大関戦初白星を挙げた。角界入りから苦節12年。我慢強い中卒たたき上げは、過去の大けがにも腐らずに番付を上げて、今場所で上位戦を初経験。黒星先行だが、ここから巻き返しを狙う。

◆竜電剛至(りゅうでん・ごうし)本名・渡辺裕樹。1990年(平2)11月10日生まれ、甲府市出身。池田小1年から柔道を始め、竜王中でも柔道部に所属し、3年時に県大会の90キロ超級で優勝。中2の冬に、現師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)から誘われて、中学卒業後に角界入り。06年春場所で初土俵を踏み、12年九州場所で新十両。ケガに苦しみ一時は序ノ口まで番付を落としたが、16年九州で再十両。今年初場所に新入幕昇進。得意はもろ差し、寄り。190センチ、149キロ。通算323勝244敗62休。

高安(手前)を寄り切りで破る竜電(撮影・栗木一考)

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竜電「感謝」涙の大関初撃破28歳たたき上げ苦労人

高安(右)を寄り切りで破る竜電(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇7日目◇17日◇福岡国際センター

西前頭3枚目竜電(28=高田川)が高安を寄り切り、大関戦初白星を挙げた。角界入りから苦節12年。我慢強い中卒たたき上げは、過去の大けがにも腐らずに番付を上げて、今場所で上位戦を初経験。黒星先行だが、ここから巻き返しを狙う。全勝で単独トップだった小結貴景勝が負けて、1敗を守った平幕の大栄翔、阿武咲と並んだ。

ここまでの竜電の相撲人生のような我慢、我慢の相撲だった。高安の体当たりを低い姿勢で受け止めると、左を差して右上手を取って、相手の胸に頭をつけて勝機をうかがった。下手で振られても我慢。再び頭を胸につけて、最後まで腰を浮かせることなく力で寄り切り、2分近い相撲に決着をつけた。

支度部屋に戻ると、両目を何度もタオルで拭った。「根強く応援してくれた方々に感謝したい。まだまだ、また明日から頑張りたい」。声を震わせながら力強く語った。

中学卒業後に相撲未経験で角界入りし、6年後の12年九州場所で新十両に昇進した。しかし同場所で右股関節を骨折。13年春場所から5場所連続で休場すると、14年初場所では序ノ口まで番付を落とした。「番付外になると自分が相撲取りじゃない気がして。番付表に載らないと相撲界にいる意味がなくなる」。これ以上休場が続くと、番付外に落ちる危機に、師匠の高田川親方(元関脇安芸乃島)に相談。ケガが完治しないままでも、14年初場所から4場所連続で一番だけ相撲を取った。「親方にも『一からやり直そう』と言われた。我慢してきてよかった」と振り返った。

苦労しながらようやく、上位陣と対戦する番付まで上がってきた。何度も腐りかけたが「最初は十両に戻れたらいいなと思っていたけど、ここまでやってきてよかったと思います」と今だから笑える。そして、大関戦初白星。「前に出て勝った…」と振り返ると、我慢できずに左目から涙。だがすぐに「まだ終わりではないので」と切り替えた。苦労人の角界人生は、まだまだ続く。【佐々木隆史】

支度部屋で記者の質問に笑顔の竜電(撮影・今浪浩三)

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貴景勝6連勝単独トップも「納得したら終わり」

魁聖(左)を突き落としで破り6連勝の貴景勝(撮影・鈴木正人)

<大相撲九州場所>◇6日目◇16日◇福岡国際センター

小結貴景勝(22=千賀ノ浦)が単独トップに立った。全勝で並走していた平幕の栃煌山が負けた直後の一番で、小結魁聖を突き落とした。6日目を終えて小結が全勝で単独トップに立つのは、1場所15日制が定着した49年夏場所以降、93年春場所の若花田以来3人目。横綱不在、上位陣不安定の九州場所で存在感を発揮している。

自身の初日からの連勝記録を6に伸ばしても、笑みさえ浮かべなかった。「納得したら終わりだから」。22歳とは思えない落ち着きっぷりで、貴景勝は支度部屋で吐き捨てるように淡々と言った。

体重200キロ超えの魁聖を圧倒した。正面からぶつかり、左に回り込んで左腕を真横に一振り。魁聖の右腕付近から突き落とし、一撃で両手を土俵につかせた。「どこも取らせたくなかった。相手の形になると勝てない」とまわしを取らせないことにこだわった。

単独トップに立ったが、気持ちはぶれない。それどころか日々、自分自身への厳しさは増している。横綱不在となり、一気に注目の的となったが「相撲は6日で終わりじゃない。倍以上あるから全く関係ない。何も考える必要はない」とまたも、淡々と答えた。

旧貴乃花部屋から所属先が変更して初めての本場所。稽古内容も生活様式も何もかもが変わった。それでも「いつまでたっても前の部屋がどうとか言ってられないし、もう慣れた」と自分に言い聞かせるように話した。まず目指すは、ストレート給金。2桁白星。そして初の…。目の前のことに全力で挑む若武者が、一年納めの場所を引っ張る。【佐々木隆史】

大相撲九州場所6日目 魁聖を突き落としで破り6連勝を飾った貴景勝は花道を引き揚げる(撮影・今浪浩三)

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栃煌山 上位総ナメ 昔の“重み”戻ってきた

笑顔を見せる栃煌山(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が、高安との全勝対決を制した。

立ち合い負けせず、押し込み、最後は左からのすくい投げで大関に土をつけた。三役の常連だった実力者が平幕として1横綱、2大関、2関脇と上位陣総なめの5連勝だ。全勝は小結貴景勝と2人だけ。稀勢の里休場で横綱が消え、荒れる九州場所で“帰ってきた大関候補”が主役に躍り出た。

高安相手に前に出た。栃煌山が立ち合いから圧力をかけ、中に入る。「相手の腰が伸びた」と感じた。流れの中でもろ差しへ。巻き替えられた右を巻き返した瞬間、左からすくい投げを決めた。「欲を言えば、中に入った時に体を寄せていければ…」。過去25場所も三役を務めた男は貪欲だ。

相次ぐケガで番付を落とした。「体に重みがなくなった」とこぼした。西前頭7枚目だった先場所も腰椎椎間板ヘルニアに苦しんだが、つかんだ感覚がある。「腹だけに力を入れるんじゃなく、体全体に芯を通す。まだできたり、できなかったりですが…」。昔の“重み”が戻ってきた。

平幕で不戦勝を含まぬ、初日から5連勝は昨年春場所以来4度目だが、過去3度の番付は前頭10枚目以下。同2枚目の今回と値打ちが違う。1横綱、2大関、2関脇と上位を総なめ。「今日のような我慢が大事。その中で1番でも2番でも納得できる相撲を…」。三役復帰へ、初優勝へ。帰ってきた強者に夢が広がる。【加藤裕一】

高安(手前)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

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栃煌山が上位陣撃破5連勝、三役復帰に「気合入る」

取材に笑顔を見せる栃煌山(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が、大関高安との全勝対決を制し、勝ちっ放しの5連勝とした。幕内屈指の強い当たりに負けず、押し込み、流れの中ですくい投げを決めた。

「低い体勢のまま当たって、圧力をかけて、中に入れた。ただ、欲を言えば、中に入った時に体を寄せてそのままいければ…。まだ腰が引けてます」。

初日は御嶽海、2日目は逸ノ城と2関脇、3日目は大関豪栄道で4日目は横綱稀勢の里を破った。上位陣を総なめにする勢いの5連勝。しかし、通算25場所の三役経験を誇る実力者は白星を手放しで喜ばない。

相次ぐ故障に泣いてきた。小結だった昨年秋場所を最後に平幕暮らしが続き、西前頭7枚目だった先場所も腰椎椎間板ヘルニアに苦しんだ。「ここ数年、体に重みがなくなっている感じがあって。軽くなったというか」。しかし、万全でない体調の中で試行錯誤を重ねた。「腹だけに力を入れるんじゃなく、体全体に芯を通す。まだできたり、できなかったりですが…」。先場所は終盤を5連勝フィニッシュ。取り戻しつつあった昔の“重み”が、確信に変わりつつある。

20歳の誕生日直後の07年春場所が新入幕の“早熟派”も、もう31歳。かつての「大関候補」という肩書もご無沙汰になりつつあるが、諦めなんて全然ない。「三役復帰? もちろん。部屋に栃ノ心もいたり、頑張れます。気合入りますよ」。序盤戦で3大関に土がつき、横綱が消えた九州場所で“帰ってきた男”が輝き出した。

高安(手前)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

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栃煌山、連日の上位陣撃破 感謝の気持ちで5連勝

高安(左)をすくい投げで破る栃煌山(撮影・栗木一考)

<大相撲九州場所>◇5日目◇15日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が大関高安(28=田子ノ浦)をすくい投げで破り、小結貴景勝(22=千賀ノ浦)とともに勝ちっ放しの5連勝を飾った。

立ち合いから低く当たると、その後の攻防でも低い態勢を保つ。最後は土俵際で大関をすくい投げで転がした。

前日4日目は稀勢の里を逆転のすくい投げで破り、休場に追い込んだ。これで1横綱、2大関、2関脇と上位陣撃破。横綱不在、勝ちっ放しの消えた大関陣の中で、優勝争いの主役として期待される。

「今日も立ち合いから低い位置で、我慢して相撲がとれた。低かったから巻き返えもできた。これからも一番一番しっかり集中したい」。

関脇を11場所、小結を14場所も務めた“大関候補”が、昨年から左膝、腰、左大胸筋など相次ぐ故障に見舞われ、今年夏場所では東前頭15枚目へ。07年春場所の新入幕後、自己ワーストタイまで番付を落とした。ケガなどに苦しんだ時期もあっただけに「ここで上位と相撲が取れてありがたい」と感謝の思いもプラスに働いているようだ。

小結だった昨年秋場所以来となる三役復帰へ、念願の初優勝へ、快進撃を続けていく。

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栃煌山、上位陣撃破4連勝 長女から力もらい初Vへ

稀勢の里(右)は栃煌山にすくい投げで敗れ4連敗を喫した(撮影・菊川光一)

<大相撲九州場所>◇4日目◇14日◇福岡国際センター

東前頭2枚目栃煌山(31=春日野)が横綱稀勢の里をすくい投げで破り、勝ちっ放しの4連勝を飾った。2関脇、大関に続く上位陣撃破。金星は昨年夏場所に稀勢の里を破って以来通算5個目となった。

攻め込まれ、土俵際で逆転を狙った。左からの投げで、2人もつれるように土俵を割り、軍配は相手に上がったが、もの言い、協議の末、行司差し違えで白星を手にした。

「横綱がグラッとして体が浮いた感じだったから、絶対に先に足をつかないようにしようと思った。もの言いがつくかな、と思ったけど、相手にずっと攻められた相撲だし『つかなくてもしょうがない』と思っていました」

結びの一番は、昨年秋場所の日馬富士戦以来。横綱戦は同年九州場所の稀勢の里戦以来だった。関脇を11場所、小結を14場所も務めた“大関候補”が、昨年から左膝、腰、左大胸筋など相次ぐ故障に見舞われ、今年夏場所では東前頭15枚目へ。07年春場所の新入幕後、自己ワーストタイまで番付を落とした。

「また戻ってこれたことは素直にうれしいです」。ただ、この日は気合が空回り。「いい感じだったのに(仕切りで)腰が決まった後、何か変に力が入って」。力の入らぬ立ち合いで、防戦一方になった点を反省した。

「金星とかそんなに意識しませんでした。それよりも、よくなっているところがたくさんあるので、それを出したかった。自分は“まだまだ、もっと良くなる”と思っているので」

昨年6月に結婚した妻せりさんは滋賀県の実家に長女禀(りん)ちゃんを連れて帰省中。「ちょうど初日に1歳2カ月になったんですよ」と、連日のテレビ電話が31歳のパワーの源だ。小結だった昨年秋場所以来となる三役復帰へ、念願の初優勝へ。金星程度で、満足してはいられない。

栃煌山(手前)にすくい投げで敗れる稀勢の里(撮影・栗木一考)

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