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ゴロフキンがアルバレスと再戦 9・15ラスベガス


 プロボクシングの2団体(WBAスーパー、WBC)統一世界ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)が9月15日、米ネバダ州ラスベガスで元2階級制覇王者サウル・アルバレス(27=メキシコ)と再戦することが確実となった。

 13日(日本時間14日)に米メディアが報じたもので、試合会場はT-モバイルアリーナになる見通しだという。ゴロフキンはIBF王座を剥奪されたため、2団体統一戦になる予定。アルバレスをプロモートするゴールデンボーイプロモーションのオスカー・デラホーヤ氏も自らのツイッターで「9月15日、カネロ(アルバレス)-GGG(ゴロフキン)2が決まったことを報告できて幸せ」とつづった。

 当初、昨年9月の対戦で引き分けとなったアルバレスとは5月5日に再戦する予定だったが、アルバレスのドーピング違反のため中止に。同日にはバネス・マルチロシャン(米国)に挑戦者が変更となり、同級王座最多タイとなる20度目の防衛に成功していた。

 4月18日に米ネバダ州のコミッションから6カ月間の資格停止処分を受けているアルバレスは8月中旬には試合可能になる。同級のWBA正規王者には村田諒太(帝拳)がいる。

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王者村田に3位との対戦指令か「調整するだけです」

汗でびっしょりとなった練習着姿でパンチを打ち込む村田


 米スポーツ専門局ESPNが12日(日本時間13日)、ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)に対し、同級3位ロバート・ブラント(27=米国)との対戦指令を出したと報じた。7月15日までに対戦合意に達しない場合は入札となる。ブラントの戦績は23勝(16KO)1敗で、昨年10月にワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のスーパーミドル級トーナメントに参戦したが初戦敗退。ミドル級に戻り、3月の再起戦で1回KO勝ちしている。

 帝拳ジムの本田会長はこの日、「(米プロモート大手社の)トップランクに任せてあります。(相手は)何人か考えている。やれと言われればやる」と述べた。V2戦は秋に米ラスベガスで開催する見通しだ。村田は都内のジムでの約3時間の練習後、「(次戦の)話題が出ると身が引き締まる。誰とやろうが、どこでやろうが調整するだけですね」と応じた。

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王者村田諒太、3位ブラントとV2戦指令と米で報道

WBA世界ミドル級王者村田諒太(18年6月撮影)


 米スポーツ専門局ESPNが12日(日本時間13日)、WBA(世界ボクシング協会)が世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)、同級3位ロバート・ブラント(27=米国)の両陣営に対して対戦指令を出したと報じた。7月15日(同16日)までに対戦合意に達しない場合は入札となるが、ファイトマネーの分配は50%ずつになるとしている。

 村田は4月15日の初防衛戦でエマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)に8回TKO勝ちし、2度目の防衛戦を秋に米ラスベガスで行う見通しとなっている。

 23勝(16KO)1敗のブラントは昨年10月、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)のスーパーミドル級トーナメントに参戦したが、初戦でユルゲン・ブレーマー(ドイツ)に判定負けした。その後はミドル級に戻り、今年3月のコルビー・カーターとの再起戦で1回KO勝ちしていた。

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村田諒太恐縮「まさか府知事から表彰受けるとは」

村田は西脇府知事から記念品を贈られる


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が10日、京都市内で京都府スポーツ特別奨励賞授賞式に出席した。

 同地は南京都高(現京都廣学館高)時代を過ごした思い出の場所。同高のOBが主体となって結成されている後援会による、4月の初防衛戦の祝勝会の場で表彰を受けた。

 西脇府知事から記念品などを贈呈されると、深々と頭を下げながらも、「この会は最初は…」と苦笑いして語り始めた。

 「南京都高のOBがメインで作った会なんですが、軽いノリで始めて。下品で始まり下品で終わる会だったんですが、まさか府知事から表彰を受けるとは」と恐縮して笑いを誘った。この日は400人近い後援者が集まった。「ゴロフキンを倒しにいってきます」と気勢を上げ、しっかりとその期待に応えていた。V2戦は秋に米国で計画されている。

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大岩戸断髪式「恩返しできた」村田諒太らはさみ入れ

断髪式でボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太にはさみを入れてもらう元前頭の大岩戸


 5月に引退した元前頭の大岩戸(37=八角)の断髪式が9日、東京・両国国技館で行われ、約230人の関係者がはさみを入れた。

 幕内在位は1場所のみだが、昨年の夏場所では最年長記録となる36歳で幕下優勝。「今まで応援してくれた人に恩返しができた」と14年間の土俵生活を充実した表情で振り返った。プロボクシングWBA世界ミドル級王者の村田諒太も断髪式に参加。ともに初動負荷トレーニングをした間柄で「この年齢までやっている方はなかなかいない」とたたえた。引退後は貴金属を扱う一般企業に勤める。

断髪式で師匠の八角親方(右)に止めばさみを入れられる元前頭の大岩戸(撮影・佐藤礼征)

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最年長幕下Vの大岩戸が断髪式、村田諒太らがはさみ

断髪式でボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太にはさみを入れてもらう元前頭の大岩戸(撮影・佐々木隆史)


 5月に引退した大相撲の元前頭の大岩戸(37=八角)の断髪式が9日、東京・両国国技館で行われ、プロボクシングWBA世界ミドル級王者の村田諒太(32)、漫画家やくみつる(59)ら、約230人の関係者がはさみを入れ、止めばさみは師匠の八角親方(元横綱北勝海)が入れた。まげを切り落とし「不思議な感覚で、こみあげるものがあった」と振り返った。

 共通の知人を持ち、ともに初動負荷トレーニングにも取り組んだ間柄の村田は、断髪式に参加するのは初めてで「緊張しました」と笑顔を見せた。大岩戸について「闘争心を出すというより、優しい方だった。この年齢までやっている方はほとんどいない。やりきったんだなと感じた」とねぎらいの言葉を語った。

 引退後はレアメタルや貴金属を扱う企業に勤める。「現役生活の中で相手と面と向かって話した経験を営業で生かしたい」と第2の人生へ意気込んだ。

 山形県出身で、近大時代には学生横綱にも輝いた。14年間の土俵生活で幕内在位は1場所のみだったが、昨年の夏場所で幕下優勝を飾り、36歳での幕下優勝は最年長記録だった。

断髪式で師匠の八角親方(右)に止めばさみを入れられる元前頭の大岩戸(撮影・佐藤礼征)

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村田諒太の今後に影響、ゴロフキンがIBF王座剥奪


 ボクシングの世界3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)統一ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)がIBF王座を剥奪された。IBFが6日(日本時間7日)、発表した。5月に米国でマーティロスヤンに2回KO勝ちしたが、同団体から防衛戦として認められず、防衛戦を義務づけられていた。

 15年に当時のIBF同級王者レミューとの団体統一戦に8回TKO勝ちして3団体統一王者となり、4団体統一も視野にしていたが再考必至。ゴロフキンを標的としているWBA同級正規王者村田諒太(帝拳)の今後にも影響がありそうだ。

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ゴロフキン王座剥奪 IBF防衛戦として認められず


 プロボクシングの世界3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)統一ミドル級王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)がIBF王座を剥奪された。

 IBFが6日(日本時間7日)、発表したもの。ゴロフキンは5月5日、米カリフォルニア州カーソンでバネス・マルチロシャン(32=アルメニア・米国)の挑戦を受け、2回1分53秒、KO勝ち。同級最多タイの20連続防衛(WBAスーパー19回、WBC8回)に成功していたが、この試合はIBF防衛戦として認められず、同団体から期限内の防衛戦を義務づけられていた。またIBF同級1位セルギイ・デレビヤチェンコ(32=ロシア)との指名試合も回避していた。

 ゴロフキンは15年10月、当時のIBF同級王者デビッド・レミュー(カナダ)との団体統一戦に8回TKO勝ちし、3団体統一王者となっていた。なおWBA同級正規王者には村田諒太(帝拳)がいる。

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清水聡V3自信、村田諒太と世界戦コンビ構想明かす

8月17日の次戦に向けて会見に臨んだ東洋太平洋フェザー級王者清水聡(左)と元3階級制覇王者八重樫東


 12年ロンドンオリンピック、バンタム級銅メダルの東洋太平洋フェザー級王者清水聡(大橋)が8月17日、後楽園ホールで同級10位の河村と3度目の防衛戦を行うことが28日、発表された。

 「いままでの6試合の相手は打たれ強い選手ばかりでしたが、今回もKOで勝ちます」と自信たっぷりの清水にとって大事な世界前哨戦。五輪銅メダリストらしく「(WBA世界ミドル級王者)村田と一緒の舞台で試合ができれば」と声を弾ませた。大橋会長も「村田選手とのメダリストコンビで世界戦を組めたら」との構想を明かした。

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拳四朗、一撃でKO!ロペスを破り3度目の王座防衛

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 拳四朗対ロペス 拳四朗対ガニガン・ロペス 入場時にDJ KOO(手前)とグータッチする拳四朗(撮影・滝沢徹郎)

<WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ>◇25日◇東京・大田区総合体育館◇12回戦◇リミット48・9キロ


 王者拳四朗(26=BMB)が前王者で同級1位のガニガン・ロペス(37=メキシコ)を破り、3度目の防衛に成功した。

 2回1分45秒すぎ、強烈な右パンチを相手ボディーに叩き込むと、ロペスはたまらず前のめりにダウン。2回1分58秒、この一撃であっさりと勝負を決めた。

 拳四朗は「最初1ラウンドは緊張してドキドキでした。自分の距離が取れていたので、いけるかなと思った」と喜びのコメント。ボディー一撃で仕留めたことを問われると「昨日の夜ごはんの時に(父がボディーへのパンチを)ワーワーしゃべっていて、それでいけるとは…。倒せてよかった」と満面の笑みを浮かべた。

 1年ぶりの再戦は、王者と挑戦者という「立ち位置」が逆になったリマッチだった。王座奪取へと攻める挑戦者に対し、王者はベルトを守る意識が高まる。立場の変化がプラスに働くのか、それともマイナスに動くのか-。笑顔がトレードマークの拳四朗は、ロペスの迎撃を前向きにとらえた。「2回目なので今度はしっかりと倒していきたい。今回は倒します」。V2王者らしく、揺るぎない自信をみなぎせリングに立った。

 1度は拳を交えたベテランのサウスポー。戦いにくい相手であることを身を持って知っているだけでも、精神的なアドバンテージがある。1年前は12回判定で2-0の僅差判定で王座を奪った。WBC独自の公開採点で劣勢を知ったロペスに後半追い上げられた展開でもあった。王座奪回に執念を燃やすであろう11歳年上のロペスに対し「距離感が独特でやりにくい相手だけど、序盤から積極的に攻めて下がらせたい」との戦略を口にしていた。

 もともと4月15日、WBA世界ミドル級王者村田諒太、前WBC世界フライ級王者比嘉大吾とのトリプル世界戦で行われる予定だった一戦だ。両陣営の了承を受けた主催者サイドの日程再調整で約1カ月ほどスライドし、3階級制覇に挑む井上尚弥(25=大橋)とのダブル世界戦になった。結果的に、前回のロペス戦では見送られた地上波での試合生中継が実現することになった。「KO勝利して、もっと有名になる」との宣言を後押しする環境が整った。自然と気持ちも高揚していた。

 前回の試合間隔は2カ月だったが、今回は5カ月弱と十分すぎる調整期間もあった。既に2月上旬、三迫ジム勢と一緒に神奈川・茅ケ崎で3泊4日に合宿を消化した。砂浜での計90キロ以上のロードワークで強靱(きょうじん)な下半身をつくりあげてきた。3月上旬に1週間、そして4月下旬から5月上旬までフィリピン遠征を敢行し、実戦トレーニングにも着手してきた。サウスポー対策を練りながらのスパーリング合宿には十分な手応えがあった。

 「サウスポーには距離の長い左ジャブをいかに当てるかがポイント」と師匠である父の寺地永会長は指摘する。その上で「前回のロペス戦は初の世界挑戦で十分な力を出せずにギリギリの勝利だった。1度戦っているので、今回は(ロペスの動きを)読みやすい。前回、最後の打ち合いは打ち負かした。あの後半に見せた打ち合いを早いラウンドで出せれば」と早期のKO勝ちまで予想していた。

 この1年間、ロペス戦を含めて3度の世界戦を経験した。拳四朗は「防衛ごとに自信はついている。8回ぐらいに倒したい」とKO勝利に意欲的だ。今や勝利後も決めポーズとなりつつある、両手でのピースサインをリング上で再び披露することを意識しながら、リターンマッチを締めくくった。

WBC世界ライトフライ級タイトルマッチ 拳四朗対ロペス 2回、拳四朗は(奥)は右ボディーでロペスをノックアウトする(撮影・滝沢徹郎)

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井上尚弥、マクドネル戦が異例の米英生中継決定

WBA世界バンタム級王者マクドネルが持ち込んだグローブをチェックする井上(撮影・中島郁夫)


 プロボクシングWBA世界バンタム級2位井上尚弥(25=大橋)が国内最速となる16戦目の3階級制覇でボクシングの本場にあらためて存在感を示す。25日に東京・大田区総合体育館で王者ジェイミー・マクドネル(32=英国)に挑戦する一戦が、米英で生中継されることが23日、決まった。

 米動画配信のESPNプラス、英スポーツ専門局スカイスポーツでライブ中継。調印式に出席した井上は「盛り上がっている試合なのだなと思います。しっかりした形の勝利をしたい」と声を弾ませた。

 大橋会長によれば、米国時間では早朝の生中継となるがESPN以外からも米国内の中継オファーが届いていたという。同会長は「(ESPNプラスが)無料なので選んだ。宣伝効果は絶大」と歓迎した。日本人では村田諒太に続く国内世界戦の米生中継。「日本の軽量級が米英で生中継されるなんて異例」と話した。

 海外メディアからKO勝ちに関する質問を受け、井上は「その流れがきたらKOを狙っていきたい」と世界戦6試合連続KO勝ちを意識した。国内の世界戦連続KO勝利数で、井上は長谷川穂積、内山高志、山中慎介と並ぶ歴代2位の5連続。KOすれば具志堅用高に並ぶ歴代1位の6連続だ。世界戦通算KO勝利数も具志堅、山中と並ぶ9回。こちらもKOなら内山と並ぶ歴代1位の10回となる。

 井上が「ビッグマッチにつながる」と位置付けるマクドネル戦。KO勝ちで3階級制覇を成し遂げ、ボクシングの本場にも強さを届ける構えだ。【藤中栄二】

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日本最大の戦い!リナレス対ロマチェンコ/展開予想

マディソン・スクエア・ガーデン前の特設リングでシャドーボクシングを披露したリナレス


 日本ボクシング界史上最大級のビッグマッチが明日13日(現地時間12日)に米ニューヨークのマディソン・スクエア・ガーデンで挙行される。

 WBA世界ライト級タイトルマッチ。4度目の防衛戦に臨む王者ホルヘ・リナレス(32=帝拳)に挑むのは、史上最速の12戦目での3階級制覇をもくろむワシル・ロマチェンコ(30=ウクライナ)。米スポーツ専門局ESPNのパウンド・フォー・パウンド(全階級通じての最強選手)で1位に君臨する挑戦者に対し、ベネズエラ生まれ、日本育ちの3階級制覇王者がどう立ちはだかるのか。時差、開催地などの要素も差し引いても、もっと国内で注目を浴びてしかるべき一戦。12日の前日計量は両者とも一発でパスした。試合まで24時間を切ったこのタイミングで、あらためて展望を進めていきたい。

 

 【特徴、スタイル】

 ◆リナレス(44勝27KO3敗) 17歳で来日し、15年あまり。艱難(かんなん)辛苦を乗り越えて、ついにキャリア最高のビッグマッチにたどり着いた。10代からスピード、特にハンドスピードは出色で、上下に的確に打ち分けるシャープな連打にも定評があった。「ゴールデンボーイ」の相性ままに、無敗でWBC世界フェザー級暫定王座決定戦に勝って世界王者になったのは07年7月、まだ21歳の時だった。翌年にはWBA世界スーパーフェザー級王座を獲得して2階級制覇を遂げたが、2度目の防衛戦でサルガドにまさかの1回TKO負け。以降、打たれもろさが弱点として指摘されるようになった。

 そこから名実ともに「再起」を果たしたのは、近年の敵地でのタフファイトの連続が大きい。14年12月にプリエトに勝利してWBC世界ライト級王座を獲得して3階級制覇した後、16年、17年とクロラ(英国)をマンチェスターで撃破。WBA同級王者も手中にして、評価を上げてきた。

 階級を上げても落ちないハンドスピードの速さは天下一品で、もともと体格自体も身長173センチでライト級にフィットしていると言える。プロ生活15年目で脂ののりきった成熟期に大一番を迎える。

 ◆ロマチェンコ(10勝8KO1敗) 相性は「ハイテク(高性能)」。その名の通り、いま最も高度な技術を誇るボクサーの1人と言える。08年北京、12年ロンドンを五輪2連覇。鳴り物入りでプロ入りすると、3戦目でWBO世界フェザー級王座を獲得して世界王者に。16年6月にはWBO世界スーパーフェザー級王座を射とめて、最速7戦目で2階級制覇を成した。

 その特徴はスピードとフットワークの織りなす多彩な角度からの幻惑的な攻撃。打った後には同じ場所にはいないのは常で、最も嫌がるポジションに敏感に位置して次々に放たれるパンチの嵐に、対戦相手が亀のようにガードを固める様が散見される。一気に敵の背後近くに回ったと思いきや、逆に真横から正面に滑るように登場するステップは、驚異の連続。ここ4試合は手も足もでなくなった相手を棄権に追い込んでおり、棄権宣言の「ノー・マス」、スペイン語で「もう十分だ」という言葉にかけて、自ら「“ノーマスチェンコ”に改名しましょうか」とおどけてみせる。

 

 【展開予想】

 「最初はジャブで相手のスタイルや出方とか様子を見てみて、彼は早いからね。バランスと止まらないで動き続けることが僕にはとても大切かな」。9日に行われた公開練習後にリナレスが見通した。序盤の勝負の鍵はジャブで、ロマチェンコをどれだけコントロールできるかだろう。

 リナレスのジャブは当てることよりも、相手の動きを抑制し、なおかつ自分の距離感へと誘導していくための要素が強い。フェイントなどを混ぜながら、その先の組み立てへの導火線として放たれる。

 ロマチェンコがその餌食になるかどうか。これまでリナレスほどのハンドスピードを持つ右のボクサーファイタータイプとの対戦成績はない。さらにリーチでも約10センチほど差があり、容易にはジャブをかいくぐって出入りを繰り返すことはできないと見る。長い距離に留められてしまえば、これまでの11戦にはなかった展開に見舞われる可能性はある。

 リナレスと同門のWBA世界ミドル級王者村田諒太(32)の言葉を借りると、「階級が下の選手が上に上げたときのアドバンテージはスピードになりますが、ホルヘには通用しないと思う。かつフィジカル的にも差がある。ロマチェンコがそれだけホルヘのパンチに反応できるかどうかが勝負の分かれ目」ということになる。加えて、何よりリナレスが勝つのは右ストレートを当てなければならない。スピードで従来通りにコントロールした上で、変幻自在のステップ、柔軟な体に右をどう合わせていくかも問われることになる。

 直前のオッズではロマチェンコ勝利が1・08倍、リナレス勝利が7・5倍、引き分けが26倍(ウィリアムヒル)と出ている。13連勝中、サウスポーとの連戦が続くリナレスを考えると、離れすぎの印象が強い。少なくとも「ノーマスチェンコ」が続く展開にはならないだろう。【阿部健吾】

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王者村田諒太「快感」イチローの研究者発言に共感

サンドバッグにパンチを打ち込む村田(撮影・江口和貴)


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、イチロー(44)に共感した。

 7日、秋に予定する2度目の防衛戦へ、都内のジムで練習再開。先日マリナーズの会長付特別補佐に着任したイチローの「研究者でありたい」との発言に、「試して知識を得るのは快感ですよね。自分も自分の限界にチャレンジしたい。体が続く限り」とした。先月V1を飾ったが、この日も腹筋を部位別に細かく分けて鍛え、どう競技に結び付くかを熱弁。「トライアンドエラーの繰り返しですね」と説いた。今後は5日V20を達成した3団体統一同級王者ゴロフキンとの決戦を目指す。「戦う時のイメージはある。攻防分離でやれば良い勝負ができる。まずは次の試合でしっかりアピールしたい」と先を見た。

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V20ゴロフキン、次戦「誰とでも」余裕の笑み

20連続防衛したゴロフキン(AP)

<WBAスーパー、WBC世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇5日(日本時間6日)◇米カリフォルニア州カーソン・スタブハブ・センター


 主要3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)が、ミドル級最多タイの20連続防衛に成功した。WBA同級12位、WBCスーパーウエルター級1位バネス・マルチロシャン(32=米国)の挑戦を受け、2回1分53秒、KO勝ちを収めた。

 1回に挑戦者の右を浴びると「いいパンチをくれたので本気になった」と2回からトップギア。鋭角的な右アッパーで攻め、右、左、右と連打。倒れ込む相手の顔面に左フック、右フックでとどめを刺した。3試合ぶりのKO勝利でホプキンス(米国)の持つミドル級世界王座の20連続防衛(WBAスーパー19回、WBC8回)に並んだ。

 当初、再戦が決まりながら薬物違反を犯した元2階級制覇王者アルバレス(メキシコ)の代役で、白羽の矢が立ったマルチロシャンと対戦した。しかし相手は2年ぶりの試合で防衛は確実視され、戦前からファンの話題は次戦の相手に集中していた。WBA王者には村田諒太(帝拳)がおり、勝利インタビューでもアルバレスやWBC暫定王者チャーロ、WBO1位アンドラーデ(ともに米国)との対戦を尋ねられたが「誰とでも。自分のビッグタイトルに挑戦して」と余裕の笑みを浮かべた。

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村田諒太分析で発見!最強王者ゴロフキンの「衰え」

村田諒太


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が標的とする最強王者の最新試合を分析した。

 6日(現地時間5日)、米カリフォルニア州で行われた20連続防衛を日本から観戦。WBA同級12位、WBCスーパーウエルター級1位バネス・マルチロシャン(32=アルメニア・米国)に2回1分53秒KO勝ちをおさめた展開に、「自分が戦う前提で試合を見るようになり、良いところ悪いところが見えるようになった」とコメント。「パンチに対する反応に限って言えば若干の衰えは隠せない。やるべきことはゴロフキンのあの強打をもらわないことに集中して戦い続けること」と続けた。

 この日のゴロフキンは「様子をみた」という1回に、挑戦者のパンチを被弾する場面があった。「本気になった」という2回にロー右アッパーでぐらつかせ、右オーバーハンド、左フック、右ストレート、左フックと的確な連打で仕留めた。2試合連続で判定決着が続いていたため、最盛期は過ぎたという見立てもある中で、村田はパンチの反応などに衰えを指摘し、攻撃面での強さには警戒を強めた模様だ。

 試合後のリング上でのインタビューでは、「誰でも良いですよ」と述べた本人からもインタビュアーからも、次戦の相手として名前は挙がらなかった。村田自身は先月15日に初防衛を果たした直後に、ゴロフキンと戦うことを目指すと公言している。「まだ、現実的に目の前にあるわけではないですし、試合後のインタビューでもチャーロ、アンドラーデをあげている中に自分の名前はないので、まずはリストアップされるように次の試合でアピールしていきたい」と見据えた。秋には米国でV2戦を計画しており、ここでの試合内容、インパクトが重要になる。

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ゴロフキンV20ミドル最多タイ、次戦「誰とでも」

20連続防衛を決めたゴロフキン(AP)

<WBAスーパー、WBC世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇5日(日本時間6日)◇米カリフォルニア州カーソン・スタブハブ・センター


 3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)が、20連続防衛に成功した。WBA同級12位、WBCスーパーウエルター級1位バネス・マルチロシャン(32=アルメニア・米国)の挑戦を受け、2回1分53秒、KO勝ちをおさめた。

 「最初は様子をみた」という1回、挑戦者の右ストレートや左フックを浴びたが「彼がいいパンチをくれたので、本気になった」という2回だ。威圧感たっぷりで攻め込み、ロープ際に追い込むと右アッパーでぐらつかせ、右オーバーハンド、左フック、右ストレートと連打の嵐。最後は倒れ込むマルチロシャンの顔面に左フック、右フックを打ち込んでキャンバスに沈めた。3試合ぶりのKO勝ちで、通算戦績は38勝(34KO)1分けとした。

 20連続防衛成功はバーナード・ホプキンス(米国)の持つミドル級世界王座の最多防衛記録に並ぶ快挙となる。ファイトマネーだけで100万ドル(約1億1000万円)もゲット。リング上で次期挑戦者の希望を問われると「誰とでもやります。自分のビッグタイトルに誰でもチャレンジしてください」と余裕の笑みを浮かべた。

 一時は再戦決定も、ドーピング違反で試合中止となった元2階級制覇王者サウル・アルバレス(メキシコ)とのあらためての再戦に向けても「どうでしょう。彼が準備できているならいいですよ」と言及した。WBA世界同級王者村田諒太(帝拳)、WBC世界同級王者ビリー・ジョー・サンダース(英国)をはじめ、各団体上位にも実力者が並ぶ階級。ゴロフキンは「誰でもきてください。チャンピオンなので、相手は誰でもいいです」と自信満々だった。

挑戦者のマルチロシャン(左)に讃えられるゴロフキン(AP)

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ゴロフキン「驚異のショーにする」防衛戦に自信


 プロボクシングの世界3団体(WBAスーパー、WBC、IBF)統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(36=カザフスタン)が2日(日本時間3日)、米カリフォルニア州カーソンで5日に行われる同地での防衛戦に向けた記者会見に臨んだ。

 挑戦者バネス・マルチロシャン(32=米国)と同席。ゴロフキンは「これは大きな試合。決して簡単な試合ではない。バネスと彼のチームに敬意を表する。大きな挑戦者だ」とした上で「5月5日はボクシング界にとって大きな日になる。驚異のショーにすることを約束するよ」と自信をみなぎらせた。

 WBA同級正規王者村田諒太(帝拳)も対戦を希望するゴロフキンは当初、元2階級制覇王者サウル・アルバレス(27=メキシコ)と再戦する予定だったが、アルバレスのドーピング違反のため中止に。アルバレスは4月18日、試合の開催予定地だった米ネバダ州のコミッションから6カ月間の資格停止処分を受けていた。

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村田諒太、ゴロフキン防衛戦占う「4回以降のKO」

ゴロフキンの防衛戦を占った村田


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、最強王者の20度目の防衛戦を占った。

 1日に都内で取材に応じ、3団体統一同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)がWBCスーパーウエルター級1位バネス・マーティロスヤン(アルメニア/米)を迎える5日(日本時間6日)の世界戦(米カリフォルニア州)に言及。アルバレスがドーピング検査の陽性で辞退し急きょ相手が変更になったが、「耐久力とかパワーの壁がある。4回以降のKOかTKOが順当」と予想した。ゴロフキンは自身も標的にしている。

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すね毛逆立つフック危険!村田が語る最強王者攻略法

WBA世界ミドル級タイトルマッチ村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 防衛に成功し、チャンピオンベルトを巻いて勝ち名乗りを受ける村田諒太(左)(2018年4月15日撮影)


 ボクシングのWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が最強王者攻略法の一端を明かしてくれた。1日に都内で取材に応じ、5日(日本時間6日)に米カリフォルニア州で開催される3団体統一同級王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)の20度目の防衛戦に言及。WBC世界スーパーウエルター級1位バネス・マーティロスヤン(アルメニア/米)が相手の試合に「耐久力とかパワーの壁がある。4回以降のKOかTKOが順当」と勝利を予想する傍ら、自身ならゴロフキンとどう戦うかについても、「頭に浮かんでますよ」と一部を披露した。

 挑戦者にWBA6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)を迎えた先月15日の初防衛戦では、8回TKO勝ちした直後のリング上インタビューで「ゴロフキンを目指したい」と公言もしていた。当然ながら既に脳内ではイメージが具体的な像を結ぶ。

 村田 しっかり距離を保ってた上で、あとは根本的なことですね。パンチ力はすごくあるので、その一発をもらわない。ガードしなくてはいけない。そのガードも、結構フックを大きく回してくるので。ちょっと後頭部気味に当てること多いじゃないですか。アゴとかよりも。ゲールとの試合の最初のダウンもそう。そういう試合が多い。そこは気を付けないと。

 最警戒ポイントに挙げたのはフックだ。具体例に挙げたのは14年7月にWBAタイトルの11度の防衛戦として行われたダニエル・ゲール戦。最終的には相手の右ストレートを顔面に受けてはね上げられながら打ち返した右ストレートで逆にリングに打ち倒す衝撃的なダウンを奪い3回TKO勝ちしたが、2回の「最初のダウン」を奪ったパンチこそが危険。それは右のフックで、軌道大きくゲールの左後頭部付近にまで到達。決してクリティカルヒットではなかったが、その独特の軌道から放たれた威力はすさまじかった。ゲールがグローブで思わず後頭部をさする姿も印象的な一発だった。

 村田 (対策は)こういう姿勢(少し頭を前に下げる)にはならないことですね。僕もそれでスパーリングできかされたので。すね毛が逆立つ気持ちになるくらいでした。

 14年7月、米ラスベガスで合同練習の機会があった。その中で行ったスパーリング。村田はプロ1年目。「彼は紳士。デビュー1年目の選手を倒そうなんて気はなかった」と明らかに本気ではなかったが、軽くダッキングした頭にもらったフックは忘れない。脚もとからしびれが上がってくるような感覚に襲われたという。警戒点はもちろんそれだけはない。実際に対戦が決まれば、精緻に分析して勝利の糸口を探るだろうが、現時点では最も気を付けるのはフックだ。

 村田 あとは自分のボクシングをしっかりやって、ジャブをしっかり使って、長い距離から打ち込んでいく。それが通用するかしないかですね。

 防御面から攻撃面に話を進めると、そこは積み重ねてきた自信が支える。ガードを固めてプレッシャーをかけ、前進、強打を打ち込む。ゴロフキン相手だろうと変える必要もないし、変えては通用するものもしない。昨年9月のアルバレス(メキシコ)戦では打たれ強さも見せつけたゴロフキンだが…。

 村田 人間、打たれ強いと言ったって、打たれていればそのうち倒れる。(東洋大の恩師の)金城監督は「打たれて強いボクサーはいない」と。「普段から打たせるボクサーは絶対にダメだ」と。ゴロフキンはタフですし、もちろん簡単には倒れないと思うが、タフだから何が変わるかというと、そうでもないし、打たれるボクサーに長続きする選手はいない。

 世界の雄が集うミドル級だけに、標的と戦えるかどうかは不確定な要素も多い。ただ、村田が的確に確信を持って語る最強王者と向き合う脳内イメージは、それが現実となってくれることをより一層願わせるものだった。

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村田諒太「理想的な目標」最強ゴロフキン戦視察も

初防衛から一夜明け、紙面を手に笑顔を見せる村田(撮影・林敏行)


 WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、最強王者を直接視察する可能性が浮上した。エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)に9回TKOで圧勝し、同級日本人初の防衛を果たして一夜明けた16日、都内で会見。勝利のリングで標的に掲げた3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)に対し、「チャンスがあれば見たい」と望んだ。

 ゴロフキンは来月予定の世界戦が、相手のアルバレスのドーピング違反で辞退し、代替案を模索中。他選手と試合となれば、米国へ渡るかもしれない。14年夏には合同練習を行い、「理想的な目標」と尊敬する男のいまを見る好機になる。

 この日、「珍しく体を休めたい。先を見据えて休んだ方がいいから」と述べた。次戦は秋に米ラスベガス、その先にゴロフキンとの大一番を描くからこそ、休みを重視する。「家族と過ごします。ゴールデンウイークもくるし、一番ハードな仕事がきますね」と笑いを誘った。

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山中慎介氏、村田諒太は「トップレベルでできる」

試合を観戦する山中氏(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。ミドル級では日本勢で初、最も重い階級での防衛に成功した。世界王者となっても己を冷静に見つめ、また経歴に偉業を加えた。標的に3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)を掲げ、さらなる頂に挑む。

 ◆山中慎介氏(元WBCバンタム級王者) パンチもあり、迫力もあった。ミドル級のトップレベルでできると思う。今後も楽しみ。

 ◆長谷川穂積氏(元世界3階級王者) 素晴らしいボクシング。圧倒していた。次の試合が楽しみ。倒しにくい相手を、よく倒した。

 ◆帝拳プロモーション・浜田剛史代表 村田は最後まで落ち着いていた。無理に攻めて前のめりにならず、12ラウンドのうちに倒せばいいという闘いだった。

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

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村田諒太の「強さ」の資質 頭で追い込み右で決める

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 難関とされるミドル級で日本人初防衛を果たした村田諒太(32=帝拳)には、絶対的な自信を持つ資質がある。それは「頭」。観察眼と記憶の蓄積に裏付けられたその必勝法に迫った。

<試合前>

 「アマ時代からやっていることで、まず相手の良さを見る。得意なパンチなど。それと弱いところを見る。シンプルにその2つ。良いところはもらってはいけないので対応する。じゃあ悪いところで特徴を探す。長いこと見ていればわかるんです」

 映像分析に注力する。今回で言えば、ブランダムラの長所は「フットワークの速さ」「右ストレートのかぶせからの左ジャブ」「序盤は右を振ってくる」、短所は「スタミナがない」。 的確な気付きは記憶が支える。自身のアマ138戦、プロ14戦は細部まで状況を思い出せる。他選手の試合は数千試合を見ているが、その蓄積が材料として生き、観察眼を生む。試合の解説でも、他人が気付かないわずかな変化に目がいく。「序盤よりガードがわずかに低い、とか。疲労でパンチが見えなくて、見たいから下げ始めるんです」。

<試合中>

 「いまの嫌がったと思った瞬間に、相手が一息つかない瞬間にいくとか。ちょっとしたことは工夫している。呼吸を読むというか、間を読むというか」

 ここにも観察眼が生きる。よく「プレッシャーをかける」という言葉を使うが、村田の解釈は「相手が嫌がっているということ。されることを嫌がっているかどうか」。これが抜群にうまい。「例えば息の使い方ですね。ボディーを打って効いたかは分からないが、呼吸が乱れ、その後の1アクションが少し遅れたり」。聴力も駆使し、プレッシャーのかけ時を逃さない。

 この日は「作戦は実行できた」と完封した。序盤の右はもらわず相手の長所であるフットワークはジャブで制した。そして、持続力が落ち、ガードが緩んだところを右で仕留めた。「頭でやっているから」。この日も、「頭」で勝ちを引き寄せた。【阿部健吾】

ブランダムラにTKO勝ちして防衛に成功し、関係者らと握手しながら引き揚げる村田(撮影・林敏行)

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村田諒太「心のピョン吉」操りさらなる頂を目指す

6回、ブランダムラ(左)に強烈な右ストレートを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。ミドル級では日本勢で初、最も重い階級での防衛に成功した。世界王者となっても己を冷静に見つめ、また経歴に偉業を加えた。標的に3団体統一王者ゲンナジー・ゴロフキン(カザフスタン)を掲げ、さらなる頂に挑む。

 自分でも驚く一撃だった。「こんなパンチを打てるのか」。8回、残り15秒、村田はまた進化を証明した。ブランダムラを捉えた右ストレートは、直線ではなく鋭角にガードを抜けて右から顔面を捉え、ひざまずかせた。レフェリーが手を交差する。ミドル級、日本人初の防衛成す。瞬間、右拳を掲げた。「ホッとしました。KOという形で期待に応えられた」「初防衛戦なので及第点」。自然に白い歯がこぼれた。

 初回から重圧をかけ、ロープを背負わせた。相手の背中はこすれてすぐに赤くなった。フットワーク自慢を、滑らかな足取りで追い込み続けた。「体が開いていた右ストレートのズレを5回から修正できた」。倒したい欲を抑え、焦らず、「違った右」で仕留めた。

 2日前、調印式にベルトを忘れてきた。自宅に置いたままだった。うっかり、というより、防衛戦に臨む心持ちがそうさせた。「王者なんてとんでもない。圧倒する才能はない」。客観的に実力を見つめ、挑戦者の気概で成長を目指した。

 「ピョン吉の扱い方がうまくなった。2匹目の」。漫画「ど根性ガエル」の主人公のTシャツの胸にすみ着いたカエル。気ままに引っ張り回す存在を、世界王者という肩書に重ねる。1匹目は五輪金メダル。「これだけのことをしたんだから認めてくれ」。高慢だった。振り回された。

 戴冠後、2匹目が誕生したが「また1つのブームがきたな」と思えた。だから行動も変わらない。昨年のクリスマス前、30人分のケーキを手に都内の福祉施設へ。5度目の訪問。「王者になったら来るって言っていたけど、本当に来たね」の声にうれしくなった。

 5年ぶりの多忙な日々も今度は糧にした。CM共演したJ2横浜FCのFWカズが撮影中にあんぱんを食べていた。「練習し過ぎて、栄養取らないと体重が減っていく、と」。飽くなき向上心に感化された。

 1カ月前、取材時間に1時間遅れてきた。理由は「すみません、スパーが良くなくて…」。居残り練習が長くなった。「できないのは悔しいし、できたらうれしい。やりたてのような気持ちもある。そう思うとまだ続けられるなと」。新たに「できた」フィニッシュの右はそのたまものだ。

 「ゴロフキンとやりたい」。V2戦は米国、その先には最強王者を見据える。偉業にのまれず、偉業を成し続ける。【阿部健吾】

村田諒太対エマヌエーレ・ブランダムラ 村田(右)は8回TKOでブランダムラを破り、初防衛に成功する(撮影・足立雅史)
防衛に成功し、チャンピオンベルトを巻いて勝ち名乗りを受ける村田諒太(撮影・林敏行)

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村田諒太、今冬にもゴロフキン戦 アラム氏私案披露

ブランダムラにTKO勝ちして防衛に成功し、関係者らと握手しながら引き揚げる村田(撮影・林敏行)


 初防衛した村田諒太(32=帝拳)が、3団体統一王者ゴロフキン戦に前進した。帝拳の本田会長は今秋のV2戦について「次はラスベガスで。どうせ向こうでやるならアメリカ人とやりたい」。会場は「聖地」MGMグランドガーデンアリーナを予定。「いい勝ち方ができれば(次は)ゴロフキンというのがある。ゴロフキンとはなるべく早くやりたい」と、今冬にも実現する可能性が浮上した。

 米興行大手トップランク社のアラムCEOもV2戦を挟み「東京ドームでゴロフキンとやらせたい」。村田が勝つ可能性を問われ「私はプロモートする選手が勝つと思わない試合はさせない」と断言。その上で日本の日曜朝に試合をすれば、米東海岸の土曜夜に当たり、ペイ・パー・ビューで多くの契約が見込めるという私案も披露していた。

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手出さず相手下げる重圧が村田の武器/大橋秀行の目

8回、ブランダムラ(手前)に強烈な右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。

  ◇  ◇  ◇

 開始30秒で勝負ありだった。村田はガードを固めて、手も出さずにプレッシャーをかけていった。それでブランダムラをロープまで下がらせた。ヘビににらまれたカエル状態。あのプレッシャーは村田の武器といえ、勝負は見えていた。

 あとは追い込むだけで、右を警戒されていたが、左ジャブがストレートのように効いた。左ボディーは少なかったが、右のボディーストレートも良かった。

 ブランダムラは攻撃2割、防御8割で、足も使ってきた。村田が負けることはなくても、倒すのが難しいタイプ。それを最後にワンツーから右で倒した。判定とKOでは全然違う。このKO防衛は大きい。

 初防衛戦は硬くなるものだが、村田は笑いながらのびのびと試合していた。一時スランプのような時もあったが、世界を取って吹っ切れた感じだ。

 この階級は強敵ぞろいで見応えある。次はファルカン戦も面白いが、すぐにでもゴロフキン戦を見たい。ゴロフキンといえども全盛期は過ぎている。あのプレッシャーで下がらせることができれば、チャンスは十分にある。(元WBA、WBC世界ミニマム級王者)

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ブランダムラ、村田が王者の理由「あれで分かった」

試合後、ブランダムラ(左)と健闘をたたえ合う村田(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 前人未到の防衛を飾った。王者村田諒太(32=帝拳)が6位エマヌエーレ・ブランダムラ(イタリア)から8回にダウンを奪い、2分56秒TKO勝ちした。

 村田の強烈な右の一撃で沈められたブランダムラは「村田選手は世界チャンピオンになるべくしてなった選手であるということが“あれ”で分かった。何時間も『右』対策を重ねてきたが(想像以上に)すごかった」と、うなるしかなかった。「競技を取り巻く環境は良くない」というイタリアにあって、陣営として並々ならぬ思いで臨んだ一戦。「世界チャンピオンと拳を交えられて誇りを感じている」と瞳を潤ませた。

6回、ブランダムラ(左)に強烈な右ストレートを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)

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村田諒太、らしさ発揮「普段のノリになってますね」

防衛に成功し、笑顔でインタビューに答える村田(撮影・林敏行)

<プロボクシング:ダブル世界戦>◇15日◇横浜アリーナ


 初防衛に成功したWBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が、またもや持ち前のユーモアセンスを発揮した。同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)を右ストレートを軸にして攻め立て、8回にダウンを奪ってTKO勝ちした直後。勝利者インタビューでおどけてみせた。

 フジテレビの田中大貴アナウンサーがマイクを向けて「たたかい…、戦いたい相手は?」とかみながら聞くと、ニヤリ。即座に「たたかい相手は…」と切り返して、会場にはすぐに暖かい笑いが広がった。「あ、普段のノリになってますね」と自分へのツッコミも入れると、きちんと「ゴロフキンを目指してやりたい」とミドル級3団体統一王者の名前を挙げて、再び会場を沸かせてみせた。

 振り返れば、昨年10月のタイトルマッチのアッサン・エンダム戦でもユーモアは光っていた。7回終了時に棄権によるTKO勝ちでベルトを手にすると、直後のインタビューでは田中アナから「初めて泣いている姿を見ました」と聞かれると、「泣いてません」と赤い眼でニヤリとして見せた。なんとも絶妙なセンスある切り返しは、競技だけでない村田の魅力を見た人に伝えた。

 初防衛戦の舞台でもきっちり「持ち味」を披露した。この先もどんな勝利者インタビューが聞けるか楽しみだ。

初防衛を果たし、笑顔で車に乗り込む村田(撮影・足立雅史)

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挑戦者ブランダムラ、TKO負けに「拳交えて誇り」

試合後、ブランダムラ(左)と健闘をたたえ合う村田(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 村田諒太(32=帝拳)に8回TKOで敗れた挑戦者の同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)は「世界チャンピオンと拳を交えられたことに誇りを感じている」と最大限の敬意を表した。

 「村田選手は世界チャンピオンになるべくしてなった選手であるということが“あれ”で分かった」。村田の強烈な一撃で倒された場面を振り返った時、衝撃を物語るように口調は熱を帯びた。「ジムでも彼の『右』を想定した訓練をかなり重ねてきた。何時間も何時間も、彼の『右』対策に費やしてきた。だけど、やっぱり(想像以上に)すごかった」とうなるしかなかった。

1回、エマヌエーレ・ブランダムラ(右)のパンチをガードして防ぐ村田諒太(撮影・林敏行)

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村田諒太、初防衛成功で旅行券100万円を獲得

ボートレース振興会の小高幹雄会長(左)から旅行券の目録を送られた村田諒太(撮影・林敏行)

<プロボクシング:WBA世界ミドル級タイトルマッチ12回戦>◇15日◇横浜アリーナ


 8回TKO勝ちでミドル級世界戦では日本人初の初防衛に成功した王者村田諒太(32=帝拳)は、勝利者賞としてボートレース振興会の小高幹雄会長から旅行券100万円を贈られた。

 黒いWBAベルトなどの返還セレモニー後、リング上で旅行券の目録が手渡された。満面の笑みで小高会長とガッチリと握手を交わし、一緒に記念撮影に応じた。ボートレース振興会が今回のタイトル戦に協賛しており、村田が家族と一緒に旅行できる大きなボーナスとなりそうだ。

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王者村田は探求心の鬼!想像絶する坂道トレ課しV1

8回、ブランダムラ(後方右)をTKOで破り初防衛を果たした村田は右拳を掲げる(撮影・狩俣裕三)

<プロボクシング:ダブル世界戦>◇15日◇横浜アリーナ


 WBA世界ミドル級王者村田諒太(32=帝拳)が初防衛に成功した。同級6位エマヌエーレ・ブランダムラ(38=イタリア)と対戦。開始から得意の右ストレート中心の連打を決め、優位に立つ。8回TKO勝利。日本人の同級王座の防衛成功は初となった。

 村田 (王者として)今回は見られる立場だった。気が引き締まった。より自分と向き合う時間が多かった。(今後は世界同級3団体統一王者の)ゴロフキンを目指してやっていきたい。

 飽くなき探求心が世界王者となった後も村田を成長させていた。1月に沖縄で1週間行ったフィジカル強化の合宿。中村トレーナーにリクエストしたのは「ラウンド中のしんどくてという状態に似通った疲れがほしい」。これまであまりやってこなかったメニューを依頼した。

 これまで取り組んできた内容の1つに、重いトレーニング用そり(スレッド)を一気に押すメニューがある。「ほぼ無呼吸の状態で30秒くらいやるんですが、普通人間は息を吸って平衡を保っているんですけどそれが崩れるんです。酸素負債といって、借金なんですよ。本来息をしてないといけない時の借金状態。その負債を抱えたのを、押し終わった後に、はー、はー、と返す。その時に一気に心拍数が上がる。トレーニング中、やっている中に息が上がるかというと、そうではないんです」。その状態はボクシングで言えばラッシュをかける疲れに似ているが、それでは不十分と感じていた。

 そこで新メニューを求めた。「後で返すのではなく、やっている最中にしんどいもの」。用意されたのは2キロ以上長く続く坂道を走り続ける、それを3セット。沖縄の海を背景にしながら、肩で激しく息をしながら駆け上がる姿があった。「しんど!」と走り終わった後に叫びながら、また新たなチャレンジに充実感に浸った。さらに上を、その上を目指し続ける姿勢。坂道を登るように向上を目指し続ける心が、偉業を支えた。

3回、ブランダムラ(左)に右フックを食らわす村田(撮影・狩俣裕三)
6回、ブランダムラ(左)に右ストレートを打ち込む村田(撮影・狩俣裕三)

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