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ちゃんこの味付けで大げんか/過去の不祥事引退力士

87年12月、失踪事件で廃業となり会見する双羽黒

日本相撲協会は6日、東京・両国国技館で理事会を開き、4日までに引退届を提出していた阿炎(26=錣山)について、引退届を未受理とし、出場停止3場所および5カ月50%の報酬減額の懲戒処分を決定し、本人に通知したことを発表した。

◆不祥事やトラブルで引退、廃業した力士

▽双羽黒(元横綱) ちゃんこの味付けをめぐり87年12月に師匠の立浪親方(元関脇安念山)と大げんか。仲裁に入ったおかみさんを突き飛ばし部屋を飛び出す。同親方は協会へ廃業届を提出。4日後の臨時理事会で双羽黒の廃業が決議。

▽朝青龍(元横綱) 10年初場所中に都内で泥酔して一般男性に暴行。示談になったが協会から翌2月に引退勧告を受け、引退届を提出。

▽琴光喜 10年5月に発覚した野球賭博問題で、大嶽親方(当時、元関脇貴闘力)とともに解雇処分。

▽日馬富士(元横綱) 17年10月の秋巡業中に鳥取市内で同じモンゴル出身の貴ノ岩の頭部を殴打。同年九州場所後、責任を取って処分決定前に引退届を提出。

▽貴ノ岩(元前頭) 18年12月の冬巡業中に付け人の頬を平手と拳で4、5発殴打。同日付で引退届が受理される。

▽貴ノ富士(元十両) 19年秋場所前に2度目の付け人への暴力と差別的発言が発覚。場所後、協会から自主的な引退を促されたが、1度は受け入れず、2週間後に代理人弁護士を通じて引退届を提出。

90年2月、元双羽黒はバンバン・ビガロ戦でド派手に登場
元貴ノ岩(中央)にはさみを入れ、あいさつを交わす元横綱日馬富士のダーワニャム・ビャンバドルジ氏(19年2月2日撮影)

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照ノ富士が奇跡の大復活V、序二段経て30場所ぶり

かみしめるように下がりを外す照ノ富士(撮影・小沢裕)

<大相撲7月場所>◇千秋楽◇2日◇東京・両国国技館

14場所ぶりに幕内復帰した大関経験者の東前頭17枚目照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、30場所ぶり2度目の優勝を果たした。

3敗の単独トップで迎えた千秋楽。敗れれば優勝決定ともえ戦にもつれ込む本割の関脇御嶽海との一番を制し、13勝目を挙げた。14日目には同部屋の照強が新大関朝乃山を破る“援護射撃”も受け、15年夏場所以来の優勝が決まった。殊勲賞、技能賞の三賞2つも獲得した。

両膝の負傷や内臓疾患に苦しんだ男が、4カ月ぶりに再開した本場所で主役となった。大関経験者が関脇以下で優勝するのは昭和以降では2人目。優勝と優勝の間で十両以下に陥落した力士はおらず、史上初の快挙となった。

初優勝から5年2カ月がたっていた。当時の優勝は初土俵から所要25場所で、年6場所制となった1958年(昭33)以降では貴花田、朝青龍に続き歴代3位となるスピード記録。その場所後には大関昇進を決めるなど“次期横綱”の呼び声が高かった。

しかし昇進後は両膝のけがに加えて、糖尿病や肝炎にも苦しみ、17年秋場所で大関から陥落。「大関から落ちて親方に何回も『やめさせてください』って言いに行った」と気持ちは切れかけたが、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に「とりあえずは治してから話をしよう」と引退を慰留された。1年以上かけて土俵に戻る決心を固め、昨年春場所に西序二段48枚目で本場所に復帰。負け越し知らずで番付を上げ、初場所で再十両。返り入幕となった今場所、ついに“奇跡のカムバック”を実現させた。

◆照ノ富士春雄(てるのふじ・はるお)本名・ガントルガ・ガンエルデネ。1991年11月29日、モンゴル・ウランバートル市生まれ。18歳で逸ノ城らと一緒に来日し、鳥取城北高に留学して相撲を始める。3年時に中退して間垣部屋に入門。しこ名「若三勝」として11年技量審査場所で初土俵。13年春場所後に伊勢ケ浜部屋に転籍。同年秋が新十両昇進で「照ノ富士」に改名。14年春場所が新入幕。関脇だった15年夏場所で初優勝を果たし、場所後に大関昇進。17年秋場所に大関陥落。5場所連続休場して19年春場所に西序二段48枚目で本場所に復帰。192センチ、180キロ。血液型はO。家族は両親と姉、妹。得意は右四つ、寄り。愛称は「ガナ」。

◆記録ずくめの復活V 30場所ぶりの優勝は、琴錦の最長43場所ぶりのブランクに次ぐ。優勝制度ができた1909年(明42)夏場所以降、平幕優勝は32人目。幕尻優勝は00年春場所の貴闘力、今年初場所の徳勝龍に続いて史上3人目(1年に2度は史上初)。返り入幕の優勝は徳勝龍以来。優勝と優勝の間で十両以下に落ちたケースはなく、序二段まで落ちて幕内復帰を果たしての優勝は史上初。照ノ富士が初優勝した15年夏場所は関脇で、関脇以下で2度の優勝は貴花田、琴錦、御嶽海らに続いて8人目。同一年に平幕優勝が2度あったのは92年初場所の貴花田、名古屋場所の水戸泉以来28年ぶり。

御嶽海(左)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)

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照ノ富士が朝乃山を撃破、出稽古独占で磨いた右四つ

朝乃山を破り、懸賞金の束を手にする照ノ富士(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇13日目◇31日◇東京・両国国技館

東前頭17枚目照ノ富士(28=伊勢ケ浜)が、新旧大関対決を制して単独トップに立った。

新大関朝乃山との1敗同士の一番を、右四つから力で寄り切った。14日目に関脇正代を破り、朝乃山が前頭照強に敗れれば、30場所ぶり2度目の優勝が決まる。序二段から史上初の幕内復帰を果たし、幕尻で迎えた今場所。大関経験者が関脇以下で優勝すれば、昭和以降2人目の快挙となる。朝乃山は2敗目で1歩後退。3敗の正代、御嶽海の両関脇も優勝の可能性を残した。

   ◇   ◇   ◇

大関経験者の照ノ富士が、相四つの新大関を力でねじ伏せた。左上手に手がかかったのは、朝乃山とほぼ同時。「(今場所の朝乃山は)大関なので強い相撲を見せているから、自分のかたちに持っていってやろうと」。相手の絶対的な左上手を切ると、右でかいなを返し、怪力で左上手を引きつけた。朝乃山を寄り切ると、土俵上でふーっと一つ息を吐く。「まだ2日あるので」。単独トップに立っても、浮足立つことはなかった。

関取に返り咲いた1月以降、朝乃山を絶好の稽古相手としていた。時津風部屋に出稽古した際は、申し合いで朝乃山を積極的に指名。初場所前の稽古では朝乃山を独占するあまり、稽古を見守っていた安治川親方(元関脇安美錦)から注意を受けることもあった。「(稽古では)右四つで組んで力を出してくれる相手がいなかった。いい稽古相手になると思ってやっていた」と照ノ富士。当時関脇だった朝乃山を“踏み台”に、右四つの感覚を磨いた。

初優勝は5年前。当時の優勝は初土俵から所要25場所で、年6場所制となった1958年(昭33)以降では貴花田、朝青龍に続き歴代3位となるスピード記録。その場所後には大関昇進を決めるなど“次期横綱”の呼び声は高かった。しかし、昇進後は地獄が待っていた。

両膝のけがに加えて、糖尿病や肝炎にも苦しみ、17年秋場所で大関から陥落。「大関から落ちて親方に何回も『やめさせてください』って言いに行った」と気持ちは切れかけたが、師匠の伊勢ケ浜親方(元横綱旭富士)に引退を慰留された。「『とりあえずは治してから話をしよう』と。相撲から1度離れて、自分の体と向き合った。今の事実を受け入れて、それでやりきろうと思った」。1年以上かけて、土俵に戻る決心を固めた。

記録ずくめの優勝は、14日目にも決まる。大関経験者が関脇以下で優勝すれば1976年秋場所の魁傑以来で、昭和以降2人目。前回優勝した15年夏場所との間隔は30場所と約5年で、史上2位のブランク優勝となる。残り2日へ「やってきたことを信じてやるだけ」。コロナ禍の世の中に希望を与えるような復活劇が、実現しようとしている。【佐藤礼征】

▽幕内後半戦の伊勢ケ浜審判部長(元横綱旭富士) 上手は朝乃山の方が早かった。上背の差が出た。がっぷり組むときついよね。朝乃山は少し突き落とし気味の投げにいったのが良くなかった。照ノ富士は辛抱したから前に出られた。(師匠として)「ここまできたら無理しないように」と常に言っている。

<照ノ富士の激動の相撲人生アラカルト>

▽11年5月 間垣部屋に入門して初土俵を踏む。

▽13年3月 間垣部屋が閉鎖され、伊勢ケ浜部屋に移籍。

▽13年9月 新十両場所の秋場所で優勝。3場所で十両を通過して新入幕昇進。

▽15年5月 関脇の夏場所で12勝3敗で初優勝。場所後に大関昇進を果たす。

▽15年9月 秋場所中に右膝を負傷。場所後に「前十字靱帯損傷、外側半月板損傷」で全治1カ月と診断される。

▽17年3月 春場所で千秋楽までトップも、稀勢の里に本割、優勝決定戦で敗れ優勝を逃す。

▽17年9月 2場所連続負け越しで大関陥落。

▽18年5月 十両まで番付を落とし、この夏場所から6場所連続休場。

▽19年3月 本場所復帰。7戦全勝で序二段優勝。

▽19年11月 幕下上位で7戦全勝。場所後、再十両昇進。

▽20年1月 13勝2敗で十両優勝。

▽20年3月 東十両3枚目で10勝5敗。場所後に再入幕を決める。

朝乃山(左)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・河田真司)

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朝青龍のおい豊昇龍が3場所連続勝ち越し

朝弁慶(下)をすくい投げで破る豊昇龍(撮影・中島郁夫)

<大相撲7月場所>◇12日目◇30日◇東京・両国国技館

元横綱朝青龍のおい、東十両6枚目豊昇龍(21=立浪)が、3場所連続の勝ち越しを決めた。

体重199キロの西十両10枚目朝弁慶に両腕を抱え込まれたが、回り込んですくい投げ。「相手もでかいのでしっかり当たって自分の相撲を取ろうと思った」と淡々と振り返った。

8勝目で十両では自己最多の白星に並んだ。「あと残り(3番)自分の相撲を取っていきたい」。リモート取材を早々と切り上げると、息を切らしながら支度部屋へと引き上げた。

豊昇龍(右)はすくい投げで朝弁慶を破る(撮影・小沢裕)

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朝青龍おい豊昇龍が連敗止める「体よく動いている」

豊昇龍(右)は千代の海を寄り切りで破る(撮影・足立雅史)

<大相撲7月場所>◇10日目◇28日◇東京・両国国技館

元横綱朝青龍のおい、東十両6枚目豊昇龍(21=立浪)が、連敗をストップさせた。

初顔の東十両14枚目千代の海に対し、立ち合いから右のまわしを求めた。さらに突き起こして前みつを取り、引いた相手を一気に寄り切った。6勝4敗と白星先行。取組後、リモート取材に応じ「まわしを狙いにいった。体がよく動いている」と汗をぬぐった。

3日目から5連勝としていたが、8日目から連敗していた。

「昨日の負けが勉強になった。勝つより負けた方が勉強になる」

探求心旺盛の成長株は、3場所連続の勝ち越しへあと2勝とした。

千代の海(左)を寄り切りで破る豊昇龍(撮影・中島郁夫)

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朝乃山8連勝「完璧」理事長「日に日に強く」審判長

碧山(左)を寄り切りで下す朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

新大関の朝乃山が、自身初の中日での勝ち越しを決めた。200キロ近い巨体の碧山に対して立ち合いは互角も、終始前に攻め続けて最後は右四つで寄り切った。新大関の初日から8連勝は、昭和以降では元横綱朝青龍らに並んで6位タイ。最高の形で後半戦に突入する。 一人横綱の白鵬は若手の輝の挑戦をはたき込みで退け、節目となる50度目のストレート給金を決めた。

   ◇    ◇    ◇

八角理事長(元横綱北勝海) (白鵬の50度目ストレート給金は)大したもんですよ。安定感がある。今日は圧力の違いを見せた。朝乃山は内容が完璧。気持ちが集中できている。(両者の)全勝対決になればいいね。白鵬と当たるまで全勝で行けるか、朝乃山次第ではないか。

幕内後半戦の藤島審判長(元大関武双山) 朝乃山は日に日に強くなっている。このまま、まだ(白星を)伸ばしそう。白鵬も地力がある。場所前に稽古が出来なかったと思うが、しっかり調整してきたと思う。

朝乃山のタオルを掲げる観客(撮影・河田真司)  

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朝乃山が巨体の碧山を破り勝ち越し/8日目写真特集

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

新大関の朝乃山が、自身初の中日での勝ち越しを決めた。200キロ近い巨体の碧山に対して立ち合いは互角も、終始前に攻め続けて最後は右四つで寄り切った。新大関の初日から8連勝は、昭和以降では元横綱朝青龍らに並んで6位タイ。最高の形で後半戦に突入する。

一人横綱の白鵬は若手の輝の挑戦をはたき込みで退け、節目となる50度目のストレート給金を決めた。

2度の優勝経験を持つ御嶽海と正代の関脇対決は、正代が制した。左おっつけで御嶽海の動きを止め、最後は突き落とした。正代は1敗を堅守。御嶽海は今場所初黒星となった。

全勝は白鵬、朝乃山の2人。1敗は御嶽海、正代、序二段から幕内復帰を果たした大関経験者の照ノ富士となった。

横綱土俵入りに臨む白鵬

阿炎の休場を知らせる電光板(撮影・河田真司)   

魁(手前)に上手投げで敗れる納谷(撮影・鈴木正人)

錦木寄り切り照ノ富士

錦木(左)を寄り切りで破る照ノ富士(撮影・鈴木正人)


高安上手投げ琴恵光

琴恵光に上手投げで破れ、土俵に座り込む高安(撮影・小沢裕)


千代丸突き落とし妙義龍

妙義龍(右)を突き落としで破る千代丸(撮影・河田真司)


琴奨菊寄り切り千代大龍

千代大龍(左)を寄り切りで破る琴奨菊(撮影・河田真司)


照強寄り切り

塩を豪快にまく照強(撮影・鈴木正人)

照強(右)は勢を寄り切りで下す(撮影・小沢裕)


玉鷲叩き込み徳勝龍

徳勝龍(右)を激しく攻める玉鷲(撮影・鈴木正人)

玉鷲(右)の攻めに耐える徳勝龍(撮影・河田真司)

玉鷲(左)ははたき込みで徳勝龍を下す(撮影・小沢裕)


宝富士突き落とし竜電

宝富士(左)は突き落としで竜電を下す(撮影・小沢裕)


炎鵬上手投げ霧馬山

体を反らし、霧馬山の攻めに耐える炎鵬(撮影・河田真司)

霧馬山の猛攻を必死に耐える炎鵬(撮影・鈴木正人)

霧馬山は炎鵬(下)を上手投げで下す(撮影・小沢裕)

破った炎鵬を持ち上げる霧馬山(撮影・鈴木正人)


隆の勝寄り切り豊山

豊山(右)の突き押しをこらえる隆の勝(撮影・小沢裕)

隆の勝に寄り切りで敗れ悔しそうな表情を見せる豊山(撮影・鈴木正人)


大栄翔送り出し阿武咲

阿武咲(左)を攻める大栄翔(撮影・河田真司)

阿武咲(右)を激しく攻める大栄翔(撮影・鈴木正人)

阿武咲(左)を送り出しで破る大栄翔(撮影・鈴木正人)


遠藤寄り切り隠岐の海

隠岐の海(右)は遠藤を寄り切りで下す(撮影・小沢裕)


正代突き落とし御嶽海

正代は御嶽海(手前)を突き落としで下す(撮影・小沢裕)


貴景勝叩き込み北勝富士

貴景勝(右)をはたき込みで破る北勝富士(撮影・河田真司)

北勝富士に敗れ土俵から引き揚げる貴景勝(撮影・河田真司)


碧山寄り切り朝乃山

碧山(左)を寄り切りで下す朝乃山(撮影・河田真司)

碧山を下し、懸賞金の束を手に土俵から引き揚げる朝乃山(撮影・河田真司)   


白鵬叩き込み

白鵬(左)は輝をはたき込みで下す(撮影・小沢裕)

輝を下し、懸賞金の束を手に意気揚々と土俵から引き揚げる白鵬(撮影・河田真司)   

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朝乃山、白鵬8連勝で勝ち越し決定 御嶽海は初黒星

碧山(左)を寄り切りで下す朝乃山(撮影・河田真司)

<大相撲7月場所>◇8日目◇26日◇東京・両国国技館

新大関の朝乃山が、自身初の中日での勝ち越しを決めた。200キロ近い巨体の碧山に対して立ち合いは互角も、終始前に攻め続けて最後は右四つで寄り切った。新大関の初日から8連勝は、昭和以降では元横綱朝青龍らに並んで6位タイ。最高の形で後半戦に突入する。

一人横綱の白鵬は若手の輝の挑戦をはたき込みで退け、節目となる50度目のストレート給金を決めた。

2度の優勝経験を持つ御嶽海と正代の関脇対決は、正代が制した。左おっつけで御嶽海の動きを止め、最後は突き落とした。正代は1敗を堅守。御嶽海は今場所初黒星となった。

全勝は白鵬、朝乃山の2人。1敗は御嶽海、正代、序二段から幕内復帰を果たした大関経験者の照ノ富士となった。新入幕の琴勝峰は佐田の海に敗れ、2敗目を喫した。

かど番の大関貴景勝は、三役経験者の北勝富士にはたき込みで敗れ、3敗目を喫した。立ち合いから低く攻めたが、左から攻め込む相手に足がついていかなかった。

大関経験者の琴奨菊は千代大龍を寄り切り、元横綱稀勢の里(現荒磯親方)に並ぶ史上6位タイの幕内通算714勝を挙げた。

人気小兵の炎鵬は、気鋭の霧馬山に上手投げで敗れ4勝4敗と星が五分になった。

7日目から休場した阿炎について、芝田山広報部長(元横綱大乃国)は接待を伴う「夜の店」に出入りしていたことを明かした。

御嶽海(右)を突き落としで破った正代(撮影・鈴木正人)
北勝富士に敗れ土俵から引き揚げる貴景勝(撮影・河田真司)

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元前頭青狼「この部屋で良かった」力士生活振り返る

元前頭青狼(2017年9月16日撮影)

13日に引退した大相撲の元前頭青狼のアムガー・ウヌボルド氏が14日、電話取材に応じ「もうちょっと番付を上げたかったけど、関取に上がれて良かった」と力士生活を振り返った。モンゴル出身で05年名古屋場所で初土俵を踏み、最高位は16年夏場所の西前頭14枚目で幕内在位は3場所。昨年九州場所から幕下に陥落し、7月場所の番付は東幕下57枚目だった。

引退の理由は「番付が下がって関取に上がるのが難しくなったから」と明かした。十両だった昨年9月の秋場所中に無菌性髄膜炎を発症。約2週間の入院で体重が20キロ落ちた。「(入院中は)ずっと頭が痛くて、熱もいつも39度とか。そこから力が出なくなった」。幕下に陥落した昨年九州場所で負け越し、引退を視野に入れた。師匠の錣山親方(元関脇寺尾)に相談した結果、7月場所後に引退することを決断。新型コロナウイルス感染拡大の影響で夏場所が中止となり、前倒しして引退することになった。

力士人生に区切りをつけ、周囲への感謝の思いが募った。師匠の錣山親方は厳しさと優しさの両面を併せ持ち「いつも一生懸命な指導。この部屋に入って良かった」と言い切った。弟弟子の前頭阿炎には「大関になってほしい」と期待。角界入りを橋渡ししてくれた元横綱朝青龍については「現役のときは『もっと頑張れよ』『しこ名に俺の“青”をもらってるのになんでそんなに弱いんだ』と厳しいことをたくさん言ってもらった」と、横綱流の愛情がありがたかった。

今後は故郷モンゴルで不動産関連の仕事に就くことを希望している。「父親もマンションを建てたりいろんな仕事をやっていた。いずれは会社をつくってみたい」。しかしコロナ禍で渡航できず、モンゴルに戻るのは来年以降になるという。「しばらくは日本でゆっくりします」と、当面は15年間戦い抜いた心身を休める。【佐藤礼征】

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14位白鵬へ激励「奇想天外な人柄で驚かされるも」

第9回大相撲総選挙にご投票いただき、ありがとうございました。投票だけでなく、多くの皆さまから熱いメッセージをいただきましたので、ごく一部ですが紹介いたします。

14位 白鵬 1450票

★土俵上でこんなに緊張感を与えてくれる力士は他にいません。奇想天外な人柄で驚かされることもありますが、しっかり横綱という地位を全うしている。(30代男性)

★白鵬は努力の人。ずっと手を抜かずに基礎の練習からする。(40代女性)

★白鵬関は私が初めてファンになった力士です。強くて優しい白鵬関がとても好きです。巡業でのファンサービスもすごく優しくて、丁寧です。これからも白鵬関を応援したいと思います。(30代女性)

★頑張りすぎてるくらい頑張り続けてる白鵬関をいつまでも応援したいからです。(10代以下女性)

★コロナで稽古ができなかったり、オリンピックが延期になったり、もどかしい思いだとは思いますが、身体をしっかり休めて、長く横綱をつとめてもらいたいです。立派だと思います。(40代女性)

★白鵬関は相撲は安定感抜群で立ち合いの鋭さ、腰使いのうまい、切れ味の良い豪華な投げ、不利な体勢からの対応能力など全て備わっていて強いところが好きです。また土俵以外にも被災地支援や各支援、相撲協会の不祥事が続いた時期を横綱として引っ張った功績、白鵬杯で多くの子どもに夢や希望、励みを与えるなど、横綱らしさを発揮するところも好きです。いつまでも最強の白鵬関のそんな姿を見て、白鵬関を超える大横綱が誕生することを期待しています。(20代男性)

★白鵬関は日本に来てから言葉を覚え風習を身につけ、まげと着物でのさまざまな分野への参加で日本文化を国内外にアピール。双葉山関の頃からのビデオを繰り返し見て今も研究している。その上で成績を上げ長く活躍できる海外から来てくれた力士の体と精神力は称賛に値する。(60代以上女性)

★巡業でのファンサービスは本当に神。大横綱なのにファンを大事にしてくれるところ。(50代女性)

★朝青龍時代からのファンで、相撲に対する情熱に心を奪われています。力士としても人間としても尊敬する、神様のような存在です。(20代女性)

★白鵬関以上に強い力士は他に知りません。基本が大切というお言葉、自分の私生活でも胸に刻んでいます。(30代女性)

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白鵬「まだまだいける」NHK特番で綱14年目語る

白鵬

中止になった大相撲夏場所で2場所連続45回目の優勝を目指していた横綱白鵬(35=宮城野)が6日、NHK総合にリモート出演し近況などを語った。

NHK総合は同日午後4時10分から「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」を放送。中止になった夏場所にかわり、2週前から毎週日曜日に、3週にわたり放送するもので、最終回のこの日は「再開待つ本場所へ」と題して、現役力士でともに宮城野部屋の白鵬と前頭炎鵬の、過去の特集番組を中心に編成。白鵬は番組後半、12年前に放送された同郷先輩横綱の朝青龍とのライバル物語を特集したスポーツ大陸「激突 朝青龍と白鵬」の後にリモート出演した。

部屋では10日ほど前から、接触を伴うぶつかり稽古や申し合いも再開しているという。また「30歳を超えると筋肉が落ちるから常に緊張感を与えている」と筋トレも欠かさない。無観客での開催を目指す7月場所(19日初日、両国国技館)まで、3月の春場所から4カ月もブランクがあることには「関脇に上がったころに『早く(本場所が来て)横綱、大関を倒したい』と思っていた。以前、話した優勝50回(の目標)も場所が来ないと達成できない。早く(本場所で)相撲を取りたい、というのが正直な気持ちです」と、本場所を待ちわびる心境をたとえた。

07年7月の名古屋場所が新横綱。在位が丸13年を終え14年目を迎える。尊敬する元横綱大鵬から「昇進した時に引退を考えていた」と“覚悟”を知らされた時に、白鵬自身は「(体に)電気が走った。緊張感を持って3年、5年(横綱を)できればいいか、と思っていたので13年もできるとは思っていなかった」と笑いつつ、なおも「まだまだいけるな、という感じ」と、衰え知らずを強調した。

横綱朝青龍のおいで十両の豊昇龍(立浪)との対戦はもちろん「(父の)琴ノ若関とは対戦したことがあるので、ぜひ琴ノ若と対戦したい」と、春場所で新入幕勝ち越しを決めた期待のホープとの対戦も心待ちしている様子。ファンに向けて最後に「みんなで(困難を)乗り越えて、本場所や巡業で皆さんと会えるのを楽しみにしています。そのためにも一生懸命、いい体を作って、いい相撲を見せられるように頑張ります」とメッセージを送った。

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涙は隠れて…「横綱白鵬」誕生/夏場所プレイバック

優勝を決め部屋に戻った白鵬はタイを両手に満面の笑み(2007年5月26日)

コロナ禍により大相撲夏場所が中止になり、本場所開催まで待ち遠しい日々が続きます。そんな中、日刊スポーツでは「大相撲夏場所プレイバック」と題し、初日予定だった24日から15日間、平成以降の夏場所の名勝負や歴史的出来事、話題などを各日ごとにお届けします。14日目は、4人目の外国出身力士横綱の誕生です。

<大相撲夏場所プレイバック>◇14日目◇2007年5月26日◇東京・両国国技館

勝ち名乗りを受けた後の土俵下。こみ上げるものを必死にこらえるように、2階席に視線をさまよわせた。「ふーっ」と肩で息すること7回。今度は、乾いた唇をなめながら目を閉じた。

「弱いとこ見せちゃダメ。涙は隠れて出すものなんだ」

貫いてきた哲学そのままに、大関白鵬は心の中で涙を流した。

大関千代大海を寄り切りで破り、無傷の14連勝。2場所連続3度目の優勝を果たし、横綱昇進を確実にした。圧倒的な強さの要因を「もちろん、家族です」と即答。2月に紗代子夫人と結婚し、初日3日前には長女愛美羽(あみう)ちゃんが誕生した。綱取り場所のナーバスな時期。部屋での寝泊まりを勧める周囲に首を横に振った。

「奥さんがいたから、ここまでこれた。頑張って赤ちゃんを産んでくれたから僕が頑張る番なんです」

実は出産後、夫人は体調を崩した。それでも顔色ひとつ変えず土俵を務め続けた。

千秋楽に横綱朝青龍を破り、自身初の全勝優勝を果たした。そして場所後に、日本相撲協会が名古屋場所の番付編成会議と理事会を開き、白鵬の第69代横綱昇進を決定。外国出身力士の横綱は曙、武蔵丸、朝青龍以来4人目で、22歳2カ月での昇進は北の湖、大鵬に次ぐ史上3番目(昭和以降)の若さとなった。

以降、無類の強さを見せ続け、今年3月の春場所で44度目の優勝を果たすなど、横綱昇進から13年たった今も角界を引っ張り続けている。

千代大海を寄り切りで破り優勝を決めた白鵬(2007年5月26日)

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初黒星喫し“暴れた”朝青龍/夏場所プレイバック

5月23日付の日刊スポーツ

コロナ禍により大相撲夏場所が中止になり、本場所開催まで待ち遠しい日々が続きます。そんな中、日刊スポーツでは「大相撲夏場所プレイバック」と題し、初日予定だった24日から15日間、平成以降の夏場所の名勝負や歴史的出来事、話題などを各日ごとにお届けします。10日目は、何かと物議を醸した、あの強い横綱の“ご乱行”です。

<大相撲夏場所プレイバック>◇10日目◇2007年5月22日◇東京・両国国技館

10日目を報じる翌5月23日付の日刊スポーツに「朝青 座布団蹴散らす」「礼せず土俵去る」「カメラマン怒鳴る」…の見出しが躍った。平幕の安美錦に敗れ初黒星を喫し、連勝も22で止まった朝青龍の“暴れっぷり”を詳報している。礼をせずに土俵を下り、花道では座布団を蹴り上げた横綱。寄り倒され、もつれながら土俵下に落ちた一番に支度部屋では「せめて物言いつけてくれ」とボヤき、至近距離から撮影しようとしたカメラマンに「近づき過ぎだ」と怒るなど、横綱としての品格が問われる振る舞いだった。

くしくも03年の夏場所10日目を報じる紙面にも「ガン飛ばし横綱」の見出しが躍った。前日9日目の旭鷲山との取組後、さがりを乱暴に扱い相手をにらみつけるなど、横綱らしからぬ行為。それでも北の湖理事長(当時)は処分せず、師匠の指導にゆだねた。話題に事欠かず、何かと手を焼かす優勝25回の横綱だった。

故郷モンゴルでのあのサッカー事件、そして暴行問題の責任をとっての引退表明。土俵上での強さと、子どもっぽい精神的な“危うさ”が表裏一体の横綱だった。前述の07年の際は支度部屋で「(安美錦は)軽い相手だし甘く見過ぎた。調子に乗った」「勝負は勝負だ。これが相撲ですよね」と、くだんの乱行はどこへやら、冷静に語っていた。断髪後の会見では「生まれ変わったら、大和魂を持った日本人として横綱になりたい」とも。精神的に未熟だった…と言ってしまえばそれまで。それも含めて朝青龍なのだろう。

07年5月22日、飛び交う座布団をにらむ朝青龍(左)と安美錦
07年5月22日、右すねを負傷し、治療する朝青龍

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朝青龍、35連勝でストップ/夏場所プレイバック

04年5月14日 大相撲夏場所6日目 北勝力(右)は朝青龍を押し倒しで破り連勝を35で止める

コロナ禍により大相撲夏場所が中止になり、本場所開催まで待ち遠しい日々が続きます。そんな中、日刊スポーツでは「大相撲夏場所プレイバック」と題し、初日予定だった24日から15日間、平成以降の夏場所の名勝負や歴史的出来事、話題などを各日ごとにお届けします。6日目は連勝記録に挑んだ横綱です。

<大相撲夏場所プレイバック>◇6日目◇04年5月14日◇東京・両国国技館

当時23歳の朝青龍が、173日ぶりに負けた。歴代4位タイ(当時)の36連勝を目指し、前頭筆頭北勝力(現谷川親方)と対戦。引いたところを一方的に押し倒され、04年初黒星を喫した。

「やられたよ。かっこよくできればよかったな」。立ち合いで北勝力に2度つっかけられた場面もあった。3度目の仕切りに入る前、右手で下がりを分けるまで約5秒、北勝力をにらみつけた。「手つきがねえ。合わせないといけないよな。まあ、こっちが悪いんだよ。自分のミスだよ。(北勝力は)いい押しだったな」。ぐっと堪えながら、自らの相撲を反省する言葉を並べた。

予兆もあった。「朝からかゆかった。何かあるかと思ったよ」と笑って「おとといから背中が痛い。体ぱんぱんだ」と背中をさすった。「もったいない星だね」。

朝青龍にとって、この35連勝が自身の最長連勝記録となった。朝青龍の引退後、白鵬が63連勝(史上2位)、43連勝(史上5位)、36連勝(史上6位タイ)と次々に連勝記録を打ち立てた。モンゴル勢の躍進は、現在も際立っている。

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朝乃山、ぶつかり稽古「部屋ではボチボチやってる」

記者の質問に笑顔を見せる朝乃山(2020年3月30日代表撮影)

新大関の朝乃山(26=高砂)が24日、NHKに出演し近況などを語った。

NHKは同日午後3時15分から「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」を放送。中止になった夏場所にかわり、この日から毎週日曜日に、3週にわたり放送するもので、1回目のこの日は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や北勝海(現八角理事長)らを特集した87年放送の「燃える九重 名コンビ」の映像を前半に紹介。後半は朝青龍や白鵬らを特集した04年放送の「激闘 新たな夢へ」の映像などを元に、相撲解説者・北の富士勝昭氏が電話出演するなどして番組が編成された。

その番組冒頭で芝田山広報部長(元横綱大乃国)が、角界の現状や今後の見通しなどについて太田雅英アナウンサーの質問に答える形で説明。その後、朝乃山がリモート出演。同アナウンサーの問い掛けに答えた。

Q新大関として臨むはずだった夏場所が中止になって現在は

朝乃山 次の7月場所に向かって体を作っています。(夏場所中止は)協会が決断したこと。僕らはそれに従い(気持ちは)7月場所に切り替えています。

Q毎日の稽古は

朝乃山 基礎練習に自主練習、それに筋トレをして(あとは)自粛して生活しています。

Q接触する稽古は

朝乃山 部屋ではボチボチやっていて、人とぶつかるようにはしています。自分もぶつかり(稽古)で胸を出したりはしています。

Q感染への不安は

朝乃山 不安ですが、7月場所があると思って稽古していかなくてはいけませんから。

Q夏場所といえば1年前に優勝した

朝乃山 去年の5月場所の優勝で自信に変わったので、ここまで来れたと思う。自分の右四つの相撲ができるようになってから(大関に)結び付いた。

Q大関はどんな地位か

朝乃山 プロに入って大関、横綱を目指してやってきた。(ただ)ここまで来れたことは自分でも驚いている。

Qどんな大関になりたいか

朝乃山 下の子から尊敬、目標とされる大関になりたい。

Q次に横綱がある

朝乃山 そこはまだ気が早いけど(笑い)、ここまで来たら自分を信じて1つ上の番付を目指したい。

Q世代交代の声もある。次の時代は自分が…という気持ちは

朝乃山 それ(気持ち)はあるし、大関から落ちたくないという気持ちもある。上に立って角界を盛り上げたい。

Qあらためて7月場所に向けて

朝乃山 コロナは落ち着いてきたけど、見えない病気で油断はできない。(そんな中でも)自分はどこが弱いのか見直して稽古したい。

Qファンへ

朝乃山 7月場所もテレビの前で自分だけでなく、力士全員への応援をよろしくお願いします。

稽古で若い衆に胸を出す朝乃山(2020年4月1日撮影)

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夏場所代替のNHK特番、要望受け「歴史楽しんで」

元横綱千代の富士(1990年3月12日説明)

NHKは中止となった夏場所に替わり、24日から3週にわたって「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」を放送する。第1回の24日は午後3時5分から。夏場所の初日、8日目、千秋楽の日程に合わせ、過去にNHKが制作した名勝負や名力士のドキュメンタリー番組を放送するほか、本場所再開を待つ現役力士が、3週連続でリモート出演をする予定だ。大相撲ファンが本場所の再開を心待ちにする中で、NHK広報部の担当者は23日までに「さまざまなスポーツが中止や延期となる中、NHKではプロ野球やJリーグなど過去の名勝負をお伝えしております。同様に、日本相撲協会から夏場所の中止が発表された後に、毎場所、大相撲中継を楽しみにしている視聴者の皆様に楽しんで頂ける番組を放送できないか考えてきました」と、放送の経緯を説明した。

夏場所の中止が発表された今月4日以降、NHKにも多数の声が届いているという。「夏場所の中止が発表された後から、電話、ハガキ、ツイッターなどで『柏鵬時代の映像を流してほしい』などといった声が、多数ございました」。無観客で開催された春場所から2カ月以上が過ぎ、視聴者も大相撲中継を渇望しているようだ。

24日放送の第1回(24日放送)は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や北勝海(現八角理事長)、朝青龍らのドキュメンタリー番組が放送される。「現在の小中学生のような若い大相撲ファンに少しでもなじみのある親方や力士の懐かしい映像を見て頂くことで、大相撲の長い歴史のつながりを楽しんで頂ければ」。

立ち止まって歴史を振り返る。この自粛期間が、大相撲の魅力を再確認するきっかけになるかもしれない。

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夏場所中止でNHKが「特別場所」名勝負など放送

鶴竜

NHKが20日、中止になった大相撲夏場所に替わって24日から3週にわたって放送する「大相撲特別場所~テレビ桟敷へようこそ~」の番組内容を発表した。夏場所の初日、8日目、千秋楽の日程に合わせ、過去にNHKが制作した名勝負や名力士のドキュメンタリー番組を放送するほか、本場所再開を待つ現役力士が、3週連続でリモート出演をする予定。3週ともに総合テレビで放送される。

第1回(24日放送)は「歴史彩る横綱全盛期」と題して、元横綱千代の富士や朝青龍らに焦点を当てる。1987年(昭62)の「燃える九重名コンビ ~大相撲この1年~」と、2004年(平16)の「激闘 新たな夢へ ~大相撲この1年~」を放送し、横綱鶴竜と、春場所で大関昇進を決めた朝乃山がリモート出演で今の生活の日々を語る。

第2回(31日放送)のテーマは「しのぎを削ったライバルたち」。88年(昭63)放送の「名勝負 栃錦・若乃花」、92年(平4)放送の「柔と剛 ~柏鵬の時代(大鵬・柏戸)~」、同年放送の「綱とり三つどもえの戦い ~北の富士・玉の海・琴桜~」が再放送され、現役力士では大関貴景勝と、序二段から史上初の再入幕を遂げた照ノ富士がリモート出演する予定。

第3回(6月7日放送)では横綱白鵬と前頭炎鵬の特集が再放送される。昨年放送の「目撃! にっぽん おそれず“前”へ ~炎鵬 ともに戦う日々~」と、08年放送の「スポーツ大陸 激突 朝青龍と白鵬」。その白鵬と炎鵬もリモート出演する予定で、本場所再開への思いを語る。

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礼儀欠かさなかった曙親方/記者が振り返るあの瞬間

曙太郎K−1入り会見 K−1参戦を表明し会見する曙親方(右)と谷川貞治プロデューサー=東京・帝国ホテル(2003年11月6日)

<スポーツ担当記者 マイメモリーズ>(32)

政府の緊急事態宣言が延長され、スポーツ界も「自粛」状態が続いている。

日刊スポーツの記者が自らの目で見て、耳で聞き、肌で感じた瞬間を紹介する「マイメモリーズ」。サッカー編に続いてオリンピック(五輪)、相撲、バトルなどを担当した記者がお届けする。

  ◇  ◇  ◇

その声が自分に向けられたものだとは、すぐには分からなかった。もう1度「オイッ!」という低い声が飛び、鋭い眼光は相撲担当になってまだ2日目の自分を見ている。03年10月31日。朝稽古の取材で東関部屋を訪れて、一礼だけして後方に座った直後、曙親方(元横綱)に呼ばれた。怒気をはらんだ口調だった。

前日、部屋の幕内高見盛が出稽古先で横綱朝青龍につり上げられ、バックドロップのようにたたきつけられて右肩を負傷した。様子を確認しに来た自分が気に食わないのかもしれない。テレビでしか知らなかった巨体に恐る恐る近づく中で、いろいろと考えた。首に下がる記者証をにらみつける親方の目が怖かった。

「お前、あいさつはどうした?」。そう言われて慌てて名乗ろうとした。すると「オレじゃない!」と語気が強まった。「師匠にだ。部屋に入ってきたらまず師匠にあいさつするのが礼儀だろ。それが日本人の心ってもんじゃないのか」。

分かる人も多いだろうが、稽古中は意外と静かな間が多い。体同士、時に頭と頭がぶつかり合う鈍い音が響き、呼吸の乱れもよく分かる。そんな空間で、相撲のすの字も分からないペーペーの担当記者ができることは、ひたすら存在を消すこと。物音を立てず、邪魔にならないよう隅っこで見ていようと思っていた。稽古を遮るあいさつすら失礼になると思い込んでいた。

その静寂を壊してまで「礼儀」を説いてくれた曙親方の思いを、今も感じることができる。慌てて師匠の東関親方(元関脇高見山)に頭を下げると、にこりと笑ってくれた。曙親方に戻り、一から名乗ると「それを忘れないようにな」と優しい声で言われた。ハワイ出身の親方に教わった「日本人の心」は、その後の記者生活の土台になった。

ところが話はまだ続く。

1週間後の11月6日の朝、日刊スポーツ1面に「曙親方 K-1参戦へ」の文字が躍った。スクープだった。部屋に行くと東関親方は明らかに落胆していて、退職の申し出は受けていたものの「気がついたら部屋に荷物がなかった。こういう言葉は使いたくないけど、裏切られた」と恨み節が出た。

稽古場で諭してくれた、あの「日本人の心」は一体どこに…。当時は自分もだいぶ混乱したものだった。

ただ、実際にK-1やプロレスに転向した曙はその後も部屋を訪れて師匠と肩を並べている。先日は闘病中の体を押して、東関親方として急逝した元幕内潮丸の葬儀に訪れた。非礼のままであれば、そうはいかないのがこの世界。礼儀を欠かさなかったからこそだと、曙の姿を見るたび、そう感じている。【今村健人】

福岡市の福岡国際センターで行われた前夜祭の支度部屋で、曙親方のKー1参戦を伝える本紙に目を通す小結高見盛(2003年11月6日撮影)

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元朝青龍が絵文字付き投稿「ついにママに」愛犬出産

元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジ氏

元横綱朝青龍のドルゴルスレン・ダグワドルジさん(39)が30日、自身のツイッターを更新し、愛犬が子どもを産んだことを報告した。元朝青龍関は「桜ちゃんがついにママになりましたよ」と絵文字付きで投稿。その約20分後には「正雄パパに」とつぶやき、愛犬たちの写真を載せた。

元朝青龍関は昨年5月、秋田・大館市で秋田犬保存会のイベントに参加し、メスの秋田犬「さくら」を贈られた。その前年にはオスの「マサオ」が贈呈されており、さくらは花嫁候補とされていた。当時、「本当に美人。家族の一員として大切に育てたい」と笑顔を見せていた。

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朝乃山昇進で「横綱大関」併記1場所で解消/新番付

大関昇進の伝達を受ける朝乃山(右)と高砂親方(代表撮影=2020年3月25日)

日本相撲協会は27日、大相撲夏場所(5月24日初日、東京・両国国技館)の新番付を発表した。なお、新型コロナウイルスの感染拡大の影響を受け、夏場所開催の可否は決まっていない。

横綱は3場所連続で東に白鵬(35=宮城野)、西に鶴竜(34=陸奥)が就いた。3月の春場所では、千秋楽相星決戦で優勝を争った両者は、白鵬が2場所連続45回目、鶴竜が5場所ぶり7回目の優勝を目指す。

新大関の朝乃山(26=高砂)は西に就いた。新大関誕生は昨年夏場所の貴景勝以来で、高砂部屋からは02年秋場所の朝青龍(元横綱)以来、富山県出身では1909年(明治42年)夏場所の太刀山以来、111年ぶりとなる。近大出身では、師匠の高砂親方(元大関朝潮)以来37年ぶり、学生相撲出身では07年秋場所の琴光喜以来8人目。三役在位3場所での新大関昇進は、照ノ富士の2場所に次ぎ大鵬、豊山、雅山と並ぶ2位のスピード昇進(58年以降)。三段目付け出しデビューでの大関昇進は初めてとなった。

また、5場所ぶり2度目のかど番となる貴景勝(23=千賀ノ浦)は東大関。先場所は大関が貴景勝1人で、38年ぶりに西横綱鶴竜が番付上「横綱大関」と併記されたが、それも1場所で解消された。

関脇は先場所、西だった正代(28=時津風)が、2場所連続在位の東へ(三役も2場所連続)。西は御嶽海(27=出羽海)が、3場所ぶりに(三役としても)復帰した。

小結は、東が2場所ぶり復帰の大栄翔(26=追手風)、西はベテラン隠岐の海(34=八角)が4年(24場所)ぶりの返り咲きとなった(三役としては関脇だった16年九州場所以来、21場所ぶり)。

夏場所は、通常通りなら5月22日の取組編成会議で初日と2日目の対戦相手が決定。24日の初日を迎える(いずれも未定)。

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