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清水聡ら抗体検出なし、7・16タイトル戦出場へ

抗体検査を受けた清水(右)と井上浩(20年6月25日撮影)

日本ボクシングコミッション(JBC)は29日、東洋太平洋フェザー級王者の清水聡(大橋)ら7月16日のタイトル戦(後楽園ホール)に出場する4選手全員が試合3週間前の新型コロナウイルス抗体検査で抗体が検出されなかったと明らかにした。

日本スーパーライト級王者の井上浩樹(大橋)も出場。興行主の大橋ジムは試合前日に選手らにPCR検査する予定。プロボクシングは7月に興行再開方針。

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大橋ジム王者清水ら無観客興行でPCR検査実施

清水聡(2018年12月3日撮影)

大橋ボクシングジムの大橋秀行会長(55)は26日、7月16日に東京・後楽園ホールで予定している興行(無観客)でPCR検査を実施すると明らかにした。

ボクシングでは、既に感染歴の有無を調べる抗体検査は行われているが、さらなる安全確保のため試合前日のPCR検査の早期導入を進めてきた。

検査を受けるのは、東洋太平洋フェザー級タイトルマッチを行う王者清水聡(34=大橋)、挑戦者の殿本恭平(24=勝輝)、日本スーパーライト級タイトルマッチを行う王者井上浩樹(28=大橋)、挑戦者の永田大士(30=三迫)の出場4選手とチーフセコンドで、試合前日に実施される。

すでにボクシングの興行が再開されている米国やメキシコなどでは抗体検査ではなくPCR検査が義務づけられており、日本も国際基準に合わせた形だ。

大橋会長は「選手が不安なく戦えることが1番だし、コロナ後の最初のタイトルマッチで、日本のボクシングがきちんとした対策を取っていることを国内外に伝えることも重要」と話した。c

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井上浩樹VS清水聡が抗体検査「日本活気づけたい」

抗体検査を受けた清水(右)と井上浩

ボクシングの東洋太平洋フェザー級王者清水聡(34)と日本スーパーライト級、WBOアジアパシフィック同級王者井上浩樹(28=ともに大橋)が25日、横浜市内の病院で新型コロナウイルスの抗体検査を受けた。

来月16日に東京・後楽園ホールで予定されている防衛戦(無観客)に向け、日本ボクシングコミッションから義務付けられたもので、結果は26日以降に判明する。コロナ禍後、国内で最初のタイトル戦。殿本恭平とのV5戦に臨む清水は「ジムだけでなく、ボクシング界を盛り上げ、日本を活気づけたい」。永田大士とのV2戦となる井上は「結果もだが、内容も大事になる」と盛り上げを誓った。

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大橋会長、井上尚弥の3団体統一戦は「8月か9月」

ジムワークするバンタム級2団体統一王者井上尚弥(大橋ジム提供)

新型コロナウイルスの感染拡大により4月から営業を休止していた大橋ボクシングジムが1日、営業を再開し、大橋秀行会長(55)が取材に応じた。

来月16日には、東京・後楽園ホールで、コロナ禍後、国内で最初のタイトル戦となる東洋太平洋フェザー級王者清水、日本スーパーライト級王者井上浩の防衛戦を開催予定。「選手のモチベーションを下げないことが重要ボクシングの灯は消せないという思いもある」と話した。

延期となっているWBA、IBFバンタム級統一王者井上尚のWBO王者カシメロとの3団体統一戦については、「8月か9月になる見込み」とした。

井上尚弥(2019年11月7日撮影)

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東日本ボクシング協会、プロモーターに補助追加決定

東日本ボクシング協会の理事会が13日、オンライン会議で開催された。3月以降に中止となった後楽園ホールでの興行に限り、プロモーターに対してキャンセル料補助の追加を決めた。日本プロボクシング協会から最大15万円補助が決まっていたが、不足分を補てんする。

また、7月から興行を再開予定だが、新たに日本王座戦の2興行の開催が申請された。東日本に限ると、16日に大橋ジムの東洋太平洋フェザー級清水と日本スパーライト級井上のダブル王座戦を皮切りに、新人王予選を含めて4興行となる。

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末吉大が引退表明「ボクシングに出会えてよかった」

末吉大

ボクシング前日本スーパーフェザー級王者末吉大(29=帝拳)が現役を引退した。10日にブログを通じて表明した。

17年10月に初挑戦で日本王座を獲得したが、昨年12月に5度目の防衛に失敗していた。「コロナとかは関係なく、12月の試合が終わってしばらく考えて、このような結論に至りました。100%自分で出した結論です」と記した。

世界挑戦には届かなかったが「ボクシングに出会えてよかったし、ボクシングを通じてできた経験、出会えた人々、すべてが最高でした」とつづった。

末吉は5歳で空手、中1でキックボクシングをへて、千葉経大付でボクシングを始めた。東洋大に進学もプロで世界王者を目指して2年で中退。11年6月に帝拳ジムからプロデビューした。

12年の東日本新人王準々決勝では、のちの世界王者伊藤雅雪(横浜光)に僅差判定で初黒星を喫した。その後はB級トーナメントを制し、13連勝で日本王座を獲得。18年には東洋太平洋同級王者三代大訓(ワタナベ)と2冠統一戦に臨むも引き分けた。通算19勝(11KO)2敗1分け。

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ロマチェンコ恐ろしく芸術的な軽打/岩佐亮佑の一撃

ロマチェンコ(2019年12月5日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~19>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。IBF世界スーパーバンタム級暫定王者岩佐亮佑(30=セレス)があげたのは、現ライト級3団体統一王者ワシル・ロマチェンコ(32=ウクライナ)の「心を折る軽打」。世界が注目した「五輪2大会連続金メダリスト対決」で、ギジェルモ・リゴンドー(キューバ)を翻弄(ほんろう)した戦いを語りました。(取材・構成=奥山将志)

◇     ◇    ◇

▼試合VTR 17年12月9日、米ニューヨークで、08年北京五輪、12年ロンドン五輪金メダルのWBO世界スーパーフェザー級王者ロマチェンコが、00年シドニー五輪、04年アテネ五輪金メダルのリゴンドーの挑戦を受けた。高い技術戦が期待されたビッグマッチだったが、「ハイテク」の異名を取るロマチェンコが、その強さを見せつける展開となった。ジャブの差し合いで早々にペースを握ると、2回以降は手数を重視した軽いパンチと、出入りのスピードでリゴンドーを圧倒。一方的な展開で迎えた6回終了時に「キューバの英雄」が棄権を申し出た。これにより、ロマチェンコは、4試合連続で相手の棄権によるTKO勝ち。相手に何もできない絶望感を与える、その強さが際立つ一戦となった。

◇     ◇    ◇

相手の頭を触るような「パチ、パチ、パチ」という軽いパンチが、見ていて恐ろしく、芸術的とさえ感じました。あのリゴンドーに何もさせなかった。すごい試合でした。

ロマチェンコの特徴は、一発の強さはないですが、すべての種類のパンチを打てること。そして、相手の周りをぐるぐる回りながら、常に相手を触り続ける。一般受けする選手ではないかもしれませんが、対戦相手からすると、崩しにくい、本当に戦いにくい選手だと思います。

選手目線で見れば、学ぶべきところが多いですね。たとえばメイウェザーやハメドの動きはまねできませんが、ロマチェンコはできる。

ベースにあるのは運動量で、どれだけ動くんだというぐらい徹底して足を動かし、出入りのボクシングでペースをつかむ。防御も、ガードをしっかりして、上体の動き、膝の沈め方でパンチをかわす。ナチュラルな「天才」というより、基本を忠実に追い求め、努力でつくりあげた「天才」だと思います。

アマチュアのような戦いで、プロでも新たな形をつくりだしたロマチェンコ。学ぶべきところは多いですし、少しでも自分のものにしていきたいですね。

◆岩佐亮佑(いわさ・りょうすけ)1989年(平元)12月26日、千葉・柏生まれ。地元のセレスジム開設に合わせ、中2で入門。習志野高3年で3冠。アマ戦績60勝(42KO)6敗。08年プロデビュー。11年に日本バンタム級王者山中慎介に挑戦も失敗。2戦後に日本同級王座、13年に東洋太平洋同級王座獲得。15年に英国でIBF世界同級暫定王座決定戦での世界初挑戦は失敗。17年9月にIBF世界スーパーバンタム級王者小国を破り王座獲得。19年12月にIBF同級暫定王座を獲得し、王座返り咲きに成功。171・5センチの左ボクサーファイター。家族は両親と姉。

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大橋ジムが中止要請明け初タイトル戦を7月に計画

大橋秀行会長(2020年1月31日撮影)

大橋ボクシングジムが、新型コロナウイルスの感染拡大による興行中止が続く中、初めてのタイトル戦を、7月16日に東京・後楽園ホールで計画していることが判明した。大橋秀行会長(55)が7日、明かした。

東洋太平洋フェザー級王者清水聡(大橋)が殿本恭平(勝輝)を迎え撃つ5度目の防衛戦、日本スーパーライト級王者井上浩樹(大橋)の永田大士(三迫)とのV2戦の2試合の開催を目指し、この日までに日本ボクシングコミッション(JBC)と日本プロボクシング協会(JPBA)に申請した。

JBCとJPBAは新型コロナウイルス対策連絡協議会を継続的に開き、6月30日までの興行中止要請を決めている。7月以降は、最初の興行として、5日に中日本新人王予選(愛知・刈谷市あいおいホール)が予定されている。

大橋会長は「選手のモチベーションを考え、無観客試合も含め、さまざまな感染予防策を考えながら開催を目指したい」と話した。

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前王者沈めた自賛の右ストレート/徳山昌守氏の一撃

01年5月20日WBC世界スーパーフライ級タイトルマッチ、チョ・インジュ(左下)を5回45秒でKOした徳山昌守は統一旗を手にガッツポーズ

<ボクシング、忘れられない一撃~9>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。

元WBC世界スーパーフライ級王者徳山昌守氏(45)があげたのは「ソウルの一撃」。自身の防衛戦、敵地ソウルで前王者チョ・インジュを返り討ちにした右ストレート。試合前からさまざまなトラブルに見舞われた裏話とともに振り返る。(取材・構成=実藤健一)

▼試合VTR 01年5月20日、徳山は敵地のソウルに乗り込み、ベルトを奪った相手のチョ・インジュとのリマッチで2度目の防衛戦に臨んだ。試合は立ち上がりから距離をとるチョ・インジュを徳山が追いかける展開。左ジャブでペースをつかみ、4回に右を当ててダメージを与える。そして5回45秒、右ストレートで失神KO勝ちした。朝鮮半島の南北問題が動いた時代で、朝鮮籍の徳山がソウルで行う世界戦とあり、現地の注目度を含めて試合前から異様な空気だった。

◇ ◇ ◇

自分にとって生涯一の一撃。ただ、驚くほど手ごたえはなかった。ゴルフのティーショットで、きっちりスイートスポットで捉えたら当たった感触がないって言うでしょ。手にガツンとくるときは、変なところに当たっている。あごをきれいに打ち抜くから、脳にダメージを与える。気持ちいいほど感触がなかった。

打った瞬間、相手が倒れる前にクルッと背を向けた。マンガのように。立ってくるかと思ったけど、ニュートラルコーナーで振り向いたら失神していた。

試合前からいろいろあった。(韓国で試合した)先輩から聞いてたんで警戒して、相手陣営が指定したホテルに泊まらず。出された食事も手をつけなかった。ホテルも特定されないよう複数の部屋を借りていたけど試合の前の日、夜中に電話。男性の声で「徳山選手が泊まってますか」って。「違います」と言って、電話線を抜いて寝た。試合当日も自分のコーナーの目線に強烈なライトが当たるようになっていたそう。関係者が気づいて抗議したけど、そのままなら目をやられていた。(※前日計量も予備計量でオーバーも、はかりの不具合を発見して修理し本計量はアンダーで一発クリア。ただ起きたすべての事象の原因は不明)。

倒さないと勝てない。ファイタースタイルで闘おうと思っていた。でも自分のボクシングが崩れると、考えを変えた。変な判定になったら、みんなの助けで再戦はできるだろうと。そう切り替えたのが、結果的にKOになったと思う。

36戦して、あんなパンチは1発だけ。あの感触、気持ちよさはもう一生、味わえないでしょう。

◆徳山昌守(とくやま・まさもり)1974年(昭49)9月17日、東京生まれ。在日朝鮮人3世で本名は洪昌守(ホン・チャンス)。94年9月プロデビュー。99年9月に東洋太平洋スーパーフライ級王座を獲得し、00年8月に世界初挑戦でWBC世界同級王座を獲得。8連続防衛も9度目の防衛戦で川嶋に1回TKO負けで陥落。05年7月の再戦で返り咲き、初防衛に成功後引退した。戦績は32勝(8KO)3敗1分け。

※チョ・インジュは■仁柱。■は十の下に日を二つ縦に並べ、十の縦棒が一つ目の日を貫く

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リカルド・ロペスの左アッパー/松本好二氏の一撃

91年5月19日、初防衛に成功したWBC世界ストロー級(現ミニマム級)王者のリカルド・ロペス

<ボクシング、忘れられない一撃~7>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。元東洋太平洋フェザー級王者で、大橋ジムのトレーナーとして川嶋勝重、八重樫東を世界王者に育てた松本好二氏(50)は「リカルド・ロペスの左アッパー」を挙げました。

    ◇    ◇

▼試合VTR 90年10月に大橋秀行からWBC世界ミニマム級王座を奪取したリカルド・ロペス(メキシコ)は、そこから無敵の防衛ロードを突き進んだ。96年3月のV15戦では、日本でも活躍したアラ・ビラモア(フィリピン)と米ラスベガスで対戦。8回にリング中央で向き合うと、左構えのビラモアのあごをめがけて強烈な左アッパーを打ち込んだ。一発で崩れ落ちたビラモアは、カウント後も起き上がることができず、衝撃的なKOでベルトを守った。その後、防衛記録を21まで延ばし、ライトフライ級で2階級制覇を達成したロペス。プロ通算戦績は52戦51勝(37KO)1引き分け。プロ、アマ通じ、無敗でキャリアを終えた伝説の王者が放った一撃を、松本氏は絶賛した。

◇     ◇    ◇

あのアッパーの映像は、今でも鮮明に残っています。ロペスのような右構えの選手が、サウスポーを相手に、前の手(左)でアッパーを当てるのは技術的に本当に難しい。それだけに、死角というか、ビラモアはまったく見えていなかったですね。

ロペスは、ストレート、フックが強く、相手はどうしてもガードを高い位置で固めたくなる。ただ、ガードを固めれば固めるほど、あのアッパーはもらいやすくなるんです。しかも腕を折りたたんだまま、寸分の狂いもなく、あごに飛んでくる。自分が戦うと考えると、本当に怖いパンチですね。

ロペスは私と現役の期間が近いですし、印象深い選手です。(ヨネクラジムの先輩の)大橋会長との試合が近づき、ロペスの情報が入るにつれて、米倉会長も、(トレーナーの)松本(清司)先生も「すごいやつが来た」とピリピリとしていったのを覚えています。

忘れられないのは、試合2~3日前の出来事です。世界戦の公式行事が終わった後、米倉会長と松本先生が最後の打ち合わせをするため、ホテルの喫茶店に入りました。当時、米倉会長の付け人をしていた私も、「お前も座ってろ」と言われ、場違いながら、同席することになりました。

その場で、米倉会長と松本先生は、「ジタバタせず、この試合は大橋の能力にかけよう。今までやってきたことを信じよう」と、事前に立てた作戦を変えずに試合に臨むことを、互いに確認しあっていたのです。トップ2人が試合前にそんな話をする姿を私は初めて見ましたし、「リカルド・ロペス」というボクサーが、いかに特別な選手であるかを痛感した瞬間でした。

(大橋)会長との試合がロペス伝説のスタートになりました。ただ勝つだけでなく、倒して勝つ。今でいえば、(井上)尚弥のように、基本に忠実なボクシングで、それでいて、圧倒的に強い。実力のあるビラモアを一発で沈めたあのアッパーの衝撃は、今も忘れることが出来ません。

◆松本好二(まつもと・こうじ)1969年(昭44)9月27日、横浜市生まれ。横浜高でボクシングを始め、高3時に総体フェザー級準優勝。専大進学も2年で中退。アマ通算37勝(21KO)6敗。89年6月にプロデビュー。91年2月、92年2月、95年3月と3度日本フェザー級王座獲得。96年11月に東洋太平洋同級王座獲得。世界戦は3度挑戦したが失敗。引退後は大橋ジムのトレーナーとして、川嶋勝重、八重樫東を世界王者に育てる。現役時代の戦績は26勝(15KO)6敗1分け。

90年10月25日、世界ストロー級タイトルマッチで王者の大橋秀行(右)に左フックを浴びせるリカルド・ロペス

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井上尚弥がパヤノ3発70秒KO/寺地拳四朗の一撃

ワールド・ボクシング・スーパーシリーズバンダム級トーナメント WBAバンタム級タイトルマッチ 1回戦・井上尚弥対フアンカルロス・パヤノ(手前) 1回、フアンカルロス・パヤノを攻めダウンを奪い、そのままKO勝ちする井上尚弥(2018年10月7日撮影)

<ボクシング、忘れられない一撃~6>

一発のパンチですべてが変わるボクシング。選手、関係者が「あの選手の、あの試合の、あの一撃」をセレクトし、語ります。

WBC世界ライトフライ級王座を7連続防衛中の寺地拳四朗(28=BMB)の「一撃」は、モンスターの右ストレートだ。WBA、IBF世界バンタム級統一王者・井上尚弥(大橋)が、ワールド・ボクシング・スーパーシリーズ(WBSS)1回戦で、元同級スーパー王者フアンカルロス・パヤノ(ドミニカ共和国)を70秒で沈めた一撃。具志堅用高氏の日本記録、連続13回防衛更新を目指す現役王者の視点で「倒す」難しさを語った。(取材・構成=実藤健一)

▼試合VTR 18年10月7日、横浜アリーナでWBSS1回戦が行われ、井上がパヤノと激突した。開始40秒すぎに繰り出した右アッパーが距離を縮めてきた相手のあごをかすめると、50秒経過直後に左ジャブでパヤノの視界を奪い、即座に放った右ストレートでフィニッシュ。繰り出したパンチはわずか3発。1分10秒のKO勝ちは、日本選手世界戦最速KOタイムを更新した。

◇ ◇ ◇

衝撃というより、あれ!? いつの間にという印象しか残っていない。一瞬やった。知らん間に終わってしまったという感じ。それが逆にすごい。

井上選手はプレッシャーのかけ方がすごくうまい。自分はスタイルが違うし、戦い方も違うけど、ボクサーとしては早く終わらせるにこしたことはない。テレビ局は大変ですけど。

あらためて思ったのは狙って倒すのは難しいな、と。あの試合の井上選手も狙って打ったというより、流れの中で繰り出したパンチだと思う。自分の経験を振り返っても、たまたまのパンチで倒したというケースは少なくない。

ただ、その「たまたま」は、それまでの練習の積み重ねから生まれるもの。練習で死にものぐるいにやっていないと、体に染みこんでいかない。やればその分、試合で発揮できる。

「知らん間に終わった」井上選手のあの試合は、その典型のように思う。

◆寺地拳四朗(てらじ・けんしろう) 1992年(平4)1月6日、京都府城陽市生まれ。奈良朱雀高から関大に進み国体優勝。14年8月プロデビュー。17年5月にWBC世界ライトフライ級王座を獲得し、7連続防衛中。拳四朗は漫画「北斗の拳」の主人公に由来しリングネームにしてきたが前回防衛戦から本名。戦績は17勝(10KO)無敗。父で会長の永氏は元日本ミドル級、東洋太平洋ライトヘビー級王者。身長164・5センチの右ボクサーファイター。

寺地拳四朗

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京口「この先も必要」ワタナベジムの支援金呼びかけ

京口紘人(2019年9月19日撮影)

ボクシングのワタナベジムが27日、クラウドファンディングでジムの支援金を募るプロジェクトを立ち上げた。ジムは休業中で、7月までの29試合が中止とした。約90人のプロ選手に、300人の練習生がいるジムの存続危機に、5月29日までに目標額600万円の支援金を募っている。

集まった支援金は、5月に予定していたWBA世界ライトフライ級スーパー王者京口紘人のV3戦などのキャンセル料など、休業中のジムの賃料や固定人件費など、今後の育成や感染拡大予防費にあてるという。

選手のお礼メールが届く一口1000円から。100万円の世界王者コースではジムでの特別スパーリング観戦、選手との食事会、サイン入りグローブ、50万円は主催試合のコーナーポスト、30万円はリング上の広告に名前掲載、1万2000円の東洋太平洋王者コースはサイン入りグローブなどが返礼となる。

京口は「分け隔てなくチャンスを与えてくれるワタナベジムは、この先もボクシング界にとって必要なジムだと思います。当然、僕も出来る限りのことはしますが、皆さんにご支援を頂けると助かります」とコメントしている。

プロジェクト詳細はhttps://camp-fire.jp/projects/view/261415

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アマ8冠の中垣龍汰朗「憧れていた」プロテスト合格

合格通知を指して笑顔を見せる中垣(左)と松本

アマチュアボクシングで8冠の実績を持つ中垣龍汰朗(20)と、元東洋太平洋フェザー級王者で大橋ジムトレーナーの松本好二氏の長男・圭佑(20)が4日、横浜市内の大橋ジムでB級(6回戦)のプロテストを受け、合格した。当初は11日に東京・後楽園ホールで受験予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で3月の同所での興行が中止となり、所属先での特例の受験となった。

3回のスパーリングでは中垣が左の強打、松本も得意のフットワークを生かしてパンチを返すなど、高い技術を披露した。スーパーフライ級で世界を目指す中垣は「小さい頃から憧れていたステージに立てると思うと感慨深い」と笑顔。スーパーバンタム級の松本は「1試合ずつ、しっかりとした準備をして戦っていきたい」と力を込めた。2人は5月28日にデビュー予定で、大橋会長は「2人ともスター性は十分。ジムの中でも競い合ってほしい」と飛躍を願った。

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長浜陸が技術差見せつけ判定勝利!東洋タイトル奪取

長浜陸(2019年7月6日撮影)

<プロボクシング:東洋太平洋ウエルター級王座決定12回戦>◇27日◇東京・後楽園ホール

ボクシング東洋太平洋ウエルター級王座決定戦が27日に東京・後楽園ホールであり、同級7位長浜陸(28=角海老宝石)が新王者となった。

同級2位クドゥラ金子(22=本多)に技術の差を見せて、3-0の判定勝ち。移籍3戦目で2度目のタイトル挑戦をものにした。強打を浴びて敗者のように顔をはらせたが、「右手を痛めてどうなるかと思った。相手は同じパターンだった」と冷静に話した。クドゥラは12戦目の初黒星で、アフガニスタン出身で初の王座を逃した。

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プロボクシングも全国の試合中止 3・1から1カ月

マスク姿でボクシングの中止発表会見。左から日本プロボクシング協会新田事務局長、日本ボクシングコミッション安河内事務局長、日本協会花形会長、同山下副会長、主催のDANGAN古沢代表

プロボクシング界も3月1日から1カ月間は、全国で開催予定だった試合を中止、順延する。日本プロボクシング協会と日本ボクシングコミッション(JBC)が26日、都内で新型コロナウイルスへの対応を協議した上で決定し、各興行のプロモーターに要請した。

無観客で開催の要望があった場合は今後協議する。27日の東京・後楽園ホールでの東洋太平洋ウエルター級タイトル戦など8試合は実施する。

3月には全国で16の興行が予定され、東洋太平洋、日本など9試合のタイトル戦が組まれていた。日本協会花形会長は「しょうがない。1カ月は様子を見ることになった」。山下副会長は1日の大阪での興行を予定していたが「残念だが、自粛でなく中止ではっきりした。試合は延期にしたい」と話した。

27日に出場する16選手は、26日の都内での前日計量をいずれもパスした。JBC安河内事務局長は「前日と状況が急転した。競技の特異性などからの判断」とした。当日券は販売せず、マスク着用の徹底、入り口にアルコール消毒液設置、セレモニー中止などの対応策を実施する。払い戻しはしない代わりに、ライブ配信のアカウントを発行する。

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ボクシング松本圭佑、井上尚弥に感銘しプロ入り決意

プロ転向会見を行った松本圭佑(右)と父の好二トレーナー

ボクシングの元東洋太平洋フェザー級王者松本好二氏(50=大橋ジムトレーナー)の長男圭佑(20)が20日、横浜市内で会見し、大橋ジムからプロ転向すると発表した。

U-15全国大会で5連覇を果たすなど、幼少期から活躍してきたが、目標としていた東京五輪出場を逃し、昨年末に東農大を中退。「小さい頃からの憧れの舞台に立ててわくわくしている。ラスベガスや東京ドームで試合ができるような世界王者になりたい」と意気込みを語った。

プロ転向のタイミングを悩んでいたが、昨年11月の井上尚-ドネア戦を観戦し「こんなにすごい方が身近にいる。同じ環境で練習がしたい」とプロ入りを決意。父が3度の挑戦でつかめなかった世界王者を目指す道を選び「小さい頃から父の映像を見るたびに、悔しい気持ちを持っていた。父を超えること=世界王者になること。そこもモチベーション」と力を込めた。

プロではスーパーバンタム級を主戦場とする予定で、3月11日にプロテストを受け、5月28日のデビューを目指す。世界王者の八重樫、川嶋勝重を育ててきた松本トレーナーは「八重樫のハートと、尚弥の技術を併せ持ったような選手を目指して欲しい」と話した。【奥山将志】

◆松本圭佑(まつもと・けいすけ)1999年(平11)7月17日、横浜市生まれ。小3でボクシングを始め、みなと総合高では選抜ライトフライ級優勝、総体3年連続準優勝など。東農大では全日本選手権バンタム級準優勝。アマ戦績は95戦80勝15敗。175センチ。家族は父、母、妹。

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福永亮次が新王者「人生左右する試合」で逆転TKO

右目はふさがりながらも王座奪取の福永亮次

<ボクシングWBOアジア太平洋スーパーフライ級タイトル12回戦>◇14日◇東京・後楽園ホール

同級4位福永亮次(33=角海老宝石)が逆転TKOで新王者になった。

同級王者フローイラン・サルダール(30=フィリピン)のV1戦でタイトル初挑戦。右目がふさがりながらも、7回にボディーでダウンを奪う。さらに連打を浴びせるとレフェリーがストップ。7回1分40秒TKOで王座を獲得した。

初回から長い右ストレートをもらい、なかなか攻め込めなかった。4回あたりから右目の周囲も腫れだした。このままではレフェリーストップもあり得る状況に、田部井トレーナーは6回にゴーサイン。福永も「距離が遠かったが、ボディーは効いていた。ガードを固めていくしかない」と一転攻勢で逆転勝ちした。

地元大阪でプロデビューし、上京して宮田ジムに移籍した。16年には全日本新人王も、18年に東洋太平洋シルバー王座挑戦に失敗し、ボクシングから離れた。「またやりたくなった」と昨年ジムを移籍し、2戦目でつかんだビッグチャンスをものにした。

15歳から型枠職人の仕事につき、試合前は3日ほど休むだけだった。「ボクシング人生を左右する試合」に向けて、今回は12日間と初の長期休暇をもらった。その期待にも応えて見せた。

サルダールは元世界王者の木村翔に挑戦経験もあり、WBO7位につけていた。福永は世界ランク入りも確実にしたが「レベルが低すぎ。もっともっと練習して上を目指したい」と話した。

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吉野修一郎TKOで5度目防衛「足りない部分ある」

富岡(左)に右ストレートを浴びせる吉野修一郎(撮影・中島郁夫)

<プロボクシング:日本ライト級タイトルマッチ>◇13日◇東京・後楽園ホール

日本ライト級王者吉野修一郎(28=三迫)が、苦しみながらも5度目の防衛に成功した。

同級1位の富岡に1回に右のカウンターでダウンを奪われたが、粘り強く戦い、8回1分55秒に連打を集めたところで、逆転のTKO勝利を収めた。東洋太平洋、WBOアジア・パシフィック王座も保持する28歳は「こんな試合で世界とは言えない。まだまだ足りない部分がある」と成長を誓った。

タイトル防衛に成功し記念撮影する日本ライト級王者吉野(撮影・中島郁夫)

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挑戦者福永亮次「もちろん狙う」KO勝ち 前日計量

計量をクリアした福永亮次(左)とフォローイラン・サラダール

ボクシングWBOアジア太平洋スーパーフライ級タイトル戦の前日計量が13日に都内で行われた。同級4位福永亮次(33=角海老宝石)が14日に東京・後楽園ホールで、同級王者フローイラン・サラダール(30=フィリピン)のV1戦で初挑戦する。福永はリミットの52・1キロ、サラダールは51・9キロでパスした。

王者は3敗のうち2敗は、元世界王者の木村翔、井上拓真に喫した。昨年9月に王座を獲得し、WBO9位にランクされている。強敵相手にも福永は「1、2回から出ていってつぶしたい」と気合十分。11勝はすべてKO勝ちに「もちろん狙う」と力を込めた。

地元大阪でプロデビューし、上京して宮田ジムに移籍した。16年には全日本新人王も、18年に東洋太平洋シルバー王座挑戦に失敗し、ジムを離れた。「またやりたくなった」と昨年ジムを移籍。2戦目でビッグチャンスをつかんだ。

15歳から大工の仕事についた。普段は試合3日前から休むが、今回は12日間と初の長期休暇で決戦に備える。パンチのある相手に、パワー対策で重い階級を相手にスパーリングを積んできた。「下がらずにずっとプレッシャーをかけたい。上下に打ち分けて、ボディーも効かせて削っていく」つもりだ。「ボクシング人生を左右する試合」に決意がみなぎった。

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亀田3兄弟のいとこ京之介、角海老宝石ジムに移籍

亀田京之介

亀田一族で昨年初の東日本新人王となったフェザー級亀田京之介(21)は角海老宝石ジムに移籍する。

元世界王者亀田3兄弟のいとこで、18年に協栄ジムからプロデビュー。初戦黒星から昨年フェザー級で東日本新人王となり、全日本は花形ジム所属で出場も判定負けした。角海老宝石ジム所属の東洋太平洋スーパーウエルター級王者渡部あきのりは、以前に協栄、亀田ジム所属で亀田家と親交がある。

有望選手も多い練習環境などからも移籍先に選択したとみられる。

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